JP6452976B2 - 現金処理装置 - Google Patents

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この発明は、現金処理装置に関し、例えば、小売店やスーパーマーケット等の流通及び商業施設に設置され、レジ等の釣銭を出金し、売上金を入金する入出金機に適用し得る。
現在、小売店やスーパーマーケット等の流通及び商業施設等において、レジ等の釣銭を出金し、売上金を入金する入出金機が導入されている。
従来の入出金機としては特許文献1に記載の入出金機がある。特許文献1に記載の入出金機では、釣銭準備金を収納して、オペレータ(レジ担当者)に出金し、その後オペレータから売上金(釣銭と売上金を含む現金)の入金を受付けて収納する。そして、特許文献1の入出金機では、オペレータの操作に応じて、売上金を回収用のカセットに移動して回収させる取引処理を行う。また、特許文献1では、鑑別等により異常を検知した紙幣(リジェクト紙幣)については、リジェクト部に収納する処理を行う。
特開2013−109400号公報
しかしながら、従来の入出金機では、リジェクト紙幣をリジェクト部に収納するが、リジェクト紙幣を釣銭として出金することはできない、いわゆる「死に金」となってしまうことになる。すなわち、従来の入出金機において、多くのリジェクト紙幣が投入された場合、釣銭準備金の不足や、リジェクト紙幣の回収や両替に手間がかかる等の問題があった。
そのため、効率的な現金の利用を行うことができる現金処理装置が望まれている。
第1の本発明の現金処理装置は、(1)貨幣を識別する識別部と、(2)上記識別部により正常と識別された貨幣を収納する第1の収納部と、(3)回収対象の貨幣を収納する第2の収納部と、(4)上記識別部で異常と識別された貨幣を収納する第3の収納部と、(5)上記識別部により正常と識別された貨幣を上記第1の収納部に収納させ、上記識別部により異常と識別された貨幣があった場合でも上記第2の収納部に収納されている貨幣が所定以下の額であれば異常と識別された貨幣を上記第2の収納部に収納させる制御を行う制御部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、効率的な現金の利用を行う現金処理装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る入出金機の機能的構成について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る入出金機でリジェクト紙幣が発生した場合の動作について示したフローチャートである。 第1の実施形態に係る入出金機で精算集計取引及び回収取引を行う場合の動作(第1の方式)について示したフローチャートである。 第1の実施形態に係る入出金機で精算集計取引及び回収取引を行う場合の動作(第2の方式)について示したフローチャートである。 第2の実施形態に係る入出金機でリジェクト紙幣が発生した場合の動作について示したフローチャートである。 第3の実施形態に係る入出金機の機能的構成について示したブロック図である。 第3の実施形態に係る入出金機でリジェクト紙幣が発生した場合の動作について示したフローチャートである。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明の現金処理装置を、入出金機に適用した場合の例について説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の入出金機の機能的構成について示したブロック図である。なお、図1に示した入出金機10の外観は一例であり、一部の構成要素を省略したり、追加したり、或いは、変更したりしてもよい。
入出金機10は、例えば、小売店やスーパーマーケット等の流通及び商業施設に設置され、レジ等の釣銭を出金し、売上金を入金するものであり、「釣銭出金取引」、「売上入金取引」、「計数取引」、「補充取引」、「抜き取り取引」、「精算集計取引」、「回収取引」、及び「精査取引」の取引に対応しているものとする。入出金機10が対応する各取引の詳細については後述する。なお、入出金機10が対応する取引処理については上述のものに限定されず他の取引に対応するようにしてもよい。また、入出金機10が対応する取引は上述の取引のうちの一部であってもよい。
入出金機10は、図1に示すように、紙幣投入口101、紙幣一時保留部102、紙幣鑑別部103、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106、売上回収カセット107、リジェクト部108、硬貨投入口109、硬貨鑑別部110、硬貨一時保留部111、出金ホッパ112、硬貨出金箱113、硬貨返却箱114、硬貨回収庫115、カードリーダ部116、操作表示部117及び制御部118を有している。
操作表示部117は、利用者による操作を誘導するための表示画面を表示する表示部と、オペレータが操作を行い、当該操作を検出するための検出部と、の機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作検出部としての機能は、例えば、タッチパネルや操作ボタンにより実現される。
制御部118は、操作表示部117に入力された取引種類や釣銭出金取引における出金枚数等の情報、及び現金投入枚数等に基づき、現金処理装置10の各部が行う各処理を制御する。
制御部118は、操作表示部117やカードリーダ部116をオペレータインタフェースとして、オペレータからの操作受付やオペレータに対する認証処理等を実行することにより、オペレータに対して取引処理を提供する。また、制御部118は、オペレータとの取引内容に応じて現金(硬貨及び又は紙幣)の入出金の処理を行う。
上述の通り、この実施形態の制御部118は、上述の各取引に対応しているものとする。「釣銭出金取引」とは、釣銭準備金として収納している現金から釣銭の出金を行う取引である。また、「売上入金取引」は、釣銭及び売上金を含む現金(例えば、レジに収納されていた現金)の入金を受付ける取引である。「計数取引」は、投入された現金の鑑別及び計数を行いその結果を出力する取引である。「補充取引」は、釣銭準備金の補充を受付ける取引である。「精算集計取引」は、取引履歴(釣銭出金取引及び売上入金取引等)に基づいて売上金を集計し、売上金を売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115に移動させる取引である。「精査取引」は、収納している現金を全て排出後、再度投入を受付けて再鑑別・再計数の後収納する取引である。
また、この実施形態の制御部118では、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106、売上回収カセット107、リジェクト部108、及び出金ホッパ112で現金の収納(保持)が可能であり、各構成要素で収納している現金の金種ごとの枚数及び総額を管理しているものとする。また、この実施形態の制御部118は、入出金機10内で収納している現金(上述の各構成要素で保持している現金)の合計金額(以下「有高」と呼ぶものとする)について、更新あるいは算出(動作履歴から算出)することにより、保持可能であるものとする。さらに、入出金機10では、補充により、釣銭準備金として入金・収納された現金の合計額(以下、「釣銭準備金合計額」と呼ぶ)も保持可能であるものとする。さらにまた、入出金機10では、売上入金により入金された売上金の合計額(以下、「売上金合計額」と呼ぶ)も保持可能であるものとする。
紙幣投入口101は、オペレータが紙幣を入金するための投入口と、釣銭出金取引においてオペレータに紙幣を出金するための出金口と、売上入金取引の取消しにおいてオペレータに紙幣を返却したり、入金がリジェクトされた紙幣をオペレータに返却したりするための返却口と、をかねている。
紙幣一時保留部102は、入金計数時及び売上金作成時に一時的に紙幣を集積するものである。
紙幣鑑別部103は、投入された紙幣の真偽、金種、正損等を鑑別するものである。
万券カセット104、五千券カセット105及び千券カセット106は、それぞれ万券、五千券、千券を釣銭準備金として収納しておくものであり、それぞれがいわゆるリサイクルカセットで構成されているものとする。以下では、万券カセット104、五千券カセット105、及び千券カセット106を総称して単に「リサイクルカセット」とも呼ぶものとする。売上入金で正券と鑑別された紙幣は、リサイクルカセットに収納され、釣銭出金時にリサイクルカセットから出金される。また、入出金機10は、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106の代わりに、入出金機10が取り扱うべき各種紙幣に対応したものを備えていてもよい。
売上回収カセット107は、精算集計時には万券カセット104、五千券カセット105、及び千券カセット106から、売上金を移動し、収納するものである。また、売上入金時には投入された紙幣を紙幣投入口101から直接収納するものである。
リジェクト部108は、売上入金時に紙幣一時保留部102からリサイクルカセットへ収納するときのリジェクト紙幣と、カセットから釣銭出金するときのリジェクト紙幣と、売上金作成でカセットから売上回収カセット107へ移動するときのリジェクト紙幣とを集積するものである。なお、リジェクト紙幣の詳細については後述する。
硬貨投入口109は、オペレータが硬貨を入金するための投入口である。
硬貨鑑別部110は、投入された硬貨の真偽、金種、正損等を鑑別するものである。
硬貨一時保留部111は、入金計数時に一時的に硬貨を集積するものである。
出金ホッパ112は、硬貨の釣銭準備金を収納しておくものである。
売上入金で正常と識別された硬貨は、出金ホッパ112に収納され、釣銭出金時に出金ホッパ112から出金される。
硬貨出金箱113は、釣銭出金時取引においてオペレータに硬貨を出金するための硬貨出金口である。入出金機10は、複数の種類の硬貨出金箱113に対応している。オペレータは用途や出金枚数に応じて選択した硬貨出金箱113を、入出金機10にセットすることが可能である。
硬貨返却箱114は、後述する計数取引及び売上入金取引の取消しにより硬貨を返却するものである。
硬貨回収庫115は、精算集計時に出金ホッパ112から売上金を移動し、収納するものである。
なお、万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106、売上回収カセット107、出金ホッパ112及び硬貨回収庫115は、セキュリティ性を高めるために、鍵を備えていてもよい。
カードリーダ部116は、取引開始時にレジカードやIDカード等に書き込まれた情報を読み込むものである。レジカードやIDカードに書き込まれる情報として、例えば、カードを使用するオペレータを識別するための名前等の情報や、行うことが可能な取引種類の情報がある。また、本発明の現金処理装置は、カードリーダ部の代わりに、指紋を認識する指紋認識部や、暗証番号を入力する暗証番号入力部を設けていてもよい。
次に、入出金機10(制御部118)が行う、各取引の内容について説明する。ただし、「精算集計取引」及び「回収取引」の詳細については、動作説明において詳述する。
まず、「釣銭出金取引」について説明する。制御部118は、オペレータの操作に応じて「釣銭出金取引」を開始すると、オペレータに出金する金種ごとの枚数を指定させる。制御部118は、オペレータに指定されたパターン(金種ごとの枚数)の現金を、リサイクルカセット及び出金ホッパ112から繰り出させて、鑑別部(紙幣鑑別部103及び硬貨鑑別部110)による鑑別処理を行い、正常と鑑別された現金を出金(硬貨出金箱113、紙幣投入口101から出金)するように各構成要素を制御する。
次に、「売上入金取引」について説明する。制御部118は、オペレータの操作に応じて、売上入金取引を開始すると、投入口(紙幣投入口101及び硬貨投入口109)から現金(「釣銭+売上金」の現金)の投入を受付けて、鑑別部(紙幣鑑別部103及び硬貨鑑別部110)による鑑別処理を行い、正常と鑑別された現金を一時保留部(紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111)にて集積・計数し、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納するように各構成要素を制御する。
次に、「計数取引」について説明する。制御部118は、オペレータの操作に応じて、計数の取引を開始すると、投入口(紙幣投入口101及び硬貨投入口109)から現金の投入を受付けて、鑑別部(紙幣鑑別部103及び硬貨鑑別部110)による鑑別処理を行い、正常と鑑別された現金を一時保留部(紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111)にて集積・計数し、計数結果を表示(操作表示部117から表示)する。なお、一時保留部(紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111)に集積された現金は、オペレータによる確認後に返却される。
次に、「補充取引」について説明する。制御部118は、オペレータの操作に応じて、補充の取引を開始すると、投入口(紙幣投入口101及び硬貨投入口109)から現金(「釣銭準備金」として補充する現金)の投入を受付けて、鑑別部(紙幣鑑別部103及び硬貨鑑別部110)による鑑別処理を行い、正常と鑑別された現金を一時保留部(紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111)にて集積・計数し、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納するように各構成要素を制御する。
次に、「抜き取り取引」について説明する。「抜き取り取引」は、現金精査のために装置内の全ての紙幣・硬貨、もしくは、入金過多で溢れそうになったリサイクルカセット及び出金ホッパ112の紙幣や硬貨を出金して抜取る取引である。制御部118は、オペレータの操作に応じて、抜き取りの取引を開始すると、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納している全ての現金を繰り出させて、出金(硬貨出金箱113、紙幣投入口101から出金)するように各構成要素を制御する。
次に、「精査取引」について説明する。制御部118は、オペレータの操作に応じて精査取引を開始すると、現金を収納している各部(リサイクルカセット、売上回収カセット107、出金ホッパ112、及びリジェクト部108)からの現金の抜取りを誘導する。そして、オペレータにより抜き取られた現金が投入口(紙幣投入口101、及び硬貨投入口109)に投入されると、制御部118は、その現金を鑑別部(紙幣鑑別部103及び硬貨鑑別部110)に鑑別させ、正常と鑑別された現金を一時保留部(紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111)にて集積・計数させ、計数結果を表示(操作表示部117から表示)する。そして、制御部118は、オペレータによる確認操作に、一時保留部(紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111)に集積された現金を、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納するように各構成要素を制御する。
この実施形態の制御部118は、上述の各取引を行う際に、カード(レジカードやIDカード)を用いた認証を行うものとする。これにより、制御部118では、例えば、カードごとに釣銭出金した金額及び売上入金された金額を把握し、売上入金取引により入金された現金のうち釣銭準備金と売上金を算出して管理することができる。
また、制御部118では、投入された紙幣又は収納している紙幣について、紙幣鑑別部103で鑑別させたとき、金種が判別できない紙葉類や偽券と鑑別されたものについては、返却(例えば、紙幣投入口101から排出)する処理を行うものとする。
さらに、制御部118は、投入された紙幣又は収納している紙幣について、紙幣鑑別部103で鑑別させたとき、紙幣鑑別部103によりリジェクト紙幣と鑑別された紙幣については、リジェクト部108又は売上回収カセット107に収納する処理を行う。
さらにまた、制御部118は、入金を伴う取引で、投入された硬貨を硬貨鑑別部110で鑑別する際に、金種が判別できない硬貨や偽硬貨と鑑別されたものについては、収納せずに返却する(例えば、硬貨返却箱114に排出する)。
また、制御部118は、一旦収納した紙幣について、紙幣鑑別部103により再鑑別する処理が発生する取引を行う場合、鑑別処理でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣については、リジェクト部108又は売上回収カセット107に収納する処理を行う。
以上のように、制御部118は、リジェクト紙幣と判断した紙幣について、リジェクト部108又は売上回収カセット107に収納する処理を行う。その際、制御部118は、リジェクト紙幣を、極力売上回収カセット107に収納することにより、リジェクト部108に収納する紙幣を減らす。
また、この実施形態では、制御部118は、現金の収納状況に応じて、先行的に回収用の現金を売上回収カセット107に収納する現金(以下、「先行収納金」とも呼ぶ)の上限金額(以下、「先行収納上限額」と呼ぶ)を算出する。そして、制御部118は、先行収納金額が先行収納上限額以下となる範囲内で、売上回収カセット107にリジェクト紙幣を収納する処理を行う。
ただし、制御部118は、リジェクト理由によっては、現金の収納状況に関わらず、リジェクト紙幣をリジェクト部108に収納するものとする。具体的には、この実施形態の制御部118は、リジェクト理由が、紙幣の形状自体が損傷していることを示す特定のリジェクト理由(以下、「特定リジェクト理由」とも呼ぶ)のリジェクト紙幣については、現金の収納状況に関わらず、リジェクト部108に収納するものとする。具体的には、この実施形態の制御部118は、「破れ」、「重送」、又は「走行異常」をリジェクト理由(紙幣の外形の異常を示すリジェクト理由)とするリジェクト紙幣については、現金の収納状況に関わらず、リジェクト部108に収納するものとする。この実施形態では、「破れ」とは、紙幣鑑別部103で一部が破れていると判断された紙幣であるものとする。また、この実施形態では、「重送」とは、装置内で搬送している途中で複数の紙幣が重なった状態となった紙幣であるものとする。さらにまた、「走行異常」とは、例えば、紙幣の損傷等により正常に搬送できない状態となった紙幣であるものとする。なお、特定リジェクト理由については、上述の例に限定されないものである。また、制御部118は、外形自体に異常のない「汚損」を理由とするリジェクト理由については、先行収納上限額を限度としてリサイクルカセット側に収納するものとする。
次に、先行収納上限額の算出方法の例について説明する。
収納している売上金が少ない状態で、リジェクト部108に多くのリジェクト紙幣を収納してしまうと、収納している釣銭準備金が不足するおそれがあるため、制御部118は、現金の収納状況に応じて、リジェクト部108に収納する先行収納上限額を決定し、可能な限り先行収納金額が先行収納上限額以下となるように制御する。
この実施形態の例では、制御部118は、先行収納上限額を、リジェクト紙幣が発生した時点での売上金合計額と同額に設定するものとして説明する。
以上のように、入出金機10では、紙幣鑑別部103及び制御部118が、投入された紙幣について異常な紙幣であるか否か(リジェクト紙幣であるか否か)を識別する識別部として機能している。また、入出金機10では、リサイクルカセット(万券カセット104、五千券カセット105、千券カセット106)が、主として正常な紙幣(リジェクト紙幣でない紙幣)を収納する第1の収納部として機能する。さらに、入出金機10では、売上回収カセット107が、回収対象の紙幣を収納する第2の収納部として機能する。さらにまた、入出金機10では、リジェクト部108がリジェクト紙幣を収納する第3の収納部として機能する。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の入出金機10の動作を説明する。
(A−2−1)リジェクト紙幣が発生した場合の動作
まず、種々の取引の処理を行っている途中で、制御部118が、リジェクト紙幣を検出した場合の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
リジェクト紙幣が発生すると、制御部118は、当該リジェクト紙幣のリジェクト理由が、上述の特定リジェクト理由(「破れ」、「重送」、又は「走行異常」)であるか否かを確認し(S101)、特定リジェクト理由である場合には、後述のステップS105から動作し、そうでない場合(リジェクト理由が「汚損」の場合)は、後述するステップS102から動作する。
今回発生したリジェクト紙幣のリジェクト理由が特定リジェクト理由でない場合、制御部118は、先行収納金上限額を算出する(S102)。
ここでは、先行収納金上限額=売上金合計額であるものとして以下の説明を行う。
次に、制御部118は、既に売上回収カセット107に収納されている先行収納金額を確認し、今回発生したリジェクト紙幣の額面を加えた金額(現状の先行収納金額+リジェクト紙幣の額面)が、先行収納金上限額を超えないか否かを確認する(S103)。
そして、制御部118は、先行収納金額が先行収納金上限額を超えると判断した場合には、後述するステップS105から動作し、そうでない場合には、後述するステップS104に移行する。
制御部118は、先行収納金額が先行収納金上限額を超えないと判断した場合には、今回発生したリジェクト紙幣を、売上回収カセット107に収納する処理を行う(S104)。
一方、今回発生したリジェクト紙幣の額面を追加した金額が先行収納金上限額を超える場合や、今回発生したリジェクト紙幣のリジェクト理由が特定リジェクト理由だった場合、制御部118は、当該リジェクト紙幣をリジェクト部108に移動させる(S105)。
(A−2−2)「精算集計取引」及び「回収取引」の詳細動作例
入出金機10では、自装置が設置されている店舗内の担当者が現金管理(例えば、売上金の回収等)を行う場合と、警送会社が現金管理を行う場合で、「精算集計取引」及び「回収取引」の手順が異なるものとする。制御部118では、例えば、設定に応じて、以下の第1の方式又は第2の方式のいずれかで「精算集計取引」及び「回収取引」を行うことが可能であるものとする。
[精算集計取引及び回収取引の第1の方式]
まず、入出金機10では、自装置が設置されている店舗内の担当者が現金管理を行う場合の動作について、図3を用いて説明する。
入出金機10では、自装置が設置されている店舗内の担当者が現金管理を行う場合、以下のような手順で精算集計取引を実行する。この場合、制御部118は、オペレータの操作に応じて精算集計取引を開始すると(S201)、売上金合計額(売上金合計額=入金合計額−出金合計額)を算出する(S202)。そして、制御部118は、売上金合計額と既に売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に、収納した金額の差分を売上移動金額とし(S203)、高額券を優先して紙幣と硬貨を、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に移動させ、売上金を作成する(S204)。言い換えると、制御部118は、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115に、売上金に満たない分の現金を移動させる。
その後、制御部118は、オペレータの操作に応じて「回収取引」を開始すると(S205)、売上回収カセット107、硬貨回収庫115の脱着誘導を行い(S205)、売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115が取り外され(S206)、空の売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115が取り付けられたところで取引終了とする(S207)。そして、オペレータにより取り外された売上回収カセット107、及び硬貨回収庫115の現金は、金融機関等に売上金として入金される。
入出金機10では、店舗内の担当者により現金管理が行われる場合、以上のような手順で、精算集計取引及び回収取引が実行され、店舗内の担当者により、売上金が収納された売上回収カセット107及び硬貨回収庫115が回収される。この場合、リジェクト部108に収納されている紙幣は、釣銭準備金の一部として集計されることになるが、釣銭として出金はされず収納されたままとなる。したがって、リジェクト部108に収納されている紙幣は、店舗内の担当者等により抜き取られ、両替(例えば、銀行等で正券に両替)の後、釣銭準備金として再度入金されることになる。
[精算集計取引及び回収取引の第2の方式]
入出金機10では、警送会社の担当者により現金管理(例えば、売上金の回収等)が行われる場合、以下のような手順で精算集計取引及び回収取引を実行する。
この場合、制御部118は精算集計取引及び回収取引を1つの操作で受付けるものとする。そして、精算集計取引及び回収取引を受付けると、制御部118は、まず、出金ホッパ112及びリサイクルカセットに残置している釣銭準備金(釣銭準備金合計額から、出金中の釣銭の合計額を差し引いた額)を集計して出金口(紙幣投入口101及び硬貨出金箱113)に出金する(S301)。
次に、制御部118は、売上金合計額(売上金合計額=入金合計額−出金合計額)を算出して(S302)、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115の現金が売上金分の現金となるように、出金ホッパ112及びリサイクルカセットの現金を移動する(S303)。
次に、制御部118は、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115を取り外す誘導(脱着誘導)を行い(S304)、売上回収カセット107及び硬貨回収庫115が取り外され(S305)、空の売上回収カセット107及び硬貨回収庫115が取り付けられたものとする(S306)。
次に、制御部118は、最初に出金した釣銭準備金(出金ホッパ112及びリサイクルカセットに残置されていた釣銭準備金)の投入をオペレータに要求する(S307)。次に、制御部118は、投入口(紙幣投入口101及び硬貨投入口109)から現金(残置されていた釣銭準備金)の投入を受付けて、鑑別部(紙幣鑑別部103及び硬貨鑑別部110)による鑑別処理を行い、正常と鑑別された現金を一時保留部(紙幣一時保留部102及び硬貨一時保留部111)にて集積・計数し、リサイクルカセット及び出金ホッパ112に収納するように各構成要素を制御する(S308)。
入出金機10では、警送会社の担当者により現金管理(例えば、売上金の回収等)が行われる場合、以上のような手順で、精算集計取引及び回収取引が実行され、警送会社の担当者により、売上金が収納された売上回収カセット107及び硬貨回収庫115が回収される。また、このとき、警送会社の担当者により、リジェクト部108に収納されている紙幣も売上金の一部として回収される。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
入出金機10(制御部118)は、所定以下の額の範囲(先行収納上限額以下の範囲)で、リジェクト紙幣をリジェクト部108ではなく売上回収カセット107に収納することで、売上回収カセット107の収納枚数を確定しつつ、リジェクト部108に収納される紙幣を減らし、釣銭として出金できない紙幣(死に金)を減らすことができる。
入出金機10では、リジェクト部108に収納される紙幣が減るため、現金を抜き取って、両替し、補充等行う手間を低減することができる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明の現金処理装置を、入出金機に適用した場合の例について説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態の入出金機10の機能的構成については、第1の実施形態と同様に上述の図1を用いて示すことができる。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異のみを説明する。
図5は、第2の実施形態の入出金機10の動作を示したフローチャートであり、第1の実施形態(上述の図2のフローチャート)と同一の処理のステップには同一のステップ番号(符号)を付している。
第1の実施形態の入出金機10(制御部118)は、リジェクト紙幣が発生した際に、図2のフローチャートに示すように、特定リジェクト理由のリジェクト紙幣については、売上収納金上限額の範囲内で売上回収カセット107に収納していた、これに対して、第2の実施形態の入出金機10(制御部118)では、図5に示すように、リジェクト理由によらず、売上収納金上限額の範囲内であれば全てのリジェクト紙幣についで売上回収カセット107に収納するようにしている。したがって、図5に示す第2の実施形態のフローチャートでは、第1の実施形態のフローチャート(上述の図2)から、ステップS101の処理(発生したリジェクト紙幣のリジェクト理由が特定リジェクト理由であるかを判定する処理)を省略し、ステップS102の処理(先行収納金上限額を算出する処理)から始まっている。
なお、第2の実施形態の実施形態の制御部118では、例えば、オペレータの操作に応じて、第1の実施形態の処理(特定リジェクト理由のリジェクト紙幣についてだけリジェクト部108へ収納する処理を行う処理)、又は、第2の実施形態の処理(リジェクト理由によらず売上収納金上限額の範囲内であれば全てのリジェクト紙幣についで売上回収カセット107に収納する処理)とするかを切替えて動作可能とするようにしてもよい。
(B−2)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態の実施形態の入出金機10では、第1の実施形態よりもリジェクト部108に収納されるリジェクト紙幣が減るため、売上回収時に、担当者によるリジェクト部の紙幣を回収する手間を低減することができる。
(C)第3の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。以下では、本発明の現金処理装置を、入出金機に適用した場合の例について説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
図6は、第3の実施形態の入出金機10Aの機能的構成について示したブロック図であり、上述の図1と同一又は対応する部分には、同一又は対応する符号を付している。以下では、第3の実施形態について第1の実施形態との差異のみを説明する。
図7は、第3の実施形態の入出金機10Aの動作を示したフローチャートであり、第1の実施形態(上述の図2のフローチャート)と同一の処理のステップには同一のステップ番号(符号)を付している。
第3の実施形態の入出金機10Aでは、リジェクト部108が省略されている点で、第1の実施形態と異なっている。
第1の実施形態の入出金機10(制御部118)は、リジェクト紙幣が発生した際に、図2のフローチャートに示すように、当該リジェクト紙幣を、リジェクト部108に収納するか、売上回収カセット107に収納するかを選択する処理を行っていた。これに対して、第3の実施形態の入出金機10A(制御部118)では、図7に示すようにそれらの判断処理等が省略されている。
第3の実施形態の制御部118は、図7に示すように、リジェクト紙幣が検出された場合、全て売上回収カセット107に収納する処理(ステップS104の処理)を行う。
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第3の実施形態の入出金機10Aでは、売上回収時に、担当者によるリジェクト部の紙幣を回収する手間を省略することができる。
第3の実施形態の入出金機10Aでは、リジェクト部の構成自体を省略しているので、装置の製造コストや管理コストを低減することができる。
第3の実施形態の入出金機10Aでは、リジェクト部の構成自体を省略している。従来、リジェクト紙幣は釣銭として使用できないため売上回収カセットとは別にリジェクト部を設けて、リジェクト紙幣はリジェクト部に搬送し、売上金とは別に管理することとしていた。しかしながら、従来の構成ではリジェクト部を設ける分、装置が大型になってしまう。また、担当者による回収時にもリジェクト部と売上回収カセットの両方を回収する作業が必要になっていた。そこで、リジェクト部を省略して、リジェクト紙幣を売上回収カセットに搬送しているので、装置を小型化でき、回収作業時に売上回収カセットのみを回収できる。
(D)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(D−1)上記の各実施形態では、本発明の現金処理装置を入出金機に適用する例について説明したが、その他の現金の入出金を伴う装置に適用するようにしてもよい。例えば、本発明の現金処理装置を、商業施設で両替、入金のみを管理する入金装置等に適適用するようにしてもよい。
(D−2)上記の各実施形態では、本発明の現金処理装置を、紙幣と硬貨を処理する入出金機に適用した例について説明したが、紙幣を処理する構成だけを備える構成としてもよい。また、上記の各実施形態の入出金機では、リジェクト紙幣について所定の条件下でリサイクルカセットに収納する例について説明したが、硬貨についても同様の処理を行う構成としてもよい。例えば、上記の各実施形態の入出金機に、リジェクト対象の硬貨を収納する硬貨リジェクト部を搭載し、リジェクト対象の硬貨と判定された硬貨についても、所定の条件下で硬貨リジェクト部ではなく硬貨回収庫に収納するようにしてもよい。
10…入出金機、101…紙幣投入口、102…紙幣一時保留部、103…紙幣鑑別部、104…万券カセット、105…五千券カセット、106…千券カセット、107…売上回収カセット、108…リジェクト部、109…硬貨投入口、110…硬貨鑑別部、111…硬貨一時保留部、112…出金ホッパ、113…硬貨出金箱、114…硬貨返却箱、115…硬貨回収庫、116…カードリーダ部、117…操作表示部、118…制御部。

Claims (5)

  1. 貨幣を識別する識別部と、
    上記識別部により正常と識別された貨幣を収納する第1の収納部と、
    回収対象の貨幣を収納する第2の収納部と、
    上記識別部で異常と識別された貨幣を収納する第3の収納部と、
    上記識別部により正常と識別された貨幣を上記第1の収納部に収納させ、上記識別部により異常と識別された貨幣があった場合でも上記第2の収納部に収納されている貨幣が所定以下の額であれば異常と識別された貨幣を上記第2の収納部に収納させる制御を行う制御部と
    を有することを特徴とする現金処理装置。
  2. 上記制御部は、当該現金処理装置内で収納する釣銭準備金及び売上金の管理を行い、上記識別部により異常と識別された貨幣がある場合、上記売上金の範囲内で、上記識別部により異常と判定された貨幣を上記第2の収納部に収納させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の現金処理装置。
  3. 上記制御部は、上記第2の収納部内で上記売上金に満たない分の現金を、上記第1の収納部から上記第2の収納部に移動させることを特徴とする請求項2に記載の現金処理装置。
  4. 上記制御部は、上記第の収納部に収納されている貨幣が上記所定以下の額であっても、異常と判断された理由が特定の理由の貨幣については、上記第3の収納部に収納させることを特徴とする請求項1に記載の現金処理装置。
  5. 上記制御部で適用される上記特定の理由が、貨幣の外形の異常を示す理由であることを特徴とする請求項4に記載の現金処理装置。
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