JP6698038B2 - 釣竿および釣竿の製造方法 - Google Patents

釣竿および釣竿の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6698038B2
JP6698038B2 JP2017007488A JP2017007488A JP6698038B2 JP 6698038 B2 JP6698038 B2 JP 6698038B2 JP 2017007488 A JP2017007488 A JP 2017007488A JP 2017007488 A JP2017007488 A JP 2017007488A JP 6698038 B2 JP6698038 B2 JP 6698038B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prepreg
rod body
support portion
resin component
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017007488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018113926A (ja
Inventor
拓司 川村
拓司 川村
秀章 手代木
秀章 手代木
中尾 雅好
雅好 中尾
山本 裕一
裕一 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Globeride Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Globeride Inc filed Critical Globeride Inc
Priority to JP2017007488A priority Critical patent/JP6698038B2/ja
Publication of JP2018113926A publication Critical patent/JP2018113926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6698038B2 publication Critical patent/JP6698038B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fishing Rods (AREA)

Description

本発明は、釣竿および釣竿の製造方法に関する。
竿体に釣糸ガイドやリールシート等の取付部品が取り付けられた釣竿が知られている。例えば、特許文献1及び2に記載されているように、従来の取付部品は、その脚部を竿体の外周面に配置した状態で当該脚部及び竿体に取付糸を巻き付けることにより竿体に取り付けられる。竿体に巻回された取付糸の表面には、取付部品を竿体に固定するために、取付糸を覆うようにシートが巻き付けられる。特許文献3には、繊維強化プラスチック製の筒状の固定部材により、竿体に釣糸ガイドを固定した釣り竿が開示されている。
特開2008−263841号公報 特開2004−194563号公報 特開2013−202004号公報
しかしながら、この種の取付部品を有する釣竿では、当該取付部品に対して釣糸から大きな荷重が加えられたときに、その取付部に対して竿体から離間する方向の力が作用する。このため、釣糸ガイドをより強固に竿体に固定することが望まれている。
本発明の目的の一つは、釣糸ガイドをより強固に竿体に固定した釣り竿を提供することである。本発明のこれ以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
本発明の一実施形態による釣り竿は、竿体と、該竿体に当接する脚部と、該脚部に接続されて該竿体の長さ方向に対して傾斜して延びる支持部と、該支持部に接続され、ガイドリングを係合するための穴を有するリング保持部とを有する釣糸ガイドと、マトリクス樹脂成分を含み、該竿体及び該脚部の周囲に巻回された第1のプリプレグと、該竿体と該支持部との隙間の少なくとも一部を埋める樹脂フローと、を具備する釣竿であって、前記樹脂フローが、前記第1のプリプレグのマトリクス樹脂成分と実質的に同一の樹脂成分を含む。
本発明の一実施形態において、前記竿体が、前記釣竿の長さ方向において前記支持部に対応する領域において、前記樹脂フローの樹脂成分と実質的に同一のマトリクス樹脂成分を含む。
本発明の一実施形態において、前記支持部が、前記樹脂フローの樹脂成分と実質的に同一のマトリクス樹脂成分を含む。
本発明の一実施形態において、前記第1のプリプレグは、前記支持部の少なくとも一部に接している。
本発明の一実施形態において、前記第1のプリプレグと前記樹脂フローとの間には界面が存在しない。
本発明の一実施形態において、前記釣竿は、マトリクス樹脂成分を含み、前記第1のプリプレグの内側で前記竿体及び前記脚部の周囲に巻回された第2のプリプレグをさらに具備し、前記樹脂フローが、前記第2のプリプレグのマトリクス樹脂成分と実質的に同一の樹脂成分をさらに含む。
前記支持部の幅方向の側面にさらに樹脂フローが存在し、前記支持部の幅方向の側面の樹脂フローと前記第1のプリプレグとの間には界面が存在せず、かつ、前記支持部の幅方向の側面の樹脂フローと前記隙間に存在する樹脂フローとの間にも界面が存在しない。
本発明の他の一実施形態による釣り竿は、竿体と、当該竿体に設けられた釣糸ガイドと、当該竿体及び釣り糸ガイドの周囲に巻回された第1のプリプレグと、を備える。当該釣り糸ガイドは、該竿体に当接する脚部と、該脚部に接続されて該竿体の長さ方向に対して傾斜して延びる支持部と、該支持部に接続され、ガイドリングを係合するための穴を有するリング保持部とを有する。本発明の一実施形態において、前記第1のプリプレグは、マトリクス樹脂成分を含み、該竿体及び該脚部の周囲に巻回される。本発明の他の一実施形態による釣り竿は、該竿体と該支持部との隙間の少なくとも一部を埋める樹脂フローをさらに備える。本発明の一実施形態において、前記第1のプリプレグと前記樹脂フローとの間には界面が存在しない。
本発明の一実施形態による釣り竿の製造方法は、竿体と、該竿体に当接する脚部と、該脚部に接続されて該竿体の長さ方向に対して傾斜して延びる支持部と、該支持部に形成された貫通孔に嵌め込まれたガイドリングとを有する釣糸ガイドと、マトリクス樹脂成分を含み、該竿体及び該脚部の周囲に巻回された第1のプリプレグと、該竿体と該支持部との隙間の少なくとも一部を埋める樹脂フローと、を具備する釣竿を製造する方法であって、前記第1のプリプレグが含むマトリクス樹脂成分を溶融させることによって前記樹脂フローを形成するステップを含む。
本発明の一実施形態に係る釣竿においては、釣糸ガイドを竿体により強固に固定することができる。
本発明の一実施形態に係る釣竿を模式的に示す図である。 図1の釣竿の側面を模式的に示す図である。 図1の釣竿10を穂先側から見た図である。
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿を模式的に示す図である。図示のように、本発明の一実施形態に係る釣竿10は、細長い竿体11と、リールシート13を介して竿体11に着脱自在に装着されるリール12と、竿体11の基端側に取り付けられたグリップ14と、を備える。本明細書においては、竿体11のグリップ14側を「後」といい、竿体11の穂先側を「前」と呼ぶことがある。また、図1の上側(リール12が取り付けられている側)を「上」、その逆側を「下」、図1の手前側を「右」、奥側を「左」と呼ぶことがある。
竿体11には、少なくとも1つの釣糸ガイドが取り付けられる。図1の例では、竿体11には、釣糸ガイド15−1ないし釣糸ガイド15−9の9個の釣糸ガイドが取り付けられている。リール3から繰り出される不図示の釣糸は、釣糸ガイド15−1ないし釣糸ガイド15−9により竿体11の穂先まで案内される。釣糸ガイド15−1は釣り人の手元に最も近い位置にあるので「元ガイド」と呼ばれることがある。また、釣糸ガイド15−9は、竿体11の最も先端側にあるので、「トップガイド」と呼ばれることがある。本明細書においては、釣糸ガイド15−1乃至釣糸ガイド15−9を釣糸ガイド15と総称することがある。
図1において、リール12は、ベイトキャスティングリールである。図示のとおり、ベイトキャスティングリールは、一般に、竿体11の外周面の上側に取り付けられる。リール12が竿体12の外周面の上側に取り付けられる場合には、釣糸を案内するための釣糸ガイド15−1ないし15−9も竿体11の上側の外周面に取り付けられる。リール12として、ベイトキャスティングリール以外の様々な種類のリール、例えば、様々な種類のスピニングリールを用いることができる。スピニングリールは、一般に、竿体11の外周面の下側に取り付けられるので、この場合には釣糸ガイド15−1ないし15−9も竿体11の下側の外周面に取り付けられる。
図1において、竿体11は中空の細長い管状に形成される。ただし、竿体11は、中実の棒状であってもよい。竿体11は、例えば、繊維にマトリクス樹脂成分を含浸させたプリプレグ(プリプレグシート)から作製される。より具体的には、竿体11は、プリプレグを芯金に巻回した後、焼成及び脱芯等の工程を行うことによって得られる。ただし、他の公知の材料や公知の製法を用いて竿体11を作製してもよい。ただし、上述したとおり、竿体11の表面は、釣竿の長さ方向において支持部に対応する領域において、前記樹脂フロー18の樹脂成分と実質的に同一のマトリクス樹脂成分を含むことが好ましい。これにより、竿体11が樹脂フロー18に対してより強固に接着される。結果として、竿体11は、釣糸ガイド15に対してより強固に接着される。
図1において、リールシート13は、リールの前脚を収容する固定フードと、当該リールの後脚を収容し、竿体11の軸方向に移動可能な可動フードとを備える。リールシート13は、例えば、特開2008−263841号公報に記載されているリールシート(板状リールシート5)と同様の構成とすることができる。
図2及び図3を参照して、図1の釣竿10についてさらに説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る釣竿の一部の側面を示す側面図であり、図3は、図2の釣竿10を穂先側から見た模式図である。釣糸ガイド15は、竿体11の外周面に取り付けられている。釣糸ガイド15は、竿体11に当接する脚部Lと、該脚部に接続されて該竿体の長さ方向に対して傾斜して延びる支持部Sと、該支持部に形成された貫通孔に嵌め込まれたガイドリングRとを有する。釣糸ガイド15は、該釣糸ガイド15の脚部Lと竿体11の外周面が第2のプリプレグ16によって共に巻回されることによって、竿体11に固定されている。第1のプリプレグ17は、第2のプリプレグ16の外周面をさらに巻回している。
釣糸ガイド15の支持部Sは竿体に対して傾斜しているので、当該支持部Sと竿体11との間には、隙間Gが存在する。当該隙間Gを含む支持部Sの周辺には、樹脂フロー18が設けられている。この樹脂フロー18により、釣糸ガイド15と竿体11とがより強固に固定されている。図3に明瞭に示されているように、樹脂フロー18は、支持部Sと竿体11との隙間Gに存在する樹脂フロー18cと、支持部Sの幅方向の両側面(釣竿10の円周方向における支持部Sの周辺部)に存在する樹脂フロー18sとを備える。樹脂フロー18cと樹脂フロー18sとは、界面なく連続しており、これらが一体的に樹脂フロー18を形成している。
釣糸ガイド15の脚部L及び支持部Sは、例えば、繊維にマトリクス樹脂成分を含浸させたプリプレグから作製することができる。釣糸ガイド15の脚部L及び支持部Sは、例えば、複数のプリプレグをプレス加工により貼り合わせてプリプレグ成形品を作成することができる。このプリプレグ成形品から適切な形状を切り出してもよい。脚部L及び支持部Sは、別々に成形したものを接合してもよいし、一体的に成形されていてもよい。脚部Lは、竿体11に接している平面の部分である。支持部Sは、竿体11と該支持部Sとの間に空間が存在するように竿体11から立ち上がる部分である。成形品の支持部SにガイドリングRを嵌め込むことにより、釣糸ガイド15を得ることができる。プリプレグから釣糸ガイドを作製する工程の詳細については、本出願人の国際出願PCT/JP2012/079595に記載されている。釣糸ガイド15は、上記以外の任意の公知の手法を用いて作製してもよい。例えば、釣糸ガイド15は、金属や合成樹脂等の材料を用いた射出成形により形成されてもよい。ただし、上述したとおり、支持部Sは、樹脂フロー18の樹脂成分と実質的に同一のマトリクス樹脂成分を含むことが好ましい。これにより、釣糸ガイド15は、樹脂フロー18に対してより強固に接着される。結果として、釣糸ガイド15は、竿体11に対してより強固に接着される。なお、釣糸ガイド15は、竿体11の手元側に伸びる単一の脚部で竿体11に取り付けられるいわゆるシングルフットタイプの釣糸ガイドであってもよく、前後に伸びる一組の脚部を有するダブルフットタイプの釣糸ガイドでもよい。図2及び図3では、このシングルフットタイプの釣糸ガイドを例示している。本明細書では、シングルフットタイプの釣糸ガイドを例に説明を行うが、本発明は、シングルフットタイプ及びダブルフットタイプのいずれの釣糸ガイドにも適用できる点に留意されたい。
図2において、第1のプリプレグ17は、釣糸ガイド15の脚部Lと竿体11の外周に巻回された第2のプリプレグ16の外周面をさらに巻回している。第1のプリプレグ17は、例えば、カーボン繊維やガラス繊維等の強化繊維にマトリクス樹脂成分を含浸したプリプレグであることが好ましい。第1のプリプレグ17として、より好ましくは、カーボン繊維にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグを用いることができる。第1のプリプレグ17の厚さは、特に限定されないが、例えば、20μm〜300μmであってもよい。第1のプリプレグ17として適切な市販品を用いることもできる。
図2において、第2のプリプレグ16は、第1のプリプレグ17の内側で、釣糸ガイド15の脚部Lと竿体11の外周を巻回している。第2のプリプレグ16としては、例えば、繊維にマトリクス樹脂成分を含浸したプリプレグを用いることが好ましい。第2のプリプレグ16として、より好ましくは、樹脂シートに該樹脂シートを構成する樹脂成分よりも融点が低いマトリクス樹脂成分を含浸させたプリプレグを用いることができる。第2のプリプレグ16として、さらに好ましくは、PET繊維にPETよりも融点が低いマトリクス樹脂成分を含浸させたプリプレグを用いることができる。第2のプリプレグ16として、最も好ましくは、PET繊維にエポキシ樹脂成分を含浸させたプリプレグを用いることができる。第2のプリプレグ16に含まれるマトリクス樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂系樹脂、ビスフェノールA系樹脂、ビスフェノールF系樹脂、又は、これらの組み合わせを用いることができる。また、マトリクス樹脂成分は、硬化剤を含んでいることが好ましい。硬化剤としては、例えば、アミン系化合物又は酸無水物を用いることができる。第2のプリプレグ16の厚さは、特に限定されないが、例えば、20μm〜300μmであってもよい。第2のプリプレグ16として適切な市販品を用いることもできる。
図2において、第1のプリプレグ17と第2のプリプレグ16は、支持部Sの少なくとも一部を覆っているが、より具体的な構成は下記の通りである。図2において、第2のプリプレグ16の穂先側の端部は、釣糸ガイド15の脚部Lの領域ではなく、釣糸ガイド15の支持部Sの領域(つまり、釣糸ガイド15が竿体11から離間している領域)に位置している。第2のプリプレグ16は、支持部Sの外周面の少なくとも一部、及び、竿体11の外周面の少なくとも一部のいずれにも接触するようにして、支持部S及び竿体11を覆っている。また、第1のプリプレグ17は、竿体11の長さ方向において第2のプリプレグ16よりも広い範囲に延在しており、第2のプリプレグ16の外周面全体、竿体11の外周面の少なくとも一部、支持部Sの外周面の少なくとも一部のいずれにも接触するようにして、第2のプリプレグ16、竿体11及び支持部Sを覆っている。
第1のプリプレグ17の穂先側の端部は、釣竿10の長さ方向において、第2のプリプレグ16の穂先側の端部よりも穂先側に位置している。第1のプリプレグ17の穂先側の端部は、釣竿10の長さ方向において、第2のプリプレグ16の穂先側の端部よりも、0mm〜2mm穂先側に位置していることが好ましい。また、第1のプリプレグ17の基端側の端部は、釣竿10の長さ方向において、第2のプリプレグ16の基端側の端部よりも基端側に位置している。第1のプリプレグ17の基端側の端部は、釣竿10の長さ方向において、第2のプリプレグ16の基端側の端部よりも、0mm〜2mm基端側に位置していることが好ましい。
第1のプリプレグ17の穂先側の端部は、釣竿10の長さ方向において、支持部Sの基端側の端部(脚部Lの穂先側の端部)の位置又はその位置よりも穂先側に位置している。なお、支持部Sの基端側の端部(脚部Lの穂先側の端部)とは、支持部Sと脚部Lとが接続されている箇所であり、図2において、支持部Sの左端(脚部Lの右端)である。第1のプリプレグ17の穂先側の端部は、釣竿10の長さ方向において、支持部Sの基端側の端部よりも、0mm〜2mm穂先側に位置していることが好ましい。このような位置関係にあると、第1のプリプレグ17の成形時に、加熱された第1のプリプレグ17から流れ出たマトリクス樹脂を支持部Sと竿体11との隙間Gに必要十分な量だけ流し込むことができる。
第2のプリプレグ16の穂先側の端部は、釣竿10の長さ方向において、支持部Sの基端側の端部(脚部Lの穂先側の端部)又は該端部よりも基端側に位置している。第2のプリプレグ16の穂先側の端部は、釣竿10の長さ方向において、支持部Sの基端側の端部よりも、0mm〜2mm基端側に位置していることが好ましい。このような位置関係にあると、第2のプリプレグ16の成形時に、加熱された第2のプリプレグ16から流れ出たマトリクス樹脂を支持部Sと竿体11との隙間Gに必要十分な量だけ流し込むことができる。
支持部Sと竿体11との隙間Gに流し込むマトリクス樹脂成分の量を調節するために、例えば、第1のプリプレグ17に含まれるマトリクス樹脂成分の融点よりも高い融点を有する別のマトリクス樹脂成分が第2のプリプレグ16に含まれるようにしてもよい。これにより、第2のプリプレグ16及び第1のプリプレグ17から同時にマトリクス樹脂が溶出せず、溶出する樹脂量が過剰になることを防ぐことができる。なお、本発明の一実施形態に係る釣竿において、第2のプリプレグ16は必須の部材ではなく、第1のプリプレグ17から溶出するマトリクス樹脂成分のみによって樹脂フロー18を形成してもよい。
樹脂フロー18cは、第2のプリプレグ16及び第1のプリプレグ17から溶出したマトリクス樹脂成分が、釣糸ガイド15の支持部Sの周囲を通り、釣糸ガイド15の支持部Sと竿体11との隙間Gに流れ込むことによって形成されている。樹脂フロー18sは、第2のプリプレグ16及び第1のプリプレグ17から溶出したマトリクス樹脂成分が支持部Sの周囲に残存することによって形成される。ただし、第2のプリプレグ16又は第1のプリプレグ17のマトリクス樹脂成分に由来しないが、それらのマトリクス樹脂成分と実質的に同組成の樹脂成分を、釣糸ガイド15の支持部Sと竿体11との隙間に別途提供することによって樹脂フロー18c及び樹脂フロー18sを形成してもよい。
本発明の一実施形態において、プリプレグ(プリプレグシート)に含まれるマトリクス樹脂成分とは、当該プリプレグの基本構造を構成する繊維に含浸されている樹脂成分であって、該基本構造を構成する繊維よりも融点が低い樹脂成分を意味する。例えば、カーボン繊維にエポキシ樹脂を含浸させて得たカーボンプリプレグのマトリクス樹脂成分は、エポキシ樹脂である。また、例えば、PET繊維にエポキシ樹脂を含浸させて得たPETプリプレグのマトリクス樹脂成分は、PET又はPETとエポキシ樹脂との混合物ではなく、エポキシ樹脂である。
本発明の一実施形態に係る釣竿において、樹脂(成分)が「実質的に同一である」とは、2つの樹脂の組成が完全に同一であることのみならず、2つの樹脂の組成が完全に同一である場合と比較して、密着強度に実質的に影響を与えない程度に2つの樹脂の成分が近接していることも含む。例えば、第1のプリプレグ17に含まれるマトリクス樹脂が特定成分のエポキシ樹脂である場合、竿体11及び釣糸ガイド15の脚部Lに含まれる樹脂は、融点した状態において、その特定成分のエポキシ樹脂と分離することなく容易に混合するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。接触及び/又は混合した状態で分離することなく容易に混合する複数の樹脂の混合物は、一体的に連続した形状で固化し易く、破断の起点となるような界面を生じにくい。第2のプリプレグ16に含まれるマトリクス樹脂についても同様である。
異なる2つの樹脂が接触及び/又は混合した状態で固化したときにそれらの樹脂の間で界面が生じないようにするためには、例えば、当該2つの樹脂を構成するモノマー組成が80%以上共通していることが好ましい。この共通するモノマー組成の比率は、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、さらにより好ましくは95%以上であり、最も好ましくは97%以上である。
次に、本発明の一実施形態に係る釣竿10の製造方法について説明する。まず、竿体11を準備する。竿体11は、任意の公知の手法によって得ることができる。例えば、本体11は、繊維にマトリクス樹脂成分を含浸したプリプレグを芯金に巻回し、この芯金に巻回された繊維強化プリプレグに加熱・焼成・脱芯等の工程を施すことにより成形することができる。次に、竿体11の外周面に釣糸ガイド15の脚部Lを載置し、取付糸により該脚部Lを竿体11に対して固定する。第2のプリプレグ16により脚部Lと竿体11の周囲を巻回する。脚部Lと竿体11を巻回している第2のプリプレグ16の外周面を、第2のプリプレグ16よりも広範囲にわたって第1のプリプレグ17によりさらに巻回する。第1のプリプレグ17の外周面を、第1のプリプレグ17よりも広範囲にわたってさらにテーピングする。次に、これを加熱し、第2のプリプレグ16及び第1のプリプレグ17のマトリクス樹脂成分を溶融させて、釣糸ガイド15の脚部Lと竿体11との間の隙間Gに流れ込ませることにより、樹脂フロー18cを形成する。その際、溶出したマトリクス樹脂成分が支持部Sの周囲に残存することによって樹脂フロー18sが形成される。樹脂成分を冷まして固化させる。これによって、釣糸ガイド15の脚部Lと竿体11との隙間が埋められて、釣糸ガイド15が竿体11に強固に固定される。このようにして、本発明の一実施形態に係る釣竿10が得られる。
本発明の一実施形態において、第2のプリプレグ16が、PET繊維にエポキシ樹脂成分を含浸させたものである場合、樹脂フロー18を形成するための加工温度は、該PET繊維の融点よりも低く、かつ、エポキシ樹脂成分の融点よりも高いことが好ましい。例えば、70〜150℃で加工を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る釣竿は以上のようにして製造されるが、上記の製造工程の一部を省略すること、上記以外の工程を追加すること、及び/又は、上述した製造方法を構成する各工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた製造方法も本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれる。
上述した実施形態によれば、樹脂フロー18が、溶融したマトリクス樹脂成分に由来するため、樹脂フロー18の樹脂成分が、第1のプリプレグ17のマトリクス樹脂成分と実質的に同一となり、また、第1のプリプレグ17と樹脂フロー18とが界面を有しないように連続的に形成される。また、樹脂フロー18は、破断の起点となるような境界を有しない。よって、樹脂フロー18により、釣糸ガイド15をより強固に竿体11に固定することができる。好ましい実施形態においては、釣糸ガイド15の脚部L及び竿体11が第1のプリプレグ17のマトリクス樹脂成分と実質的に同一のマトリクス樹脂成分を含むように形成される。これにより、竿体11と樹脂フロー18との密着性及び釣糸ガイド15の脚部Lと樹脂フロー18との密着性も良好となるので、釣り糸ガイド15をさらに強固に竿体11に固定することができる。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
10 釣竿
11 竿体
13 リールシート
15,15−1〜15−9 釣糸ガイド
16 第2のプリプレグ
17 第1のプリプレグ
18s、18c、18 樹脂フロー
G 隙間
L 釣糸ガイドの脚部
S 釣糸ガイドの支持部
R ガイドリング

Claims (8)

  1. 竿体と、
    該竿体に当接する脚部と、該脚部に接続されて該竿体の長さ方向に対して傾斜して前記長さ方向の前方に延びる支持部と、該支持部に形成された貫通孔に嵌め込まれたガイドリングとを有する釣糸ガイドと、
    マトリクス樹脂成分を含み、該竿体及び該脚部の周囲に巻回された第1のプリプレグと

    マトリクス樹脂成分を含み、前記第1のプリプレグの内側で前記竿体及び前記脚部の周囲に巻回された第2のプリプレグと、
    該竿体と該支持部との隙間の少なくとも一部を埋める樹脂フローと、
    を具備する釣竿であって、
    前記樹脂フローが、前記第1のプリプレグのマトリクス樹脂成分と実質的に同一の樹脂
    成分を含み、
    前記第1のプリプレグの前端は、前記長さ方向において、前記支持部の後端よりも前側に位置しており、且つ、前記第2のプリプレグの前端よりも前側に位置している、
    釣竿。
  2. 前記竿体が、前記釣竿の長さ方向において前記支持部に対応する領域において、前記樹脂フローの樹脂成分と実質的に同一のマトリクス樹脂成分を含む、請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記支持部が、前記樹脂フローの樹脂成分と実質的に同一のマトリクス樹脂成分を含む、請求項1又は2に記載の釣竿。
  4. 前記第1のプリプレグは、前記支持部の少なくとも一部に接している、請求項1〜3のいずれかに記載の釣竿。
  5. 前記第1のプリプレグと前記樹脂フローとの間には界面が存在しない、請求項1〜4のいずれかに記載の釣竿。
  6. マトリクス樹脂成分を含み、前記第1のプリプレグの内側で前記竿体及び前記脚部の周囲に巻回された第2のプリプレグをさらに具備し、前記樹脂フローが、前記第2のプリプレグのマトリクス樹脂成分と実質的に同一の樹脂成分をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の釣竿。
  7. 前記支持部の幅方向の側面にさらに樹脂フローが存在し、前記支持部の幅方向の側面の樹脂フローと前記第1のプリプレグとの間には界面が存在せず、かつ、前記支持部の幅方向の側面の樹脂フローと前記隙間に存在する樹脂フローとの間にも界面が存在しない、請求項5に記載の釣竿。
  8. 竿体と、
    該竿体に当接する脚部と、該脚部に接続されて該竿体の長さ方向に対して傾斜して延びる支持部と、該支持部に形成された貫通孔に嵌め込まれたガイドリングとを有する釣糸ガイドと、
    マトリクス樹脂成分を含み、該竿体及び該脚部の周囲に巻回された第1のプリプレグと、
    マトリクス樹脂成分を含み、前記第1のプリプレグの内側で前記竿体及び前記脚部の周囲に巻回された第2のプリプレグと、
    該竿体と該支持部との隙間の少なくとも一部を埋める樹脂フローと、
    を具備し、前記第1のプリプレグの前端は、前記長さ方向において、前記支持部の後端よりも前側に位置しており、且つ、前記第2のプリプレグの前端よりも前側に位置している、釣竿を製造する方法であって、
    前記第1のプリプレグが含むマトリクス樹脂成分を溶融させることによって前記樹脂フローを形成するステップを含む、釣竿の製造方法。
JP2017007488A 2017-01-19 2017-01-19 釣竿および釣竿の製造方法 Active JP6698038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017007488A JP6698038B2 (ja) 2017-01-19 2017-01-19 釣竿および釣竿の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017007488A JP6698038B2 (ja) 2017-01-19 2017-01-19 釣竿および釣竿の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018113926A JP2018113926A (ja) 2018-07-26
JP6698038B2 true JP6698038B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=62984578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017007488A Active JP6698038B2 (ja) 2017-01-19 2017-01-19 釣竿および釣竿の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6698038B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7290514B2 (ja) * 2019-08-29 2023-06-13 株式会社シマノ 釣竿
JP7272930B2 (ja) * 2019-10-28 2023-05-12 グローブライド株式会社 釣竿及び釣糸ガイド

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0226474U (ja) * 1988-08-06 1990-02-21
US5276991A (en) * 1992-08-07 1994-01-11 Aftco Mfg. Co., Inc. Lightweight roller guide and tip for fishing rods
JP2001299158A (ja) * 2000-04-19 2001-10-30 Shimano Inc 釣 竿
JP3891929B2 (ja) * 2002-12-18 2007-03-14 ダイワ精工株式会社 釣竿
JP2005229955A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Shimano Inc 竿体への部品の装着方法
JP2008211982A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Daiwa Seiko Inc 外ガイド付き釣竿
JP2010154860A (ja) * 2010-02-18 2010-07-15 Isamu Tokuda 釣り竿用ラインガイド及び釣り竿

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018113926A (ja) 2018-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10111414B2 (en) Fishing line guide, reel seat and fishing rod including the same
JP6698038B2 (ja) 釣竿および釣竿の製造方法
WO2018042856A1 (ja) 釣竿
KR20110109999A (ko) 낚싯줄 가이드 및 그 제조 방법
KR20190038786A (ko) 낚싯대
EP2742800B1 (en) Fishing line guide and fishing rod provided with same
JP2012075362A (ja) 釣糸ガイド
KR20190052010A (ko) 낚싯대
JP2001523963A (ja) 鋳造される釣り竿
US11758890B2 (en) Fishing rod including rod body having fitting mounted thereon
TWI803819B (zh) 釣竿用捲線器座、釣竿用握把構件及釣竿
JP5975888B2 (ja) 釣糸ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイド
JP5894554B2 (ja) 釣糸ガイド及び当該釣糸ガイドを備える釣竿
US11606943B2 (en) Grip having improved nibble conductivity and fishing rod having the grip
JP2019050795A (ja) 取付部品が取り付けられた竿体を有する釣竿
JP2020055252A (ja) 樹脂部品、樹脂部品の製造方法、鏡筒部品、および光学機器
JP2018148861A (ja) 取付部品が取り付けられた竿体を有する釣竿、管状体及びその製造方法
JP6161672B2 (ja) 振出竿用ラインガイド及び振出竿
JP5975887B2 (ja) 釣糸ガイド及び当該釣糸ガイドを備える釣竿
JP7018038B2 (ja) 遊動式の釣糸ガイド、当該釣糸ガイドの製造方法、及び当該釣糸ガイドを備えた釣竿
JP7272930B2 (ja) 釣竿及び釣糸ガイド
JP2020000129A (ja) 取付部品が取り付けられた竿体を有する釣竿
JP2020000185A (ja) 取付部品が取り付けられた竿体を有する釣竿
JP6499057B2 (ja) 遊動式の釣糸ガイド及び釣竿
CN117897051A (zh) 卷线器座把手部件、卷线器座把手构造以及钓竿

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6698038

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D06

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250