JP6712165B2 - 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池 - Google Patents

硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6712165B2
JP6712165B2 JP2016072371A JP2016072371A JP6712165B2 JP 6712165 B2 JP6712165 B2 JP 6712165B2 JP 2016072371 A JP2016072371 A JP 2016072371A JP 2016072371 A JP2016072371 A JP 2016072371A JP 6712165 B2 JP6712165 B2 JP 6712165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
sulfide
lithium
sulfide solid
phosphorus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016072371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017183210A (ja
Inventor
恒太 寺井
恒太 寺井
孝 梅木
孝 梅木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2016072371A priority Critical patent/JP6712165B2/ja
Publication of JP2017183210A publication Critical patent/JP2017183210A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6712165B2 publication Critical patent/JP6712165B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池に関する。
近年の移動通信、情報電子機器の発達に伴い、高容量且つ軽量なリチウムイオン二次電池の需要が増加する傾向にある。室温で高いリチウムイオン伝導性を示す電解質のほとんどが液体であり、市販されているリチウムイオン二次電池の多くが有機系電解液を用いている。この有機系電解液を用いたリチウムイオン二次電池では、漏洩、発火、爆発の危険性があり、より安全性の高い電池が望まれている。上記要望に対し、硫化物固体電解質を用いた全固体電池が開発されている。
硫化物固体電解質の一つとして、Li結晶構造を有する硫化物固体電解質が挙げられる(特許文献1)。Li結晶構造は、イオン伝導性の向上に対して好ましくない結晶成分であると考えられている(特許文献2)。
特開2002−109955号公報 特開2008−120666号公報
Li結晶構造はイオン伝導性が低いものの、結晶構造の基となっているP 4−構造は、架橋硫黄を有さないなど、構造上の安定性に優れていると考えられる。
本発明は、安定性に優れ、且つイオン伝導性も高い硫化物固体電解質を提供することを課題とする。
本発明者らは、これまで知られている硫化物固体電解質のうち、P 4−構造を多く含んでいるものは、いずれも合成の過程において、低イオン伝導相であるLi結晶構造が多量に生じるという課題を発見した。そして、鋭意研究の結果、P 4−構造を多く含むにもかかわらず、イオン伝導性が高い硫化物固体電解質の存在を見出した。
本発明によれば、以下の硫化物固体電解質等が提供される。
1.リチウム、リン及び硫黄を含む硫化物固体電解質であって、前記リンの50mol%以上90mol%以下がP 4−構造に含まれる硫化物固体電解質。
2.ハロゲンを含む、1に記載の硫化物固体電解質。
3.前記リチウム、リン及び硫黄の合計に対するリチウムの元素比(MLi)、リンの元素比(M)及び硫黄の元素比(M)が下記式(1)〜(3)を満たす、1又は2に記載の硫化物固体電解質。
0.350≦MLi≦0.600・・・(1)
0.050≦M≦0.200・・・(2)
0.300≦M≦0.500・・・(3)
(式中、MLiはリチウムの元素比、Mはリンの元素比、Mは硫黄の元素比を表す。)
4.X線回折測定において、Li結晶構造由来のピークが観測されない、1〜3のいずれかに記載の硫化物固体電解質。
5.X線回折測定において、P 4−を基本単位とする結晶構造由来のピークが観測されない、1〜4のいずれかに記載の硫化物固体電解質。
6.X線回折測定において、P a−(xは1〜3の整数であり、yは3〜11の整数であり、x<yである。aは3〜7の整数である。)を基本単位とする結晶構造由来のピークが観測されない、1〜5のいずれかに記載の硫化物固体電解質。
7.1〜6のいずれかに記載の硫化物固体電解質と、活物質を含む電極合材。
8.1〜6のいずれかに記載の硫化物固体電解質及び7に記載の電極合材のうち少なくとも1つを含むリチウムイオン電池。
9.1〜6のいずれかに記載の硫化物固体電解質により製造された電極合材。
10.1〜6のいずれかに記載の硫化物固体電解質、7に記載の電極合材及び9に記載の電極合材のうち少なくとも1つにより製造されたリチウムイオン電池。
本発明によれば、安定性に優れ、且つイオン伝導性も高い硫化物固体電解質を提供することができる。
実施例1で得た硫化物固体電解質の示差走査熱量(DSC)測定結果である。 実施例1で得た硫化物固体電解質のX線回折(XRD)パターンである。 実施例1で得た硫化物固体電解質の熱処理後のXRDパターンである。 実施例1で得た硫化物固体電解質の熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 実施例2で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果である。 実施例2で得た硫化物固体電解質の熱処理後のXRDパターンである。 実施例2で得た硫化物固体電解質の熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 実施例3で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果である。 実施例3で得た硫化物固体電解質のXRDパターンである。 実施例3で得た硫化物固体電解質の熱処理後のXRDパターンである。 実施例3で得た硫化物固体電解質の熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 実施例4で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果である。 実施例4で得た硫化物固体電解質のXRDパターンである。 実施例4で得た硫化物固体電解質の熱処理後のXRDパターンである。 実施例4で得た硫化物固体電解質の熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 実施例5で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果である。 実施例5で得た硫化物固体電解質のXRDパターンである。 実施例5で得た硫化物固体電解質の熱処理後のXRDパターンである。 実施例5で得た硫化物固体電解質の熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 実施例6で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果である。 実施例6で得た硫化物固体電解質のXRDパターンである。 実施例6で得た硫化物固体電解質の熱処理後のXRDパターンである。 実施例6で得た硫化物固体電解質の熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 比較例1で得た硫化物ガラスのDSC測定結果である。 比較例1で得た硫化物ガラスのXRDパターンである。 比較例1で得た硫化物ガラスの熱処理後のXRDパターンである。 比較例1で得た硫化物ガラスの熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 比較例2で得た硫化物ガラスのDSC測定結果である。 比較例2で得た硫化物ガラスのXRDパターンである。 比較例2で得た硫化物ガラスの熱処理後のXRDパターンである。 比較例2で得た硫化物ガラスの熱処理後の31P−NMRスペクトルである。 比較例3で得た硫化物ガラスのDSC測定結果である。 比較例3で得た硫化物ガラスのXRDパターンである。 比較例3で得た硫化物ガラスの熱処理後のXRDパターンである。 比較例3で得た硫化物ガラスの熱処理後の31P−NMRスペクトルである。
本発明の硫化物固体電解質は、リチウム、リン及び硫黄を含む。また、P a−(xは1〜3の整数であり、yは3〜11の整数であり、x<yである。aは3〜7の整数である。)で表される構造を含む。
a−構造としては、例えば、PS 3−構造、P 4−構造、P 4−構造が挙げられる。本発明において、P a−構造は少なくともP 4−構造を含み、P 4−構造の他にPS 3−構造等を含む。
なお、本願において「硫化物固体電解質」とは、硫黄を含み、1気圧下、25℃で固体であり、リチウムイオン伝導性を有する物質である。
本発明の硫化物固体電解質は、硫化物固体電解質に含まれるリンの50mol%以上90mol%以下がP 4−構造に含まれることを特徴とする。本発明では、P 4−構造の含有率が高いため、安定性に優れている。
一方、Li結晶構造の硫化物固体電解質よりも、高いイオン伝導性を有する。硫化物固体電解質に含まれるリンのうち、P 4−構造に含まれるリンは、55mol%以上88mol%以下であることが好ましく、57mol%以上86mol%以下であることが更に好ましく、59mol%以上84mol%以下であることが最も好ましい。
なお、本願において、硫化物固体電解質の各構造に含まれるリンの含有率(mol%)は、後述するように、31P−NMRスペクトル解析で観測される各構造由来のピークの面積から算出する。よって、例えば、硫化物固体電解質が有する特定の構造量が非常に微小であることや、原料の単体リンや硫化リン、PPS等が残留していることもあるが、後述する測定条件において31P−NMRスペクトル解析をした場合に観測することができるピークの面積に基づいて算出したものを、各構造に含まれるリンの含有率(mol%)と定義することにする。
本発明の硫化物固体電解質は、リチウム、リン及び硫黄の他に任意の元素を含んでいてもよく、また、含まなくてもよい。任意の元素としては、例えば、ハロゲン(F、I、Br、Cl、At等)、B、Zn、Si、Cu、Ga、Ge等が挙げられる。本発明の硫化物固体電解質は、ハロゲンを含むことが好ましい。
本発明の硫化物固体電解質に含まれるリチウム、リン及び硫黄の合計(Li+P+S)に対するリチウムの元素比(MLi)、リンの元素比(M)及び硫黄の元素比(M)は下記式(1)〜(3)を満たすことが好ましい。
0.350≦MLi≦0.600・・・(1)
0.050≦M≦0.200・・・(2)
0.300≦M≦0.500・・・(3)
(式中、MLiはリチウムの元素比、Mはリンの元素比、Mは硫黄の元素比を表す。)
更に好ましくは下記式を満たすことが好ましい。
0.365≦MLi≦0.575
0.080≦M≦0.195
0.315≦M≦0.485
最も好ましくは下記式を満たすことが好ましい。
0.380≦MLi≦0.550
0.100≦M≦0.190
0.330≦M≦0.470
また、硫化物固体電解質に含まれるリンの元素比を相対的に高くすることが好ましい。ここで、リンの元素比を相対的に高くするとは、以下のことを意味する。硫化物固体電解質の原料全体に含まれるリチウム元素、硫黄及びリンの元素比をそれぞれx、y及びz(x+y+z=1)とし、これら元素をLiS及びPの混合物[aLiS+bP、(a+b=1)]からなると仮定したとき、各元素比x、y及びzは下記式(a)〜(c)で表される。
x=2a (a)
y=a+5b (b)
z=2b (c)
本願では、リンの元素比zが2bより高い場合(z>2b)をリンの元素比が相対的に高いとする。
本発明の硫化物固体電解質がハロゲンを含有する場合、ハロゲン(X)の元素比(M=X/(Li+P+S+X))は0.001〜0.400であることが好ましく、さらに、0.005〜0.300であることが好ましく、0.01〜0.250であることが好ましく、特に、0.015〜0.200であることが好ましい。
硫化物固体電解質の元素組成を調整するためには、例えば、原料として、硫化リチウム及び硫化リンを使用する場合、さらに、単体リンやリン化合物を原料として用い、リンのmol比を相対的に高くすることが挙げられる。特に、単体リンを原料として用いることが好ましい。
また、原料として、硫化リチウム、硫化リン、ハロゲン化リチウム(例えば、LiI、LiBr、LiCl、LiFが挙げられ、これらのうち1種としてもよく、2種以上としてもよい。)及び単体リンを使用してもよい。
本発明の硫化物固体電解質は、X線回折測定において、Li結晶構造由来のピークが観測されないことが好ましい。例えば、2θ=32.5±0.5degが観測されないことが好ましい。さらに、2θ=16.9±0.5、27.1±0.5、40.4±0.5、51.4±0.5、52.2±0.5、59.8±0.5deg等のピークも観測されないことが好ましい。
また、X線回折測定において、Li結晶構造以外のP 4−を基本単位とする結晶構造由来のピークが観測されなくてもよい。
さらに、X線回折測定において、PS 3−を基本単位とする結晶構造由来のピークが観測されなくてもよい。
さらに、X線回折測定において、P27 4−を基本単位とする結晶構造由来のピークが観測されなくてもよい。
本発明の硫化物固体電解質は、リチウム、リン及び硫黄、並びに所望により上述したハロゲン等の任意元素を含む原料を混合して合成処理することにより製造できる。
原料としては、LiS(硫化リチウム)、硫化リン、SiS(硫化珪素)、LiSiO(オルト珪酸リチウム)、Al(硫化アルミニウム)、単体リン(P)、単体の硫黄(S)、シリコン(Si)、GeS(硫化ゲルマニウム)、B(三硫化二ホウ素)、LiPO(リン酸リチウム)、LiGeO(ゲルマン酸リチウム)、LiSnO(スズ酸リチウム)、LiBO(メタホウ酸リチウム)、LiAlO(リチウムアルミネート)、LiF(フッ化リチウム)、LiCl(塩化リチウム)、LiI(ヨウ化リチウム)、LiBr(臭化リチウム)等を用いることができる。
以下、原料として、硫化リチウム、硫化リン、単体リン及びハロゲン化リチウムを使用した例について説明する。
原料として使用する硫化リチウムは特に制限はなく、例えば、工業的に入手可能なものが使用でき、また特開平7−330312号公報、特開平9−283156号公報、特開2010−163356号公報、特開2011−084438号公報に開示の方法に製造できる硫化リチウムを使用できる。
なお、上記特開2010−163356号公報では、炭化水素系有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを70℃〜300℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成する。また、上記特開2011−084438号公報では、水溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを10℃〜100℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成する。
特開平7−330312号及び特開平9−283156号に記載の硫化リチウムの製造方法では、得られる硫化リチウムは硫黄酸化物のリチウム塩等を含むため、精製することが好ましい。一方、特開2010−163356号に記載の硫化リチウムの製造方法では、得られる硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩等の含有量が非常に少ないため、精製せずにそのまま用いることができる。
硫化リチウムを精製する場合、好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号に開示の精製法等が挙げられ、得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用いて100℃以上の温度で洗浄することにより精製する。
また、硫化リチウムは、純度が90.0%以上であることが好ましく、98.0%以上であることがさらに好ましく、99.0%以上であることがより好ましく、99.9%以上であることが最も好ましい。
硫化リンとしては特に限定はなく、例えば、工業的に製造され、販売されているものであってもよい。具体的には、例えばP(三硫化二リン)、P(五硫化二リン)が挙げられる。これら硫化リンは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、硫化リンは、純度が90.0%以上であることが好ましく、98.0%以上であることがさらに好ましく、99.0%以上であることがより好ましく、99.9%以上であることが最も好ましい。
単体リンとしては特に限定はなく、例えば、工業的に製造され、販売されているものであってもよい。例えば、赤リン、黒リン、紫リン、白リンが挙げられる。単体リンは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、単体リンは、純度が90.0%以上であることが好ましく、98.0%以上であることがさらに好ましく、99.0%以上であることがより好ましく、99.9%以上であることが最も好ましい。
ハロゲン化リチウムとしては特に限定はなく、例えば、工業的に製造され、販売されているものであってもよい。例えば、LiF、LiCl、LiI、LiBrが挙げられる。ハロゲン化リチウムは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ハロゲン化リチウムは、純度が90.0%以上であることが好ましく、98.0%以上であることがさらに好ましく、99.0%以上であることがより好ましく、99.9%以上であることが最も好ましい。
原料における硫化リチウムと硫化リンの割合は、98〜60mol%:2〜40mol%が好ましく、95〜62mol%:5〜38mol%が好ましく、92〜64mol%:8〜36mol%がさらに好ましく、90〜66mol%:10〜34mol%が最も好ましい。
単体リンの添加量は、例えば、硫化リチウム、硫化リン、及び赤リンを原料として含む場合、硫化リチウムと硫化リン(LiS+P)、及び赤リンの合計量を100mol%とした場合、1mol%〜40mol%が好ましく、2mol%〜35mol%が好ましく、3mol%〜28mol%がさらに好ましい。
ハロゲン化リチウムの添加量は、例えば、硫化リチウム、硫化リン、及び赤リンを原料として含む場合、硫化リチウムと硫化リン(LiS+P)、赤リン及びハロゲン化リチウムの合計量を100mol%とした場合、例えば、0.1mol%〜50mol%であればよい。また、例えば1mol%〜40mol%であってもよく、3mol%〜30mol%であってもよい。
上記原料から硫化物固体電解質を製造する方法としては、MM(メカニカルミリング)法、溶融急冷法、炭化水素系溶媒中で原料を接触させる方法(WO2009/047977)、炭化水素系溶媒中で原料を接触させる手段と粉砕合成手段とを交互に行う方法(特開2010−140893)、溶媒中で原料を接触させる工程の後に粉砕合成工程を行う方法(PCT/JP2012/005992)のいずれでもよい。
上記溶媒は、極性溶媒であっても非極性溶媒であってもよい。非極性溶媒としては、炭化水素溶媒が挙げられる。当該炭化水素溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒が挙げられ、芳香族炭化水素溶媒中で混合することが好ましい。芳香族炭化水素溶媒としては、アルキルベンゼンが好ましい。アルキルベンゼンとしては、トルエンが好ましい。
製造時の温度は特に限定は無いが、例えば0℃以上150℃以下、5℃以上140℃以下である。溶媒を用いる場合には、溶媒の沸点以下が好ましい。
製造時間は特に限定は無いが、例えば1時間以上72時間以下、2時間以上48時間以下である。
本発明の硫化物固体電解質は、ガラス状で得られる。通常、硫化物ガラスは熱処理により結晶化する。結晶化により、イオン伝導性が向上することがある。一方、本発明の硫化物固体電解質は通常の熱処理温度(例えば、350℃以下)では一部又は全部が結晶化しない場合がある。従って、熱による性能変化が少ないという利点がある。
なお、本発明の硫化物固体電解質は、他のP a−構造(例えば、PS 3−構造)も含有しているので、必要な場合は熱処理をしてもよい。熱処理の温度は160〜350℃が好ましい。加熱時間は、0.005分以上、20時間以下が好ましい。さらに好ましくは、0.005分以上、10時間以下であり、特に好ましくは、1分以上、5時間以下である。
昇温方法については特に指定がない。所定温度までゆっくり昇温してもよいし、急速に加熱してもよい。
加熱は、露点−40℃以下の環境下で行うことが好ましく、より好ましくは露点−60℃以下の環境下で行うことが好ましい。加熱時の気圧は、常圧であってもよく、減圧下であってもよい。雰囲気は、空気中であってもよく、不活性雰囲気下であってもよい。
本発明の硫化物固体電解質は、リチウムイオン二次電池等の固体電解質層、正極、負極等に用いることができる。
[電極合材]
本発明の電極合材は、上述した本発明の硫化物固体電解質と、活物質を含む。又は、本発明の硫化物固体電解質により製造される。活物質として負極活物質を使用すると負極合材となる。一方、正極活物質を使用すると正極合材となる。
・負極合材
本発明の硫化物固体電解質に負極活物質を配合することにより負極合材が得られる。
負極活物質としては、例えば、炭素材料、金属材料等を使用することができる。これらのうち2種以上からなる複合体も使用できる。また、今後開発される負極活物質も使用することができる。
また、負極活物質は電子伝導性を有していることが好ましい。
炭素材料としては、グラファイト(例えば、人造黒鉛)、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられる。
金属材料としては、金属単体、合金、金属化合物が挙げられる。当該金属単体としては、金属ケイ素、金属スズ、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミニウムが挙げられる。当該合金としては、ケイ素、スズ、リチウム、インジウム及びアルミニウムのうち少なくとも1つを含む合金が挙げられる。当該金属化合物としては、金属酸化物が挙げられる。金属酸化物は、例えば酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アルミニウムである。
負極活物質と固体電解質の配合割合は、負極活物質:固体電解質=95重量%:5重量%〜5重量%:95重量%が好ましく、90重量%:10重量%〜10重量%:90重量%がより好ましく、85重量%:15重量%〜15重量%:85重量%がさらに好ましい。
負極合材における負極活物質の含有量が少なすぎると電気容量が小さくなる。また、負極活物質が電子伝導性を有し、導電助剤を含まないか、又は少量の導電助剤しか含まない場合には、負極内の電子伝導性(電子伝導パス)が低下し、レート特性が低くなるおそれや、負極活物質の利用率が下がり、電気容量が低下するおそれがあると考える。一方、負極合材における負極活物質の含有量が多すぎると、負極内のイオン伝導性(イオン伝導パス)が低下し、レート特性が低くなるおそれや、負極活物質の利用率が下がり、電気容量が低下するおそれがあると考える。
負極合材は導電助剤をさらに含有することができる。
負極活物質の電子伝導性が低い場合には、導電助剤を添加することが好ましい。導電助剤は、導電性を有していればよく、その電子伝導度は、好ましくは1×10S/cm以上であり、より好ましくは1×10S/cm以上である。
導電助剤の具体例としては、好ましくは炭素材料、ニッケル、銅、アルミニウム、インジウム、銀、コバルト、マグネシウム、リチウム、クロム、金、ルテニウム、白金、ベリリウム、イリジウム、モリブデン、ニオブ、オスニウム、ロジウム、タングステン及び亜鉛からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む物質であり、より好ましくは導電性が高い炭素単体、炭素単体以外の炭素材料;ニッケル、銅、銀、コバルト、マグネシウム、リチウム、ルテニウム、金、白金、ニオブ、オスニウム又はロジウムを含む金属単体、混合物又は化合物である。
なお、炭素材料の具体例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;黒鉛、炭素繊維、活性炭等が挙げられ、これらは単独でも2種以上でも併用可能である。なかでも、電子伝導性が高いアセチレンブラック、デンカブラック、ケッチェンブラックが好適である。
負極合材が導電助剤を含む場合の導電助剤の合材中の含有量は、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは2〜20重量%である。導電助剤の含有量が少なすぎると、負極の電子伝導性が低下してレート特性が低くなるおそれや、負極活物質の利用率が下がり、電気容量が低下するおそれがあると考える。一方、導電助剤の含有量が多すぎると、負極活物質の量及び/又は固体電解質の量が少なくなる。負極活物質の量が少なくなると電気容量が低下すると推測する。また、固体電解質の量が少なくなると負極のイオン伝導性が低下し、レート特性が低くなるおそれや、負極活物質の利用率が下がり、電気容量が低下するおそれがあると考える。
負極活物質と固体電解質を互いに密に結着させるため、さらに結着剤を含んでもよい。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、あるいはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。
負極合材は、固体電解質と負極活物質、並びに任意の導電助剤及び/又は結着剤を混合することで製造できる。
混合方法は特に限定されないが、例えば、乳鉢、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、カッターミルを用いて混合する乾式混合;及び有機溶媒中に原料を分散させた後に、乳鉢、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、フィルミックスを用いて混合し、その後溶媒を除去する湿式混合を適用することができる。これらのうち、負極活物質粒子を破壊しないために湿式混合が好ましい。
・正極合材
本発明の固体電解質に正極活物質を配合することにより正極合材が得られる。
正極活物質は、リチウムイオンの挿入脱離が可能な物質であり、電池分野において正極活物質として公知のものが使用できる。また、今後開発される正極活物質も使用することができる。
正極活物質としては、例えば、金属酸化物、硫化物等が挙げられる。硫化物には、金属硫化物、非金属硫化物が含まれる。
金属酸化物は、例えば遷移金属酸化物である。具体的には、V、V13、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、Li(NiCoMn)O(ここで、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−YCo、LiCo1−YMn、LiNi1−YMn(ここで、0≦Y<1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−ZNi、LiMn2−ZCo(ここで、0<Z<2)、LiCoPO、LiFePO、CuO、Li(NiCoAl)O(ここで、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)等が挙げられる。
金属硫化物としては、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)等が挙げられる。
その他、金属酸化物としては、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)等が挙げられる。
非金属硫化物としては、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物等が挙げられる。
上記の他、セレン化ニオブ(NbSe)、金属インジウム、硫黄も正極活物質として使用できる。
正極合材は、さらに導電助剤を含んでいてもよい。
導電助剤は、負極合材と同様である。
正極合材の固体電解質及び正極活物質の配合割合、導電助剤の含有量、並びに正極合材の製造方法は、上述した負極合材と同様である。
[リチウムイオン電池]
本発明のリチウムイオン電池は、上述した本発明の硫化物固体電解質及び電極合材のうち少なくとも1つを含む。又は、本発明の硫化物固体電解質及び電極合材のうち少なくとも1つにより製造される。
リチウムイオン電池の構成は特に限定されないが、一般に、負極層、電解質層及び正極層をこの順に積層した構造を有する。以下、リチウムイオン電池の各層について説明する。
(1)負極層
負極層は、好ましくは本発明の負極合材から製造される層である。
又は、負極層は、好ましくは本発明の負極合材を含む層である。
負極層の厚さは、100nm以上5mm以下が好ましく、1μm以上3mm以下がより好ましく、5μm以上1mm以下がさらに好ましい。
負極層は公知の方法により製造することができ、例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
(2)電解質層
電解質層は、固体電解質を含む層又は固体電解質から製造された層である。当該固体電解質は特に限定されないが、好ましくは本発明の硫化物固体電解質である。
電解質層は、固体電解質のみからなってもよく、さらにバインダーを含んでもよい。当該バインダーとしては、本発明の負極合材の結着剤と同じものが使用できる。
電解質層の厚さは、0.001mm以上1mm以下であることが好ましい。
電解質層の固体電解質は、融着していてもよい。融着とは、固体電解質粒子の一部が溶解し、溶解した部分が他の固体電解質粒子と一体化することを意味する。また、電解質層は、固体電解質の板状体であってもよく、当該板状体は、固体電解質粒子の一部又は全部が溶解し、板状体になっている場合も含む。
電解質層は、公知の方法により製造することができ、例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
(3)正極層
正極層は、正極活物質を含む層であり、好ましくは本発明の正極合材を含む層又は本発明の正極合材から製造された層である。
正極層の厚さは、0.01mm以上10mm以下であることが好ましい。
正極層は、公知の方法により製造することができ、例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
(4)集電体
本発明のリチウムイオン電池は、好ましくは集電体をさらに備える。例えば負極集電体は負極層の電解質層側とは反対側に、正極集電体は正極層の電解質層側とは反対側に設ける。
集電体として、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、又はこれらの合金等からなる板状体や箔状体等が使用できる。
本発明のリチウムイオン電池は、上述した各部材を貼り合せ、接合することで製造できる。接合する方法としては、各部材を積層し、加圧・圧着する方法や、2つのロール間を通して加圧する方法(roll to roll)等がある。
また、接合面にイオン伝導性を有する活物質や、イオン伝導性を阻害しない接着物質を介して接合してもよい。
接合においては、固体電解質の結晶構造が変化しない範囲で加熱融着してもよい。
また、本発明のリチウムイオン電池は、上述した各部材を順次形成することでも製造できる。公知の方法により製造することができ、例えば、塗布法、静電法(静電スプレー法、静電スクリーン法等)により製造することができる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお、評価方法は以下のとおりである。
(1)イオン伝導度測定
各例で製造した硫化物固体電解質を、錠剤成形機に充填し、22MPaの圧力を加え成形体とした。電極としてカーボンを成形体の両面に乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、測定用の成形体(直径約10mm、厚み0.1〜0.2cm)を作製した。この成形体について交流インピーダンス測定によりイオン伝導度を測定した。伝導度の値は25℃における数値を採用した。
なお、本実施例で用いたイオン伝導度の測定方法では、イオン伝導度が1.0×10−6S/cm未満の場合には、イオン伝導度を正確に測ることができないため、測定不能とした。
(2)示差走査熱量(DSC)測定
乾燥窒素雰囲気下、昇温速度2℃/minで50〜350℃の温度範囲で実施した。ここで、ピークを測定する目的は、結晶化温度を探すことであるため、ピークが現れた時点で、350℃に到達する前に任意の温度で測定を止めることがある。示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製Diamond DSC)を使用し、試料を約15mgで測定した。
(3)31P−NMR測定
粉末試料約100mgをNMR試料管へ充填し、下記の装置及び条件にて31P−NMRスペクトルを得た。なお、硫化物固体電解質中に出発原料由来の硫化リン(P)が存在する場合(P有り)と、存在しない場合(P無し)では測定条件が異なる。本測定を行う前に、粉末試料を別途XRD測定することにより、Pの有無を確認した。本願実施例及び比較例の硫化物固体電解質には、硫化リンは存在しなかった。
装置:ECZ400R装置(株式会社JEOL RESONANCE製)
観測核:31
観測周波数:161.944MHz
測定温度:室温
パルス系列:シングルパルス
無しの固体電解質 90°パルスを使用。
有りの固体電解質 45°パルスを使用
90°パルス幅:3.8μs
FID測定後、次のパルス印加までの待ち時間:
60s(P無し)
1500s(P有り)
マジックアングル回転の回転数:
12kHz(P無し)
15kHz(P有り)
積算回数:
64回(P無し)
32回(P有り)
測定範囲:
250ppm〜−150ppm(P無し)
350ppm〜−250ppm(P有り)
31P−NMRスペクトルの測定において、化学シフトは、外部基準として(NHHPO(化学シフト1.33ppm)を用いることで得た。
31P−NMRスペクトルから硫化物固体電解質に含まれるリンのうち各P a−構造に含まれるリンの比率(リン比率、mol%)を測定した。
(i)P無しの場合
無しの硫化物固体電解質の250ppm〜−150ppmの範囲で測定した固体31P−NMRスペクトルには、例えば70〜120ppmに現れる主ピークと、主ピークの化学シフトからマジック角回転の回転数の倍数に対応する化学シフト幅を加減することで得られる化学シフト位置にスピニングサイドバンドと呼ばれるピークが観察される。スピニングサイドバンドは、主ピークに帰属されるPの電子オービタルの異方性によって生じる影響をマジック角回転により完全に消去できなかった場合に生じるピークであり、主ピークの強度とマジック角回転数の回転数に応じてその強度が変化する。上述した条件で測定したP無しの硫化物固体電解質の固体31P−NMRスペクトルでは、主ピークに対するスピニングサイドバンドの強度比が1/10より小さく、全体の面積和に対する影響も小さい。そのため、スピニングサイドハンドのピークは主ピークの波形分離で得られる面積比率と同じ比率で各構造に分離されると仮定し、主ピークのみ波形分離を実施して各構造のリン比率を求めた。なお、主ピークの波形分離は構造のピークがガウス曲線であると仮定し、各々の構造の化学シフト及び線幅が表6の範囲に入るようにした非線形最少二乗法にて実施した。この波形分離の結果、70ppm〜120ppmの範囲には、表1に記載のあるように、PS 3−構造、P 4−構造、P 4−構造(P a−構造)に帰属されるピークが検出され、各ピークの面積をa1、a2、a3とした。また、これらのピークの面積の総和(=a1+a2+a3)をSとした。
Figure 0006712165
硫化物固体電解質に含まれるリンのうち、PS 3−構造、P 4−構造及びP 4−構造に含まれるリンの比率(リン比率、mol%)は、以下の式で求めた。
PS 3−のリン比率=100×a1/S
4−のリン比率=100×a2/S
4−のリン比率=100×a3/S
(ii)Pありの場合
有りの硫化物固体電解質の350ppm〜−250ppmの範囲で測定した固体31P−NMRスペクトルには、P無しの固体電解質で見られた70〜120ppm付近の主ピークとそのスピニングサイドバンドに加えて、44〜64ppm付近に観察されるPの主ピークと134〜158ppm、−50〜−30ppm、−145〜−130ppmの範囲にPのスピニングサイドバンドによる信号が観察される。そこで、まず表7で示した領域にある各ピークの積分値b1〜b6を求めた。なお、本願記載の製造法で作製したP有りの硫化物固体電解質に対し、上述した測定条件で測定して得た固体31P−NMRスペクトルにおいて、上ピークが観察されない350〜200ppmの領域の信号の強度の振れ幅をノイズの最大強度(ノイズレベル)とし、表2の化学シフト領域において、ノイズレベルを超える強度を有するピークのみ積分を実施した。さらにこれらの積分値の総和をS(=b1+b2+b3+b4+b5+b6)とし、Pに由来するピークの積分値の総和をS(=b1+b3+b5+b6)とした。
Figure 0006712165
次に、P a−構造由来のピークについては、(i)と同様な方法で分離し、各ピークの面積値、及び面積の総和Sを得た。
PS 3−構造、P 4−構造、P 4−構造及び硫化リンのリン比率(mol%)は、以下の式で求めた。
PS 3−のリン比率=100×[a1/S]×[(b2+b4)/S
4−のリン比率=100×[a2/S]×[(b2+b4)/S
4−のリン比率=100×[a3/S]×[(b2+b4)/S
硫化リンのリン比率=100×S/S
上述したように、硫化物固体電解質に含まれるリンのうち各P a−構造に含まれるリンの比率(リン比率、mol%)は、31P−NMRスペクトルから算出する。例えば、特定のP a−構造が非常に微量に存在する場合、又は、原料の単体リンや硫化リン、PPS等が残留する場合、これらに起因するピークが検知できないことがあり得る。これらの場合でも、本願において、硫化物固体電解質に含まれるリンのうち各P a−構造に含まれるリンの比率(リン比率、mol%)は、上述した条件で算出した値を指すものとする。
(4)X線回折(XRD)測定
各例で製造した硫化物固体電解質の粉末から、直径10mm、高さ0.1〜0.3cmの円形ペレットを成形して試料とした。この試料を、XRD用気密ホルダーを用いて空気に触れさせずに測定した。回折ピークの2θ位置は、XRD解析プログラムJADEを用いて重心法にて決定した。
株式会社リガクの粉末X線回折測定装置SmartLabを用いて以下の条件にて実施した。
管電圧:45kV
管電流:200mA
X線波長:Cu−Kα線(1.5418Å)
光学系:平行ビーム法
スリット構成:ソーラースリット5°、入射スリット1mm、受光スリット1mm
検出器:シンチレーションカウンター
測定範囲:2θ=10−60°
ステップ幅、スキャンスピード:0.02°、1°/分
製造例1
(硫化リチウム(LiS)の製造)
(1)硫化リチウムの製造
撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6mol)及び無水水酸化リチウム287.4g(12mol)を仕込み、300rpmで130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3L/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)で昇温し、生成した水硫化リチウムを脱硫化水素化し硫化リチウムを得た。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発しはじめ、この水をコンデンサにより凝縮し、系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度が上昇し、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。水硫化リチウムの脱硫化水素反応(約80分)が終了後、反応を終了し硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
(1)で得られた500mLのスラリ反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリ)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、脱水ヘプタン100mLを加え、室温で撹拌して、上澄み除去を行った。この操作を5回繰り返した。このヘプタンスラリーを採取し、窒素気流下でろ過することで溶媒を除去した。200℃で真空乾燥を行い、精製硫化リチウムを得た。
BET比表面積(クリプトン法)を評価したところ、比表面積0.04m/g、細孔容積0.001mL/g以下であった。
実施例1
製造例1で製造した硫化リチウム(純度98.6%)、五硫化二リン(FS SPEC、サーモフォス社製、純度99.9%以上)、赤リン(PPE02PB、(株)高純度化学研究所製、純度99.999%以上)、及び臭化リチウム(臭化リチウム(無水物)、本荘ケミカル(株)製、純度99.4%以上)を出発原料に用いた(以下、全ての実施例において、各出発原料の純度は同様である)。硫化リチウム(LiS)、五硫化二リン(P)、赤リン(P)及び臭化リチウム(LiBr)のmol比(LiS:P:P:LiBr)が68.9:7.7:8.5:14.9となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.4995g、五硫化二リン0.2650g、赤リン0.0410g、臭化リチウム0.2020gを混合し、原料混合物とした。
原料混合物と、直径10mmのジルコニア製ボール30gとを遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)アルミナ製ポット(45mL)に入れ、完全密閉した。ポット内はアルゴン雰囲気とした。遊星型ボールミルで回転数を370rpmにして72時間メカニカルミリングを行い、硫化物固体電解質(硫化物ガラス)の粉末を得た。
実施例1で得た硫化物固体電解質の示差走査熱量(DSC)測定結果を図1に示す。また、X線回折(XRD)パターンを図2に示す。DSC測定では、明確な結晶化温度は観測されなかった。
硫化物固体電解質約0.5gを窒素雰囲気下、ホットプレート(ND−1 ASONE社製)上で熱処理した。具体的に、ホットプレートを予め210℃にし、アルミ箔上に均一に広げた硫化物固体電解質をホットプレート上に置き、1時間加熱した。
熱処理後の硫化物固体電解質についてイオン伝導度(σ)を測定した結果、2.5×10−5S/cmであった。熱処理後の硫化物固体電解質のXRDパターンを図3に示す。残留したLiSやLiBr由来のピークは存在するが、他に明確な結晶構造は確認できなかった。
図2及び図3から、本実施例の硫化物固体電解質では、XRDパターンが、熱処理前後でほとんど変化していないことが確認できる。なお、熱処理をすることにより、新たなピークが出現したり、特定のピーク強度が高まるなどの変化が起こり得るが、LiBrの偏析によるものだと推察できる。
熱処理後の硫化物固体電解質について、31P−NMR測定を行った。NMRスペクトルを図4に示す。その結果、P 4−構造のリン比率は76.8mol%、PS 3−構造のリン比率は23.2mol%であった。多くをP 4−構造が占めていることが分かった。
実施例1及び後述する実施例及び比較例の原料における各元素の元素比、得られた硫化物固体電解質のP 4−構造のリン比率及び熱処理後のイオン伝導率を表3に示す。
Figure 0006712165
実施例2
原料のmol比(LiS:P:P:LiBr)が54.8:6.1:26.1:13.0となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.4400g、五硫化二リン0.2334g、赤リン0.1393g、臭化リチウム0.1940gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を製造し、評価した。
実施例2で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果を図5に示す。明確な結晶化温度は観測されなかった。
実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を熱処理した。熱処理温度は220℃とした。熱処理後の硫化物固体電解質のイオン伝導度は2.5×10−5S/cmであった。
熱処理後の硫化物固体電解質のXRDパターンを図6に示す。残留したLiSやLiBr由来のピークは存在するが、他に明確な結晶構造は確認できなかった。なお、熱処理をすることにより、新たなピークが出現したり、特定のピーク強度が高まるなどの変化が起こり得るが、LiBrの偏析によるものだと推察できる。
31P−NMRスペクトルを図7に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は74.9mol%、PS 3−構造のリン比率は25.1mol%であった。多くをP 4−構造が占めていることが分かった。
実施例3
原料のmol比(LiS:P:P:LiBr)が60.2:15.1:8.4:16.4、となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.3601g、五硫化二リン0.4299g、赤リン0.0332g、臭化リチウム0.1824gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を製造し、評価した。
実施例3で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果を図8に示す。また、XRDパターンを図9に示す。DSC測定では、明確な結晶化温度は見られなかったが、205℃付近に微小なピークが観察された。
実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を熱処理した。熱処理温度は210℃とした。熱処理後の硫化物固体電解質のイオン伝導度は1.8×10−4S/cmであった。
熱処理後の硫化物固体電解質のXRDパターンを図10に示す。残留したLiSやLiBr由来のピークは存在するが、他に明確な結晶構造は確認できなかった。なお、熱処理をすることにより、新たなピークが出現したり、特定のピーク強度が高まるなどの変化が起こり得るが、LiBrの偏析によるものだと推察できる。
31P−NMRスペクトルを図11に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は58.6mol%、PS 3−構造のリン比率は41.4mol%であった。多くをP 4−構造が占めていることが分かった。
実施例4
原料のmol比(LiS:P:P:LiBr)が48.1:12.0:25.8:14.1、となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.3245g、五硫化二リン0.3874g、赤リン0.1156g、臭化リチウム0.1776gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を製造し、評価した。
実施例4で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果を図12に示す。また、XRDパターンを図13に示す。DSC測定では、明確な結晶化温度は観測されなかった。
実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を熱処理した。熱処理温度は220℃とした。熱処理後の硫化物固体電解質のイオン伝導度は7.8×10−5S/cmであった。
熱処理後の硫化物固体電解質のXRDパターンを図14に示す。残留したLiSやLiBr由来のピークは存在するが、他に明確な結晶構造は確認できなかった。なお、熱処理をすることにより、新たなピークが出現したり、特定のピーク強度が高まるなどの変化が起こり得るが、LiBrの偏析によるものだと推察できる。
31P−NMRスペクトルを図15に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は74.7mol%、PS 3−構造のリン比率は25.3mol%であった。多くをP 4−構造が占めていることが分かった。
実施例5
原料のmol比(LiS:P:P:LiBr)が56.0:18.7:8.3:17.0、となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム 0.3085g、五硫化二リン0.4910g、赤リン0.0304g、臭化リチウム0.1751gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を製造し、評価した。
実施例5で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果を図16に示す。また、XRDパターンを図17に示す。DSC測定では、明確な結晶化温度は観測されなかったが、229℃付近に微小なピークが観察された。
実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を熱処理した。熱処理温度は250℃とした。熱処理後の硫化物固体電解質のイオン伝導度は1.7×10−4S/cmであった。
熱処理後の硫化物固体電解質のXRDパターンを図18に示す。残留したLiSやLiBr由来のピークは存在するが、他に明確な結晶構造は確認できなかった。なお、熱処理をすることにより、新たなピークが出現したり、特定のピーク強度が高まるなどの変化が起こり得るが、LiBrの偏析によるものだと推察できる。
31P−NMRスペクトルを図19に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は60.3mol%、PS 3−構造のリン比率は39.7mol%であった。多くをP 4−構造が占めていることが分かった。
実施例6
原料のmol比(LiS:P:P:LiBr)が50.5:16.8:16.8:15.9、となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.2955g、五硫化二リン0.4703g、赤リン0.0655g、臭化リチウム0.1735gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を製造し、評価した。
実施例6で得た硫化物固体電解質のDSC測定結果を図20に示す。また、XRDパターンを図21に示す。DSC測定では、明確な結晶化温度は観測されなかった。
実施例1と同様にして、硫化物固体電解質を熱処理した。熱処理温度は250℃とした。熱処理後の硫化物固体電解質のイオン伝導度は8.1×10−5S/cmであった。
熱処理後の硫化物固体電解質のXRDパターンを図22に示す。残留したLiSやLiBr由来のピークは存在するが、他に明確な結晶構造は確認できなかった。なお、熱処理をすることにより、新たなピークが出現したり、特定のピーク強度が高まるなどの変化が起こり得るが、LiBrの偏析によるものだと推察できる。
31P−NMRスペクトルを図23に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は83.3mol%、PS 3−構造のリン比率は16.7mol%であった。多くをP 4−構造が占めていることが分かった。
比較例1
硫化リチウム、五硫化二リン、臭化リチウムのmol比(LiS:P:LiBr)が47.8:31.9::20.4となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.2016g、五硫化二リン0.6418g、臭化リチウム0.1602gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物ガラスを製造し、評価した。
比較例1で得た硫化物ガラスのDSC測定結果を図24に示す。また、XRDパターンを図25に示す。DSC測定から硫化物ガラスの結晶化温度は249℃であった。
実施例1と同様にして、硫化物ガラスを熱処理した。熱処理温度は260℃とした。熱処理後の硫化物のイオン伝導度は測定不能であった。
熱処理後のXRDパターンを図26に示す。2θ=16.5、26.7、32.0、51.2degの位置にLi結晶構造に由来するピークがあった。また、LiBrに由来するピークがあった。
図25及び図26から、比較例1の硫化物ガラスは熱処理により結晶化することが確認できる。これは、本願実施例1等の結果とは異なっている。
31P−NMRスペクトルを図27に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は94.9mol%、PS 3−構造のリン比率は2.7mol%、P2 構造のリン比率は2.0mol%、帰属不明な成分のリン比率は0.4mol%であった。多くをP 4−構造が占めていることが分かった。
比較例2
原料のmol比(LiS:P:P:LiBr)が41.5:17.8:25.4:15.3、となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.2426g、五硫化二リン0.4965g、赤リン0.0987g、臭化リチウム0.1662gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物ガラスを製造し、評価した。
比較例2で得た硫化物ガラスのDSC測定結果を図28に示す。また、XRDパターンを図29に示す。DSC測定では、明確な結晶化温度は観測されなかった。
実施例1と同様にして、硫化物ガラスを熱処理した。熱処理温度は300℃とした。熱処理後の硫化物のイオン伝導度は3.6×10−6S/cmであった。
熱処理後の硫化物ガラスのXRDパターンを図30に示す。2θ=16.7、26.9、32.2、40.1、51.1、51.8degの位置にLi結晶構造に由来するピークがあった。また、LiBrに由来するピークがあった。
図29及び図30から、比較例2の硫化物ガラスでは、XRDパターンが、熱処理前後であまり変化していないことが確認できる。すなわち、熱処理前の段階で、Li結晶構造に由来するピークが観測されていることが分かる。
31P−NMRスペクトルを図31に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は100mol%であった。
比較例3
原料のmol比(LiS:P:P:LiBr)が30.6:13.1:43.7:12.6、となるように、各原料を混合した。具体的には、硫化リチウム0.2106g、五硫化二リン0.4310g、赤リン0.2000g、臭化リチウム0.1620gを混合し、原料混合物とした他は実施例1と同様にして、硫化物ガラスを製造し、評価した。
比較例3で得た硫化物ガラスのDSC測定結果を図32に示す。また、XRDパターンを図33に示す。DSC測定では、明確な結晶化温度は観測されなかった。
実施例1と同様にして、硫化物ガラスを熱処理した。熱処理温度は250℃とした。熱処理後の硫化物のイオン伝導度は2.0×10−6S/cmであった。
熱処理後の硫化物ガラスのXRDパターンを図34に示す。2θ=16.6、26.8、32.2、40.1、51.1、51.8degの位置にLi結晶構造に由来するピークがあった。また、LiBrに由来するピークがあった。
図33及び図34から、比較例3の硫化物ガラスでは、XRDパターンが、熱処理前後であまり変化していないことが確認できる。すなわち、熱処理前の段階で、Li結晶構造に由来するピークが観測されていることが分かる。
31P−NMRスペクトルを図35に示す。NMR測定の結果、P 4−構造のリン比率は100mol%であった。
本発明の硫化物固体電解質は、リチウムイオン電池の構成材料、例えば、正極、負極、電解質層等に使用できる。
本発明のリチウムイオン電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に使用できる。

Claims (8)

  1. リチウム、リン硫黄及びハロゲンを含む硫化物固体電解質であって、
    前記リンの50mol%以上90mol%以下がP 4−構造に含まれ
    前記リチウム、リン及び硫黄の合計に対するリチウムの元素比(M Li )、リンの元素比(M )及び硫黄の元素比(M )が下記式(1)〜(3)を満たし、
    前記ハロゲンの元素比[(M =X/(Li+P+S+X)):Xはハロゲンである。]が0.001〜0.400である、硫化物固体電解質。
    0.350≦M Li ≦0.600・・・(1)
    0.050≦M ≦0.200・・・ (2)
    0.300≦M ≦0.500・・・ (3)
    (式中、MLiはリチウムの元素比、Mはリンの元素比、Mは硫黄の元素比を表す。)
  2. X線回折測定において、Li結晶構造由来のピークが観測されない、請求項に記載の硫化物固体電解質。
  3. X線回折測定において、P 4−を基本単位とする結晶構造由来のピークが観測されない、請求項1又は2に記載の硫化物固体電解質。
  4. X線回折測定において、P a−(xは1〜3の整数であり、yは3〜11の整数であり、x<yである。aは3〜7の整数である。)を基本単位とする結晶構造由来のピークが観測されない、請求項1〜のいずれかに記載の硫化物固体電解質。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の硫化物固体電解質と、活物質を含む電極合材。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の硫化物固体電解質及び請求項5に記載の電極合材のうち少なくとも1つを含むリチウムイオン電池。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の硫化物固体電解質により製造された電極合材。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の硫化物固体電解質、請求項に記載の電極合材及び請求項に記載の電極合材のうち少なくとも1つにより製造されたリチウムイオン電池。
JP2016072371A 2016-03-31 2016-03-31 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池 Active JP6712165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016072371A JP6712165B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016072371A JP6712165B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017183210A JP2017183210A (ja) 2017-10-05
JP6712165B2 true JP6712165B2 (ja) 2020-06-17

Family

ID=60006240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016072371A Active JP6712165B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6712165B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112424886B (zh) 2018-07-17 2023-02-28 出光兴产株式会社 固体电解质的制造方法
JP7143834B2 (ja) * 2019-11-14 2022-09-29 トヨタ自動車株式会社 電極の製造方法、電極、および全固体電池
FR3129250A1 (fr) * 2021-11-18 2023-05-19 Saft Electrolytes ceramiques de type sulfure
CN114122508B (zh) * 2021-11-26 2024-02-23 湖州昆仑先端固态电池科技有限公司 一种硫化物固体电解质及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017183210A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102505389B1 (ko) 황화물 고체 전해질
KR102071846B1 (ko) 정극 합재
JP6633538B2 (ja) 硫化物ガラス及び結晶性固体電解質の製造方法、結晶性固体電解質、硫化物ガラス及び固体電池
JP6139864B2 (ja) 固体電解質成形体及びその製造方法、並びに全固体電池
JP2017199631A (ja) 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池
JP6317612B2 (ja) 活物質複合体の製造方法
JP6599865B2 (ja) 固体電解質組成物、その製造方法、固体電解質含有層の製造方法、電解質層及び電池
JP2017117635A (ja) 硫化物固体電解質、硫化物ガラス、電極合材及びリチウムイオン電池
WO2014073197A1 (ja) 固体電解質
JP2016134316A (ja) 固体電解質
JP2016094341A (ja) 硫化リチウムの製造方法
KR20140096072A (ko) 전극 재료 및 그것을 사용한 리튬 이온 전지
WO2013080553A1 (ja) 固体電解質
JP2017045613A (ja) 硫化物固体電解質及びその製造方法
WO2014030298A1 (ja) 全固体リチウムイオン電池及び正極合材
JP6712165B2 (ja) 硫化物固体電解質、電極合材及びリチウムイオン電池
JP5864993B2 (ja) 複合電極材料及びその製造方法、並びに該複合電極材料を用いたリチウム電池
JP2013254620A (ja) 正極合材スラリー及び電極シート
JP2012190772A (ja) 全固体リチウムイオン電池及び正極合材
JP2014086222A (ja) 二次電池の製造方法
JP2013222530A (ja) 全固体電池及び全固体電池の充放電方法
JP6088797B2 (ja) 固体電解質
JP6204671B2 (ja) 全固体電池
JP2013080669A (ja) リチウムイオン電池
JP6719202B2 (ja) 硫化物固体電解質、硫化物ガラス、電極合材及びリチウムイオン電池

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20181130

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6712165

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150