以下に添付図面を参照して、本発明に係る物品保管装置の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る物品保管装置が銀行等の金融機関に設置される場合について説明することとする。
本実施形態に係る物品保管装置は、物品を収納するユニットを複数連結して構成されている。特に、本実施形態に係る物品保管装置は、物品を保管する機能のみを備える収納ユニットだけでなく、保管する物品の性質に応じた物品管理を行う機能を備える管理収納ユニットを組み込んだ点に主たる特徴がある。
図1は、本実施形態に係る物品保管装置の外観図である。同図に示すように、本実施形態に係る物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、鍵管理ユニット21と、通帳管理ユニット22と、一般ユニット23,24とを備えている。
一般ユニット23,24は、物品を収納する収納部と、収納部を施解錠する施解錠部とを有する収納ユニットである。具体的には、一般ユニット23は、ファイルや束通帳等の物品を保管する重要物管理ユニットであり、4つの収納部B3〜B6と、各収納部B3〜B6を施解錠する4つの施解錠部とを備える。また、一般ユニット24は、融資書類等の特に重要な物品を保管する耐火ユニットであり、3つの収納部B7〜B9と、各収納部B7〜B9を施解錠する3つの施解錠部とを備える。
一方、鍵管理ユニット21および通帳管理ユニット22は、物品を収納する収納部および収納部を施解錠する施解錠部に加えて、収納部に収納された物品を管理する管理部を備える管理収納ユニットである。
鍵管理ユニット21は、複数の鍵の持ち出しや返却を個別に管理する管理収納ユニットである。具体的には、鍵管理ユニット21は、2つの収納部B1,B2のうち収納部B2内に複数の鍵を保管する。ここで、鍵管理ユニット21の具体的な構成について説明しておく。図2は、鍵管理ユニット21の外観図である。
同図に示すように、鍵管理ユニット21の収納部B2は、扉体215と、扉体215を施解錠する扉施錠部212と、収納部B2内部に設けられた鍵ホルダ部213とを有している。
扉体215は、収納部B2を閉塞する部材である。ここで、扉体215は、鍵管理ユニット21の前面に対して約90度となるまで開放させた後、鍵管理ユニット21の奥方向へとスライドさせることによって、収納部B2と鍵ホルダ部213との間に形成された収納スペース内に収納可能となっている。これにより、たとえば、営業時間中に扉体215を常時開放させておくような運用を行う場合であっても、開放状態の扉体215が邪魔になることがない。
扉施錠部212は、扉体215をロックするロック板をモータを用いて上下させることによって、扉体215の施解錠を行う。ここで、鍵管理ユニット21は、モータのオーバーランによって扉体215の施解錠に異常が生じることを防止するために、オーバーランを考慮したモータの停止タイミングを予め学習しておくこととしている。かかる点については、後述する。
鍵ホルダ部213は、複数の鍵を個別に施解錠する個別施解錠部である。具体的には、鍵ホルダ部213は、複数の鍵ホルダA1〜A30を備えている。各鍵ホルダは、鍵ホルダ部213に挿入されており、鍵ホルダ部213によって抜き出し不能に施錠される。鍵ホルダ部213は、操作制御ユニット10からの指示に従って、鍵ホルダを個別に施錠または解錠する。
なお、各鍵ホルダの上部には、各鍵ホルダの状態を利用者に報知するためのランプRが設けられている。具体的には、ランプRは、鍵ホルダ部213に挿入された鍵ホルダが施錠されている場合には消灯され、鍵ホルダ部213に挿入された鍵ホルダが解錠されている場合には緑色に昭光され、鍵ホルダ部213から鍵ホルダが抜き出されている場合には赤色に昭光されるようになっている。また、鍵ホルダ部213は、非常時用ダイヤルロック216を備えている。この非常時用ダイヤルロック216は、故障時や停電時等に鍵ホルダを手動で解錠する場合に用いられる。
図1の説明に戻り、通帳管理ユニット22について説明する。通帳管理ユニット22は、収納されているバラ通帳(以下、単に「通帳」と記載する)を計数する通帳計数部を備えた管理収納ユニットである。具体的には、通帳管理ユニット22は、3つの収納部B10〜B12を有しており、収納部B10,B11内に複数の通帳を保管している。
ここで、収納部B10,B11は、さらに、4つの個別収納部に区分けされており、各個別収納部に異なる種類の通帳を収納することができる。また、通帳計数部は、各個別収納部に収納された通帳を個別に計数する。
操作制御ユニット10は、収納ユニットおよび管理収納ユニットの施解錠等を制御する制御ユニットである。利用者は、物品保管装置1から物品を持ち出す場合には、この操作制御ユニット10に設けられたタッチパネルLCD102を操作して、目的の物品が保管されているユニットを解錠する。
ここで、物品保管装置1は、利用者が鍵管理ユニット21から鍵を持ち出す操作を行う場合、複数の鍵ホルダのうち利用者が解除権限を有する鍵ホルダの位置を示した鍵位置案内画面をタッチパネルLCD102に対して表示する。また、物品保管装置1は、利用者が通帳管理ユニット22から通帳を持ち出す操作を行う場合、通帳管理ユニット22の収納部B10内に形成された4つの個別収納部のうち利用者が取り出そうとしている通帳が収納されている個別収納部の位置を示した通帳位置案内画面をタッチパネルLCD102に対して表示する。
このように、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面や通帳位置案内画面を表示することによって、利用者は、目的とする鍵や通帳が鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22のどの位置に収納されているかを容易に把握することができる。
しかも、図1に示したように、本実施形態に係る物品保管装置1では、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22が操作制御ユニット10に隣接する位置に配置されている。これにより、本実施形態に係る物品保管装置1では、鍵管理ユニット21の鍵ホルダ部213や通帳管理ユニット22の個別収納部が、タッチパネルLCD102の近傍に位置することとなる。したがって、利用者は、たとえば、鍵ホルダ部213から鍵ホルダを取り出す場合に、タッチパネルLCD102に表示された鍵位置案内画面を目視しながらの取り出し操作をより容易に行うことができる。
さらに、本実施形態に係る物品保管装置1では、左右方向に開閉するドア型の扉体215を有する鍵管理ユニット21を操作制御ユニット10と同じ高さに配置し、前後方向に開閉する引き出し型の扉体を有する通帳管理ユニット22を操作制御ユニット10よりも低い位置に配置している。これにより、鍵ホルダ部213や個別収納部の視認性を高めることができる。
また、操作制御ユニット10は、操作制御ユニット10の前面に設けられたカメラ103を用いて、利用者の顔画像を様々なタイミングで撮影する。たとえば、操作制御ユニット10は、操作制御ユニット10の前面に設けられたカードリーダ101によって利用者を認証した場合にカメラ103を用いて利用者を撮影する。これにより、物品保管装置1は、ログイン時における本人成りすましを防止することができる。また、操作制御ユニット10は、収納ユニットや管理収納ユニットの解錠操作が行われた場合や扉体の開閉時等にも利用者の撮影を行うことができる。
なお、本実施形態に係る物品保管装置1は、収納ユニットや管理収納ユニットを操作制御ユニット10の片側方向に対してそれぞれ最大5列まで連結することができる。そこで、物品保管装置1では、操作制御ユニット10から離れた位置にあるユニットを操作する利用者であっても確実に撮影できるように、カメラ103として広角カメラを用いることとしている。
なお、以下では、床面上に設置される通帳管理ユニット22および一般ユニット24を下段ユニットと呼び、下段ユニットの上面に設置される操作制御ユニット10、鍵管理ユニット21および一般ユニット23を上段ユニットと呼ぶこととする。
次に、本実施形態に係る物品保管装置1の構成について図3を用いて説明する。図3は、物品保管装置1の構成を示すブロック図である。なお、同図には、物品保管装置1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
同図に示すように、物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、被制御ユニット20とを備えている。ここで、被制御ユニット20とは、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24を示す。以下では、まず、操作制御ユニット10の各構成要素について説明する。
操作制御ユニット10は、カードリーダ101と、タッチパネルLCD(Liquid Crystal Display)102と、カメラ103と、記憶部104と、制御部105とを備えている。また、記憶部104は、被制御ユニット管理情報104aと、利用者管理情報104bと、物品管理情報104cと、顔画像情報104dとを記憶し、制御部105は、情報取得部105aと、認証部105bと、表示制御部105cと、指示部105dと、顔画像保存処理部105eとをさらに備えている。
カードリーダ101は、磁気カードからID(Identification)を読み取る読取装置である。タッチパネルLCD102は、各種の操作画面等を表示したり、指先等でタッチされた情報を制御部105へ伝えたりする表示操作部である。
カメラ103は、利用者の顔画像を撮影する。特に、本実施形態では、被制御ユニット20を増設した場合であっても、操作制御ユニット10から離れた位置に設置された被制御ユニット20を操作する利用者を撮影できるように広角カメラを用いている。
なお、カメラ103は、図1に示したように、タッチパネルLCD102の上部近傍に設置されるため、タッチパネルLCD102を操作中の利用者の顔画像をほぼ真正面から撮影することができる。
記憶部104は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、被制御ユニット管理情報104aと、利用者管理情報104bと、物品管理情報104cと、顔画像情報104dとを記憶する。
被制御ユニット管理情報104aは、被制御ユニット20である鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22、一般ユニット23,24に関する情報である。具体的には、被制御ユニット管理情報104aは、各ユニットの位置情報、鍵ホルダ部213の状態情報、通帳計数部222による計数結果情報等を含んでいる。
利用者管理情報104bは、物品保管装置1の利用者に関する情報である。ここで、利用者管理情報104bの一例について図4を用いて説明する。図4は、利用者管理情報104bの一例を示す図である。
図4に示すように、利用者管理情報104bは、「利用者名」項目と、「ID」項目と、「権限扉」項目と、「権限鍵」項目とを含んだ情報である。ここで、「利用者名」項目は、利用者の名称が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、「栄光太郎」が格納されている。「ID」項目は、利用者に割り当てられた磁気カードのカードIDが格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、「0123456789」が格納されている。
「権限扉」項目は、利用者が解錠権限を有する収納部の識別情報が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、「B1〜B12」が格納されている。これは、栄光太郎が収納部B1〜B12を解錠する権限を有していることを示している。
「権限鍵」項目は、利用者が解錠権限を有する鍵ホルダの識別情報が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、「A1,A5,A18,A23,A24,A25」が格納されている。これは、栄光太郎が鍵ホルダ部213に設けられた鍵ホルダのうち、鍵ホルダA1,A5,A18,A23,A24,A25を解錠する権限を有していることを示している。
物品管理情報104cは、各収納部に収納されている物品に関する情報である。ここで、この物品管理情報104cの一例について図5を用いて説明する。図5は、物品管理情報104cの一例を示す図である。なお、同図の(a)には、収納部と物品とが1対1で対応付けられた物品管理テーブルの一例を示し、同図の(b)には、収納部と物品とが1対多で対応付けられる場合に用いられるサブテーブルの一例を示している。
図5(a)に示したように、物品管理テーブルは、「収納部」項目と、「物品」項目と、「関連鍵」項目と、「サブテーブル」項目とを含んでいる。ここで、「収納部」項目は、各収納部B1〜B12の識別情報が格納される項目である。「物品」項目は、各収納部B1〜B12に収納されている物品の名称が格納される項目である。
「関連鍵」項目は、各収納部B1〜B12に収納されている物品に関連する鍵ホルダの識別情報が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、収納部「B1」および物品「手提金庫」と対応付けて関連鍵「A1」が格納されている。これは、収納部B1に収納された手提金庫の鍵が、鍵ホルダ部213における鍵ホルダA1に取り付けられて保管されていることを示している。
また、同図に示した場合には、収納部「B12」および物品「現金」と対応付けて関連鍵「A23」が格納されている。これは、収納部B12に収納された現金の行き先となるATMや金庫等の鍵が、鍵ホルダ部213における鍵ホルダA23に取り付けられて保管されていることを示している。
「サブテーブル」項目は、収納部に収納された複数の物品を個別に管理する場合に用いられるサブテーブルの識別情報が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、収納部「B10」および物品「バラ通帳」と対応付けてサブテーブル「T1」が格納されている。ここで、このサブテーブル「T1」について図5(b)を用いて説明する。
同図に示すように、サブテーブルT1は、「個別収納部」項目と、「通帳名」項目と、「関連鍵」項目と、「束通帳」項目とを含んでいる。ここで、「個別収納部」項目は、通帳管理ユニット22の収納部B10に設けられた4つの個別収納部の識別情報(以下、「個別収納部識別情報」と記載する)が格納される項目である。
「通帳名」項目は、各個別収納部に格納された通帳の通帳名が格納される項目である。なお、同図に示した場合には、「定期預金通帳」が格納されている。「関連鍵」項目は、各個別収納部に収納されている通帳に関連する鍵の鍵ホルダを特定するための情報が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、関連鍵「A5」が格納されている。これは、個別収納部「01」に収納された定期預金通帳の行き先となるATMや部屋等の鍵が、鍵ホルダ部213の鍵ホルダA5に取り付けられて保管されていることを示している。
「束通帳」項目は、個別収納部に収納されている通帳と同一の束通帳が収納されている収納部の識別情報が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、「B4」が格納されている。
図3の説明に戻り、顔画像情報104dについて説明する。顔画像情報104dは、カメラ103によって撮影された利用者の顔画像に関する情報であり、利用者のIDや操作履歴と対応付けられている。
制御部105は、被制御ユニット20からの情報の取得、利用者の認証、タッチパネルLCD102の表示制御、被制御ユニット20への各種指示、顔画像の保存処理といった処理を行う処理部である。具体的には、制御部105は、情報取得部105aと、認証部105bと、表示制御部105cと、指示部105dと、顔画像保存処理部105eとを備えている。
情報取得部105aは、被制御ユニット20から情報を取得する処理部である。たとえば、情報取得部105aは、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24から各ユニットの位置情報や扉体の開閉状態情報等を取得する。
また、情報取得部105aは、鍵管理ユニット21から各鍵ホルダの位置情報や状態情報を取得する。なお、各鍵ホルダの位置情報や状態情報は、1つの収納部に収納された複数の物品を識別する物品識別情報の一例である。また、状態情報は、各鍵ホルダが施錠状態であるか又は解錠状態であるかを示す施解錠情報や各鍵ホルダが鍵ホルダ部213に挿入された状態であるか又は抜き出された状態であるかを示す有無情報などを含んでいる。また情報取得部105aは、通帳管理ユニット22から個別収納部の位置情報や通帳計数部222による計数結果情報等を取得する。
認証部105bは、利用者の認証を行う処理部である。具体的には、認証部105bは、磁気カードから読み取ったIDをカードリーダ101から受け取ると、受け取ったIDが利用者管理情報104bに記憶されているIDと一致するか否かを判定し、両者が一致した場合に、利用者を認証する。
なお、本実施形態では、カードリーダ101による認証だけを行う場合について説明するが、タッチパネルLCD102を用いて利用者に自分のIDを入力させてもよい。かかる場合には、認証部105bは、利用者によって入力されたIDをタッチパネルLCD102から受け取り、受け取ったIDが利用者管理情報104bに記憶されているIDと一致するか否かを判定すればよい。
表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して各種の画面を表示させる処理部である。たとえば、表示制御部105cは、認証部105bによって利用者が認証された場合には、利用者に対して各種の操作を選択させる操作選択画面をタッチパネルLCD102に表示させる。
また、表示制御部105cは、指示部105dからの指示に従って、鍵位置案内画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。具体的には、表示制御部105cは、権限鍵情報を含んだ鍵位置案内画面表示指示を指示部105dから受け取った場合に、受け取った鍵位置案内画面表示指示に含まれる権限鍵情報と、被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104に記憶されている鍵ホルダの位置情報とを用いて鍵位置案内画面を生成する。そして、表示制御部105cは、生成した鍵位置案内画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。
また、表示制御部105cは、指示部105dからの指示に従って、通帳位置案内画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。具体的には、表示制御部105cは、個別収納部識別情報を含んだ通帳位置案内画面表示指示を指示部105dから受け取った場合に、受け取った通帳位置案内画面表示指示に含まれる個別収納部識別情報と、被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104に記憶されている個別収納部の位置情報とを用いて通帳位置案内画面を生成する。そして、表示制御部105cは、生成した通帳案内画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。
指示部105dは、被制御ユニット20に対する扉体の施解錠、鍵管理ユニット21に対する鍵ホルダの施解錠、通帳管理ユニット22に対する通帳計数処理の実行等を指示する処理部である。
また、指示部105dは、鍵管理ユニット21に対して鍵ホルダの解錠指示を行った場合に、ログイン中の利用者に対応付けられた権限鍵情報を利用者管理情報104bから取り出し、取り出した権限鍵情報を含んだ鍵位置案内画面表示指示を表示制御部105cに対して通知する。
たとえば、「栄光太郎」がログイン中である場合には、指示部105dは、権限鍵情報「A1,A5,A18,A23,A24,A25」を利用者管理情報104bから取り出し、この権限鍵情報を含んだ鍵位置案内画面表示指示を表示制御部105cに対して通知する。
また、指示部105dは、通帳管理ユニット22の扉体が解錠されると、図5(b)に示したサブテーブルT1を参照し、利用者によって選択された通帳が収納されている個別収納部に対応する個別収納部識別情報を取り出し、取り出した個別収納部識別情報を含んだ通帳位置案内画面表示指示を表示制御部105cに対して通知する。
たとえば、ログイン中の利用者「栄光太郎」が定期預金通帳の取り出しを選択した場合、指示部105dは、個別収納部識別情報「01」をサブテーブルT1から取り出し、この情報を含んだ通帳位置案内画面表示指示を表示制御部105cに対して通知する。
また、指示部105dは、何れかの収納部が解錠された場合に、解錠された収納部に収納されている物品に関連する鍵が鍵管理ユニット21に保管されているか否かを判定する。具体的には、指示部105dは、記憶部104に記憶された物品管理情報104cを参照し、解錠された収納部に関連鍵情報が対応付けられているか否かを判定する。
そして、指示部105dは、解錠された収納部に収納されている物品に関連する鍵が鍵管理ユニット21に保管されていると判定すると、解錠された収納部に収納されている物品に関連する鍵が鍵管理ユニット21に保管されている旨を表示するよう表示制御部105cに対して指示する。
顔画像保存処理部105eは、カメラ103によって撮影された利用者の顔画像を所定のタイミングで記憶部104に記憶する。具体的には、顔画像保存処理部105eは、認証部105bによって利用者が認証された場合および被制御ユニット20の何れかの収納部の解錠が利用者によって選択された場合に、利用者の顔画像をIDや操作履歴等と対応付けて顔画像情報104dとして記憶部104に記憶する。
このように、顔画像保存処理部105eは、利用者の顔画像を動画ではなく静止画によって記憶しておくため、各顔画像のサイズを小さくすることができる。この結果、本実施形態に係る物品保管装置1は、長期間に亘るログ保存が可能となる。
なお、顔画像の保存処理は、上記以外のタイミングで行ってもよい。たとえば、顔画像保存処理部105eは、顔画像の保存処理を、利用者が物品保管装置1へ接近した場合に行ってもよい。この場合、顔画像保存処理部105eは、赤外線センサ等の接近検知センサを操作制御ユニット10に設け、接近検知センサが利用者の接近を検知した場合に、顔画像の保存処理を行うこととすればよい。また、顔画像保存処理部105eは、扉体の開閉が行われた場合に顔画像の保存処理を行ってもよい。このように、様々なタイミングで利用者の顔画像を撮影することによって、セキュリティ性をより一層高めることができる。
次に、管理収納ユニットである鍵管理ユニット21および通帳管理ユニット22の構成について説明する。まず、鍵管理ユニット21の構成について図6を用いて説明する。図6は、鍵管理ユニット21の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、鍵管理ユニット21は、I/F(Interface)部211と、扉施錠部212と、鍵ホルダ部213と、鍵管理部214とを備えている。また、鍵管理部214は、鍵ホルダ施解錠指示部214aと、状態検知部214bと、記憶部214cと、情報通知部214dとをさらに備えている。
I/F部211は、操作制御ユニット10と通信を行うための処理部である。具体的には、I/F部211は、操作制御ユニット10から扉体215の解錠指示あるいは施錠指示を受け取ると、受け取った指示に従って扉体215の施解錠を行う。
なお、I/F部211は、自ユニットに対する解錠指示や施錠指示だけでなく、自ユニットの下部に設置された下段ユニット、すなわち、一般ユニット24に対する解錠指示や施錠指示も受け取る。そして、I/F部211は、一般ユニット24に対する扉体の解錠指示あるいは施錠指示を操作制御ユニット10から受け取ると、受け取った指示に従って一般ユニット24の扉体の施解錠を行う。なお、操作制御ユニット10およびI/F部間、隣接する上段ユニットのI/F部間、I/F部および下段ユニット間の通信インタフェースとしては、たとえば、RS−485を用いることができる。
また、I/F部211は、自ユニットの扉体215が解錠あるいは施錠されると、扉体215が解錠あるいは施錠された旨を操作制御ユニット10に対して通知する。I/F部211は、下段ユニットである一般ユニット24の扉体が解錠あるいは施錠された場合も同様の処理を行う。
扉施錠部212は、扉体215の施解錠を行う施解錠部である。ここで、扉施錠部212の具体的な構成について説明する。図7は、扉施錠部212の構成を示す図である。同図に示すように、扉施錠部212は、ロック板212aと、遮光板212bと、モータ回転検知板212cと、モータ212dと、センサA〜Cとを備えている。
扉施錠部212は、モータ212dの回転に伴い、ロック板212aの先端部が上下方向に移動するように構成されている。たとえば、ロック板212aは、モータ212dが一回転すると先端部が最下点から最上点まで移動し、さらにもう一回転すると先端部が最上点から最下点まで移動する。
そして、扉体215が閉鎖された状態でモータ212dを一回転させると、ロック板212aの先端部が最上点から最下点まで移動し、扉体215に設けられた係止部215aとロック板212aの先端部に形成された鉤部212eとが当接することによって、扉体215が施錠状態となる。
もしくは、扉体215が開放された状態でモータ212dを一回転させ、ロック板212aの先端部を最下点まで移動させる。このとき、ロック板212aは、上方向に対しては規制されていないため、扉体215を押し込むことにより、係止部215aがロック板212aの鉤部212eに係止して施錠状態となる。
一方、モータ212dをさらに一回転させると、ロック板212aの先端部が最下点から最上点まで移動し、扉体215の係止部215aとロック板212aの先端部とが当接しなくなることによって、扉体215が解錠状態となる。
このように、本実施形態に係る扉施錠部212は、ロック機構として一般的なラッチングソレノイド方式ではなく簡易なモータ方式を採用することによって、物品保管装置1の大幅なコストダウンを可能としている。
ところが、モータは、ソレノイドとは異なり、停止指示を行った後も慣性によって所定時間回転し続ける(オーバーランする)ため、ロック板212aを最上点または最下点で正しく停止させることが困難であるという問題がある。そこで、本実施形態では、モータ回転検知板212cおよびセンサA,Bを用いて、モータ212dに適した停止タイミングを事前に割り出すこととしている。
センサAは、ロック板212aを検知するセンサである。具体的には、センサAは、発光素子と受光素子とを備えており、被検知物としてロック板212aの下部に設けられた遮光板212bによって発光素子からの光が遮られた場合に、ロック板212aを検知する。
モータ回転検知板212cは、モータ212dの回転に伴って回転する半月板状の板部材である。また、センサBは、センサAと同様のセンサであり、モータ回転検知板212cを検知する。ここで、モータ回転検知板212cおよびセンサBの構成について図8を用いて説明しておく。図8は、モータ回転検知板212cおよびセンサBの構成を示す図である。
同図に示すように、本実施形態に係る扉施錠部212は、モータ回転検知板212cを半月板状とすることにより、1つのセンサBを用いて「透光→遮光」および「遮光→透光」の2つの状態を検知することができる。すなわち、センサBは、モータ回転検知板212cによって発光素子からの光が遮られたタイミング(透光→遮光)および受光素子が再び発光素子からの光を受光したタイミング(遮光→透光)を検知する。
ここで、センサBが「透光→遮光」または「遮光→透光」を検知したタイミングでモータ212dの停止指示が出された場合には、モータ212dのオーバーランによって、モータ回転検知板212cも余計に回転することとなる(図8参照)。
そこで、I/F部211は、センサBが「遮光→透光」を検知してからモータ212dの停止指示を行うまでの待機時間(ソフトウェイト時間)をモータ回転検知板212cおよびセンサA,Bを用いて算出することとしている。ここで、ソフトウェイト時間の算出方法について図9を用いて説明する。図9は、ソフトウェイト時間の算出方法を説明するための図である。
同図に示すように、たとえば、センサBが「遮光→透光」を検知してからt1経過後にモータ212dへの停止指示を行った場合に、センサAが遮光板212bを検知(すなわち、「透光→遮光」を検知)したとする(図9(a)参照)。また、センサBが「遮光→透光」を検知してからt2経過後にモータ212dへの停止指示を行った場合に、センサAが「遮光→透光」を検知したとする(図9(b)参照)。
このような場合、モータがオーバーランする時間をt0とすると、遮光板212bは、センサBが「遮光→透光」を検知してからt1+t0からt2+t0までの間に、一旦最下点まで下がったのち再び同じ高さまで移動したと推定される(図9(c)参照)。そこで、I/F部211は、センサBが「遮光→透光」を検知してから((t1+t0)+(t2+t0)/2−t0=(t1+t2)/2経過後にモータ212dへの停止指示を行った場合に、ロック板212aが最下点で停止すると推定し、この時間をソフトウェイト時間として決定する。
ここで、このようにして決定されたソフトウェイト時間を用いてI/F部211が扉体215の施錠制御を行う場合について図10を用いて説明しておく。図10は、モータ212dの停止タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図10に示すように、センサBが「遮光→透光」を検知すると、I/F部211は、ソフトウェイト時間だけ待機した後、モータ212dへの停止指示を行う。この結果、オーバーランによって停止指示後も回転し続けたモータ212dが停止した時点で、ロック板212aは、最下点で停止する。
なお、扉体215の解錠を行う場合には、I/F部211は、上記のようにして算出したソフトウェイト時間を用いて解錠制御を行う。すなわち、I/F部211は、センサBが「透光→遮光」を検知してからソフトウェイト時間だけ待機した後、モータ212dへの停止指示を行う。
また、図7に示したセンサCは、センサAおよびセンサBと同様のセンサであり、扉体215の開閉状態を検知する。扉施錠部212は、扉体215の開閉状態が「開→閉」あるいは「閉→開」に変化したことをセンサCが検知した場合に、操作制御ユニット10に対して扉体215の開閉状態を通知する。
図6の説明に戻り、鍵ホルダ部213について説明する。鍵ホルダ部213は、複数の鍵を個別に施解錠する。たとえば、鍵ホルダ部213は、鍵ホルダA1を解錠すべき旨の指示を受けたならば、鍵ホルダA1のみを解錠し、鍵ホルダA1〜A5を解錠すべき旨の指示を受けたならば、鍵ホルダA1〜A5をまとめて解錠する。
鍵管理部214は、鍵ホルダ部213への施解錠指示、鍵ホルダの状態検知、鍵ホルダ状態情報の記憶、鍵ホルダ状態情報の通知といった処理を行う処理部である。具体的には、鍵管理部214は、鍵ホルダ施解錠指示部214aと、状態検知部214bと、記憶部214cと、情報通知部214dとを備えている。なお、鍵管理部214および操作制御ユニット10間の通信は、I/F部211経由ではなく、LAN(Local Area Network)等を用いて直接行われる。
鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ部213に対して鍵ホルダの解錠または施錠を指示する処理部である。具体的には、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、操作制御ユニット10の指示部105dから鍵ホルダの解錠指示あるいは施錠指示を受け取ると、受け取った指示に従って、鍵ホルダ部213に対して鍵ホルダの解錠指示あるいは施錠指示を行う。
状態検知部214bは、鍵ホルダ部213の状態検知を行う処理部である。具体的には、状態検知部214bは、各鍵ホルダの「施錠状態」、「解錠状態」および「持ち出し状態」を検知する。また、状態検知部214bは、検知した各鍵ホルダの状態を鍵ホルダ状態情報として記憶部214cに記憶する。
記憶部214cは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、鍵ホルダ状態情報や各鍵ホルダの位置情報等を記憶している。
情報通知部214dは、記憶部214cに記憶された情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部214dは、記憶部214cに記憶されている鍵ホルダ状態情報が更新された場合に、更新された鍵ホルダ状態情報を記憶部214cから取り出して操作制御ユニット10に対して通知する。また、情報通知部214dは、物品保管装置1の起動時に、各鍵ホルダの位置情報を操作制御ユニット10に対して通知する。
次に、通帳管理ユニット22の構成について図11を用いて説明する。図11は、通帳管理ユニットの構成を示すブロック図である。同図に示すように、通帳管理ユニット22は、扉施錠部221と、通帳計数部222と、通帳精査部223とを備えている。また、通帳精査部223は、計数指示部223aと、記憶部223bと、情報通知部223cとを備えている。
扉施錠部221は、通帳管理ユニット22の扉体の施解錠を行う施解錠部である。なお、扉施錠部221の構成は、鍵管理ユニット21が有する扉施錠部212と同様であるため、その説明を省略する。
また、扉施錠部221は、通帳管理ユニット22の上部に設置された一般ユニット23のI/F部からの指示に従って扉体の施解錠を行う。ここで、一般ユニット23のI/F部は、扉施錠部221のモータに適したソフトウェイト時間を予め学習しており、このソフトウェイト時間を用いてモータの停止指示を行う。
通帳計数部222は、通帳管理ユニット22の収納部B10に収納された通帳を計数するための機構である。ここで、通帳計数部222の構成について図12を用いて説明しておく。図12は、通帳計数部の構成を示す図である。
まず、通帳を収納する収納部B10の構成について説明する。同図に示すように、収納部B10は、収納部B10に固定された仕切り板224a,224bと、各個別収納部に収納された通帳を押さえ付けるための押さえ板225a,225bとを有している。
たとえば、押さえ板225aは、収納部B10の前後方向にスライド可能であり、仕切り板224aとの間に収納された通帳を仕切り板224a方向へ付勢するように構成されている。これにより、押さえ板225aを有する個別収納部に収納された通帳は、仕切り板224aと押さえ板225aとの間で固定される。
一方、通帳計数部222は、収納部B10の上部に設けられた反射型センサ222aと、この反射型センサ222aを取り付けるセンサ基板222bとを含む。反射型センサ222aは、発光素子と受光素子とを備えるセンサであり、センサ基板222bの稼働に伴って収納部B10の前後方向に稼働する。
具体的には、反射型センサ222aは、センサ基板222bの稼働に伴って収納部B10の手前側から奥側へと稼働しながら発光素子を用いて通帳に光を照射するとともにその反射光を受光素子を用いて受光する。つづいて、通帳計数部222は、受光素子によって受光された反射光の受光レベルに基づき、通帳間の凹凸を検出する。そして、通帳計数部222は、検出した凹凸の数に基づいて通帳の数を決定する。
通帳計数部222は、かかる通帳計数処理を完了すると、計数処理が完了した旨を情報通知部223cに通知するとともに、計数結果を記憶部223bに記憶する。
なお、通帳計数部222は、反射型センサ222aによる検出結果が異常となった場合に使用する予備の反射型センサをさらに備えていてもよい。また、図12では、2つの個別収納部に収納された通帳を計数する反射型センサ222aのみを示したが、通帳計数部222は、他の2つの個別収納部に格納された通帳を計数するための反射型センサも有している。
図11の説明に戻り、通帳精査部223について説明する。通帳精査部223は、通帳計数部222に対する通帳の計数指示、計数結果情報の記憶および通知といった処理を行う処理部である。具体的には、通帳精査部223は、計数指示部223aと、記憶部223bと、情報通知部223cとを備えている。
計数指示部223aは、通帳計数部222に対して通帳計数処理の実行を指示する処理部である。具体的には、計数指示部223aは、操作制御ユニット10の指示部105dから通帳計数処理の実行指示を受け取った場合に、通帳計数部222に対して通帳計数処理の実行を指示する。
記憶部223bは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、通帳計数部222による計数結果情報を記憶する。
情報通知部223cは、記憶部223bに記憶された計数結果情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部223cは、計数処理が完了した旨を通帳計数部222から受け取ると、更新前の計数結果および更新後の計数結果を記憶部223bから取得する。
つづいて、情報通知部223cは、更新前後の計数結果を用いて、取り出された通帳数または補充された通帳数を算出し、更新後の計数結果とともに計数結果情報として操作制御ユニット10へ通知する。たとえば、更新前の計数結果が「131」であり、更新後の計数結果が「123」である場合、情報通知部223cは、計数結果情報として、取り出された通帳数「8」および更新後の計数結果「123」を操作制御ユニット10へ通知する。
次に、本実施形態に係る物品保管装置1が実行する処理手順について説明する。図13は、物品保管装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図13に示すように、物品保管装置1は、電源が投入されると、初期化処理を行う(ステップS101)。この初期化処理において、操作制御ユニット10の情報取得部105aは、被制御ユニット20の位置情報、鍵ホルダの位置情報、鍵ホルダ状態情報、計数結果情報等を取得し、被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104へ記憶する。初期化処理を終えると、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の表示制御部105cが、タッチパネルLCD102に待機画面を表示させる(ステップS102)。
つづいて、操作制御ユニット10の認証部105bは、ログイン操作が行われたか否かを判定する(ステップS103)。なお、認証部105bは、カードリーダ101に磁気カードが挿通された場合に、ログイン操作が行われたと判定する。かかる処理において、ログイン操作が行われたと判定した場合(ステップS103,Yes)、処理をステップS104へ移行する。
ステップS104において、認証部105bは、利用者の認証に成功したか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、認証部105bは、カードリーダ101によって磁気カードから読み取ったIDが利用者管理情報104bとして記憶されているIDと一致した場合に、利用者の認証に成功したと判定する。なお、認証部105bは、カードリーダ101による認証だけでなく、ID入力による認証も行ってもよい。
ステップS104において利用者の認証に失敗した場合(ステップS104,No)、表示制御部105cは、認証に失敗した旨をタッチパネルLCD102に対して表示させる(ステップS105)。そして、ステップS105の処理を終えた場合、あるいは、ステップS103においてログイン操作が行われていない場合(ステップS103,No)、操作制御ユニット10は、ステップS103以降の処理を繰り返す。
一方、利用者の認証に成功したと判定した場合(ステップS104,Yes)、顔画像保存処理部105eは、カメラ103によって撮影された画像をログイン中の利用者のIDや操作履歴等と関連付けて顔画像情報104dとして記憶部104に記憶する(ステップS106)。
つづいて、表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して操作選択画面を表示させる(ステップS107)。ここで、操作選択画面には、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22あるいは一般ユニット23,24に対応するアイコン等がそれぞれ表示される。
つづいて、操作制御ユニット10の制御部105は、操作選択画面において鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS108)。かかる処理において、鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS108,Yes)、顔画像保存処理部105eは、カメラ103によって撮影された画像をログイン中の利用者のIDや操作履歴等と関連付けて顔画像情報104dとして記憶部104に記憶する(ステップS109)。そして、顔画像の保存を終えると、物品保管装置1は、鍵取出処理を実行する(ステップS110)。かかる鍵取出処理は、図14に示す処理であり、後述する。
一方、ステップS108において鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS108,No)、操作制御ユニット10の制御部105は、通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS111)。かかる処理において、通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS111,Yes)、制御部105は、さらに、通帳選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS112)。
具体的には、操作選択画面において通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されると、表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して通帳選択画面を表示させる。通帳選択画面は、通帳管理ユニット22に収納されている複数種類の通帳の中から一の通帳を利用者に選択させるための画面である。そして、この通帳選択画面において一の通帳が選択されると、制御部105は、通帳選択操作が行われたと判定する。
ステップS112において通帳選択操作が行われたと判定すると(ステップS112,Yes)、顔画像保存処理部105eは、カメラ103によって撮影された画像をログイン中の利用者のIDや操作履歴等と関連付けて顔画像情報104dとして記憶部104に記憶する(ステップS113)。そして、顔画像の保存を終えると、物品保管装置1は、通帳出入処理を実行する(ステップS114)。かかる通帳出入処理は、図16に示す処理であり、後述する。
一方、ステップS111において通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS111,No)、操作制御ユニット10の制御部105は、一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS115)。かかる処理において、一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS115,Yes)、制御部105は、収納部の選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS116)。
具体的には、操作選択画面において一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されると、表示制御部105cは、収納部選択画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。収納部選択画面は、一般ユニット23,24の収納部B3〜B9の中から一の収納部を利用者に選択させるための画面である。そして、この収納部選択画面において一の収納部が選択されると、制御部105は、収納部の選択操作が行われたと判定する。
ステップS116において収納部の選択操作が行われたと判定すると(ステップS116,Yes)、顔画像保存処理部105eは、カメラ103によって撮影された画像をログイン中の利用者のIDや操作履歴等と関連付けて顔画像情報104dとして保存する(ステップS117)。そして、顔画像の保存を終えると、物品保管装置1は、物品出入処理を実行する(ステップS118)。
物品出入処理では、まず、操作制御ユニット10の指示部105dが、利用者によって選択された収納部の解錠指示を行う。ここで、上段ユニットである一般ユニット23の収納部が選択された場合には、指示部105dは、一般ユニット23のI/F部に対して収納部の解錠を指示する。一方、下段ユニットである一般ユニット24の収納部が選択された場合には、指示部105dは、一般ユニット24の上部に設置された鍵管理ユニット21のI/F部211経由で収納部の解錠を指示する。そして、収納部の解錠指示を受けた一般ユニット23,24は、この指示に従って収納部の解錠を行う。
ステップS110,S114,S118の処理を終えたとき、あるいは、ステップS115において一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS115,No)、操作制御ユニット10の制御部105は、ログアウト操作が行われたか否かを判定する(ステップS119)。かかる処理において、ログアウト操作が行われていないとき(ステップS119,No)、制御部105は、ステップS107以降の処理を繰り返す。一方、ログアウト操作が行われたと判定した場合(ステップS119,Yes)、制御部105は、ステップS102以降の処理を繰り返す。
次に、ステップS110に示した鍵取出処理について図14を用いて説明する。図14は、鍵取出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、鍵取出処理を開始すると、操作制御ユニット10の指示部105dは、被制御ユニット管理情報104aを参照し、鍵管理ユニット21の扉体215が開状態であるか否かを判定する(ステップS201)。
かかる処理において、鍵管理ユニット21の扉体215が開状態でない場合(ステップS201,No)、すなわち、鍵管理ユニット21の扉体215が閉鎖されている場合には、物品保管装置1は、鍵管理ユニット21の扉体215を解錠する(ステップS202)。具体的には、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の指示部105dが、鍵管理ユニット21のI/F部211に対して扉施錠部212の解錠指示を行い、鍵管理ユニット21のI/F部211が、扉施錠部212の解錠を実行する。
ステップS202の処理を終えた場合、あるいは、ステップS201において扉体215が開状態である場合(ステップS201,Yes)、物品保管装置1は、ログイン中の利用者が解錠権限を有する鍵ホルダをまとめて解錠する(ステップS203)。
具体的には、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の指示部105dが、利用者管理情報104bを参照してログイン中の利用者と対応付けられた権限鍵情報を取得する。つづいて、指示部105dは、取得した権限鍵情報を含んだ鍵ホルダ解錠指示を鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示する。そして、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ解錠指示を受け取ると、受け取った鍵ホルダ解錠指示に含まれる権限鍵情報に対応する鍵ホルダを解錠する。
つづいて、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面を表示させる(ステップS204)。鍵位置案内画面は、取り出し可能な鍵の位置を利用者に把握させるための画面である。ここで、鍵位置案内画面の一例を示す。図15は、鍵位置案内画面の一例を示す図である。
図15に示すように、鍵位置案内画面には、鍵ホルダ部213に設けられた各鍵ホルダに対応する画像が各鍵ホルダと同様の配置で表示される。そして、鍵位置案内画面には、各鍵ホルダ画像のうち、利用者が取り出すことのできる鍵ホルダに対応する鍵ホルダ画像が他の鍵ホルダ画像とは異なる態様で表示される。
たとえば、ログイン中の利用者が「栄光太郎」である場合には、「栄光太郎」が解錠権限を有する鍵ホルダA1,A5,A18,A23,A24,A25に対応する鍵ホルダ画像が他の鍵ホルダ画像とは異なる態様で表示される。
このように、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面が表示されるため、利用者は、鍵管理ユニット21に保管されている複数の鍵の中から目的とする鍵を容易に取り出すことができる。
しかも、本実施形態に係る物品保管装置1では、鍵管理ユニット21が操作制御ユニット10に隣接する位置に配置されるため、利用者は、鍵ホルダの取り出し操作をタッチパネルLCD102に表示された鍵位置案内画面を目視しながら容易に行うことができる。
なお、図15に示したように、鍵位置案内画面には、鍵ホルダ画像の他に、ログイン中の利用者の利用者名およびID、鍵を取り出すべき旨のメッセージ、操作完了時に押下される決定ボタン等が表示される。
つづいて、操作制御ユニット10の制御部105は、利用者が操作を完了したか否かを判定する(ステップS205)。具体的には、制御部105は、鍵位置案内画面に表示された決定ボタンが押下された場合に、利用者が操作を完了したと判定する。かかる処理において、利用者が操作を完了したと判定すると(ステップS205,Yes)、物品保管装置1は、解錠状態の鍵ホルダを施錠する(ステップS206)。
具体的には、鍵位置案内画面に表示された決定ボタンが押下されると、操作制御ユニット10の指示部105dは、鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して鍵ホルダの施錠を指示する。そして、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダの施錠指示を受け取ると、鍵ホルダを施錠する。
つづいて、物品保管装置1では、鍵ホルダ状態情報の更新が行われる(ステップS207)。具体的には、物品保管装置1では、鍵管理ユニット21の状態検知部214bが、鍵ホルダ部213の状態を検知し、記憶部214cに記憶された鍵ホルダ状態情報を更新する。つづいて、情報通知部214dは、状態検知部214bによって更新された鍵ホルダ状態情報を操作制御ユニット10に対して通知する。そして、操作制御ユニット10の情報取得部105aは、鍵ホルダ状態情報を取得し、取得した鍵ホルダ状態情報を被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104に記憶する。かかる処理を終えると、物品保管装置1は、鍵取出処理を終了する。
ところで、上記では、利用者が解錠権限を有する鍵ホルダをまとめて解錠する場合について説明したが、利用者によって選択された鍵ホルダだけを解錠することとしてもよい。この場合、操作制御ユニット10の指示部105dは、鍵位置案内画面において利用者によって押下された鍵ホルダ画像に対応する鍵ホルダの解錠のみを鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示するようにすればよい。
次に、ステップS114に示した通帳出入処理について図16を用いて説明する。図16は、通帳出入処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16に示すように、通帳出入処理を開始すると、物品保管装置1は、通帳管理ユニット22の扉体の解錠を行う(ステップS301)。具体的には、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の指示部105dが、通帳管理ユニット22の上部に設置された一般ユニット23のI/F部に対して図13のステップS112で選択した通帳が収納されている通帳管理ユニット22の扉体の解錠を指示する。そして、一般ユニット23のI/F部は、通帳管理ユニット22の扉施錠部221の解錠を実行する。
つづいて、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して通帳位置案内画面を表示させる(ステップS302)。通帳案内画面は、利用者が取り扱おうとしている通帳の収納位置を利用者に把握させるための画面である。ここで、通帳位置案内画面の一例を示す。図17は、通帳位置案内画面の一例を示す図である。
図17に示すように、通帳位置案内画面には、物品保管装置1の外観画像102aと、収納部B10の位置を示す収納部画像102bと、利用者が取り扱おうとしている通帳の通帳画像102cとが含まれる。また、収納部画像102bには、収納部B10内に形成された4つの個別収納部のうち、利用者が取り扱おうとしている通帳が収納されている個別収納部の位置も示されている。
このような通帳位置案内画面がタッチパネルLCD102に表示されることによって、利用者は、収納部B10内の4つの個別収納部のうち、どの個別収納部に目的とする通帳が収納されているかを容易に把握することができる。また、通帳位置案内画面に通帳画像102cが表示されることによって、利用者は、取り出した通帳に間違いがないことを確認できる。
しかも、本実施形態に係る物品保管装置1では、通帳管理ユニット22が操作制御ユニット10に隣接する位置に配置されるため、利用者は、通帳の出し入れ操作をタッチパネルLCD102に表示された通帳位置案内画面を目視しながら容易に行うことができる。また、通帳管理ユニット22が操作制御ユニット10に隣接する位置に配置されることによって、利用者は、通帳計数部222による通帳計数処理が失敗した場合に、通帳が正常に収納されているかを容易に目視確認することができる。
つづいて、操作制御ユニット10の制御部105は、通帳管理ユニット22の扉体が施錠されたか否かを判定する(ステップS303)。具体的には、通帳管理ユニット22の扉施錠部221は、通帳管理ユニット22の扉体が閉鎖されたことを検知すると、扉体が閉鎖された旨を一般ユニット23のI/F部経由で操作制御ユニット10へ通知する。
つづいて、扉施錠部221から扉体が閉鎖された旨を受けると、指示部105dは、通帳管理ユニット22の扉体を施錠すべき旨を一般ユニット23のI/F部に対して指示する。そして、一般ユニット23のI/F部は、通帳管理ユニット22の扉体を施錠すべき旨の指示を受けると、通帳管理ユニット22の扉施錠部221の施錠を実行する。
つづいて、扉施錠部221は、扉体の施錠が完了した旨を一般ユニット23のI/F部を介して操作制御ユニット10へ通知する。そして、扉体の施錠が完了した旨を受けると、操作制御ユニット10の制御部105は、通帳管理ユニット22の扉体が施錠されたと判定する。
ステップS303において通帳管理ユニット22の扉体が施錠されたと判定すると(ステップS303,Yes)、物品保管装置1は、通帳管理ユニット22に収納されている通帳の計数処理を行う(ステップS304)。
具体的には、通帳管理ユニット22の扉体が施錠されると、操作制御ユニット10の指示部105dは、通帳管理ユニット22の計数指示部223aに対して計数処理の実行を指示する。つづいて、計数指示部223aは、計数指示を受けると、通帳計数部222に対して計数処理の実行を指示する。そして、通帳計数部222は、計数指示部223aからの指示に従って計数処理を実行する。
なお、通帳計数部222は、計数処理を完了すると、計数処理が完了した旨を情報通知部223cに通知するとともに、計数結果を記憶部223bに記憶する。また、情報通知部223cは、更新前の計数結果および更新後の計数結果を記憶部223bから取得する。
また、情報通知部223cは、更新前後の計数結果を用いて、取り出された通帳数または補充された通帳数を算出し、更新後の計数結果とともに計数結果情報として操作制御ユニット10へ通知する。そして、操作制御ユニット10の情報取得部105aは、計数結果情報を取得すると、取得した計数結果情報を被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104に記憶する。
つづいて、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して計数結果画面を表示させる(ステップS305)。具体的には、表示制御部105cは、被制御ユニット管理情報104aとして記憶された計数結果情報を記憶部104から取得し、取得した計数結果情報を用いて計数結果画面を生成する。そして、表示制御部105cは、生成した計数結果画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。ここで、計数結果画面の一例を示す。図18は、計数結果画面の一例を示す図である。
図18に示すように、計数結果画面には、利用者によって出し入れされた通帳の通帳名と、取り扱い結果と、通帳の在庫数とが表示される。たとえば、同図に示した場合には、通帳名「定期預金通帳」と、取扱い結果「08 取出」と、在庫数「123」とが表示されている。これは、定期預金通帳が8冊取り出され、在庫数が123冊となったこと示している。
つづいて、操作制御ユニット10の指示部105dは、利用者によって出し入れされた通帳に関連する鍵があるか否かを判定する(ステップS306)。具体的には、指示部105dは、物品管理情報104cを参照し、利用者によって出し入れされた通帳を収納する個別収納部に関連鍵情報が対応付けられているならば(図5(b)参照)、関連する鍵があると判定する。
かかる処理において、関連鍵があると判定した場合(ステップS306,Yes)、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、利用者によって取り出された通帳に関連する鍵が鍵管理ユニット21に保管されている旨をタッチパネルLCD102に対して表示させる(ステップS307)。
このように、物品保管装置1では、利用者が通帳の出し入れを行った場合に、出し入れされた通帳と関連のある鍵(たとえば、取り出された通帳の行き先となるATMの鍵など)が鍵管理ユニット21に保管されている旨を表示する。これにより、利用者は、たとえば、物品保管装置1から通帳を取り出し、取り出した通帳をATMに補充するといった一連の作業を効率的に行うことができる。また、鍵の取り忘れによる作業の遅延も防止することができる。
つづいて、操作制御ユニット10の制御部105は、利用者によって関連鍵の取り出しが指示されたか否かを判定する(ステップS308)。かかる処理において、利用者によって関連鍵の取り出しが指示されたと判定すると(ステップS308,Yes)、物品保管装置1は、関連鍵の鍵ホルダを解錠する(ステップS309)。
具体的には、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の指示部105dが、関連鍵情報を含んだ鍵ホルダ解錠指示を鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示する。そして、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ解錠指示を受け取ると、受け取った鍵ホルダ解錠指示に含まれる関連鍵情報に対応する鍵ホルダを解錠する。
つづいて、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して鍵位置案内画面を表示させる(ステップS310)。かかる鍵位置案内画面は、図15に示した鍵位置案内画面と同様である。
つづいて、操作制御ユニット10の制御部105は、利用者が鍵取出操作を完了したか否かを判定する(ステップS311)。かかる処理において、利用者が鍵取出操作を完了したと判定すると(ステップS311,Yes)、物品保管装置1は、解錠されている鍵ホルダを施錠し(ステップS312)、鍵ホルダ状態情報を更新する(ステップS313)。
ステップS313の処理を終えたとき、あるいは、ステップS306において利用者によって取り出された通帳に関連する鍵がない場合(ステップS306,No)、操作制御ユニット10の制御部105は、利用者が操作を完了したか否かを判定する(ステップS314)。そして、かかる処理において、利用者が操作を完了したと判定すると(ステップS314,Yes)、物品保管装置1は、通帳出入処理を終了する。
ところで、上記では、利用者によって取り出された通帳に関連する鍵が鍵管理ユニット21に保管されている旨を表示したのち、利用者によって関連鍵の取り出しが指示された場合に、関連鍵の鍵ホルダを解錠することとしたが、これに限ったものではない。
たとえば、物品保管装置1は、利用者によって取り出された通帳の関連鍵が鍵管理ユニット21に保管されている旨を表示したのち、利用者からの明示的な指示を得ることなく、関連鍵の鍵ホルダを解錠してもよい。この場合、操作制御ユニット10の指示部105dは、ステップS306において関連鍵があると判定したならば(ステップS306,Yes)、関連鍵情報を含んだ鍵ホルダ解錠指示を鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示すればよい。これにより、利用者は、作業をより効率的に行うことができる。
上述してきたように、本実施形態では、物品を収納する収納部および収納部を施解錠する施解錠部を有する収納ユニットと、物品を収納する収納部、収納部を施解錠する施解錠部および収納部に収納された物品を管理する管理部を有する管理収納ユニットと、施解錠部に対して収納部の施解錠を指示する指示部および管理部から物品の管理情報を取得する情報取得部を有する制御ユニットとを備えることとしたので、単に物品を保管するだけでなく保管する物品の性質に応じた物品管理を行うことができる。
ところで、上述した実施形態では、通帳を取り出した場合に、取り出した通帳に関連する鍵が鍵管理ユニット21に収納されていることを案内したり、関連する鍵の鍵ホルダの解錠処理を行ったりする場合について説明したが、他の物品が取り出された場合にも同様の処理を行うことができる。
たとえば、現金が取り出された場合に、この現金の行き先となるATMや装置等の鍵が鍵管理ユニット21に保管されている旨を表示することもできる。具体的には、図13に示した物品出入処理において、現金を収納している収納部B12が解錠された場合に、操作制御ユニット10の指示部105dは、物品管理情報104cを参照して、この収納部B12に関連鍵情報が対応付けられているか否かを判定する。そして、収納部B12に関連鍵情報が対応付けられている場合(図5(a)参照)、表示制御部105cは、取り出された現金の行き先となるATMや装置等の鍵が鍵ホルダ「A23」に保管されている旨をタッチパネルLCD102に対して表示させる。
同様に、手提金庫が取り出された場合にも、この手提金庫の鍵が鍵管理ユニット21に保管されている旨を表示することもできる。
また、本実施形態にかかる物品保管装置1は、通帳管理ユニット22に収納されている通帳の数が少なくなった場合に、通帳を補充すべき旨をタッチパネルLCD102に表示するようにしてもよい。
具体的には、操作制御ユニット10の指示部105dは、被制御ユニット管理情報104aとして記憶されている通帳の計数結果情報が更新された場合に、更新後の計数結果情報を参照し、通帳の在庫数が所定値以下になったか否かを判定する。
そして、通帳の在庫数が所定値以下になったと判定した場合、表示制御部105cは、この通帳を補充すべき旨をタッチパネルLCD102に対して表示させる。これにより、利用者は、通帳の在庫数管理を容易に行うことができる。
さらに、このとき、補充用の束通帳がどの収納部に収納されているかを表示してもよい。具体的には、指示部105dは、物品管理情報104cを参照して、在庫数が所定値以下となった通帳と対応付けられた束通帳情報を取り出す。そして、表示制御部105cは、取り出した束通帳情報に対応する収納部の位置を、通帳を補充すべき旨とともにタッチパネルLCD102に対して表示させる。これにより、利用者は、通帳を補充する場合に、補充すべき通帳と同一の束通帳がどの収納部に収納されているかを容易に把握することができる。
また、これまでは、管理収納ユニットの一例として、鍵管理ユニット21および通帳管理ユニット22を用いて説明してきたが、管理収納ユニットは、これらに限ったものではない。たとえば、管理収納ユニットは、光学式センサや重量センサを用いて、収納されている棒金の個数や金額を計数する棒金管理ユニットであってもよい。
また、管理収納ユニットは、入金時(収納時)に金種を識別することによって、収納されている貨幣の金額を計数する入金管理ユニットであってもよく、出金時(取り出し時)金種を識別することによって、収納されている貨幣の金額を計数する出金管理ユニットであってもよい。また、管理収納ユニットは、入金管理ユニットおよび出金管理ユニットの機能を兼ね備えた入出金管理ユニットであってもよい。