以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、ヒートポンプを用いた空気調和機を例に挙げて説明する。図1は、本実施の形態に係る空気調和機1の内部構成を示す。図2は、本実施形態に係る空気調和機1の全体構成を示す。なお、第1の実施形態にかかる空気調和機1は、暖房運転と冷房運転の両方を行うことが可能であるが、暖房運転のみを行う空気調和機(暖房機)にも本発明を適用することができる。
本実施形態に係る空気調和機1は、暖房運転時に、設定温度に基づいて、室内送風機が運転を開始するときの室内熱交換器の温度(この温度を、温度Tstとする)を決定する。そして、空気調和機1内の制御部は、室内熱交換器の温度が温度Tst以上となった場合に、室内送風機の運転を開始させる。
<空気調和機の全体構成>
先ず、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成と基本的な動作の概要について、図2を用いて説明する。図2では、空気調和機1の暖房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを実線の矢印で示し、空気調和機1の冷房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを破線の矢印で示している。
図2に示すように、本実施の形態にかかる空気調和機1は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室内機10と室外機50とから構成されている。なお、空気調和機1は、室内機10と室外機50とが冷媒配管57および58を介して接続されることによって構成されている。以下、室外機50、室内機10、冷媒配管57および58について詳述する。
(1)室外機
室外機50は、主に、筐体51、圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54、膨張弁55、室外送風機56、冷媒配管57、冷媒配管58、二方弁59、および三方弁60から構成されている。なお、この室外機50は、屋外に設置されている。
筐体51には、圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54、膨張弁55、室外送風機56、冷媒配管57、冷媒配管58、二方弁59、三方弁60、外気温度センサ62、および室外熱交換器温度センサ63等が収納されている。
圧縮機52は、吐出管52aおよび吸入管52bを有している。吐出管52aおよび吸入管52bは、それぞれ、四方弁53の異なる接続口に接続されている。圧縮機52は、運転時、吸入管52bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管52aから吐出する。なお、本実施の形態において、この圧縮機52の制御形式は、特に限定されず、定速式の圧縮機であってもよいし、インバータ式の圧縮機であってもよい。
四方弁53は、冷媒配管を介して圧縮機52の吐出管52aおよび吸入管52b、室外熱交換器54ならびに室内熱交換器12に接続されている。四方弁53は、運転時、空気調和機1の制御部(図2では図示せず)から送信される制御信号に従って、冷凍サイクルの経路を切り換える。すなわち、四方弁53は、冷房運転状態と暖房運転状態との間で経路の切り換えを行う。
具体的には、暖房運転状態では、四方弁53は、圧縮機52の吐出管52aを室内熱交換器12に連結させると共に圧縮機52の吸入管52bを室外熱交換器54に連結させる(図2の実線矢印参照)。一方、冷房運転状態では、四方弁53は、圧縮機52の吐出管52aを室外熱交換器54に連結させると共に圧縮機52の吸入管52bを室内熱交換器12に連結させる(図2の破線矢印参照)。
室外熱交換器54は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものである。室外熱交換器54は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。なお、熱交換器としてパラレルフロー型熱交換器やサーペン型熱交換器を用いてもよい。
膨張弁55は、ステッピングモータを介して開度制御が可能な電子膨張弁であって、一方が冷媒配管57を介して二方弁59に接続されると共に、他方が室外熱交換器54に接続されている。膨張弁55のステッピングモータは、空気調和機1の制御部(図示せず)から送信される制御信号に従って動作する。膨張弁55は、運転時において、凝縮器(暖房時は室内熱交換器12であり、冷房時は室外熱交換器54である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(暖房時は室外熱交換器54であり、冷房時は室内熱交換器12である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
室外送風機56は、主に、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器54に供給する。モータは、空気調和機1の制御部(図示せず)から送信される制御信号に従って動作する。
二方弁59は、冷媒配管57に配設されている。なお、二方弁59は、室外機50から冷媒配管57が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機50から外部に漏れることを防ぐ。
三方弁60は、冷媒配管58に配設されている。なお、三方弁60は、室外機50から冷媒配管58が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機50から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機50から、あるいは室内機10を含めた冷凍サイクル(冷却機構)全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁60を通じて冷媒の回収が行われる。
外気温度センサ62は、室外機50が設置されている環境の温度を測定する。外気温度センサ62は、例えば、筐体51の外気吸込み口付近に配置されている。室外熱交換器温度センサ63は、室外熱交換器54の近傍に配置され、室外熱交換器54の温度を測定する。なお、室外熱交換器温度センサ63は、室外熱交換器54と接触して配置されていてもよい。
(2)室内機
室内機10は、主に、筐体11、室内熱交換器(室内側熱交換器)12、および室内送風機(送風機)13から構成されている。
筐体11には、室内熱交換器12、室内送風機13、室内熱交換器温度センサ14、室内温度センサ15、ルーバ19、および制御部20(図1参照)等が収納されている。
室内熱交換器12は、図2に示すように、3個の熱交換器を、室内送風機13を覆う屋根のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものである。これらの熱交換器は、暖房運転時には凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能する。室内熱交換器12の近傍には、当該熱交換器の温度を測定する室内熱交換器温度センサ14が配置される。なお、室内熱交換器温度センサ14は、室内熱交換器12と接触して配置されていてもよい。
室内送風機13は、主に、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を筐体11に吸い込んで室内熱交換器12に供給すると共に、室内熱交換器12で熱交換された空気を室内に送出する。
室内温度センサ15は、室内機10が設置されている室内の温度を測定する。室内温度センサ15は、例えば、室内空気を吸い込むために筐体11に設けられた吸込み口付近に配置されている。
ルーバ19は、角度を変更することのできる板状部材で形成されている。この板状部材の角度を適宜変更することで、室内送風機13により送出される空気の風向を上下方向に変更する。また、本実施形態では、ルーバ19は、室内への空気の吹き出しのオンオフ(開閉)を制御するシャッタの役割も果たす。
(3)冷媒配管
冷媒配管57は、冷媒配管58よりも細い管であって、運転時に液冷媒が流れる。冷媒配管58は、冷媒配管57よりも太い管であって、運転時にガス冷媒が流れる。
室外機50の圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54および膨張弁55、ならびに室内機10の室内熱交換器12は、冷媒配管57,58によって順次接続され、冷媒サイクル(冷凍サイクル)を構成している。
<空気調和機の基本的な動作>
以下、本実施の形態にかかる空気調和機1の暖房運転、および冷房運転について詳述する。
(1)暖房運転
暖房運転では、四方弁53が図2の実線で示される状態、すなわち、圧縮機52の吐出管52aが室内熱交換器12に接続され、かつ、圧縮機52の吸入管52bが室外熱交換器54に接続された状態となる。また、このとき、二方弁59および三方弁60は開状態とされている。この状態で、圧縮機52が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機52に吸入され、圧縮された後、四方弁53および三方弁60を経由して室内熱交換器12に供給され、室内空気を加熱すると共に凝縮されて液冷媒となる。その後、この液冷媒は、二方弁59を経由して膨張弁55に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器54に送られて、室外熱交換器54において蒸発させられてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、四方弁53を経由して、再び、圧縮機52に吸入される。
(2)冷房運転
冷房運転では、四方弁53が図2の破線で示される状態、すなわち、圧縮機52の吐出管52aが室外熱交換器54に接続され、かつ、圧縮機52の吸入管52bが室内熱交換器12に接続された状態となる。また、このとき、二方弁59および三方弁60は開状態とされている。この状態で、圧縮機52が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機52に吸入され、圧縮された後、四方弁53を経由して室外熱交換器54に送られ、室外熱交換器54において冷却され、液冷媒となる。その後、この液冷媒は、膨張弁55に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、二方弁59を経由して室内熱交換器12に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、三方弁60および四方弁53を経由して、再び、圧縮機52に吸入される。
(3)除霜運転
暖房運転時には、室外熱交換器54に霜が付き熱交換能力が落ちる場合がある。そこで、制御部20(図2参照)は、室外熱交換器温度センサ63からの温度に基づいて、室外熱交換器54に霜が付いたか否かを判定する。制御部20は、霜が付いたと判断した場合に、四方弁53を切り換えて上述の冷房運転を行なうことによって除霜する(リバース除霜)。なお、制御部20は、室外熱交換器温度センサ63が測定した温度に基づいて、適切に室外熱交換器54の霜が除かれたか否かを判定する。
<室内送風機の運転制御について>
続いて、本実施形態に係る空気調和機1において、室内送風機13の運転を制御する方法について、図1、図3、及び図4を参照しながら説明する。図1には、空気調和機1の内部構成を示す。図1では、室内送風機13の運転制御に関連する構成部材を示している。
図1に示すように、室内機10内には、室内送風機13、室内熱交換器温度センサ14、室内温度センサ15、表示部16、受信部17、ルーバ19、および制御部20などが備えられている。また、空気調和機1には、室内機10とは別の構成部材として、リモートコントローラ(操作部)18が備えられている。
表示部16は、液晶表示パネルおよびLEDライトなどを含む。表示部16は制御部20からの信号に基づいて空気調和機1の動作状況や警報等を表示する。受信部17はリモートコントローラ18を操作した際に送信される赤外線の信号を受信する。リモートコントローラ18は、使用者が空気調和機1を操作するための操作部として機能する。使用者は、例えば、リモートコントローラ18を操作して、空気調和機1の運転モード、設定温度などを選択することができる。
制御部20は、空気調和機1内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部20内には、送風機運転制御部(制御部)21、記憶部25、およびタイマ26などが備えられている。送風機運転制御部21は、受信部17などから送信される情報に基づいて、室内送風機13の運転開始、運転停止、回転数の変更などの制御を行う。
記憶部25は、ROM(read only memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。記憶部25は、空気調和機1の動作プログラムや設定データを記憶するとともに制御部20による演算結果を一時記憶する。また、記憶部25には、暖房運転時の設定温度と、室内送風機13が運転を開始するときの室内熱交換器12の温度Tstとが関連付けられたテーブルA(図4参照)が格納されている。
タイマ26は、必要に応じて、制御部20内で行われる処理の時間、空気調和機1内の各構成部材の動作時間などを計測する。
また、室外機50内には、圧縮機52、室外送風機56、外気温度センサ62、および室外熱交換器温度センサ63などが備えられている。
(暖房運転開始時の室内送風機の運転制御)
図3には、空気調和機1が暖房運転を開始したときの室内送風機13の制御の流れを示す。まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始時の指示を空気調和機1へ与える。空気調和機1の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して暖房運転の開始を指示する信号を送信する。
制御部20は、暖房運転開始の指示信号を受信すると、暖房運転の運転モードの確認を行う(ステップS11)。本実施形態の空気調和機1では、暖房運転の運転モードとして、通常運転モードと、凍結防止運転モード(低温運転モード)とを有している。凍結防止運転モードは、冬場の気温が低い(例えば、気温が−5℃を下回る)寒冷地において、人が不在の時などに、室内の凍結を防止するために行う暖房運転のモードである。この凍結防止運転モードにおいて、設定温度(室内の目標温度)は、例えば10℃程度に設定されている。なお、空気調和機1の暖房運転時の運転モードは、上記の2つの運転モードに限定されない。本発明の空気調和機では、暖房運転時の運転モードとして、設定温度が異なる少なくとも2つの運転モードを有することができる。
このステップS11において、制御部20が通常運転モードであると判断した場合(ステップS11でNO)、制御部20は、リモートコントローラなどの操作部18から指示された設定温度を確認する(ステップS12)。設定温度に関する情報は、操作部18から受信部17を介して制御部20へ送信される。
そして、制御部20は、受信した設定温度の情報に基づいて、室内送風機13が運転を開始するときの室内熱交換器12の温度Tstを決定する(ステップS13)。具体的には、制御部20は、記憶部25に格納されたテーブルA(図4参照)を参照して、受信した設定温度に関連付けられた温度Tstを選び出す。例えば、設定温度が18℃の場合には、温度Tstは28℃になる。また、設定温度が23℃の場合には、温度Tstは32℃になる。
その後、圧縮機52などが運転を開始し、冷凍サイクルが循環を始める。これにより、室内熱交換器12の温度は徐々に上昇し始める。このとき、制御部20内の送風機運転制御部21は、室内熱交換器温度センサ14から送信される室内熱交換器12の温度の情報を監視する。そして、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となったか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14において、室内熱交換器12の温度が温度Tstを下回る場合(ステップS14でNO)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させることなく、停止状態(ファンOFF状態)を維持する(ステップS15)。一方、ステップS14において、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となった場合(ステップS14でYES)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ファンON、ステップS16)。
これにより、例えば、設定温度が23℃の場合には、室内熱交換器12の温度が32℃以上となった後に、室内送風機13の運転が開始される。そのため、運転開始直後の冷えた状態の室内熱交換器12の周囲から冷たい空気が室内へ送風されることを抑えることができる。
また、ステップS11において、制御部20が凍結防止運転モードであると判断した場合(ステップS11でYES)、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ステップS17)。すなわち、凍結防止運転モードにおいては、送風機運転制御部21は、設定温度とは無関係に室内送風機13の運転を開始させる。これにより、凍結防止運転モードにおいて、室内熱交換器12の温度が上昇せず(例えば、通常運転モードの温度Tstまで上昇せず)、室内送風機13が運転を開始できないという可能性を減少させることができる。
空気調和機1が暖房運転を開始したときには、以上のような流れで室内送風機13の運転制御が行われる。なお、サーモオフ状態からサーモオン状態に移行した場合にも、暖房運転開始時と同様の方法で、室内送風機13の運転制御を行うことができる。
ここで、サーモオフ状態とは、室内の温度が設定温度に達した場合に、圧縮機の運転を停止して、室温の上昇を抑えている状態のことである。サーモオフ状態では、圧縮機を停止しており熱交換が実施されないため、室内熱交換器の温度は低下する。その後、室内の温度が設定温度よりも低くなると、制御部は、再び圧縮機の運転を開始する。このように圧縮機が運転している状態を、サーモオン状態という。
(除霜運転から暖房運転への移行時の室内送風機の運転制御)
続いて、空気調和機1が除霜運転から暖房運転へ移行するときの室内送風機13の制御方法について説明する。図5には、空気調和機1が除霜運転から暖房運転へ移行するときの室内送風機13の制御の流れを示す。
先ず、制御部20は、室外熱交換器温度センサ63が測定した温度に基づいて、適切に室外熱交換器54の霜が除かれたか否かを判定する。そして、制御部20が、室外熱交換器54の霜が除かれたと判定すると、制御部20は、暖房運転への移行のための制御を開始する。
図5に示すように、制御部20は、暖房運転の運転モードの確認を行う(ステップS21)。ステップS21において、制御部20が通常運転モードであると判断した場合(ステップS21でNO)、制御部20は、温度Tstを32℃に設定する(ステップS22)。なお、ここでの温度Tstの設定値は一例であり、本発明はこれに限定はされない。また、暖房運転開始時と同様に、テーブルAを参照して、設定温度と対応付けられた温度を、温度Tstとして選択してもよい。
その後、圧縮機52などが通常の暖房運転を開始する。これにより、室内熱交換器12の温度は徐々に上昇し始める。このとき、制御部20内の送風機運転制御部21は、室内熱交換器温度センサ14から送信される室内熱交換器12の温度の情報を監視する。そして、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となったか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、室内熱交換器12の温度が温度Tstを下回る場合(ステップS23でNO)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させることなく、停止状態(ファンOFF状態)を維持する(ステップS24)。一方、ステップS23において、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となった場合(ステップS23でYES)には、制御部20は、ルーバ19を開状態に変更する(ステップS25)。次に、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ステップS26)。
これにより、室内熱交換器12の温度が32℃以上となった後に、室内送風機13の運転が開始される。そのため、除霜運転から暖房運転への移行直後の冷えた状態の室内熱交換器12の周囲から冷たい空気が室内へ送風されることを抑えることができる。
また、ステップS21において、制御部20が凍結防止運転モードであると判断した場合(ステップS21でYES)、制御部20は、温度Tstを22℃に設定する(ステップS27)。なお、ここでの温度Tstの設定値は一例であり、本発明はこれに限定はされない。また、ここでの温度Tstの決定は、暖房運転開始時と同様に、テーブルAを参照して、凍結防止運転モード時の設定温度と対応付けられた温度Tstとしてもよい。
その後、圧縮機52などが凍結防止運転モードでの暖房運転を開始する。これにより、室内熱交換器12の温度は徐々に上昇し始める。このとき、制御部20内の送風機運転制御部21は、室内熱交換器温度センサ14から送信される室内熱交換器12の温度の情報を監視する。そして、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となったか否かを判定する(ステップS28)。
ステップS28において、室内熱交換器12の温度が温度Tstを下回る場合(ステップS28でNO)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させることなく、停止状態(ファンOFF状態)を維持する(ステップS29)。一方、ステップS28において、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となった場合(ステップS28でYES)には、制御部20は、ルーバ19を開状態に変更する(ステップS30)。次に、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ステップS31)。
設定温度が例えば10℃の凍結防止運転モードでの暖房運転時には、通常の暖房運転時と比較して、外気温と室温が低い場合が多く、その場合、室内熱交換器12の温度上昇が遅くなる。条件によっては、通常の暖房運転モードの温度Tstである32℃まで、室内熱交換器12の温度が上昇しない可能性がある。しかし、上述のような制御を行うことで、より設定温度の低い凍結防止運転モードでは、温度Tstをより低い温度(例えば、22℃)とすることができる。そのため、凍結防止運転モードへの移行後に、室内送風機13が長時間運転を開始せず、室内の空気が適切に循環しないという現象を抑えることができる。
<第2の実施形態>
上述の第1の実施形態では、設定温度ごとに温度Tstが対応付けられているテーブルAを用いて、制御部20が温度Tstを決定している。しかし、本発明に係る空気調和機では、少なくとも2つの運転モードに関する情報と、温度Tstに関する情報とを関連付けて記憶しているテーブルを用いて、温度Tstを決定してもよい。第2の実施形態では、テーブルを用いて、通常の暖房運転モードと、凍結防止運転モードとの間で温度Tstの切り換えを行う構成について説明する。
本実施形態に係る空気調和機1の全体構成については、第1の実施形態に係る空気調和機と同様の構成が適用できる。図6には、第2の実施形態に係る空気調和機1の記憶部25に格納されているテーブルBを示す。図6に示すように、第2の実施形態に係る空気調和機1では、凍結防止運転モードが選択されると、制御部20は、室内送風機が運転を開始するときの室内熱交換器の温度Tstを22℃とする。また、第2の実施形態に係る空気調和機1では、通常の暖房運転モードが選択されると、制御部20は、室内送風機が運転を開始するときの室内熱交換器の温度Tstを32℃とする。
制御部20が温度Tstを決定した後に、送風機運転制御部21が行う室内送風機13の運転制御については、第1の実施形態と同じである。
なお、本発明の空気調和機において、暖房運転の運転モードは、通常の暖房運転モードと、凍結防止運転モードという2つの運転モードに限定はされない。すなわち、設定温度が互いに異なる3つ以上の運転モードを有する空気調和機も本発明の範疇に含まれる。
図7には、空気調和機が、暖房運転の運転モードとして、3つの運転モードを有している場合に用いられるテーブルの例を示す。この空気調和機は、低温での運転モードとして、設定温度が7℃である7℃運転モードと、設定温度が15℃である15℃運転モードとを有している。さらに、通常の暖房運転モードを有している。通常の暖房運転モードの設定温度は、使用者が任意に決定できる。暖房運転の設定温度は、例えば18℃以上32℃以下である。
図7に示すテーブルCを用いて温度Tstの決定を行う場合、7℃運転モードが選択されると、制御部20は、温度Tstを17℃とする。また、15℃運転モードが選択されると、制御部20は、温度Tstを25℃とする。そして、通常運転モードが選択されると、制御部20は、温度Tstを32℃とする。このように、3つ以上の運転モードごとに温度Tstを変更することで、室内送風機13が運転を開始するタイミングをより細かく設定することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、設定温度に基づいて温度Tstを決定した後、外気温度などその他の情報に基づいて温度Tstを補正することのできる空気調和機について説明する。図1には、本実施形態に係る空気調和機200の内部構成を示す。空気調和機200の構成については、第1の実施形態に係る空気調和機1と同様の構成が適用できる。
<室内送風機の運転制御について>
続いて、本実施形態に係る空気調和機1において、室内送風機13の運転を制御する方法について、図1及び図8を参照しながら説明する。図8には、空気調和機200が暖房運転を開始したときの室内送風機13の制御の流れを示す。
まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始時の指示を空気調和機200へ与える。空気調和機200の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して暖房運転の開始を指示する信号を送信する。
制御部20は、暖房運転開始の指示信号を受信すると、暖房運転の運転モードの確認を行う(ステップS41)。本実施形態の空気調和機200では、暖房運転の運転モードとして、通常運転モードと、凍結防止運転モード(低温運転モード)とを有している。
このステップS41において、制御部20が通常運転モードであると判断した場合(ステップS41でNO)、制御部20は、リモートコントローラなどの操作部18から指示された設定温度を確認する(ステップS42)。設定温度に関する情報は、操作部18から受信部17を介して制御部20へ送信される。
そして、制御部20は、受信した設定温度の情報に基づいて、室内送風機13が運転を開始するときの室内熱交換器12の温度Tstを決定する(ステップS43)。具体的には、制御部20は、記憶部25に格納されたテーブル(例えば、図4に示すテーブルAなど)を参照して、受信した設定温度に関連付けられた温度Tstを選び出す。例えば、設定温度が18℃の場合には、温度Tstは28℃になる。また、設定温度が23℃の場合には、温度Tstは32℃になる。
なお、本実施形態では、テーブル中で設定温度と関連付けられている各温度Tstは、空気調和機200の圧縮機52の容積、室内熱交換器12の容量、及び室外熱交換器54の容量を考慮した上で設定されている。例えば、圧縮機52の容積がより大きい空気調和機では、圧縮機の容積が小さい空気調和機と比較して、設定温度が同じ場合の温度Tstを上側へずらす。また、例えば、室内熱交換器12の容量がより大きい空気調和機では、熱交換器の容量が小さい空気調和機と比較して、設定温度が同じ場合の温度Tstを下側へずらす。また、例えば、室外熱交換器54の容量がより大きい空気調和機では、熱交換器の容量が小さい空気調和機と比較して、設定温度が同じ場合の温度Tstを上側へずらす。
続いて、制御部20は、外気温度センサ62から外気温に関する情報を取得する(ステップS44)。そして、制御部20は、取得した外気温に関する情報に基づいて、温度Tstを補正する(ステップS45)。ここでの温度Tstの補正は、外気温が基準値より高い場合には、温度Tstを上げる方向に補正し、外気温が基準値より低い場合には、温度Tstを下げる方向に補正することができる。例えば、外気温の基準値が7℃であり、設定温度が23℃であるときに、測定された外気温が5℃である場合には、温度Tstを、テーブルAによって得られた32℃から−1℃補正し、31℃とすることができる。また、例えば、外気温の基準値が7℃であり、設定温度が23℃であるときに、測定された外気温が12℃である場合には、温度Tstを、テーブルAによって得られた32℃から+3℃補正し、35℃とすることができる。
その後、圧縮機52などが運転を開始し、冷凍サイクルが循環を始める。これにより、室内熱交換器12の温度は徐々に上昇し始める。このとき、制御部20内の送風機運転制御部21は、室内熱交換器温度センサ14から送信される室内熱交換器12の温度の情報を監視する。そして、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となったか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において、室内熱交換器12の温度が温度Tstを下回る場合(ステップS46でNO)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させることなく、停止状態(ファンOFF状態)を維持する(ステップS47)。一方、ステップS46において、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となった場合(ステップS46でYES)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ファンON、ステップS48)。
また、ステップS41において、制御部20が凍結防止運転モードであると判断した場合(ステップS41でYES)、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ステップS49)。すなわち、凍結防止運転モードにおいては、送風機運転制御部21は、設定温度とは無関係に室内送風機13の運転を開始させる。これにより、凍結防止運転モードにおいて、室内熱交換器12の温度が上昇せず(例えば、通常運転モードの温度Tstまで上昇せず)、室内送風機13が運転を開始できないという可能性を減少させることができる。
なお、ステップS44において、温度Tstを補正する場合には、外気温に関する情報以外の情報を用いることもできる。ここで使用可能な情報としては、例えば、圧縮機52の設定回転数、室内の温度などといった室内熱交換器12の温度上昇に影響を与える情報である。圧縮機52の設定回転数に関する情報は、制御部20が暖房運転開始の指示信号を受信したときに、制御部20内で算出される。また、室内の温度に関する情報は、室内温度センサ15から制御部20へ送信される。
例えば、圧縮機52の設定回転数が基準値よりも大きい場合には、ステップS44では、温度Tstを上側へずらす。一方、圧縮機52の設定回転数が基準値よりも小さい場合には、ステップS44では、温度Tstを下側へずらす。ここで、設定回転数の基準値は、設定温度に応じて変更してもよい。
また、例えば、室内の温度が基準値よりも高い場合には、ステップS44では、温度Tstを上側へずらす。一方、室内の温度が基準値よりも低い場合には、ステップS44では、温度Tstを下側へずらす。ここで、室内の温度の基準値は、設定温度に応じて変更してもよい。
空気調和機200が暖房運転を開始したときには、以上のような流れで室内送風機13の運転制御が行われる。なお、サーモオフ状態からサーモオン状態に移行した場合にも、暖房運転開始時と同様の方法で、室内送風機13の運転制御を行うことができる。また、除霜運転から通常運転へ移行する際には、ステップS48及びステップS49の前に、ルーバ19を開状態とするステップを追加すればよい。それ以外は、暖房運転開始時と同様の方法で室内送風機13の運転制御を行うことができる。
以上のように、本実施形態の空気調和機200では、設定温度に関する情報だけでなく、外気温、熱交換器の容量、圧縮機の容積及び回転数、並びに室内の温度も考慮して、温度Tstを決定することができる。したがって、空気調和機200の性能及び周囲の環境に応じて、室内送風機13が運転を開始するタイミングをより詳細に設定することができる。
<第4の実施形態>
上述の第1の実施形態では、凍結防止運転モードが選択された場合に、設定温度とは無関係に、暖房運転開始と同時に室内送風機13の運転を開始させている。凍結防止運転モードは、寒冷地において室内の凍結を防止するための運転モードである。そのため、凍結防止運転モードは、例えば、旅行などで居住者が長期間家を不在にする場合など、室内に人がいない状態で選択されることが想定される。
しかし、例えば、就寝時などのように室内に人がいる場合に、低温運転モードが選択されることもあり得る。そこで、第4の実施形態では、暖房対象となる室内に人がいるか否かによって、室内送風機の運転制御を行う空気調和機を例に挙げて説明する。
図2には、本実施形態にかかる空気調和機300の全体構成を示す。空気調和機300は、基本的に第1の実施形態の空気調和機1と同様の構成を有している。そのため、空気調和機300において、空気調和機1と同一の機能を有する部材は、空気調和機1と同一の符号を付している。空気調和機1の構成に加えて、空気調和機300の室内機10には、人感センサ(人検知部)301がさらに備えられている。
図9には、第4の実施形態に係る空気調和機300の内部構成を示す。図9では、室内送風機13の運転制御に関連する構成部材を示している。
図9に示すように、室内機10内には、室内送風機13、室内熱交換器温度センサ14、室内温度センサ15、表示部16、受信部17、ルーバ19、制御部20、及び人感センサ301などが備えられている。また、空気調和機1には、室内機10とは別の構成部材として、リモートコントローラ(操作部)18が備えられている。
人感センサ301は、空気調和機300が設置されている室内に人がいるか否かを検知する。人感センサ301が検知した人の存在の有無に関する情報は、制御部20に送信される。
また、図9に示すように、室外機50内には、圧縮機52、室外送風機56、外気温度センサ62、および室外熱交換器温度センサ63などが備えられている。
(暖房運転開始時の室内送風機の運転制御)
続いて、本実施形態に係る空気調和機300において、室内送風機13の運転を制御する方法について、図9及び図10を参照しながら説明する。図10には、空気調和機300が暖房運転を開始したときの室内送風機13の制御の流れを示す。まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始時の指示を空気調和機300へ与える。空気調和機300の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して暖房運転の開始を指示する信号を送信する。
制御部20は、暖房運転開始の指示信号を受信すると、室内に人がいるか否かを確認する(ステップS61)。すなわち、制御部20は、人感センサ301から送信された人の存在の有無に関する情報に基づいて、室内に人がいるか否かを判別する。そして、制御部20が、室内に人がいないと判断したときは(ステップS61でNO)、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始する(ステップS62)。
これにより、室内に人がいないときには、室内熱交換器の温度が低い状態であっても、室内送風機13の運転を開始させることができる。そのため、運転開始からより速い段階で、室内の空気を循環させることができる。
一方、制御部20が、室内に人がいると判断したときは(ステップS61でYES)、制御部20は、リモートコントローラなどの操作部18から指示された設定温度を確認する(ステップS63)。設定温度に関する情報は、操作部18から受信部17を介して制御部20へ送信される。
そして、制御部20は、受信した設定温度の情報に基づいて、室内送風機13が運転を開始するときの室内熱交換器12の温度Tstを取得する(ステップS64)。具体的には、制御部20は、記憶部25に格納されたテーブル(例えば、図4に示すテーブルAなど)を参照して、受信した設定温度に関連付けられた温度Tstを選び出す。例えば、設定温度が18℃の場合には、温度Tstは28℃になる。また、設定温度が23℃の場合には、温度Tstは32℃になる。
続いて、制御部20は、外気温度センサ62から外気温に関する情報を取得する(ステップS65)。なお、第2の実施形態と同様に、このステップS65では、制御部20は、外気温に関する情報以外に、圧縮機52の設定回転数に関する情報、及び、室内の温度に関する情報を取得してもよい。
そして、制御部20は、取得した外気温に関する情報などに基づいて、温度Tstを補正する(ステップS66)。温度Tstの補正方法については、第3の実施形態と同様の方法を適用することができる。
その後、圧縮機52などが運転を開始し、冷凍サイクルが循環を始める。これにより、室内熱交換器12の温度は徐々に上昇し始める。このとき、制御部20内の送風機運転制御部21は、室内熱交換器温度センサ14から送信される室内熱交換器12の温度の情報を監視する。そして、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となったか否かを判定する(ステップS67)。
ステップS67において、室内熱交換器12の温度が温度Tstを下回る場合(ステップS67でNO)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させることなく、停止状態(ファンOFF状態)を維持する(ステップS68)。一方、ステップS67において、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となった場合(ステップS67でYES)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ファンON、ステップS69)。
これにより、例えば、設定温度が23℃の場合には、室内熱交換器12の温度が32℃以上となった後に、室内送風機13の運転が開始される。そのため、運転開始直後の冷えた状態の室内熱交換器12の周囲から冷たい空気が室内へ送風されることを抑えることができる。
以上のようにして、空気調和機300が暖房運転を開始したときに、室内送風機13の運転制御が行われる。なお、サーモオフ状態からサーモオン状態に移行した場合にも、暖房運転開始時と同様の方法で、室内送風機13の運転制御を行うことができる。また、除霜運転から通常運転へ移行する際には、ステップS62及びステップS69の前に、ルーバ19を開状態とするステップを追加すればよい。
<第5の実施形態>
上述した第1の実施形態の空気調和機1は、暖房運転時の設定温度に基づいて温度Tstの値を決定している。また、上述した第3の実施形態の空気調和機200は、暖房運転時の設定温度に基づいて温度Tstの値を決定し、さらに、外気温などの情報に基づいて温度Tstの値を補正している。しかし、本発明の空気調和機では、主に外気温の情報を利用して温度Tstの値を決定することもできる。そこで、第5の実施形態では、外気温の情報に基づいて温度Tstの値を決定する空気調和機について説明する。
図1には、本実施形態に係る空気調和機400の内部構成を示す。空気調和機400の構成については、第1の実施形態に係る空気調和機1と同様の構成が適用できる。但し、空気調和機400内の記憶部25には、テーブルAの代わりに、図12に示すテーブルDが格納されている。テーブルDには、外気温の範囲と、室内送風機13が運転を開始するときの室内熱交換器12の温度Tstとが関連付けられている。外気温の情報は、外気温度センサ62によって取得され、制御部20に送信される。
(暖房運転開始時の室内送風機の運転制御)
図11には、空気調和機400が暖房運転を開始したときの室内送風機13の制御の流れを示す。まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始時の指示を空気調和機400へ与える。空気調和機400の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して暖房運転の開始を指示する信号を送信する。
制御部20は、暖房運転開始の指示信号を受信すると、暖房運転の運転モードの確認を行う(ステップS81)。本実施形態の空気調和機400では、暖房運転の運転モードとして、通常運転モードと、凍結防止運転モード(低温運転モード)とを有している。
このステップS81において、制御部20が通常運転モードであると判断した場合(ステップS81でNO)、制御部20は、外気温に関する情報を受信する(ステップS82)。外気温は、外気温度センサ62によって検知される。そして、外気温度センサ62は、検知した外気温の情報を制御部20へ送信する。
そして、制御部20は、受信した外気温の情報に基づいて、室内送風機13が運転を開始するときの室内熱交換器12の温度Tstを決定する(ステップS83)。具体的には、制御部20は、記憶部25に格納されたテーブルD(図12参照)を参照して、取得した外気温に関連付けられた温度Tstを選び出す。例えば、外気温が−5℃の場合には、温度Tstは17℃になる。また、外気温が8℃の場合には、温度Tstは28℃になる。
その後、圧縮機52などが運転を開始し、冷凍サイクルが循環を始める。これにより、室内熱交換器12の温度は徐々に上昇し始める。このとき、制御部20内の送風機運転制御部21は、室内熱交換器温度センサ14から送信される室内熱交換器12の温度の情報を監視する。そして、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となったか否かを判定する(ステップS84)。
ステップS84において、室内熱交換器12の温度が温度Tstを下回る場合(ステップS84でNO)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させることなく、停止状態(ファンOFF状態)を維持する(ステップS85)。一方、ステップS84において、室内熱交換器12の温度が温度Tst以上となった場合(ステップS84でYES)には、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ファンON、ステップS86)。
これにより、例えば、外気温が8℃の場合には、室内熱交換器12の温度28℃以上となった後に、室内送風機13の運転が開始される。そのため、運転開始直後の冷えた状態の室内熱交換器12の周囲から冷たい空気が室内へ送風されることを抑えることができる。
また、ステップS81において、制御部20が凍結防止運転モードであると判断した場合(ステップSで81でYES)、送風機運転制御部21は、室内送風機13の運転を開始させる(ステップS87)。すなわち、凍結防止運転モードにおいては、送風機運転制御部21は、外気温とは無関係に室内送風機13の運転を開始させる。これにより、凍結防止運転モードにおいて、室内熱交換器12の温度が上昇せず、室内送風機13が運転を開始できないという可能性を減少させることができる。
以上のようにして、空気調和機400が暖房運転を開始したときに、室内送風機13の運転制御が行われる。なお、サーモオフ状態からサーモオン状態に移行した場合にも、暖房運転開始時と同様の方法で、室内送風機13の運転制御を行うことができる。また、除霜運転から通常運転へ移行する際には、ステップS86及びステップS87の前に、ルーバ19を開状態とするステップを追加すればよい。
また、上述した空気調和機400では、第3の実施形態と同様に、外気温以外の情報(例えば、室内の温度、圧縮機の回転数など)を利用して温度Tstを補正することもできる。これにより、空気調和機の性能、周囲の環境などに応じて、より適切なTstを決定することができる。
<第6の実施形態>
上述した第1から第5の実施形態では、空気調和機を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、暖房機でも実現可能である。そこで、第6の実施形態として、暖房機を例に挙げて説明する。図2には、第6の実施形態に係る暖房機500の全体構成を示す。暖房機500は、空気調和機1とほぼ同様の構成を有している。但し、暖房機500は、暖房運転のみを行い、冷房運転は行わない。すなわち、暖房機500は、図2において、実線の矢印で示す方向のみに冷凍サイクルを循環させる構成を有している。その他の構成については、空気調和機1と同様の構成を適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。