JP2020055252A - 樹脂部品、樹脂部品の製造方法、鏡筒部品、および光学機器 - Google Patents

樹脂部品、樹脂部品の製造方法、鏡筒部品、および光学機器 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維強化樹脂成形体と、他の部品を充分な接合強度により一体化できるようにする。【解決手段】複合樹脂成形体1は、炭素繊維強化樹脂成形体2と、炭素繊維強化樹脂成形体2に接合された樹脂成形体3と、を備える。炭素繊維強化樹脂成形体2の、樹脂成形体3との接合界面部において、炭素繊維強化樹脂成形体2に含まれる炭素繊維4と、樹脂成形体3と、が接合されている。その場合、樹脂成形体3を接合するに先立って、炭素繊維強化樹脂成形体2の表層の樹脂層7を除去し、長さないし面積比率において少なくとも10%以上、また、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維体積含有率(VF)以下の範囲で、炭素繊維強化樹脂成形体2に含まれる炭素繊維4を表層に露出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維強化樹脂成形体と、炭素繊維強化樹脂成形体に接合された樹脂成形体と、を備えた樹脂部品、樹脂部品の製造方法、鏡筒部品、および光学機器に関する。
従来、カメラの交換式レンズ、例えば、焦点距離が300mmを超えるような望遠レンズは大型で、重量もKgのオーダに達するものがある。このような焦点距離レンジの光学製品でも、持ち運びのしやすさ、撮影時の操作性向上の観点から、軽量で高強度な製品が望まれている。
従来では、この種の大型の光学製品の鏡筒の材質には、耐衝撃性の観点からアルミニウム合金やマグネシウム合金が用いられていた。また、そのレンズに取付けられるフードにも、耐衝撃性の観点からその材質にアルミニウム合金が採用されてきた。しかし、この種の金属材料は軽金属に属するものであっても、軽量化には限界があった。
そのため、近年、長繊維の炭素繊維にエポキシ等の熱硬化樹脂を含浸させた炭素繊維強化樹脂(CFRP)を用いて、鏡筒やフードのような光学部品を製造することが考えられている。ただし、鏡筒やフードなどの製品の場合、他部品との着脱を行うための着脱部が必要であり、この部位は形状が比較的複雑であることもあり、CFRP自体で形成することは困難である。
そこで、従来では、CFRPで主要骨格部を形成し、複雑が形状な着脱部は射出成形により製造し、主要骨格部と接着するような構成が知られているが、しばしば接合強度不足となる場合があった。また、主要骨格部の炭素繊維強化樹脂に用いる樹脂を熱可塑性樹脂とし、また、着脱部などとなる射出成形部にも同種の熱可塑性樹脂を用い、インサート成形の手法により両者を一体化させる構成も考えられている(例えば下記の特許文献1)。この構成では、主要骨格部と、着脱部などとなる射出成形部に同種の材料が用いられ、両者の親和性が高く良好な接合強度を得られる可能性がある。
特開2016−36962号公報
接着や、インサート成形などにより、炭素繊維強化樹脂成形体と、他の部品を一体化する場合、炭素繊維強化樹脂成形体の表面に形成されている樹脂層が問題となることがある。例えば、CFRTPの場合、炭素繊維を含浸樹脂で空隙無く十分に含浸させることで、所期の強度が発現される。そして、炭素繊維強化樹脂成形体に充分に樹脂が含浸されている場合、その表層には極薄い樹脂層が形成されていることが多い。しかしながら、この極薄い樹脂層は、CFRTPにおいては炭素繊維のサイジング剤等の影響により、内層にある炭素繊維との密着力が低く、接合強度に影響する可能性があった。例えば、炭素繊維と、表面の樹脂層との間で剥離が起こるなどして、充分な接合強度が得られない可能性があった。
本発明の課題は、炭素繊維強化樹脂成形体と、他の部品を充分な接合強度により一体化できるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、炭素繊維強化樹脂成形体と、炭素繊維強化樹脂成形体に接合された樹脂成形体と、を備えた樹脂部品であって、炭素繊維強化樹脂成形体の、前記樹脂成形体との接合界面部において、前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維と、前記樹脂成形体と、が接合されている構成を採用した。
あるいは、炭素繊維強化樹脂成形体と、炭素繊維強化樹脂成形体に接合された樹脂成形体と、を備えた樹脂部品の製造方法において、炭素繊維強化樹脂成形体を成形する第1の成形工程と、成形された炭素繊維強化樹脂成形体の表層の少なくとも一部の樹脂層を除去し、前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維を前記炭素繊維強化樹脂成形体の表面に露出させる除去工程と、前記炭素繊維強化樹脂成形体を金型に収容し、樹脂材料を射出成形し、前記樹脂成形体をインサート成形し、前記除去工程で前記炭素繊維強化樹脂成形体の表面に露出させた炭素繊維と接合する第2の成形工程と、を含む構成を採用した。
上記構成により、炭素繊維強化樹脂成形体と、他の部品としての樹脂成形体を充分な接合強度により一体化することができる。
本発明の実施形態に係る複合樹脂成形体の断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の実施形態に係る複合樹脂成形体の上面図、および断面図である。 本発明の実施形態において、炭素繊維強化樹脂成形体の製造に用いられる組紐装置を示した斜視図である。 炭素繊維強化樹脂成形体の加工の様子を示した説明図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る複合樹脂成形体に対するインサート成形の様子を示した説明図である。 (a)、(b)は本発明の実施形態に係る複合樹脂成形体の炭素繊維強化樹脂成形体と、樹脂成形体の接合界面部の断面を示した説明図である。 一般的な手法で接合した炭素繊維強化樹脂成形体と、樹脂成形体の接合界面部の断面を示した説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す構成はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
図1は本実施形態に係る樹脂部品、特に複合樹脂部品において、炭素繊維強化樹脂成形体と樹脂成形体の接合部を炭素繊維方向に対して直交する方向に切断した断面を示している。
図1において、複合樹脂成形体1は、炭素繊維強化樹脂成形体2と、これに接合された樹脂成形体3と、から成る。一方、図7は、従来手法によって接合された炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3から成る複合樹脂成形体1の断面構造を図1と同様の様式で示している。
図1、図7のいずれの場合でも、樹脂成形体3を、例えば接着、インサート成形などの手法で接合する前に、炭素繊維強化樹脂成形体2は、炭素繊維4を含浸樹脂6に含浸、固化済みである。その場合、強度などの諸条件を考慮して充分、含浸樹脂6を含浸させている場合には、上述のように、炭素繊維強化樹脂成形体2の表面に図7に示すような含浸樹脂6のみから成る薄い樹脂層7が形成される。
図7に示すように、この樹脂層7を残したまま樹脂成形体3を接合すると、炭素繊維4で「強化」されていない樹脂の膜を介して炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3とが接合され、上述のように充分な強度を得られない場合がある。
これに対して、本実施形態の樹脂部品である複合樹脂成形体1(図1)では、樹脂成形体3の接合に先立ち、樹脂成形体3の接合界面5において、極薄い厚みの樹脂層7が残る程度まで除去し、炭素繊維4を炭素繊維強化樹脂成形体2の表層に露出させる。その後、樹脂成形体3を接着ないしインサート成形などの手法により接合する。その時、炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3との接合界面5に炭素繊維4が炭素繊維強化樹脂成形体2から露出する形態で存在している。炭素繊維4との接合強度の低い極薄い樹脂層7が除去、ないし極薄い厚みまで減少されている。このため、樹脂成形体3は樹脂層7を介してではなく、炭素繊維4と、直接、接合界面5において高い強度で接合される。
炭素繊維強化樹脂成形体2の表層を除去する場合、好ましくは、樹脂成形体3との接合界面5の炭素繊維4を、面積比で10%以上、表層に露出させる。また、炭素繊維4を炭素繊維強化樹脂成形体2の表層への露出の上限は、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維体積含有率(VF)以下の範囲とする。
このような加工を行っておくことにより、炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3を接合した後では、接合界面部の断面の少なくとも10%以上の領域で、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維4と、樹脂成形体と、が接合された状態が形成される。
以上のような構造により、本実施形態によれば、炭素繊維4との接合強度の低い極薄い樹脂層7を確実に減少させることができ、樹脂部品の接合強度を高めることができる。なお、炭素繊維4の炭素繊維強化樹脂成形体2の表層への露出が少ない、例えば接合面の面積比で10%以下にすると、残留する樹脂層7の影響で、上記の効果を期待できない可能性がある。また、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維体積含有率(VF)を超えて炭素繊維4を露出させると、炭素繊維強化樹脂成形体2の樹脂成形体3との界面近傍に炭素繊維4を極めて多く存在させる必要が生じる。そのために、炭素繊維強化樹脂成形体2に意図しない反りなどの変形が生じる可能性がある。このような理由で、炭素繊維4の表層への露出は、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維体積含有率(VF)以下に制限するのが好ましい。
試作した複合樹脂成形体1で、樹脂成形体3との接合界面部における炭素繊維強化樹脂成形体2に含まれる炭素繊維の存在する比率を確認するには、例えば複合樹脂成形体1を切断するなどして図1に示すような断面を作成する。その際、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維4の繊維方向と直交する方向の任意の断面を作成する。そして、接合界面5を観察する。接合界面5には、炭素繊維4と樹脂成形体3との境界面と、含浸樹脂6と樹脂成形体3の境界面が存在する。その際、含浸樹脂6と樹脂成形体3とが仮に同種の樹脂であっても、接合工程で生じる熱履歴により樹脂成形体3側には屈折率が異なるスキン層が生じ、それにより、界面を認識することができる。これにより、例えば、接合界面5における炭素繊維4と樹脂成形体3との境界面の長さと、含浸樹脂6と樹脂成形体3との境界面長さの比率を求めることができる。また、任意の接合界面を数か所確認し、結果として得られる境界面長さの比から、全接合長さに対する炭素繊維4と樹脂成形体3の長さを計算し、その結果から得られる比率を例えば接合界面の面積比として取得できる。
このようにして、接合界面部における炭素繊維4と、樹脂成形体3と、が直接接合されている長さないし面積比を求めることができ、その値が上記の接合界面部の長さないし面積の10%以上になっていればよい。また、同時に、炭素繊維4と、樹脂成形体3と、が直接接合されている長さないし面積比の上限としては、炭素繊維体積含有率(VF)を超えていなければよい。
炭素繊維強化樹脂成形体2の含浸樹脂6と、樹脂成形体3の樹脂材料としては、例えば熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルなどの任意の熱可塑性の樹脂材料である。炭素繊維強化樹脂成形体2の含浸樹脂6と、樹脂成形体3の樹脂材料には、好ましくは同一ないし同等の組成の材料を用いるのがよいが、場合によっては、両者の樹脂は必ずしも同一の組成でなくても構わない。ただし、その場合には、含浸樹脂6と樹脂成形体3に用いる熱可塑性樹脂は、親和性の高い樹脂の組合せが好ましい。
図2(a)、(b)は、炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3とを接合して構成した複合樹脂成形体1の平面および断面構造の一例を示している。図2の複合樹脂成形体1は例えば、光学機器の一例である交換レンズ等の撮影光学系を構成するレンズを保持するための、円筒状に形成された、内筒、外筒などの鏡筒部品である。あるいは、光学機器の一例であるレンズを通過した光を用いて画像を形成する、カメラ等の画像形成装置、あるいは交換レンズに装着可能なレンズフードなどの鏡筒部品である。即ち、図2の複合樹脂成形体1は例えば、光学機器本体に対して着脱可能な遮光部品としての鏡筒部品や、レンズなどの光学素子を保持または調整する鏡筒の躯体部など構成部材に相当する鏡筒部品として構成される。
図2(b)に示すように、この炭素繊維強化樹脂成形体2は、複数層、例えば3層構造である。この例では、外周側、内周側に製紐された組紐層8、9の間に一方向プリプレグシート層10を介在させた構造である。このような組紐層8、9、一方向プリプレグシート層10の3層構造は後述のような製紐機(図3)によって製紐することができる。その場合、組紐層8、9は、筒構造の一端から他端にかけて連続した連続繊維である複数の炭素繊維(下記の中間体11)によって、周方向に無端の形態で製紐される。
図2(a)に示すように組紐層8(9も同様)は、プリプレグシートの炭素繊維をストライプ、テープ、ないし、糸、紐状に切断するなどして作成した中間体11から製紐され、その組角290は例えば図示のような10〜数10°付近に選ばれる。本実施形態では、好ましくは、複数層のうち、少なくとも1層に中間体11により製紐された組紐層8(あるいは9)を有する構造を取る。このような構造により、高強度の筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2を得ることができる。
例えば、従来の鏡筒では、矩形のプリプレグシートの炭素繊維を筒状に丸めて端部を接着などにより接合して筒状の炭素繊維強化樹脂成形体とする構造が考えられている。このような従来構造では、シートの継ぎ目の部分での形状の歪みや強度劣化が生じる可能性がある。これに対して、上記のように、周方向に無端に筒状製紐された複数層からなる構造により、レンズ鏡筒等に適合可能な高強度の筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2を得ることができる。
なお、図2では、組紐層8、9の間に一方向プリプレグシート層10を配置した構成を例示したが、場合によっては一方向プリプレグシート層10を省略しても構わない。また、内周側の組紐層9を省略しても構わないし、一方向プリプレグシート層10の代わりに別の組紐層を配置しても構わない。また、組紐層8のさらに外周により多層に組紐層を設けても良い。また、中層の一方向プリプレグシート層10は、1枚のシートではなく筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2の軸方向に沿って何枚かに分離されたテープ、ストライプ状の材料を複数本軸に沿って並べたものに変更してもよい。またその際、中層のストライプ状のテープ間に隙間が無い方が好ましいが、間隙を置いて配置されていてもよい。ただし、その場合、一方向プリプレグシート層10の炭素繊維の方向は、例えば、鏡筒の強度を維持できるよう、筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2の円筒軸と平行に配向されているのが好ましい。
また、炭素繊維強化樹脂成形体2における炭素繊維体積含有率(VF)は、好ましくは、35%〜70%の範囲とする。また、炭素繊維強化樹脂成形体2を製紐する中間体11には、連続炭素繊維に熱可塑性樹脂が予め含浸されている材料を用いる。この中間体11は、例えば連続炭素繊維シート材と熱可塑性樹脂フィルムを加熱ロール等で挟み込んで一体化させたプリプレグシートをテープ状にカットすることで製作することができる。また、中間体11は、例えば連続炭素繊維シート材に熱可塑性樹脂の粉末を静電付着させ、それを加熱することで作成されるプリプレグシートをテープ状にカットすることにより製作してもよい。あるいは、中間体11は、例えば連続炭素繊維と熱可塑性樹脂糸を混繊させた混繊糸であっても良い。
なお、中間体11における連続炭素繊維への熱可塑性樹脂の含浸度合は中間体11の製造上、細かな空隙までなくすことは困難であり、また、組紐層8、9を形成する際に中間体11に柔軟性を持たせる必要があることから、半含浸状態が好ましい。ここでは、例えば、中間体11の設定されたVF(繊維体積含有率)値で理論通り空隙無く(100%)含浸した状態に対して、密度が40%〜70%の状態を半含浸という。なお、熱可塑性樹脂の含浸工程では、炭素繊維と熱可塑性樹脂との親和性を高めるためにサイジング剤を用いても良い。例えば、エポキシエマルジョン系のサイジング剤を炭素繊維に付着させることで、炭素繊維と熱可塑性樹脂のとの界面密着性を高めることができる。熱可塑性樹脂の含浸に際しては、炭素繊維束は、開繊されていることが好ましい。
また、図2では円柱、筒形状の炭素繊維強化樹脂成形体2を図示したが、任意である。円錐(台)状のコーン形状や、円錐(台)形状の傾き角度が軸方向で変化するコーン、ないしホーン形状、くびれ形状など任意の形状を採用することができる。また、筒状の複合樹脂成形体1の形状は、円錐(台)形状に限らず、角錐(台)形状などであってもよい。また、傾き角度が軸方向で変化するコーン形状やくびれ形状において、傾き角度が変化する点にはR形状を付与することができる。
また、本実施形態では、炭素繊維に予め含浸させる熱可塑性樹脂をポリカーボネートとしている。ポリカーボネート自体の耐衝撃性能により、筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2の靱性を向上し、高強度な例えば鏡筒部品を得ることができる。また、本実施形態のような用途において、固化用の熱可塑性樹脂としてのポリカーボネートの粘度平均分子量は、凡そ18000以上25000以下の範囲が好適である。ポリカーボネートの粘度平均分子量が18000以下では靱性が低下し、25000以上では溶融粘度が高くなる傾向があり、固化(焼結)工程での含浸性が低下する可能性がある。
また、樹脂成形体3には、繊維を混入した熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネートを用いることが考えられる。ここでいう繊維とは、繊維状であれば特に材質は限定されないが、一般的には長さ1mm以下の短繊維状のガラス繊維もしくは炭素繊維もしくはその両方が考えられる。樹脂成形体3の(短)繊維の含有率は特に限定されないが、例えば20%〜40%が好ましい。
図3は、図2の炭素繊維の組紐層8、9を製紐する(組む)成形工程に用いることができる製紐装置12の構成を示している。図3において、製紐装置12は、貫通孔15を有する環状フレーム13を有する。マンドレル14は、環状フレーム13の貫通孔15の軸芯付近に挿通された状態で不図示の手段によって位置決めされる。環状フレーム13は、組紐層8、9の中間体11を構成する組糸18、19を巻装したキャリア16、17を備える。キャリア16、17は、不図示の駆動手段により、パイプ体21の周囲に形成された8の字軌道20上を変位しながら環状フレーム13上を互いに逆方向に周回する。これにより、図2の筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2の組紐層8ないし9が、例えばブレーディング法によって組糸18、19から製紐される。図3において、22は途中まで製紐された炭素繊維強化樹脂成形体2を簡略に図示している。
製紐装置12は環状フレーム13を備えており、環状フレーム13の貫通孔15にマンドレル14が挿通される。環状フレーム13には一方の組糸18を供給するキャリア16と他方の組糸19を供給するキャリア17が配置されている。個々のキャリア16、17にはそれぞれ不図示のボビンが組み込まれており、事前にボビンに中間体である組糸18、19が巻装されている。個々のキャリア16、17は、組糸18、19がマンドレル14へ巻き付けるためのテンションを図示しないバネ力等で発生させる機構を有している。キャリア16、キャリア17は環状フレーム13に形成された8の字軌道20に沿って移動するが、キャリア16、キャリア17の周回方向はお互いに逆である。このキャリア16、17の動作によって、マンドレル14で交差した組糸18、19から組紐層8、9が形成される。なお、図3では、簡略化のため、2つの組糸18、19のみを示しているが、各キャリアからそれぞれに対応する組糸が、マンドレル14へ供給されるのはいうまでもない。また図3ではキャリア16、17の数を36個と想定しているが、所期の鏡筒部品のサイズや形状に応じて、必要な組糸の数に対応する数のキャリア16、17を配置することができる。また、環状フレーム13の一方面には複数のパイプ体21が環状に配置され、そのパイプ体21からマンドレル14へ向けて組糸を供給しながら編組する構成としてもよい。
なお、図2に示したように炭素繊維の組紐層8、9の間に一方向プリプレグシート層10を位置させるには、例えばまず内周側の組紐層9の上で、外周側の組紐層8の端部を少量、組む。そして、そこで一方向プリプレグシート層10の炭素繊維材の先端を挿入する。また、可能であれば、内周側の組紐層9の上に外周側の組紐層8を必要長、組んだ後に、組紐層8、9の間に一方の端部から一方向プリプレグシート層10の炭素繊維材を挿入する手法を取ってもよい。
上記のようにマンドレル14で製紐した筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2は、不図示の加熱手段(ヒータなどなど)を用いて加熱し、また、必要に応じてオートクレーブなどによる加圧などを行い、含浸樹脂の焼結、固化工程を行う。この時、外型のプレスや、金属テープ等の巻き付ける張力により成形圧力を加えることができる。この焼結工程により、中間体11内の炭素繊維と熱可塑性樹脂の含浸度合を進行させ、その後冷却、マンドレル14からの脱芯、端部の切断工程などを経て、上述の組紐構造体を樹脂により含浸固化させた炭素繊維強化樹脂成形体2を製造することができる。なお、本実施形態では、含浸樹脂に熱可塑性樹脂(ポリカーボネート)を用いているため、例えば熱硬化樹脂に対して、焼結工程時間が短く、生産性を向上できる利点がある。なお、炭素繊維強化樹脂成形体2をマンドレル14からスムーズに脱芯できるよう、予め、マンドレル14に離型剤を塗布する、適当な表面処理を施す、などの前処理を行うことが考えられる。この種の表面処理としては、硬質Crメッキやポリテトラフルオロエチレンメッキ、セラミックコーティングなどが考えられる。
図4、図5は、上記のようにして成形(第1の成形工程)した炭素繊維強化樹脂成形体2に樹脂成形体3を接合(第2の成形工程)し、複合樹脂成形体1を製造する様子を示している。
図4は、樹脂成形体3を接合する部位において炭素繊維強化樹脂成形体2の表層の樹脂層7(図1)の少なくとも一部、ないし10%よりも多くの部位、除去し、炭素繊維強化樹脂成形体2に含まれる炭素繊維4を表層に露出させる除去工程の様子を示している。ここでは、砥石を用いた研削ないし研磨によって表層の樹脂層を除去する例を示す。
図4において、炭素繊維強化樹脂成形体2はヤトイ23に装着され、図示しない回転機構によりヤトイを回転させる。この状態で砥石24を後に樹脂成形体が接合される箇所に接触、走査させ、炭素繊維強化樹脂成形体2の表面の樹脂層を削り取ることにより、内部の炭素繊維4を表層に露出させる。このようにして、固化時に形成された炭素繊維強化樹脂成形体2の表層の樹脂層を除去し、内部の炭素繊維4を表層に露出させることができ、炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3の接合強度を高めることができる。
なお、砥石24による研削ないし研磨においては、上述のように樹脂成形体3が接合される接合界面となる部位において、炭素繊維強化樹脂成形体2の表面に、炭素繊維4が長さや面積の比で少なくとも10%以上、露出させる加工を行う。また、同時に、この炭素繊維4の露出は、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維体積含有率以下(VF以下)となるよう制限するのが望ましい。炭素繊維を露出させた長さや面積の比を確認するには、上記の砥石24により研削ないし研磨した面を必要であれば顕微鏡などを用いて観察することにより確認できる。
なお、図4では、炭素繊維強化樹脂成形体2に含まれる炭素繊維4を表層に露出させる除去工程として、砥石を用いる方法を記したが、この除去工程の手法は砥石による研削や研磨に限定されるものではない。例えば、砥石以外の切削工具を用いても構わないし、有機溶剤により、炭素繊維強化樹脂成形体2の表面の極薄い樹脂層を溶解除去する方法を用いても構わない。また、レーザーを用いて、表面の極薄い樹脂層を焼き飛ばす手法を用いても構わない。あるいは、研磨材の粉体を用いてブラスト加工を行うことで、表面の極薄い樹脂層を除去しても構わない。その場合、研磨材の粉体にはドライアイス等の室温消滅する材を用いると、完成した複合樹脂成形体1に不純物などが付着、残留するのを防止できる。
炭素繊維強化樹脂成形体2の表層を除去して炭素繊維を露出させた接合界面に樹脂成形体3を接合するには、接着などの手法の他、図5(a)〜(d)に示すようなインサート成形の手法を用いることができる。図5(a)〜(d)において、インサート成形用金型25は、固定型26および可動型27を備え、これらの型の間には、樹脂成形体3を成形するためのキャビティ28が形成されている。
本実施形態では、まず、図5(a)に示すように炭素繊維強化樹脂成形体2をインサート成形用金型25の可動型27のキャビティ28にインサートする。その後、図5(b)のようにインサート成形用金型25の固定型26と可動型27を型締めする。図5(c)に示すようにキャビティ28に不図示の射出成形機のスクリューにより溶融樹脂をインサート成形用金型25のスプール、ランナー、ゲートを介して充填する。このようにして、インサート成形の手法によって、炭素繊維強化樹脂成形体2に樹脂成形体3を接合することができる。上記のように、本実施形態では、樹脂成形体3の接合界面部において、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維が表層に露出するよう樹脂層を除去するため、インサート成形された樹脂成形体3は極めて強固に炭素繊維強化樹脂成形体2と接合される。
<実施例>
以下、図1〜図5、図6を参照して、本実施形態の複合樹脂成形体1の、より具体的なの実施例につき、説明する。本実施例では、炭素繊維強化樹脂成形体2は、図2に示すように、組紐層8、一方向プリプレグシート層10、組紐層9の3層構造とした。炭素繊維強化樹脂成形体2を製紐する中間体11には、開繊された炭素繊維シート材に熱可塑性樹脂の粉末を静電付着させ、それを加熱することで作成されるプリプレグシートをテープ状にカットしたものを用いた。一方向プリプレグシート層10は、シート材を3層目の組紐層8を編組する前に予め組紐層9に巻き付けておき、組紐層8を編組しながら、組紐層8、9の層間に配置した。
中間体11、一方向プリプレグシート層10に用いるシートの炭素繊維体積含有率(VF)は共に50%とした。また、両者とも含浸樹脂には粘度平均分子量が20000のポリカーボネートを用いた。また、中間体11の100%含浸時の理論厚みは例えば0.115mmとし、組紐層8、9を形成した時の中間体11の半含浸状態の密度は50%〜60%となるように設定した。組紐層8の組角は30°、組紐層9の組角は60°とし、一方向プリプレグシート層10の炭素繊維の繊維方向は、炭素繊維強化樹脂成形体2の円筒軸と平行に配向させた。
図3に示した製紐装置12を用いて、筒状の炭素繊維強化樹脂成形体2をブレーディングし、マンドレル14に巻き付いた状態で編組した炭素繊維強化樹脂成形体2を不図示の加熱手段を用いて加熱した。また、加熱した炭素繊維強化樹脂成形体2には金属テープを巻き付け、その張力により圧力を加えることで、中間体11内の炭素繊維と熱可塑性樹脂の含浸度合を進行させる。その後、冷却、マンドレル14からの脱芯、端部カットの工程を経て、固化済みの炭素繊維強化樹脂成形体2を製造した(第1の成形工程)。
なお、図3に示した製紐装置12では、離型処理としてポリテトラフルオロエチレンメッキを施した径はΦ69mmのマンドレルを用い、固化後に得られた炭素繊維強化樹脂成形体2の理論厚みは0.575mmであった。
そして、固化後に得られた炭素繊維強化樹脂成形体2を図4に示したように、ヤトイ23にセットし、図示しない回転機構によりヤトイを回転させ、炭素繊維強化樹脂成形体2を回転駆動した。この状態で砥石24を接触、走査させ、固化時に炭素繊維強化樹脂成形体2の表層に形成された樹脂層を除去し、炭素繊維強化樹脂成形体2に含まれる炭素繊維を表層に露出させた(除去工程)。
本実施例では、この除去工程での炭素繊維の露出の表面積の比率は、後述の表1に示すように、作成例1、2の通り、10%、50%のものを作成した。また、比較のために作成例3のように炭素繊維を露出させる工程を省いたものも作成した。なお、炭素繊維4の露出の面積比を10%にする際は砥石の番手は2000番、50%にする際は砥石の番手は320番を用いた。炭素繊維の露出度合の面積比は、炭素繊維強化樹脂成形体2の表面の樹脂層を除去した後、顕微鏡等を用いて観察することにより確認した。
その後、インサート成形により、鏡筒の支持部材などとして用いる樹脂成形体3を表層を除去した炭素繊維強化樹脂成形体2の接合面に接合した(第2の成形工程)。この接合工程では、図5に示すように、炭素繊維強化樹脂成形体2をインサート成形用金型25の可動型27のキャビティ28にインサート(収容)し、インサート成形用金型25の固定型26と可動型27を型締めする。そして、キャビティ28に不図示の射出成形機のスクリューで溶融樹脂をインサート成形用金型25のスプール、ランナー、ゲートを介して充填し、樹脂成形体3を成形、接合し、複合樹脂成形体1を得た。炭素繊維強化樹脂成形体2の表面の少なくともその後に樹脂成形体3が接合される箇所は上記のように、内部の炭素繊維が露出するよう加工済みである。これらの工程は、作成例1〜3の各々の複合樹脂成形体1に対して同様に行った。
その後、作成例1〜3の各々の複合樹脂成形体1を短冊状に切り、炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3とにせん断力がかかる方向に引張せん断試験を実施した。その結果を下表1に示す。なお、この引張せん断試験を実施した個数は作成例1〜3についてそれぞれ5個とし、表1の結果の数値はその平均値である。また、表1では、砥石24により炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維を露出させた工程の後の炭素繊維強化樹脂成形体2の表面粗さも併せて記載している。
上記の表1に示すように、炭素繊維強化樹脂成形体2の表層の樹脂層を除去する除去工程を省略した作成例3に対して、作成例1、2のように炭素繊維強化樹脂成形体2の表層の樹脂層を除去し炭素繊維を露出させた方が接合強度が大きくなることが判った。また、表1の表面粗さと引張せん断に相間がみられないことから、表面のアンカー効果による接合強度向上ではなく、炭素繊維の露出そのものによる接合強度の向上効果が大きいことも確認された。
図6(a)、(b)は、それぞれ作成例1(10%露出)および作成例3(表層除去なし)で得られた複合樹脂成形体1の炭素繊維強化樹脂成形体2と樹脂成形体3の接合界面の断面を示している。この切断面は、炭素繊維強化樹脂成形体2の炭素繊維と直交する方向の断面に相当する。図6(a)、(b)において、29は、炭素繊維強化樹脂成形体2の側の炭素繊維4と樹脂層7の境界に相当する。また、5は、インサート成形された樹脂成形体3の界面部に相当する。
図6(a)、(b)において、29、5のような接合界面部において炭素繊維4の存在する、比率は、例えば表面積比は、界面29と接合界面5とが重なっている長さを接合界面長さで割った数値に100を掛けた結果から得られる比率で評価することができる。写真より作成例1(図6(a))の接合長さに対する炭素繊維の露出比率は10.4%であることが確認された。そのため、接合面における面積比も10.4%と想定される。また、作成例3(図6(b))の接合長さに対する炭素繊維の露出比率は4.8%であり、面積比も4.8%は想定された。
以上のように、上記実施例では、炭素繊維強化樹脂成形体の表層の樹脂層を除去し、例えば長さや面積の比率で10%、露出させた炭素繊維を介してインサート成形により樹脂成形体3を接合する。このような複合樹脂成形体の製造方法、ないし構造によって接合強度に優れた樹脂部品が得られることが確認された。
1…複合樹脂成形体、2…炭素繊維強化樹脂成形体、3…樹脂成形体、4…炭素繊維、5…接合界面、6…含浸樹脂、7…樹脂層、8…組紐層、9…組紐層、10…一方向プリプレグシート層、11…中間体、12…製紐装置、13…環状フレーム、14…マンドレル、23…ヤトイ、24…砥石、25…インサート成形用金型。

Claims (15)

  1. 炭素繊維強化樹脂成形体と、炭素繊維強化樹脂成形体に接合された樹脂成形体と、を備えた樹脂部品であって、
    炭素繊維強化樹脂成形体の、前記樹脂成形体との接合界面部において、前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維と、前記樹脂成形体と、が接合されている樹脂部品。
  2. 請求項1に記載の樹脂部品において、前記炭素繊維強化樹脂成形体と前記樹脂成形体の接合界面部の断面の少なくとも10%以上の領域で、前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維と、前記樹脂成形体と、が接合されている樹脂部品。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂部品において、前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維が前記炭素繊維強化樹脂成形体の一端から他端まで連続した連続繊維である樹脂部品。
  4. 請求項3に記載の樹脂部品において、前記連続繊維が筒状の組紐構造体に製紐されている樹脂部品。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の樹脂部品において、前記炭素繊維強化樹脂成形体、および前記樹脂成形体に含まれる樹脂が熱可塑性樹脂である樹脂部品。
  6. 請求項5に記載の樹脂部品において、前記炭素繊維強化樹脂成形体、および前記樹脂成形体に含まれる樹脂がポリカーボネートである樹脂部品。
  7. 請求項5または6に記載の樹脂部品において、前記樹脂成形体に含まれるポリカーボネートが短繊維を含有する樹脂部品。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の樹脂部品を構成部材として含む鏡筒部品。
  9. 請求項8に記載の鏡筒部品を備えたことを特徴とする光学機器。
  10. 請求項9に記載の光学機器において、前記鏡筒部品は着脱可能であることを特徴とする光学機器。
  11. 請求項9または10に記載の光学機器において、前記鏡筒部品が光学素子を保持または調整する鏡筒の躯体部を構成する光学機器。
  12. 炭素繊維強化樹脂成形体と、炭素繊維強化樹脂成形体に接合された樹脂成形体と、を備えた樹脂部品の製造方法において、
    炭素繊維強化樹脂成形体を成形する第1の成形工程と、
    成形された炭素繊維強化樹脂成形体の表層の少なくとも一部の樹脂層を除去し、前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維を前記炭素繊維強化樹脂成形体の表面に露出させる除去工程と、
    前記炭素繊維強化樹脂成形体を金型に収容し、樹脂材料を射出成形し、前記樹脂成形体をインサート成形し、前記除去工程で前記炭素繊維強化樹脂成形体の表面に露出させた炭素繊維と接合する第2の成形工程と、を含む樹脂部品の製造方法。
  13. 請求項12に記載の樹脂部品の製造方法において、前記除去工程では、前記第2の成形工程で前記樹脂成形体が接合される前記炭素繊維強化樹脂成形体の接合界面部において、表面積比で前記接合界面部の少なくとも10%以上、前記炭素繊維強化樹脂成形体の表層の樹脂層を除去して前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維を前記炭素繊維強化樹脂成形体の表面に露出させる樹脂部品の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の樹脂部品の製造方法において、前記第2の成形工程において、前記炭素繊維強化樹脂成形体と前記樹脂成形体の接合界面部の断面の少なくとも10%以上の領域で、前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維と、前記樹脂成形体と、が接合されるよう、前記樹脂成形体をインサート成形する樹脂部品の製造方法。
  15. 請求項12から14のいずれか1項に記載の樹脂部品の製造方法において、前記除去工程では、前記第2の成形工程で前記樹脂成形体が接合される前記炭素繊維強化樹脂成形体の接合界面部において、表面積比で前記炭素繊維強化樹脂成形体の炭素繊維体積含有率以下の範囲で、前記炭素繊維強化樹脂成形体の表層の樹脂層を除去して前記炭素繊維強化樹脂成形体に含まれる炭素繊維を前記炭素繊維強化樹脂成形体の表面に露出させる樹脂部品の製造方法。
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