第1の実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る、物品保管装置、物品保管システム及び物品保管方法の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図9は本発明の第1の実施の形態を説明するための図である。
本実施の形態の物品保管装置100は顧客からの預り物等の様々な物品を保管するために用いられる。図1に示すように、物品保管装置100は、利用者が操作を行う操作制御ユニット10と、鍵の管理を行う鍵管理ユニット20と、通帳の管理を行う通帳管理ユニット30と、棒金や紙幣束等の貨幣の管理を行う貨幣管理ユニット40と、耐火性を有する耐火ユニット50と、重要物を管理する重要物管理ユニット60等の複数のユニットを備えている。そして、鍵管理ユニット20、通帳管理ユニット30、貨幣管理ユニット40、耐火ユニット50及び重要物管理ユニット60の各々に収納庫が設けられている。
図2に示すように、鍵管理ユニット20は、複数の鍵の持ち出しや返却を個別に管理する複数(本実施の形態では2つ)の鍵収納庫21を有している。鍵収納庫21は、鍵筐体22と、鍵筐体22に対して開閉自在な鍵扉23と、鍵扉23の鍵筐体22に対する施解錠を行う施解錠部24(図3参照)と、複数の鍵ホルダ26の各々を保持する鍵ホルダ部25(特許請求の範囲の「鍵保管部」に対応する。)とを有している。鍵扉23は、鍵筐体22の前面に対して約90度となるまで開放させた後、鍵筐体22の奥方向へとスライドさせることによって、鍵筐体22の内面と鍵ホルダ部25との間に形成された収納スペース内に収納可能となっている。また、鍵収納庫21は、非常時用ダイヤルロック29を備えている。この非常時用ダイヤルロック29は、故障時や停電時等に、鍵ホルダ部25を手動で解錠する場合に用いられる。
鍵ホルダ部25は、複数の鍵を個別に施解錠する個別施解錠部である。具体的には、鍵ホルダ部25は、鍵が取り付けられた鍵ホルダ26を挿入できるようになっている。そして、このように鍵ホルダ部25に挿入された鍵ホルダ26は、鍵ホルダ部25によって抜き出し不能に施錠される。鍵ホルダ部25は、操作制御ユニット10からの指示に従って、鍵ホルダ26を個別に解錠する。なお、各鍵ホルダ部25の上部には、各鍵ホルダ部25の状態を利用者に報知するためのランプ27が設けられている。具体的には、ランプ27は、鍵ホルダ部25に挿入された鍵ホルダ26が施錠されている場合には消灯され、鍵
ホルダ部25に挿入された鍵ホルダ26が解錠されている場合には緑色に点灯され、鍵ホルダ部25から鍵ホルダ26が抜き出されている場合には赤色に点灯されるようになっている。
また、図1に示すように、通帳管理ユニット30は、通帳を収納する複数(本実施の形態では2つ)の通帳収納庫31を有している。この通帳収納庫31は、通帳筐体32と、通帳筐体32に対して引き出し自在となった通帳引出部33とを有している。また、通帳管理ユニット30は、用途を問わずに用いられ、通帳筐体32に対して開閉自在となった通帳扉39aを含む一般収納庫39も有している。通帳管理ユニット30は、通帳引出部33及び通帳扉39aの通帳筐体32に対する施解錠を行う施解錠部34(図3参照)と、収納されている通帳を計数する通帳精査部35(図3参照)も有している。通帳精査部35は、通帳収納庫31内部に設けられた図示しない反射型センサを用いて通帳を計数する。具体的には、各通帳は、起立した状態で通帳収納庫31の手前側から奥側へ順に並べられている。一方、反射型センサは、通帳が並べられた方向、すなわち、通帳収納庫31の手前側から奥側へと稼働しながら通帳に光を照射するとともにその反射光を受光する。そして、通帳精査部35は、受光された反射光の受光レベルに基づき通帳間の凹凸を検出し、検出した凹凸の数に基づいて通帳の数を決定する。なお、通帳精査部35は、利用者によって通帳収納庫31の通帳引出部33が閉鎖される度に計数処理を実行し、計数結果を収納庫情報として後述する記憶部13(図3参照)に記憶する。また、通帳精査部35は、前回および今回の計数結果を用いて、通帳収納庫31から取り出された通帳数又は通帳収納庫31に収納された通帳数を算出する。例えば、前回の計数結果が「300冊」であり、今回の計数結果が「200冊」である場合、通帳精査部35は、取り出された通帳数「100冊」を算出する。この算出結果も記憶部13に記憶される。なお、通帳収納庫31の通帳引出部33内は、複数の通帳個別収納部(後述する個別収納部101a参照)に区分けされており、各通帳個別収納部で異なる種類の通帳を収納することができるようになっている。上述した通帳精査部35は、各通帳個別収納部に収納された通帳を個別に計数することができるようになっている。
また、図1に示すように、貨幣管理ユニット40は、貨幣を収納する複数(本実施の形態では3つ)の貨幣収納庫41を有している。貨幣収納庫41は、貨幣筐体42と、貨幣筐体42に対して引き出し自在となった貨幣引出部43と、貨幣筐体42に対して開閉自在な貨幣扉49と、貨幣引出部43及び貨幣扉49の貨幣筐体42に対する施解錠を行う施解錠部44(図3参照)とを有している。なお、貨幣収納庫41の貨幣引出部43内は、複数の貨幣個別収納部(後述する個別収納部101a参照)に区分けされている。
また、図1に示すように、耐火ユニット50は、融資書類等の特に重要な物品を収納する複数(本実施の形態では3つ)の耐火収納庫51を有している。耐火収納庫51は、耐火筐体52と、耐火筐体52に対して引き出し自在となった耐火引出部53と、各耐火引出部53の耐火筐体52に対する施解錠を行う施解錠部54(図3参照)とを有している。本実施の形態の耐火収納庫51内は、複数の耐火個別収納部(後述する個別収納部101a参照)に区分けされており、各耐火個別収納部で特に重要な物品を収納することができるようになっている。
また、重要物管理ユニット60は、ファイルや束通帳等の様々な重要物を収納する複数(本実施の形態では4つ)の重要物収納庫61を有している。重要物収納庫61は、重要物筐体62と、重要物筐体62に対して開閉自在な重要物扉63と、重要物扉63の重要物筐体62に対する施解錠を行う施解錠部64(図3参照)とを有している。
上述したように、本実施の形態の物品保管装置100は、鍵収納庫21、通帳収納庫31、貨幣収納庫41、耐火収納庫51、重要物収納庫61等の複数の種類の収納庫を有している。この複数の種類の収納庫のうちの少なくとも一つは複数の個別収納部を有している。本実施の形態では、一例として、通帳収納庫31が複数の通帳個別収納部を有し、貨幣管理ユニット40が複数の貨幣個別収納部を有し、耐火ユニット50の耐火収納庫51が複数の耐火個別収納部を有する態様となっているが、これに限られることはない。
以下では、通帳個別収納部、貨幣個別収納部及び耐火個別収納部の少なくともいずれか1つ以上のものを単に「個別収納部101a」と呼ぶ。また、本実施の形態の鍵収納庫21、通帳収納庫31、貨幣収納庫41、耐火収納庫51、重要物収納庫61の少なくともいずれか1つ以上のものを単に「収納庫101」と呼ぶ。また、実施の形態の鍵筐体22、通帳筐体32、貨幣筐体42、耐火筐体52、重要物筐体62の少なくともいずれか1つ以上のものを単に「筐体102」と呼ぶ。また、鍵収納庫21の施解錠部24、通帳収納庫31の施解錠部34、貨幣収納庫41の施解錠部44、耐火収納庫51の施解錠部54及び重要物収納庫61の施解錠部64の少なくともいずれか1つ以上のものを単に「施解錠部104」と呼ぶ。
本実施の形態の操作制御ユニット10は、図3に示すように、個別収納部101aから物品を取り出す処理期日に基づいて、物品を収納すべき個別収納部101aを指示する指示部5を有している。また、図1に示すように、本実施の形態の各収納庫101には、点灯したり点滅したりするランプ120が設けられている。
本実施の形態の引出部33,43,53内の個別収納部101aは大きさの決まった空間となっていてもよいが(図4参照)、図5に示すようにジャバラ形状となっており、各個別収納部101aの水平方向の大きさを適宜調整できるようになってもよい。より具体的には、通帳個別収納部がジャバラ形状となっており、各通帳個別収納部の水平方向の大きさを適宜調整できるようになってもよいし、貨幣個別収納部がジャバラ形状となっており、各貨幣個別収納部の水平方向の大きさを適宜調整できるようになってもよいし、耐火個別収納部がジャバラ形状となっており、各耐火個別収納部の水平方向の大きさを適宜調整できるようになってもよい。なお、図4及び図5に示すいずれの態様でも、各個別収納部101aに番号等の識別情報が振られており、各個別収納部101aの識別情報を視認できるようになっている。
また、図1に示すように、操作制御ユニット10は、利用者からの操作を受け付けたり各種画面を表示したりするタッチパネル等からなる操作表示部11と、利用者のICカードや磁気カード等の記録媒体に記録された情報を読み取る読取部12と、操作表示部11の上方に利用者の顔を撮影するカメラ等の識別用撮影部16と、を備えている。また、図3に示すように、操作制御ユニット10は、様々な情報を記憶する記憶部13と、物品保管装置100を制御する主制御部15と、音声を発するスピーカー14とを備えている。上述した識別用撮影部16は、利用者の顔画像を様々なタイミングで撮影する。例えば、操作制御ユニット10は、操作制御ユニット10の前面に設けられた読取部12によって利用者を認証した場合に識別用撮影部16を用いて利用者を撮影する。これにより、物品保管装置100は、ログイン時における本人へのなりすましを防止することができる。また、操作制御ユニット10は、各収納庫101の解錠操作が行われた場合や各収納庫101の開閉時等にも利用者の撮影を行ってもよい。
本実施の形態の物品保管装置100は、特許請求の範囲の「収納箇所」に対応する個別収納部101aに物品を収納する際に、指示部5で指示された個別収納部101aに当該物品を収納するための誤収納防止機能を有している。より具体的には、本実施の形態では、収納庫101だけではなく、個別収納部101aの各々が、閉状態において内部の物品の取り出しを制限するためのシャッター、伸縮式の蓋等を有しており、施錠可能となっている。そして、図2に示す鍵ホルダ26に、各個別収納部101aを解錠するための鍵が取り付けられている。そして、鍵ホルダ部25は、指示部5で指示された個別収納部101aを解錠する鍵を保持した鍵ホルダ26のみを取り出し可能とすることで、誤収納防止機能を果たしている。なお、図3に示すように、主制御部15と指示部5が別体になって設けられてもよいが、主制御部15がこの指示部5として機能してもよいし、後述する鍵制御部28がこの指示部5として機能してもよい。
また、本実施の形態では、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が指示部5で指示された個別収納部101aを報知してもよい。また、図4に示すように、各個別収納部101aに対応してランプ110(特許請求の範囲の「報知部」の一種である。)が設けられている態様を採用した場合には、指示部5で指示された個別収納部101aに取り付けられたランプ110が点灯や点滅等してもよい。
また、図6A(a)−(c)に示すように、個別収納部101a内に物品が収納されているかを検知する検知部115(115a,115b,115c)が設けられてもよい。このような検知部115が設けられている場合には、検知部115による検知結果に基づき、物品が取り出されるべき処理期日となったにもかかわらず当該処理期日に対応する個別収納部101aに物品が残っていると判断された場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部でその旨が報知されることとなる。なお、この検知部115は、個別収納部101a内に収納された物品が予定されていた数と同数だけ存在するかについて、検知するようにしてもよい。図示していないが、検知部115は、主制御部15、通帳制御部38、重要物制御部68等の制御部に接続されており、主制御部15、通帳制御部38、重要物制御部68等の制御部から指示を受けたり主制御部15、通帳制御部38、重要物制御部68等の制御部に情報を送信したりする。
一例として、図6A(a)に示すように、検知部115aは、収納庫101を筐体102に対して引き出す際又は収納庫101を筐体102に対して収納する際に、図示しないロータリーエンコーダ等の位置検知部からの情報も用いつつ、処理期日に対応する個別収納部101aに物品が残っているか否かの有無検知を行ったり、個別収納部101a内に収納された物品が予定されていた数と同数だけ存在するかについて検知を行ったりする態様を採用することができる。
また、別の例としては、図6A(b)に示すように、検知部115bが、個別収納部101aに対して水平方向で走査可能となり、個別収納部101aに対して検知部115bが走査することで処理期日に対応する個別収納部101aに物品が残っているか否かの有無検知を行ったり、個別収納部101a内に収納された物品が予定されていた数と同数だけ存在するかについて検知を行ったりする態様を採用することができる。
さらに別の態様としては、図6A(c)に示すように、検知部115cが、重量又は磁気を検知することで処理期日に対応する個別収納部101aに物品が残っているか否かの有無検知を行ったり、個別収納部101a内に収納された物品が予定されていた数と同数だけ存在するかについて検知を行ったりする態様を採用することができる。なお、検知部115cが磁気を検知する場合には、例えば後述する小袋に磁気を発生する部材を取り付け、当該部材が発する磁力を測定することで小袋の数を検知することができる。
また、小袋にICタグを取り付け、検知部115cがICタグからの情報を取得するようになっていてもよい。この態様では、小袋に取り付けられたICタグから検知部115cが情報を取得し、小袋の数だけでなく、当該小袋に対する処理期日等に関する情報も取得することができるようになってもよい。
なお、検知部115a,115bを採用する場合には、シャッターや伸縮式の蓋等に図示しないスリット、穴等が設けられ、スリット、穴等を介して収納庫101内に光等を照射することで、検知部115a,115bが処理期日に対応する個別収納部101aに物品が残っているか否かの有無検知を行ったり、個別収納部101a内に収納された物品が予定されていた数と同数だけ存在するかについて検知を行ったりしてもよい。また、収納庫101の側壁にスリット101s、穴等が設けられ(図6B(a)(b)参照)、スリット101s、穴等を介して収納庫101内に光等を照射することで、検知部115a,115bが処理期日に対応する個別収納部101aに物品が残っているか否かの有無検知を行ったり、個別収納部101a内に収納された物品が予定されていた数と同数だけ存在するかについて検知を行ったりしてもよい。図6B(a)(b)ではスリット101sが個別収納部101aの側壁に設けられている態様となっているが、これに限られることはなく、各個別収納部101aの底面にスリット101s、穴等が設けられてもよい。
また、個別収納部101aが処理期日及び渉外担当者等の担当者毎に割り当てられている場合には、指示部5が、処理期日及び渉外担当者等の担当者に基づいて、物品を収納すべき個別収納部101aを指示する態様も採用することができる。この態様では、個別収納部101aに物品を収納したり当該個別収納部101aから物品を取り出したりするときに、処理期日及び担当者に対応した個別収納部101aを解錠する鍵を保持した鍵ホルダ26のみを鍵ホルダ部25が取り出し可能とする。
図3に示すように、本実施の形態では、主制御部15が操作制御ユニット10に設けられている。また、鍵管理ユニット20は鍵管理ユニット20を制御する鍵制御部28を有し、重要物管理ユニット60は重要物管理ユニット60を制御する重要物制御部68を有し、通帳管理ユニット30は通帳制御部38を有している。そして、主制御部15は、鍵制御部28に接続され、この鍵制御部28を介して重要物制御部68及び通帳制御部38に接続されている。主制御部15は、鍵制御部28、重要物制御部68及び通帳制御部38に情報を与えたりこれらから情報を取得したりするようになっている。また、主制御部15は、読取部12、操作表示部11、スピーカー14、記憶部13、識別用撮影部16、指示部5等にも接続されており、これらに指示を与えたりこれらから情報を取得したりするようになっている。また、主制御部15は、鍵制御部28を介して鍵ホルダ部25及びランプ27にも接続されており、これら鍵ホルダ部25及びランプ27に指示を与えたり鍵ホルダ部25及びランプ27から情報を取得したりするようになっている。また、通帳制御部38は通帳精査部35に接続されており、当該通帳精査部35に指示を与えたり通帳精査部35から情報を取得したりするようになっている。
図3に示すように、本実施の形態では、主制御部15に、貨幣管理ユニット40の施解錠部44が接続され、この施解錠部44に指示を与えたり施解錠部44から情報を取得したりするようになっている。また、主制御部15に、鍵制御部28を介して鍵管理ユニット20の施解錠部24及び通帳管理ユニット30の施解錠部34が接続されており、これら施解錠部24及び施解錠部34に指示を与えたり施解錠部24及び施解錠部34から情報を取得したりするようになっている。さらに、主制御部15は、鍵制御部28及び重要物制御部68を介して重要物管理ユニット60の施解錠部64及び耐火ユニット50の施解錠部54が接続されており、これら施解錠部64及び施解錠部54に指示を与えたり施解錠部64及び施解錠部54から情報を取得したりするようになっている。
《方法》
次に、上述した物品保管装置100を用いた物品保管方法について説明する。
[預り物の保管]
最初に、預り物を保管する際の流れについて、図7を主に用いて説明する。
まず、渉外担当者が、訪問先の顧客から現金、通帳、証書等を預かり、店舗に持ち帰る。そして、渉外担当者が、店舗内の勘定処理担当者に預り物の勘定処理を依頼する。勘定処理担当者は受け取った預り物を処理期日毎に仕分けし、預り証と預り物を小袋に収納する(S1参照)。なお処理期日は一般的には翌日以降の日である。より厳密に言うと、渉外担当者が持ち帰った預り物は例えば渉外担当者別で所定の保管場所に一度保管される。そして、例えばその翌日に保管された預り物が保管場所から取り出され、その日以降に処理される預り物を、勘定処理担当者は処理期日毎に仕分けし、預り証と預り物を小袋に収納する(S1参照)。ちなみに、預り物を処理期日毎に仕分けし、預り証と預り物を小袋に収納する作業を、渉外担当者が行ってもよい。
次に、勘定処理担当者は、操作表示部11から、勘定処理担当者の識別番号、預り証番号、処理期日、預り物の数量等を入力する(S2参照)。なお、必要に応じて、勘定処理担当者は操作表示部11から渉外担当者の識別番号も入力してもよい。ちなみに、勘定処理担当者ではなく、渉外担当者自らが、渉外担当者の識別番号、預り証番号、処理期日、預り物の数量等を入力してもよい(S2参照)。
このような入力を行うと、指示部5から鍵ホルダ部25に指示が出され、鍵ホルダ部25が、当該処理期日に対応する個別収納部101aを解錠するための鍵を保持した鍵ホルダ26を抜き取ることができるようにする(図2及びS3参照)。このように該当する鍵ホルダ26を取り出すことができるようになると、当該鍵ホルダ部25に対応したランプ27が緑色に点灯し、勘定処理担当者が鍵ホルダ26を当該鍵ホルダ部25から抜き取ると、当該ランプ27は赤色に点灯する。なお、個別収納部101aが処理期日及び担当者毎に割り当てられている場合には、処理期日及び担当者に対応した個別収納部101aを解錠する鍵のみを鍵ホルダ部25が取り出し可能とする。
このように当該処理期日に対応する個別収納部101aを解錠するための鍵を保持した鍵ホルダ26を抜き取ると、勘定処理担当者は、施解錠部104によって解錠された収納庫101を開け、当該収納庫101内の該当する個別収納部101aのシャッター等の鍵を開け(S4参照)、この個別収納部101aの中に、預り証と預り物を収納した小袋を収納し(S5参照)、個別収納部101aのシャッター等を閉めて鍵をかける。このように物品を個別収納部101a内に収納する際には、該当する個別収納部101aが分かるように、操作表示部11がイメージを表示してもよいし、スピーカー14が個別収納部101aの場所を音声で示してもよい。なお、図4に示すように、指示部5で指示された個別収納部101aを報知するためのランプ110等の報知部が設けられている場合には、該当する個別収納部101aに対応するランプ110等の報知部が点灯したり点滅したりする。
なお、重量又は磁気を検知することで個別収納部101a内に収納された小袋の数を検知する検知部115cを採用している場合(図6A(c)参照)には、個別収納部101aの中に収納された小袋の数と操作表示部11から入力された預り物の数量とが合致しているかが主制御部15で判断されてもよい。また、収納庫101を筐体102に対して収納する際に個別収納部101a内に収納された小袋の数を検知する検知部115cを採用している場合(図6A(a)参照)には、収納庫101を筐体102に対して収納する際に個別収納部101aの中に収納された小袋の数と操作表示部11から入力された預り物の数量とが合致しているかが主制御部15で判断されてもよい。また、個別収納部101aに対して水平方向で走査することで個別収納部101a内に収納された小袋の数を検知する検知部115bを採用している場合(図6A(b)参照)には、収納庫101を筐体102に収納した後で、検知部115bが個別収納部101aに対して水平方向で走査し、個別収納部101aの中に収納された小袋の数と操作表示部11から入力された預り物の数量とが合致しているかが主制御部15で判断されてもよい。
[預り物の取り出し]
次に、預り物を取り出す際の流れについて、図8を主に用いて説明する。
その日に取り出すべき預り物がある場合には、所定の時間になると、操作表示部11で処理すべき預り物がある旨のアラーム表示がなされたり、スピーカー14からアラーム音が鳴らされたりして報知される(S11参照)。そして、操作表示部11に、処理すべき預り物の一覧が表示される(S11参照)。
次に、指示部5から鍵ホルダ部25に指示が出され、鍵ホルダ部25が、その日に処理すべき預り物が収容された個別収納部101aを解錠するための鍵を保持した鍵ホルダ26を抜き取ることができるようにする(S12参照)。このように該当する鍵ホルダ26を取り出すことができるようになると、当該鍵ホルダ部25に対応したランプ27が緑色に点灯し、勘定処理担当者が鍵ホルダ26を当該鍵ホルダ部25から抜き取ると、当該ランプ27は赤色に点灯する。なお、個別収納部101aが処理期日及び担当者毎に割り当てられている場合には、処理期日及び担当者に対応した個別収納部101aを解錠する鍵のみを鍵ホルダ部25が取り出し可能とする。
このように当該処理期日に対応する個別収納部101aを解錠するための鍵を保持した鍵ホルダ26を抜き取ると、勘定処理担当者は、施解錠部104によって解錠された収納庫101を開け、当該収納庫101内の該当する個別収納部101aのシャッター等の鍵を開け(S13参照)、この個別収納部101aの中から、預り証と預り物を収納した小袋を取り出し(S14参照)、個別収納部101aのシャッター等を閉めて鍵をかける。このように個別収納部101aの中から物品を取り出す際には、該当する個別収納部101aが分かるように、操作表示部11がイメージを表示してもよいし、スピーカー14が個別収納部101aの場所を音声で示してもよい。なお、各個別収納部101aに対応して指示部5で指示された個別収納部101aを報知するためのランプ110等の報知部が設けられている場合には、当該ランプ110等の報知部が点灯したり点滅したりする。
そして、個別収納部101aの中から預り証と預り物を収納した小袋を取り出すと、勘定処理担当者が操作表示部11から、取り出した預り物の数量を入力する。入力された預り物の数量と預かったと記憶部13に記憶されている預り物の数量とが合致すると、上述したアラーム表示やアラーム音が停止される。
なお、個別収納部101a内に物品が収納されているかを検知する検知部115が設けられている態様を採用している場合には、検知部115による検知結果に基づきアラームが出される。つまり、主制御部15、通帳制御部38、重要物制御部68等の制御部が、検知部115による検知結果に基づき小袋が取り出されるべき処理期日となったにもかかわらず当該処理期日に対応する個別収納部101aに小袋が残っていると判断した場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部でその旨が報知される。
勘定処理担当者は、取り出した小袋及び/又は預り物の処理、例えば、顧客から依頼のあった入金や振込等の取引に関する処理を行った後で、預り物を渉外担当者に受け渡し、渉外担当者が顧客に当該預り物を返却することとなる(S15参照)。
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態によって達成される効果であって、まだ述べていない効果又はとりわけ重要な効果について説明する。
本実施の形態では、指示部5が、収納庫101から物品を取り出す処理期日に基づいて、物品を収納すべき個別収納部101aを指示する。そして、物品保管装置100が、個別収納部101aに物品を収納する際に、指示部5で指示された個別収納部101aに当該物品を収納するための誤収納防止機能を有している。より具体的には、本実施の形態では、個別収納部101aに預り物を収納する際に、鍵ホルダ部25が指示部5で指示された個別収納部101aを解錠する鍵を保持した鍵ホルダ26のみを取り出し可能とする。このため、勘定処理担当者等の担当者は、処理期日に対応した個別収納部101aのみを解錠することができる。このため、本実施の形態によれば、処理期日に対応した個別収納部101aに確実に物品を収納することができる。
また、本実施の形態では、個別収納部101aが取り出された鍵ホルダ26が保持する鍵で解錠されることから、個別収納部101aを自動で解錠する施解錠部等の電子機器を駆動するのに必要な配線等を用いる必要がない。このため、例えば耐火ユニット50のように耐火性を要求されるユニットでも容易に採用することができる。この点について説明する。個別収納部101aを施解錠部等の電子機器によって解錠する場合には、この電子機器に電力を供給するための配線が必要となる。個別収納部101aが収納庫101内に位置していることから、上述した電子機器に対して配線を設ける場合には、どうしても収納庫101の内壁に配線を通すための穴等を設ける必要がある。しかしながら、このような穴を設けると耐火性能が下がらざるを得ず、耐火ユニット50のように耐火性が要求されるユニットでは採用しにくい。他方、本実施の形態によれば、個別収納部101aは取り出された鍵ホルダ26が保持する鍵で物理的に解錠されることから、上述したような配線を用いる必要がない。このため、例えば耐火ユニット50のように耐火性の要求されるユニットでも容易に採用することができる。
また、個別収納部101aに物品を収納する際に、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が指示部5で指示された個別収納部101aを報知する態様を採用した場合には、勘定処理担当者は、どの個別収納部101aに物品を収納すべきかを容易に把握することができる。さらに、個別収納部101aに、各個別収納部101aに対応して指示部5で指示された個別収納部101aを報知するための点灯や点滅するランプ110等の報知部が設けられている態様を採用した場合には(図4参照)、勘定処理担当者は、一目で、どの個別収納部101aに物品を収納すべきかを容易に把握することができる。
また、個別収納部101a内に物品が収納されているかを検知する検知部115が設けられており、検知部115による検知結果に基づき、物品が取り出されるべき処理期日となったにもかかわらず当該処理期日に対応する個別収納部101aに物品が残っていると判断された場合に、操作表示部11、スピーカー14等の報知部でその旨が報知される態様を採用した場合には、処理期日になったにも関わらず、物品が個別収納部101a内に留まり続けることを未然に防止することができる。
ちなみに、個別収納部101aが処理期日及び渉外担当者等の担当者毎に割り当てられており、処理期日及び担当者に対応した個別収納部101aを解錠する鍵のみを鍵ホルダ部25が取り出し可能とする態様を採用した場合には、処理期日だけでなく担当者でも個別収納部101aを分けることができ、かつ、処理期日及び担当者に対応した個別収納部101aに確実に物品を収納することができる点で有益である。
また、本実施の形態では、個別収納部101aから物品を取り出す際に、指示部5から鍵ホルダ部25に指示が出され、鍵ホルダ部25が、その日に処理すべき物品が収容された個別収納部101aを解錠するための鍵を保持した鍵ホルダ26を抜き取ることができるようにする。このため、個別収納部101aから物品を取り出す際に、誤った物品を個別収納部101aから取り出すことを防止することができる。
[変形例]
上記では、物品保管装置100が鍵管理ユニット20を備え、鍵管理ユニット20の鍵ホルダ部25が複数の鍵ホルダ26の各々を保持する態様であったが、これに限られることはなく、図9に示すように、物品保管装置100とは別に、個別収納部101aを解錠するための鍵を保管する鍵保管装置200が設けられていてもよい。なお、この鍵保管装置200は、上述した鍵管理ユニット20と全く同様の役割を果たす。本変形例では、物品保管装置100が鍵管理ユニット20を備えていてもよいが、鍵管理ユニット20を備えていなくてもよい。なお、図9で示した物品保管装置100は、図1等で示した物品保
管装置100よりも小型のものとなっている。
この鍵保管装置200は鍵収納庫21と同様の構成となっている。つまり、鍵保管装置200は、筐体202と、筐体202に対して開閉自在な扉203と、鍵扉203の鍵筐体202に対する施解錠を行う施解錠部と、複数の鍵ホルダの各々を保持する鍵ホルダ部(特許請求の範囲の「鍵保管部」に対応する。)とを有している。鍵ホルダ部は、複数の鍵を個別に施解錠する個別施解錠部である。具体的には、鍵ホルダ部は、鍵が取り付けられた鍵ホルダを挿入できるようになっている。そして、このように鍵ホルダ部に挿入された鍵ホルダは、鍵ホルダ部によって抜き出し不能に施錠される。鍵ホルダ部は、操作制御ユニット10からの指示に従って、鍵ホルダを個別に解錠する。
本変形例では、物品保管装置100と鍵保管装置200によって物品保管システムが構成されることとなる。なお、本変形例でも上述した実施の形態と同様の効果を奏することができるが、重複する記載となることから省略する。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、個別収納部101aが特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たしており、個別収納部101aの各々が施錠可能となり、鍵ホルダ26のいずれかに、各個別収納部101aを解錠するための鍵が取り付けられていた。そして、鍵ホルダ部25は、指示部5で指示された個別収納部101aを解錠する鍵を保持した鍵ホルダ26のみを取り出し可能とする態様であった。他方、第2の実施の形態では、収納庫101が特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たしており、収納庫101の各々が施錠可能となり、指示部5で指示された収納庫101のみが解錠される態様となっている。なお、このような態様に限られることはなく、本実施の形態でも個別収納部101aが特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たし、個別収納部101aの各々が施錠可能となり、指示部5で指示された個別収納部101aのみが解錠される態様となってもよい。ただし以下では、収納庫101が特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たす態様を用いて説明する。本実施の形態の各収納庫101は、図10に示すように、筐体102と、筐体102に対して開閉自在な扉103と、扉103の筐体102に対する施解錠を行う施解錠部104とを有している。
第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
《方法》
以下では、まず、本実施の形態の物品保管装置100を用いた物品保管方法について説明する。なお、第1の実施の形態と重複する箇所については適宜省略しつつ説明する。
[預り物の保管]
最初に、預り物を保管する際の流れについて、図11を主に用いて説明する。
まず、渉外担当者が、訪問先の顧客から現金、通帳、証書等を預かり、店舗に持ち帰る。そして、渉外担当者が、店舗内の勘定処理担当者に預り物の勘定処理を依頼する。勘定処理担当者は受け取った預り物を処理期日毎に仕分けし、預り証と預り物を小袋に収納する(S21参照)。なお処理期日は一般的には翌日以降の日である。より厳密に言うと、渉外担当者が持ち帰った預り物は例えば渉外担当者別で所定の保管場所に一度保管される。そして、例えばその翌日に保管された預り物が保管場所から取り出され、その日以降に処理される預り物を、勘定処理担当者又は渉外担当者が処理期日毎に仕分けし、預り証と預り物を小袋に収納する(S21参照)。
次に、勘定処理担当者は、操作表示部11から、勘定処理担当者の識別番号、預り証番号、処理期日、預り物の数量等を入力する(S22参照)。なお、必要に応じて、勘定処理担当者は操作表示部11から渉外担当者の識別番号も入力してもよい。ちなみに、勘定処理担当者ではなく、渉外担当者自らが、渉外担当者の識別番号、預り証番号、処理期日、預り物の数量等を入力してもよい(S22参照)。
このような入力を行うと、指示部5から当該処理期日に対応する収納庫101に指示が出され、当該収納庫101の施解錠部104が解錠され、扉103を開けることができるようになる(図10及びS23参照)。この際、該当する収納庫101が分かるように、操作表示部11がイメージを表示してもよいし、該当する収納庫101に設けられたランプ120が点灯したり点滅したりしてもよい。
その前後で、勘定処理担当者が一つ以上の小袋を例えば耐火バック(図示せず)の中に入れる。その後、施解錠部104が解錠された収納庫101の中に耐火バックを収納する(S24参照)。仮に重量又は磁気を検知することで収納庫101内に収納された耐火バック内の小袋の数を検知する検知部115cを採用している場合には、耐火バック内の小袋の数と操作表示部11から入力された預り物の数量とが合致しているかが主制御部15で判断されることとなる。ちなみに、小袋に磁気を発生する部材を取り付け、当該部材が発する磁力を測定することで耐火バック内の小袋の数を検知することができる。また、耐火バックに磁気を発生する部材を取り付けることもでき、この場合には、耐火バックが収納庫101の中にあるか否かを検知することができる。
[預り物の取り出し]
次に、預り物を取り出す際の流れについて、図12を主に用いて説明する。
その日に取り出すべき預り物がある場合には、所定の時間になると、操作表示部11で処理すべき預り物がある旨のアラーム表示がなされたり、スピーカー14からアラーム音が鳴らされたりして報知される(S31参照)。そして、操作表示部11に、処理すべき預り物の一覧が表示される(S31参照)。
次に、指示部5からその日に処理すべき預り物が収容された収納庫101に指示が出され、当該収納庫101の施解錠部104が解錠され、扉103を開けることができるようになる(S32参照)。この際、該当する収納庫101が分かるように、操作表示部11がイメージを表示してもよいし、該当する収納庫101に設けられたランプ120が点灯したり点滅したりしてもよい。
そして、勘定処理担当者が、収納庫101の中から、耐火バックを取り出し、当該耐火バックから預り証と預り物を収納した小袋を取り出す(S33参照)。その後で、勘定処理担当者が操作表示部11から、取り出した預り物の数量を入力する。入力された預り物の数量と預かったと記憶部13に記憶されている預り物の数量とが合致すると、上述したアラーム表示やアラーム音が停止される。
なお、収納庫101内に物品が収納されているかを検知する検知部115が設けられている態様を採用している場合には、検知部115による検知結果に基づきアラームが出される。つまり、主制御部15、通帳制御部38、重要物制御部68等の制御部が、耐火バックが取り出されるべき処理期日となったにもかかわらず当該処理期日に対応する収納庫101に耐火バックが残っていると判断した場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部でその旨が報知される。なお、この検知部115は、重量又は磁気を検知することで収納庫101内に耐火バックが収納されているかを検知する検知部115cであってもよいし(図6A(c)参照)、発光部及び受光部を有し、発光部から発光される光が受光部で受光されない場合に収納庫101内に耐火バックが存在することを検知し、発光部から発光される光を受光部で受光する場合に収納庫101内に耐火バックが存在しないことを検知するような態様であってもよい(図6A(a)(b)参照)。ちなみに、上記では耐火バックを利用することを前提として記載したが、これはあくまでも一例であり、例えば物品を耐火ユニット50内に収納する場合等には耐火バックを利用しない態様も当然採用することができる。但し、このような耐火バックを用いた場合には、仮に収納庫101が耐火ユニット50のように耐火性を有していなくても、火災等が発生したときに物品を保護することができる点では好ましい。
勘定処理担当者は、耐火バックから預り証と預り物を収納した小袋を取り出すと、取り出した小袋及び/又は預り物の処理、例えば、顧客から依頼のあった入金や振込等の取引に関する処理を行った後で、預り物を渉外担当者に受け渡し、渉外担当者が顧客に当該預り物を返却することとなる(S34参照)。
《効果》
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。第1の実施の形態で詳細に説明したことから、重複する内容については適宜省略しつつ説明を行う。なお、以下では、収納箇所が個別収納部101a又は収納庫101からなることを前提として説明を行う。
本実施の形態では、指示部5が、個別収納部101a又は収納庫101からなる収納箇所から物品を取り出す処理期日に基づいて、物品を収納すべき収納箇所を指示し、当該収納箇所の解錠を行う。このため、勘定処理担当者等の担当者は、処理期日に対応した収納箇所に確実に物品を収納することができる。また、第1の実施の形態のように、鍵を保持した鍵ホルダ26を鍵ホルダ部25から取り出す必要もない。
また、収納箇所に物品を収納する際に、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が指示部5で指示された収納箇所を報知する態様を採用した場合には、勘定処理担当者は、どの収納箇所に物品を収納すべきかを容易に把握することができる。さらに、収納箇所が個別収納部101aである場合であって、個別収納部101aに、各個別収納部101aに対応して指示部5で指示された個別収納部101aを報知するための点灯や点滅するランプ110等の報知部が設けられている態様を採用した場合には(図4参照)、勘定処理担当者は、一目で、どの個別収納部101aに物品を収納すべきかを容易に把握することができる。
また、収納箇所内に物品が収納されているかを検知する検知部115が設けられており(図6A(a)−(c)参照)、検知部115による検知結果に基づき、物品が取り出されるべき処理期日となったにもかかわらず当該処理期日に対応する収納箇所に物品が残っていると判断された場合に、操作表示部11、スピーカー14等の報知部でその旨が報知される態様を採用した場合には、処理期日になったにも関わらず、物品が収納箇所の中に留まり続けることを未然に防止することができる。
ちなみに、収納箇所が処理期日及び渉外担当者等の担当者毎に割り当てられており、処理期日及び担当者に対応した収納箇所を解錠する態様を採用した場合には、処理期日だけでなく担当者でも収納箇所を分けることができ、かつ、処理期日及び担当者に対応した収納箇所に確実に物品を収納することができる点で有益である。
また、本実施の形態では、収納箇所から物品を取り出す際に、指示部5から収納箇所に指示が出され、その日に処理すべき物品が収容された収納箇所を解錠する。このため、収納箇所から物品を取り出す際に、誤った物品を収納箇所から取り出すことを防止することができる。
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、個別収納部101aが特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たしており、個別収納部101aの各々が施錠可能となり、鍵ホルダ26のいずれかに、各個別収納部101aを解錠するための鍵が取り付けられていた。そして、鍵ホルダ部25は、指示部5で指示された個別収納部101aを解錠する鍵を保持した鍵ホルダ26のみを取り出し可能とする態様であった。他方、第3の実施の形態では、図13に示すように、上述した識別用撮影部16又はこの識別用撮影部16とは別途設けられた監視用撮影部19が、収納箇所に物品を収納する際に、指示部5で指示された収納箇所に当該物品が収納されているかを撮影する態様となっている。本実施の形態では、識別用撮影部16又は監視用撮影部19が特許請求の範囲の「撮影部」としての役割を果たしている。
本実施の形態でも、個別収納部101aが特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たしてもよいし、収納庫101が特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たしてもよいが、以下では、個別収納部101aが特許請求の範囲の「収納箇所」としての役割を果たしている態様を用いて説明する。本実施の形態では、指示部5で指示された個別収納部101a以外の個別収納部101aに物品が収納された際に、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が誤収納を報知する態様となっている。
第3の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
《方法》
以下では、まず、本実施の形態の物品保管装置100を用いた物品保管方法について説明する。なお、第1の実施の形態と重複する箇所については適宜省略しつつ説明する。
[預り物の保管]
最初に、預り物を保管する際の流れについて、図14を主に用いて説明する。
まず、渉外担当者が、訪問先の顧客から現金、通帳、証書等を預かり、店舗に持ち帰る。そして、渉外担当者が、店舗内の勘定処理担当者に預り物の勘定処理を依頼する。勘定処理担当者は受け取った預り物を処理期日毎に仕分けし、預り証と預り物を小袋に収納する(S41参照)。なお処理期日は一般的には翌日以降の日である。より厳密に言うと、渉外担当者が持ち帰った預り物は例えば渉外担当者別で所定の保管場所に一度保管される。そして、例えばその翌日に保管された預り物が保管場所から取り出され、その日以降に処理される預り物を、勘定処理担当者又は渉外担当者が処理期日毎に仕分けし、預り証と預り物を小袋に収納する(S41参照)。
次に、勘定処理担当者は、操作表示部11から、勘定処理担当者の識別番号、預り証番号、処理期日、預り物の数量等を入力する(S42参照)。なお、必要に応じて、勘定処理担当者は操作表示部11から渉外担当者の識別番号も入力してもよい。ちなみに、勘定処理担当者ではなく、渉外担当者自らが、渉外担当者の識別番号、預り証番号、処理期日、預り物の数量等を入力してもよい(S42参照)。
このような入力を行うと、指示部5から当該処理期日に対応する個別収納部101aを含む収納庫101に指示が出され、当該収納庫101の施解錠部104が解錠され、扉103を開けることができるようになる(S43参照)。この際、該当する収納庫101が分かるように、操作表示部11がイメージを表示してもよいし、該当する収納庫101に設けられたランプ120が点灯したり点滅したりしてもよい。
その後、預り証と預り物を収納した小袋を該当する個別収納部101aの中に収納する(S44参照)。この際、識別用撮影部16又は監視用撮影部19が、指示部5で指示された個別収納部101aに当該物品が収納されたかを撮影している。そして、指示部5で指示された個別収納部101a以外の個別収納部101aに小袋が収納された場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が誤収納を報知する。
本実施の形態でも、重量又は磁気を検知することで個別収納部101a内に収納された小袋の数を検知する検知部115cを採用している場合(図6A(c)参照)には、個別収納部101aの中に収納された小袋の数と操作表示部11から入力された預り物の数量とが合致しているかが主制御部15で判断されてもよい。また、収納庫101を筐体102に対して収納する際に個別収納部101a内に収納された小袋の数を検知する検知部115cを採用している場合(図6A(a)参照)には、収納庫101を筐体102に対して収納する際に個別収納部101aの中に収納された小袋の数と操作表示部11から入力された預り物の数量とが合致しているかが主制御部15で判断されてもよい。また、個別収納部101aに対して水平方向で走査することで個別収納部101a内に収納された小袋の数を検知する検知部115bを採用している場合(図6A(b)参照)には、収納庫101を筐体102に収納した後で、検知部115bが個別収納部101aに対して水平方向で走査し、個別収納部101aの中に収納された小袋の数と操作表示部11から入力された預り物の数量とが合致しているかが主制御部15で判断されてもよい。
[預り物の取り出し]
次に、預り物を取り出す際の流れについて、図15を主に用いて説明する。
その日に取り出すべき預り物がある場合には、所定の時間になると、操作表示部11で処理すべき預り物がある旨のアラーム表示がなされたり、スピーカー14からアラーム音が鳴らされたりして報知される(S51参照)。そして、操作表示部11に、処理すべき預り物の一覧が表示される(S51参照)。
次に、指示部5からその日に処理すべき預り物が収容された個別収納部101aを含む収納庫101に指示が出され、当該収納庫101の施解錠部104が解錠され、扉103を開けることができるようになる(S52参照)。この際、該当する収納庫101が分かるように、操作表示部11がイメージを表示してもよいし、該当する収納庫101に設けられたランプ120が点灯したり点滅したりしてもよい。
そして、収納庫101の中から、預り証と預り物を収納した小袋を取り出す(S53参照)。この際、識別用撮影部16又は監視用撮影部19が、取り出すべき個別収納部101aから小袋が取り出されたかを撮影している。そして、小袋を取り出すべき個別収納部101a以外の個別収納部101aから取り出した場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が小袋を取り出す箇所が誤っている旨報知する。
このように小袋を取り出すべき個別収納部101aから取り出すと、勘定処理担当者が操作表示部11から、取り出した預り物の数量を入力する。入力された預り物の数量と預かったと記憶部13に記憶されている預り物の数量とが合致すると、上述したアラーム表示やアラーム音が停止される。
なお、個別収納部101a内に物品が収納されているかを検知する検知部115が設けられている態様を採用している場合には、検知部115による検知結果に基づきアラームが出される。つまり、主制御部15、通帳制御部38、重要物制御部68等の制御部が、小袋が取り出されるべき処理期日となったにもかかわらず当該処理期日に対応する個別収納部101aに小袋が残っていると判断した場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部でその旨が報知される。
勘定処理担当者は、取り出した小袋及び/又は預り物の処理、例えば、顧客から依頼のあった入金や振込等の取引に関する処理を行った後で、預り物を渉外担当者に受け渡し、渉外担当者が顧客に当該預り物を返却することとなる(S54参照)。
《効果》
本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。第1の実施の形態で詳細に説明したことから、重複する内容については適宜省略しつつ説明を行う。以下では、収納箇所が個別収納部101a又は収納庫101からなることを前提として説明を行う。
本実施の形態では、物品を該当する個別収納部101a又は収納庫101からなる収納箇所の中に収納する際、識別用撮影部16又は監視用撮影部19が、指示部5で指示された収納箇所に当該物品が収納されたかを撮影している。そして、指示部5で指示された収納箇所以外の収納箇所に小袋が収納された場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が誤収納を報知する。このため、勘定処理担当者等の担当者は、処理期日に対応した収納箇所に確実に物品を収納することができる。
また、収納箇所に物品を収納する際に、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が指示部5で指示された収納箇所を報知する態様を採用した場合には、勘定処理担当者は、どの収納箇所に物品を収納すべきかを容易に把握することができる。さらに、収納箇所が個別収納部101aである場合であって、個別収納部101aに、各個別収納部101aに対応して指示部5で指示された個別収納部101aを報知するための点灯や点滅するランプ110等の報知部が設けられている態様を採用した場合には(図4参照)、勘定処理担当者は、一目で、どの個別収納部101aに物品を収納すべきかを容易に把握することができる。
また、収納箇所内に物品が収納されているかを検知する検知部115が設けられており(図6A(a)−(c)参照)、検知部115による検知結果に基づき、物品が取り出されるべき処理期日となったにもかかわらず当該処理期日に対応する収納箇所に物品が残っていると判断された場合に、操作表示部11、スピーカー14等の報知部でその旨が報知される態様を採用した場合には、処理期日になったにも関わらず、物品が収納箇所の中に留まり続けることを未然に防止することができる。
ちなみに、収納箇所が処理期日及び渉外担当者等の担当者毎に割り当てられており、処理期日及び担当者に対応した収納箇所を解錠する態様を採用した場合には、処理期日だけでなく担当者でも収納箇所を分けることができ、かつ、処理期日及び担当者に対応した収納箇所に確実に物品を収納することができる点で有益である。
また、本実施の形態では、収納箇所から物品を取り出す際にも、識別用撮影部16又は監視用撮影部19が、取り出すべき収納箇所から小袋が取り出されたかを撮影している。そして、小袋を取り出すべき収納箇所以外の収納箇所から取り出した場合には、操作表示部11、スピーカー14等の報知部が小袋を取り出す箇所が誤っている旨報知する。このため、収納箇所から物品を取り出す際に、誤った物品を収納箇所から取り出すことを防止することができる。
上述した各実施の形態において、特に各実施の形態の「物品保管方法」を説明した箇所において、「預り物」を保管及び管理する態様を用いて説明したが、これに限られることはない。各実施の形態の物品保管装置100は様々な物品を保管するために用いることができ、現金、通帳、証書、書類、電子機器(PC等)等の物品を収納する態様であってもよい。また、物品保管装置100の収納庫101の大きさは一様でなくてもよく、各収納庫101に設けられている機能(計数機能、物品の取り出し検知する機能等)は、異なっていてもよい。
参考形態
次に、本発明が適用可能な参考形態について説明する。参考形態を説明するための図面(図16〜図36)に使用される符号および参考形態の変形例を説明するための図面(図37〜図40)に使用される符号は、前述した第1〜第3の実施形態の図面(図1〜図15)に使用した符号とは無関係である。
図16は、参考形態に係る物品管理装置1を示すとともに、顧客aから預り物3を預かって処理してから顧客aに返却する流れを示す図である。
図16では、図面の右側領域において点線で囲った枠が、物品管理装置1が適用される金融機関(ここでは銀行)の建物を想定していて、当該枠の内側が、銀行の内部エリアである。銀行の内部エリアには、今回の物品管理装置1や、いわゆる本金庫(最重要物を保管するための大型の金庫)2が設置されている。また、これからの説明では、顧客a、渉外担当者b、役席者cおよび事務担当者dという人物が主に登場する。
ここでの顧客aは、原則として、銀行での取引を行いたい場合でも銀行に直接赴かない者(大口の得意先等)を想定している。渉外担当者bは、外回りで顧客aから依頼の取り次ぎをすること(渉外)を担当業務の一部とする銀行員である。役席者cは、銀行における渉外担当者bの上司である。事務担当者dは、渉外担当者bが顧客aから受任した取引を処理する課(預金課等)に所属する銀行員である。
以下では、図16を参照して、顧客aの所望する取引が処理される流れを簡単に説明する。ここでの取引は、一例として、顧客aが、現金と自身の通帳とを渉外担当者bに預けて、その現金を入金し、入金内容が記帳された通帳を返却してもらうことであるとする。ここでの現金および通帳を、以下では「預り物3」ということにする。預り物3には、ここで言う現金や通帳の他に、小切手や手形や証書等が挙げられる。
この取引に先立って、役席者cは、新規(未使用)の預り帳4を渉外担当者bに払い出している(図16の矢印(1)を参照)。預り帳4というのは、図17において模式的に示されており、多数枚の預り証5を積層して綴じた帳面である。1枚の預り証5は、図18において模式的に示されている。
預り証5は、紙片である。預り証5には、取引の依頼を受けた日付を記入するための注文日付欄5Aと、預り証5毎に割り振られる(預り証5の)識別番号である預り証番号5B(図18では、00001)と、取引相手である顧客aの名前を記入するための顧客名欄5Cと、取引において印紙税の要否および印紙税の額(領収書に貼り付ける印紙の総額)を記入するための印紙欄5Dとが予め印刷されている。またに、預り証5には、顧客aの口座の番号、科目等(当座か普通か等)と、処理内容(今回依頼された取引の内容)と、今回取り引きされる金額および受取物件(今回の取引における預り物3の名前)とを記入するための取引内容欄5Eが予め印刷されている。また、預り証5には、依頼された取引を銀行側が処理した日付を記入するための処理日記入欄5Fと、お届け予定日(依頼された取引の処理を完了して預り物3を顧客aに返却する日であり、処理期日ともいう)を記入するための処理期日記入欄5Gとが予め印刷されている。また、預り証5には、お届け物件(顧客aに返却する預り物3の名前)を記入するためのお届け物件記入欄5Hと、取扱者(今回の取引の依頼を受けた渉外担当者b)の名前を記入するための取扱者名記入欄5Iとが予め印刷されている。なお、図18における預り証5の印刷内容は、あくまで一例であり、銀行毎に異なっていてもよい。
また、預り証5には、預り証番号が同じものが、銀行側の控え(「預り証(店控え)5」ということにする)と、預り物とともに移動する管理票(「預り証(店内管理票)5」ということにする)と、顧客a用の控え(「預り証(客控え)5」ということにする)というように、3種類ある。預り証番号が同じ複数(この例では3枚)の預り証5は、一綴り(ひとまとまり)になって、預り帳4に綴じられている。預り証番号が同じ複数(一綴り)の預り証5は、カーボン紙等を用いた複写伝票になっていて、たとえば、預り証(客控え)5に記入した内容が、預り証(店控え)5に複写されるようになっている。また、この実施形態では、1冊の預り帳4に、50綴り(50セット)の預り証5(預り証番号が同じ預り証5の綴り)が綴じられている。そのため、1冊の預り帳4では、預り証5の各綴り(各セット)の預り証番号が1番目〜50番目までの連番になっている。図18の場合には、00001の預り証番号が、預り帳4における先頭の預り証5の預り証番号(「預り証先頭番号」ということにする)であるとすると、この預り帳4には、預り証番号が00002〜00050までの残り49綴りの預り証5が綴じられている。
前述したように役席者cから新規(未使用)の預り帳4が払い出された渉外担当者bは、外回りで顧客aを訪問し、顧客aから所望の取引(ここでは、現金の入金)についての依頼を受ける。
この際、渉外担当者bは、預り帳4をめくって新規(未記入)の預り証5を見つけ、この預り証5の各記入欄に、今回の取引に関する必要事項を記入する。具体的には、注文日付欄5Aには、依頼を受けた本日の日付が記入され、顧客名欄5Cには、顧客aの名前が記入される。また、取引内容欄5Eには、顧客aの(今回は入金先となる)口座の番号と、科目等と、処理内容(今回は入金)と、取引される金額(今回は入金額)と、今回の預り物3を示す受取物件(今回は現金および通帳)とが記入される。また、処理期日記入欄5Gには、顧客aから指定された処理期日が記入される。また、お届け物件記入欄5Hには、顧客aに返却する預り物3の名前が記入され、取扱者名記入欄5Iには、今回の取引の依頼を受けた渉外担当者bの名前が記入される。なお、ここでの「記入」とは、数字や文字を記入するだけでなく、預り証5に印刷された事項を○(まる)等で囲ったり、捺印したりすることも含まれる。
そして、図16を参照して、渉外担当者bは、今回の取引に関する必要事項が記入された預り証5のうち、前述した預り証(客控え)5を発行して(預り帳4から切り離して)顧客aに手渡し(矢印(2)を参照)、その引き換えに、顧客aから預り物3(ここでは、現金および通帳)を顧客aから預かる(矢印(3)を参照)。つまり、渉外担当者bは、預り物3の持ち主である顧客aに対して当該預り物3と預り証(客控え)5とを引き換える。ここでの預り証5の預り番号が、今回の預り物3を識別するための識別情報となっている。なお、渉外担当者bが預り証(客控え)5を顧客aに手渡すタイミングと、渉外担当者bが顧客aから預り物3を受け取るタイミングとは、前後してもよいし、同じであってもよい。
そして、渉外担当者bは、顧客aから預った預り物3と、先ほど顧客aに手渡した預り証(客控え)5と預り証番号が同じ預り証(店内管理票)5(預り帳4から切り離される)とを、透明な小袋6に収納して密封し、その他の用事がなければ、銀行へ戻る(矢印(4)を参照)。なお、顧客aに手渡した預り証(客控え)5と預り証番号が同じ預り証(店控え)5は、預り帳4に綴じられたまま残る。
渉外担当者bが銀行に戻ると、物品管理装置1において、今回の取引および預り物3の内容が登録される(矢印(4)を参照)。次いで、役席者cが、先ほど預り物3について登録された内容と、実際の預り物3(現物)とが一致していることを確認する(矢印(5)を参照)。具体的には、まず、役席者cの代理者(「取扱い確認者」とも呼ばれる)が、今回の取引内容および預り物3の確認(検品)を行ない、今回の確認が済んだことの証明として、物品管理装置1に所定の入力(確認入力)を行なう。次いで、役席者c自身が、代理者による確認入力に応じて、物品管理装置1に所定の入力(受領入力)を行なう。ちなみに、役席者cの代理者が検品するのではなく、役席者c本人が検品してもよい。また、受領入力は、役席者cでなく、事務担当者dによって行われても構わない。以上のような確認(確認処理)の後、預り物3(現物)が物品管理装置1に保管される。なお、役席者cによる確認の前から、預り物3(現物)が物品管理装置1に保管されても構わない。そして、事務担当者dが、物品管理装置1に保管された預り物3を取り出して、この預り物3についての顧客aから依頼された取引(今回は入金)の処理を行ってから当該預り物3を物品管理装置1に戻す(矢印(6)を参照)。
顧客aから依頼された取引が完了すると、渉外担当者bは、物品管理装置1から預り物3(今回は入金の取引なので、顧客aに返却する預り物3は、原則として通帳のみである)を取り出して、顧客aを訪問する。ここでの訪問に先立って、役席者cは、今回の取引に関する処理が全て完了したとしたことを、今回の取引に係る預り証5の預り証番号に関連付けて、物品管理装置1に登録する(矢印(7)を参照)。そして、顧客aを訪問した渉外担当者bは、顧客aに預り物3を返却する(矢印(8)を参照)。そして、預り物3の返却と引き換えに、渉外担当者bは、顧客aから預り証(客控え)5を受け取る(矢印(9)を参照)。なお、預り物3の返却の際、渉外担当者bは、顧客aから預り証(客控え)5を受け取るのではなく、預り証(店内管理票)5に顧客aから受領印を押してもらって、当該預り証(店内管理票)5を持ち帰る場合もあり得る。一方、顧客aが不在である等の理由によって、預り物3を顧客aに返却できなかった場合には、渉外担当者bは、銀行に戻り、この預り物3(「未返却預り物3」ということにする)と預り証(店内管理票)5とを収納した小袋6を物品管理装置1に再保管する(矢印(10)を参照)。未返却預り物3は、顧客aから依頼された取引についての処理が完了し、返却のために物品管理装置1から一旦取り出された処理済みの預り物3のことである。
以上が、顧客aの所望する取引が処理される一連の流れである。なお、物品管理装置1に関して前述したように各銀行員によって行われた様々な処理については、以降で詳しく説明する。
次に、物品管理装置1について説明する。
物品管理装置1は、銀行の内部エリアにおいて本金庫2とは別の位置(具体的には、銀行員が業務を行う営業室)に常設されていて、前述した預り物3を含む重要な貴重品(以下では「物品」と総称する)を管理する重要物管理装置である。物品管理装置1は、所定時間(たとえば1時間)の間において火事から物品を保護できるように耐火性を有している。
物品管理装置1は、収納ユニット10と、操作制御ユニット11とを含んでいる。収納ユニット10は、1台または複数台(ここでは1台)設けられている。操作制御ユニット11に対して収納ユニット10を連結することによって物品管理装置1が構成されている。
収納ユニット10の全体形状は、直方体形状であって、図16では比較的縦長である。
収納ユニット10は、物品を収納するための複数(ここでは3つ)の収納部X〜Zで構成されている。収納部X、収納部Yおよび収納部Zは、上からこの順に並んでいる。物品管理装置1の利用者は、収納部X〜Zのいずれかに対して物品を取り出したり収納したりする(出し入れする)ことができる。
収納部Xを参照して、各収納部は、正面(図16の紙面手前側)に開口部を有する立方体状の空間であって物品を収納する収納スペース12と、収納スペース12の正面の開口部を開閉する扉13とを含んでいる。扉13の正面には、利用者(銀行員)が指を掛けるための凹状の取っ手14と、鍵穴15とが設けられている。
収納部X〜Zでは、扉13が、その裏側に物品を収容できる引き出しを構成している。取っ手14に指を掛けて手前に引くと、収納部内の物品が扉13(引き出し)とともに収納スペース12の外部へ引き出されるようになっていて、このときの収納部は、開いた状態にある。逆に、取っ手14に指を掛けて扉13を逆向き(物品管理装置1の奥側)に押し込むと、収納スペース12が扉13によって正面側から塞がれ、物品が収納スペース12内に収納された状態になり、このときの収納部は、閉じた状態にある。
図19を参照して、収納部Xの収納スペース12は、渉外担当者bが顧客aから預った預り物3(厳密には、当該預り物3と預り証(店内管理票)5とを収納した小袋6であり、以下同じ)の保管スペースとなっている。収納部Xの収納スペース12には、上下に延びる複数の仕切り板17が設けられている。この実施形態では、仕切り板17は、2枚設けられていて、これらの仕切り板17は、収納スペース12の奥行き方向(扉13側と、扉13の反対側とを結ぶ方向であり、物品管理装置1の前後方向)に間隔と隔てて並んでいる。これら2枚の仕切り板17によって、収納部Xの収納スペース12は、前記奥行き方向において、3つの保管部18に仕切られている。3つの保管部18のそれぞれを、扉13に近い順に、保管部18A、18Bおよび18Cと区別して呼ぶことがある。
保管部18Aは、複数の渉外担当者bによって共同利用(共用)される保管部18であり、他の保管部18B〜18Dでの保管対象でない物品が収納される。
保管部18Bは、渉外担当者bが預り物3を持ち帰った日に、その預り物3を保管するための保管部である。保管部18Bは、仕切り板17よりも小さい複数の小仕切り板19によって、複数の小保管部20に仕切られている。各小保管部20は、いずれかの渉外担当者bの専用となっている。よって、渉外担当者bは、預り物3を持ち帰った日に、その預り物3を、自身専用の小保管部20に保管する。
保管部18Cは、事務担当者dによって顧客aから依頼された取引の処理が行われた処理済の預り物3を保管するための保管部である。保管部18Cには、蛇腹状の仕切り部材21がセットされている(なお、図19では仕切り部材21の途中部分を点線で簡略化して図示している)。保管部18Cは、仕切り部材21によって、前記奥行き方向に並ぶ多数の小保管部22に仕切られている。1つの小保管部22は、蛇腹状の仕切り部材21において上方へ開放された1つの凹状スペースである。各小保管部22は、いずれかの渉外担当者bの専用となっている。よって、事務担当者dは、取引の処理が行われた預り物3を、その預り物3を担当している渉外担当者bの小保管部22に保管する。
収納部Xの変形例として、図20に示すように、収納スペース12に、渉外担当者bの人数分の収納ボックス23が、前記奥行き方向に並んで収納されていてもよい。各収納ボックス23は、いずれかの渉外担当者bの専用である。各渉外担当者bは、預り物3がある場合、自身専用の収納ボックス23を収納スペース12から引き出し(図20の点線および矢印参照)、この収納ボックス23に当該預り物3を収納して、収納ボックス23を収納スペース12に戻す。
図21を参照して、収納部Yの収納スペース12は、渉外担当者bが持ち帰った預り物3を、事務担当者dが、処理期日別に保管するスペースとなっている。例えば、事務担当者dは、収納部Xの保管部18Bに預り物3が保管された日の翌日(翌営業日)に、保管部18Bから預り物3を取り出して、収納部Yの収納スペース12に処理期日別に保管する。
収納部Yの収納スペース12は、保管部25を構成している。保管部25には、蛇腹状の仕切り部材26がセットされている(なお、図21では仕切り部材26の途中部分を点線で簡略化して図示している)。保管部25は、仕切り部材26によって、前記奥行き方向に並ぶ多数の小保管部27に仕切られている。1つの小保管部27は、蛇腹状の仕切り部材26において上方に開放された1つの凹状スペースである。たとえば、小保管部27は、処理期日毎に、1つずつ設けられている。よって、ある処理期日の仕掛り中の取引についての預り物3が、当該処理期日専用の小保管部27に保管される。なお、顧客aから依頼された取引が完了した預り物3は、事務担当者dによって、収納部Xの保管部18C内のその預り物3を担当している渉外担当者bの小保管部22(図19参照)に戻される。
図22を参照して、収納部Zの収納スペース12には、上下方向に延びる複数の仕切り板28が設けられている。この実施形態では、仕切り板28は、3枚設けられていて、これらの仕切り板28は、収納スペース12の前記奥行き方向に間隔と隔てて並んでいる。これら3枚の仕切り板28によって、収納部Zの収納スペース12は、前記奥行き方向において、4つの保管部29に仕切られている。4つの保管部29のそれぞれを、扉13に近い順に、保管部29A、29B、29Cおよび29Dと区別して呼ぶことがある。
保管部29Aには、物品管理装置1における管理データを印刷(紙出力)したものである各種の管理帳票(後述する図31〜図36参照)等が保管される。
保管部29Bには、新規(未使用)の預り帳4が保管される。
保管部29Cおよび29Dは、前述した未返却預り物3(顧客が不在である等の理由によって顧客に返却できなかった処理済の預り物3)を再保管するための再保管部である。保管部29Cには、未返却預り物3のうち保管期間が短いものが保管される(ここでの保管期間は、後述するように30日である)。保管部29Dには、未返却預り物3のうち保管期間が長いものが保管される(ここでの保管期間は、後述するように30日より長い)。つまり、保管部29Cは、未返却預り物3を第1の保管期間に亘って保管する第1再保管部であり、保管部29Dは、未返却預り物3を、第1の保管期間よりも長い第2の保管期間に亘って保管する第2再保管部である。このように、物品管理装置1では、持ち主(顧客a)に返却できなかった処理済みの預り物3を保管部29Cおよび29Dにおいて再保管することができる。よって、預り物3の管理に関し、使い勝手の向上を図ることができる。
以上のように、物品管理装置1は、預り物3を保管する複数の保管部(保管部18、25、29)を含んでいるが、預り物3の処理状況(依頼された取引についての処理が仕掛り中か否かや、未返却か否か)に応じて、当該預り物3の保管先となる保管部が異なっている。そのため、ユーザは、保管部18、25、29のいずれであるかによって、そのいずれかの保管部に収納された預り物3の処理状況を把握できるので、目的とする預り物3を間違えずに処理することができる。よって、預り物3の管理に関し、処理間違いを防止することができる。
なお、収納部X〜Zの全てが、前述した引き出しでなくてもよい。たとえば、収納部X〜Zの少なくともいずれかにおいて、扉13が、正面視におけるいずれかの端部に設けられた回動軸(図示せず)を中心として回動可能であってもよい。この場合、閉状態の扉13が、物品を収納した収納スペース12を正面側から塞いでいて、この状態で取っ手14(図16参照)に指を掛けて手前に引くと、扉13は、前述した回動軸周りに正面側へ回動して開き、収納スペース12が正面側に露出される。また、収納ユニット10における収納部X〜Zのレイアウトや個々の大きさは、図16に限らず、任意に設定可能である。このことは、収納ユニット10を複数備える場合において、個々の収納ユニット10にも当てはまる。もちろん、前述した収納部X〜Zの例に限定されるわけではなく、収納部が、渉外担当者b毎に設けられていても良い。
図16を参照して、収納部X〜Zにおけるそれぞれの収納部には、たとえば電磁ロックやソレノイド等で構成された施解錠機構16が内蔵されている。施解錠機構16は、自身を内蔵する収納部を閉じた状態で施錠したり、収納部を開くことができるように解錠したりすることができる。各収納部の施解錠機構16の施解錠動作は、後述するように操作制御ユニット11によって電気的に自動制御される。しかし、故障や停電等の緊急時には、収納部毎に予め準備された非常鍵(図示せず)を、対応する収納部の鍵穴15に差し込んで操作することによって、各収納部を手動で解錠し、収納部を開くことができる。もちろん、解錠するときとは逆向きに非常鍵(図示せず)を操作することによって再び収納部を施錠することもできる。
このように、本実施形態では、顧客aからの預り物3を物品管理装置1において保管するようにしている。従来では、預り物3を保管するための専用のキャビネットが存在していた。このキャビネットは、キャスター付きであって、営業時間外は本金庫2に保管されていて、営業開始時に本金庫2から取り出されて役席者cの席の脇に配置され、営業終了時には本金庫2に戻される。このようなキャビネットを用いた運用では、営業開始時および営業終了時のそれぞれにおいて、キャビネットを役席者cの席と本金庫2との間で移動させねばならないし、セキュリティ上、複数人体制でキャビネットを移動させねばならないので、その手間が煩わしい。しかし、本実施形態では、営業室に常設された物品管理装置1において預り物3を常に(夜間を問わず)保管するようにしていることから、キャビネットに起因する手間を省けるし、各担当者が預り物にアクセスするまでの動線を短縮できるので、業務効率の改善を図れる。
操作制御ユニット11は、収納ユニット10の天面に載置されている。操作制御ユニット11を構成する部品として、図16では、操作制御ユニット11の筐体をなすユニット本体30と、表示操作部31(受付手段、報知手段)と、カードリーダ32と、プリンタ部33とが図示されている。
ユニット本体30は、ボックス状である。表示操作部31は、たとえば、液晶のタッチパネルであり、ユニット本体30の正面に設けられている。表示操作部31には、物品管理装置1の動作状況が表示されたり、物品管理装置1を動作させるために担当者(渉外担当者b、役席者cおよび事務担当者dを含む銀行員)によって操作されるボタン(タッチキー)が表示されたりする。
カードリーダ32は、ユニット本体30(詳しくは、図16では表示操作部31の右側)に内蔵されている。カードリーダ32に関連して、ユニット本体30の正面には、上下に延びる溝34が設けられている。また、担当者は、物品管理装置1を利用する際に必要なIDカード(図示せず)を有している。IDカードには、担当者毎に割り振られた識別情報(担当者ID)を記憶している。担当者が自身のIDカードを溝34に通すと、カードリーダ32は、当該IDカードに記憶された情報(ここでは担当者ID)を読み取ることができる。
プリンタ部33は、たとえばユニット本体30の天面に載置されていて、操作制御ユニット11における処理内容や記憶内容を、様々な管理帳票(図31〜図36)等に記録して紙出力することができる。
次に、図23を参照して、物品管理装置1の電気的構成について説明する。
操作制御ユニット11には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部35(受付手段、報知手段、更新手段)が備えられている。制御部35は、CPUやメモリ(ROM、RAM)などを含んでいる。制御部35は、操作制御ユニット11だけでなく、物品管理装置1全体の動作を制御するためのものである。操作制御ユニット11では、制御部35に対して、前述した表示操作部31、カードリーダ32およびプリンタ部33のそれぞれと、I/F(インタフェース)部36と、記憶部37(記憶手段)とが電気的に接続されている。表示操作部31、カードリーダ32、プリンタ部33、制御部35、I/F部36および記憶部37は、操作制御ユニット11に含まれる。
制御部35は、表示操作部31の表示やプリンタ部33による紙出力を制御したり、利用者が表示操作部31を操作した内容を受け付けたりすることができる。制御部35には、カードリーダ32がカード(前述したIDカード等)から読み取った情報(担当者ID等)が入力される。制御部35は、担当者IDによって担当者を認証することができる。
制御部35は、I/F部36を介して、収納ユニット10と通信できる。具体的には、制御部35は、I/F部36を介して、収納ユニット10の収納部(収納部X〜Z)のそれぞれにおける施解錠機構16に対して電気的に接続されている。制御部35は、前述したIDカードおよびカードリーダ32による担当者の認証が済むと、施解錠機構16の施解錠動作を制御することによって、収納部X〜Zのそれぞれを施解錠することができる。
記憶部37は、前述した担当者ID等の必要な情報(詳しくは、後述するテーブル41、43および44の内容であり、図25、図27および図28参照)を記憶している。
次に、前述した顧客aの所望する取引が処理される流れを詳しく説明する。
まず、図16の矢印(1)において役席者cが新規の預り帳4を渉外担当者bに払い出す処理について説明する。払い出しに先立って、役席者cは、収納部Zを開き、保管部29B(図22参照)から新規の預り帳4を取り出す。その際(新規の預り帳4の取り出しと同時、または、取り出しに前後して)、役席者cは、操作制御ユニット11の表示操作部31を操作して、今回払い出す預り帳4の情報を操作制御ユニット11に登録する。ここでの登録を「預り帳受払登録」ということにする。預り帳受払登録に関し、具体的には、表示操作部31には、図24に示す預り帳受払登録画面40が表示されていて、役席者cは、預り帳受払登録画面40における入力欄に、必要事項を入力する。入力に際し、表示操作部31にはキーボードやテンキー等の入力手段が操作可能に表示されてもよい(表示操作部31に表示される他の画面においても同様)。
預り帳受払登録画面40には、<預り帳受払登録>という見出しの下に、払出日入力欄40Aと、担当名入力欄40Bと、預り証先頭番号入力欄40Cと、連続番号入力欄40Dと、登録ボタン40Eとが表示されている。払出日入力欄40Aには、今回新規の預り帳4を払い出す日(払出日)が入力される。担当名入力欄40Bには、新規の預り帳4を受け取る渉外担当者bの名前(前述した担当者IDであってもよい)が入力される。預り証先頭番号入力欄40Cには、今回払い出す預り帳4における最初の預り証5の預り証番号(前述した預り証先頭番号)が記入される。連続番号入力欄40Dには、今回払い出す預り帳4における預り証番号が1番目〜50番目まで全て揃っている(連続している)か否かが〇×(まるばつ)で入力される。なお、欠番の預り証番号があれば、その預り証番号がどれであるかが追加入力されてもよい。また、ここでの入力には、前述したキーボードやテンキー等によって文字や数字を実際に入力することだけでなく、記憶部37に登録済みの複数のデータ(たとえば、担当者名)の中から該当するものを選択することも含まれる。
役席者cが各入力欄40A〜40Dに入力した後に登録ボタン40Eにタッチすると、制御部35(図23参照)は、今回の入力内容を、図25に示す第1テーブル41にまとめて記憶部37に記憶させる。第1テーブル41には、今まで払い出された新規の預り帳4のそれぞれについて、預り帳4の払出日と、払出先の担当者名と、預り証先頭番号と、預り証番号の欠番の有無と、使用済日付とが登録される。払出日、担当者名および預り証先頭番号のそれぞれは、預り帳受払登録画面40において役席者cが入力した内容と一致している。預り証番号の欠番の有無は、連続番号入力欄40D(図24参照)の入力内容(〇か×)と一致しており、連続番号入力欄40Dに〇(まる)が入力されていれば、欠番が「無」であり、連続番号入力欄40Dに×(ばつ)が入力されていれば、欠番が「有」である。使用済日付は、払い出した預り帳4における全ての預り証5が使用された日付(厳密には、最後の預り証5についての取引の処理が完了した日付)であり、最後の預り証5についての取引の処理の完了を確認した役席者cによる表示操作部31の操作によって入力される(追って説明する)。第1テーブル41は、表示操作部31において目視可能に表示されてもよい。
以上のような新規の預り帳4についての役席者cによる登録が済むと、登録済みの預り帳4が、役席者cによって払出先に登録された渉外担当者bに対して手渡しで払い出される(図16の矢印(1)を参照)。渉外担当者bは、払い出された預り帳4を持って外回りに出掛け、顧客aから取引の依頼を受けると、顧客aの預り物3と引き換えに、当該取引についての必要事項を記入した預り証(客控え)5を発行して顧客aに手渡す(図16の矢印(2)および(3)を参照)。その後、渉外担当者bは、預かった預り物3と、顧客aに手渡した預り証(客控え)5と同じ預り証番号の預り証(店内管理票)5とを小袋6に収納し、銀行に戻る(図16の矢印(4)参照)。銀行では、この預り物3の登録(必要事項の入力)が物品管理装置1に対して行われる。なお、ここでの登録(入力)は、預り物登録と呼ばれ、この預り物3に関する取引の期限管理や預り物3自体の管理等を目的とするものであり、預り物3を預かってきた渉外担当者b本人が行ってもよいし、当該渉外担当者b以外の担当者(役席者cや事務担当者d)が行ってもよい。
預り物登録に関し、具体的には、表示操作部31には、図26に示す預り物登録画面42が表示され、預り物登録画面42に対して必要事項が入力される。預り物登録画面42では、<預り物登録>という見出しの下に、期日区分入力欄42Aと、処理期日入力欄42Bと、預り証番号入力欄42Cと、預り物名入力欄42Dと、付帯物件入力欄42Eと、顧客名入力欄42Fと、預金有無入力欄42Gと、担当者名入力欄42Hと、登録ボタン42Iとが表示されている。
期日区分入力欄42Aには、預け物3についての取引の処理期日が翌日であるか翌々日以降であるかが入力される。この実施形態では、翌日処理の場合にタッチされる翌日処理ボタン42Jと、翌々日以降処理の場合にタッチされる翌々日以降処理ボタン42Kとが預り物登録画面42に表示され、これらのボタンのいずれかへのタッチによって、期日区分入力欄42Aへの入力が達成される。
処理期日入力欄42Bには、処理期日が入力される。預り証番号入力欄42Cには、預り物3とセットになって小袋6に入れられた預り証(店内管理票)5の預り証番号が入力される。預り物名入力欄42Dには、預り物3の名前が入力される。なお、預り物登録画面42では、預り物3の数量が入力されてもよい。付帯物件入力欄42Eには、預り物3以外で顧客aから預かった付帯物件(たとえば印鑑等)の名前が入力される。顧客名入力欄42Fには、預り物3の持ち主である顧客aの名前が入力される。現金有無入力欄42Gに関し、処理内容に現金の払い出しが含まれている場合には、現金ありとなり、処理内容に現金の払い出しが含まれていない場合には、現金なしとなる。現金払出有無入力欄42Gには、現金払出のありなしが入力される。この実施形態では、現金払出ありの場合にタッチされる「あり」ボタン42Lと、現金払出なしの場合にタッチされる「なし」ボタン42Mとが預金有無入力欄42Gに表示され、これらのボタンのいずれかへのタッチによって、現金有無入力欄42Gへの入力が達成される。担当者名入力欄42Hには、今回の預り物3を顧客aから預かって当該預り物3についての取引を受任してきた渉外担当者bの名前が入力される。
担当者(前述したように、預り物3を預かってきた渉外担当者b本人とは限らない)が各入力欄42A〜42Hに入力した後に登録ボタン42Iにタッチすると、制御部35は、今回の入力内容を、図27に示す第2テーブル43にまとめて記憶部37に記憶させる。預り物登録画面42に、入金、出金、記帳、為替、融資等の取引種別(処理内容)を入力するための取引種別入力欄が設けられていてもよい。
第2テーブル43には、渉外担当者b毎に、渉外担当者bの名前(担当者名)と、それぞれの渉外担当者bが現在所持している(役席者cから払い出されている)全ての預り証5の預り証番号と、各預り証番号についての必要事項(預り証番号に対応する預り物3の関連情報)とが登録されている。図27の場合、A、BおよびCという名前の3人の渉外担当者bについて、Aが預り証番号00001〜00100までの預り証5(つまり2冊の預り帳4)を所持していることと、Bが預り証番号00101〜00200までの預り証5(2冊の預り帳4)を所持していることと、Cが預り証番号00201〜00250…の預り証5(1冊以上の預り帳4)を所持していることとが第2テーブル43に登録されている。また、既に預り証(客控え)5が顧客aに手渡し済みである取引についての預り証番号(図27の場合には00001〜00004の各預り証番号)については、前述した預り物登録画面42での入力内容として、処理期日、顧客名、預り物名および(預り物の)数量のそれぞれの具体的な内容が登録されている。処理期日、顧客名、預り物名および数量のそれぞれの内容は、預り物登録画面42における先ほどの入力内容と一致している。また、処理が完了した取引についての預り証番号(図27の場合には00001、00003および00004の各預り証番号)については、処理完了日と、顧客aへの預り物3の返却状況(第2テーブル43において右から2番目の返却欄を参照)と、取引に使った印紙の額とが第2テーブル43に登録される(これらについては追って説明する)。
以上のように、第2テーブル43では、顧客aから依頼を受けた取引について、その取引のために発行された預り証5の預り証番号と、この取引で顧客aが銀行から預かった預り物3の関連情報とが対応付けて登録される。第2テーブル43は、表示操作部31において目視可能に表示されてもよい。
なお、図27での第2テーブル43における登録内容は、あくまで一例である。たとえば、第2テーブル43には、顧客aから注文された取引の内容(入金や振込等)が一緒に登録されてもよい。そうすると、預り証番号と預り物3と取引の内容とが、まとめて対応付けられて第2テーブル43で管理されることになる。
そして、第2テーブル43において預り物3の関連情報が(預り物登録画面42の入力内容に基づいて)登録された各預り証番号については、制御部35が、物品管理装置1における(預り証番号に対応付けられた)預り物3の出し入れ状況を常に監視しており、ここでの監視内容を、図28に示す第3テーブル44にまとめて記憶部37に記憶させている。
図28の場合、預り証番号が00001について、制御部35が、預り物3の名前(預り物名)が通帳であって、顧客名が○○商店であって、預り物3の数量が1であることを、第2テーブル43から参照して第3テーブル44に登録している。
また、担当者は、預り物3を物品管理装置1に収納したり、物品管理装置1から取り出したりする場合には、前述したIDカードによる認証を受ける以外に、表示操作部31を操作して、対象となる預り物3の預り証番号を特定し、自身の名前(担当者名)と、種別(収納および取出のどちらか)と、収納先または取出先の収納部名(X〜Z)とを入力するようになっている。また、ここでの入力の日時は、記憶部37に記憶される。そのため、各担当者による表示操作部31の操作に応じて、制御部35は、第3テーブル44において、預り物3について、どの担当者がどの収納部に対していつ当該預り物3を出し入れしたのかを、預り証番号に対応付けて登録する。第3テーブル44は、表示操作部31において目視可能に表示される。そのため、表示操作部31を見た者は、図28の第3テーブル44から、預り証番号00001の預り物3(通帳)が、次のように取り扱われたことがわかる。つまり、2013(図面では、「13」と省略している)/8/15に、渉外担当者b(名前はA)が登録のために預り証番号00001の預り物3(通帳)を収納部Xに収納した。その後、役席者cの代理(名前はD)が、前記預り物3を収納部Xから取出して確認(検品)の処理をし、役席者c(名前はE)が、前述した受領入力の処理を行ってから前記預り物3を収納部Xに収納した。2013/8/30に、事務担当者d(名前はF)が収納部Xから前記預り物3を取り出して収納部Yに一旦収納した。その後、事務担当者d(名前はF)が収納部Yから前記預り物3を取り出して、顧客aから依頼された取引(たとえば入金)の処理を行ってから、収納部Xに収納した。その後に、渉外担当者b(名前はA)が収納部Xから前記預り物3を取り出して顧客aに返却に向かった。
ここでの預り物3の収納や取り出しは、当該預り物3について、顧客aから依頼された取引を完了させるための種々の処理(登録や、検品や、受領入力や、顧客aから依頼された取引自体の処理)に関わるものである。そのため、第3テーブル44における預り物3の収納や取り出しの履歴を参照すれば、当該預り物3についての処理状況(処理の進行状況)を把握できる。このように、制御部35は、担当者による預り物3の収納や取り出しための表示操作部31の操作によって、当該預り物3についての処理状況(ステータスや属性とみなすこともできる)を受け付け、当該預り物3についての処理状況と、当該預り物3の識別情報である預り証番号とを対応付けて記憶部37の第3テーブル44に記憶させていることになる。そのため、物品管理装置1に管理された預り物3を用いてこれから処理を行おうとするユーザ(ここでは担当者)は、当該預り物3の預り証番号に基づいて記憶部37の記憶内容(表示操作部31に表示された第3テーブル44)を参照することによって、当該預り物3についての処理がどこまで進んでいるのか(仕掛り中か否かや、処理が完了して返却済か否か等)を把握できる。よって、預り物3の管理に関し、処理間違い(たとえば、受領入力が済んでいないのに、事務担当者dが、顧客aから依頼された取引を先に処理してしまうようなこと)を防止することができる。
また、個々の預り物3の識別情報として、当該預り物3と引き換えられる預り証5の預り証番号(図18の符号5Bを参照)を用いているので、物品管理装置1では、個々の預り物3および取引を、預り証番号に対応付けることによって、正確に管理することができる。よって、預り物3の管理に関し、品質向上を図ることができる。
以上までが、図16の矢印(4)〜(6)の流れである。
そして、顧客aから依頼された取引についての事務担当者dによる処理が完了すると、役席者cは、その取引に関する預り証番号について処理済登録を行う。ここでの処理済登録に関連して、表示操作部31には、図29に示す処理済登録画面45が表示され、役席者cは、処理済登録画面45に対して必要事項を入力する。処理済登録画面45では、<処理済登録>という見出しの下に、預り証番号入力欄45Aと、処理完了日入力欄45Bと、印紙額入力欄45Cと、登録ボタン45Dとが表示されている。
預り証番号入力欄45Aには、処理が完了した取引に対応する預り証番号が入力される。処理完了日入力欄45Bには、事務担当者dによる取引の処理が完了した日付が入力される。印紙額入力欄45Cには、取引における印紙の要否と、印紙が必要であった場合における印紙額とが入力される。この実施形態では、印紙が不要であったことを示す「なし」ボタン45Eと、200円の印紙が必要であったことを示す「200円」ボタン45Fと、400円の印紙が必要であったことを示す「400円」ボタン45Gと、600円の印紙が必要であったことを示す「600円」ボタン45Hと、2〜600円以外の額の印紙が必要であったことを示す「その他」ボタン45Iとが処理済登録画面45に表示される。これらのボタンのいずれかへのタッチによって、印紙額入力欄45Cへの入力が達成される。
役席者cが各入力欄45A〜45Cに入力した後に登録ボタン45Dにタッチすると、制御部35は、今回の入力内容を図27の第2テーブル43に反映し、これによって第2テーブル43を更新する。この実施形態の場合、預り証番号00001についての(顧客aから依頼された)取引の処理が2013/8/30に完了したので(図28参照)、テーブル43における預り証番号00001のデータのうち、処理完了日に、2013/8/30が登録される。また、この取引で必要となった印紙額が200円なので、第2テーブル43における預り証番号00001のデータには、右端の印紙の欄に、200円と登録される。これにより、各預り証番号の取引に使用する印紙の額(枚数)が管理される。ちなみに、処理完了日と印紙の額とが登録された直後の時点では、第2テーブル43における返却欄(右から2番目の欄)は空欄のままである。
また、役席者cが登録ボタン45Dにタッチしたときにおける預り証番号が、その預り証番号の預り証5が綴じられていた預り帳4において、処理済登録が最後となる預り証番号であれば、制御部35は、図25の第1テーブル41も更新する。たとえば、図25の第1テーブル41において、預り証先頭番号が00001である預り帳4において、最後となる預り証番号についての処理済登録がなされれば、当該最後となる預り証番号についての処理完了日が、当該預り帳4の使用済日付として第1テーブル41に登録される。
そして、預り物3を顧客aに返却に向かった渉外担当者bは、訪問先に顧客aがいれば、顧客aに預り物3(付帯物件があれば、付帯物件も含む)を返却し(図16の矢印(8)を参照)、引き換えに、顧客aから預り証(客控え)5を受け取る(図16の矢印(9)を参照)。顧客aから預り証(客控え)5を受け取った渉外担当者bは、銀行に戻り(図16の矢印(10)を参照)、物品管理装置1の表示操作部31を操作して、受け取った預り証(客控え)5の預り証番号についての第2テーブル43(図27参照)の返却欄に返却「済」であることを登録する(預り証番号00001の返却欄を参照)。これにより、この預り証番号の取引に関する全ての処理が完了したことになる。
一方、渉外担当者bが預り物3を顧客aに返却に向かったのに、顧客aが不在だった場合には、渉外担当者bは、預り物3を持って銀行に戻り(図16の矢印(10)を参照)、表示操作部31を操作して、当該預り物3が未返却預り物3であることを登録してから、当該預り物3を収納部Zの保管部29C(図22参照)に収納する。ここでの登録(未返却預り物登録)に関連して、表示操作部31には、図30に示す未返却預り物登録画面46が表示され、渉外担当者bは、未返却預り物登録画面46に対して必要事項を入力する。未返却預り物登録画面46には、<未返却預り物登録>という見出しの下に、預り証番号入力欄46Aと、返却予定日入力欄46Bと、預り物名入力欄46Cと、付帯物件入力欄46Dと、顧客名入力欄46Eと、担当者名入力欄46Fと、登録ボタン46Gとが表示されている。
預り証番号入力欄46Aには、顧客aから依頼された取引の処理が完了したものの未返却となった預り物3(つまり、未返却預り物3)に対応する預り証番号が入力される。返却予定日入力欄46Bには、未返却預り物3の返却予定日が入力される。この実施形態では、処理完了日から30日の保管期間が経過した後の最初の営業日を返却予定日としている。預り物名入力欄46Cには、未返却預り物3の名前が入力される。付帯物件入力欄46Dには、未返却預り物3に対する付帯物件の名前が入力される。顧客名入力欄46Eには、未返却預り物3の返却先の顧客aの名前が入力される。担当者名入力欄46Fには、今回の未返却預り物3についての取引を受任した渉外担当者bの名前が入力される。
渉外担当者bが各入力欄46A〜46Fに入力した後に登録ボタン46Gにタッチすると、制御部35は、今回の入力内容を図27の第2テーブル43に反映し、これによって当該第2テーブル43を更新する。たとえば、図27における預り証番号00003を参照して、この預り証番号の場合、第2テーブル43の返却欄には、預り物3が未返却であることと、短期保管(保管期間が、前述した第1の保管期間であって、30日)であることと、返却予定日(10/14)とが新たに登録される。ちなみに、短期保管の返却予定日が過ぎても未返却のままの場合には、図27における預り証番号00004を参照して、制御部35は、第2テーブル43の返却欄の登録内容を、長期保管(保管期間が、前述した第2の保管期間であって、たとえば短期保管後から60日)であることと、長期保管での保管予定日(11/11)とを含む内容へと更新する。つまり、制御部35は、短期保管の保管予定日が過ぎると、対象の未返却預り物3の保管態様を、短期保管から長期保管に切り替える。
また、制御部35は、第2テーブル43おける未返却預り物3の預り証番号を常に監視している。そこで、短期保管および長期保管のそれぞれの保管期間について、保管期間の経過が近づいた場合(たとえば保管期間経過の数日前)に、制御部35は、保管期間の経過が近づいた旨を、表示操作部31において担当者に対して目視可能に報知したり、音声等で報知したりしてもよい。または、当該保管期間の経過が経過した場合(たとえば予定日における営業時間終了時や、当該予定日の翌日)に、制御部35は、保管期間が経過した旨を、表示操作部31で目視可能に報知したり、音声等で報知したりしてもよい。このように報知するようにすれば、物品管理装置1では、顧客aに返却できなかった処理済みの未返却預り物3を再保管する場合における保管期限の管理を、厳正に行うことができる。よって、預り物3の管理に関し、品質向上を図ることができる。
短期保管において前述した報知が行われた場合、顧客aへの返却ができないままであれば、保管期間経過後に、担当者は、収納部Zの保管部29C(図22参照)に収納されていた預り物3を、長期保管用の保管部29Dに入れ替える。長期保管において前述した報知が行われた場合、顧客aへの返却ができないままであれば、収納部Zの保管部29Dに収納されていた預り物3は、保管期間経過後に、銀行の規定によっては破棄されることがある。
以上のように、この物品管理装置1では、預り証番号に対応付けて(つまり、預り証番号をキーとして)、預り帳4の払い出しから預り証(客控え)5の回収までの様々な情報が記憶部37(テーブル41、43および44)において管理されている。そこで、担当者が表示操作部31を操作することによって、制御部35は、記憶部37に記憶された情報のうち必要な情報が記録された様々な管理帳票を自動作成し、プリンタ部33(図16参照)によって紙出力することができる。つまり、記憶部37は、預り物3に関する複数種類の管理帳票の内容を構成する複数種類の管理帳票データを、預り証番号に対応付けて(紐付けて)記憶していることになる。また、前述したように、預り帳受払登録(図24参照)や、預り物登録(図26参照)や、処理済登録(図29参照)や、未返却預り物登録(図30参照)での登録処理(つまり、預り物3についての処理状況の変化)に応じて、制御部35は、記憶部37のテーブル41、43および44(図25、図27および図28参照)において対応するデータ(管理帳票データ)を更新する。つまり、預り物3の処理が進行するのに応じて、関連する各種管理帳票データが更新されることから、更新された管理帳票データを紙出力すれば、管理帳票を自動作成することができるので、管理帳票を手作業で作成する手間を省けて使い勝手がよい。よって、預り物3の管理に関し、使い勝手の向上を一層図ることができる。
ここでの管理帳票には、例えば、図31に示される一時預り物管理表47、図33に示される預り物回収状況確認表48、図34に示される預り帳受払帳49、図35に示される短期保管預り物記録帳50、図36に示される長期保管預り物記録帳51等が含まれる。
図31に示す一時預り物管理表47は、第2テーブル43(図27参照)において、処理期日が同じ預り証番号のデータを抽出してまとめたものである。図31の場合には、処理期日が2013/8/30となっているデータを預り証番号毎にまとめている。この一時預り物管理表47では、各預り証番号について、担当者名(顧客aから取引を受任した渉外担当者bの名前)、取扱日(取引を受注した日付であり(図18の符号5A参照)、たとえば第2テーブル43に記憶されている)、処理完了日(未処理または仕掛中の場合には空欄)および預り物名等が印刷されている。なお、この一時預り物管理表47では、必要に応じて、現金有無や各種捺印欄(現金受領印や預金承認印の欄)や、取引を処理した事務担当者dの名前記入欄(処理者の欄)が印刷されてもよい。処理期日が所定日である一時預り物管理表47を見れば、処理期日が所定日である各預り証番号における取引について処理済か否かを速やかに把握できる。
なお、一時預り物管理表47では、図32の変形例に示すように、顧客名の表示欄、預り物3の数量の表示欄、受付欄(「受付」という見出しの欄)、受渡欄(「受渡」という見出しの欄)、および、受領者欄(「受領者」という見出しの欄)等が別途表示されてもよい。受付欄において、担当者欄(「担当者」という見出しの欄)では、銀行での預り物3の受付を担当した事務担当者dの名前が表示され、検証欄(「検証」という見出しの欄)には電子印が入力される。受渡欄において、担当者欄には、顧客aから依頼された取引の処理を行なった事務担当者dの名前が表示され、検印欄には電子印が入力される。渉外担当者bが預り物3の現物を取り出す処理を行うと、受領者欄には、当該渉外担当者bの名前が表示される。
図33に示す預り物回収状況確認表48は、渉外担当者bに払い出された個々の預り帳4について、第1テーブル41(図25参照)および第2テーブル43(図27参照)から、当該預り帳4に綴じられた全ての預り証5(預り証番号)に関するデータを抽出して、まとめたものである。ここでのデータは、顧客aからの預り証(客控え)5の回収状況を意味している。預り物回収状況確認表48には、銀行の支店名といった書誌的事項の他に、対象とする預り帳4の払出日、当該預り帳4における一連の預り証番号(連番)、当該預り帳4が払い出された渉外担当者bの名前とが印刷されている。また、預り物回収状況確認表48には、各預り証番号について、その預り証(客控え)5の回収日付(未返却でなければ、原則として処理完了日と同じ)と、使用した印紙の額(印紙を使用した場合に限る)とが印刷されている。また、ここでの回収日付は、第2テーブル43(図27参照)において返却欄に返却「済」が登録されている預り証番号については、具体的な日付となっているが、当該返却欄に返却「済」が登録されていなければ、回収日付の具体的な日付は記載されていない。また、預り物回収状況確認表48には、欠番となった預り証番号がどれかということが記載されてもよい(右端の欄における「欠番」という記載を参照)。
預り物回収状況確認表48を見れば、どの預り証番号の取引について顧客aへの預り物3の返却が未だなのかを把握できるので、預り物3の未返却によるトラブルを事前に予防できる。
図34に示す預り帳受払帳49には、第1テーブル41(図25参照)の内容とほぼ同じ内容が記載されている。必要に応じて、顧客名が追加で印刷されてもよい。預り帳受払帳49を見れば、各渉外担当者bが現在所持している預り帳4の使用状況を全て管理できる。特に、預り物回収状況確認表48と預り帳受払帳49とを併せて見れば、各渉外担当者bが現在所持している預り帳4について、未使用の預り証5(預り証番号)と未回収の預り証5とをまとめて把握できるので、預り証5に関わるトラブルや不正を防止できる。
図35に示す短期保管預り物記録帳50は、第2テーブル43(図27参照)において、短期保管の預り物3についてのデータを預り証番号に対応付けて抽出し、まとめたものである。短期預り物記録帳50には、保管日(未返却預り物登録画面46において登録をした日付であり、たとえば第2テーブル43に記憶されている)と、未返却預り物3の取引を受任した担当者の名前と、預り証番号と、顧客名と、預り物名と、預り物3の数量と、返却予定日とが印刷されている。また、短期保管預り物記録帳50には、未返却預り物3を顧客aに返却した実際の日付(返却日)と、返却予定日を過ぎても未返却の未返却預り物3を長期保管に切り替える日(長期組入日)とを記入する欄や、役席者c等によるチェックが記入される確認欄とが印刷されていてもよい。
図36に示す長期保管預り物記録帳51は、第2テーブル43(図27参照)において、長期保管の預り物3についてのデータを預り証番号に対応付けて抽出し、まとめたものであって、その記載内容は、短期保管預り物記録帳50の記載内容とほぼ同じである。ただし、長期保管預り物記録帳51における保管日は、短期保管預り物記録帳50における長期組入日と一致している。また、長期保管の未返却預り物3は、返却予定日を過ぎても未返却であれば、銀行の規定によって破棄される場合もあるので、長期保管預り物記録帳51には、短期保管預り物記録帳50での長期組入日の代わりに、未返却預り物3を破棄する日(破棄日)を記入する欄が印刷されていてもよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、預り証5にICチップが内蔵されていて、当該ICチップのIdm等の識別情報を預り証番号の代わりに用いることによって、預り物3の個別管理をしてもよい。また、当該ICチップには、預り証5に記入される事項(図18参照)が電子データとして記憶されてもよい。この場合、物品管理装置1には、当該ICチップを読み取る読取手段(アンテナを有するICチップリーダ等)が備えられており、物品管理装置1は、預り証5のICチップを読み取ることによって、預り物3の管理のために必要な情報を自動で取得することができる。さらに、この場合には、物品管理装置1は、預り証(店内管理票)5とともに小袋6に入った預り物3の出し入れを、当該ICチップによって自動で追跡できるので、預り物3の出し入れ間違いを防止してセキュリティの向上を図れる。
また、預り証5の記入内容を読み取る読取装置(OCR等)が物品管理装置1と別体または一体で設けられてもよい。当該読取装置によって預り証5の記入内容を読み取れば、前述した預り物登録(図26参照)における担当者による預り証5の記入内容の手入力を省略できる。なお、当該読取装置が物品管理装置1とは別体で設けられている場合、当該読取装置と物品管理装置1とは通信可能に接続されていて、当該読取装置による読み取り内容が無線通信または有線通信によって物品管理装置1に入力される。
また、期限管理された各預り証番号について、処理期日に迫ると(処理期日経過前だけでなく処理期日経過後も含む)、前述した短期保管や長期保管のように、表示操作部31等による報知(アラーム)がなされてもよい。
また、前述した小袋6(図16および図19参照)にタグ(ICタグ等)を付けて管理してもよい。その場合、物品管理装置1では、小袋6に入れる預り物3の現物と、小袋6に付いているタグのIDとを関連付けて管理することになる。
前述した参考形態に本発明を適用する場合には、収納ユニット10の収納部X〜Z(図16参照)、保管部18,25,29(図19,図21,図22参照)または小保管部27(図21参照)が、特許請求の範囲の「収納箇所」として、前述した第1〜第3実施形態で説明したような物品保管方法を適用すればよい。
参考形態の変形例
以下、参考形態の変形例について説明する。
前述の参考形態では、顧客から預り物を預かる場合、預り証5を使用して、預り物を管理している。具体的には、渉外担当者は、預り物を顧客から預かる際に、3枚綴りの預り証5(「預り証(店控え)5」、「預り証(店内管理票)5」および「預り証(客控え)5」)に必要事項を記入し、預り証(客控え)5を顧客に手渡す。その後、預り物は、預り証(店内管理票)5とともに小袋に入れられて、物品管理装置1で管理される。以下において、このような預り形態を「通常預り」といい、「通常預り」によって渉外担当者が預かった預り物を「通常預り物」という場合がある。
預り物の預り形態には、「通常預り」の他に、「例外預り」と「店頭預り」とがある。「例外預り」は、「通常預り」と同様に、3枚綴りの預り証5を使用して預り物を管理する形態であるが、渉外担当者は、預り物を顧客から預かったときに、預り証(客控え)5を顧客に手渡さない点が「通常預り」と異なる。「例外預り」は、特別なお得意様に対して行われる場合が多い。「例外預り」では、預り物を顧客から預かったときに、預り帳4から預り証(客控え)5は切り離されない。「例外預り」によって渉外担当者が預かった預り物(以下において、「例外預り物」という場合がある。)は、「通常預り物」と同様に、預り証(店内管理票)5とともに小袋に入れられて、物品管理装置1で管理される。
「店頭預り」は、店頭窓口において顧客から預り物を窓口担当者が預かる形態であり、預り証5は使用されない。従来においては、「店頭預り」によって窓口担当者が預った預り物(以下において、「店頭預り物」という場合がある。)は、「通常預り物」や「例外預り物」とは別管理されている。
従来、「例外預り」または「店頭預り物」を管理する場合には、次のような問題があった。「例外預り物」を預かった場合、当該例外預り物を顧客に返却するまでは、当該例外預り物に対応する預り証(客控え)5は預り帳4に綴じられたままとなる。したがって、預り物に対応する預り証(客控え)5が預り帳4に綴じられているか否かによって、当該預り物が、「通常預り物」であるか「例外預り物」であるかを担当者は識別できる。しかし、預り証(店内管理表)5および預り証(客控え)5には預り帳4から切り離すためのミシン目が入れられているため、預り帳4から預り証(店内管理表)5を剥がすときに、預り証(客控え)5も一緒に剥がれやすい。預り帳4から「例外預り物」に対する預り証(客控え)5が剥がれてしまうと、当該預り物が、「通常預り物」であるか「例外預り物」であることを識別できなくなる。言い換えれば、当該預り物に対する預り証(客控え)5を顧客に手渡したのか、紛失したのかがわからなくなるという問題がある。「店頭預り物」に関しては、従来は、「通常預り物」とは別管理となっているため、その管理に手間がかかるという問題がある。
そこで、この変形例では、「例外預り物」に対応する預り証(客控え)5が預り帳4から剥がれたとしても、当該預り物が「例外預り物」であることを認識できるようにする。また、この変形例では、「通常預り物」、「例外預り物」および「店頭預り物」を、物品管理装置1において、一元管理できるようにする。
「店頭預り物」は、渉外担当者ではなく、窓口担当者に預けられる。そこで、この変形例では、物品管理装置1の収納部Xの(図19参照)の保管部18B(図19参照)には、各渉外担当者別の複数の小保管部20の他に、窓口担当者別の複数の小保管部20が設けられる。窓口担当者別の複数の小保管部20の代わりに、「店頭預り物」専用の一つの小保管部20を設けてもよい。
同様に、物品管理装置1の収納部Xの(図19参照)の保管部18C(図19参照)には、各渉外担当者別の複数の小保管部22の他に、窓口担当者別の複数の小保管部22が設けられる。窓口担当者別の複数の小保管部22の代わりに、「店頭預り物」専用の一つの小保管部22を設けてもよい。
この変形例では、「例外預り」および「店頭預り」においても、「通常預り」と同様に、物品管理装置1に預り物(取引)に関する情報が登録される。この際、預り形態の種別(「通常預り」、「例外預り」および「店頭預り」)が登録される。また、この際、「店頭預り」に関しては、店頭預りジャーナルが作成される。店頭預りジャーナルは、「通常預り」または「例外預り」において使用される預り証(店内管理票)5に相当するものであり、「店頭預り物」ととともに小袋に入れられて管理されるものである。
この変形例では、店頭預りジャーナルの作成を容易にするために、図23に二点鎖線で示すように、操作制御ユニット11の制御部35には、通帳リーダ38およびジャーナルプリンタ39が接続されている。通帳リーダ38は、通帳から科目、口座番号等の情報を自動的に読み取るものである。ジャーナルプリンタ39は、預り物(取引)に関する情報を用紙に印字して、店頭預りジャーナルとして発行するものである。
図37は、預り物(「通常預り物」、「例外預り物」および「店頭預り物」)を物品管理装置1に登録するための預り物登録画面142を示している。預り物登録画面142は、図26の預り物登録画面42に対応するものである。「通常預り物」、「例外預り物」および「店頭預り物」を預かった担当者は、預り物登録画面142上で、今回の取引および預り物の内容を登録する。
この預り物登録画面142は、図26の預り物登録画面42に比べて、種別入力欄42Nが追加されている点のみが異なっている。種別入力欄42Nには、預り形態の種別が入力される。種別入力欄42Nには、預り形態の種別が「通常預り」の場合にタッチされる通常ボタン42Oと、預り形態の種別が「例外預り」の場合にタッチされる例外ボタン42Pと、預り形態の種別が「店頭預り」の場合にタッチされる店頭ボタン42Qが表示され、これらのボタンのいずれかへのタッチによって、種別入力欄42Nへの入力が達成される。預り物登録画面142に、入金、出金、記帳、為替、融資等の取引種別(処理内容)を入力するための取引種別入力欄が設けられていてもよい。
預り物登録画面142において、通常ボタン42Oまたは例外ボタン42Pがタッチされた場合には、つまり、預り形態の種別として「通常預り」または「例外預り」が入力された場合には、預り物登録画面142は切り替えられない。担当者(通常は、預り物を預かってきた渉外担当者)は、預り物登録画面142上で必要な情報を入力した後に、登録ボタン42Iにタッチする。これにより、制御部35は、今回の入力内容を、前述した第2テーブル43(図27)に対応するテーブル(以下、「預り物情報登録テーブル」という場合がある。)にまとめて記憶部37に記憶させる。預り物情報登録テーブルには、第2テーブル43の内容等に加えて、預り形態の種別も記憶される。
「通常預り物」または「例外預り物」を預かった渉外担当者は、預り物登録画面142を用いて必要な情報の登録を行った後、預り物を預り証(店内管理票)5とともに小袋に入れ、収納部Xの保管部18B内の自身専用の小保管部20(図19参照)に保管する。それ以降の「通常預り物」または「例外預り物」の取扱および取引処理の流れは、参考形態で説明した預り物(通常預り物)の取り扱いとほぼ同様である。ただし、「例外預り」の場合には、例外預り物が顧客に返却された際に、預り帳4に残っている当該例外預り物に対応する預り証(客控え)5が、破棄される。
預り物登録画面142において、店頭ボタン42Qがタッチされた場合には、つまり、預り形態の種別として「店頭預り」が入力された場合には、預り物登録画面142が店頭預り専用の預り物登録画面(以下、「店頭預り物登録画面」(図示略)という。)に切り替えられる。店頭預り物登録画面には、預り物登録画面142によって入力される入力項目と同様な項目(期日区分、処理期日、店頭預り番号、預り物名、付帯物件、顧客名、現金有無、担当者名等)を入力するための入力欄の他、店頭預りジャーナルの作成のために必要な入力項目を入力するための入力欄と、登録ボタンとが表示される。なお、店頭預りにおいては、預り証番号の代わりに、店頭預り番号が使用される。
店頭預りジャーナルの作成のために必要な入力項目には、預り物の名称、通帳情報(科目、口座番号等)、取引される金額、顧客から預かった帳票類(依頼書、請求書等)の枚数、取引種別(処理内容)等が含まれる。なお、担当者(通常は、預り物を預かった窓口担当者)は、通帳リーダ38を利用することによって、通帳情報(科目、口座番号等)を自動的に入力することが可能である。担当者は、店頭預り物登録画面上で必要な情報を入力した後に、登録ボタンにタッチする。これにより、制御部35は、今回の入力内容を、前述した第2テーブル43(図27)に対応する預り物情報登録テーブルにまとめて記憶部37に記憶させる。預り物情報登録テーブルにおいては、店頭預りの場合、預り証番号の代わりに店頭預り番号が記憶される。また、制御部35は、ジャーナルプリンタ39を制御することにより、店頭預り物に関する情報が記載された店頭預りジャーナルを発行する。
図38は、店頭預りジャーナルの一例を示す模式図である。
店頭預りジャーナルには、例えば、取扱日時(預り物を預かった日時)、店番、預り物を預かった担当者のID(担当者ID)および氏名(担当者名)、通帳の科目および口座番号、処理期日、取引される金額、顧客から預かった帳票類の枚数、預り物名、取引種別(処理内容)等が記載される。
「店頭預り物」を預かった窓口担当者は、店頭預り物登録画面を用いて必要な情報の登録を行った後、店頭預り物を店頭預りジャーナルとともに小袋に入れて、収納部Xの保管部18B内の自身専用の小保管部20(図19参照)に保管する。保管部18B内に店頭預り物専用の小保管部20が設けられている場合には、窓口担当者は、前記店頭預り物専用の小保管部20に店頭預り物を保管する。事務担当者は、例えば、収納部Xの保管部18Bに店頭預り物が保管された日の翌日(翌営業日)に、保管部18Bから店頭預り物を取り出して、収納部Yの保管部25内の小保管部27(図21参照)に処理期日別に保管する。
事務担当者は、例えば、店頭預り物の処理期日に対応する日に、保管部25から店頭預り物を取り出して、顧客から依頼された取引を処理する。そして、事務担当者は、処理が完了した店頭預り物を、収納部Xの保管部18C内のその店頭預り物を担当している窓口担当者の小保管部22(図19参照)に戻す。店頭預り物専用の小保管部22が設けられている場合には、事務担当者は、前記店頭預り物専用の小保管部22に店頭預り物を戻す。この後、店頭預り物の所有者である顧客が来店したときに、窓口担当者は、収納部Xの保管部18Cから当該店頭預り物を取り出して、その顧客に返却する。
この変形例では、制御部35は、第1テーブル(図25参照)、第2テーブル(図27参照)に対応する預り物情報登録テーブル、第3テーブル(図28参照)等に基いて、例えば、図39に示すような一時預り物管理表52や、図40に示すような一時預り物授受表53を作成して、プリンタ部33によって紙出力することができる。
図39に示す一時預り物管理表52は、預り物登録テーブルにおいて、処理期日が同じ預り証番号または店頭預り番号のデータを抽出してまとめた表である。図39の例では、処理期日が2013/10/22となっているデータを預り証番号または店頭預り番号毎にまとめている。この一時預り物管理表52には、各預り証番号について、預り形態の種別、担当者名、入庫日、入庫者、出庫日、出庫者、返却受領者、返却日等が印刷される。預り形態の種別を識別するために、一時預り物管理表52には、例外欄と店頭欄とが設けられている。預り形態が「例外預り」である場合には、例外欄および店頭欄のうち、例外欄のみに丸印が印字される。預り形態が「店頭預り」である場合には、例外欄および店頭欄のうち、店頭欄のみに丸印が印字される。預り形態が「通常預り」である場合には、例外欄および店頭欄に丸印は印字されない。
担当者名は、顧客から預り物を預かった担当者の名前である。預り形態が「通常預り」または「例外預り」である預り物に関しては、担当者は渉外担当者となる。一方、預り形態が「店頭預り」である預り物に関しては、担当者は窓口担当者となる。
入庫者は、収納部Xの保管部18B(図19参照)から預り物を取り出して、収納部Yの保管部25(図21参照)に処理期日別に保管した担当者である。入庫日は、入庫者が、収納部Yの保管部25に処理期日別に預り物を保管した日である。
出庫者は、収納部Yの保管部25(図21参照)から預り物を取り出して、取引を処理した担当者である。出庫日は、出庫者が収納部Yの保管部25から預り物を取り出して、取引を処理した日である。
返却受領者は、預り物を顧客に返却した担当者である。返却日は、返却受領者が預り物を顧客に返却した日である。
処理期日が所定日である一時預り物管理表52をみれば、処理期日が所定日である預り物の預り形態の種別や、当該預り物に関する取引の処理状況等を把握できる。
図40に示す一時預り物授受表53は、取扱日(預り物を預かった日時)が同じデータを担当者毎にまとめた表である。図40の例では、取扱日が2013/6/26となっているデータを担当者毎にまとめている。この一時預り物授受表53には、各担当者について、2種類の区分毎に、預り証の枚数、預り形態の種別、確認者、預金受付者、備考等が印刷される。預り証の枚数は、「通常預り」または「例外預り」の場合に、該当する取扱日に各渉外担当者が使用した預り証の枚数(各渉外担当者が扱った「通常預り」および「例外預り」の総件数)である。
2種類の区分には、取引の処理期日が翌日である翌営業日処理と、取引の処理期日が翌々日以降である翌々営業日処理とがある。一時預り物授受表53には、預り形態の種別を識別するために、一時預り物管理表52と同様に、例外欄と店頭欄とが設けられている。
例外欄には、各渉外担当者が扱った「例外預り」の件数が記入される。店頭欄には、各窓口担当者が扱った「店頭預り」の件数が記入される。各渉外担当者が扱った「通常預り」の件数は、預り証の枚数から「例外預り」の件数を差し引いた数となる。
確認者は、預り物について登録された内容と、実際の預り物とが一致していることを確認した人(通常は役席者または役席者の代理者)である。預金受付者は、預金処理を行った事務担当者である。
取扱日が所定日である一時預り物管理表52をみれば、当該所定日に各担当者が扱った「通常預り」、「例外預り」および「店頭預り」の件数を、処理期日の区分別に把握することができる。
前述の参考形態の変形例では、「店頭預り」の場合には、店頭預りジャーナルが発行され、「店頭預り物」が店頭預りジャーナルとともに小袋に入れられた状態で、物品管理装置1に管理されている。しかし、店頭預りジャーナルを発行せず、「店頭預り物」を店頭預り番号が印刷された番号札と一緒に小袋に入れて、物品管理装置1で管理してもよい。以下、店頭預りジャーナルを発行せずに、番号札を使用して、「店頭預り物」を管理する場合の運用について、詳しく説明する。
「店頭預り物」を預かった窓口担当者は、前述の参考形態の変形例と同様に、店頭預り物登録画面上で店頭預り物に関する情報(預り物情報)を入力する。この際、窓口担当者は、当該店頭預り物に対応づけられる番号札の番号を店頭預り番号として入力する。そして、窓口担当者は、「店頭預り物」をそれに対応づけられた番号札と一緒に小袋に入れ、収納部Xの保管部18B内の自身専用(または店頭預り物専用)の小保管部20(図19参照)に保管する。
事務担当者は、例えば、収納部Xの保管部18Bに店頭預り物が保管された日の翌日(翌営業日)に、保管部18Bから店頭預り物および番号札が入れられている小袋を取り出す。そして、事務担当者は、小袋内の番号札の番号に基いて、物品管理装置1の表示操作部31上で、当該小袋内の店頭預り物に対応する預り物情報を特定する。そして、事務担当者は、当該店頭預り物に対応する処理期日を確認して、収納部Yの保管部25内の小保管部27(図21参照)に処理期日別に保管する。事務担当者は、例えば、店頭預り物の処理期日に対応する日に、保管部25から店頭預り物を取り出して、顧客から依頼された取引を処理する。この際にも、事務担当者は、番号札の番号に対応付けられている預り物情報に基いて、取引種別(処理内容)を確認する。そして、事務担当者は、処理が完了した店頭預り物を、収納部Xの保管部18C内のその店頭預り物を担当している窓口担当者の小保管部22(図19参照)または店頭預り物専用の小保管部22に戻す。この後、店頭預り物の所有者である顧客が来店したときに、窓口担当者は、収納部Xの保管部18Cから当該店頭預り物を取り出して、その顧客に返却する。
上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。