JP6705985B2 - エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを含有してなる医療用塩化ビニル系樹脂組成物及び医療用材料 - Google Patents
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Description
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。)
本発明の医療用塩化ビニル系樹脂用組成物は、下記一般式(1)で示されるエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを、当該樹脂組成物における可塑化成分(可塑剤)又は安定化成分(安定剤)として含有することを最大の特徴としている。
なお、式中、R1及びR2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表し、かつ、式中R1及びR2で示されるアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が50〜99%、好ましくは55〜98%、より好ましくは55〜95%、更に好ましくは60〜95%、特に好ましくは70〜95%である。
上記のエステル化反応又はエステル交換反応に用いられる飽和脂肪族アルコールは、炭素数7〜13の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールであり、好ましく炭素数8〜12、より好ましくは9〜11の直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコールであり、特に好ましくは、(i)炭素数9の飽和脂肪族アルコールを90%以上(重量比)、より好ましくは95%以上含む直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族アルコール、又は(ii)主として炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールからなり、炭素数9の飽和脂肪族アルコール/炭素数10の飽和脂肪族アルコール/炭素数11の飽和脂肪族アルコールの比率(重量比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である飽和脂肪族アルコールである。なお、上記「主として」とは、飽和脂肪族アルコール全体に占める炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールの比率(重量比)が90%以上、好ましくは95%以上を意味する。当該飽和脂肪族アルコールは、前記一般式(1)で示されるエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステルを構成するアルキル基となる原料アルコールであり、即ち前記説明は該アルキル基の説明と同義となる。
本発明に係るエステル化反応とは、本エポキシ化合物を得るための中間原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステルを製造するための、上記アルコールと4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその無水物とのエステル化反応を意味し、そのエステル化反応を行うに際し、該アルコールは、例えば、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその無水物1モルに対して、好ましくは2.00モル〜5.00モル、より好ましくは2.01モル〜3.00モル、特に2.02モル〜2.50モルを使用することが推奨される。
本発明に係るエポキシ化反応とは、本エポキシ化合物を得るための中間原料である4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル中の不飽和結合のエポキシ化反応を意味し、通常、「有機合成化学、第23巻第7号、612〜619頁(1985)」等に記載されているよく知られたエポキシ化反応を用いて、容易に行うことができ、例えば、(i)エポキシ化剤に過酢酸や過蟻酸の様な有機過酸を用いる方法や(ii)エポキシ化剤に過酸化水素を用いる方法などが挙げられる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上述した本エポキシ化合物を、塩化ビニル系樹脂に配合することにより得られる。
本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンの単独重合体及び塩化ビニルあるいは塩化ビニリデンの共重合体であり、その製造方法は、従来公知の重合方法で行われ、汎用塩化ビニル樹脂の場合、油溶性重合触媒の存在下に懸濁重合する方法が挙げられ、また、塩化ビニルペースト樹脂では水性媒体中で水溶性重合触媒の存在下に乳化重合する方法が挙げられる。これらの塩化ビニル系樹脂の重合度は、通常300〜5000であり、好ましくは400〜3500、さらに好ましくは700〜3000である。この重合度が低すぎると耐熱性等が低下し、高すぎると成形加工性が低下する傾向がある。
本発明の医療用塩化ビニル系樹脂組成物における本エポキシ化合物の含有量としては、その用途に応じて適宜選択されるが、通常、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、5〜200重量部であり、好ましくは5〜100重量部である。また前記含有量の範囲であっても本発明の医療用塩化ビニル系樹脂組成物の使用方法(用途)によって、例えば、軟質材料として使用する場合には、好ましくは30〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部、特に好ましくは40〜100重量部の範囲であることが推奨され、半硬質材料として使用する場合には、好ましくは5重量部以上、30重量未満、より好ましくは5重量部以上、20重量部未満の範囲であることが推奨される。5重量部未満では機械的特性や滅菌や殺菌時の劣化防止効果が不十分である場合があり、200重量部を越えて配合した場合には、成形品表面へのブリードが激しく、いずれの場合も好ましくない場合がある。なお、上記の塩化ビニル系樹脂組成物に対して充填剤などを添加する場合は、充填剤自身が吸油するために上記の範囲を超えて本エポキシ化合物を配合することも可能であり、例えば、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、充填剤として炭酸カルシウムを100重量部配合した場合には、当該可塑剤を5〜500重量部程度配合することもできる。
本発明に係る医療用塩化ビニル系樹脂組成物は、真空成形、圧縮成形、押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形、ブロー成形、粉体成形、スプレッドコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、紙キャスティング、押出コーティング、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、スラッシュ成形、回転成形、注型、ディップ成形、溶着等の従来公知の方法を用いて成形加工することにより、所望の形状の成形体である医療用材料に成形することができる。
本発明の実施例及び比較例で用いる可塑剤中のアルキル基の炭素数と直鎖状アルキル基の比率は、その製造に用いた原料アルコール中の組成をガスクロマトグラフィー(以下GCと略記)によって測定し、その結果を可塑剤中のアルキル基の炭素数と直鎖状アルキル基の比率とした。前記GCによる原料アルコールの測定方法は次のとおりである。
《GCの測定条件》
機種:ガスクロマトグラフ GC−17A(島津製作所製)
検出器:FID
カラム:キャピラリーカラム ZB−1 30m
カラム温度:60℃から290℃まで昇温。昇温速度=13℃/分
キャリアガス:ヘリウム
試料:50%アセトン溶液
注入量:1μl
定量:安息香酸n−プロピルを内部標準物質として用い定量した。
前記内部標準物質の選定に当たっては、原料アルコールに安息香酸n−プロピルがGCで検出限界以下であったことを予め確認した。
なお、上述のエステル化反応において、本発明の範囲内では原料アルコールの構造による反応性に差異はなく、用いた原料アルコール中の組成比と本エステル並びに本エポキシ化合物中のアルキル基の組成比に差異がないことは、予め確認している。
下記の製造例で得られたエステル及びエポキシ化合物は次の方法で分析を行った。
エステル価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
酸価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
ヨウ素価:JIS K−0070(1992)に準拠して測定した。
オキシラン酸素:基準油脂分析試験法 2.3.7.1-2013「オキシラン酸素定量方法(その1)」に準拠して測定した。
色相:JIS K−0071(1998)に準拠して測定して、ハーゼン単位色数を求めた。
塩化ビニル樹脂(ストレート、重合度1050、商品名「Zest1000Z」、新第一塩ビ(株)製)2gに可塑剤10gを入れ混合したサンプル約0.01gをスライドガラス上に滴下し、カバーガラスをかけ、光学顕微鏡にセットした。5℃/minの速度で昇温し、加熱昇温による塩化ビニル樹脂の粒子の状態変化を観察し、塩化ビニル樹脂の粒子が溶け始める温度と該粒子が透明になった温度をそれぞれゲル化開始温度およびゲル化終了温度とし、その平均値をゲル化温度とした。ゲル化温度が低いほど可塑剤の吸収速度が速く加工性に優れる。
塩化ビニル樹脂(ストレート、重合度1050、商品名「Zest1000Z」、新第一塩ビ(株)製)100重量部に、安定剤として、カルシウムステアレート(ナカライテスク(株)製)及びジンクステアレート(ナカライテスク(株)製)を各々0.3及び0.2重量部を配合し、モルタルミキサーで攪拌混合して、塩化ビニル系樹脂組成物とした。また、モルタルミキサーでの攪拌混合後、本発明に係るエポキシ化合物を50重量部加え、均一になるまでハンドリング混合し、本発明の医療用塩化ビニル系樹脂組成物とした。この樹脂組成物を5×12インチの二本ロールを用いて160〜166℃で4分間溶融混練しロールシートを作製した。続いて162〜168℃×10分間プレス成形を行い、厚さ約1mmのプレスシートを作製した。
(5)引張特性:JIS K−6723(1995)に準拠し、プレスシートの100%モジュラス、破断強度、破断伸びを測定した。100%モジュラスの値が小さいほど柔軟性が良好であることを示し、破断強度、破断伸びはその材料の実用的な強度の目安であり、一般的にはその値が大きいほど実用的な強度に優れると言うことができる。
a)揮発減量:ギヤーオーブン中、ロールシートを170℃で60分、120分加熱した後のシートの重量変化を測定し、下記の式に従って揮発減量(%)を算出した。
揮発減量の数値が小さいほど、耐熱性が高い。
揮発減量(%)=((試験前の重量―試験後の重量)/試験前の重量)×100
b)シート着色 :ギヤーオーブン中、ロールシートを170℃で30分、60分間加熱した後の着色度の強弱を目視により5段階で評価した。
◎:着色なし、 ○:僅かに着色、 △:着色、 ×:強い着色、 ××:著しい着色
スガ試験機社製キセノンウェザーメーターを用いて、測定条件(放射照度120W/m2、温度63℃、湿度50%)を200時間実施した後のプレスシートのイエローインデックス(YI)を測定した。
エステル化反応
温度計、デカンター、攪拌羽、還流冷却管を備えた2L四ツ口フラスコに、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物182.6g(1.2モル,新日本理化(株)製:リカシッドTH)、炭素数9の直鎖状の飽和脂肪族アルコール重量85.1%と炭素数9の分岐鎖状の飽和族飽和アルコール重量11.7%を含む飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416g(2.9モル)、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.24gを加え、反応温度を200℃としてエステル化反応を実施した。減圧下アルコールを還流させて生成水を系外へ除去しながら、反応溶液の酸価が0.5mgKOH/gになるまで反応を行った。反応終了後、未反応アルコールを減圧下で系外へ留去した後、常法に従って中和、水洗、脱水して目的とする4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル(以下、「エステル1」という。)449gを得た。
得られたエステル1は、エステル価:262mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、色数:20であった。
次に、上温度計、攪拌羽、冷却管を備えた1L四ツ口フラスコに、上記エステル化反応で得られたエステル1を423g(1.0モル)仕込み、60〜70℃に昇温した。昇温後、60%過酸化水素水76.6g(1.35モル)、76%蟻酸18.3g(0.30モル)、及び75%燐酸1.47g(0.01モル)を2時間15分かけてゆっくりと滴下した。滴下終了後、更に4時間上記温度を保持し、熟成して反応を完了した。反応終了後、水相を系外へ除去した後、常法に従って、水洗、脱水して目的とする4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ1」という。)397gを得た。
得られたエポキシ1は、エステル価:256mgKOH/g、酸価:0.06mgKOH/g、ヨウ素価:1.7gI2/100g、オキシラン酸素:3.5%、色数:10であった。
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、炭素数9/10/11の比率が19/43/38であり、全体の直鎖率が84%である炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:ネオドール911、)464g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ2」という。)404gを得た。
得られたエポキシ2は、エステル価:242mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:1.7gI2/100g、オキシラン酸素:3.1%、色数:10であった。
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、n−ノニルアルコール251g(1.7モル)とイソノニルアルコール167g(1.2モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ3」という。)390gを得た。
得られたエポキシ3は、エステル価:250mgKOH/g、酸価:0.02mgKOH/g、ヨウ素価:1.9gI2/100g、オキシラン酸素:3.3%、色数:10であった。
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、2−エチルヘキサノール378g(2.9モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ4」という。)390gを得た。
得られたエポキシ4は、エステル価:273mgKOH/g、酸価:0.04mgKOH/g、ヨウ素価:2.6gI2/100g、オキシラン酸素:3.7%、色数:10であった。
飽和脂肪族アルコール(シェルケミカルズ社製:リネボール9)416gの代わりに、n−ノニルアルコール167g(1.2モル)とイソノニルアルコール251g(1.7モル)を加えた以外は製造例1と同様に実施して、4,5−エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(以下、「エポキシ5」という。)340gを得た。
得られたエポキシ5は、エステル価:257mgKOH/g、酸価:0.06mgKOH/g、ヨウ素価:2.5gI2/100g、オキシラン酸素:3.3%、色数:10であった。
上記「(3)成形加工性」に記載した方法に従って、製造例1で得られたエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル(エポキシ1)を用いて成形加工性(ゲル化温度)を測定した。得られた結果を表1に示した。
続いて、上記「(4)塩化ビニルシートの作製」に記載した通り、エポキシ1を可塑剤として用いて医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物(即ち、軟質材料に使用する為の医療用塩化ビニル系樹脂組成物)を調製し、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果を表1に示した。
エポキシ1の代わりにエポキシ2を用いた以外は実施例1と同様に実施して、成形加工性を測定し、続いて医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1の代わりにエポキシ3を用いた以外は実施例1と同様に実施して、成形加工性を測定し、続いて医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1の代わりにエポキシ4を用いた以外は実施例1と同様に実施して、成形加工性を測定し、続いて軟質塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1の代わりにエポキシ5を用いた以外は実施例1と同様に実施して、成形加工性を測定し、続いて軟質塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1の代わりに1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(BASF社製、hexamoll DINCH)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、成形加工性を測定し、続いて軟質塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1の代わりにフタル酸ジ2-エチルヘキシル(新日本理化(株)製、サンソサイザーDOP)を用いた以外は実施例1と同様に実施して、成形加工性を測定し、続いて軟質材料用の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた軟質材料用の塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
エポキシ1の代わりに市販のトリメリット酸トリ2?エチルヘキシルを用いた以外は実施例1と同様に実施して、成形加工性を測定し、続いて軟質材料用の塩化ビニル系樹脂組成物を調製し、得られた軟質材料用の塩化ビニル系樹脂組成物より塩化ビニルシートを作製して引張試験、耐寒性試験、耐熱性試験及び紫外線照射試験を行なった。得られた結果をまとめて表1に示した。
Claims (13)
- 塩化ビニル系樹脂及びエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル混合物を含有してなる医療用塩化ビニル系樹脂組成物であって、
前記エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル混合物が、下記一般式(1)で示される4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル混合物からなり、かつ該ジカルボン酸ジエステル混合物を構成するアルキル基の全量に対する直鎖状のアルキル基の比率(モル比)が55〜95%であることを特徴とする医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記アルキル基が、炭素数9〜11のアルキル基から構成され、炭素数9のアルキル基/炭素数10のアルキル基/炭素数11のアルキル基の比率(モル比)が10〜25/35〜50/30〜45の範囲である請求項1に記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記アルキル基が、90%以上の炭素数9のアルキル基を含む請求項1に記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル混合物が、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル混合物のエポキシ化物である請求項1〜3の何れかに記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエステル混合物が、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸又はその酸無水物と炭素数9〜11の飽和脂肪族アルコールとのエステル化された混合物であり、かつ該飽和脂肪族アルコールの直鎖率が、55〜95%である請求項4に記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- エポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル混合物の配合量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、5〜200重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 医療用塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対するエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル混合物の配合量を30〜150重量部とする、医療用軟質塩化ビニル系樹脂組成物である、請求項1〜5の何れかに記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 医療用塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対するエポキシシクロヘキサンジカルボン酸ジエステル混合物の配合量を5重量部以上30重量部未満とする、医療用半硬質塩化ビニル系樹脂組成物である、請求項1〜5の何れかに記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 更に脂肪酸カルシウム塩及び/又は脂肪酸亜鉛塩を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記脂肪酸カルシウム塩及び/又は脂肪酸亜鉛塩の配合量(何れか一方を使用するときはその配合量又は両者を使用するときはその合計量)の配合量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部である請求項9に記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 更にシラン化合物を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記シラン化合物の配合量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部である請求項11に記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の医療用塩化ビニル系樹脂組成物からなる医療用材料。
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