以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<空気調和機の全体構成>
まず、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成と基本的な動作概要とについて説明する。なお、図1は、第1の実施の形態にかかる空気調和機の冷房運転時および除霜運転時の概略構成図である。また、図2は、第1の実施の形態にかかる空気調和機の暖房運転時の概略構成図である。
図1および図2を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機1は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室外機10、室内機30およびリモートコントローラ50から構成されている。なお、空気調和機1は、室外機10と室内機30とが冷媒配管17および18を介して接続されることによって構成されている。以下、室外機10、室内機30、リモートコントローラ50、冷媒配管17および18について詳述する。
(1)室外機
室外機10は、主に、筐体11、圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、室外熱交換器温度センサ21、吐出温度センサ22、吸入温度センサ23、出口温度センサ24、外気温度センサ25、室外赤外線センサ133および室外制御部29から構成されている。なお、この室外機10は、屋外に設置されている。
筐体11には、圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、温度センサ21〜25および室外制御部29等が収納されている。
圧縮機12は、吐出管12aおよび吸入管12bを有している。吐出管12aおよび吸入管12bは、それぞれ、四路切換弁13の異なる接続口に接続されている。また、圧縮機12は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。圧縮機12は、運転時、吸入管12bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管12aから吐出する。なお、本実施の形態においては、この圧縮機12はインバータ式であるが、定速式の圧縮機であってもよい。
四路切換弁13は、冷媒配管を介して圧縮機12の吐出管12aおよび吸入管12b、室外熱交換器14ならびに室内熱交換器32に接続されている。そして、この四路切換弁13は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。これによって、四路切換弁13は、運転時、室外制御部29から送信される制御信号に従って、圧縮機12の吐出管12aを室外熱交換器14に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室内熱交換器32に連結させる冷房除霜運転状態(図1参照)と、圧縮機12の吐出管12aを室内熱交換器32に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室外熱交換器14に連結させる暖房運転状態(図2参照)とを切り換える。
室外熱交換器14は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたもの(フィン&チューブ型)であって、冷房運転時や除霜運転時(図1参照)には凝縮器として機能し、暖房運転時(図2参照)には蒸発器として機能する。なお、熱交換器としてパラレルフロー型熱交換器やサーペン型熱交換器を用いてもよい。
膨張弁15は、後述するステッピングモータを介して開度制御が可能な電子膨張弁である。膨張弁15は、一方が冷媒配管17を介して二方弁19に接続されると共に、他方が室外熱交換器14に接続されている。また、この膨張弁15のステッピングモータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。膨張弁15は、運転時において、凝縮器(冷房運転時や除霜運転時は室外熱交換器14であり、暖房運転時は室内熱交換器32である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(冷房運転時や除霜運転時は室内熱交換器32であり、暖房運転時は室外熱交換器14である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
室外ファン16は、主に、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器14に供給する。モータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。
二方弁19は、冷媒配管17に配設されている。なお、二方弁19は、室外機10から冷媒配管17が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。
三方弁20は、冷媒配管18に配設されている。なお、三方弁20は、室外機10から冷媒配管18が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機10から、あるいは室内機30を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁20を通じて冷媒の回収が行われる。
温度センサ21〜25は、サーミスタである。室外熱交換器温度センサ21は室外熱交換器14に配置されており、吐出温度センサ22は圧縮機12の吐出管12aに配置されており、吸入温度センサ23は圧縮機12の吸入管12bに配置されており、出口温度センサ24は室外熱交換器14の出口付近の冷媒配管17に配置されており、外気温度センサ25は外気温度測定用であって筐体11の内部の所定箇所に配置されている。より詳細には、外気温度センサ25は、例えば、室外ファン16によって室外熱交換器14に供給される前の外気の温度を検知できる箇所に配置されることが好ましい。これらの温度センサ21〜25は、全て、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室外制御部29に送信している。
室外赤外線センサ133は、室外の明るさを測定して、測定結果を室外制御部29に伝える。
室外制御部29は、通信線を介して圧縮機12、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16、温度センサ21〜25および赤外線センサ133に通信接続されている。たとえば、室外制御部29のプロセッサは、随時、温度センサ21〜25および赤外線センサ133の出力情報や、メモリに記憶される種々の制御パラメータ等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータを、圧縮機12や、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16に送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室内制御部35に送信したり、受信したりする。
(2)室内機
室内機30は、主に、筐体31、室内熱交換器32、室内ファン33、フラップ36、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37、室内照度センサ134、人感センサ135および室内制御部35から構成されている。なお、この室内機30は、一般的に室内の壁面に設置されている。
筐体31には、室内熱交換器32、室内ファン33、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37、室内照度センサ134、人感センサ135および室内制御部35等が収納されている。フラップ36は、筐体31の一部を構成している。
室内熱交換器32は、3個の熱交換器32A、32B、32Cを、室内ファン33を覆う屋根のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器32A、32B、32Cは、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、冷房運転時および除霜運転時(図1参照)には蒸発器として機能し、暖房運転時(図2参照)には凝縮器として機能する。
室内ファン33は、主に、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を筐体31に吸い込んで室内熱交換器32に供給すると共に、室内熱交換器32で熱交換された空気を室内に送出する。モータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
フラップ36は、風向板およびモータから構成されている。フラップは、モータによって回動され、クロスフローファンによって室内に送出される空気の送出方向を調節する。モータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
温度センサ34,37は、サーミスタである。室内熱交換器温度センサ34は室内熱交換器32に配置されており、室内温度センサ37は、室内温度を測定するものであって筐体31内の吸込口付近に配置されている。温度センサ34,37は、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室内制御部35に送信している。
室内照度センサ134は、室内の明るさを測定して、測定結果を室内制御部35に伝える。人感センサ135は、室内にいる人を検知して、検知結果を室内制御部35に伝える。
室内制御部35は、通信線を介して室内ファン33、フラップ36、温度センサ34,37、室内照度センサ134および人感センサ135に通信接続されている。室内制御部35のプロセッサは、随時、リモートコントローラ50からの制御信号や、温度センサ34,37、室内照度センサ134および人感センサ135の出力情報等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータ等を、室内ファン33や、フラップ36に送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室外制御部29に送信したり、制御パラメータ等を室外制御部29から受信したりする。赤外線受光部35aは、リモートコントローラ50から発生される点滅赤外線を受光するものである。この赤外線受光部35aは、点滅赤外線を信号化処理し、生成した信号を室内制御部35に受け渡す。
なお、室外機10の圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14および膨張弁15、ならびに室内機30の室内熱交換器32は、冷媒配管17,18によって順次接続され、冷媒回路を構成している。
(3)リモートコントローラ
リモートコントローラ50は、点滅赤外線を利用してユーザの様々な指令を室内機30の室内制御部35に伝達するためのものであって、主に、赤外線発光部、表示パネル、空調運転のON/OFFを指示するための運転/停止ボタン、冷房モードや暖房モードを切り替えるためのモード切換ボタン、設定温度を上げるための温度上昇ボタン、設定温度を下げるための温度下降ボタン、風量上昇ボタン、風量下降ボタン、風向調節ボタン、自動運転ボタン等から構成されている。
(4)冷媒配管
冷媒配管17は、冷媒配管18よりも細い管であって、冷房運転時および除霜運転時に液冷媒が流れる。冷媒配管18は、冷媒配管17よりも太い管であって、冷房運転時にガス冷媒が流れる。なお、冷媒としては、例えば、HFC系のR410AやR32等が用いられる。
<空気調和機の基本的な動作>
以下、本実施の形態にかかる空気調和機1の冷房運転、暖房運転、および除霜運転について詳述する。
(1)冷房運転
冷房運転では、四路切換弁13が図1に示される状態、すなわち、圧縮機12の吐出管12aが室外熱交換器14に接続され、かつ、圧縮機12の吸入管12bが室内熱交換器32に接続された状態となる。また、このとき、二方弁19および三方弁20は開状態とされている。この状態で、圧縮機12が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機12に吸入され、圧縮された後、四路切換弁13を経由して室外熱交換器14に送られ、室外熱交換器14において冷却され、液冷媒となる。その後、この液冷媒は、膨張弁15に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、二方弁19を経由して室内熱交換器32に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、三方弁20および四路切換弁13を経由して、再び、圧縮機12に吸入される。
(2)暖房運転
暖房運転では、四路切換弁13が図2に示される状態、すなわち、圧縮機12の吐出管12aが室内熱交換器32に接続され、かつ、圧縮機12の吸入管12bが室外熱交換器14に接続された状態となる。また、このとき、二方弁19および三方弁20は開状態とされている。この状態で、圧縮機12が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機12に吸入され、圧縮された後、四路切換弁13および三方弁20を経由して室内熱交換器32に供給され、室内空気を加熱すると共に凝縮されて液冷媒となる。その後、この液冷媒は、二方弁19を経由して膨張弁15に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器14に送られて、室外熱交換器14において蒸発させられてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、四路切換弁13を経由して、再び、圧縮機12に吸入される。
(3)除霜運転
暖房運転時には、室外熱交換器14に霜が付き熱交換能力が落ちる場合がある。そこで、室外制御部29が、室外熱交換器用の温度センサ21からの温度に基づいて、室外熱交換器14に霜が付いたか否かを判定する。室外制御部29は、霜が付いたと判断した場合に、四路切換弁13を切り換えて上述の冷房運転を行なうことによって除霜する(リバース除霜)。なお、室外制御部29は、室外熱交換器用の温度センサ21からの温度に基づいて、適切に室外熱交換器14の霜が除かれたか否かを判定する。
<空気調和機1の機能構成>
次に、図3を参照しながら、本実施の形態にかかる空気調和機1の機能構成について説明する。なお、図3は、第1の実施の形態にかかる空気調和機1の機能構成を表わす機能ブロック図である。
まず、上述したように、空気調和機1は、室外制御部29と室内制御部35とを含む。以下では、説明のために、室外制御部29と室内制御部35とを合わせて制御部100という。なお、室外制御部29と室内制御部35とは、配線によって通信可能である。そして、制御部100が実行する処理は、基本的に、室内制御部35によって実行されてもよいし、室外制御部29によって実行されてもよいし、両者で役割分担することによって実行されてもよい。
また、空気調和機1が室内制御部35を有さずに、制御部100のほとんど全ての機能が室外制御部29に搭載されてもよい。あるいは、空気調和機1が室外制御部29を有さずに、制御部100のほとんど全ての機能が室内制御部35に搭載されてもよい。
制御部100は、例えば、各種演算処理を行なうためのプロセッサ110と、各種プログラムやデータを記憶するためのメモリ120と、時刻を取得するための時計131と、期間を計測するためのタイマー132とを含む。プロセッサ110は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。プロセッサ110は、メモリ120内に格納されたプログラムに従って各種の処理を実行する。特に、本実施の形態においては、プロセッサ110は、プログラムに従ってステッピングモータ38を制御することによって、膨張弁15の開度の制御を行なう。メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)などによって実現される。
<制御部100による圧縮機12の制御>
次に、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の制御について説明する。まず、本実施の形態にかかる空気調和機1は、「おやすみモード」などのように、圧縮機12の回転数の上限を通常時よりも制限することによって騒音を抑えるための「静音モード」を有する。しかしながら、本実施の形態にかかる空気調和機1は、静音モード中であっても、部屋の温度がなかなか設定温度に到達しないと予想される場合には、圧縮機12の回転数の制限を緩めたり、圧縮機12の回転数の上限を上げたり、するように構成されている。
本実施の形態においては、圧縮機12の回転数が15段階で制御される。15段が最も回転数が多い状態であって、0段が停止している状態である。ただし、圧縮機12の回転数の設定は、15段階に限らず、15段階より少ない段階でしか制御できなくともよいし、15段階よりも多い段階や無段階で制御できるものであってもよい。
そして、通常の運転においては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、圧縮機12の回転数が0段から15段まで設定可能である。一方、静音モードにおいては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、10段を上限として、圧縮機12の回転数を制御する。
しかしながら、静音モードであっても、暖房時に外気温が低い場合などには、圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、本実施の形態においては、制御部100は、通常運転時には圧縮機12の回転数の上限を15段に設定し、図4に示すように、静音モードには上限を10段まで制限(制限強)し、静音モードであっても設定温度と室温との差が第1の所定値以上であって外気温が第1の所定温度以下である場合には上限を12段まで引き上げる(制限弱)、すなわち制限を緩めるようにする。
同様に、静音モードであっても、冷房時に外気温が高い場合などにも、圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、本実施の形態においては、制御部100は、通常運転時には圧縮機12の回転数の上限を15段に設定し、図5に示すように、静音モードには上限を10段まで制限(制限強)し、静音モードであっても設定温度と室温との差が第2の所定値以上であって外気温が第2の所定温度以上である場合には上限を12段まで引き上げる(制限弱)、すなわち制限を緩めるようにする。
以下では、図6を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法について説明する。なお、図6は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
制御部100のプロセッサ110は、定期的に以下の処理を実行する。プロセッサ110は、メモリ120から現在の設定温度を読み出す(ステップS102)。プロセッサ110は、室内温度センサ(室温用)37から現在の室温を取得する(ステップS104)。プロセッサ110は、設定温度と室温との差を計算する(ステップS106)。
プロセッサ110は、暖房運転中であるか否かを判断する(ステップS110)。暖房運転中の場合(ステップS110にてYESである場合)、プロセッサ110は、温度差が第1の所定値以上であるか否かを判断する(ステップS122)。なお、本実施の形態にかかる暖房時の第1の所定値は、たとえば5℃である。
温度差が第1の所定値以上である場合(S122にてYESである場合)、制御部100は、外気温度センサ(外気温用)25から現在の外気温を取得する(ステップS124)。制御部100は、外気温が第1の所定温度以下であるか否かを判断する(ステップS126)。なお、本実施の形態にかかる暖房時の第1の所定温度は0℃である。外気温が第1の所定温度以下である場合(ステップS126においてYESである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を弱める、すなわち圧縮機12の回転数の上限を高め、制限弱設定とする(ステップS128)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。なお、外気温が第1の所定温度以下でない場合(ステップS126においてNOである場合)、制御部100は、ステップS134からの処理を実行する。
温度差が第1の所定値以上でない場合(ステップS122にてNOである場合)、制御部100は、温度差が第3の所定値以下であるか否かを判断する(ステップS132)。なお、本実施の形態にかかる暖房時の第3の所定値は、3℃である。温度差が第3の所定値以下である場合(ステップS132にてYESである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を強める、すなわち圧縮機12の回転数の上限を低め、制限強設定とする(ステップS134)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
一方、暖房運転中でない場合(ステップS110にてNOである場合)、プロセッサ110は、温度差が第2の所定値以上であるか否かを判断する(ステップS142。なお、本実施の形態にかかる冷房時の第2の所定値は、たとえば3℃である。
温度差が第2の所定値以上である場合(S142にてYESである場合)、制御部100は、外気温度センサ(外気温用)25から現在の外気温を取得する(ステップS144)。制御部100は、外気温が第2の所定温度以上であるか否かを判断する(ステップS146)。なお、本実施の形態にかかる暖房時の第2の所定温度は32℃である。外気温が第2の所定温度以上である場合(ステップS146にてYESである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を弱める、すなわち圧縮機12の回転数の上限を高め、制限弱設定とする(ステップS148)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。なお、外気温が第2の所定温度以上でない場合(ステップS146においてNOである場合)、制御部100は、ステップS154からの処理を実行する。
温度差が第2の所定値以上でない場合(ステップS142にてNOである場合)、制御部100は、温度差が第4の所定値以下であるか否かを判断する(ステップS152)。なお、本実施の形態にかかる冷房時の第4の所定値は、2℃である。温度差が第4の所定値以下である場合(ステップS152にてYESである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を強める、すなわち圧縮機12の回転数の上限を低め、制限強設定とする(ステップS154)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
なお、温度差が第4の所定値以下でない場合(ステップS152にてNOである場合)、制御部100は、次のタイミングまで待機する。
このように、本実施の形態においては、静音モード中は通常の圧縮機12の回転数の上限(第1の上限)よりも低い上限(第2の上限)を設定する。しかしながら、静音モード中においても設定温度に到達しにくい場合には、圧縮機12の回転数の上限を第1の上限よりも低く第2の上限よりも高い値に設定するものである。そのため、圧縮機12の駆動音を抑えつつ、暖房性能および冷房性能の低下を減らすことができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、静音モード中であっても、設定温度に到達しにくい場合に圧縮機12の回転数の上限を、通常時の上限よりも低く静音モード中の上限よりも高い値に設定するものであった。しかしながら、圧縮機12の回転数の制限の緩め方は1段階には限られない。たとえば、設定温度に到達しにくい程度に合わせて、圧縮機12の回転数の制限を複数段階で緩めたり、無段階に緩めたりすることもできる。
本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成と、空気調和機1の冷房運転、暖房運転、および除霜運転などの基本的な動作と、空気調和機1の機能構成などは、第1の実施の形態のそれらと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
以下では、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の制御について説明する。ただし、第1の実施の形態と同様の制御については説明を繰り返さない。
通常の運転においては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、圧縮機12の回転数が0段から15段まで設定可能である。一方、静音モードにおいては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、10段を上限として、圧縮機12の回転数を制御する。
しかしながら、静音モードであっても、暖房時に外気温が低い場合には、圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、本実施の形態においては、制御部100は、通常運転時には圧縮機12の回転数の上限を15段に設定するが、図7に示すように、静音モードには上限を10段まで制限しつつ、外気温に応じて圧縮機12の回転数の上限を引き上げる、すなわち外気温に応じて制限を緩めるようにする。本実施の形態においては、図7に示すような、暖房運転中の静音モードにおける外気温と圧縮機12の回転数の上限との暖房用対応関係データベースがメモリ120に格納されている。
同様に、静音モードであっても、冷房時に外気温が高い場合にも、圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、本実施の形態においては、制御部100は、通常運転時には圧縮機12の回転数の上限を15段に設定するが、図8に示すように、静音モードには上限を10段まで制限しつつ、外気温に応じて圧縮機12の回転数の上限を引き上げる、すなわち制限を緩めるようにする。本実施の形態においては、図8に示すような、冷房運転中の静音モードにおける外気温と圧縮機12の回転数の上限との冷房用対応関係データベースがメモリ120に格納されている。
以下では、図9を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法について、第1の実施の形態とは異なる処理に関して説明する。なお、図9は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
温度差が第1の所定値以上である場合(S122にてYESである場合)、制御部100は、外気温度センサ(外気温用)25から現在の外気温を取得する(ステップS124)。そして、制御部100は、暖房用対応関係データベースに基づいて、外気温に対応する圧縮機12の回転数の制限を弱める、すなわち圧縮機12の回転数の上限を高め、外気温に対応する制限を設定する(ステップS226)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
一方、暖房運転中でない場合(ステップS110にてNOである場合)で、温度差が第2の所定値以上である場合(S142にてYESである場合)、制御部100は、外気温度センサ(外気温用)25から現在の外気温を取得する(ステップS144)。そして、制御部100は、冷房用対応関係データベースに基づいて、外気温に対応する圧縮機12の回転数の制限を弱める、すなわち圧縮機12の回転数の上限を高め、外気温に応じた制限を設定する(ステップS246)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
<第3の実施の形態>
第1および第2の実施の形態においては、設定温度と室温との温度差が大きいときに、外気温に基づいて圧縮機12の回転数の制限を緩めるものであった。しかしながら、圧縮機12の回転数の制限の緩め方はこのような方法には限られない。たとえば、暖房中に外気温が所定の温度より低いときに、設定温度と室温との温度差に基づいて圧縮機12の回転数の制限を静音モードよりも緩めたり、冷房中に外気温が所定の温度より高いときに、設定温度と室温との温度差に基づいて圧縮機12の回転数の制限を静音モードよりも緩めたりすることもできる。
本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成と、空気調和機1の冷房運転、暖房運転、および除霜運転などの基本的な動作と、空気調和機1の機能構成などは、第1の実施の形態のそれらと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
以下では、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の制御について説明する。ただし、第1の実施の形態と同様の制御については説明を繰り返さない。
通常の運転においては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、圧縮機12の回転数が0段から15段まで設定可能である。一方、静音モードにおいては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、10段を上限(制限強)として、圧縮機12の回転数を制御する。
しかしながら、暖房時に外気温が低く、かつ設定温度と現在の室温との温度差が大きい場合には、圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、図10に示すように、本実施の形態においては、制御部100は、設定温度と現在の室温との温度差が所定値以上である場合には、圧縮機12の回転数の上限を引き上げる(制限弱)、すなわち制限を緩めるようにする。
同様に、冷房時に外気温が高く、かつ設定温度と室温との差が大きい場合にも圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、図11に示すように、本実施の形態においては、制御部100は、設定温度と現在の室温との温度差が所定値以上である場合には、圧縮機12の回転数の上限を引き上げる(制限弱)、すなわち制限を緩めるようにする。
図12を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法について、第1の実施の形態とは異なる処理に関して説明する。なお、図12は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
制御部100のプロセッサ110は、定期的に以下の処理を実行する。プロセッサ110は、外気温度センサ(外気温用)25から現在の外気温を取得する(ステップS302)。プロセッサ110は、暖房運転中であるか否かを判断する(ステップS304)。
暖房運転中である場合(ステップS304にてYESである場合)、プロセッサ110は、外気温が第1の所定の温度、たとえば0℃、以下であるか否かを判断する(ステップS322)。外気温が第1の所定の温度以下である場合(ステップS322にてYESである場合)、プロセッサ110は、メモリ120から現在の設定温度を読み出す(ステップS324)。プロセッサ110は、室内温度センサ(室温用)37から現在の室温を取得する(ステップS326)。プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS328)。
プロセッサ110は、温度差が第1の所定値以上であるか否かを判断する(ステップS330)。なお、本実施の形態にかかる暖房時の第1の所定値は、たとえば5℃である。温度差が第1の所定値以上である場合(ステップS330にてYESである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を弱め、制限弱設定とする(ステップS332)。制御部100は、当該制限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。なお、外気温が第1の所定温度以下でない場合(ステップS322においてNOである場合)、制御部100は、ステップS334からの処理を実行する。
温度差が第1の所定値以上でない場合(ステップS330にてNOである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を強め、制限強設定とする(ステップS334)。制御部100は、当該制限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
一方、暖房運転中でない場合(ステップS304にてNOである場合)、プロセッサ110は、外気温が第2の所定の温度、たとえば32℃、以上であるか否かを判断する(ステップS342)。外気温が第2の所定の温度以上である場合(ステップS342にてYESである場合)、プロセッサ110は、メモリ120から現在の設定温度を読み出す(ステップS344)。プロセッサ110は、室内温度センサ(室温用)37から現在の室温を取得する(ステップS346)。プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS348)。
プロセッサ110は、温度差が第2の所定値以上であるか否かを判断する(ステップS350)。なお、本実施の形態にかかる冷房時の第2の所定値は、たとえば3℃である。温度差が第2の所定値以上である場合(ステップS350にてYESである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を弱め、制限弱設定とする(ステップS352)。制御部100は、当該制限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。なお、外気温が第2の所定の温度以上でない場合(ステップS342においてNOである場合)、制御部100は、ステップS354からの処理を実行する。
温度差が第2の所定値以上でない場合(ステップS350にてNOである場合)、制御部100は、圧縮機12の回転数の制限を強める(ステップS354)。制御部100は、当該制限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
<第4の実施の形態>
第3の実施の形態においては、静音モード中であっても、設定温度に到達しにくい場合に圧縮機12の回転数の上限を、通常時の上限よりも低く静音モード中の上限よりも高い値に設定するものであった。しかしながら、圧縮機12の回転数の制限の緩め方は1段階には限られない。たとえば、設定温度に到達しにくい程度に合わせて、圧縮機12の回転数の制限を複数段階で緩めたり、無段階に緩めたりすることもできる。
本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成と、空気調和機1の冷房運転、暖房運転、および除霜運転などの基本的な動作と、空気調和機1の機能構成などは、第3の実施の形態のそれらと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
以下では、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の制御について説明する。ただし、第3の実施の形態と同様の制御については説明を繰り返さない。
通常の運転においては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、圧縮機12の回転数が0段から15段まで設定可能である。一方、静音モードにおいては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、10段を上限(制限強)として、圧縮機12の回転数を制御する。
しかしながら、静音モードであっても、暖房時に外気温が低く、設定温度と室温との差が大きい場合には、圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、図13に示すように、本実施の形態においては、制御部100は、設定温度と室温との温度差に応じて圧縮機12の回転数の上限を引き上げる、すなわち制限を緩めるようにする。本実施の形態においては、図13に示すような、暖房運転中の外気温と圧縮機12の回転数の上限との暖房用対応関係データベースがメモリ120に格納されている。
同様に、静音モードであっても、冷房時に外気温が高く、設定温度と室温との差が大きい場合にも、圧縮機12の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、図14に示すように、本実施の形態においては、制御部100は、設定温度と室温との温度差に応じて圧縮機12の回転数の上限を引き上げる、すなわち制限を緩めるようにする。本実施の形態においては、図14に示すような、冷房運転中の外気温と圧縮機12の回転数の上限との冷房用対応関係データベースがメモリ120に格納されている。
以下では、図15を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法について、第3の実施の形態とは異なる処理に関して説明する。なお、図15は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
暖房時においては、プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS328)。プロセッサ110は、暖房用対応関係データベースに基づいて、設定温度と室温の差に対応する圧縮機12の回転数の上限をする(ステップS430)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
冷房時においても、プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS348)。プロセッサ110は、冷房用対応関係データベースに基づいて、設定温度と室温の差に対応する圧縮機12の回転数の上限をする(ステップS450)。制御部100は、当該上限以下の範囲で、圧縮機12の駆動を制御する。制御部100は、次のタイミングまで待機する。
<第5の実施の形態>
第1〜第4の実施の形態における外気温の代わりに室温を利用してもよい。なお、暖房時の室温に関する所定値は、暖房時の外気温よりも数度高めに設定し、冷房時の室温に関する所定値は、冷房時の外気温よりも数度低めに設定することが好ましい。
より詳細には、第1の実施の形態と比較して、図16に示すように、暖房運転中の第1の所定温度は、たとえば5℃である。また、図17に示すように、冷房運転中の第2の所定温度は、たとえば28℃である。そして、第1の実施の形態のステップS126およびステップS146における外気温の代わりに、図18のステップS526−1およびステップS546−1のように、室温に基づいて圧縮機12の上限を設定してもよい。
また、第2の実施の形態と比較して、図19に示すような、暖房運転中の室温と圧縮機12の回転数の上限との暖房用対応関係データベースがメモリ120に格納されてもよい。また、図20に示すような、冷房運転中の外気温と圧縮機12の回転数の上限との冷房用対応関係データベースがメモリ120に格納されている。そして、第2の実施の形態のステップS226およびステップS246における外気温の代わりに、図21のステップS526−2およびステップS546−2のように、室温に基づいて圧縮機12の上限を設定してもよい。
また、第3の実施の形態と比較して、図16に示すように、暖房運転中の第1の所定温度は、たとえば5℃である。また、図17に示すように、冷房運転中の第2の所定温度は、たとえば28℃である。そして、第3の実施の形態のステップS302における外気温の代わりに、図22のステップS502、S522、S542のように、室温に基づいて圧縮機12の上限を設定してもよい。
また、第4の実施の形態と比較して、図19に示すような、暖房運転中の室温と圧縮機12の回転数の上限との暖房用対応関係データベースがメモリ120に格納されている。また、図20に示すような、冷房運転中の外気温と圧縮機12の回転数の上限との冷房用対応関係データベースがメモリ120に格納されている。そして、第4の実施の形態のステップS302における外気温の代わりに、図23のステップS502、S522、S542のように、室温に基づいて圧縮機12の上限を設定してもよい。
さらには、逆に、第1〜第4の実施の形態における室温の代わりに外気温を利用してもよい。なお、上記の説明と同様に、第1〜第4の実施の形態における室温の代わりに外気温を利用することが可能であるため、ここでは説明を繰り返さない。
<第6の実施の形態>
第1〜第5の実施の形態の構成に加えて、さらに、時間帯に応じて、圧縮機12の回転数の上限を変化させてもよい。たとえば、22時から7時までの間(所定の時間帯)には、静音モードによる圧縮機12の回転数の制限を許可し、7時から22時の間(所定の時間帯ではない)には静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(制限弱設定)、ものであってもよい。なお、本実施の形態においては、図3に示すように、空気調和機1は、時計131を搭載し、制御部100が現在時間を取得できるものである。
以下では、図24を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法のうちの第1の実施の形態のそれらと異なる部分について説明する。なお、図24は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS106)。プロセッサ110は、現在の時刻に基づいて所定の時間帯に属するか否かを判断する(ステップS608)。所定の時間帯においては、プロセッサ110は、ステップS110からの処理を実行する。一方、所定の時間帯でない場合は、プロセッサ110は、静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(ステップS609)。
なお、上記所定の時間帯は一例であり、別の時間帯であってもよい。また、所定の時間帯を使用者がリモコンにより設定できるようにしてもよい。
<第7の実施の形態>
第1〜第6の実施の形態の構成に加えて、さらに、夜間か昼間かに応じて、圧縮機12の回転数の上限を変化させてもよい。たとえば、夜間は、静音モードによる圧縮機12の回転数の制限を許可し、昼間には静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(制限弱設定)、ものであってもよい。なお、本実施の形態においては、昼間か夜間を判断するために、図3に示すように、空気調和機1は、室外機10に赤外線センサ133を搭載し、制御部100が室外の明るさを取得できるものである。
以下では、図25を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法のうちの第1の実施の形態のそれらと異なる部分について説明する。なお、図25は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS106)。プロセッサ110は、赤外線センサ133からのデータに基づいて室外が暗いか否かを判断する(ステップS708)。室外が暗い場合は(ステップS708にてYESである場合)、プロセッサ110は、ステップS110からの処理を実行する。一方、室外が明るい場合は(ステップS708にてNOである場合)、プロセッサ110は、静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(ステップS709)。
<第8の実施の形態>
第1〜第7の実施の形態の構成に加えて、さらに、消灯中であるか否かに応じて、圧縮機12の回転数の上限を変化させてもよい。たとえば、室内が暗い場合は、静音モードによる圧縮機12の回転数の制限を許可し、室内が明るい場合には静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(制限弱設定)、ものであってもよい。なお、本実施の形態においては、図3に示すように、空気調和機1は、室内機30に照度センサ134を搭載し、制御部100が室内の明るさを取得できるものである。
以下では、図26を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法のうちの第1の実施の形態のそれらと異なる部分について説明する。なお、図26は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS106)。プロセッサ110は、照度センサ134からのデータに基づいて室内が暗いか否かを判断する(ステップS808)。室内が暗い場合は(ステップS808にてYESである場合)、プロセッサ110は、ステップS110からの処理を実行する。一方、室内が明るい場合は(ステップS808にてNOである場合)、プロセッサ110は、静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(ステップS809)。
<第9の実施の形態>
第1〜第8の実施の形態の構成に加えて、さらに、人がいるか否かに応じて、圧縮機12の回転数の上限を変化させてもよい。たとえば、室内に人がいる場合は、静音モードによる圧縮機12の回転数の制限を許可し、室内に人がいない場合には静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(制限弱設定)、ものであってもよい。なお、本実施の形態においては、図3に示すように、空気調和機1は、室内機30に人感センサ135を搭載し、制御部100が室内の明るさを取得できるものである。
以下では、図27を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法のうちの第1の実施の形態のそれらと異なる部分について説明する。なお、図27は、本実施の形態にかかる制御部100による圧縮機12の回転数の上限に関する制御方法を示すフローチャートである。
プロセッサ110は、設定温度と室温の差を計算する(ステップS106)。プロセッサ110は、人感センサ135からのデータに基づいて室内が暗いか否かを判断する(ステップS908)。室内に人がいる場合は(ステップS908にてYESである場合)、プロセッサ110は、ステップS110からの処理を実行する。一方、室内に人がいない場合は(ステップS908にてNOである場合)、プロセッサ110は、静音モードであっても、圧縮機12の回転数の上限を制限しない、あるいは圧縮機12の回転数の制限を緩める(ステップS909)。
<第10の実施の形態>
第1〜第9の実施の形態における空気調和機1は、各種の所定値および所定温度や、対応関係データベースなどが予め設定されているものであった。しかしながら、このような構成には限られない。たとえば、空気調和機1が、クラウド上のサーバなどから新しいデータを受信して、各種の所定値および所定温度や、対応関係データベースなどを更新してもよい。あるいは、空気調和機1自身が、室温の変化などに応じて学習してもよい。すなわち、空気調和機1自身が、各種センサからのデータに基づいて、各種の所定値および所定温度や、対応関係データベースなどを更新するものであってもよい。
以下では、図28を参照して、本実施の形態にかかる制御部100に学習処理について説明する。なお、図28は、本実施の形態にかかる制御部100による学習処理を示すフローチャートである。なお、本実施の形態においては、図3に示すように、空気調和機1は、タイマー132を搭載し、制御部100が経過した時間を取得できるものである。
本実施の形態にかかる制御部100のプロセッサ110は、静音モードにもかかわらず、圧縮機12の回転数の制限を弱めた際に(ステップS172)、以下の処理を実行する。まず、プロセッサ110は、タイマーをスタートさせる(ステップS174)。
プロセッサ110は、上限値の制限が強められたか否か、すなわち通常の静音モードに戻ったか否かを判断する(ステップS176)。上限値の制限が強められた場合(ステップS176にてYESである場合)、プロセッサ110は、経過した時間を取得する(ステップS178)。
プロセッサ110は、経過した時間が所定時間、たとえば30分、以内であるか否かを判断する(ステップS180)。プロセッサ110は、経過した時間が所定時間以内である場合(ステップS180にてYESである場合)、圧縮機12の回転数の上限を低める、すなわち圧縮機12の回転数の制限を強めに更新する(ステップS182)。たとえば、図4や図5の圧縮機12の回転数の段階を12から11に更新する。
プロセッサ110は、経過した時間が所定時間、たとえば60分、以上であるか否かを判断する(ステップS184)。プロセッサ110は、経過した時間が所定時間以上である場合(ステップS184にてYESである場合)、圧縮機12の回転数の上限を高める、すなわち圧縮機12の回転数の制限を弱めに更新する(ステップS182)。たとえば、図4や図5の圧縮機12の回転数の段階を12から13に更新する。
なお、本実施の形態においては、圧縮機12の回転数の制限を強める場合および弱める場合に変更するパラメータを、圧縮機12の回転数の上限にしているが、このような形態には限られない。たとえば、図29に示すように、圧縮機12の回転数の制限を強めるために、設定温度と室温との温度差と比較する第1の所定値を高めに更新してもよい(ステップS282)。逆に、圧縮機12の回転数の制限を弱める際に、第1の所定値を低めに更新してもよい(ステップS286)。
また、学習結果や、各種の所定値や、各種の所定温度や、各種の対応関係データベースなどは、空気調和機1自身が記憶するものには限られない。たとえば、図30に示すように、ルータ200やインターネットなどを介して空気調和機1がアクセス可能なサーバ300に蓄積されてもよい。なお、空気調和機1とルータ200とインターネットとサーバ300とを含めてネットワークシステム1000ともいう。
この場合は、サーバ300またはサーバ300がアクセス可能な装置が、たとえば、学習結果として図31に示すような学習データベース320を記憶する。図31を参照して、当該学習データベース320は、ユーザ毎に、空気調和機1の機器IDと、設定温度と室温との差などと比較するための各種の所定値と、外気温などと比較するための各種の所定温度と、圧縮機12の回転数の上限すなわち制限の程度など、を格納する。
この場合は、たとえば、図28におけるステップS182とステップS186、図29におけるステップS282とステップS286、の代わりに、空気調和機1は、タイマーの測定値をサーバ300に送信する。サーバ300は、空気調和機1からのデータに基づいて、ユーザIDまたは機器IDに対応する、各種の所定値と、各種の所定温度と、圧縮機12の回転数の上限すなわち制限の程度などを強めたり弱めたりして更新する。そして、空気調和機1が、サーバ300にアクセスすることによって、最新の各種の所定値と、各種の所定温度と、圧縮機12の回転数の上限すなわち制限の程度を取得して、静音モードを運転する。
<第11の実施の形態>
第1〜第10の実施の形態における空気調和機1は、各種の状態に基づいて、圧縮機12の回転数の上限を変化させるものであった。しかしながら、制御対象は、圧縮機12の回転数には限られない。たとえば、静音モードにおける室内ファン33の回転数の上限を変化させるものであってもよい。
ここでは、本実施の形態にかかる制御部100による室内ファン33の制御について説明する。まず、本実施の形態にかかる空気調和機1は、おやすみモードなどのように、室内ファン33の回転数の上限を制限することによって騒音を抑えるための静音モードを有する。しかしながら、本実施の形態にかかる空気調和機1は、静音モード中であっても、部屋の温度がなかなか設定温度に到達しないと予想される場合には、室内ファン33の回転数の制限を緩めたり、室内ファン33の回転数の上限を上げたり、するように構成されている。
通常の運転においては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、室内ファン33の回転数が3段階で制御される。なお、室内ファン33の回転数の関係は、3段階目の回転数>2段階目の回転数>1段階目の回転数である。一方、静音モードにおいては、制御部100は、各種センサから取得した各種パラメータに基づいて、3段階中の1段階目に制限されて、室内ファン33の回転数を制御する。なお、室内ファン33の回転数の設定は、3段階に限らず、3段階よりも多い段階や無段階で制御できるものであってもよい。
しかしながら、静音モードであっても、暖房時に外気温が低い場合などに室内ファン33の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、図32に示すように、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、設定温度と室温との差が第1の所定値以上であって、暖房中に外気温が第1の所定温度以下である場合には、制御部100は、室内ファン33の回転数の上限を引き上げる、すなわち制限を緩めるようにする。
同様に、静音モードであっても、冷房時に外気温が高い場合などにも室内ファン33の回転数を制限しすぎると、設定温度に到達するのに長時間を要することになる。そこで、図33に示すように、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、設定温度と室温との差が第2の所定値以上であって、外気温が第2の所定温度以上である場合には、制御部100は、室内ファン33の回転数の上限を引き上げる、すなわち制限を緩めるようにする。
以下では、図6を参照して、本実施の形態にかかる制御部100による室内ファン33の回転数の上限に関する制御方法について、第1の実施の形態と異なる処理について説明する。
まず、制御部100は、暖房中に(ステップS110においてYESである場合)、設定温度と室温との差が第1の所定値以上であって(ステップS122においてYESである場合)、外気温が第1の所定温度以下である場合には(ステップS126)、静音モード中であっても、室内ファン33の回転数の制限を弱める(ステップS128)。
なお、制御部100は、温度差が第3の所定値以下である場合(ステップS132にてYESである場合)、室内ファン33の回転数の上限を低く設定する(ステップS134)。すなわち、制御部100は、圧縮機12の回転数を強めに制限する。
また、制御部100は、冷房中に(ステップS110においてNOである場合)、設定温度と室温との差が第2の所定値以上であって(ステップS142においてYESである場合)、外気温が第2の所定温度以上である場合(ステップS146にてYESである場合)、室内ファン33の回転数の制限を弱める(ステップS148)。
なお、制御部100は、温度差が第4の所定値以下である場合(ステップS152にてYESである場合)、圧縮機12の回転数の上限を低く設定する(ステップS154)。すなわち、制御部100は、室内ファン33の回転数を強めに制限する。
このように、本実施の形態においては、静音モード中は通常の室内ファン33の回転数の上限(第1の上限)よりも低い上限(第2の上限)を設定し、設定温度に到達しにくい場合に室内ファン33の回転数の上限を第1の上限よりも低く第2の上限よりも高い値に設定するものである。そのため、室内ファン33の駆動音を抑えつつ、暖房性能および冷房性能の低下を減らすことができる。
第1の実施の形態と第11の実施の形態との関係と同様に、第2〜第10の実施の形態に関しても、圧縮機12の回転数の上限の代わりに、室内ファン33の回転数の上限を制御する形態に変更することができる。また、各種パラメータをサーバ300で管理したり更新したり、当該データを空気調和機1が利用したりすることができる。
<まとめ>
上記の第1から第11の実施の形態においては、空気調和機1が提供される。空気調和機1は、室内熱交換器32と、室内熱交換器32用の室内ファン33と、室外熱交換器14と、圧縮機12と、を含む。空気調和機1は、設定温度と外気温または室温との差が所定値以上である場合に、外気温または室温に基づいて、圧縮機12の回転数または室内ファン33の回転数の上限を変更する。
上記の第1から第11の実施の形態においては、空気調和機1が提供される。空気調和機1は、室内熱交換器32と、室内熱交換器32用の室内ファン33と、室外熱交換器14と、圧縮機12と、を含む。空気調和機1は、外気温または室温が所定値以下である場合に、設定温度と外気温または室温との差に基づいて、圧縮機12の回転数または室内ファン33の回転数の上限を変更する。
上記の第1から第11の実施の形態においては、空気調和機1が提供される。空気調和機1は、室内熱交換器32と、室内熱交換器32用の室内ファン33と、室外熱交換器14と、圧縮機12と、を含む。空気調和機1は、外気温または室温が所定値以上である場合に、設定温度と外気温または室温との差に基づいて、圧縮機12の回転数または室内ファン33の回転数の上限を変更する。
好ましくは、空気調和機1は、さらに、時刻に基づいて、圧縮機12の回転数または室内ファン33の回転数の上限を変更する。
好ましくは、空気調和機1は、さらに、室外の光の強さに基づいて、圧縮機12の回転数または室内ファン33の回転数の上限を変更する。
好ましくは、空気調和機1は、さらに、室内の光の強さに基づいて、圧縮機12の回転数または室内ファン33の回転数の上限を変更する。
好ましくは、空気調和機1は、圧縮機12の回転数または室内ファン33の回転数の上限を変えてから元の上限に戻すまでの時間に基づいて、所定値または上限を更新する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。