以下に添付図面を参照して、本発明に係る物品管理装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る物品管理装置が銀行等の金融機関に設置される場合について説明することとする。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る物品管理手法の概要について説明する。本発明に係る物品管理手法では、物品管理装置の収納庫が解錠された場合に、この収納庫と関連付けられた処理機の鍵の取り出しに関する処理を実行する点に主たる特徴がある。ここで、処理機は、物品管理装置に収納される物品を処理対象とする装置であり、たとえば、通帳を処理対象とする通帳繰越機や貨幣を処理対象とする両替機等に相当する。
図1は、本発明に係る物品管理手法の概要を示す図である。たとえば、同図の(1)に示す通帳繰越機01は、利用者の通帳が全て記帳済みになった場合にあらたな通帳を自動発行する装置である。この通帳繰越機01内の通帳の残数が少なくなった場合、利用者は、鍵Aを用いて通帳繰越機01を解錠し、通帳繰越機01にあらたな通帳を補充する。
ここで、かかる補充作業に伴う物品管理装置の処理について同図の(b)を用いて説明する。同図の(b)に示すように、物品管理装置は、複数の収納庫を備えている。そして、これら複数の収納庫のうちの1つには、通帳繰越機01に対して補充すべき通帳が収納されており、また、別の収納庫には、通帳繰越機01の鍵Aを含む複数の鍵が保管されている。ここでは、複数の鍵を保管する収納庫を鍵収納庫と呼ぶ。
また、物品管理装置は、収納庫と鍵とを関連付けた収納庫情報を記憶している。具体的には、収納庫情報は、収納庫と、この収納庫に収納される物品の装填先または回収先となる処理機の鍵とを関連付けている。
まず、利用者は、物品管理装置のタッチパネルLCDを操作し、物品管理装置に設けられた複数の収納庫の中から、通帳繰越機01に対して補充すべき通帳が収納されている収納庫を選択する。かかる選択操作を受け付けると、物品管理装置は、該当する収納庫を解錠する(図1の(1)参照)。
つづいて、物品管理装置は、収納庫が解錠されると、解錠された収納庫と関連付けられた鍵を収納庫情報を用いて特定する。そして、物品管理装置は、特定した鍵の収納位置をタッチパネルLCD10に表示する(図1の(2−1)参照)。これにより、利用者は、通帳繰越機01の鍵Aがどの収納庫に収納されているかを即座に把握することができる。
さらに、物品管理装置は、通帳繰越機01の鍵Aの鍵ホルダの解錠も行う(図1の(2−2)参照)。これにより、利用者は、通帳繰越機01の鍵Aを物品管理装置から容易に取り出すことができ、しかも、異なる鍵を取り出してしまうといった事態を防止することもできる。なお、物品管理装置は、利用者が鍵Aの解錠権限を有する場合にのみ、この鍵Aの鍵ホルダを解錠することとしてもよい。これにより、収納庫を解錠することができる利用者を限定できるため、物品管理を厳正化することができる。
このように、本発明に係る物品管理手法では、物品管理装置が、複数の収納庫のうち解錠を行う収納庫が選択された場合に、選択された収納庫と関連付けられた鍵の収納位置を報知したり、この鍵の鍵ホルダを解錠したりする。これにより、処理機に対して補充する物品が取り出された場合に、この処理機の鍵の鍵ホルダも解錠されるため、処理機に対する物品の装填や回収を効率的に行うことができる。
以下では、図1を用いて説明した物品管理手法を適用した物品管理装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下では、物品管理装置が、銀行等の金融機関に設置される両替機や通帳繰越機、ATMといった処理機との間でデータ連携を行う場合について説明する。
図2は、本実施例に係る物品管理装置の外観および物品管理装置に接続される処理機を示す図である。同図に示すように、物品管理装置1は、複数の物品を保管管理する装置であり、物品を収納するための複数の収納庫B1〜B12を備えている。ここで、収納庫B2は、複数の鍵を収納する鍵収納庫であり、各鍵を個別に施解錠する鍵ホルダ部を有している。また、収納庫B10,B11は、複数の通帳を収納する通帳収納庫であり、収納されている通帳の数を計数する通帳精査部を有している。また、その他の収納庫B1,B3〜B9,B12は、鍵ホルダ部や通帳精査部を有さない一般収納庫である。
また、物品管理装置1は、利用者からの操作を受け付けたり各種画面を表示したりするタッチパネルLCD10と、利用者のIDカードに記録された情報を読み取るカードリーダ11とを備えている。利用者は、IDカードを用いて物品管理装置1にログインした後、タッチパネルLCD10を操作して目的とする物品が収納されている収納庫を解錠させる。
また、同図に示したように、物品管理装置1は、店舗内LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で、通帳繰越機、ATM、両替機、オープン出納機といった各種の処理機2と接続されている。ここで、通帳繰越機は、通帳を処理対象とする処理機であり、ATM、両替機およびオープン出納機は、貨幣を処理対象とする処理機である。これら処理機は、処理対象とする物品の残数を計数する機能を備えている。
そして、本実施例に係る物品管理装置1は、これらの処理機2から通知される物品数情報に基づき、該当する処理機に対して物品を補充または回収すべき旨を表示したり、補充または回収の対象となる物品が収納される収納庫の位置を表示したり、補充または回収の対象となる物品を収納する収納庫を解錠したりする。
次に、本実施例に係る物品管理装置1および処理機2の構成について図3を用いて説明する。図3は、物品管理装置1および処理機2の構成を示すブロック図である。なお、同図には、物品管理装置1および処理機2の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
同図に示すように、物品管理装置1は、タッチパネルLCD(Liquid Crystal Display)10と、カードリーダ11と、収納庫12と、記憶部13と、制御部14とを備えている。一方、処理機2は、物品計数部21と、情報通知部22とを備えている。
以下では、まず、物品管理装置1の各構成要素について説明する。タッチパネルLCD10は、各種画面を表示したり、指先等でタッチされた情報を制御部14へ伝えたりする表示操作部である。利用者は、このタッチパネルLCD10を操作することによって、複数の収納庫B1〜B12の中から解錠したい収納庫を選択する。また、カードリーダ11は、磁気カード等のIDカードから利用者IDを読み取る読取装置である。
収納庫12は、一般収納庫121と、鍵収納庫122と、通帳収納庫123とを備えている。一般収納庫121は、複数の鍵を個別に管理する機能や通帳精査機能といった特殊な機能を有さない一般的な収納庫である。この一般収納庫121は、扉体の施解錠を行う施解錠部121aを備えている。なお、ここでは、図2に示した収納庫B1,B3〜B9,B12が一般収納庫121に相当する。
鍵収納庫122は、複数の鍵の持ち出しや返却を個別に管理する収納庫であり、扉体の施解錠を行う施解錠部122aに加えて、複数の鍵をそれぞれ取り付けた鍵ホルダを個別に施解錠する鍵ホルダ部122bを備えている。具体的には、この鍵ホルダ部122bは、図示しない12個の鍵ホルダA1〜A12を備えている。各鍵ホルダA1〜A12は、鍵ホルダ部122bに挿入されており、鍵ホルダ部122bによって抜き出し不能に施錠される。そして、鍵ホルダ部122bは、制御部14からの指示に従って、鍵ホルダを個別に施錠または解錠する。なお、ここでは、図2に示した収納庫B2が鍵収納庫122に相当する。
通帳収納庫123は、複数の通帳を収納する収納庫であり、扉体の施解錠を行う施解錠部123aに加えて、収納されている通帳を計数する通帳精査部123bを備えている。通帳精査部123bは、通帳収納庫123内部に設けられた図示しない反射型センサを用いて通帳を計数する。
具体的には、各通帳は、起立した状態で通帳収納庫123の手前側から奥側へ順に並べられている。一方、反射型センサは、通帳が並べられた方向、すなわち、通帳収納庫123の手前側から奥側へと稼働しながら通帳に光を照射するとともにその反射光を受光する。そして、通帳精査部123bは、受光された反射光の受光レベルに基づき通帳間の凹凸を検出し、検出した凹凸の数に基づいて通帳の数を決定する。なお、通帳精査部123bは、利用者によって通帳収納庫123の扉体が閉鎖される毎に計数処理を実行し、計数結果を収納庫情報13bとして記憶部13に記憶する。
また、通帳精査部123bは、前回および今回の計数結果を用いて、通帳収納庫123から取り出された通帳数または通帳収納庫123に収納された通帳数を算出する。たとえば、前回の計数結果が「300冊」であり、今回の計数結果が「200冊」である場合、通帳精査部123bは、取り出された通帳数「100冊」を算出する。この算出結果は、記憶部13の所定の領域に記憶される。
なお、本実施例に係る通帳収納庫123の内部は、さらに4つの個別収納部に区分けされており、各個別収納部ごとに異なる種類の通帳を収納することができる。また、通帳精査部123bは、各個別収納部に収納された通帳を個別に計数する。また、ここでは、図2に示した収納庫B10,B11が通帳収納庫123に相当する。
記憶部13は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、処理機情報13aと、収納庫情報13bと、利用者情報13cと、貸出情報13d等を記憶する。処理機情報13aは、各処理機の処理機名ごとに、物品の残数などの処理機データを関連付けた情報である。ここで、この処理機情報13aの一例について図4を用いて説明しておく。図4は、処理機情報13aの一例を示す図である。
図4に示すように、処理機情報13aは、「処理機名」項目と、「残数」項目と、「ニアエンプティ」項目と、「ニアフル」項目とを含んだ情報である。ここで、「処理機名」項目は、処理機2の名称が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、「通帳繰越機01」、「両替機01」、「ATM01」等が格納されている。
「残数」項目は、各処理機2内の物品の残数情報が格納される項目である。なお、両替機やATMなどのように貨幣を処理対象とする場合、この「残数」項目には、金種ごとの残数情報が格納される。たとえば、「両替機01」には、「残数」項目として、「一万円札 1,300枚」、「五千円札 700枚」、「千円札 4,800枚」といった残数情報が関連付けられている。
「ニアエンプティ」項目は、処理機2からニアエンプティ情報を受け取ったか否かを示す情報が格納される項目である。また、「ニアフル」項目は、処理機2からニアフル情報を受け取ったか否かを示す情報が格納される項目である。たとえば、「通帳繰越機01」には、「ニアエンプティ」項目として「○」が関連付けられている。これは、通帳繰越機01からニアエンプティ情報を受け取ったことをあらわしている。なお、両替機やATMなどのように貨幣を処理対象とする場合、「ニアエンプティ」項目および「ニアフル」項目には、金種ごとの情報が格納される。
収納庫情報13bは、収納庫ごとに、収納物品や装填先処理機といった収納庫データを関連付けた情報である。ここで、この収納庫情報13bの一例について図5を用いて説明しておく。図5は、収納庫情報の一例を示す図である。
図5に示すように、収納庫情報13bは、「収納庫」項目と、「収納物品」項目と、「装填先処理機」項目と、「鍵」項目と、「通帳冊数」項目とを含んだ情報である。ここで、「収納庫」項目は、各収納庫B1〜B12の識別情報が格納される項目である。「収納物品」項目は、各収納部B1〜B12に収納されている物品の名称が格納される項目である。「装填先処理機」項目は、収納物品の装填先となる処理機の処理機名が格納される項目である。また、「鍵」項目は、装填先処理機の鍵を取り付けた鍵ホルダの識別情報が格納される項目である。
たとえば、同図に示す場合には、収納庫「B9」と、収納物品「貨幣」と、装填先処理機「両替機01」と、鍵「A5」とが関連付けられている。これは、収納庫B9に収納されている貨幣の装填先が両替機01であり、両替機01の鍵が鍵ホルダ部122bの鍵ホルダA5に取り付けられて保管されていることをあらわしている。
「通帳冊数」項目は、通帳収納庫123の通帳精査部123bによって計数された通帳数を格納する情報である。なお、通帳収納庫123に相当する収納庫B10については、内部に形成された個別収納部B10−1〜B10−4ごとに、「収納物品」項目、「装填先処理機」項目、「鍵」項目および「通帳冊数」項目が関連付けられる。
なお、この収納庫情報13bは、利用者によって設定登録される情報であり、必要に応じて随時変更することが可能である。
利用者情報13cは、物品管理装置1の利用者ごとに、利用者IDなどの利用者データを関連付けた情報である。ここで、この利用者情報13cの一例について図6を用いて説明しておく。図6は、利用者情報の一例を示す図である。
図6に示すように、利用者情報13cは、「利用者名」項目と、「利用者ID」項目と、「権限収納庫」項目と、「権限鍵」項目とを含んだ情報である。ここで、「利用者名」項目は、利用者の名称が格納される項目である。「利用者ID」項目は、利用者に割り当てられたIDが格納される項目である。「権限収納庫」項目は、利用者が解錠権限を有する収納庫12の識別情報が格納される項目である。「権限鍵」項目は、利用者が解錠権限を有する鍵ホルダの識別情報が格納される項目である。
たとえば、同図に示した場合には、利用者名「栄光太郎」と、利用者ID「0123456789」と、権限収納庫「B1〜B12」と、権限鍵「A1〜A12」とが関連付けられている。これは、利用者ID「0123456789」を割り当られた栄光太郎が、収納庫B1〜B12および鍵ホルダA1〜A12を解錠する権限を有することをあらわしている。
貸出情報13dは、利用者IDごとに、貸し出し中の鍵や回収物品の有無を示す貸出データを関連付けた情報である。ここで、この貸出情報13dの一例について図7を用いて説明しておく。図7は、貸出情報の一例を示す図である。
図7に示すように、貸出情報は、「利用者ID」項目と、「貸出鍵」項目と、「回収物品」項目とを含んだ情報である。ここで、「利用者ID」項目は、図6に示した「利用者ID」項目と同一の項目である。「貸出鍵」項目は、利用者によって取り出された鍵を取り付けた鍵ホルダの識別情報が格納される項目である。「回収物品」項目は、処理機から回収してきた物品の有無を示す情報が格納される項目である。
たとえば、同図に示した場合には、利用者ID「0123456789」と、貸出鍵「A6」と、回収物品「なし」とが関連付けられている。これは、利用者ID「0123456789」を割り当てられた利用者(栄光太郎)に対して鍵ホルダA6に取り付けられた鍵を貸し出し中であり、処理機からの回収物品がない(すなわち、栄光太郎が補充作業を行った)ことをあらわしている。
図3の説明に戻り、制御部14について説明する。制御部14は、処理機2からの情報取得、装填先または回収先となる処理機2に対応する収納庫や鍵の特定、タッチパネルLCD10の表示制御、収納庫12に対する解錠指示、利用者の認証といった処理を行う処理部である。具体的には、制御部14は、情報取得部14aと、装填・回収先特定部14bと、表示制御部14cと、実行指示部14dと、認証部14eとを備えている。
情報取得部14aは、残数情報やニアエンプティ情報、ニアフル情報といった物品数情報を各処理機2から取得する処理部である。ここで、残数情報とは、処理機2に収納されている物品の残数を含んだ情報である。また、ニアエンプティ情報とは、処理機2内の物品の残数が所定数以下となった旨を含んだ情報であり、ニアフル情報とは、処理機2内の物品の残数が所定数以上となった旨を含んだ情報である。また、情報取得部14aは、処理機2から物品数情報を取得すると、取得した物品数情報を処理機情報13aとして記憶部13に記憶する。
ところで、本実施例では、処理機2がニアエンプティ状態やニアフル状態である旨がニアエンプティ情報やニアフル情報によって明示的に通知されることとしたが、処理機2がニアエンプティ状態であるかニアフル状態であるかを物品管理装置1側で判定してもよい。
かかる場合、物品管理装置1は、処理機2が収納可能な物品数の限界値を各処理機2ごとに予め記憶しておく。そして、情報取得部14aは、処理機2から残数情報を取得した場合に、取得した残数情報によって示される物品数が限界値に対して所定の割合以下であるならば、この処理機2がニアエンプティ状態である旨を処理機情報13aとして記憶する。一方、情報取得部14aは、取得した残数情報によって示される物品数が限界値に対して所定の割合以上であるならば、この処理機2がニアフル状態である旨を処理機情報13aとして記憶する。
このように、処理機2がニアエンプティ状態であるかニアフル状態であるかを物品管理装置1側で判定することによって、物品管理装置1は、ニアエンプティ情報やニアフル情報を通知する機能を持たない処理機との間でもデータ連携を行うことが可能となる。
なお、物品管理装置1は、処理機2から取得した残数情報のみを表示して、処理機2がニアエンプティ状態かニアフル状態かといった判断を利用者に行わせても構わない。かかる場合であっても、利用者は、それぞれの処理機2の状況を物品管理装置1で集中的に把握することができるという効果がある。
装填・回収先特定部14bは、処理機情報13aを参照して、ニアエンプティ状態またはニアフル状態にある処理機2を特定する処理部である。また、装填・回収先特定部14bは、収納庫情報13bを参照して、ニアエンプティ状態の処理機2へ補充すべき物品が収納されている収納庫やこの処理機2の鍵を特定する。同様に、装填・回収先特定部14bは、収納庫情報13bを参照して、ニアフル状態の処理機2から回収した物品を収納すべき収納庫やこの処理機2の鍵を特定する。
具体的には、装填・回収先特定部14bは、処理機2がニアエンプティ状態にある旨が処理機情報13aとして記憶されると、該当する処理機2に対して物品を補充すべき旨を示す補充アイコンを表示するよう表示制御部14cに対して指示する。同様に、装填・回収先特定部14bは、処理機2がニアフル状態にある旨が処理機情報13aとして記憶されると、該当する処理機2から物品を回収すべき旨を示す回収アイコンを表示するよう表示制御部14cに対して指示する。
ここで、タッチパネルLCD10に表示されるアイコンの一例について図8を用いて説明する。図8は、アイコンの表示例を示す図である。なお、図8に示す画面は、利用者からの操作の待受け時に表示される待機画面である。
同図に示すように、処理機2からニアエンプティ情報やニアフル情報を取得すると、待機画面には、補充アイコン100a,100bや回収アイコン100cが表示される。ここで、同図に示したように、補充アイコン100a,100bおよび回収アイコン100cは、異なる態様で表示されるため、利用者は、待機画面に表示されたアイコンが、補充すべき旨を示すアイコンであるか回収すべき旨を示すアイコンであるかを判別することができる。
また、ニアエンプティ情報またはニアフル情報を複数の処理機2から取得した場合には、該当する処理機2にそれぞれ対応するアイコンが並列して表示される。たとえば、2台の処理機2からニアエンプティ情報を取得した場合には、図8に示したように、2台の処理機2に対応する2つの補充アイコン100a,100bが表示される。
また、装填・回収先特定部14bは、利用者によって補充アイコンが選択された場合には、選択された補充アイコンに対応する処理機2に対して補充すべき物品が収納されている収納庫12を収納庫情報13bを用いて特定する。たとえば、通帳繰越機01に対応する補充アイコンが選択された場合、装填・回収先特定部14bは、収納庫情報13bを参照し、通帳繰越機01と関連付けられた収納庫12の識別情報「B10−1」および収納物品名「定期預金通帳」を取り出す。
そして、装填・回収先特定部14bは、収納庫情報13bから取り出した収納庫12の識別情報および収納物品名を表示制御部14cに対して通知する。なお、装填・回収先特定部14bは、利用者によって回収アイコンが選択された場合にも同様の処理を行うことができる。
また、装填・回収先特定部14bは、利用者によって回収アイコンが選択された場合には、選択された回収アイコンに対応する処理機2の鍵を収納庫情報13bを用いて特定する。たとえば、両替機01に対応する回収アイコンが選択された場合、装填・回収先特定部14bは、収納庫情報13bを参照し、両替機01と関連付けられた鍵の識別情報「A5」を取り出す。そして、装填・回収先特定部14bは、収納庫情報13bから取り出した鍵の識別情報を表示制御部14cに対して通知する。
なお、装填・回収先特定部14bは、利用者によるタッチパネルLCD10への操作によって任意の収納庫12の解錠が指示された場合には、解錠が指示された収納庫12と関連付けられた鍵を収納庫情報13bを用いて特定する。
表示制御部14cは、タッチパネルLCD10に対して各種の画面を表示させる処理部である。たとえば、表示制御部14cは、タッチパネルLCD10に対して待機画面を表示させる。そして、表示制御部14cは、装填・回収先特定部14bから補充アイコンまたは回収アイコンを表示すべき旨の通知を受けた場合には、この通知に従って、補充アイコンまたは回収アイコンをタッチパネルLCD10に対して表示させる。
このように、処理機2からニアエンプティ情報やニアフル情報が通知された場合に、タッチパネルLCD10に補充アイコンや回収アイコンを表示することとしたため、利用者は、処理機2に対する物品の補充作業または回収作業のタイミングを把握することができる。
また、表示制御部14cは、装填・回収先特定部14bから収納庫12の識別情報および収納物品名を受け取ると、収納庫位置案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる。たとえば、この収納庫位置案内画面には、補充作業または回収作業を行うべき処理機2の処理機名、補充すべき物品または回収すべき物品の物品名、補充すべき物品または回収すべき物品が収納される収納庫12の位置等が表示される。
このような収納庫案内画面が表示されることによって、利用者は、補充作業を行う場合には、処理機へ補充すべき物品が収納されている収納庫の位置を把握することができ、回収作業を行う場合には、処理機2から回収してきた物品を収納すべき収納庫の位置を把握することができる。
また、表示制御部14cは、装填・回収先特定部14bから鍵の識別情報を受け取ると、受け取った鍵の識別情報に応じた鍵位置案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる。この鍵位置案内画面には、回収作業を行うべき処理機2の処理機名、この処理機2の鍵を取り付けた鍵ホルダの鍵ホルダ部122bにおける収納位置等が表示される。このような鍵位置案内画面を表示することによって、利用者は、補充作業または回収作業の対象となる処理機2の鍵が鍵ホルダ部122bのどの位置に収納されているのかを容易に把握することができる。
また、表示制御部14cは、認証部14eから貸出鍵の識別情報を受け取った場合には、受け取った貸出鍵の識別情報に応じて、貸出鍵の返却位置を示す案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる。なお、この案内画面には、鍵位置案内画面と同様、貸出鍵を取り付けた鍵ホルダの鍵ホルダ部122bにおける収納位置等が表示される。このように、貸出鍵の返却位置が表示されることによって、利用者は、鍵をどの位置に返却すればよいかを容易に把握することができる。
なお、表示制御部14cは、利用者によるタッチパネルLCD10への操作に応じて、処理機2の残数情報をタッチパネルLCD10に表示させる処理なども行う。
実行指示部14dは、各収納庫12の施解錠部121a,122a,123aに対する扉体の施解錠指示、鍵ホルダ部122bに対する鍵ホルダの施解錠指示、通帳精査部123bに対する計数処理の実行等を指示する処理部である。
具体的には、実行指示部14dは、利用者によるタッチパネルLCD10への操作によって、収納庫12の解錠が指示された場合には、解錠が指示された収納庫12の施解錠部に対して扉体の解錠指示を行う。ここで、実行指示部14dは、解錠が指示された収納庫12に対して、ログイン中の利用者が解錠権限を有するか否かを判定し、解錠権限を有する場合にのみ解錠指示を行う。このように収納庫12を解錠することができる利用者を限定することによって、物品管理を厳正化することができる。
また、実行指示部14dは、利用者によるタッチパネルLCD10への操作によって、鍵ホルダの解錠が指示された場合には、解錠が指示された鍵ホルダを解錠すべき旨を鍵ホルダ部122bに対して通知する。なお、かかる場合にも、実行指示部14dは、ログイン中の利用者の解錠権限の有無を確認したうえで解錠指示を行う。
また、実行指示部14dは、貨幣が収納されている収納庫12に対して解錠指示を行った場合には、かかる収納庫12から貨幣が持ち出された旨をオープン出納機に対して通知する。
また、実行指示部14dは、鍵ホルダ部122bに対して鍵ホルダの解錠を指示した場合に、解錠を指示した鍵ホルダの識別情報をログイン中の利用者の利用者IDと関連付けて貸出情報13dとして記憶部13に記憶する。
また、実行指示部14dは、鍵ホルダの解錠指示がニアエンプティ情報に基づくものである場合には、ログイン中の利用者の利用者IDと関連付けて回収物品「なし」を貸出情報13dとして記憶部13に記憶する。また、実行指示部14dは、鍵ホルダの解錠指示がニアフル情報に基づくものである場合には、ログイン中の利用者の利用者IDと関連付けて回収物品「あり」を貸出情報13dとして記憶部13に記憶する。なお、鍵ホルダの解錠指示がニアエンプティ情報に基づくものであるかニアフル情報に基づくものであるかは、処理機情報13aおよび収納庫情報13bを参照することによって特定される。
認証部14eは、利用者の認証を行う処理部である。具体的には、認証部14eは、磁気カードから読み取ったIDをカードリーダ11から受け取ると、受け取ったIDが利用者情報13cに記憶されているIDと一致するか否かを判定し、両者が一致した場合に、利用者を認証する。なお、本実施例では、カードリーダ11による認証だけを行う場合について説明するが、タッチパネルLCD10を用いて利用者に自分のIDを入力させてもよい。
また、認証部14eは、利用者を認証すると、貸出情報13dを参照し、認証した利用者の利用者IDに対して貸出鍵が関連付けられているか否かを判定し、貸出鍵が関連付けられている場合には、貸出鍵の識別情報を表示制御部14cに対して通知する。たとえば、認証部14eは、「栄光太郎」を認証すると、「栄光太郎」の利用者ID「0123456789」に対して貸出鍵が関連付けられているか否かを判定する。そして、認証部14eは、図7に示したように、利用者ID「0123456789」に貸出鍵「A6」が関連付けられているため、この貸出鍵「A6」を表示制御部14cに対して通知する。
同様に、認証部14eは、認証した利用者の利用者IDに対して回収物品「あり」が関連付けられているか否かを判定し、回収物品「あり」が関連付けられている場合には、貸出鍵の識別情報を装填・回収先特定部14bに対して通知する。
次に、処理機2の各構成要素について説明する。物品計数部21は、処理対象とする物品の残数を計数する処理部である。情報通知部22は、物品計数部21による計数結果である残数情報を物品管理装置1に対して通知する。また、情報通知部22は、物品計数部21による計数結果が所定値以下である場合にはニアエンプティ情報を物品管理装置1に対して通知し、所定値以上である場合にはニアフル情報を物品管理装置1に対して通知する。なお、処理機2は、物品管理装置1への物品数情報の通知を物品管理装置1からの要求に応じて行ってもよいし定期的に行ってもよい。
次に、処理機2に対する物品の補充作業および回収作業の手順について図9を用いて説明する。図9は、処理機2に対する物品の補充作業および回収作業の手順を示す図である。なお、同図では、一例として、通帳繰越機01に対する物品の補充作業および両替機01からの物品の回収作業の手順についてそれぞれ説明する。
まず、補充作業の手順について図9の(a)を用いて説明する。同図の(a)に示すように、通帳繰越機01からニアエンプティ情報を取得すると(図9の(a−1)参照)、物品管理装置1では、表示制御部14cが、タッチパネルLCD10に対して補充アイコンを表示させる(図9の(a−2)参照)。
つづいて、補充アイコンが利用者によって押下されると、物品管理装置1では、補充すべき通帳および通帳繰越機01の鍵の取り出し処理が行われる(図9の(a−3)参照)。
具体的には、物品管理装置1では、処理装填・回収先特定部14bが、通帳繰越機01と関連付けられた収納庫B10−1および鍵ホルダA6を収納庫情報13bを用いて特定し、実行指示部14dが、特定された収納庫B10−1および鍵ホルダA6の解錠をそれぞれ施解錠部123aおよび鍵ホルダ部122bに対して指示する。
これにより、通帳繰越機01に補充すべき通帳が収納されている収納庫B10−1および通帳繰越機01の鍵が取り付けられた鍵ホルダA6が解錠されため、利用者は、通帳繰越機01に補充すべき通帳および通帳繰越機01の鍵の取り出しを容易に行うことができる。
つづいて、利用者は、物品管理装置1から取り出した鍵を用いて通帳繰越機01を解錠するとともに、物品管理装置1から取り出した通帳を通帳繰越機01へ装填する。なお、この時点で、利用者は鍵のみを所持した状態となる。
つづいて、利用者は、通帳繰越機01の鍵を物品管理装置1へ返却するために、物品管理装置1へのログイン操作を行う。このとき、物品管理装置1では、通帳繰越機01の鍵の収納処理が行われる(図9の(a−4)参照)。具体的には、物品管理装置1では、認証部14eが、利用者を認証すると、認証した利用者の利用者IDと関連付けられた貸出鍵の鍵ホルダA6を貸出情報13dを用いて特定し、表示制御部14cが、特定された鍵ホルダA6の位置を示す鍵位置案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる。これにより、利用者は、通帳繰越機01の鍵の返却位置を把握することができる。そして、通帳繰越機01の鍵が返却されると、補充作業が完了する。
次に、回収作業の手順について図9の(b)を用いて説明する。同図の(b)に示すように、両替機01からニアフル情報を取得すると(図9の(b−1)参照)、物品管理装置1では、表示制御部14cが、タッチパネルLCD10に対して回収アイコンを表示させる(図9の(b−2)参照)。
つづいて、回収アイコンが利用者によって押下されると、物品管理装置1では、両替機01の鍵の取り出し処理が行われる(図9の(b−3)参照)。具体的には、物品管理装置1では、処理装填・回収先特定部14bが、両替機01と関連付けられた鍵ホルダA5を収納庫情報13bを用いて特定し、実行指示部14dが、特定された鍵ホルダA5の解錠を鍵ホルダ部122bに対して指示する。
つづいて、利用者は、物品管理装置1から取り出した鍵を用いて両替機01を解錠するとともに、両替機01から貨幣を回収する。なお、この時点で、利用者は、両替機01の鍵および両替機01から回収した貨幣を所持した状態となる。
つづいて、利用者は、両替機01から回収した貨幣の収納および両替機01の鍵の返却のために、物品管理装置1へのログイン操作を行う。このとき、物品管理装置1では、両替機01から回収した貨幣および両替機01の鍵の収納処理が行われる(図9の(b−4)参照)。
具体的には、物品管理装置1では、認証部14eが、利用者を認証すると、認証された利用者の利用者IDと関連付けられた貸出鍵の鍵ホルダA5を貸出情報13dから取り出し、表示制御部14cが、鍵ホルダA5の位置を示す鍵位置案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる。
また、物品管理装置1では、認証部14eが、認証された利用者の利用者IDに対して回収物品「あり」が関連付けられていることを貸出情報13dを用いて判定すると、装填・回収先特定部14bが、鍵ホルダA5と関連付けられた収納庫B9を収納庫情報13bを用いて特定する。そして、物品管理装置1では、実行指示部14dが、特定された収納庫B9の施解錠部121aに対して収納庫B9の解錠を指示する。これにより、利用者は、両替機01から回収した貨幣の収納作業や両替機01の鍵の返却作業を容易に行うことができる。
次に、図9に示した補充作業および回収作業における物品管理装置1の処理手順について説明する。まず、図9の(a)に示した補充作業における物品管理装置1の処理手順について図10を用いてより具体的に説明する。図10は、補充作業における物品管理装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図では、利用者による補充アイコンの押下後から貸出中の鍵の返却位置を表示するまでの処理手順を示している。
同図に示すように、利用者によって補充アイコンが押下されると、表示制御部14cは、収納庫位置案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる(ステップS101)。ここで、収納庫位置案内画面の一例について図11を用いて説明しておく。図11は、収納庫位置案内画面の表示例を示す図である。
図11に示すように、収納庫位置案内画面には、物品の装填先となる処理機2の処理機名(ここでは、「通帳繰越機01」)、補充すべき物品の物品名(ここでは、「定期預金通帳」)が表示される。さらに、収納庫位置案内画面には、物品管理装置1の外観画像100d、補充すべき物品が収納されている収納庫12(ここでは、「収納庫B10」)の位置を示す収納庫画像100e、補充すべき物品の画像100f、決定ボタン100g等が表示される。また、収納庫画像100eには、収納庫B10内に形成された4つの個別収納部のうち、補充すべき物品が収納されている個別収納部の位置も示される。
このような収納庫位置案内画面が表示されるため、利用者は、収納部B10内の4つの個別収納部のうち、どの個別収納部に目的とする通帳が収納されているかを容易に把握することができる。しかも、物品管理装置1から取り出すべき物品の画像100fが表示されるため、利用者は、取り出した通帳に間違いがないことを確認できる。
つづいて、収納庫位置案内画面に表示された決定ボタン100gが押下されると、物品管理装置1では、表示制御部14cが、利用者のログイン画面をタッチパネルLCD10に対して表示させ、利用者によってカードリーダ11にIDカードが挿通されたならば、認証部14eが、利用者の認証を行う(ステップS102)。
つづいて、実行指示部14dは、認証部14eによって認証された利用者が、処理機2へ補充すべき物品を収納する収納庫12を解錠する権限を有しているか否かを判定する(ステップS103)。かかる処理において、利用者が処理機2へ補充すべき物品を収納する収納庫12を解錠する権限を有していない場合(ステップS103,No)、表示制御部14cは、解錠権限を有していない旨をタッチパネルLCD10に対して表示させた後(ステップS104)、ステップS101〜S103までの処理を繰り返す。
一方、利用者が処理機2へ補充すべき物品を収納する収納庫12を解錠する権限をすると判定した場合(ステップS103,Yes)、物品管理装置1は、実行指示部14dが、該当する収納庫12を解錠すべき旨をこの収納庫12を施解錠する施解錠部に対して指示し、この指示を受けた施解錠部が、該当する収納庫12を解錠する(ステップS105)。なお、物品管理装置1は、該当する収納庫12を解錠する前に、物品管理装置1の外観画像をタッチパネルLCD10へ表示するとともに該当する収納庫12の画像を点滅させ、点滅中の収納庫12の画像を利用者が選択した場合に、該当する収納庫12を解錠することとしてもよい。
つづいて、表示制御部14cは、鍵位置案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる(ステップS106)。ここで、鍵位置案内画面の一例について図12を用いて説明しておく。図12は、鍵位置案内画面の表示例を示す図である。
同図に示すように、鍵位置案内画面には、補充作業を行うべき処理機2の処理機名(ここでは、「通帳繰越機01」)、鍵ホルダ部122bの画像100h、鍵抜き取りボタン100i等が表示される。ここで、鍵ホルダ部122bの画像100hは、鍵ホルダ部122bに設けられた各鍵ホルダA1〜A12に対応する画像を各鍵ホルダと同様の配置で表示している。そして、鍵ホルダ部122bの画像100hは、各鍵ホルダ画像のうち、利用者が取り出すべき鍵ホルダ(ここでは、鍵ホルダ「A6」)に対応する鍵ホルダ画像を他の鍵ホルダ画像と異なる態様で表示している。
このように、タッチパネルLCD10に鍵位置案内画面が表示されるため、利用者は、鍵収納庫122に保管されている複数の鍵の中から目的とする鍵を容易に見つけ出すことができる。
つづいて、図12に示した鍵位置案内画面に表示された鍵抜き取りボタン100iが押下されると、物品管理装置1では、鍵ホルダ部122bが、実行指示部14dからの指示に従って該当する鍵ホルダを解錠する(ステップS107)。
つづいて、該当する鍵ホルダを解錠した旨を鍵ホルダ部122bから受け取ると、実行指示部14dは、解錠された鍵ホルダの識別情報(すなわち、貸出鍵の識別情報)と回収物品情報「なし」とを利用者IDと関連付けて貸出情報13dとして記憶部13に記憶する(ステップS108)。
そして、利用者がタッチパネルLCD10を用いてログアウト操作を行うと、物品管理装置1は、利用者のログアウト処理を行った後、待機画面をタッチパネルLCD10に表示する(ステップS109)。
つづいて、処理機2への物品の装填を終えた利用者が、処理機2の鍵を返却するためにログイン操作を行うと、認証部14eは、利用者の認証を行う(ステップS110)。
つづいて、認証部14eは、貸出情報13dを参照して、認証した利用者に対して鍵を貸し出し中であり、かつ、処理機2からの回収物品がないか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、認証部14eは、認証した利用者の利用者IDに対して貸出鍵および回収物品「なし」が関連付けられているか否かを判定する。
かかる処理において、認証した利用者に対して鍵を貸し出し中であり、かつ、処理機2からの回収物品がないと判定した場合には(ステップS111,Yes)、表示制御部14cは、この利用者に貸し出し中の鍵の返却位置をタッチパネルLCD10に対して表示させる(ステップS112)。この案内画面には、図12に示した鍵案内画面と同様、該当する鍵ホルダの鍵ホルダ部122bにおける収納位置等が表示される。
ステップS112の処理を終えたとき、あるいはステップS111において、認証した利用者に対して鍵を貸し出し中であり、かつ、処理機2からの回収物品がないと判定していないとき(ステップS111,No)、物品管理装置1は、補充作業時における処理手順を終了する。
次に、図9の(b)に示した回収作業における物品管理装置1の処理手順について図13を用いてより具体的に説明する。図13は、回収作業における物品管理装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図では、利用者による回収アイコンの押下後から貸出中の鍵の返却位置を表示するまでの処理手順を示している。
同図に示すように、利用者によって回収アイコンが押下されると、表示制御部14cは、鍵位置案内画面をタッチパネルLCD10に対して表示させる(ステップS201)。ここで表示される鍵位置案内画面には、回収作業を行うべき処理機2の処理機名、鍵ホルダ部122bの画像、鍵抜き取りボタン等が表示される。また、鍵ホルダ部122bの画像は、図12に示した鍵ホルダ部122bの画像100hと同様、各鍵ホルダ画像のうち、利用者が取り出すべき鍵ホルダ、すなわち、回収作業を行うべき処理機2の鍵に対応する鍵ホルダ画像を他の鍵ホルダ画像と異なる態様で表示している。
つづいて、鍵位置案内画面に表示された鍵抜き取りボタンが押下されると、物品管理装置1では、表示制御部14cが、利用者のログイン画面をタッチパネルLCD10に対して表示させ、利用者によってカードリーダ11にIDカードが挿通されたならば、認証部14eが、利用者の認証を行う(ステップS202)。
つづいて、実行指示部14dは、認証部14eによって認証された利用者が、回収作業の対象となる処理機2の鍵の鍵ホルダを解錠する権限を有しているか否かを判定する(ステップS203)。そして、利用者がかかる鍵ホルダの解錠権限を有していない場合(ステップS203,No)、表示制御部14cは、解錠権限を有していない旨をタッチパネルLCD10に対して表示させた後(ステップS204)、ステップS201〜S203までの処理を繰り返す。
一方、回収作業の対象となる処理機2の鍵の鍵ホルダを解錠する権限を利用者が有すると判定した場合(ステップS203,Yes)、物品管理装置1では、鍵ホルダ部122bが、実行指示部14dからの指示に従って該当する鍵ホルダを解錠する(ステップS205)。
つづいて、実行指示部14dは、該当する鍵ホルダを解錠した旨を鍵ホルダ部122bから受け取ると、解錠された鍵ホルダの識別情報(すなわち、貸出鍵の識別情報)と回収物品情報「あり」とを利用者IDと関連付けて貸出情報13dとして記憶部13に記憶する(ステップS206)。
そして、利用者がタッチパネルLCD10を用いてログアウト操作を行うと、物品管理装置1は、利用者のログアウト処理を行った後、待機画面をタッチパネルLCD10に表示する(ステップS207)。
つづいて、回収先の処理機2から回収した物品を収納するとともに回収先の処理機2の鍵を返却するために、利用者がカードリーダ11にIDカードを挿通させると、認証部14eは、利用者の認証を行う(ステップS208)。
つづいて、認証部14eは、貸出情報13dを参照して、認証した利用者に対して鍵を貸し出し中であり、かつ、処理機2からの回収物品があるか否かを判定する(ステップS209)。具体的には、認証部14eは、認証した利用者の利用者IDに対して貸出鍵および回収物品「あり」が関連付けられているか否かを判定する。
かかる処理において、認証した利用者に対して鍵を貸し出し中であり、かつ、処理機2からの回収物品があると判定した場合(ステップS209,Yes)、表示制御部14cは、収納庫位置案内画面を表示する(ステップS210)。この収納庫位置案内画面には、回収物品の物品名や外観画像、物品管理装置1の外観画像、回収物品を収納すべき収納庫12の位置を示す収納庫画像、決定ボタン等が表示される。
つづいて、この収納庫位置案内画面に表示される決定ボタンが利用者によって押下されると、施解錠部は、実行指示部14dからの指示に従って該当する収納庫12を解錠する(ステップS211)。
この処理を終えたとき、あるいは、ステップS209において、認証した利用者に対して鍵を貸し出し中であり、かつ、処理機2からの回収物品があると判定していないとき(ステップS209,No)、表示制御部14cは、この利用者に貸し出し中の鍵の返却位置をタッチパネルLCD10に対して表示させる(ステップS212)。この案内画面には、図12に示した鍵案内画面と同様、該当する鍵ホルダの鍵ホルダ部122bにおける収納位置等が表示される。そして、ステップS212の処理を終えると、物品管理装置1は、回収作業における処理手順を終了する。
上述してきたように、本実施例では、物品を収納する収納庫12と、複数の鍵を収納するとともに、収納された複数の鍵の鍵ホルダを個別に施解錠する鍵収納庫122と、収納庫12と鍵収納庫122に収納される鍵とを関連付けた収納庫情報13bを記憶する記憶部13とを備え、タッチパネルLCD10を用いて複数の収納庫12の中から一の収納庫12を選択させ、タッチパネルLCD10への操作によって一の収納庫12が選択された場合に、装填・回収先特定部14bが、当該収納庫12と関連付けられた鍵を収納庫情報13bを用いて特定し、表示制御部14cが、装填・回収先特定部14bによって特定された鍵の鍵収納庫122における収納位置を報知することとしたので、処理機2に対する物品の装填や回収を効率的に行うことができる。
ところで、上述した実施例では、処理機2からの物品数情報として残数情報、ニアエンプティ情報およびニアフル情報を取得することとしたが、物品数情報は、これらに限ったものではない。たとえば、物品管理装置1は、処理機2に対して補充された物品数を含んだ補充数情報や処理機2から回収された物品数を含んだ回収数情報を取得することもできる。
かかる場合、物品管理装置1は、取得した補充数情報や回収数情報と、収納庫12から取り出した物品数や収納庫12に収納された物品数とを比較することによって、補充作業時や回収作業時における物品の紛失あるいは不正行為などの発生を検知することができる。
ここで、物品管理装置1から取り出した物品数と処理機に補充した物品数とが異なる場合に行われる処理について図14を用いて説明する。図14は、物品管理装置から取り出した物品数と処理機に補充した物品数とが異なる場合に行われる処理を説明するための図である。なお、同図では、一例として、物品管理装置1から取り出した通帳の数と通帳繰越機01に補充した通帳の数とが異なる場合について説明する。
同図に示すように、収納庫12から鍵および通帳が取り出されると(図14の(1)参照)、通帳収納庫123の通帳精査部123bは、通帳収納庫123内の通帳を計数するとともに、今回および前回の計数結果を用いて、通帳収納庫123から取り出された通帳数を算出する。なお、ここでは、通帳収納庫123から100冊の通帳が取り出されたものとする。
つづいて、通帳繰越機01に対して通帳が装填されると、通帳繰越機01の物品計数部21は、補充された通帳数を算出し、算出結果を補充数情報として物品管理装置1に対して通知する(図14の(2)参照)。ここでは、通帳繰越機01に対して99冊の通帳が装填されたものとする。
つづいて、情報取得部14aは、通帳繰越機01から補充数情報を取得すると、取得した補充数情報によって示される通帳数(99冊)と、通帳精査部123bによって算出された通帳数(100冊)とを対比する。そして、両者が異なる場合には(図14の(3)参照)、表示制御部14cは、通帳繰越機01に対して装填された通帳数が通帳収納庫123から取り出された通帳数と異なる旨をタッチパネルLCD10に対して表示する(図14の(4)参照)。
これにより、補充作業を行った利用者は、通帳繰越機01に対する通帳の補充漏れがあったことを把握することができ、また、役席者は、補充作業時に不正等があったことを把握することができる。なお、物品管理装置1は、回収作業時の場合には、通帳繰越機01から取得した回収数情報と収納庫12に収納された物品数とを対比すればよい。
また、上述してきた実施例では、処理機2と収納庫12とが1対1で対応する場合について説明してきたが、1台の処理機2に対して複数の収納庫12が対応付けられていてもよい。このように1台の処理機2に対して複数の収納庫12を対応付けた場合には、処理機2からの回収物品を収納先を利用者に選択させることも可能となる。
また、上述してきた実施例では、報知手段の一例として、表示制御部14cおよびタッチパネルLCD10を用いて説明してきたが、報知手段は、これに限ったものではない。たとえば、物品管理装置1は、処理機2に対して物品を補充すべき旨や処理機2から物品を回収すべき旨あるいは収納庫や鍵ホルダの位置等を、図示しないスピーカを用いて報知してもよい。
また、上述してきた実施例では、複数の収納庫12のうち、通帳収納庫123にのみ計数手段が設けられる場合について説明してきたが、かかる計数手段を貨幣を収納する収納庫12にも設けることができる。たとえば、収納庫12は、入金(収納)された貨幣の金種を光学センサや重量計等を用いて識別することによって、収納されている貨幣の金額を計数することができる。