JP4105413B2 - マルチ式空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチ式空気調和機に係り、1台の室外機に対し複数の室内機を並列に接続して構成するマルチ式空気調和機に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のマルチ式空気調和機においては、各々の室内機に対応づけられた電動膨張弁を液側配管側にのみ設けて、ガス側配管側から電磁弁を削除するようにした安価な冷媒回路で空調を行うものが増えてきている。
【0003】
このようなマルチ式空気調和機の一例(従来技術1)を図4により説明する。なお、図4において後述する本発明における同一物または相当物には同一符号を付す。この例では2台の室内機A、Bが1台の室外機Cに接続されている。2台の室内機A、Bはガス側配管10a、10bと液側配管11a、11bとの間に接続されており、各々、室内熱交換器4a、4bおよび室内ファン5a、5bを備えている。一方、室外機Cには圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器8、室外ファン9が設けられており、室外機C内の液側配管11a、11bには各々の室内機A、Bに対応した電動膨張弁7a、7bが設けられている。また、冷媒は暖房運転時に実線矢印方向に流れる。
【0004】
このマルチ式空気調和機において、室内機A、Bを同時に暖房運転する場合には、空調負荷に応じて室内機A用の電動膨張弁7aと室内機B用の電動膨張弁7bを各々個別に制御し室内機Aおよび室内機Bの熱交換器4a、4bに対して冷媒を適正量分配することで、冷媒回路を効率良く動作させることができる。また、室内機A側の暖房運転を継続し、室内機B側を停止した場合には、室内機B用の電動膨張弁7bを全閉にすることで室内機B側への冷媒通路を閉鎖し、暖房運転している室内機Aと室外機Cとにより冷媒回路を構成するようにしている。
【0005】
しかしながら、この冷媒回路は、ガス側配管10a、10bに各々の室内機A、Bに対応した冷媒進入防止用の弁を備えていないために、暖房運転時に高圧ガス冷媒が停止中の室内機Bの室内熱交換器4bに進入し、ここで放熱した後に凝縮してしまう。このため、室内機B用の電動膨張弁7bを長時間に亘り全閉していると、室内機Bの室内熱交換器4bと液側配管11b内に冷媒が多量に滞留し、冷媒回路の全体の冷媒循環量が不足することで室内機A側の暖房能力が著しく低下してしまう欠点を抱えていた。
【0006】
そこで、従来のマルチ式空気調和機では、停止側の冷媒回路上にある電動膨張弁を所定開度で開放し、冷媒を流通させる制御を行なうことにより滞留を防止しするようにしたものがある。例えば、特開平8−159590号公報に示されたもの(従来技術2)では、暖房運転を開始する際に停止側の室内機に対応した電動膨張弁を所定の開度で開放し、その後運転側の電動膨張弁の開度に対応させて停止側の電動膨張弁の開度も変化させ、冷媒の滞留を防止するようにしている。また、停止側の初期開度は接続された室内機の能力クラスと配管長さによって補正可能になっており、室外制御装置に備えられた設定スイッチにより据付時に作業者が設定を切換えて補正するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術2のマルチ式空気調和機では、停止側の室内機から戻ってきた冷媒の過冷却度を考慮した制御については開示されていない。このため、停止している室内機の周囲状態、例えば周囲温度が変化した際に、停止している室内機の熱交換器および液側配管に溜まる冷媒量が変化することに確実に対応できないという問題がある。
【0008】
また、従来技術2のマルチ式空気調和機では、据付時に作業者が室外制御装置に備えられた設定スイッチにより設定を切換えて補正するようにしているため、補正の誤設定を生ずるおそれがあるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、圧縮機の吐出冷媒温度を所定温度にしつつ、簡単な制御で、暖房運転時に停止している室内機の周囲状態が変化しても停止側の室内熱交換器および液側配管内に溜まる冷媒を適切に制御することができ、これによって運転している室内機の暖房能力を十分に確保できるマルチ式空気調和機を提供することにある。
【0013】
【発明が解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、各々室内熱交換器を有する複数の室内機と、前記室内機を並列に接続すると共に、冷暖房運転を切換える切換弁、前記室内機に対応して冷媒流量を個別に制御する電動膨張弁および冷媒を圧縮して循環させる圧縮機を備えた室外機と、前記膨張弁を制御する制御装置と、を備えるマルチ式空気調和機において、暖房運転時に、前記圧縮機の吐出冷媒温度を検出するための第1の温度センサーおよび前記電動膨張弁の入口側となる液側配管温度を検知するための第2の温度センサーを備え、前記制御装置は、暖房運転時に、前記第1の温度センサーで検出した吐出冷媒温度に基づいて前記吐出冷媒温度が所定の温度となるように前記電動膨張弁の開度を補正し、前記第2の温度センサーで検出した室内機運転側の液側配管温度および室内機停止側の液側配管温度に基づいて室内機運転側の液側配管温度と室内機停止側の液側配管温度とが所定の温度差となるように室内機停止側の電動膨張弁の開度を補正し、これらの補正された開度に基づいて前記電動膨張弁を制御する制御手段を備えたことにある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態におけるマルチ式空気調和機を図1から図3を用いて説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態におけるマルチ式空気調和機の冷媒回路構成図である。この実施例のマルチ式空気調和機は、2台の室内機A、Bが1台の室外機Cに接続された例である。
【0017】
2台の室内機A、Bは、冷媒回路において、ガス側配管10a、10bに設けられたガス側配管接続バルブ3a、3bと液側配管11a、11bに設けられた液側配管接続バルブ6a、6bとを介して室外機Cに接続されている。このガス側配管接続バルブ3a、3bおよび液側配管接続バルブ6a、6bは、手動式バルブであり、据付時等に開閉して用いられ、据付後は通常全開状態で用いられるものである。各々の室内機A、Bには室内熱交換器4a、4b、室内ファン5a、5b、および室温センサー32a、32bが設けられている。この室内機A、Bは、室内熱交換器4a、4bの容積が同一または異なるものが使用者の希望に応じて選択され、室外機Cに組み合わされるものである。室内ファン5a、5bは、室内熱交換器4a、4bに室内空気を通風して熱交換し、室内空気を冷却または加熱する。室温センサー32a、32bは、室内空気の温度を検出するものであり、具体的には室内熱交換器4a、4bの吸込側の空気温度を検出するものである。
【0018】
一方、室外機Cには圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器8、および電動膨張弁7a、7bが設けられている。四方弁2は、圧縮機1から吐出した冷媒ガスを室外熱交換器8に導くか室内機A、Bに導くかの切換えを行なうものであり、冷房運転か暖房運転かを切換えるものである。図1の四方弁2の状態は暖房運転にした状態であり、冷媒は冷媒回路中を実線矢印のように循環する。電動膨張弁7a、7bは、液側配管11a、11bに各々の室内機A、Bに対応して設けられている。この冷媒回路では、ガス側配管接続バルブ3a、室内熱交換器4a、液側配管接続バルブ6aおよび電動膨張弁7aが直列に接続されると共に、ガス側配管接続バルブ3b、室内熱交換器4b、液側配管接続バルブ6bおよび電動膨張弁7bが直列に接続され、両直列冷媒回路が並列に接続されている。また、室外機Cには、室外ファン9が室外空気を室外熱交換器8に通風するように配置されている。そして、冷媒回路の主要な冷媒温度を検知するために、圧縮機近傍の吐出配管には冷媒吐出温度センサー22が配置され、電動膨張弁7a、7bと液側配管接続バルブ6a、6bとの間の配管11a、11bには過冷却冷媒温度センサー23a、23bが配置されている。
【0019】
図2は本発明の実施形態におけるマルチ式空気調和機の制御ブロック図を示す。図2において、21が室外機Cに設けられた室外制御装置、31aが室内機Aの室内制御装置、31bが室内機Bの室内制御装置を示す。
【0020】
2つの室内制御装置31a、31bは制御信号の送受信を行うためのデータ伝送線51a、51bにより室外制御装置21と接続されている。室内制御装置31a、31bと室外制御装置21とによりマルチ式空気調和機の制御装置が構成されている。各々の室内制御装置31a、31bは、室温を検知するための室温センサー32a、32bと、室内機A、Bの能力クラスや室内熱交換器4a、4bの容積クラス等の補正パラメータを室内機A,Bの組立て時に記憶した記憶装置33a、33bとが接続されていると共に、リモコン41a、41bから制御信号を受けるようになっており、室温センサー32a、32b、記憶装置33a、33bおよびリモコン41a、41bからデータを入力してこれに基づいて所定の制御を行なうようになっている。
【0021】
一方、室外制御装置21は、圧縮機1から吐出した冷媒の温度を検知するための冷媒吐出温度センサー22、過冷却冷媒温度を検知するための過冷却冷媒温度センサー23a、23b、圧縮機1、および電動膨張弁7a、7bが接続されている。そして、室外機制御装置21は、これらおよび室内制御装置31a、31bからデータを入手して制御するものであり、具体的には、圧縮機回転数検出手段、圧縮機回転数制御手段および電動膨張弁制御手段等の制御手段が備えられており、この制御手段により圧縮機1および各電動膨張弁7a、7bを制御するようになっている。なお、冷媒吐出温度センサー22は、圧縮機1近傍の吐出配管上に設けられており、過冷却冷媒温度センサー23a,23bは電動膨張弁7a、7bと液側配管接続バルブ6a、6bとの間の液側配管11a、11b上に設置されている。
【0022】
このように構成したマルチ式空気調和機で室内機Aと室内機Bを共に暖房運転した場合の動作概要について説明する。リモコン41a、41bの操作により暖房運転が開始されると、各室内制御装置31a、31bはリモコン41a、41bから受けた設定風速に従い室内ファン5a、5bを制御すると共に、暖房運転開始指令と暖房能力と補正パラメータをデータ伝送線51a、51bを通して室外制御装置21に送信する。この暖房能力はリモコン41a、41bにより設定された設定温度と室温センサー32a、32bから検知した室温をもとにその時の空調負荷を演算して設定される。また、補正パラメータは、室内制御装置31a、31bの電源投入時に記憶装置33a、33bから取得し、室内機A、Bの運転、停止に係わらず、常に室外制御装置21へ送信されている。
【0023】
そして、室外制御装置21は、室内機A、Bから暖房運転の開始指令を受けると、四方弁2を暖房サイクル側に切換え、室外ファン9を所定の回転数で駆動し、各室内機A、Bの補正パラメータにあわせて、各々の電動膨張弁7a、7bを所定の運転用初期開度に絞込む。さらに、室内機A、Bから受信した圧縮機1の回転数指令値をもとに2台運転に必要な圧縮機回転数を演算により求めて圧縮機1を駆動する。その後、室外制御装置21は圧縮機回転数検出手段により検知した実際の回転数(以下、圧縮機実回転数N(n)と称す)と上記演算により求めた圧縮機回転数目標値とを比較しながら高精度な圧縮機回転数制御を行う。
【0024】
上記室外制御装置21の働きにより冷媒回路内の冷媒は図1に示す矢印の方向に流れる。圧縮機1で圧縮された冷媒は高温高圧のガス冷媒として四方弁2を通過して各室内熱交換器4a、4bに流れ込み、室内ファン5a、5bにより送られる空気に放熱することで過冷却冷媒となる。その後、各電動膨張弁7a、7bを通過することで減圧され、室外熱交換器8で室外ファン9により送られる空気により加熱されて、四方弁2を経由し圧縮機1に戻る。
【0025】
次に、上記の冷媒回路において冷媒循環量と冷媒温度を調整している電動膨張弁7a、7bの制御動作について図3を参照しながら説明する。図3は室外制御装置に設けた電動膨張弁制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【0026】
電動膨張弁制御手段は、冷媒吐出温度補正制御(S1)、圧縮機回転数偏差補正制御(S2)、分配制御(S3)、開閉制御(S4)から構成されており、冷媒吐出温度センサー22により検知した冷媒吐出温度Tdと圧縮機回転数検出手段により検知した圧縮機実回転数N(n)と過冷却冷媒温度センサー23a、23bにより検知した過冷却冷媒温度をもとに、各電動膨張弁7a、7bの弁開度を制御する。
【0027】
まず、冷媒吐出温度補正制御(S1)では、圧縮機1により圧縮して吐出された冷媒の温度、すなわち冷媒吐出温度Tdが圧縮機回転数に対応した所定の温度となるよう電動膨張弁7a、7bの開度を補正するための演算を行っている。この演算には冷媒吐出温度補正用のファジー演算が用いられており、この演算に冷媒吐出温度Tdと圧縮機実回転数N(n)を代入すると電動膨張弁7a、7bの補正開度ΔPtdを符号付きで求めることができる。この演算結果を以下、冷媒吐出温度補正開度ΔPtdと称する。
【0028】
次いで、圧縮機回転数偏差補正制御(S2)では、冷媒回路の負荷変動により圧縮機1の回転数が変動した場合の補正開度を求めている。この演算には圧縮機実回転数がN(n-1)からN(n)に変動した場合の差ΔN(n)=N(n)−N(n-1)と所定定数である圧縮機回転数変動補正定数Knmとを掛け合わせ、符号付き補正開度ΔPnを求めている。この演算結果を以下、圧縮機回転数変動補正開度ΔPnと称する。
【0029】
次いで、分配制御(S3)では、室内機A、Bの運転台数を検知して2台運転か1台運転かを判定し(S31)、2台運転中の処理と1台運転中の処理に分けて演算を行っている。2台運転中の演算は各室内機A、Bに適正な冷媒循環量を供給するための分配制御として行っている。すなわち、2台運転中の処理は、室内機Aに対応する過冷却冷媒温度Tscaと室内機Bに対応する過冷却冷媒温度Tscbとが同一温度となるように各電動膨張弁7a、7bの補正開度を演算するものであり、現在の温度差Tsc=Tscb−Tscaを演算し(S32)、この温度差Tscを分配制御用のファジー演算に代入して補正開度ΔPtscを符号付きで求めている(S33)。一方、1台運転中の演算は、各々の室内制御装置31a、31bから受信した室内機A、Bの能力クラスと室内熱交換器4a、4bの容積クラス等の補正パラメータをもとに、温度差補正定数Kscを演算し(S34)、室内機Aに対応する過冷却冷媒温度Tscaと室内機Bに対応する過冷却冷媒温度Tscbとの差に温度差補正定数Kscを加えた温度差Tscを演算し(S35)、この温度差Tscを分配制御用のファジー演算に代入して補正開度ΔPtscを符号付きで求めている(S33)。ここで求められた結果を以下、過冷却冷媒温度補正開度ΔPtscと称する。このように、室内機Aに対応する過冷却冷媒温度Tscaと室内機Bに対応する過冷却冷媒温度Tscbとが所定の温度差になるように制御するようにしているため、極めて簡単な制御とすることができる。
【0030】
最後に開閉制御(S4)では、各電動膨張弁7a、7bの現在開度Pa(n-1)、Pb(n-1)に対して前述した3つの補正開度ΔPtd、ΔPn、ΔPtscを総計し目標開度Pa(n)、Pb(n)を求め(S41)、各々の電動膨張弁7a、7bをこの目標開度Pa(n)、Pb(n)に合わせるように開閉制御している。このように、冷媒吐出温度補正制御(S1)、圧縮機回転数偏差補正制御(S2)および分配制御(S3)を組合せて3つの補正開度ΔPtd、ΔPn、ΔPtscを設定するようにしているので、極めて適切な電動膨張弁7a、7bの開度補正を行なうことができ、さらに暖房運転性能を向上することができる。
【0031】
係る電動膨張弁7a、7bの制御は、所定周期ごとに実施し、冷媒回路内の冷媒循環量と冷媒温度を継続的に最適な状態に維持するようにしている。
【0032】
次に、暖房運転において室内機Aを運転し室内機Bを停止させた場合の1台運転の詳細について、図1から図3を参照しながら説明する。
【0033】
室外制御装置21は、例えばデータ伝送線51a、51b上の暖房運転開始指令により室内機Aの1台だけが暖房運転を開始したことを確認すると、四方弁2を暖房サイクル側に切換え、室外ファン9を所定の回転数で駆動して、室内機Aの電動膨張弁7aを所定の運転用初期開度に、また室内機Bの電動膨張弁7bを所定の停止用初期開度に絞込む。さらに、室外制御装置21は室内機Aから受信した圧縮機1の指令回転数をもとに1台運転に必要な圧縮機回転数を求めて圧縮機1を駆動する。その後、停止している室内機Bへの冷媒滞留を防止し、且つ冷媒回路全体の冷媒循環量と冷媒温度を継続的に最適な状態に維持するために、電動膨張弁制御手段により各々の電動膨張弁7a、7bを所定の開度に制御する。
【0034】
この1台運転における電動膨張弁7a、7bの開閉動作を具体的に説明する。各々の電動膨張弁開度は電動膨張弁制御手段によって2台運転と同じく補正を行っている。しかしながら、1台運転時の分配制御については運転している室内機Aの空調負荷と停止している室内機Bの熱漏洩量を考慮して補正開度を求める必要があるため、2台運転時と同じ演算で単純に補正開度を求めることができない。そこで、記憶装置33a、33bに記憶された補正パラメータ、すなわち室内機A、Bの能力クラスや室内熱交換器4a、4bの容積クラス等の補正パラメータをもとに、運転している室内機Aの空調負荷と停止している室内機Bの熱漏洩量とを判断し、運転側と停止側の過冷却冷媒に所定の温度差がつくように分配制御を実施している。
【0035】
1台運転における分配制御は、図3のステップS34において、各々の室内制御装置31a、31bから受信した室内機A、Bの能力クラスや室内熱交換器4a、4bの容積クラス等の補正パラメータをもとに所定の温度差補正定数Kscを演算により求める。次いで、図3のステップS35で、現在の温度差Tscを演算する時に温度差補正定数Kscを加算するようにしている。その結果を分配制御用のファジー演算に代入し補正開度ΔPtscを符号付きで求めている。また、上記のステップS34では温度差補正定数Kscを符号付きで求めることで、室内機A、室内機Bのいづれかが1台運転を行っても、室内機の場合分けせずにステップS34の演算式を利用可能にしている。
【0036】
係る電動膨張弁7a、7bの制御を所定周期ごとに実施することで、1台運転における停止側の室内熱交換器4a、4bと液側接続配管における冷媒の滞留を防止し、冷媒回路内の冷媒循環量と冷媒温度を継続的に最適な状態に維持するようにしている。
【0037】
上述したこの実施形態においては、複数台の室内機A、Bを1台の室外機Cに接続して構成されたマルチ式空気調和機において、停止している室内機Aが含まれた暖房運転を行う際、運転している室内機側の過冷却冷媒温度と停止している室内機側の過冷却冷媒温度を検知して所定の温度差となるよう電動膨張弁7a、7bを制御することで、室温や外気温度等の空調負荷要因に影響を受けずに停止側の室内熱交換器4bおよび液側接続配管11bにおける冷媒の滞留を防止し、運転している室内機Aの暖房能力を十分に引き出すことができる。
【0038】
また、1台の室外機Cに異なるタイプの室内機A、Bを複数接続しても、室内機A、Bの能力クラス、および室内熱交換器4a、4bの容積クラス等の補正パラメータを制御要素として上記制御に加えることで、制御の適正化を図ることができる。
【0039】
さらに室内機A、Bの能力クラス、および室内熱交換器4a、4bの容積クラス等の補正パラメータを記憶するための記憶装置33a、33bを設け、空気調和機を組み立てる時に記憶装置33a、33bへ補正パラメータを記憶させ、電動膨張弁7a、7bを制御する際に記憶装置33a、33bから自動的に補正パラメータを取得する制御手段により補正パラメータを取得することで、人為的ミスによる誤設定を防止し、上記制御を確実に動作させることができる。
【0040】
以上、2台の室内機A、Bを1台の室外機Cに接続したマルチ式空気調和機における本発明の実施形態を説明してきたが、3台以上の室内機を1台の室外機に接続したマルチ式空気調和機においても本発明を適用することが可能である。なお、3台以上の室内機を1台の室外機に接続したマルチ式空気調和機で、全ての室内機を暖房運転した場合には各々の室内機に対応した過冷却冷媒温度センサーから最高温度と最低温度を検知して、この温度差を同一温度とするよう電動膨張弁を制御することにより、各々の室内機における冷媒回路内の冷媒循環量と冷媒温度を継続的に最適な状態に維持することが可能である。
【0041】
また、停止している室内機を含む暖房運転を実施する場合において、運転側の過冷却冷媒温度の平均値と停止側の過冷却冷媒温度の平均値を求め、この温度差が所定の温度差となるように制御することで、安定的に、停止している室内熱交換器および液側接続配管における冷媒の滞留を防止し、冷媒回路内の冷媒循環量と冷媒温度を継続的に適切な状態に維持することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、圧縮機の吐出冷媒温度を所定温度にしつつ、簡単な制御で、暖房運転時に停止している室内機の周囲状態が変化しても停止側の室内熱交換器および液側配管内に溜まる冷媒を適切に制御することができ、これによって運転している室内機の暖房能力を十分に確保できるマルチ式空気調和機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるマルチ式空気調和機の冷媒回路構成図である。
【図2】同空気調和機の制御ブロック図である。
【図3】同空気調和機のおける電動膨張弁の制御動作を示すフローチャート図である。
【図4】従来のマルチ式空気調和機の冷媒回路構成図である。
【記号の説明】
A…室内機、B…室内機、C…室外機、1…圧縮機、2…四方弁、3a、3b…ガス側配管接続バルブ、4a、4b…室内熱交換器、5a、5b…室内ファン、6a、6b…液側配管接続バルブ、7a、7b…電動膨張弁、8…室外熱交換器、9…室外ファン、10a、10b…ガス側配管、11a、11b…液側配管、21…室外制御装置、22…冷媒吐出温度センサー、23a、23b…過冷却冷媒温度センサー、31a、31b…室内制御装置、32a、32b…室温センサー、33a、33b…記憶装置、41a、41b…リモコン、51a、51b…データ伝送線。
Claims (2)
- 各々室内熱交換器を有する複数の室内機と、
前記室内機を並列に接続すると共に、冷暖房運転を切換える切換弁、前記室内機に対応して冷媒流量を個別に制御する電動膨張弁および冷媒を圧縮して循環させる圧縮機を備えた室外機と、
前記膨張弁を制御する制御装置と、を備えるマルチ式空気調和機において、
暖房運転時に、前記圧縮機の吐出冷媒温度を検出するための第1の温度センサーおよび前記電動膨張弁の入口側となる液側配管温度を検知するための第2の温度センサーを備え、
前記制御装置は、暖房運転時に、前記第1の温度センサーで検出した吐出冷媒温度に基づいて前記吐出冷媒温度が所定の温度となるように前記電動膨張弁の開度を補正し、前記第2の温度センサーで検出した室内機運転側の液側配管温度および室内機停止側の液側配管温度に基づいて室内機運転側の液側配管温度と室内機停止側の液側配管温度とが所定の温度差となるように室内機停止側の電動膨張弁の開度を補正し、これらの補正された開度に基づいて前記電動膨張弁を制御する制御手段を備えたことを特徴とするマルチ式空気調和機。 - 請求項1において、前記室内機の能力クラスや室内熱交換器の容積クラス等の補正パラメータを記憶した記憶装置を備え、前記制御装置は、暖房運転時に前記室内機の能力クラスや室内熱交換器の容積クラス等の補正パラメータに基づいて、室内機運転側の液側配管温度と室内機停止側の液側配管温度との所定の温度差を補正する制御手段としたことを特徴とするマルチ式空気調和機。
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