JPH0883371A - 現金処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の現金処理装置では、防犯上，現金管理
の堅確性，維持上から、これを操作する操作員には鍵を
保持させ、装置に具備された錠を鍵で解錠することによ
り、装置内部の機械の保守，運営、即ち、現金の補充，
回収あるいは装置の修理，保全を行っていた。従って、
装置の保守、運営には、複数の鍵を操作する必要があ
り、鍵の操作が煩雑となるという問題があった。 【解決手段】 取扱い担当者の種別を示すデ−タを記憶
した情報カ−ドをカ−ドリ−ダ６に差し込むと、情報カ
−ドに記憶された取扱い担当者種別を参照し、ロック機
構２１〜２６の中からその取扱い担当者種別に対して解
錠を許されたロック機構を判別し、そのロック解錠を許
されたロック機構のロックを解錠させる制御部を備えた
現金処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、顧客自身が操作して現
金の支払や、預け入れを行うことができる現金処理装置
に係り、特に、この装置の保守，運営にあたる操作員
が、保守，運営のために開閉する装置扉のカード式自動
錠装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の現金処理装置は、防
犯上，現金管理の堅確性，維持上から、これを操作する
操作員には鍵を保持させ、装置に具備された錠を鍵で解
錠することにより、装置内部の機械の保守，運営、即
ち、現金の補充，回収あるいは装置の修理，保全を行っ
ていた。

【０００３】例えば、装置背面の外扉に第１の鍵、内部
の金庫には別の第２の鍵といったように複数の鍵によっ
て、それぞれの部分を保護，管理している。即ち、現金
管理と機械の管理とにレベル分けし、現金に直接触れる
必要のない管理、例えばレシート用紙の補給を行おうと
する場合は、第１の鍵で外扉の錠を解錠して外扉を開放
し、レシートの補給を行うが、支払現金が不足した場合
などは、第１の鍵で外扉を開放後、第２の鍵で装置内部
の現金処理機より金庫を取り出し、さらには第３の鍵で
金庫の蓋を開けて金庫内の紙幣を補充するというよう
に、複数の鍵を操作する必要があり、現金の管理を厳粛
に行おうとする程、鍵の操作が煩雑となるという問題が
あった。

【０００４】また、機械を保全する保守技術者は現金の
管理には無縁であるにもかかわらず、装置内部を点検す
るために、例えば第２，第３の鍵を、これを運用する金
融機関の現金管理担当者から借用したり、あるいは立合
いを待って、その保全作業を行わなければならず、その
直接の作業に至る以前に、煩雑な鍵操作を強いられると
いう問題もあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の現金処理装置のロック機構によれば、現金に直接触れ
る必要のない管理を行おうとする場合は、少ない本数の
鍵で管理を簡易に行うことができるが、支払現金が不足
した場合などは、多くの鍵を必要とし、これらの鍵を順
次使用していき、最終的に現金を補充するというような
煩雑な操作を必要とするという問題があった。

【０００６】また、機械を保全する保守技術者は現金の
管理には無縁であるにもかかわらず、装置内部を点検す
る場合に、多数の鍵を、これを運用する金融機関の現金
管理担当者から借用したり、あるいは立合いを待って、
その保全作業を行わなければならないため、保全作業の
前段階で既に煩雑な操作を行わなければならないという
問題もあった。

【０００７】本発明の目的は、管理レベルを記憶したカ
ードを使用することにより、鍵操作にかかわる煩雑さか
ら係員を解放することによって、上述した従来技術の欠
点を解消して、係員によるロック操作を簡素化し、しか
も現金管理上のセキュリティを完備することが可能な現
金処理装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、現金処理ユニ
ット、レシ−ト処理ユニット等の複数のユニットから構
成されるとともに、取扱い担当者の種別に応じて取扱い
操作可能なユニットが制限される現金処理装置におい
て、装置の保守面に設けられた外扉と、この外扉及び各
ユニットに各々設けられ、各々のユニットへの取扱い操
作を規制する制御可能なロック手段と、取扱い担当者の
種別を示すデ−タを記憶した情報カ−ドからこのデ−タ
を読み出すカ−ドリ−ダと、このカ−ドリ−ダで情報カ
−ドが読み取られたときに、情報カ−ドに記憶された取
扱い担当者種別を参照し、取扱い担当者種別に対して解
錠を許されたロック手段を判別し、そのロック解錠を許
されたロック手段へロックの解錠を指示する制御手段と
を備えたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明の現金処理装置では、情報カ−ドがカ−
ドリ−ダに差し込まれると、情報カ−ドに記憶されてい
る取扱い担当者の種別を示すデ−タが読み出され、この
デ−タが制御手段に取り込まれる。

【００１０】そして、読み出された取扱い担当者の種別
に応じて、その取扱い担当者に対して取扱い操作が許さ
れたユニットのロックが解除され、そのユニットへの消
耗品の補充や、当該ユニットの修理、保全などが可能と
なる。

【００１１】即ち、取扱い担当者が低位レベルの権限し
か与えられていない者であれば、低位レベルのユニット
のロック機構のみが解錠されるに止まるし、反対に、最
高位レベルの取扱い担当者であれば、全ユニットのロッ
ク機構が解錠される。

【００１２】従って、消耗品を補充する場合のような低
位レベルの運用であっても、現金を補充、回収する場合
のような高位レベルの運用であっても、繁雑な操作を必
要とせず単純な操作で装置の運用や保守が行える。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１〜図７を用いて
説明する。 （１）装置本体の説明（図２，図３） 図２は現金自動取引装置３０（以下、単にＡＴＭ３０ま
たは装置という）の背面から見た斜視図を示す。図面に
現れない前面には顧客ＩＤカード挿入口，通帳挿入口，
紙幣取引口，硬貨取引口，レシート排出口，タッチパネ
ル等の接客部が設けられている。背面には、図示するよ
うに、装置背面部を覆って内部を保護する両開きの外扉
３１が取り付けられている。この外扉３１上には、係員
が使用するマニュアルカードの磁気ストライプ等に記憶
された情報を読み取るマニュアルカードリーダ１８，係
員が装置のメンテナンスやテストを行うための係員操作
部１７が設けられている。

【００１４】係員操作部１７には小扉である係員操作扉
１７ａが取り付けられている。その係員操作扉７ａに設
けた開口部からはテンキー３２が外部に露出していて、
係員操作扉１７ａを開くことなく、外部からのテンキー
３２の操作が可能となっている。また、係員操作扉１７
ａの表には外扉３１の電子制御ロック機構の開閉状態を
表示するロック表示器３３が取り付けられている。この
ロック表示器３３は、例えばロック機構が施錠されてい
るときは点灯し、解錠されているときは消灯するように
なっている。なお、係員操作扉１７ａの内側には、テン
キー３２の他に装置の電源を切って装置の取扱いを中止
にする取扱い中止釦等、係員が操作を行うのに必要なス
イッチ類が格納されている。

【００１５】図３は外扉３１を開放したときの装置内部
のユニット扉の構成を示す。即ち、機械の保守，運営を
簡易化するために装置内部は、例えば、ジャーナルに巻
回されたレシートが格納されているレシート系，現金の
種別ごとに設けられた内部設置の分割金庫や種別に関係
無く現金を収める取出し可能な一括金庫( 補充／回収金
庫) が格納されている金庫系，装置が新規に発行する白
紙の通帳や取扱い異常を起こした通帳が格納されている
通帳系，装置の制御中枢が格納されている制御系という
ように４つにユニット化されており、各ユニットにはそ
れぞれ内扉となるユニット扉が取り付けられている。

【００１６】ユニット扉は、レシート及びジャーナルの
回収／補充を行うときに開放するレシート系扉３５，現
金の補充／回収のために金庫１４を取り外したり、セッ
トしたりするために開放する金庫系扉３６，通帳の回収
／補充を行うときに開放する通帳系扉３７，装置の制御
を司る制御部の修理，保全を行うために開放する制御系
扉３８で構成されている。

【００１７】各ユニット扉３５，３６，３７，３８には
これらの扉の電子制御ロック機構の開閉状態を表示する
ロック表示器３９，４０，４１，４２がそれぞれ取り付
けられている。これらロック表示器３９〜４２は、上記
外扉３１と同様に、例えば電子制御ロック機構が施錠さ
れているときは点灯し、解錠されているときは消灯する
ようになっている。 （２）制御系の説明（図１） 図２のＡＴＭ３０の内部には、図１に示す制御部１、カ
ードリーダ制御部２、通帳制御部３、現金処理制御部
４、操作盤制御部５等が設けられる。

【００１８】ここで、カードリーダ制御部２は、顧客が
使用するＩＤカードの磁気ストライプ等に記憶された情
報を読み取るカードリーダ６と、装置の外扉３１に設け
られた上記マニュアルカードリーダ１８と、これらリー
ダのカード挿入口に挿入されたカードを自動的に走行さ
せて挿入口より入排出するカード走行部１６とを制御す
る。

【００１９】通帳制御部３は、通帳の磁気ストライプ等
に記録されている情報及び通帳の頁，行を読み取ると共
に、通帳に情報を印字して書き込む通帳プリンタ１０
と、通帳を走行させて通帳挿入口６より入排出する通帳
走行部１１とを制御する。

【００２０】現金処理制御部４は、扉を開閉して現金の
投入または排出を行う投入排出口１２と、投入排出口１
２から投入／排出される現金の種別を鑑別し、枚数を計
数する鑑別計数部１３と、現金を保管する金庫１４とを
制御する。

【００２１】操作盤制御部５は、顧客が操作する押釦等
の顧客操作部１５と、取引に必要な顧客操作の誘導文字
等を表示すると共に、各種キーを映し出して、顧客がそ
のキーを押すことによりキーに対応した文字，数字等の
入力を行う表示パネル１６と、装置の外扉３１に設けら
れた上記係員操作部１７とを制御する。

【００２２】また、操作盤制御部５は、上記外扉３１に
設けられて常時は外扉３１を施錠し、解錠指令を受けた
とき外扉３１を解錠する外扉電子制御ロック機構２１
と、同じくレシート系扉３５に設けられたレシート系扉
電子制御ロック機構２２と、金庫系扉３６に設けられた
金庫系扉電子制御ロック機構２３と、通帳系扉３７に設
けられた通帳系扉電子制御ロック機構２４と、制御系扉
３８に設けられた制御系扉電子制御ロック機構２５と、
上記係員操作扉１７ａにもうけられた係員操作扉電子制
御ロック機構２６と、これら各扉１７ａ，３５〜３８の
ロック機構の状態をそれぞれ表示するロック表示器３
３，３９，４０，４１，４２とを制御する。

【００２３】これら各制御部２〜５は制御部１の支配下
に置かれる。制御部１は各種の取引に必要な全ての判断
手段を具備し、その判断に基づき各制御部２〜５に制御
指令を出力してこれらを制御する。 （３）マニュアルカードの説明（図４） ところで、特に本実施例では、マニュアルカードに取扱
い者（係員）識別データ，解錠データ，補充／回収デー
タ等を持たせ、マニュアルカードリーダ１８にマニュア
ルカードを差し込むだけで現金の補充／回収準備やロッ
クの解除を行うようにしたものであるが、このマニュア
ルカード５０には、例えば、図４に示すような情報が磁
気ストライプ等の手段により記憶されている。

【００２４】解錠データの一つが記憶される担当者種別
欄には、消耗品補給回収担当者（以下、単に消耗品担当
者ともいう），現金管理担当者，修理保全担当者等が記
憶されている。このデータから当該カードが、単に消耗
品の補充／回収操作を目的とした消耗品カードであるの
か、現金レベルまでの取扱いを行う現金カードであるの
か、あるいは機器の修理／保全を目的とした保全カード
であるのかを知ることができる。

【００２５】また、解錠データの他の一つが記憶される
消耗品種別欄には、レシート系のみの補充／回収である
のか、通帳系のみの補充／回収であるのか，あるいはレ
シート系及び通帳系の両方の処理を目的としているのか
を知らせるデータが記憶されている。

【００２６】また、取扱い者識別データ欄には、現金操
作者を特定する暗証番号，修理保全操作者を特定する暗
証番号が記憶されている。

【００２７】さらに、現金管理種別欄には現金の補充か
回収かを示す補充／回収種別が記憶され、特に、現金回
収の場合においては、さらに全回収か一部回収かの区別
データが記憶されている。 （４）フローチャートの説明（図５〜図７） 次に、図１に示した制御部１の諸機能の実施例を、手作
業操作入力も含めた図５〜図７のフローチャートを用い
て説明する。なお、ここでは現金に関して補充と補給、
また回収と収集はそれぞれ異なる意味で使用している。
即ち、補充というときは装置外から装置内に現金を供給
することを意味し、補給というときは装置内で一括金庫
から分割金庫へ現金を振り分けることを意味する。また
回収というときは装置内から装置外へ現金を取り出すこ
とを意味し、収集というときは装置内で分割金庫に分散
している現金を一括金庫に集めることを意味する。 （４−１）図５のフローチャートの説明 制御部１はマニュアルカードリーダ１８にカード５０が
差し込まれたか否かを検知し、否であればカード５０を
検知するまで待つ（ステップ１００）。

【００２８】カード５０を検知すると磁気ストライプ等
に記憶された情報データをマニュアルカードリーダ１８
で読み取り、カードリーダ制御部２を介して制御部１に
送る（ステップ１０１）。

【００２９】制御部１は、先ず、カード情報の中の担当
者種別データをチェックする。消耗品補給回収担当者用
のカードでなければステップ１２０へ進ませる（ステッ
プ１０２）。

【００３０】カード５０が消耗品補給回収担当者用のカ
ードであれば、制御部１は操作盤制御部５に外扉電子制
御ロック機構解除指令を出力して、外扉電子制御ロック
機構２１を解錠する。この解錠により外扉３１のロック
状態を示すロック表示器３３が消灯する（ステップ１０
３）。

【００３１】消耗品担当者は外扉ロック表示器３３が消
灯したことを確認して外扉３１を開放する（ステップ１
０４）。

【００３２】制御部１は、次に、カード情報の中の消耗
品種別をチェックする。即ち、レシート系またはレシー
ト系及び通帳系の両方であるか、あるいは通帳系のみで
あるか否かを判定し、通帳系のみであればステップ１１
２へ進む（ステップ１０５）。

【００３３】カード情報の中の消耗品種別がレシート系
及び通帳系の両方であれば、制御部１は操作盤制御部５
にレシート系電子制御ロック機構解錠指令を出力して、
レシート系扉電子制御ロック機構２２を解錠する。この
解錠によりレシート系扉３５のロック状態を示すロック
表示器３９が消灯する（ステップ１０６）。

【００３４】消耗品担当者はレシート系扉ロック表示器
３９が消灯したことを確認してレシート系扉３５を開放
する（ステップ１０７）。

【００３５】消耗品担当者はレシート系扉３５の内側に
あるレシート及びジャーナルの回収または補充操作を行
う。ここで回収は回収箱から回収し、補充は補充箱から
補充する。このとき、ＡＴＭ３０を停止せず稼働状態を
保持して、レシート及びジャーナルの回収／補充を行え
る機構とする（ステップ１０８）。

【００３６】消耗品担当者は必要とされる回収／補給処
理が終了したらレシート系扉３５を閉じる（ステップ１
０９）。

【００３７】制御部１はレシート系扉３５の閉じたこと
を検知してレシート系扉電子制御ロック機構２２を自動
的に施錠する。この施錠によりレシート系扉ロック表示
器３９が点灯する（ステップ１１０）。

【００３８】制御部１は、再びカード情報の中の消耗品
種別をチェックする。即ち、消耗品種別がレシート系及
び通帳系の両方であるか否かを判定し、否であればステ
ップ１１７へ進む（ステップ１１１）。

【００３９】消耗品種別がレシート系及び通帳系の両方
であるとき、又は、上述したステップ１０５でのカード
情報の中の消耗品種別のチェックで、通帳系のみと判定
されたとき、制御部１は操作盤制御部５に通帳系電子制
御ロック機構解錠指令を出力して、通帳系扉電子制御ロ
ック機構２４を解錠する。この解錠により通帳系扉３７
のロック状態を示すロック表示器４１が消灯する（ステ
ップ１１２）。

【００４０】消耗品担当者は通帳系扉ロック表示器４１
が消灯したことを確認して通帳系扉３７を開放する（ス
テップ１１３）。

【００４１】消耗品担当者は通帳系扉３７の内側にある
通帳の回収をしたり、通帳を補給したりする操作を行
う。このときも、ＡＴＭ３０を停止せず稼働状態を保持
して、通帳の回収／補給を行える機構とすることが望ま
しい（ステップ１１４）。

【００４２】消耗品担当者は必要とされる回収／補充処
理が終了したら通帳系扉３７を閉じる（ステップ１１
５）。

【００４３】制御部１は通帳系扉３７が閉じたことを検
知して通帳系扉電子制御ロック機構２４を自動的に施錠
する。この施錠により通帳系扉ロック表示器４１が点灯
する（ステップ１１６）。

【００４４】ここで、消耗品担当者は各ユニット扉３５
〜３８のロック表示器３９〜４２が全て点灯しているこ
とを確認して外扉３１を閉じる（ステップ１１７）。

【００４５】制御部１は外扉３１の閉じたことを検知し
て外扉電子制御ロック機構２１を自動的に施錠し、再び
ステップ１００へ戻す。この施錠により外扉ロック表示
器３３が点灯する（ステップ１１８）。 （４−２）図６のフローチャートの説明 制御部１がステップ１０２でチェックしたカード情報の
中の担当者種別データが消耗品補給回収担当者用のカー
ドでなかったときは、さらに現金管理操作者であるか否
かを判定し、否であればステップ１４０へ進む（ステッ
プ１２０）。

【００４６】カード５０が現金管理操作者用のカードで
あれば、制御部１は操作盤制御部５を制御して、外扉３
１上に設けた係員操作部１７に取り付けたテンキー３２
からの入力を受け付ける。現金操作者はテンキー３２を
押下して暗証番号を入力する（ステップ１２１）。

【００４７】制御部１はカード情報の中に記憶されてい
る暗証番号と、テンキー３２が押下されて係員操作部１
７，操作盤制御部５を介して制御部１に送られてきた暗
証番号とを比較して、一致しているか否かを判断して、
否であればステップ１００へ進ませる（ステップ１２
２）。

【００４８】２つの暗証番号が一致しているのであれ
ば、制御部１はカード情報の中の現金補充／回収種別を
チェックし、補充であればステップ１２６へ進ませる
（ステップ１２３）。

【００４９】現金補充／回収種別が回収であれば、ＡＴ
Ｍ３０は現金操作が出来なくなるので、制御部１は操作
盤制御部５に入出金取引不可能表示指令を出力して、表
示パネル１６に入出金取引が不可能になった旨を表示す
る（ステップ１２４）。

【００５０】制御部１は、カード情報の中の回収指定、
例えば全回収か一部回収かの種別に応じた指令を現金処
理制御部４に出力して、補充／回収金庫に現金の回収動
作を行わせる。即ち、分割金庫に分散している現金を一
括金庫である補充／回収金庫に収集して、装置外への回
収を容易にする（ステップ１２５）。

【００５１】現金の回収動作が終了したとき、あるいは
ステップ１２３での判定が現金の補充であるとき、制御
部１は操作盤制御部５に外扉電子制御ロック機構解錠指
令を出力して、外扉電子制御ロック機構２１を解錠す
る。この解錠により外扉３１のロック状態を示すロック
表示器３３が消灯する（ステップ１２６）。

【００５２】現金操作者は外扉ロック表示器３３が消灯
したことを確認して外扉３１を開放する（ステップ１２
７）。

【００５３】制御部１は操作盤制御部５に金庫系扉電子
制御ロック機構解錠指令を出力して、金庫系扉電子制御
ロック機構２３を解錠する。この解錠により金庫系扉３
６のロック状態を示すロック表示器４０が消灯する（ス
テップ１２８）。

【００５４】現金操作者は金庫系扉ロック表示器４０が
消灯したことを確認して金庫系扉４０を開放する（ステ
ップ１２９）。

【００５５】現金操作者は金庫系扉４０の内側にある補
充／回収の一括金庫１４（補充であれば後述するステッ
プ１３４により当該金庫は空であり、回収であればステ
ップ１２５により収集された現金が入っている）を装置
から取り外す（ステップ１３０）。

【００５６】現金操作者は新たな補充／回収の一括金庫
１４を装置にセットする。このとき、一部補充指示であ
れば、一部補充動作終了後に一括金庫１４を取り外して
元の金庫１４をセットするか、もしくは一括金庫１４な
しでも動くようにすることは可能である（ステップ１３
１）。

【００５７】現金操作者は金庫１４のセットが終了した
ら金庫系扉３６を閉じる（ステップ１３２）。

【００５８】制御部１は、再びカード情報の中の補充／
回収種別をチェックし、補充／回収種別が回収であるか
否かを判定し、回収であればステップ１３５へ進む（ス
テップ１３３）。

【００５９】補充／回収種別が補充であれば、制御部１
は現金処理制御部４へ補給処理を指示し、現金処理制御
部４は補給動作を開始する。即ち、セットされた新補充
／金庫内の現金を内部設置されている分割金庫に金種別
に振り分ける。この場合の補給動作においては補給動作
終了まで入金取引を中止する方法もあるが、ここでは顧
客が取引選択で入出金を選んだときに、直ちに補給動作
を停止して顧客取引を優先することとしている（ステッ
プ１３４）。

【００６０】補充／回収種別をチェックするステップ１
３３で回収処理と判定されたとき、制御部１は操作盤制
御部５へ装置入出金中止解除指令を出し、表示パネル１
６に入出金取引が可能となった旨の表示をする。また、
一部回収処理の場合には、可能な取引、例えば、その一
部回収が千円を全回収したときには万円のみの支払可能
の旨を表示する（ステップ１３５）。 （４−３）図７のフローチャートの説明 制御部１がステップ１２０でチェックしたカード情報の
中の担当者種別データが現金管理担当者用のカードでな
かったとき、さらに修理保全操作者であるか否かを判定
し、否であればステップ１００へ戻る（ステップ１４
０）。

【００６１】カード５０が修理保全担当者用のカードで
あれば、制御部１は操作盤制御部５に係員操作許容指令
を出して、外扉３１上に設けた係員操作部１７に取り付
けたテンキー３２からの入力を受け付ける。修理保全担
当者はテンキー３２を押下して暗証番号を入力する（ス
テップ１４１）。

【００６２】制御部１はカード情報の中の記憶暗証番号
と、テンキー３２が押下されて係員操作部１７，操作盤
制御部５を介して制御部１に送られてきた入力暗証番号
とを比較して、一致しているか否かを判断して、否であ
ればステップ１００へ戻す（ステップ１４２）。

【００６３】２つの暗証番号が一致しているのであれ
ば、制御部１は操作盤制御部５に係員操作扉電子制御ロ
ック機構解錠指令を出して、係員操作扉電子制御ロック
機構２６を解錠する（ステップ１４３）。

【００６４】修理保全担当者は係員操作扉１７を開放す
る（ステップ１４４）。

【００６５】修理保全担当者は係員操作扉１７ａの内側
にある、装置の取引を中止させる取扱い中止釦３４を押
下する（ステップ１４５）。

【００６６】制御部１は、現在取引中であれば取引が終
了したとき、またアイドリング中であれば直ちに装置停
止指令を操作盤制御部５に出力して、装置停止の旨を表
示パネル１６へ表示する（ステップ１４６）。

【００６７】制御部１は装置の停止を検出すると、操作
盤制御部５に外扉ロック解錠指令を出力して、外扉電子
制御ロック機構２１を解錠する。この解錠により外扉３
１のロック状態を示すロック表示器３３が消灯する（ス
テップ１４７）。

【００６８】修理保全担当者は外扉ロック表示器３３が
消灯したことを確認して外扉３１を開放する（ステップ
１４８）。

【００６９】制御部１は操作盤制御部５に各ユニット扉
のロック解錠指令を出力して、各ユニット扉の電子制御
ロック機構２２〜２５を解錠する。この解錠により各ユ
ニット扉３５〜３８のロック状態を示すロック表示器３
９〜４２が消灯する（ステップ１４９）。

【００７０】修理保全担当者は全扉のロック表示器３９
〜４２が消灯したことを確認して修理保全箇所のあるユ
ニットの扉を開放する（ステップ１５０）。

【００７１】開放した扉の中にあるユニットの機械的ロ
ック機構を外してユニットを引出し、修理保全操作を実
施する（ステップ１５１）。

【００７２】各ユニットの修理保全が全て終了するま
で、上記ステップ１５０，１５１を繰返す（ステップ１
５２）。

【００７３】修理保全担当者は修理保全が全て終了した
ときに各ユニットの扉３５〜３８の全てを閉じる（ステ
ップ１５３）。

【００７４】制御部１は各ユニットの扉３９，４０，４
１，４２の閉じたことを検知して各ユニット扉の電子制
御ロック機構２２，２３，２４，２５を自動的に施錠す
る。この施錠により各扉のロック表示器３９，４０，４
１，４２が点灯する（ステップ１５４）。

【００７５】ここで修理保全担当者は各ユニット扉３５
〜３８のロック表示器３９〜４２が全て点灯しているこ
とを確認して外扉３１を閉じる（ステップ１５５）。

【００７６】制御部１は外扉３１の閉じたことを検知し
て外扉電子制御ロック機構２１を自動的に施錠する。こ
の施錠により外扉ロック表示器３３が点灯する（ステッ
プ１５６）。

【００７７】修理保全担当者は係員操作部１７の取扱い
中止釦３４を再度押下して取扱い中止状態を解除する
（ステップ１５７）。

【００７８】取扱い中止が解除されることにより、装置
は取扱いを再開する（ステップ１５８）。

【００７９】修理保全担当者は取扱中になったことを確
認した上で係員操作扉１７ａを閉じる（ステップ１５
９）。

【００８０】制御部１は係員操作扉１７ａの閉じたこと
を検知して係員操作扉電子制御ロック機構２６を自動的
に施錠し、ステップ１００に戻す（ステップ１６０）。 （５）実施例の効果 上記したように本実施例によれば、現金処理装置の外
扉，内部機器に消耗品を補充／回収するために操作を必
要とする部分、現金，通帳など重要管理を要する部分な
どに装置をレベル分けし、レベル分けしたユニットのそ
れぞれに電子制御ロック機構を具備する。一方、電子制
御ロック機構を操作する現金管理操作者，消耗品補給／
回収者，機器の修理／保全管理者などにそれぞれ、情報
カードであるマニュアルカードを保持させ、そのマニュ
アルカードにそれぞれのレベルに応じて、その操作を許
容する情報を書き込むようにしてある。

【００８１】従って、例えば現金管理者は、１枚の高級
情報カードを持つことにより、全てのレベルにある電子
制御ロック機構を外部より解錠できるようにし、また例
えば、外部運用会社が金融機関の休日等に運用を請け負
い、現金以外の消耗媒体の補給や起動・停止の運用を行
う場合には、低位の情報カードを持ち、外扉の開放のみ
を可能とするようにして運用する。

【００８２】このように、マニュアルカードに操作情報
を記憶させておくことにより、操作者は意識することな
く、また難しいキー操作等を伴うことなく、現金の補
充，回収あるいは装置の修理，保全を行うことができ
る。

【００８３】なお、暗証番号としての識別コードを外部
から入力しないでも、カードに個人を特定する識別コー
ドを記憶させておいた上で、装置側に取扱可能者コード
を登録しておくことにより、操作を許可することも可能
である。この場合、カードを粉失する等して他人がカー
ドを入手したときにはセキュリティが害されることにな
るが、そのときはともかくとして、読み取った識別コー
ドから取扱い者の使用記録をとることに意味がある。

【００８４】

【発明の効果】本発明によれば、現金や消耗品などの補
充回収を行う操作員や保守員は、その担当者の種別が記
憶されたカ−ドをカ−ドリ−ダで読み取らせることによ
り、操作することが許されたユニットのロックが解除さ
れ、現金の補充・回収、消耗品の補充あるいは装置の保
全などが行えるようになるので、取扱い担当者によるロ
ック操作が簡素化されるとともに、現金など重要管理を
要する媒体に対するセキュリティが確保される。

【００８５】また、従来のように多量の鍵を管理する煩
わしさからも解放される。

【００８６】さらに、情報カ−ドに現金補充あるいは現
金回収の種別を示す補充回収デ−タを記憶しておき、こ
の情報カ−ドを読み取らせるとともに一括金庫を脱着す
ることにより、自動で現金処理ユニットへの現金の補充
回収を行うようにすれば、重要管理を要する現金の補充
回収を、カ−ドと一括金庫とで自動で簡単に行えること
になる。従って、セキュリティレベルの高い低いにかか
わらず、簡単な操作で、高いセキュリティを確保した保
守、運営を行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のブロック図

【図２】装置の外観斜視図

【図３】ユニット扉の正面図

【図４】マニュアルカードの記憶情報

【図５】本実施例の動作を説明するフロ−チャ−ト

【図６】本実施例の動作を説明するフロ−チャ−ト

【図７】本実施例の動作を説明するフロ−チャ−ト

【符号の説明】

１ 制御部 ２ カードリーダ制御部 ３ 通帳制御部 ４ 現金処理制御部 ５ 操作盤制御部 １４ 金庫 １８ マニュアルカードリーダ ２１ 外扉電子制御ロック機構 ２２ レシート系扉電子制御ロック機構 ２３ 金庫系扉電子制御ロック機構 ２４ 通帳系扉電子制御ロック機構 ２５ 制御系扉電子制御ロック機構 ２６ 係員操作扉電子制御ロック機構 ３０ 現金処理装置としての現金自動取引装置（ＡＴ
Ｍ） ３２ 入力手段としてのテンキー ３１ 外扉 ３５ レシート系扉 ３６ 金庫系扉 ３７ 通帳系扉 ３８ 制御系扉 ５０ 情報カードとしてのマニュアルカード

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現金処理ユニット、レシ−ト処理ユニッ
   ト等の複数のユニットから構成されるとともに、取扱い
   担当者の種別に応じて取扱い操作可能なユニットが制限
   される現金処理装置において、 装置の保守面に設けられた外扉と、 該外扉及び前記各ユニットに各々設けられ、各々のユニ
   ットへの取扱い操作を規制する制御可能なロック手段
   と、 取扱い担当者の種別を示すデ−タを記憶した情報カ−ド
   から該デ−タを読み出すカ−ドリ−ダと、 該カ−ドリ−ダで前記情報カ−ドが読み取られたとき
   に、該情報カ−ドに記憶された取扱い担当者種別を参照
   し、該取扱い担当者種別に対して解錠を許されたロック
   手段を判別し、当該ロック解錠を許されたロック手段へ
   ロックの解錠を指示する制御手段とを備えたことを特徴
   とする現金処理装置。
2. 【請求項２】 現金処理ユニット、レシ−ト処理ユニッ
   ト等の複数のユニットから構成されるとともに、取扱い
   担当者の種別に応じて取扱い操作可能なユニットが制限
   され、かつ、前記現金処理ユニット内の内部設置金庫へ
   の現金の補充又は前記内部設置金庫からの現金の回収を
   着脱自在な一括金庫の着脱により行う現金処理装置にお
   いて、 装置の保守面に設けられた外扉と、 該外扉及び前記各ユニットに各々設けられ、各々のユニ
   ットへの取扱い操作を規制する制御可能なロック手段
   と、 取扱い担当者の種別を示すデ−タ及び現金補充あるいは
   現金回収の種別を示す補充回収デ−タとを記憶した情報
   カ−ドから該デ−タを読み出すカ−ドリ−ダと、 該カ−ドリ−ダで前記情報カ−ドが読み取られたとき
   に、該情報カ−ドに記憶された取扱い担当者種別を参照
   し、該取扱い担当者種別に対して解錠を許されたロック
   手段を判別し、当該ロック解錠を許されたロック手段へ
   ロックの解錠を指示するとともに、補充回収デ−タを参
   照し、その種別が現金補充の場合には前記一括金庫から
   前記内部設置金庫内へ現金を自動補充し、その種別が現
   金回収の場合には前記内部設置金庫から前記一括金庫へ
   現金を自動回収する制御手段とを備えたことを特徴とす
   る現金処理装置。