(A)第1の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態の現金処理装置1の全体構成を示すブロック図である。なお、図2の括弧内の符号は、後述する第2の実施形態でのみ用いられる符号である。
現金処理装置1は、例えば、小売店等の店舗のレジスタで用いる釣銭用の現金の出金処理や、レジスタから回収した現金の入金処理等を行うための装置であり、制御部100、紙幣処理部200、硬貨処理部300、操作表示部400、カードリーダ部500、及びデータ記憶部600を有している。当該現金処理装置1を利用するユーザは限定されないものであるが、ここでは、説明を簡易とするために、当該現金処理装置1を利用するユーザは、小売店等の店舗のレジ担当者(以下、「レジ担当者」と呼ぶ)、又は、管理者(例えば、当該店舗のレジ担当者のリーダー、管理者、オーナー等)のいずれかに該当する者であるものとして説明する。
制御部100は、現金処理装置1内の各部の動作を制御する機能を担っている。
データ記憶部600は、制御部100が情報処理を行うために必要な各種情報等を格納するための記憶手段である。
制御部100は、例えば、プロセッサ等を含むプログラムの実施構成に実施形態の現金処理プログラム等をインストールすることにより実現することができる。上述の現金処理プログラムは、例えば、データ記憶部600に記憶しておき、現金処理装置1が起動したときに、制御部100が読み込んで実行するようにしても良い。
データ記憶部600には、当該現金処理装置1を利用する各店舗の識別情報(以下、「店舗番号」と呼ぶ)や、各店舗に設置されるレジスタの識別情報(以下、「レジ番号」と呼ぶ)等が登録されているものとする。また、データ記憶部600には、入出金履歴や装置内に保有する釣銭用現金の金種毎の残り枚数(有高)についても管理されているものとする。なお、当該現金処理装置1が、1店舗についてだけ処理を行う場合には、上述の店舗番号の管理を省略するようにしても良い。
紙幣処理部200は、紙幣に関する処理を、制御部100の制御に従って行うものである。また、硬貨処理部300は、硬貨に関する処理を、制御部100の制御に従って行うものである。
操作表示部400は、当該現金処理装置1を使用するユーザとのインタフェースの機能を担っている。操作表示部400で、ユーザとのインタフェースに用いるデバイスの種類は限定されないものであるが、ここでは、例えば、タッチパネル(例えば、LCD等のディスプレイを用いたタッチパネル)等のデバイスが用いられるものとする。そして、操作表示部400は、制御部100の制御に従って、タッチパネル画面に、複数のボタンが配置された画面を表示し、ユーザが押下したボタンに応じたデータを、制御部100に供給するものとする。操作表示部400において、このようなユーザインタフェースのハードウェア自体は、既存の現金処理装置と同様のものを用いることができるため、詳しい説明は省略する。また、操作表示部400では、ユーザに金額等を入力させるために、別途キーボード(テンキー)も備えるようにしても良いし、タッチパネル上でソフトウェアキーボードとして実現するようにしても良い。
カードリーダ部500は、当該現金処理装置1を使用しようとするユーザの認証及び認識に用いられるIDカードの記録媒体(例えば、磁気ストライプやICタグ等のデータが記録された記録媒体)からデータを読み込むものである。現金処理装置1と取引処理をしようとするユーザは、それぞれIDカード(例えば、レジ担当者がレジスタの認証で用いられるレジカードと同じカードとしても良い)を所持しており、ユーザが現金処理装置1と取引処理を行おうとする際には、そのIDカードをカードリーダ部500に読み込ませることにより認証処理を行うものとする。そして、カードリーダ部500は、IDカードが投入され、データの読み込みを行うと、そのデータを、制御部100に供給する。そして、制御部100は、供給されたデータと、予めデータ記憶部600に登録されたIDカードごとのデータとを照合し、対応するデータが検出できた場合には、認証成功として、取引処理の初期画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させるものとする。
IDカードを用いた認証処理の具体的構成については、既存の現金処理装置における種々の構成を用いることができるが、ここでは、IDカードには、利用者区分情報(「レジ担当者」、又は、「管理者」を示す情報)、店舗番号(店舗を特定する情報)、レジ番号(レジスタを特定する番号であり、利用者区分がレジ担当者である場合に利用される)、管理者番号(管理者を特定する番号であり、利用者区分が管理者である場合に利用される)が記録されているものとする。そして、データ記憶部600側にもIDカードごとに同様のデータが記憶されているものとする。なお、上述のIDカードに記録する情報の組合せについては限定されないものであり、既存の種々のIDカードを適用することができる。
第1の実施形態では、上述の通り、ユーザに認証用のIDカードをカードリーダ部500に投入させることにより、ユーザ認証処理を行うものとするが、その他の方式によりユーザ認証処理を行うようにしても良い。例えば、ログインID及びパスワードをユーザに入力させることにより認証を行うようにしても良いし、さらに、上述のIDカードも組み合わせて認証を行ったようにしても良い。このように、現金処理装置1では、ユーザ認証を行う方式については限定されないものである。
次に、紙幣処理部200の内部構成について説明する。
なお、以下に示す紙幣処理部200の構成は一例であり、紙幣処理部200自体については、既存の現金処理装置において紙幣を処理する種々の構成を適用することができる。
紙幣処理部200は、紙幣入出金口201、紙幣鑑別部202、紙幣一次保留部203、紙幣収納部204、回収カセット205、リジェクト部206、及び制御部207を有している。
制御部207は、制御部100の制御に従って紙幣処理部200内の各部を制御するものである。また、図2では図示を省略しているが、紙幣処理部200は、各部の間で紙幣を搬送する搬送路(例えば、紙幣を挟持して搬送する搬送ベルト等により実現)等を備えているものとする。
紙幣入出金口201は、入金紙幣を一括して受け入れる投入口であるとともに、売上入金の取消しで返却する紙幣、出金紙幣及び入金リジェクト紙幣等を排出する出金口としての機能も担っている。
紙幣鑑別部202は、受け入れた紙幣を1枚ずつ分離する図示しない分離部と、紙幣の金種等を鑑別すると共に鑑別した紙幣を金種毎に計数するものである。
紙幣一次保留部203は、紙幣鑑別部202で鑑別計数された紙幣を、入金計数時および、売上金作成時に一時的に紙幣を集積するものである。
紙幣収納部204は、釣銭準備金等を収納するものであり、紙幣鑑別部202で正券と鑑別された紙幣を収納し、釣銭出金時にはここから出金することになる。紙幣収納部204は、金種ごとに対応するリサイクルカセットとして、万券カセット204a、五千券カセット204b、及び千券カセット204cを有している。
回収カセット205は、入金時や精算集計時等に、紙幣収納部204から売上金を移動し、収納するものである。なお、回収カセット205でも同様に金種ごとに紙幣を収納する構成となっているものとする。
リジェクト部206は、紙幣処理部200内での出金時や搬送時に、リジェクトされたリジェクト紙幣を収納する機能を担っている。
次に、硬貨処理部300の内部構成について説明する。
なお、以下に示す硬貨処理部300の構成は一例であり、硬貨処理部300自体については、既存の現金処理装置において硬貨を処理する種々の構成を適用することができる。
硬貨処理部300は、硬貨投入口301、硬貨鑑別部302、硬貨一時保留部303、硬貨返却箱304、出金ホッパ305、硬貨回収庫306、硬貨出金箱307、及び制御部308を有している。
制御部308は、制御部100の制御に従って硬貨処理部300内の各部を制御する制御するものである。また、図2では図示を省略しているが、硬貨処理部300は、各部の間で硬貨を搬送する搬送路(例えば、搬送ベルト等により実現)等を備えているものとする。
硬貨投入口301は、ユーザから投入された硬貨を一括して受け入れるものである。
硬貨鑑別部302は、硬貨投入口301で受け入れた硬貨を1枚ずつ分離する図示しない分離部を備え、硬貨の金種等を鑑別すると共に鑑別した硬貨を金種毎に計数するものである。
硬貨一時保留部303は、硬貨鑑別部302で鑑別計数された硬貨を一時保留するものである。
硬貨返却箱304は、売上入金の取消し等が発生した場合に、硬貨一時保留部303に保留された硬貨をユーザに返却する箱である。
出金ホッパ305は、釣銭準備金を収納するものである。売上入金で正常貨と鑑別された硬貨を収納し、釣銭出金時にはここから出金する。また、出金ホッパ305は、収納している硬貨を繰出す手段を備えている。
硬貨回収庫306は、精算集計時等に出金ホッパから売上金を移動し、入金硬貨を金種別に収納するものである。
ここで硬貨一時保留部303、出金ホッパ305、硬貨回収庫15、及び硬貨回収庫306では金種毎に分けて硬貨を集積、収納できるように内部が区切られているものとする。
硬貨出金箱307は、釣銭出金時の硬貨出金口としての機能を担っている。
次に、現金処理装置1(制御部100)がユーザと行う取引処理について説明する。
現金処理装置1では、ユーザとの取引処理として、「釣銭出金」、「売上入金」、「補充」、「抜き取り」、「精算集計」、及び「回収」の取引処理に対応しているものとする。また、その他にも現在の紙幣処理部200及び硬貨処理部300に収納されている釣銭準備金の有高を操作表示部400のタッチパネル画面に表示してユーザに確認させるための「有高確認」の処理にも対応しているものとする。
制御部100では、待機時(ユーザとの取引処理を行っていない時)は「待機画面」を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させており、カードリーダ部500によるIDカードからのデータ読取等によりユーザ認証が成功すると、初期画面として、ユーザに取引処理を選択させる画面(以下、「取引選択画面」と呼ぶ)を操作表示部400に表示させる。取引選択画面では、例えば、「釣銭出金」、「売上入金」、「補充」、「抜き取り」、「精算集計」、「回収」及び「有高確認」のそれぞれの取引処理に対応したボタンが配置されている。そして、制御部207は、押下されたボタンに応じた取引処理を開始する。
次に、制御部207が処理する各取引処理の概要について説明する。
まず、「釣銭出金」の取引処理について説明する。
釣銭出金の取引処理は、現金処理装置1が、ユーザ(レジ担当者等)に対して、レジスタで用いる釣銭用の現金を出金する処理である。
制御部100は、「釣銭出金」の取引処理を開始すると、ユーザに釣銭出金する金種と枚数のパターンを入力させる画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させ、ユーザからの入力を受ける。この場合、ユーザに釣銭出金する金種と枚数のパターンを入力させる方式については限定されないものであるが、例えば、ユーザに任意の金種と枚数を指定させる入力モードや、事前に登録された金種と枚数パターンを選択させる入力モードに対応させるようにしても良い。そして、制御部100は、ユーザから入力された釣銭出金する金種と枚数のパターンに従った出金を行うように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する。これにより、ユーザは、紙幣処理部200(紙幣入出金口201)及び硬貨処理部300(硬貨出金箱307)から釣銭用の現金を取り出すことができる。
次に、「売上入金」の取引処理について説明する。
売上入金の取引処理は、現金処理装置1が、ユーザ(レジ担当者等)から、レジスタ等から取り出した現金(売上金+釣銭)の入金を受ける処理である。
制御部100は、「売上入金」の取引処理を開始すると、紙幣及び硬貨の入金誘導画面を操作表示部400に表示させる。そして、ユーザにより、レジスタからの紙幣と硬貨(売上金+釣銭)が投入されると、紙幣処理部200及び硬貨処理部300により取り込む処理が行われる。
紙幣入出金口201に投入された紙幣は、紙幣鑑別部202で鑑別され、正常(正券)と判別された紙幣については、紙幣一次保留部203に集積される。また、紙幣鑑別部202で、リジェクトされた紙幣は、紙幣入出金口201に運ばれユーザに返却される。一方、硬貨投入口301に投入された硬貨は、硬貨鑑別部302で鑑別され正常と判別されると硬貨一時保留部303に集積される。また、硬貨鑑別部302で、リジェクトされた硬貨は、硬貨返却箱304に運ばれ、ユーザに返却される。
そして、制御部100は、正常と判別された紙幣及び硬貨の金額を集計して、その集計結果を、操作表示部400のタッチパネル画面に表示させる。そして、ユーザから確認した旨の入力(例えば、「確認」ボタン等の押下)があった場合には、制御部100は、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御して、一次保留していた紙幣及び貨幣を収納させる。具体的には、紙幣については、紙幣一次保留部203に保留している紙幣を、紙幣収納部204に収納させる。また、硬貨一時保留部303に保留している貨幣については、出金ホッパ305に収納させる。
また、制御部100は、上述の収納時点で売上(入金合計−出金合計)が発生している場合は、紙幣処理部200を制御し、紙幣のみ高額券を優先して、売上額の範囲内で、紙幣収納部204から回収カセット205へ移動させ収納させる。
次に、「補充」の取引処理について説明する。
釣銭出金の取引処理は、現金処理装置1が、ユーザ(管理者等)から、釣銭用の現金の補充を受ける処理である。
制御部100は、「補充」の取引処理を開始すると、紙幣及び硬貨の入金誘導画面を操作表示部400に表示させる。そして、ユーザにより、硬貨及び又は紙幣が投入されると、紙幣処理部200及び又は硬貨処理部300により取り込む処理が行われる。そして、現金処理装置1では、上述の売上入金取引と同様に、入金金額がユーザにより確認された後に収納される。
次に、「抜き取り」の取引処理について説明する。
抜き取りの取引処理は、現金処理装置1内で、一部又は全部の金種について入金過多であふれそうになった場合等に、ユーザ(管理者等)から、釣銭用の現金の抜き取りを受ける処理である。
制御部100は、「抜き取り」の取引処理を開始すると、ユーザに抜き取りする金種と枚数のパターンを入力させる画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させ、ユーザからの入力を受ける。なお、この場合に、抜き取りする金種と枚数のパターンを入力させる方式は、上述の「釣銭出金」の場合と同様であるので詳しい説明を省略する。
そして、制御部100は、ユーザから入力された金種と枚数のパターンに従った出金を行うように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する。
次に、「精算集計」の取引処理について説明する。
精算集計の取引処理は、現金処理装置1が、前回精算集計取引を行ってから現在まで売上額(入金合計−出金合計)について計算して、その分の現金を、ユーザ(管理者等)に出金する処理である。
制御部100は、「売上入金」の取引処理を開始すると、前回精算集計取引を行ってから現在までの売上金を集計する。そして、制御部100は、売上額と既に回収カセット205に収納した金額の差分を売上移動金額として求める。制御部100は、売上移動金額の分、高額券を優先して紙幣と硬貨をリサイクルカセット(紙幣収納部204及び出金ホッパ305)から、売上回収カセット(回収カセット205及び硬貨回収庫306)へ移動させるように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する。
次に、「回収」の取引処理について説明する。
「回収」の取引処理は、現金処理装置1が、売上回収カセット(回収カセット205及び硬貨回収庫306)に格納されている現金を、ユーザ(管理者等)に出金する処理である。
制御部100は、「回収」の処理を開始すると、装置の扉を開錠し、売上回収カセットの脱着を誘導する画面を操作表示部400に表示させる。そして、ユーザによるカセット脱着により、売上金が回収されて空のカセットがセットされたところで取引処理が終了となる。
次に、現金処理装置1(制御部100)が、ユーザに現金の補充又は抜き取りの作業を要求するための警報(以下、「作業要求警報」と呼ぶ)を通知する処理について説明する。
上述の通り、現金処理装置1では、金種ごとに仕切られたスペースに現金を収納するが、金種ごとに収納できる枚数は限られている。そのため、現金処理装置1に収納する現金が溢れる前に、抜き取りの取引処理により抜き取りを行う必要がある。また、現金処理装置1に収納されている釣銭用の現金が少ない場合には、ユーザ(レジ担当者等)への釣銭出金ができなくなる。そのため、現金処理装置1に収納する釣銭用の現金が無くなる前に、上述の補充の取引処理により補充を行う必要がある。
現金処理装置1では、データ記憶部600に、金種ごとに現在釣銭用として収納している枚数(有高)を管理するための現金管理テーブル601が登録されているものとする。また、データ記憶部600には、金種ごとに補充を要求するための作業要求警報を通知する閾値としての枚数(以下、「補充要枚数」と呼ぶ)と、抜き取りの作業を要求するための作業要求警報を通知する閾値としての枚数(以下、「抜き取り要枚数」と呼ぶ)とを管理するための閾値管理テーブル602が登録されているものとする。
図3は、現金管理テーブル601の内容例について示した説明図であり、図4は、閾値管理テーブル602の内容例について示した説明図である。なお、現金処理装置1で処理する金種は、5種類の硬貨(1円、5円、10円、100円、500円)、及び3種類の紙幣(1000円、5000円、10000円)であるものとして説明するが、処理対象の金種の種類は限定されないものである。また、この実施形態の現金処理装置1で処理する通貨は日本円であるものとして説明するが、米ドルやユーロ等その他の国の通貨としても良いことは当然である。
現金管理テーブル601の「有高」の項目は、制御部100が、取引処理の都度その取引の内容に従って更新する項目である。
閾値管理テーブル602の「補充要枚数」、「抜き取り要枚数」の項目については、例えば、ユーザ(管理者等)の操作に応じて変更可能とする(例えば、各パラメータを変更するためのメニューを別途備える)ようにしても良い。
制御部100は、金種ごとに、現金管理テーブル601の有高と、閾値管理テーブル602の補充要枚数とを比較し、有高が補充要枚数以下となった金種が1つでも検出された場合、補充の取引処理を要求するための作業要求警報を、所定の方法によりユーザに通知する処理を行う。例えば、図3、図4に示すように1000円紙幣の補充要枚数が100で、有高が90だった場合には、少なくとも1000円紙幣については有高が補充要枚数以下となるため、制御部100は、補充の作業を要求する作業要求警報を通知すると判定することになる。
また、制御部100は、金種ごとに、現金管理テーブル601の有高と、閾値管理テーブル602の抜き取り要枚数とを比較し、有高が抜き取り要枚数以上となった金種が1つでも検出された場合、抜き取りの取引処理を要求するための作業要求警報を、所定の方法によりユーザに通知する処理を行う。例えば、図3、図4に示すように5000円紙幣の抜き取り要枚数が500で、有高が520だった場合には、少なくとも5000円紙幣については有高が抜き取り要枚数以上となるため、制御部100は、抜き取りの作業を要求する作業要求警報を通知すると判定することになる。
現金処理装置1(制御部100)が、作業要求警報をユーザに通知する具体的な方法については限定されないものであるが、例えば、作業要求警報を通知する画面を、操作表示部400のタッチパネル画面に表示して、当該現金処理装置1を操作中のユーザに通知するようにしても良い。
また、現金処理装置1は、画面表示以外の方法で、ユーザへ作業要求警報を通知するようにしても良い。例えば、現金処理装置1が、図示しないスピーカを備え、警告音(アラーム音)を出力することにより、作業要求警報を通知するようにしても良いし、図示しない警告用のランプを備えて点灯させるようにしても良い。また、現金処理装置1が、図示しない電子メール送信手段等を搭載して、管理者等のユーザに所定のメッセージを通知するようにしても良い。
上述のように、現金処理装置1では、「釣銭出金」、「売上入金」、「補充」、「抜き取り」、「精算集計」、及び「回収」の各取引処理に対応する構成を備えるものとするが、一部の取引処理について省略した構成としても良いし、その他の取引処理に対応する構成をさらに加えるようにしても良い。例えば、現金処理装置1で、「精算集計」、及び「回収」の取引処理を行うための構成については省略するようにしても良い。
また、現金処理装置1では、上述の各取引について、ユーザ(認証に用いるIDカード)ごとに付与された権限に応じて、実行可能な取引処理と、実行不可能な取引処理とに分けられているものとして説明する。ここでは、例として、現金処理装置1では、レジ担当者が所持するIDカード(利用者区分がレジ担当者となっているIDカード)で認証された場合には、通常時、釣銭出金、及び売上入金の取引処理のみが実行可能であるものとして説明する。そして、管理者が所持するIDカード(利用者区分がレジ担当者となっているIDカード)で認証された場合には、「補充」、「抜き取り」、「精算集計」、及び「回収」の取引処理も実行可能であるものとして説明する。なお、現金処理装置1で、上述のようなユーザごとに権限付与を行う構成は必須ではなく、省略するようにしても良いことは当然である。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の現金処理装置1の動作(実施形態の現金処理方法)を説明する。
ここでは、制御部100が行う作業要求警報の通知処理を中心として説明する。
図1は、制御部100が行う作業要求警報の通知処理について示したフローチャートである。なお、図1では、制御部100が行う作業要求警報の通知処理に関する部分だけを抽出し、個々の取引処理の内容については省略して記載している。
制御部100は、IDカードによるユーザ認証の処理後、取引選択画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させて、ユーザからのメニュー選択(取引処理選択)の入力を受け(S101)、選択された取引処理がユーザとの間で実行されたものとする(S102)。
そして、制御部100では、上述のステップS102で実行された取引処理が、釣銭出金の取引処理であった場合には、後述するステップS104から動作し、売上入金の取引処理であった場合には、後述するステップS106の処理から動作する。
上述のステップS102で、実行された取引処理が、釣銭出金の取引処理であった場合には、装置内の有高が減少することが確実であるため、制御部100は、有高が補充要枚数以下となる金種が存在するか否かを判定する(S104)。
上述のステップS104で、有高が補充要枚数以下となる金種が存在すると判定された場合、制御部100は、ユーザに補充取引が必要である旨の作業要求警報を通知する処理を行い(S105)有高が補充要枚数以下となる金種が存在しないと判定された場合には、制御部100は、取引処理を終了して、待機画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させる(S108)。
ステップS105では、制御部100は、例えば、図5のような画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させて、ユーザ(現在、現金処理装置1を操作中のユーザ)に補充の取引処理が必要である旨の作業要求警報を通知するものとする。ステップS105では、図5のような画面で、補充取引を開始するためのボタンB101がユーザにより押下された場合には、制御部100は、補充の取引処理に移行し、当該警報を無視して続行するためのボタンB102がユーザにより押下された場合には、制御部100は取引処理を終了して、操作表示部400のタッチパネル画面に待機画面を表示させる。なお、制御部100では、当該警報を無視して続行するためのボタンB102については省略し、新たな補充の取引処理が完了しないと次の取引処理が実行できないように構成しても良い。
また、図5に示す作業要求警報を通知するための画面では、補充の取引処理が必要となる金種及びその有高についても表示している。
ただし、上述のように、現金処理装置1では、レジ担当者が所持するIDカードで認証された場合には、通常時、釣銭出金及び売上入金の取引処理のみが実行可能である。しかし、現金処理装置1(制御部100)では、迅速に現金を補充させるために、補充取引が必要である旨の作業要求警報が通知された場合にのみ、このような規制を解除して、レジ担当者の権限でも、補充の取引処理の実行を可能とする処理を行う構成としても良い。勿論、現金処理装置1において、レジ担当者は釣銭出金及び売上入金の取引処理のみが実行可能であるというポリシーを厳格に適用して、管理者用のIDカードが挿入されるまで、補充の取引処理を実行不可能とする構成としても良い。
上述のステップS102で、実行された取引処理が、売上入金の取引処理であった場合には、装置内の有高が増加することが確実であるため、制御部100は、有高が抜き取り要枚数以上となる金種が存在するか否かを判定する(S106)。
上述のステップS106で、有高が抜き取り要枚数以上となる金種が存在すると判定された場合、制御部100は、ユーザに抜き取り取引が必要を要求する作業要求警報を通知する処理を行い(S107)、有高が抜き取り要枚数以上となる金種が存在しないと判定された場合には、制御部100は、上述のステップS108の処理(取引処理を終了して、操作表示部400のタッチパネル画面に待機画面を表示させる)に移行する。
ステップS106では、制御部100は、例えば、図6のような画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させて、ユーザに抜き取りが必要である旨の作業要求警報を通知するものとする。そして、図6のような画面で、抜き取り取引を開始するためのボタンB201がユーザにより押下された場合には、制御部100は、抜き取りの取引処理に移行し、当該警報を無視して続行するためのボタンB202がユーザにより押下された場合には、制御部100は初期画面(取引選択画面)に移行するものとする。なお、上述のステップS105と同様に、当該警報を無視して続行するためのボタンB202については省略するようにしても良い。
また、図6に示す作業要求警報を通知するための画面では、抜き取りの取引処理が必要となる金種及びその有高についても表示している。
なお、現金処理装置1(制御部100)では、上述の補充の取引処理が必要な場合と同様に、抜き取りの取引処理が必要である旨の警報が通知された場合にのみ、規制を解除して、レジ担当者の権限でも、補充の取引処理の実行を可能とする処理を行うようにしても良い。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態の現金処理装置1では、「釣銭出金」、「売上入金」の取引処理の際に、補充や抜き取りの要否を判定し、必要な場合作業要求警報をユーザ(管理者及び又はレジ担当者)に通知し、適切なタイミングで、ユーザに対して補充や抜き取りの誘導を行うことができる。
また、現金処理装置1では、補充や抜き取りの誘導をする際に、図5、図6に示すように、「補充要」又は「抜き取り要」となる金種とその有高を表示している。これにより、ユーザ(管理者及び又はレジ担当者)は、装置内有高を確認する操作を行うことなく、補充もしくは抜き取りが必要なことを判断し、対応することができる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態の現金処理装置1Aの機能的構成も図2により表わすことができる。
第2の実施形態の現金処理装置1Aでは、制御部100が制御部100Aに置き換わっただけで、その他の構成は第1の実施形態と同様である。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異について説明する。
第1の実施形態の制御部100は、ユーザとの取引処理をトリガとして、作業要求警報の通知処理の要否を判定して、必要な場合作業要求警報の通知処理を行っていたが、第2の実施形態の制御部100Aでは、作業要求警報の通知処理の要否を判定するトリガが任意のタイミングである点で異なっている。
制御部100Aが、作業要求警報の通知処理の要否を判定するタイミングについては限定されないものであり、例えば、取引処理中、取引処理終了後としても良いし、予め設定した時刻としても良いし、一定間隔としても良い。そして、制御部100Aは、抜き取り又は補充が必要となる金種が1種類でもあった場合には、ユーザにその旨の警報を通知する処理を行う。
例えば、現金処理装置1Aが、いずれのユーザとも取引を行っていない待機状態であるときに、作業要求警報の通知処理が必要と判定した場合、制御部100Aは、図7に示すような待機画面を表示することにより、作業要求警報の通知を行うものとする。図7に示す、作業要求警報を表示している待機画面では、補充又は抜き取りの取引処理が必要となる金種及びその有高についても表示している。例えば、図7で「500円:抜き取ってください(300枚)」という表示については、500円硬貨について抜き取りの取引処理が必要であり、現在の500円硬貨の有高は300枚であることを示している。
(B−2)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態の現金処理装置1Aでは、待機中であっても、待機画面に作業要求警報の内容を表示し、管理者等は点検メニューで装置内有高を確認することなく、補充もしくは抜き取りが必要なことを判断できる。
(C)第3の実施形態
以下、本発明による現金処理装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(C−1)第3の実施形態の構成
図8は、第3の実施形態の現金処理装置1Bの全体構成を示すブロック図である。
第3の実施形態の現金処理装置1Bでは、制御部100、データ記憶部600が、それぞれ、制御部100B、データ記憶部600Bに置き換わっただけで、その他の構成は第1の実施形態と同様である。以下では、第3の実施形態について第1の実施形態との差異について説明する。
制御部100Bは、補充の取引処理時に、投入された現金を計数し、金種ごとに、現在の有高と計数した枚数との合計枚数を算出する。そして、100Bは、その合計枚数が、予め設定された収納に適正な枚数(以下では、「収納設定枚数」と呼ぶ)より多くなる場合、収納設定枚数を超えた分を排出(紙幣については紙幣入出金口201から排出し、硬貨については硬貨返却箱304から排出)するように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する。
また、制御部100Bは、抜き取りの取引処理時に、金種ごとに、抜き取り後の有高が、収納設定枚数を超える金種についてだけ、収納設定枚数を超える分の枚数を算出する。そして、制御部100Bは、算出対象となった金種について、算出した枚数だけを排出(紙幣については紙幣入出金口201から排出し、硬貨については硬貨返却箱304から排出)するように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する。
以上のように、制御部100Bは、補充又は抜き取りの取引時に、金種ごとに収納する枚数が収納設定枚数に近づくように、入金又は出金の枚数を調整している。
データ記憶部600Bは、金種ごとの収納設定枚数を管理するための収納設定枚数管理テーブル603が追加登録されている点で第1の実施形態と異なっている。
図9は、収納設定枚数管理テーブル603の内容例について示した説明図である。
図9に示すように、収納設定枚数管理テーブル603では、金種ごとの収納設定枚数が設定されている。
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第3の実施形態の現金処理装置1Bの動作(実施形態の現金処理方法)を説明する。
ここでは、現金処理装置1Bで、補充取引及び抜き取りの取引処理が行われた場合の動作について説明する。その他の動作については、第1の実施形態と同様であるため詳しい説明は省略する。
まず、現金処理装置1Bで、補充取引が行われる場合の制御部100Bの動作について説明する。
制御部100Bは、IDカードによるユーザ認証の処理後、取引選択画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させて、ユーザからのメニュー選択(取引処理選択)の入力を受け、補充の取引処理が選択されたものとする(S201)。
そして、制御部100Bは、「補充」の取引処理を開始すると、現金(紙幣及び又は硬貨)の入金誘導画面を操作表示部400に表示させる。そして、ユーザにより、現金が投入されると、紙幣処理部200(紙幣鑑別部202)及び硬貨処理部300(硬貨鑑別部302)により計数処理が行われる。
制御部100Bは、計数処理を行っている間は、計数中である旨を示す画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させる(S204)。
そして、制御部100Bは、金種ごとに現在の有高(現金管理テーブル601の内容)と、計数処理した枚数とを合計した枚数を求める。そして、制御部100Bは、求めた金種ごとの合計枚数と、収納設定枚数管理テーブル603の収納設定枚数とを比較する。そして、制御部100Bは、求めた合計枚数が収納設定枚数を上回る金種を検出した場合には、収納設定枚数を上回る枚数分だけ返却(紙幣入出金口201及び硬貨返却箱304で排出)し、その他の現金については一次保留(紙幣一次保留部203及び硬貨一時保留部303で保留)するように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する(S205)。
そして、制御部100Bは、上述のステップS205で現金の返却処理があったか否かを確認し(S206)、返却があった場合には、排出した現金の抜き取りを誘導する画面を、操作表示部400のタッチパネル画面に表示させ(S207)ユーザからの抜き取りを待つ(S208)。
そして、制御部100Bは、紙幣一次保留部203及び硬貨一時保留部303で一次保留された現金の額を入金金額として、ユーザに確認させる画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させ、ユーザの確認処理(例えば、所定のボタンの押下)を受付ける。そして、制御部100Bは、ユーザの確認処理後に、紙幣一次保留部203及び硬貨一時保留部303で一次保留された現金を、それぞれ、紙幣収納部204及び出金ホッパ305に収納するように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する(S209)。
そして、制御部100Bは、補充の取引処理を終了し、待機画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させる(S210)。
次に、現金処理装置1Bで、抜き取り取引が行われる場合の制御部100Bの動作について説明する。
制御部100Bは、IDカードによるユーザ認証の処理後、取引選択画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させて、ユーザからのメニュー選択(取引処理選択)の入力を受け、抜き取りの取引処理が選択されたものとする(S301)。
制御部100Bは、抜き取りの取引処理を開始すると、金種ごとに、抜き取り後の有高と、収納設定枚数管理テーブル603に登録された収納設定枚数とを比較し、有高が収納設定枚数を超える金種についてだけ、収納設定枚数を超える分の枚数を算出する(S302)。
制御部100Bは、計算処理を行っている間は出金中である旨を示す画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させる(S303)。
そして、制御部100Bは、上述のステップS302で算出対象となった金種について、算出した枚数だけを排出(紙幣入出金口201及び硬貨返却箱304で排出)するように、紙幣処理部200及び硬貨処理部300を制御する(S304)。
そして、制御部100Bは、排出した現金の抜き取りを誘導する画面を、操作表示部400のタッチパネル画面に表示させ(S305)ユーザからの抜き取りを待つ(S306)。
そして、制御部100Bは、抜き取りの取引処理を終了し、待機画面を操作表示部400のタッチパネル画面に表示させる(S307)。
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下のような効果を奏することができる。
現金処理装置1Bでは、補充の取引処理時に、金種ごとに収納する枚数が、収納設定枚数以上とならないように、入金する枚数を調整している。これにより、ユーザが補充用の現金を金庫等から用意する際に、大体の枚数を用意して現金処理装置1Bに投入すれば、有高が自動的に収納設定枚数となる。したがって、ユーザは補充する現金の枚数の確認や、投入現金を数える作業等を行わなくても良くなる。また、これにより、ユーザは、現金処理装置1B内の現金が不足することを懸念して、過剰な現金を収納する必要がなくなるので、運用資金を最小に抑えることができる。
また、現金処理装置1Bでは、抜き取りの取引処理時に、金種ごとに収納する枚数が、できるだけ収納設定枚数以下とならないように、出金する枚数を調整している。これにより、現金処理装置1Bでは、抜き取りの取引処理時に、現金の抜き取りすぎにより、補充が必要になる事態を回避することができる。
(D)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(D−1)上記の各実施形態では、本発明の現金処理装置を小売店等の店舗で用いられるものとして説明したが、本発明の現金処理装置は、オンライン/オフラインに関わらず商業施設等での入出金の管理に適用可能である。
(D−2)上記の各実施形態で、データ記憶部に記憶される各テーブル(閾値管理テーブル、及び、収納設定枚数管理テーブル)の内容について固定としていたが、複数のパターンのテーブルを予め用意しておき、予め設定されたスケジュール(例えば、曜日毎、日毎、時間帯毎等)に応じたパターンのテーブルを選択して適用するようにしても良い。
小売店等の店舗では、通常、曜日や時間帯ごとに、レジ担当者の人数等が異なるため、上述のように、各テーブルの内容を管理することにより、より適切な量の現金を現金処理装置に収納することができる等の効果を奏する。
(D−3)上記の各実施形態については、任意の組合せで構成するようにしても良い。例えば、第3の実施形態の現金処理装置に、第2の実施形態と同様に待機中(ユーザと取引処理を行っていない状態)での警報通知処理を行わせるように構成しても良い。
(D−4)第3の実施形態において、制御部は、抜き取りの取引処理時に、金種ごとに、抜き取り後の有高と、予め設定された収納設定枚数とを比較し、有高が収納設定枚数を超える金種についてだけ、収納設定枚数を超える分の枚数を排出する数として算出すると説明した。しかし、抜き取りの取引処理時に、制御部が、第1の実施形態と同様にユーザに抜き取り取引の内容(金種ごとに抜き取る枚数のパターン)を入力させ、金種ごとに、現在の有高からユーザが入力された枚数を差し引いた枚数が、収納設定枚数より少なくなる場合にのみ、収納設定枚数を超えるだけの分を排出するようにしても良い。
(D−5)上記の各実施形態では、現金処理装置は、紙幣処理部及び硬貨処理部を備えているものとして説明したが、いずれか一方のみを備えるようにしても良い。
(D−6)上記の各実施形態では、閾値管理テーブル602で管理する閾値(補充要枚数及び抜き取り要枚数)は、金種ごとに1つずつであったが、複数の閾値を定めて、段階的に作業要求警報を通知するようにしても良い。例えば、現金処理装置において、ある金種について、有高が第1の補充要枚数以下となった場合には、画面表示のみで作業要求警報を行い、第1の補充要枚数よりも少ない第2の補充要枚数以下となった場合には、画面表示に加えて警報音やランプ表示により作業要求警報を通知するようにしても良い。また、現金処理装置において、有高が第2の補充枚数以下となった場合には、単に「補充してください」というメッセージではなく「ニアエンド枚数です」というように、メッセージの内容を変更するようにしても良い。さらに、抜き取り要枚数についても同様に複数の閾値を設定するようにしても良い。
(D−7)第1の実施形態では、閾値管理テーブルで、金種ごとの補充要枚数及び抜き取り要枚数を登録しているが、いずれか一方の閾値のみを登録して、制御部もいずれか一方の処理についてのみ対応するように構成しても良い。