JP6822190B2 - 現金処理装置 - Google Patents

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本発明は、現金処理装置に関し、例えば、百貨店や、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売業の店舗に設置され、売上回収等の取引を行う現金入出金機に適用し得る。
従来、百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売業の多くの店舗には、釣銭準備金として使用される現金(紙幣及び硬貨)を出金したり、又は、店舗での売上金が入金されたりする現金入出金機(以下、「装置」と呼ぶ場合もある)が設置されている(例えば、特許文献1参照)。
一般的に、この現金入出金機に対する売上金の回収(売上金カセットの回収)、の管理、又は、売上金の回収の他、釣銭補充の作業等を含む総合的な管理(フル管理)は、店舗を経営する会社などに委託された会社(警送会社)により行われることが多い。
特開2013−235526号公報
しかしながら、上記従来の現金入出金機では、警送会社に現金入出金機の売上金の回収と共に、釣銭の補充を委託する場合には、以下に示すような課題が存在した。現金入出金機に釣銭補充した場合には、装置内に釣銭を補充した分だけ、装置内(現金収納部)に釣銭金額が増えてしまうことになる(つまり、釣銭金額を一定に保つことが出来なくなってしまう)。釣銭金額を一定に保つためには、釣銭補充した分を釣銭抜取すれば良いが、抜き取る金種を警送会社の担当者(警送隊員)に任せることになり、手間が掛かってしまう(人によるスキルの違いが出てしまう)。従って、釣銭補充の手間により、結果的に、売上金の回収に時間掛かってしまうことにもなる。
そのため、釣銭補充する者の技量に依らず、現金入出金機内の釣銭金額を最適に保ち、売上金の回収を容易に行える現金処理装置が望まれている。
第1の本発明は、売上金を回収する売上回収取引を実行する現金処理装置において、(1)売上金を含む現金を金種毎に収納する収納部と、(2)回収金として装置から取り出される現金を収納する回収庫と、(3)前記売上回収取引において、前記収納部へ現金を補充する現金補充取引の実行を制御する現金補充処理部と、(4)前記売上回収取引において、前記現金補充取引を行っていた場合には、回収金として、売上金と、前記現金補充取引において補充した現金とは異なる金種の現金を含む抜取金とを前記回収庫に移動させる制御を行う制御部とを有することを特徴とする。
第2の本発明は、売上金を回収する売上回収取引を実行する現金処理装置において、(1)利用者による操作を誘導するための表示画面を表示する表示部と、(2)利用者からの操作を受け付ける操作部と、(3)売上金を含む現金を金種毎に収納する収納部と、(4)回収金として装置から取り出される現金を収納する回収庫と、(5)前記利用者から前記売上回収取引の実行を受け付けると、前記表示部に現金補充の有無を選択させるための補充画面を表示させ、前記現金補充の有無の選択に基づいて前記売上回収取引を実行する制御部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、釣銭補充する者の技量に依らず、現金入出金機内の釣銭金額を最適に保ち、売上金の回収を容易に行える。
第1の実施形態の入出金機の機能的構成について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る入出金機(制御部)で精算集計取引が行われる際の動作について示したフローチャートである。 第1の実施形態に係る入出金機(制御部)で回収取引が行われる際の動作について示したフローチャートである。 第1の実施形態に係る回収取引で使用される釣銭(両替金)補充画面の一例を示す説明図である。 第1の実施形態に係る補充金に対して、装置内から抜き取る現金(抜取金)の金種を決定する動作(抜取金(金種)決定処理)の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る回収取引における回収予定額の一例を示す説明図である。 第2の実施形態に係る入出金機(制御部)で現金移動取引が行われる際の動作について示したフローチャートである。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の現金処理装置を現金入出金機(以下、単に「入出金機」とも呼ぶ)に適用した例について説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の入出金機の機能的構成について示したブロック図である。なお、図1に示した入出金機10の外観は一例であり、一部の構成要素を省略したり、追加したり、又は、変更したりしても良い。
入出金機10は、例えば、小売店やスーパーマーケット等の流通及び商業施設に設置され、レジ等の釣銭を出金し、売上金を入金するものであり、「釣銭出金取引」、「売上入金取引」、「計数取引」、「補充取引」、「精算集計取引」、及び「回収取引」の取引に対応しているものとする。なお、この実施形態において、入出金機10が対応する取引は、少なくとも、「精算集計取引」及び「回収取引」が含まれているものとする。
入出金機10は、図1に示すように、紙幣投入口101、紙幣一時保留部102、紙幣鑑別部103、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106、売上回収カセット107、リジェクト部108、硬貨投入口109、硬貨鑑別部110、硬貨一時保留部111、出金ホッパ112、硬貨出金箱113、硬貨返却箱114、硬貨回収庫115、カードリーダ部116、操作表示部117及び制御手段としての制御部118を有している。
なお、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106、及び出金ホッパ112は収納部の一例である。また、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115は、回収庫の一例である。
操作表示部117は、利用者による操作を誘導するための表示画面を表示する表示部と、オペレータが操作を行い、当該操作を検出するための検出部と、の機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作検出部としての機能は、例えば、タッチパネルや操作ボタンにより実現される。
制御部118は、操作表示部117に入力された取引種類、及び現金投入枚数等に基づき、入出金機10の各部が行う各処理を制御する。
制御部118は、操作表示部117やカードリーダ部116をオペレータインタフェースとして、オペレータ(業務を委託された警送会社の担当者も含む)からの操作受付やオペレータに対する認証処理等を実行することにより、オペレータに対して取引処理を提供する。
上述の通り、この実施形態の制御部118は、上述の各取引に対応しているものとする。「釣銭出金取引」とは、釣銭準備金として収納している現金から釣銭の出金を行う取引である。また、「売上入金取引」は、釣銭及び売上金を含む現金(例えば、レジに収納されていた現金)の入金を受付ける取引である。「計数取引」は、投入された現金の鑑別及び計数を行いその結果を出力する取引である。「補充取引」は、釣銭準備金の補充を受付ける取引である。「精算集計取引」は、取引履歴(釣銭出金取引及び売上入金取引等)に基づいて売上金を集計する取引である。「回収取引」は、売上額を売上移動金額として売上回収カセット107へ移動して回収する取引である。
また、この実施形態の制御部118では、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106、売上回収カセット107、リジェクト部108、及び出金ホッパ112で現金の収納(保持)が可能であり、各構成要素で収納している現金の金種ごとの枚数及び総額を管理しているものとする。
紙幣投入口101は、オペレータが紙幣を入金するための投入口と、釣銭出金取引においてオペレータに紙幣を出金するための出金口と、売上入金取引の取消しにおいてオペレータに紙幣を返却したり、入金がリジェクトされた紙幣をオペレータに返却したりするための返却口と、をかねている。
紙幣一時保留部102は、入金計数時及び売上金作成時に一時的に紙幣を集積するものである。
紙幣鑑別部103は、投入された紙幣の真偽、金種、正損等を鑑別するものである。
万券カセット104、五千券カセット105及び千券カセット106は、それぞれ万券、五千券、千券を釣銭準備金として収納しておくものであり、それぞれがいわゆるリサイクルカセットで構成されているものとする。以下では、万券カセット104、五千券カセット105、及び千券カセット106を総称して単に「リサイクルカセット」とも呼ぶものとする。売上入金で正券と鑑別された紙幣は、リサイクルカセットに収納され、釣銭出金時にリサイクルカセットから出金される。また、入出金機10は、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106の代わりに、入出金機10が取り扱うべき各種紙幣に対応したものを備えていてもよい。
売上回収カセット107は、精算集計時には万券カセット104、五千券カセット105、及び千券カセット106から、売上金を移動し、収納するものである。また、売上入金時には投入された紙幣を紙幣投入口101から直接収納するものである。
リジェクト部108は、売上入金時に紙幣一時保留部102からリサイクルカセットへ収納するときのリジェクト紙幣と、カセットから釣銭出金するときのリジェクト紙幣と、売上金作成でカセットから売上回収カセット107へ移動するときのリジェクト紙幣とを集積するものである。
硬貨投入口109は、オペレータが硬貨を入金するための投入口である。
硬貨鑑別部110は、投入された硬貨の真偽、金種、正損等を鑑別するものである。
硬貨一時保留部111は、入金計数時に一時的に硬貨を集積するものである。
出金ホッパ112は、硬貨の釣銭準備金を金種毎に収納しておくものである。
売上入金で正常と識別された硬貨は、出金ホッパ112に収納され、釣銭出金時に出金ホッパ112から出金される。
硬貨出金箱113は、釣銭出金時取引においてオペレータに硬貨を出金するための硬貨出金口である。入出金機10は、複数の種類の硬貨出金箱113に対応している。オペレータは用途や出金枚数に応じて選択した硬貨出金箱113を、入出金機10にセットすることが可能である。
硬貨返却箱114は、後述する計数取引及び売上入金取引の取消しにより硬貨を返却するものである。
硬貨回収庫115は、精算集計時に出金ホッパ112から売上金を移動し、収納するものである。
なお、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106、売上回収カセット107、出金ホッパ112及び硬貨回収庫115は、セキュリティ性を高めるために、鍵を備えていてもよい。
カードリーダ部116は、取引開始時にレジカードやIDカード等に書き込まれた情報を読み込むものである。レジカードやIDカードに書き込まれる情報として、例えば、カードを使用するオペレータを識別するための名前等の情報や、行うことが可能な取引種類の情報がある。また、本発明の現金処理装置は、カードリーダ部の代わりに、指紋を認識する指紋認識部や、暗証番号を入力する暗証番号入力部を設けていてもよい。
次に、この実施形態の入出金機10(制御部118)が行う、特徴部分(精算集計取引(自動)、回収取引)の概要について説明する。
この実施形態の入出金機10(制御部118)は、業務を委託した警送会社の担当者が、売上金の回収と共に、釣銭補充を含む取引を効率的に行うことを可能とするものである。まず、精算集計取引は、従来、装置の管理者により実行されていたが、この実施形態では、所定時刻に自動で集計(売上金額を算出)処理を行うことにした。そして、回収取引において、精算集計取引に係る処理で算出された売上金額に基づいて、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に回収金として収納させる。また、回収取引において、補充する釣銭(両替金)があれば、併せて釣銭の補充を受け付ける(制御部118が実行するこの処理は、現金補充処理部の一例である)。その場合には、補充した釣銭と同額の現金(補充した釣銭とは異なる金種)も、回収金として売上金と共に売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に収納させることにする。「精算集計取引(自動)」及び「回収取引」の詳細については、動作の項において、改めて説明(詳述)する。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の入出金機10の動作を説明する。以下では、この実施形態に係る入出金機10において、所定のタイミングで、「精算集計取引」が自動的に実行され、精算集計処理された売上金について、警送会社の担当者が釣銭の補充を含む「回収取引」を実行させた例を説明する。
(A−2−1)精算集計取引(自動)
図2は、第1の実施形態に係る入出金機(制御部)で精算集計取引が行われる際の動作について示したフローチャートである。なお、ここでの精算集計取引は、入出金機10が設置されている店舗内の担当者が現金管理を行う場合に実行される、通常の精算集計取引では無く、現金の回収作業を委託している警送会社が回収取引を行うことを前提に実行される処理である。また、精算集計取引が実行される前の売上回収カセット107及び硬貨回収庫115は空であることを前提とする。
制御部118は、予め設定された時刻になると精算集計取引を開始する(S101、S102)。
制御部118は、精算集計取引が開始されると、売上金合計額(売上金合計額=入金合計額−出金合計額)を算出する(S103)。
制御部118は、算出された売上金合計額のデータを内部に記憶する(S104)。なお、この実施形態では、売上金合計額に基づいて、後述する回収取引において、回収される売上金の金種は、高額の金種を優先して回収するものとする(例えば、売上金合計額が「15000」円の場合には、一万券1枚と5千券1枚が対象となる)。
(A−2−2)回収取引(釣銭(両替金)補充含む)
図3は、第1の実施形態に係る入出金機(制御部)で回収取引が行われる際の動作について示したフローチャートである。
入出金機10(制御部118)は、操作者(警送会社の担当者)が予め登録された図示せぬIDカードをカードリーダ部116にリードさせて、さらに、場合によってはパスワードを入力させることにより、操作者の正当性を認証し、各取引の受付を開始する(S201)。
制御部118は、操作表示部117を介した操作に応じて、「回収取引」の処理を開始する(S202)。
制御部118は、操作表示部117に、釣銭(両替金)補充画面を表示して、釣銭補充の有無を選択させる(S203)。図4は、第1の実施形態に係る回収取引で使用される釣銭(両替金)補充画面の一例を示す説明図である。図4において、釣銭(両替金)補充画面T1は、現金の投入を促すメッセージと共に、補充する釣銭が無い事を確定させるボタンB1が備えられている。なお、釣銭補充が無い場合(ボタンB1が押下された場合)に実行されるステップS211の処理は、従来の処理と同様であるので、説明を省略する。
制御部118は、先述のステップS203の処理で、釣銭補充の有りが選択されると(つまり、現金が投入されると)、紙幣と硬貨(バラ硬貨)を、紙幣投入口101及び硬貨投入口109を介して、内部に投入する(S204)。また、棒金の硬貨の取り扱いができる入出金機の場合には、棒金トレーに装填してから内部に投入する。なお、補充する釣銭額は、例えば、定額、若しくは入出金機10の有高データを警送会社のシステムが取得して決定する方法、前回の回収時に装置内の有高から警備会社が決定する方法等が想定される。
制御部118は、投入された紙幣及び硬貨を、紙幣鑑別部103及び硬貨鑑別部110で鑑別(計数)後、紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111に一時収納する(S205)。
制御部118は、装置内の現金の各金種の有高を一定に保つために、投入された現金(補充金)と同額の、装置内から抜き取る現金(以下、「抜取金」とも呼ぶ)の金種を決定する(S206)。この実施形態では、抜取金の金種は、補充した現金の金種とは異なる金種であって、高額の金種から優先的に抜き取るものとする。このステップS206の処理の詳細(図5)は、後述する。
制御部118は、売上金合計額と抜取金額との合計を「回収予定額」として、操作表示部117に表示させる(S207)。図6は、第1の実施形態に係る回収取引における回収予定額の一例を示す説明図である。なお、この図6において、回収予定額の金種を示すデータも併せて表示しても良い。
制御部118は、操作者から回収予定額の確認を受け付けると、紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111に保留していた現金(釣銭補充金)をリサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納する(S208)。なお、制御部118は、キャンセルを受け付けると、釣銭補充金を硬貨返却箱114及び紙幣投入口101に返却して、回収取引を終了する。
制御部118は、リサイクルカセット及び出金ホッパ112から売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に、回収予定額分の現金(先の処理で決定された金種)を移動させる(S209)。
制御部118は、売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115の扉の電磁ロックを解除し、売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115が取り外され、空の売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115が取り付けられたところで取引終了とする(S210)。
(A−2−3)抜取金(金種)決定処理
図5は、第1の実施形態に係る補充金に対して、装置内から抜き取る現金(抜取金)の金種を決定する動作(抜取金(金種)決定処理)の一例を示すフローチャートである。なお、図5の処理は、一例であって、抜取金の金種を決定する処理はこれに限定されるものでは無い。
制御部118は、先述のステップS104の処理で記憶された売上金合計額(売上金合計額に対する回収予定の金種を含むデータ)を取得する(S301、S302)。また、制御部118は、出金ホッパ112及びリサイクルカセットに収納されている、現在の各金種の有高データを取得する(S303)。
制御部118は、現在の各金種の有高データから、売上金合計額に対する回収予定の金種を差し引いた、各金種の有高データ(以下、「比較データ」と呼ぶ)を作成する(S304)。
制御部118は、比較データの各金種のデータを、高額金種から順に参照して、抜取金の金種を決定する(S305)。ただし、釣銭補充した金種については、比較対象外(つまり、抜取金の金種とはしない)とする。釣銭補充した金種について、比較データの各金種を1巡して参照し、抜取金の金種が決定されたら、次の処理を実行する。
制御部118は、ステップS305の処理により決定された抜取金の金種の合計額が、釣銭補充額と等しい場合には、決定された抜取金の金種を、回収する抜取金の金種と決定する(S306)。一方、制御部118は、ステップS305の処理により、抜取金の金種の合計額が、釣銭補充額と等しく無い場合には、再度ステップS305の処理(再処理の場合には、釣銭補充した金種も比較対象としても良い)を実行する。また、変形例として、抜取金の金種の合計額が釣銭補充額と完全一致しなくとも、一定の範囲内であれば、抜取金の金種の合計額を回収予定額として決定して、この処理を終了しても良い。
(A−3)第1の実施形態の効果
この実施形態によれば、装置への売上回収だけでなく、釣銭資金の装填を、図3、図5の処理に基づいて行うことにより、装置内の各金種の現金のバランスを効率的に保つことができるようになった。つまり、従来行われていた釣銭補充に対する釣銭抜取(抜取金種を操作者が指定して装置内から抜き取る取引)を行う必要が無くなった。これにより、店舗内に予備の現金(例えば、予備の釣銭)を保管する必要性が減じられた。また、管理者を用意すること無く、業務の委託(警送会社への業務委託)も行えるようになった。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。この実施形態では、本発明の現金処理装置を現金入出金機に適用した例について説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の入出金機10の構成についても、第1の実施形態と同様に図1を用いて示すことができる。ただし、第2の実施形態では、制御部118は、「現金移動取引」を実行できる機能を有するものとする。「現金移動取引」は、制御部118が管理しているリサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納されている各金種の有高が、所定の枚数(閾値)に達した場合には、超えた分の金種については、自動的に売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115に収納させる処理である。「現金移動取引」の詳細については、動作の項において、改めて説明(詳述)する。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態に係る入出金機10の動作を説明する。
図7は、第2の実施形態に係る入出金機(制御部)で現金移動取引が行われる際の動作について示したフローチャートである。なお、図7の処理が実行されるタイミングは限定されるものでは無いが、例えば、「売上入金取引」が実行された直後に実行される。
制御部118は、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納されている各金種の有高が、所定の枚数(閾値)を超えたか否か判定する(S401)。なお、閾値については、例えば、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納できる最大枚数に対して、9割の枚数として良い。また、閾値は、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納できる最大枚数から、紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111が収納可能な枚数を差し引いた値としても良い。閾値については、金種毎に設定しても良く、一部又は全部について同一の値を適用しても良い。
制御部118は、先述のステップS401の処理により、閾値を超えた金種については、超えた分を、リサイクルカセット及び出金ホッパ112から売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に移動させる(S402)。なお、制御部118は、先述のステップS401の処理により、閾値を超えた金種が存在しない場合には処理を終了する。
変形例として、入出金機10(制御部118)は、この現金移動取引を管理者権限で実行できる機能を追加しても良い。例えば、管理者により現金移動取引が選択された場合には、指定された金種の指定枚数を、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に移動させる。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
店舗管理者が現金を触れる機会が最低限となり、装置からあふれた現金を、装置とは別の金庫で管理する必要性は少なくなる。また、第1の実施形態で説明したような警送会社に業務を委託する運用では、売上回収の際に警送会社が釣銭を持ってくる前提とするので、あふれた釣銭や移動させた釣銭は、警送会社への両替の元金となり、あふれた現金が既に、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に入っている場合には、警送会社の担当者が売上回収を実施する際の時間短縮にも繋がる。
(C)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、以下の変形実施形態にも適用できる。
上記実施形態では、本発明の現金処理装置を現金入出金機に適用する例について説明したが、これに限らず、例えば、自動釣銭機、券売機、精算機、ATM等の種々様々な装置に適用することができる。
10…入出金機、101…紙幣投入口、102…紙幣一時保留部、103…紙幣鑑別部、104…万券カセット、105…五千券カセット、106…千券カセット、107…売上回収カセット、108…リジェクト部、109…硬貨投入口、110…硬貨鑑別部、111…硬貨一時保留部、112…出金ホッパ、113…硬貨出金箱、114…硬貨返却箱、115…硬貨回収庫、116…カードリーダ部、117…操作表示部、118…制御部、B1…ボタン、T1…補充画面。

Claims (7)

  1. 売上金を回収する売上回収取引を実行する現金処理装置において、
    売上金を含む現金を金種毎に収納する収納部と、
    回収金として装置から取り出される現金を収納する回収庫と、
    前記売上回収取引において、前記収納部へ現金を補充する現金補充取引の実行を制御する現金補充処理部と、
    前記売上回収取引において、前記現金補充取引を行っていた場合には、回収金として、売上金と、前記現金補充取引において補充した現金とは異なる金種の現金を含む抜取金とを前記回収庫に移動させる制御を行う制御部と
    を有することを特徴とする現金処理装置。
  2. 前記制御部は、前記回収庫に移動させる前記抜取金の金種として、高額金種を優先的に割り当てて移動させることを特徴とする請求項1に記載の現金処理装置。
  3. 前記抜取金は、前記収納部へ補充した現金と同額であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現金処理装置。
  4. 前記制御部は、所定のタイミングで、前記収納部に収納されている現金の各金種の枚数が所定の閾値を超えた場合には、前記回収庫に超えた分の金種の現金を収納させる制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の現金処理装置。
  5. 売上金を回収する売上回収取引を実行する現金処理装置において、
    利用者による操作を誘導するための表示画面を表示する表示部と、
    利用者からの操作を受け付ける操作部と、
    売上金を含む現金を金種毎に収納する収納部と、
    回収金として装置から取り出される現金を収納する回収庫と、
    前記利用者から前記売上回収取引の実行を受け付けると、前記表示部に現金補充の有無を選択させるための補充画面を表示させ、前記現金補充の有無の選択に基づいて前記売上回収取引を実行する制御部と
    を有することを特徴とする現金処理装置。
  6. 前記制御部は、前記現金補充が無いことの選択を受け付けると、回収金として前記売上金を前記収納部から前記回収庫に移動させ、一方、前記現金補充が有ることの選択を受け付けると、前記利用者から補充される現金を受け付けるとともに、補充された前記現金とは異なる金種の現金を含む抜取金と、前記売上金とを前記収納部から前記回収庫に移動させることを特徴とする請求項5に記載の現金処理装置。
  7. 前記補充画面は、前記利用者に対して前記現金の投入を促すメッセージと、補充する前記現金が無いことを選択するためのボタンとを含み、
    前記制御部は、前記現金が装置に投入されたことに基づいて、前記現金補充が有ることの選択がされたものとして受け付ける
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の現金処理装置。
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