JP6708226B2 - 包装箱 - Google Patents

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本発明は、多角筒状の胴部を有する包装箱に関する。
包装箱としては、八角形の胴部と、胴部の上下の開口部を閉塞している上下の蓋部と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。このような包装箱の胴部は、前後一対の端壁と、左右一対の側壁と、隣り合う端壁と側壁との間に形成された四つの傾斜壁と、を備えている。
前記したような八角形の包装箱では、端壁および側壁の外面に加えて各傾斜壁の外面にも商品情報を印刷することができるため、顧客が多方向から商品情報を視認することができる。また、胴部を八角形とすることで、材料面積を減少させても圧縮強度を維持することができる。
特許第5021689号公報
前記した従来の包装箱を手作業で組み立てる場合には、胴部の内面が支持されていないため、胴部の内部が空の状態では胴部を正確に八角形に形成して、その形状を維持するのが難しいという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、胴部が空の状態でも胴部を設計時に意図した通りの多角筒状に形成して、その形状を維持することができる包装箱を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、包装箱であって、多角筒状に形成された胴部と、前記胴部の下側の開口部を閉塞している底部と、前記胴部の上側の開口部を閉塞している頂部と、を備えている。前記胴部は、前後一対の端壁と、左右一対の側壁と、少なくとも一つの傾斜壁と、を有している。前記傾斜壁は、隣り合う前記端壁と前記側壁との間に形成されている。前記頂部は、前記両端壁の上縁部に連設された前後一対の頂板と、前記両頂板に連設され、手掛け穴が形成された前後一対の取っ手板と、前記両側壁の上縁部に連設された左右一対の連結フラップと、を備えている。前記両取っ手板は、前記両頂板から立ち上がった状態で前後に重ねられ、前記連結フラップに形成された差込穴に前記両取っ手板の側部が差し込まれている。前記底部は、前記両側壁の下縁部に連設された左右一対の内フラップと、前記端壁の下縁部に連設され、前記両内フラップの下面に重ねられた底板と、を備えている。前記両内フラップの先端部同士が組み合わせまたは接着により連結されている。
本発明の包装箱を組み立てるときには、胴部を筒状に形成した後に、両内フラップの先端部同士を連結する。このようにすると、両側壁の位置が定まるため、胴部が空の状態でも胴部を設計時に意図した通りの多角筒状に形成して、その形状を維持することができる。また、頂部に取っ手を設けることで、多角筒状の包装箱を持ち運び易くなっている。また、本発明の包装箱では、底部を組み立てると、胴部の形状が安定するため、頂部の取っ手を組み立て易い。
前記した包装箱において、前記内フラップの前後方向の幅を、前記側壁の前後方向の幅と同じにして、前記両内フラップの縁部に凹部を形成し、一方の前記内フラップの前縁部に形成された前記凹部を、他方の前記内フラップの後縁部に形成された前記凹部に組み合わせることが好ましい。このようにすると、内フラップ同士を簡単かつ確実に固定することができる。
前記した包装箱において、一方の前記取っ手板の上縁部に突出片を連設し、前記突出片を他方の前記取っ手板の上縁部に重ねることが好ましい。
この構成では、取っ手板の上縁部が突出片に覆われているため、両取っ手板を握ったときに、掌に取っ手板の上縁部が直接当たるのを防ぐことができる。
本発明の包装箱では、両内フラップを連結することで、胴部の両側壁の位置が定まるため、胴部が空の状態でも胴部を設計時に意図した通りの多角形に形成して、その形状を維持することができる。
本発明の実施形態に係る包装箱を前方右上から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。 本発明の実施形態に係る包装箱を示した図で、図1のIV−IV断面図である。 本発明の実施形態に係る包装箱を示した図で、図1のV−V断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、包装箱の構成を限定するものではない。
本実施形態の包装箱1は、図1に示すように、八角形の多角筒状に形成された胴部10と、胴部10の下側の開口部を閉塞している底部20と、胴部10の上側の開口部を閉塞している頂部30と、を備えている。
包装箱1は、図2に示すように、一枚の段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートSを各罫線において山折りまたは谷折りすることで形成される。図2に示すブランクシートSは外面側が見えるように配置されている。
ブランクシートSの各罫線(折線)は、ブランクシートSの表面を押し込んで形成された線状の溝(押罫)である。
なお、罫線に切れ込みを形成してもよい。このようにすると、罫線においてブランクシートSを折り曲げ易くなる。
胴部10は、図1に示すように、前後一対の端壁11,12と、左右一対の側壁13,14と、隣り合う端壁11,12と側壁13,14との間に形成された四つの傾斜壁16(図4参照)と、を備えている。胴部10の上面および下面には、平面視で八角形の開口部が形成されている。
前後の端壁11,12および左右の側壁13,14は、四角形に形成されている。本実施形態では、側壁13,14の前後方向の幅が、端壁11,12の左右方向の幅よりも短く形成されている。
傾斜壁16は、端壁11,12の側縁部および側壁13,14の側縁部に罫線を介して連設されており、細長い長方形に形成されている。各傾斜壁16は、端壁11,12および側壁13,14に対して傾斜している。
本実施形態では、図2に示すように、右前の傾斜壁16の右縁部に接合片15が連設されている。接合片15は、図4に示すように、右側の側壁14の内面に接合されている。
ブランクシートS(図2参照)を各罫線で折り曲げつつ、接合片15を右側の側壁14の内面に接合すると、前側の端壁11、後側の端壁12、左側の側壁13、右側の側壁14および四つの傾斜壁16によって、平面視で八角形の筒状の胴部10が形成される。
また、図2に示すように、前側の端壁11の下端部の左右方向の中央部には、第二ロック片26bが形成されている。第二ロック片26bは、上縁部が罫線を介して前側の端壁11に連設され、先端部は、前側の端壁11の下縁部から突出している。
底部20は、図1および図3に示すように、両側壁13,14の下縁部に連設された左右一対の内フラップ21,22と、両端壁11,12の下縁部に連設された前後の底板23,24と、を備えている。
左側の内フラップ21は、左側の側壁13の下縁部に罫線を介して連設されている。左側の内フラップ21は、左側の側壁13の下縁部から右方に向けて垂直に延びており、長方形に形成されている(図2参照)。
左側の内フラップ21の左右方向の長さは、両側壁13,14の左右方向の間隔の半分よりも長く形成されている。
右側の内フラップ22は、右側の側壁14の下縁部に罫線を介して連設されている。右側の内フラップ22は、右側の側壁14の下縁部から左方に向けて垂直に延びており、長方形に形成されている(図2参照)。
右側の内フラップ22の左右方向の長さは、左側の内フラップ21と同じ長さであり、両側壁13,14の左右方向の間隔の半分よりも長く形成されている。
左右の内フラップ21,22の先端部同士は、胴部10の下側の開口部の中央部において上下に重ねられている。
図4に示すように、左側の内フラップ21の先端部には、前縁部から後方に向けて延びているスリット状の凹部21aが形成されている(図2参照)。
また、右側の内フラップ22の先端部には、後縁部から前方に向けて延びているスリット状の凹部22aが形成されている(図2参照)。
左右の内フラップ21,22の凹部21a,22a同士は組み合わされている。具体的には、左側の内フラップ21の凹部21aに右側の内フラップ22が差し込まれ、右側の内フラップ22の凹部22aに左側の内フラップ21が差し込まれている。これにより、両内フラップ21,22の先端部同士が連結されている。
前側の底板23は、図1に示すように、前側の端壁11の下端部に罫線を介して連設されている。前側の底板23は、図4に示すように、胴部10の下側の開口部と同じ形状の八角形に形成されている。
前側の底板23の先端縁部(後縁部)には、図2に示すように、帯状の重ね合せ片23aが連設されている。また、前側の底板23の基端縁部(前縁部)の中央部には、スリット状の第一ロック穴25aが開口している。
後側の底板24は、後側の端壁12の下端部に罫線を介して連設されている。後側の底板24は、胴部10(図4参照)の下側の開口部と同じ形状の八角形に形成されている。
後側の底板24の先端縁部(前縁部)には、帯状の第一ロック片26aが連設されている。第一ロック片26aの基端縁部の中央部には、スリット状の第二ロック穴25bが開口している。
図3に示すように、前側の底板23は、前側の端壁11に対して後方に向けて垂直に折り曲げられており、胴部10の下側の開口部を閉塞している。前側の底板23の重ね合せ片23aは、後側の端壁12の内面に重ねられている。
後側の底板24は、後側の端壁12に対して前方に向けて垂直に折り曲げられており、前側の底板23の下面に重ねられている。
後側の底板24の第一ロック片26aは、前側の底板23の第一ロック穴25aに差し込まれている。また、第一ロック片26aの第二ロック穴25bには、前側の端壁11の第二ロック片26bが差し込まれている。このように、後側の底板24は、ダブルロック機構によって前側の端壁11の下縁部に連設されている。
頂部30は、図1に示すように、両端壁11,12に連設された前後一対の頂板31,31と、両頂板31,31に連設された前後一対の取っ手板32,32と、を備えている。また、頂部30は、両側壁13,14に連設された左右一対の連結フラップ33,33を備えている。
前側の頂板31は、前側の端壁11の上縁部に罫線を介して連設されている。前側の頂板31は、胴部10の上側の開口部の前半分と同じ形状に形成されている。前側の頂板31は、前側の端壁11に対して後方に向けて垂直に折り曲げられており、胴部10の上側の開口部の前半分を閉塞している。
後側の頂板31は、後側の端壁12の上縁部に罫線を介して連設されている。後側の頂板31は、胴部10の上側の開口部の後半分と同じ形状に形成されている。後側の頂板31は、後側の端壁12に対して前方に向けて垂直に折り曲げられており、胴部10の上側の開口部の後半分を閉塞している。
前側の頂板31の後縁部には、前側の取っ手板32が罫線を介して連設され、後側の頂板31の前縁部には、後側の取っ手板32が罫線を介して連設されている。取っ手板32は、頂板31に対して垂直に立ち上げられている(図3参照)。取っ手板32の下部の中央部には、手掛け穴34が形成されている。
前後の取っ手板32,32は、図3に示すように、前後に重ねられており、前後の手掛け穴34,34が連通している。
頂部30の両取っ手板32,32は、包装箱1を持ち運ぶときに、両手掛け穴34,34に指を通して把持するための取っ手である。
後側の取っ手板32の上縁部の中央部には、突出片32aが罫線を介して連設されている(図2参照)。突出片32aは、後側の取っ手板32に対して前方に折り曲げられており、前側の取っ手板32の上縁部に重ねられている。
取っ手板32の左右の側部には、図1に示すように、上方に向けて突出した係合部32b,32bが形成されている。
連結フラップ33は、側壁13,14の上縁部に罫線を介して連設されている。連結フラップ33は、側壁13,14の上縁部から上方に向けて延びている。連結フラップ33の前後方向の中央部には、上下方向に延びているスリット状の差込穴33aが形成されている。
連結フラップ33を側壁13,14に対して内側に向けて傾斜させて、前後の係合部32b,32bを差込穴33aに差し込むことで、前後の取っ手板32,32が前後に重ねられた状態に固定されている。
これにより、前後の頂板31,31が閉じられた状態に固定されており、両頂板31,31によって胴部10の上側の開口部が閉塞されている。
以上のような包装箱1を組み立てるときには、図4に示すように、胴部10を筒状に形成した後に、左右の内フラップ21,22の凹部21a,22a同士を組み合わせる。このようにして、両内フラップ21,22の先端部同士を簡単かつ確実に連結すると、胴部10の左右の側壁13,14の位置が定まり、胴部10が正確に八角形の多角筒状に形成される。
このように、本実施形態の包装箱1では、胴部10が空の状態でも胴部10を設計時に意図した通りの多角筒状に形成して、その形状を維持することができるため、手作業でも簡単かつ精度良く組み立てることできる。
本実施形態の包装箱1では、図1に示すように、前後の端壁11,12の外面および左右の側壁13,14の外面に加えて、各傾斜壁16の外面にも商品情報を印刷することができる。これにより、包装箱1を売り場に並べたときに、顧客は前後左右および斜めの方向から商品情報を明確に視認することができる。したがって、本実施形態の包装箱1では内部に収容した商品を有効にアピールすることができる。
本実施形態の包装箱1では、頂部30に取っ手を設けることで、多角筒状の包装箱1を持ち運び易くなっている。また、本実施形態の包装箱1では、底部20を組み立てると、胴部10の形状が安定するため、頂部30の取っ手を組み立て易くなっている。
さらに、本実施形態の包装箱1では、取っ手板32の上縁部が突出片32aに覆われている。これにより、両取っ手板32,32を握ったときに、掌に取っ手板32の上縁部が直接当たるのを防ぐことができるため、頂部30の取っ手を持ち易くなっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、本実施形態の包装箱1では、図4に示すように、左右の内フラップ21,22の凹部21a,22a同士を組み合わせているが、両内フラップ21,22の先端部同士を接着剤や粘着テープによって連結してもよい。
本実施形態の包装箱1では、図1に示すように、頂部30に取っ手が設けられているが、頂部30を平坦に形成してもよい。つまり、前後の端壁11,12の上縁部に連設された八角形の頂板によって胴部10の上側の開口部を閉塞するように構成してもよい。
本実施形態の包装箱1の底部20は、図3に示すように、二枚の底板23,24が上下に重ねられているが、一枚の底板によって胴部10の下側の開口部を閉塞するように構成してもよい。
包装箱1の端壁11,12、側壁13,14および傾斜壁16の幅や高さは限定されるものではない。また、傾斜壁16の数も限定されるものではない。また、端壁11,12および側壁13,14に対する傾斜壁16の傾斜角度も限定されるものではない。
例えば、包装箱1の両端壁11,12、両側壁13,14および各傾斜壁16を同じ幅に形成して、胴部10を正八角形に形成してもよい。
本実施形態の包装箱1は段ボール製であるが、各種公知の板紙によって包装箱1を形成することもできる。
1 包装箱
10 胴部
11 前側の端壁
12 後側の端壁
13 左側の側壁
14 右側の側壁
15 接合片
16 傾斜壁
20 底部
21 左側の内フラップ
21a 凹部
22 右側の内フラップ
22a 凹部
23 前側の底板
24 後側の底板
25a 第一ロック穴
25b 第二ロック穴
26a 第一ロック片
26b 第二ロック片
30 頂部
31 頂板
32 取っ手板
32a 突出片
32b 係合部
33 連結フラップ
33a 差込穴
34 手掛け穴
S ブランクシート

Claims (3)

  1. 多角筒状に形成された胴部と、
    前記胴部の下側の開口部を閉塞している底部と、
    前記胴部の上側の開口部を閉塞している頂部と、を備え、
    前記胴部は、前後一対の端壁と、左右一対の側壁と、少なくとも一つの傾斜壁と、を有し、
    前記傾斜壁は、隣り合う前記端壁と前記側壁との間に形成されており、
    前記頂部は、
    前記両端壁の上縁部に連設された前後一対の頂板と、
    前記両頂板に連設され、手掛け穴が形成された前後一対の取っ手板と、
    前記両側壁の上縁部に連設された左右一対の連結フラップと、を備え、
    前記両取っ手板は、前記両頂板から立ち上がった状態で前後に重ねられ、
    前記連結フラップに形成された差込穴に前記両取っ手板の側部が差し込まれており、
    前記底部は、
    前記両側壁の下縁部に連設された左右一対の内フラップと、
    前記端壁の下縁部に連設され、前記両内フラップの下面に重ねられた底板と、を備え、
    前記両内フラップの先端部同士が組み合わせまたは接着により連結されていることを特徴とする包装箱。
  2. 請求項1に記載の包装箱であって、
    前記内フラップの前後方向の幅は、前記側壁の前後方向の幅と同じであり、
    前記両内フラップの縁部には、凹部が形成されており、
    一方の前記内フラップの前縁部に形成された前記凹部と、
    他方の前記内フラップの後縁部に形成された前記凹部と、が組み合わされていることを特徴とする包装箱。
  3. 請求項2に記載の包装箱であって、
    一方の前記取っ手板の上縁部に突出片が連設されており、
    前記突出片は、他方の前記取っ手板の上縁部に重ねられていることを特徴とする包装箱。
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