JP5655386B2 - 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、連続強化繊維に熱可塑性樹脂が含浸された繊維強化プラスチックの成形体を好適に製造することができる繊維強化プラスチック成形体の製造方法に関する。
従来から、炭素、ガラスなどの強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化プラスチックは、金属材料に比べて軽量であり、単なる樹脂材料よりも機械的強度が高いため、様々な産業で利用され、例えば、自動車などの車両部品にも幅広く適用されている。
例えば、繊維強化プラスチックの強化繊維に連続強化繊維を用いて、この連続強化繊維を一方向に引き揃えた場合には、繊維長方向の強度に比べて、これに対する垂直方向の強度は、低下してしまう。従って、このような点を考慮して、成形前の段階で、連続強化繊維を多軸に積層したり、連続強化繊維を織物状にしたり、又は、連続強化繊維を編組体に編み上げたりすることにより、繊維強化プラスチックの機械的強度を等方にしようとされている。
例えば、強化繊維をブレイディング法により、繊維強化プラスチック成形体を製造する方法として、図4に示すように、ブレイディング法により円柱状のマンドレル80に、軸方向Lに傾斜させて多軸に複数の連続強化繊維91,91…を巻き付けて(図4(a)参照)、筒状に編み上げた強化繊維編組体93を成形し(図4(b)参照)、強化繊維編組体93を所望の形状の賦形体95に加圧成形(賦形)し(図4(c)参照)、賦形体95を成形型97に入れ、注入成形法により、注入装置98から樹脂を射出して、連続強化繊維91に樹脂を含浸させる(図4(d)参照)、繊維強化プラスチック成形体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の態様としては、連続強化繊維に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグを、マンドレルに巻きつけ後、巻き付けたプリプレグを加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた繊維強化プラスチック筒状体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−107408号公報 特開2009−090514号公報
しかしながら、特許文献1に示す製造方法で、繊維強化プラスチック成形体を製造した場合には、賦形後の含浸工程において、連続強化繊維に充分に樹脂を含浸することができない場合があった。特に、賦形体の肉厚の増加、熱可塑性樹脂の使用に伴いこのような傾向は顕著であった。
この点を鑑みると、特許文献2に示すように、熱可塑性樹脂よりも粘度が一般的に低いとされる未硬化の熱硬化性樹脂を連続強化繊維に含浸したプリプレグを用いた場合には、このような点は解消されると考えられる。
しかしながら、熱硬化性樹脂のプリプレグを用いた場合には、円筒状の成形体を製造することは容易であるが、求められる成形体の形状が複雑な形状である場合には、硬化前の熱硬化性樹脂の状態の筒状の編組体を所望の成形体の形状に賦形し、その後、熱硬化性樹脂を硬化させることになる。この場合、未硬化の熱硬化性樹脂の編組体の形状を保ちつつ、編組体をマンドレルから取り出すことは容易ではなく、不安定な形状の編組体を、さらに所望の成形体の形状に賦形することはきわめて困難である。
本発明は、前記課題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形された成形体の連続強化繊維に均一に熱可塑性樹脂を含浸することができる成形体を容易に製造することができる繊維強化プラスチック成形体の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と連続強化繊維を含むプリプレグから編組体を編み上げる工程と、該編組体の熱可塑性樹脂が溶融するように、前記編組体を加熱しながら、前記編組体を所定の形状に成形する加熱成形工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、熱可塑性樹脂と連続強化繊維を含むプリプレグから編み上げられた編組体を、加熱成形することにより、成形された成形体の連続強化繊維に均一に熱可塑性樹脂を含浸することができる。
前記編組体は、熱可塑性樹脂と連続強化繊維とが均一分散するように編み上げられることが好ましい。ここで、編組体を編み上げる工程において、芯材を用いずに、熱可塑性樹脂と連続強化繊維とを含むプリプレグから編組体を編み上げ、加熱成形工程において、編組体を加熱ロール間で加圧成形し、平板状の繊維強化プラスチック成形体としてもよい。また、加熱成形工程において、編組体をプレス成形し、所望の形状の繊維強化プラスチック成形体としてもよい。
また、芯材を用いる場合、前記編組体を編み上げる工程において、前記プリプレグをブレイディング法により芯材の表面に巻き付けて、前記芯材の表面に前記編組体を編み上げることがより好ましい。
本発明によれば、ブレイディング法により、芯材の表面にプリプレグを巻き付けるので、芯材の表面を覆うように連続強化繊維が交差した編組体を得ることができる。そして、加熱成形工程において、編組体を加熱して、編組体に含まれる熱可塑性樹脂を溶融することにより、プリプレグに含まれる熱可塑性樹脂を一体化させ、連続強化繊維に熱可塑性樹脂が均一に含浸された成形体を得ることができる。
また、ブレイディング法により編組体を編み上げるので、得られた成形体の機械的強度を等方にすることができ、より容易にかつ材料の無駄のない状態で、芯材の形状に応じた形状の繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。さらに、ブレイディング時のプリプレグの本数や組角度を適宜調整することにより、異なった機械的特性を備えた繊維強化プラスチック成形体を容易に得ることができる。
このような繊維強化プラスチック成形体は、芯材を残し、この芯材と共にホットプレスにより加熱成形してもよく、芯材と共に一対の加熱ロール間において加熱成形してもよい。芯材を取り除いた編組体のみを加熱成形してもよい。芯材を残して加熱成形を行う場合には、前記加熱成形工程において、前記編組体の熱可塑性樹脂が、前記芯材表面に溶着するように加熱しながら、前記編組体と共に芯材を一体的に加熱成形することが好ましい。
本発明によれば、加熱成形工程において、芯材表面に前記編組体の熱可塑性樹脂を溶着させながら、編組体と共に芯材を成形することができるので、芯材と編組体とを接合することができる。
ここで、発泡材料からなる芯材であれば、得られた繊維強化プラスチック成形体のさらなる軽量化を図ることができ、さらには、発泡材料の気孔に樹脂が含浸されるので、芯材と編組体の接合性を高めることができる。なお、成形体の使用時に、他の部分に比べて大きな応力が作用し易い成形体の表層には、編組体から得られた繊維強化プラスチックが配置されるので、たとえ発泡材料からなる芯材を用いたとしても、得られた成形体の機械的強度を充分確保することができる。
このような芯材としては、例えば、金属製の芯材、樹脂製の芯材等を挙げることができ、繊維強化プラスチック成形体の成形性、機械的強度を確保することができるのであれば、特にその材料は、限定されるものではない。
しかしながら、より好ましくは、前記繊維強化プラスチック成形体の製造方法において、前記芯材に、前記プリプレグの熱可塑性樹脂と同じ熱可塑性樹脂を用い、前記加熱成形工程において、前記編組体の熱可塑性樹脂とともに、前記芯材の少なくとも表層の熱可塑性樹脂が溶融するように、前記芯材及び前記編組体を加熱する。
本発明によれば、芯材にプリプレグの熱可塑性樹脂と同じ熱可塑性樹脂を用いることにより、芯材と編組体との樹脂は馴染みやすくなる。加熱成形工程において、編組体に覆われた芯材の表面をも溶融するので、さらに、両者の接合性を高めることができる。
ここで、本発明にいう「同じ熱可塑性樹脂」とは、その組成が完全に同一の樹脂ばかりでなく、主材となる熱可塑性樹脂が同じ樹脂をも含むものである。例えば、プリプレグに含まれる熱可塑性樹脂が、ナイロン系樹脂である場合には、芯材を構成する熱可塑性樹脂も同種のナイロン系樹脂を用いることを意味する。
さらに、この芯材の形状は、ブレイディング法により均一にプリプレグを巻き付けることができるのであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましくは、本発明に係る繊維強化プラスチック成形体の製造方法において、前記芯材は、長尺状の芯材であり、該芯材の長手方向の断面は、異なる形状の異形断面となっている芯材を用いることがより好ましい。
これまで、このような形状の繊維強化プラスチック成形体を製造する場合には、上述した特許文献1及び2の方法では、編組体をマンドレルから取り出すことができないので、連続強化繊維を多軸に積層したプリプレグや、織物状の連続強化繊維を積層したプリプレグ用いて成形体を製造していた。しかしながら、本発明によれば、長手方向に異形断面を有する芯材を用いて、上述した方法により製造することで、異形断面を有する成形体を容易に製造することができる。
また、これまでの連続強化繊維を多軸に積層したプリプレグや、織物状の連続強化繊維を積層したプリプレグを用いた場合には、成形体に合わせた連続強化繊維を準備してプリプレグを製作することは難しく、加熱成形された成形体のうち不要な部分を切除して、成形品としていた。しかしながら、本発明の場合には、成形体に合わせた芯材を準備し、この芯材に編組体が覆われるので、不要な部分を切除する必要がない。これにより、余分な廃材が発生することなく、これまでに比べて低廉に繊維強化プラスチック成形体を製造することができる。
さらに、上述した方法では、成形時に芯材を残して成形体を製造したが、芯材を取り除いてもよい。この場合、より好ましい態様は、前記編組体に編み上げる工程後、加熱成形工程前に、前記編組体から前記芯材を取り除き、前記加熱成形工程において、前記編組体を加熱成形する。
本発明によれば、編組体から芯材を取り除いて、編組体のみを加熱成形するので、得られた繊維強化プラスチック成形体の連続強化繊維の密度は、これまでのものに比べて高く、より強度の高い繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。なお、この製造方法により使用される芯材は、長手方向の断面が同一形状の芯材であることがより好ましい。これにより、長手方向に沿って編組体から芯材を容易に引き抜くことができる。
また、上述したプリプレグの連続強化繊維は、少なくとも繊維強化プラスチックとして強度を確保することができる程度、熱可塑性樹脂は、少なくとも連続強化繊維のマトリクス樹脂として作用する程度に含まれていることが好ましい。
または、プリプレグは、熱可塑性樹脂と連続強化繊維を含む帯状、紐状、又は糸状のプリプレグなどを挙げることができ、プリプレグの連続強化繊維は、プリプレグの長手方向に沿って引き揃えられているものが好ましく、ブレイディング法により芯材に巻きつけることができる程度の可撓性を有するものであれば、これらのプリプレグは特に限定されるものではない。
しかしながら、より好ましくは、前記プリプレグは、連続強化繊維束を開繊した連続強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸したプリプレグ、または、連続強化繊維と熱可塑性樹脂からなる連続樹脂繊維を束状にしたプリプレグである。
このように構成されたプリプレグは、これまでの引き抜き成形したプリプレグなどに比べて、可撓性が優れているため、例えば、ブレイディング法により、好適に芯材にプリプレグを巻き付けることができる。
本発明によれば、成形された成形体の連続強化繊維に均一に熱可塑性樹脂を含浸することができる。
第一の実施形態に係る繊維強化プラスチック成形方法を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、プリプレグから編組体を編み上げる状態を示した図、(b)は、編み上げ工程に用いるプリプレグの図、(c)は、編み上げ工程後の編組体と芯材の関係を示した図、(d)は、加熱成形工程の繊維強化プラスチックを示した図。 第二の実施形態に係る繊維強化プラスチック成形方法を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、プリプレグから編組体を編み上げる状態を示した図、(b)は、編み上げ工程後の編組体と芯材の関係を示した図、(c)は、加熱成形後の繊維強化プラスチック成形体を示した図。 第三の実施形態に係る繊維強化プラスチック成形方法を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、プリプレグから編組体を編み上げる状態を説明するための図、(b)は、編み上げ工程後の編組体から芯材を取り除いた状態を示した図、(c)は、加熱成形後の繊維強化プラスチック成形体を示した図。 従来の繊維強化プラスチック成形方法を説明するための図であり、(a)は、連続強化繊維からなる編組体を編み上げる状態を示した模式的斜視図、(b)は、連続強化繊維からなる編組体を示した模式的斜視図、(c)編組体の賦形状態を示した模式的斜視図、(d)は、編組体に樹脂を含浸させて、繊維強化プラスチック成形体に射出成形する工程を説明するための図。
以下に、図面に基づき、本発明に係る3つの実施形態を説明する。図1は、第一の実施形態に係る繊維強化プラスチック成形方法を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、プリプレグから編組体を編み上げる状態を示した図、(b)は、編み上げ工程に用いるプリプレグの図、(c)は、編み上げ工程後の編組体と芯材の関係を示した図、(d)は、加熱成形工程の繊維強化プラスチックを示した図である。
まず、三次元ブレイダ(ロータ・キャリア方式三次元織物織機)などのブレイダを用いて、平板状の芯材2Aの表面2aに編組体4Aを成形する。具体的には、ブレイディング法により、熱可塑性樹脂と連続強化繊維を含む複数の紐状のプリプレグ3,3…を、軸方向Lに対して所定の角度で芯材2Aの表面2aに巻き付けて、長尺状の芯材2Aの表面2aに編組体4Aを編み上げる。
図1(a)は、その一例であり、機械に装着された芯材2Aを軸方向Lに移動させながら、芯材2Aに対して、複数のプリプレグ3,3…を芯材2Aの軸方向Lに沿った表面2aの周りから、交互に網目状に巻きつけて、プリプレグ3を芯材2Aの表面2Aに編み込む。
ここで、紐状のプリプレグ3は、図1(b)に示すように、連続強化繊維3aと熱可塑性樹脂からなる連続した樹脂繊維3bとが、均質に混合された連続的な混合紡糸である。しかしながらブレイディング法により芯材2Aに巻きつけることができる程度の可撓性を有するものであれば、これらのプリプレグの構造は特に限定されるものではなく、糸状、紐状、テープ状(フィルム状)のものが挙げられる。また、長手方向に沿って(一方向に)引き揃えられた(配向した)複数の連続強化繊維に、熱可塑性樹脂からなるマトリクス樹脂が含浸された紐状体であってもよく、連続強化繊維束を開繊した連続強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸した幅狭のテープであってもよい。
連続強化繊維3aは、繊維強化プラスチックの機械的強度を強化するための樹脂強化用の連続した繊維であり、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、スチール繊維、PBO繊維、有機繊維、又は高強度ポリエチレン繊維、天然繊維、金属繊維などの繊維を挙げることができ、長手方向に連続していれば、糸状の繊維はかりでなく、布状繊維であってもよい。但し、安定した材料特性を得るために、より好ましくは、連続した繊維を一方向に引き揃えた(配向した)連続強化繊維である。
プリプレグを構成する熱可塑性樹脂としては、連続強化繊維3aに含浸でき、繊維に対するマトリクス樹脂として機能するものであればよく、例えば、ナイロン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はアクリル系樹脂、ABS系樹脂等を挙げることができる。
さらに、芯材2Aは、プリプレグ3の熱可塑性樹脂と同じ熱可塑性樹脂からなる。また、芯材2Aは得ようとする成形体(本実施形態の場合、L字状の成形体)に応じた形状となっており、本実施形態の場合には、軸方向の断面形状が等しい矩形状の長尺材を用いている。
このようにして、図1(c)に示すように、多数のプリプレグ3,3…が編成された多軸三次元組紐体(多軸組織の編組体)4Aを得ることができる。ここで、多軸三次元組紐体(多軸組織の編組体)とは、異なる複数(多数)の方向に配列されたプリプレグが相互に交差しかつ結合されてなる編組体のことである。
なお、多軸組織として、2軸組織とするか3軸組織とするか、あるいは組角度±θをどのような角度とするかを適宜選択することにより、所望の強度を備えた編組体4Aを得ることができる。また、軸方向に往復した編み込みを行うことにより、多層構造の編組体を得ることもできる。
このようにして得られた編組体4Aを、ホットプレス装置内に配置し、編組体4Aの熱可塑性樹脂とともに、芯材2Aの少なくとも表層の熱可塑性樹脂が溶融して、これらが相互に溶着するように、編組体4Aと共に芯材2Aを加熱する。そして、この加熱状態で、プレスにより、芯材2A及び編組体4Aを断面コの字状に成形し、繊維強化プラスチック成形体10Aを得ることができる。
このようにして、芯材2Aにプリプレグ3の熱可塑性樹脂と同じ熱可塑性樹脂を用いることにより、芯材2Aと編組体4Aとの樹脂は馴染み易くなる。そして、加熱成形工程において、編組体4Aに覆われた芯材2Aの表面をも溶融するので、さらに、両者の接合性を高めることができる。このようにして、芯材2Aと編組体4Aとを一体化させ、図1(d)に示すように、連続強化繊維に熱可塑性樹脂が含浸された成形体10Aを得ることができる。
また、ブレイディング法により編組体4Aを編み上げるので、得られた成形体10Aの機械的強度の等方性を確保することができ、より容易にかつ材料の無駄のない状態で、芯材の形状に応じた成形体10Aを得ることができる。
図2は、第二の実施形態に係る繊維強化プラスチック成形方法を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、プリプレグから編組体を編み上げる状態を示した図、(b)は、編み上げ工程後の編組体と芯材の関係を示した図、(c)は、加熱成形後の繊維強化プラスチック成形体を示した図である。
なお、第二の実施形態が、第一の実施形態と相違する点は、芯材の形状のみである。従って、第一実施形態と同じ構成には同じ符号を付して、その以下の詳細な説明は省略する。
図2(a)に示すように、本実施形態に係る芯材2Bは、熱可塑性樹脂からなる長尺状の芯材であり、芯材2Bの軸方向の断面は、異なる形状の異形断面となっている。より具体的には、芯材2Bは、軸方向(長手方向)Lの中央の幅方向において、台形状に張り出した張り出し部2bが形成されており、この張り出し部2bが、成形時には成形体のリブを構成することになる。
このような芯材2Bを用いて、図2(a)に示すように、ブレイディング法により、芯材2Bの表面2aにプリプレグ3を巻き付けて、図2(b)に示すように、芯材2Bの表面2aに編組体4Bを編み上げる。次に、編組体4Bと芯材2Bの少なくとも表層にある熱可塑性樹脂が溶融するように、芯材2Bと編組体4Bを加熱しながら、これらを、図2(c)に示す形状にホットプレスにより一体成形し、繊維強化プラスチック成形体10Bを得ることができる。
これまで、このような形状の繊維強化プラスチック成形体10Bを製造する場合には、連続強化繊維を多軸に積層したプリプレグや、織物状の連続強化繊維を積層したプリプレグ用いて、ホットプレスにより成形することで製造していた。しかしながら、本実施形態の如く成形すれば、軸方向に異形断面を有する成形体を容易に製造することができる。
また、これまでの連続強化繊維を多軸に積層したプリプレグや、織物状の連続強化繊維を積層したプリプレグを用いた場合には、成形体の形状に合わせた連続強化繊維を準備してプリプレグを製作することは難しく、積層時に位置ずれが生じることもあり、さらには、ホットプレスにより成形された成形体のうち不要な部分を切除して、成形品としていた。
しかしながら、本実施形態では、繊維強化プラスチック成形体10Bに合わせた芯材2Bを準備し、この芯材2Bに編組体4Bが覆われるので、不要な部分を切除する必要がない。これにより、余分な廃材が発生することなく、これまでに比べてより安価に繊維強化プラスチック成形体10Bを製造することができる。
図3は、第三の実施形態に係る繊維強化プラスチック成形方法を説明するための模式的斜視図であり、(a)は、プリプレグから編組体を編み上げる状態を説明するための図、(b)は、編み上げ工程後の編組体から芯材を取り除いた状態を示した図、(c)は、加熱成形後の繊維強化プラスチック成形体を示した図である。
なお、第三の実施形態が、第一の実施形態と相違する点は、加熱成形前に芯材を編組体から取り除いた点である。従って、第一実施形態と同じ構成には同じ符号を付して、その以下の詳細な説明は省略する。
まず、第一実施形態と同様に、図3(a)に示すように、ブレイディング法により、芯材2Aの表面2aにプリプレグ3を巻き付けて、芯材2Aの表面2aに編組体4Aを編み上げる。次に、図3(b)に示すように、芯材2Aを軸方向Lに沿って編組体4Aを移動させ、編組体4Aから芯材2Aを取り除く。次に、編組体4Aの熱可塑性樹脂が溶融するように、編組体4Aを加熱しながら、図3(c)に示す形状にホットプレスにより成形し、軸個方向の断面がL字状の繊維強化プラスチック成形体10Cを得ることができる。
このように、編組体4Aから芯材2Aを取り除いて、編組体4Aのみを加熱成形するので、得られた繊維強化プラスチック成形体10Cの連続強化繊維の密度は、これまでのものに比べて高く、より強度の高い繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
例えば、第一から第三の実施形態では、芯材を用いて編組体を編み上げたが、芯材を用いることなくプリプレグから編組体を編み上げて、これを加熱成形してもよい。また、平板状またはシート状の繊維強化プラスチック成形体を製造する場合、一対の加熱ロール間に、編み上げた編組体を挟圧させながら、加熱成形してもよい。
また、第一実施形態及び第三実施形態では、板状の芯材を用いたが、芯材の形状はこの形状に限定されるものではなく、例えば、円柱状の芯材を用いてもよく、必要とされる成形体の形状に合わせた芯材を用いればよい。
また、第三実施形態では、引き抜きにより芯材を取り除いたが、芯材を削りとることにより取り除いてもよく、芯材を取り除くことができるのであれば、その方法は特に限定されるものではない。
1A,1B、1C:繊維強化プラスチック成形体(成形体)、2A,2B:芯材、3:プリプレグ、3a:連続強化繊維、3b:樹脂繊維、4A,4B:編組体、L:軸方向(長手方向)

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂と連続強化繊維とを含むプリプレグから編組体を編み上げる工程と、
    該編組体の熱可塑性樹脂が溶融するように、前記編組体を加熱しながら、前記編組体を所定の形状に成形する加熱成形工程と、を少なくとも含む維強化プラスチック成形体の製造方法であって、
    前記編組体を編み上げる工程において、前記プリプレグの熱可塑性樹脂と同じ熱可塑性樹脂からなる長尺状の芯材であって、該芯材の長手方向と交差する幅方向に張り出した張り出し部を設けることにより、前記芯材の前記幅方向に沿った断面形状が異なる形状を有した芯材を用い、ブレイディング法により前記芯材の表面に前記プリプレグを巻き付けて、前記芯材の表面に前記プリプレグからなる前記編組体を編み上げ、
    前記加熱成形工程において、前記編組体の熱可塑性樹脂および前記芯材の少なくとも表層の熱可塑性樹脂が溶融するように、前記芯材及び前記編組体を加熱しながら、前記編組体と共に前記芯材を一体的に加熱成形することを特徴とする繊維強化プラスチック成形体の製造方法
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