JP6705444B2 - 剥離層 - Google Patents

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Description

本発明は、剥離層形成用組成物及び剥離層に関する。
近年、電子デバイスには曲げるという機能付与や薄型化及び軽量化といった性能が求められている。このことから、従来の重く脆弱で曲げることができないガラス基板に代わって、軽量なフレキシブルプラスチック基板を用いることが求められる。また、新世代ディスプレイでは、軽量なフレキシブルプラスチック基板を用いる、アクティブフルカラー(active full-color)TFTディスプレイパネルの開発が求められている。
そこで、樹脂フィルムを基板とした電子デバイスの製造方法が各種検討され始めており、新世代ディスプレイでは、既存のTFT設備を転用可能なプロセスで製造検討が進められている。特許文献1、2及び3は、ガラス基板上にアモルファスシリコン薄膜層を形成し、その薄膜層上にプラスチック基板を形成した後に、ガラス面側からレーザーを照射して、アモルファスシリコンの結晶化に伴い発生する水素ガスによりプラスチック基板をガラス基板から剥離する方法を開示する。
また、特許文献4は、特許文献1〜3開示の技術を用いて被剥離層(特許文献4において「被転写層」と記載される)をプラスチックフィルムに貼りつけて液晶表示装置を完成させる方法を開示する。
しかし、特許文献1〜4開示の方法、特に特許文献4開示の方法は、透光性の高い基板を使用することが必須であり、基板を通過させ、更に非晶質シリコンに含まれる水素を放出させるのに十分なエネルギーを与えるため、比較的大きなエネルギーのレーザー光の照射が必要とされ、被剥離層に損傷を与えてしまうという問題がある。また、レーザー処理に長時間を要し、大面積を有する被剥離層を剥離するのは困難であるため、デバイス作製の生産性を挙げることは難しい、という問題もある。
特開平10−125929号公報 特開平10−125931号公報 国際公開第2005/050754号 特開平10−125930号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フレキシブル電子デバイスの樹脂基板に損傷を与えることなく剥離することができる剥離層を形成するための剥離層形成用組成物及び当該剥離層を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリアミック酸と、有機シラン化合物と、有機溶媒とを含む組成物から、基体との優れた密着性及びフレキシブル電子デバイスに用いられる樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性を有する剥離層を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1. ポリアミック酸と、有機シラン化合物と、有機溶媒とを含む剥離層形成用組成物、
2. 前記有機シラン化合物が、反応性官能基を含むアルコキシシラン化合物であることを特徴とする1の剥離層形成用組成物、
3. 前記ポリアミック酸が、芳香族ジアミンを含むジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物とを反応させて得られたポリアミック酸であることを特徴とする1又は2の剥離層形成用組成物、
4. 前記芳香族ジアミンが、ベンゼン核を1〜5つ含む芳香族ジアミンであることを特徴とする3の剥離層形成用組成物、
5. 前記芳香族テトラカルボン酸二無水物が、ベンゼン核を1〜5つ含む芳香族テトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする3又は4の剥離層形成用組成物、
6. 前記ジアミン成分が、更に式(S)で表されるジアミンを含む3〜5のいずれかの剥離層形成用組成物、
Figure 0006705444
(式(S)中、各Lは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルカンジイル基、炭素数2〜20のアルケンジイル基又は炭素数2〜20のアルキンジイル基を表し、各R’は、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基又は炭素数2〜20のアルキニル基を表す。)
7. 1〜6のいずれかの剥離層形成用組成物を用いて形成される剥離層、
8. 7の剥離層を用いることを特徴とする、樹脂基板を備えるフレキシブル電子デバイスの製造方法、
9. 前記樹脂基板が、ポリイミドからなる基板であることを特徴とする8の製造方法
を提供する。
本発明の剥離層形成用組成物を用いることで、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性を有する剥離層を再現性よく得ることができる。それ故、本発明の剥離層形成用組成物を用いることで、フレキシブル電子デバイスの製造プロセスにおいて、基体上に形成された樹脂基板や、更にその上に設けられる回路等に損傷を与えることなく、当該回路等とともに当該樹脂基板を、当該基体から分離することが可能となる。したがって、本発明の剥離層形成用組成物は、樹脂基板を備えるフレキシブル電子デバイスの製造プロセスの簡便化やその歩留り向上等に寄与し得る。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明の剥離層形成用組成物は、ポリアミック酸と、有機シラン化合物と、有機溶媒とを含む。ここで、本発明における剥離層とは、所定の目的でガラス基体直上に設けられる層であって、その典型例としては、フレキシブル電子デバイスの製造プロセスにおいて、基体と、ポリイミドといった樹脂からなるフレキシブル電子デバイスの樹脂基板との間に当該樹脂基板を所定のプロセス中において固定するために設けられ、かつ、当該樹脂基板上に電子回路等の形成した後において当該樹脂基板が当該基体から容易に剥離できるようにするために設けられる剥離層が挙げられる。
本発明で用いるポリアミック酸は、特に限定されるものではなく、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得ることができるものであるが、得られる膜の剥離層としての機能を向上させる観点から、芳香族ジアミンを含むジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物成分とを反応させて得られるポリアミック酸が好ましい。
芳香族ジアミンとしては、分子内に2つのアミノ基を有し、かつ、芳香環を有する限り特に限定されるものではないが、ベンゼン核を1〜5つ含む芳香族ジアミンが好ましい。
その具体例としては、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン(m−フェニレンジアミン)、1,2−ジアミノベンゼン(o−フェニレンジアミン)、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、5−トリフルオロメチルベンゼン−1,3−ジアミン、5−トリフルオロメチルベンゼン−1,2−ジアミン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン−1,2−ジアミン等のベンゼン核が1つのジアミン;1,2−ナフタレンジアミン、1,3−ナフタレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、1,6−ナフタレンジアミン、1,7−ナフタレンジアミン、1,8−ナフタレンジアミン、2,3−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、4,4’−ビフェニルジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,3’,5,5’−テトラフルオロビフェニル−4,4’−ジアミン、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、2−(3−アミノフェニル)−5−アミノベンズイミダゾール、2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンゾオキゾール等のベンゼン核が2つのジアミン;1,5−ジアミノアントラセン、2,6−ジアミノアントラセン、9,10−ジアミノアントラセン、1,8−ジアミノフェナントレン、2,7−ジアミノフェナントレン、3,6−ジアミノフェナントレン、9,10−ジアミノフェナントレン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルフィド)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホン)ベンゼン、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(3−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−アミノフェニル)イソプロピル〕ベンゼン、4,4’’−ジアミノ−p−ターフェニル、4,4’’−ジアミノ−m−ターフェニル等のベンゼン核が3つのジアミン等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
中でも、得られる膜の剥離層としての機能を向上させる観点から、芳香環及びそれに縮合する複素環上にメチル基等の置換基を有しない芳香族環及び複素芳香族環のみから構成される芳香族ジアミンが好ましい。具体的には、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2−(3−アミノフェニル)−5−アミノベンズイミダゾール、2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンゾオキゾール、4,4’’−ジアミノ−p−ターフェニル等が好ましい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、分子内に2つのジカルボン酸無水物部位を有し、かつ、芳香環を有する限り特に限定されるものではないが、ベンゼン核を1〜5つ含む芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
その具体例としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−2,3,9,10−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−3,4,5,6−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
中でも、得られる膜の剥離層としての機能を向上させる観点から、ベンゼン核が1つ又は2つの芳香族カルボン酸二無水物が好ましい。具体的には、式(C1)〜(C12)のいずれかで示される芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、式(C1)〜(C7)及び(C9)〜(C11)のいずれかで示される芳香族テトラカルボン酸二無水物がより好ましい。
Figure 0006705444
また、得られる剥離層の柔軟性、耐熱性等を向上させる観点から、本発明のジアミン成分は、芳香族ジアミン以外のジアミンを含んでもよく、その好ましい一例としては、式(S)で表されるジアミンが挙げられる。
Figure 0006705444
式(S)中、各Lは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルカンジイル基、炭素数2〜20のアルケンジイル基又は炭素数2〜20のアルキンジイル基を表し、各R’は、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基又は炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
このようなアルカンジイル基、アルケンジイル基及びアルキンジイル基の炭素数は、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
中でも、Lとしては、得られるポリアミック酸の有機溶媒への溶解性と得られる膜の耐熱性のバランスを考慮すると、アルカンジイル基が好ましく、−(CH2n−基(n=1〜10)がより好ましく、−(CH2m−基(m=1〜5)がより一層好ましく、更に入手容易性を考慮すると、トリメチレン基が更に好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロブチル基、ビシクロペンチル基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロデシル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、エテニル基、n−1−プロペニル基、n−2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、n−1−ペンテニル基、n−1−デセニル基、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基の具体例としては、エチニル基、n−1−プロピニル基、n−2−プロピニル基、n−1−ブチニル基、n−2−ブチニル基、n−3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、n−1−ペンチニル基、n−2−ペンチニル基、n−3−ペンチニル基、n−4−ペンチニル基、1−メチル−n−ブチニル基、2−メチル−n−ブチニル基、3−メチル−n−ブチニル基、1,1−ジメチル−n−プロピニル基、n−1−ヘキシニル、n−1−デシニル基、n−1−ペンタデシニル基、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
中でも、R’としては、得られるポリアミック酸の有機溶媒への溶解性と得られる膜の耐熱性のバランスを考慮すると、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
入手容易性、得られる膜の剥離層として機能等を考慮すると、式(S)で表されるジアミンとしては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンが最適である。
なお、式(S)で表されるジアミンは、市販品として入手できるし、公知の方法(例えば国際公開第2010/108785号に記載の方法)で合成することもできる。
本発明において、ジアミン成分中の芳香族ジアミンの量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、より一層好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。また、特に、芳香族ジアミンとともに式(S)で表されるジアミンを用いる場合、芳香族ジアミン及び式(S)で表されるジアミンの合計量中の芳香族ジアミンの量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上、更に好ましくは97モル%以上である。このような使用量を採用することで、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性を有する膜を再現性よく得ることができる。
本発明において、芳香族テトラカルボン酸二無水物の使用量は、全テトラカルボン酸二無水物中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、より一層好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
このような使用量を採用することで、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性を有する膜を再現性よく得ることができる。
以上説明したジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させることで、本発明の剥離層形成用組成物に含まれるポリアミック酸を得ることができる。
このような反応に用いる有機溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されるものではないが、その具体例としては、m−クレゾール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−プロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−イソプロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−sec−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。なお、有機溶媒は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分の仕込み比は、目的とする分子量や分子量分布、ジアミンの種類やテトラカルボン酸二無水物の種類等を考慮して適宜決定されるため一概に規定できないが、ジアミン成分1に対して、テトラカルボン酸二無水物成分0.7〜1.3程度、好ましくは0.8〜1.2程度である。
反応温度は、用いる溶媒の融点から沸点までの範囲で適宜設定すればよく、通常0〜100℃程度であるが、得られるポリアミック酸の溶液中でのイミド化を防いでポリアミック酸単位の高含有量を維持するためには、好ましくは0〜70℃程度であり、より好ましくは0〜60℃程度であり、より一層好ましくは0〜50℃程度である。
反応時間は、反応温度や原料物質の反応性に依存するため一概に規定できないが、通常1〜100時間程度である。
このようにして得られるポリアミック酸の重量平均分子量は、通常5,000〜500,000程度であるが、得られる膜の剥離層としての機能を向上させる観点から、好ましくは10,000〜200,000程度、より好ましくは30,000〜150,000程度である。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算値である。
本発明の剥離層形成用組成物に含まれる有機シラン化合物は、特に限定されるものではないが、その具体例としては、ジアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物等のアルコキシシラン化合物等が挙げられる。
また、本発明の剥離層形成用組成物が含む有機シラン化合物は、得られる膜の剥離層としての機能を向上させる観点から、好ましくは反応性官能基を含む。
このような反応性官能基の具体例としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基が挙げられるが、中でも、エポキシ基が好ましい。
このような事情から、本発明における好ましい有機シラン化合物の一例としては、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。
反応性官能基を有する有機シラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシジプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシジプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシジプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシジプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメトルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエチルシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の剥離層形成用組成物中のポリアミック酸と有機シラン化合物との比は、質量比で、ポリアミック酸1に対して、有機シラン化合物0.001〜0.2程度であるが、好ましくは0.005〜0.1程度、より好ましくは0.007〜0.07程度である。
本発明の剥離層形成用組成物は、有機溶媒を含むものである。この有機溶媒としては、上記反応の反応溶媒の具体例と同様のものが挙げられる。中でも、ポリアミック酸をよく溶解し、均一性の高い組成物が調製し易いことから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
なお、単独ではポリアミック酸を溶解させない溶媒であっても、ポリアミック酸が析出しない範囲であれば、組成物の調製に用いることができる。特に、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソアミル等の低表面張力を有する溶媒を適度に混在させることができる。これにより、基板への塗布時に塗膜均一性が向上することが知られており、本発明においても好適に用い得る。
本発明の剥離層形成用組成物の調製方法は任意である。調製方法の好ましい一例としては、上記で説明した方法によって得られた目的とするポリアミック酸を含む反応溶液をろ過し、得られたろ液に有機シラン化合物を加える方法が挙げられる。この際、濃度調整等を目的として必要があればろ液を希釈又は濃縮してもよい。このような方法を採用することで、得られる組成物から製造される剥離層の密着性、剥離性等の悪化の原因となり得る不純物の混入を低減できるだけでなく、効率よく剥離層形成用組成物を得ることができる。希釈に用いる溶媒としては、特に限定されるものではなく、その具体例としては、上記反応の反応溶媒の具体例と同様のものが挙げられる。希釈に用いる溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の剥離層形成用組成物におけるポリアミック酸の濃度は、作製する剥離層の厚み、組成物の粘度等を勘案して適宜設定するものではあるが、通常1〜30質量%程度、好ましくは1〜20質量%程度である。このような濃度とすることで、0.05〜5μm程度の厚さの剥離層を再現性よく得ることができる。ポリアミック酸の濃度は、ポリアミック酸の原料であるジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分の使用量を調整する、単離したポリアミック酸を溶媒に溶解させる際にその量を調整する等して調整することができる。
また、本発明の剥離層形成用組成物の粘度は、作製する剥離層の厚み等を勘案して適宜設定するものではあるが、特に0.05〜5μm程度の厚さの膜を再現性よく得ること目的とする場合、通常、25℃で10〜10,000mPa・s程度、好ましくは20〜5,000mPa・s程度である。
ここで、粘度は、市販の液体の粘度測定用粘度計を使用して、例えば、JIS K7117−2に記載の手順を参照して、組成物の温度25℃の条件にて測定することができる。好ましくは、粘度計としては、円錐平板型(コーンプレート型)回転粘度計を使用し、好ましくは同型の粘度計で標準コーンロータとして1°34’×R24を使用して、組成物の温度25℃の条件にて測定することができる。このような回転粘度計としては、例えば、東機産業株式会社製TVE−25Lが挙げられる。
なお、本発明の剥離層形成用組成物は、ポリアミック酸、有機シラン化合物及び有機溶媒の他に、例えば膜強度を向上させるために、架橋剤等を含んでいてもよい。
以上説明した本発明の剥離層形成用組成物を基体に塗布し、得られた塗膜を加熱してポリアミック酸を熱イミド化することで、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性を有する、ポリイミド膜からなる剥離層を得ることができる。
このような本発明の剥離層を基体上に形成する場合、剥離層は基体の一部表面に形成されていてもよいし、全面に形成されていてもよい。基体の一部表面に剥離層を形成する態様としては、基体表面のうち所定の範囲にのみ剥離層を形成する態様、基体表面全面にドットパターン、ラインアンドスペースパターン等のパターン状に剥離層を形成する態様等がある。なお、本発明において、基体とは、その表面に本発明の剥離層形成用組成物が塗られるものであって、フレキシブル電子デバイス等の製造に用いられるものを意味する。
基体(基材)としては、例えば、ガラス、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン系樹脂等)、金属(シリコンウエハ等)、木材、紙、スレート等が挙げられるが、特に、本発明の剥離層がそれに対する十分な密着性を有することから、ガラスが好ましい。なお、基体表面は、単一の材料で構成されていてもよく、2以上の材料で構成されていてもよい。2以上の材料で基体表面が構成される態様としては、基体表面のうちのある範囲はある材料で構成され、その余の表面はその他の材料で構成されている態様、基体表面全体にドットパターン、ラインアンドスペースパターン等のパターン状にある材料がその他の材料中に存在する態様等がある。
本発明の剥離層形成用組成物を基体に塗布する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、キャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等が挙げられる。
イミド化するための加熱温度は、通常50〜550℃の範囲内で適宜決定されるものではあるが、好ましくは150℃超〜510℃である。加熱温度をこのようにすることで、得られる膜の脆弱化を防ぎつつ、イミド化反応を十分に進行させることが可能となる。加熱時間は、加熱温度によって異なるため一概に規定できないが、通常5分〜5時間である。また、イミド化率は、50〜100%の範囲であればよい。
本発明における加熱態様の好ましい一例としては、50〜150℃で5分間〜2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させて最終的に150℃超〜510℃で30分〜4時間加熱する手法が挙げられる。特に、50〜150℃で5分間〜2時間加熱した後に、150℃超〜350℃で5分間〜2時間、最後に350℃超〜450℃で30分〜4時間加熱することが好ましい。
加熱に用いる器具は、例えばホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱雰囲気は、空気下であっても不活性ガス下であってもよく、また、常圧下であっても減圧下であってもよい。
剥離層の厚さは、通常0.01〜50μm程度、生産性の観点から好ましくは0.05〜20μm程度である。なお、所望の厚さは、加熱前の塗膜の厚さを調整することによって実現する。
以上説明した剥離層は、基体、特にガラスの基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性を有する。それ故、本発明の剥離層は、フレキシブル電子デバイスの製造プロセスにおいて、当該デバイスの樹脂基板に損傷を与えることなく、当該樹脂基板を、その樹脂基板上に形成された回路等とともに、基体から剥離させるために好適に用いることができる。
以下、本発明の剥離層を用いたフレキシブル電子デバイスの製造方法の一例について説明する。
本発明の剥離層形成用組成物を用いて、上述の方法によって、ガラス基体上に剥離層を形成する。この剥離層の上に、樹脂基板を形成するための樹脂溶液を塗布し、この塗膜を加熱することで、本発明の剥離層を介して、ガラス基体に固定された樹脂基板を形成する。この際、剥離層を全て覆うようにして、剥離層の面積と比較して大きい面積で、基板を形成する。樹脂基板としては、フレキシブル電子デバイスの樹脂基板として代表的なポリイミドからなる樹脂基板が挙げられ、それを形成するための樹脂溶液としては、ポリイミド溶液やポリアミック酸溶液が挙げられる。当該樹脂基板の形成方法は、常法に従えばよい。
次に、本発明の剥離層を介して基体に固定された当該樹脂基板の上に、所望の回路を形成し、その後、例えば剥離層に沿って樹脂基板をカットし、この回路とともに樹脂基板を剥離層から剥離して、樹脂基板と基体とを分離する。この際、基体の一部を剥離層とともにカットしてもよい。
なお、特開2013−147599号公報では、これまで高輝度LEDや三次元半導体パッケージ等の製造において使用されてきたレーザーリフトオフ法(LLO法)をフレキシブルディスプレイの製造に適用することが報告されている。上記LLO法は、回路等が形成された面とは反対の面から、特定の波長の光線、例えば、波長308nmの光線をガラス基体側から照射することを特徴とするものである。照射された光線は、ガラス基体を透過し、ガラス基体近傍のポリマー(ポリイミド)のみがこの光線を吸収して蒸発(昇華)する。その結果、ディスプレイの性能を決定づけることとなる、樹脂基板上に設けられた回路等に影響を与えることなく、ガラス基体から樹脂基板を選択的に剥離することが可能となる。
本発明の剥離層形成用組成物は、上記LLO法の適用が可能となる特定波長(例えば308nm)の光線を十分に吸収するという特徴を持つため、LLO法の犠牲層として用いることができる。そのため、本発明に組成物を用いて形成した剥離層を介してガラス基体に固定された樹脂基板の上に、所望の回路を形成し、その後、LLO法を実施して308nmの光線を照射すると、該剥離層のみがこの光線を吸収して蒸発(昇華)する。これにより、上記剥離層が犠牲となり(犠牲層として働く)、ガラス基体から樹脂基板を選択的に剥離することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[1]略語の説明
p−PDA:p−フェニレンジアミン
m−PDA:m−フェニレンジアミン
DATP:4,4’’−ジアミノ−p−ターフェニル
H−PAM:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
6FAP:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
NTCDA:ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物
IHPA:イソフタルアルデヒド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
LS−4668:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
[2]重量平均分子量及び分子量分布の測定方法
ポリマーの重量平均分子量(以下Mwと略す)及び分子量分布の測定は、日本分光株式会社製GPC装置(カラム:Shodex製 OHpak SB803−HQ、及びOHpak SB804−HQ;溶離液:ジメチルホルムアミド/LiBr・H2O(29.6mM)/H3PO4(29.6mM)/THF(0.1wt%);流量:1.0mL/分;カラム温度:40℃;Mw:標準ポリスチレン換算値)を用いて行った
[3]ポリマーの合成
<合成例S1 ポリアミック酸(S1)の合成>
p−PDA 20.261g(187mmol)とDATP 12.206g(47mmol)をNMP 617.4gに溶解させた。得られた溶液を15℃に冷却し、そこへPMDA 50.112g(230mmol)を加え、窒素雰囲気下、50℃まで昇温し48時間反応させた。得られたポリマーのMwは82,100、分子量分布は2.7であった。
<合成例S2 ポリアミック酸(S2)の合成>
p−PDA 3.218g(30mmol)をNMP 88.2gに溶解させた。得られた溶液にBPDA 8.581g(29mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは107,300、分子量分布4.6であった。
<合成例L1 ポリアミック酸(L1)の合成>
p−PDA 10.078g(93mmol)をNMP 220.0gに溶解させた。得られた溶液に、PMDA 19.922g(91mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは55,900、分子量分布3.1であった。
<合成例L2 ポリアミック酸(L2)の合成>
p−PDA 9.934g(92mmol)とH−PAM 0.042g(93mmol)をNMP 220.0gに溶解させた。得られた溶液にPMDA 19.835g(91mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは48,000、分子量分布2.9であった。
<合成例L3 ポリアミック酸(L3)の合成>
p−PDA 1.474g(14mmol)とDATP 0.843g(3mmol)とH−PAM 0.042g(0.2mmol)をNMP 34.0gに溶解させた。得られた溶液にPMDA 3.641g(17mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは45,100、分子量分布2.5であった。
<合成例L4 ポリアミック酸(L4)の合成>
p−PDA 1.588g(15mmol)をNMP 35.2gに溶解させた。得られた溶液にPMDA 2.818g(13mmol)とNTCDA 0.393g(2mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは21,000、分子量分布2.7であった。
<合成例L5 ポリアミック酸(L5)の合成>
p−PDA 1.432g(13mmol)とm−PDA 0.159g(2mmol)をNMP 35.2gに溶解させた。得られた溶液にPMDA 3.209g(15mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは106,100、分子量分布3.6であった。
<比較合成例1 ポリベンゾオキサゾール前駆体(B1)の合成>
6FAP 3.18g(0.059モル)をNMP70gに溶解させた。得られた溶液にIHPA 7.92g(0.060モル)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。得られたポリマーのMwは107,300、分子量分布4.6であった。
[4]樹脂基板形成用組成物及びシラン溶液の調製
[調製例1,2]
合成例S1,S2で得られた反応液を、それぞれ、そのまま樹脂基板形成用組成物W,Xとして用いた。
[調製例3]
LS−4668及びNMPを用いて、LS−4668の濃度が10質量%であるシラン溶液を調製した。
[5]剥離層形成用組成物の調製
[実施例1−1]
合成例L1で得られた反応液、調製例3で得られたシラン溶液、BCS及びNMPを用い、ポリマー濃度が5質量%であり、LS−4668濃度が1質量%であり、BCS濃度が20質量%である剥離層形成用組成物を得た。
[実施例1−2〜1−5]
合成例L1で得られた反応液の代わりに、それぞれ合成例L2〜L5で得られた反応液を用いた以外は、実施例1−1と同様の方法で、剥離層形成用組成物を得た。
[実施例1−6]
合成例L1で得られた反応液、調製例3で得られたシラン溶液、BCS及びNMPを用い、ポリマー濃度が5質量%であり、LS−4668濃度が0.25質量%であり、BCS濃度が20質量%である剥離層形成用組成物を得た。
[比較例1]
比較合成例1で得られた反応液を、ポリマー濃度が5wt%となるようにNMPで希釈して、組成物を得た。
[6]剥離層の形成
[実施例2−1]
スピンコータ(条件:回転数3,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。
そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で10分間加熱し、その後、オーブンを用いて、300℃で30分間加熱し、加熱温度を400℃まで昇温(10℃/分)し、更に400℃で30分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成した。なお、昇温の間、膜付き基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
[実施例2−2〜2−6]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、それぞれ実施例1−2〜1−6で得られた剥離層形成用組成物を用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で、剥離層を形成した。
[比較例2]
実施例1−1で得られた剥離層形成用組成物の代わりに、比較例1で得られた組成物を用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で、樹脂薄膜を形成した。
[7]剥離性の評価
[実施例3−1〜3−12,比較例3]
以下の方法により、表1に示した剥離層と樹脂基板の組み合わせとなるよう基板を作製し、剥離性の評価をした。
実施例2−1〜2−6で得られた剥離層とガラス基板の剥離性及び当該剥離層(樹脂薄膜)と樹脂基板の剥離性を確認した。なお、樹脂基板としては、ポリイミドからなる樹脂基板を用いた。
まず、実施例2−1〜2−6で得られた剥離層付きガラス基板上の剥離層のクロスカット(縦横1mm間隔、以下同様)、並びに、樹脂基板・剥離層付きガラス基板上の樹脂基板・剥離層のクロスカットを行うことにより、100マスカットを行った。すなわち、このクロスカットにより、1mm四方のマス目を100個形成した。
そして、この100マスカット部分に粘着テープを張り付けて、そのテープを剥がし、以下の基準(5B〜0B,B,A,AA)に基づき、剥離の程度を評価した(実施例3−1〜3−12)。また、上記手法に準じて、比較例2で得られた樹脂薄膜付きガラス基板を用いて、同様の試験を行った(比較例3)。結果を表1に示す。
5B:0%剥離(剥離なし)
4B:5%未満の剥離
3B:5〜15%未満の剥離
2B:15〜35%未満の剥離
1B:35〜65%未満の剥離
0B:65%〜80%未満の剥離
B:80%〜95%未満の剥離
A:95%〜100%未満の剥離
AA:100%剥離(すべて剥離)
なお、実施例3−1〜3−12及び比較例3の樹脂基板は、以下の方法で形成した。
バーコーター(ギャップ:250μm)を用いて、ガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物W又はXのいずれかを塗布した。そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で30分間加熱し、その後、オーブンを用いて、140℃で30分間加熱し、加熱温度を210℃まで昇温(10℃/分、以下同様)し、210℃で30分間、加熱温度を300℃まで昇温し、300℃で30分間、加熱温度を400℃まで昇温し、400℃で60分間加熱し、剥離層上に厚さ約20μmのポリイミド基板を形成した。昇温の間、膜付き基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
表1に示される通り、実施例の剥離層は、ガラス基板との密着性に優れ、かつ、樹脂基板との剥離性に優れていることがわかる。一方、比較例の樹脂薄膜は、樹脂基板との剥離性に優れるが、ガラスとの密着性が低かったため、クロスカット試験で剥離してしまった。
Figure 0006705444

Claims (6)

  1. ガラス基体とポリイミド樹脂基板との間に設けられる剥離層であって、当該樹脂基板が当該剥離層から容易に剥離できるようにするために形成され、かつ、前記樹脂基板の剥離後において前記ガラス基体上に密着しているものであり、
    ポリアミック酸と、有機シラン化合物と、有機溶媒とを含み、前記ポリアミック酸が、芳香族ジアミンを含むジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物とを反応させて得られたポリアミック酸であり、前記有機シラン化合物が、反応性官能基を含むアルコキシシラン化合物である剥離層形成用組成物を用いて形成される剥離層
  2. 前記芳香族ジアミンが、ベンゼン核を1〜5つ含む芳香族ジアミンであることを特徴とする請求項記載の剥離層。
  3. 前記芳香族テトラカルボン酸二無水物が、ベンゼン核を1〜5つ含む芳香族テトラカルボン酸二無水物であることを特徴とする請求項又は記載の剥離層。
  4. 前記ジアミン成分が、更に式(S)で表されるジアミンを含む請求項のいずれか1項記載の剥離層。
    Figure 0006705444
    (式(S)中、各Lは、互いに独立して、炭素数1〜20のアルカンジイル基、炭素数2〜20のアルケンジイル基又は炭素数2〜20のアルキンジイル基を表し、各R’は、互いに独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基又は炭素数2〜20のアルキニル基を表す。)
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の剥離層を用いることを特徴とする、樹脂基板を備えるフレキシブル電子デバイスの製造方法。
  6. 前記樹脂基板が、ポリイミドからなる基板であることを特徴とする請求項記載の製造方法。
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