(A)第1の実施形態
以下では、本発明の現金処理装置の第1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)現金処理装置の内部構成
図1は、第1の実施形態の現金処理装置の内部構成を示す構成図である。図1において、第1の実施形態の現金処理装置50は、紙幣投入出金口1、紙幣一時保留部2、紙幣鑑別部3、リサイクルカセット4〜6、回収カセット7、リジェクト部8、硬貨投入口9、硬貨鑑別部10、硬貨一時保留部11、硬貨返却部12、出金ホッパ13、硬貨回収庫14、硬貨出金箱15、カードリーダ部16、操作表示部17、現金処理制御部20を有する。
紙幣投入出金口1は、売上入金の際に、紙幣が投入される投入口である。また、紙幣投入出金口1は、売上入金の取り消しが行なわれたときに返却される紙幣、出金する出金紙幣(釣銭準備金も含む紙幣)、リジェクトされた入金リジェクト紙幣を出金するものである。
紙幣一時保留部2は、紙幣投入出金口1から取り込まれた紙幣を一時的に集積するものである。これにより、入金紙幣計数時又は売上金作成時に、一時的に紙幣を集積することができる。
紙幣鑑別部3は、搬送される紙幣が正券・偽券であるか、紙幣が損券であるか、紙幣が表面・裏面であるか等の紙幣の状態を鑑別するものである。例えば、売上入金時に紙幣一時保留部2からリサイクルカセット4〜6に紙幣が搬送されるとき、リサイクルカセット4〜6から釣銭出金するとき、売上金作成でリサイクルカセット4〜6から回収カセット7に移動するときに、紙幣鑑別部3は搬送される紙幣を鑑別する。紙幣鑑別部3による鑑別結果に応じて、正券の紙幣はリサイクルカセット4〜6に搬送される。また、紙幣鑑別部3により損券等であると判断されると、その紙幣はリジェクト部8に搬送される。
リサイクルカセット4〜6は、紙幣鑑別部3により正券であると鑑別された紙幣を収納する収納庫である。例えば、図1では、リサイクルカセット4が万券カセットであり、リサイクルカセット5が5千券カセットであり、リサイクルカセット6は千券カセットである場合を示す。また、釣銭準備金が出金される場合、リサイクルカセット4〜6に収納される紙幣が、紙幣投入出金口1に搬送されて出金される。なお、リサイクルカセット4〜6は、通常時には施錠されており、収納されている紙幣の抜き取りを防止している。
回収カセット7は、売上回収カセットであり、売上入金時又は精算集計時に、リサイクルカセット4〜6から売上金として回収される紙幣が搬送され、その搬送されてきた売上金とする紙幣を収納するものである。売上金回収の際、管理者は、回収カセット7を開錠して、収納されている紙幣を売上金として回収する。なお、回収カセット7は、通常時には施錠されており、紙幣回収の際に開錠されるようになっている。
リジェクト部8は、紙幣鑑別部3により偽券、損券等と鑑別されたリジェクト紙幣を収納するものである。リジェクト部8は、例えば、売上入金時に紙幣一時保留部2からリサイクルカセット4〜6に収納するときのリジェクト紙幣、リサイクルカセット4〜6から釣銭出金するときのリジェクト紙幣、売上金作成でリサイクルカセット4〜6から回収カセット7に移動するときのリジェクト紙幣を集積する。
硬貨投入口9は、入金される硬貨が投入される投入口である。
硬貨鑑別部10は、投入された硬貨を鑑別するものである。硬貨鑑別部10により正常貨と鑑別された硬貨は、出金ホッパ13に搬送される。
硬貨一時保留部11は、入金計数時に、投入された硬貨を一時的に集積するものである。
硬貨返却箱12は、売上入金の取り消しが行なわれたときに、返却される硬貨を収納するものである。
出金ホッパ13は、釣銭準備金を収納しておくものである。釣銭準備金とされる硬貨は、出金ホッパ13から硬貨出金箱15に搬送されて出金される。出金ホッパ13は、通常時には施錠されている。
硬貨回収庫14は、売上回収カセットであり、精算集計時に、出金ホッパ13から搬送して、売上金とされる硬貨を収納するものである。なお、硬貨回収庫14は、通常時には施錠されており、硬貨回収の際に開錠されるようになっている。
硬貨出金箱15は、釣銭出金のときに、出金ホッパ13から搬送された、釣銭準備金とする硬貨を出金する硬貨出金口である。
カードリーダ部16は、取引開始時に、レジカードやIDカード等の記録媒体に格納されている情報を読み取るものである。カードリーダ部16は、例えば、レジカード又はIDカードの記録媒体に記録されているレジスタ識別情報や、レジ担当者を識別する担当者識別情報(例えば、氏名、ID等の識別情報)等を読み取る。
操作表示部9は、取引の際に、レジ担当者や管理者等が操作する操作手段、装置の状態等を表示する表示手段である。操作表示部9は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、タッチパネル、テンキー等から構成されているものである。
現金処理制御部20は、現金処理装置50の機能を実行する処理部又は装置である。現金処理制御部20は、例えば、CPU、記憶部(例えば、ROM、RAM、EEPROM等)、入出力インタフェース部等を有する回路で構成されるものであり、いわゆるソフトウェア処理により、各種機能が実現される。
(A−1−2)現金処理制御部の構成
図3は、現金処理制御部20による主な機能を示すブロック図である。図3において、現金処理制御部20は、認証部201、釣銭出金取引部202、売上入金取引部203、補充取引部204、抜き取り取引部205、精算集計取引部206、回収取引部207、表示画像制御部208、釣銭追加出金管理部209、入出金記憶部210を有する。
認証部201は、カードリーダ部16又は操作表示部17からの情報に基づいて、管理者やレジ担当者の認証処理を行なうものである。認証部201による認証処理方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を適用することができる。
例えば、認証部201は、管理者識別情報や担当者識別情報を登録情報として保持しておき、カードリーダ部16からの担当者識別情報等が登録情報と一致するか否かを判断したり、操作表示部17を介して入力されたパスワード等が登録情報と一致するか否かを判断したりするようにしてもよい。
また、例えば、釣銭出金取引、売上入金取引等のような取引の種類に応じて、認証部201が行なう認証方法を変えるようにしてもよい。例えば、セキュリティを高くする必要がある取引については、操作者の識別情報及び特定の暗証番号の認証を設定するようにしてもよい。
釣銭出金取引部202は、釣銭準備金を出金する釣銭出金取引に関する処理を行なうものである。釣銭出金取引部202は、入出金記憶部210に事前に登録された金種及び枚数の出金パターンに基づいて釣銭を出金したり、又は、操作者により指定された任意の金種及び枚数に基づいて釣銭を出金したりする。
例えば、釣銭出金取引部202は、カードリーダ部16によりリードされた情報に基づく認証が成功すると、メニュー画面を表示する。そして、メニュー画面から「釣銭出金」ボタンが選択されると、事前に登録された「金種及び枚数の出金パターンの出金」、若しくは、「任意の金種及び枚数を指定する出金」のサブメニューが表示される。その後の操作に従って、釣銭出金取引部202は、リサイクルカセット4〜6及び又は出金ホッパ13から、釣銭用の紙幣及び硬貨を搬送させて出金させる。
また、釣銭出金取引部202は、認証成功後、レジ担当者が使用するレジスタ識別情報、出金日時情報、担当者識別情報(例えば、氏名、ID等)、出金した金種及び枚数、出金金額等を対応付けて、入出金記憶部210に記憶する。
ここで、レジ担当者の交代前に、次のレジ担当者が釣銭出金を行なう場合もある。この場合も、釣銭出金取引部202は、レジスタ識別情報、出金日時情報、担当者識別情報(氏名、ID等)、出金した金種及び枚数、出金金額等を対応付けて、入出金記憶部210に記憶する。つまり、あるレジスタ識別情報について、複数の担当者識別情報及び各レジ担当者の出金データが対応付けられて記憶される。
また、複数のレジ担当者が同時期に1台のレジスタを共同で使用する場合もある。この場合、釣銭出金取引部202は、レジ担当者毎ではなく、レジスタ毎に一括して釣銭準備金を出金できる。この場合、釣銭出金取引部202は、1台のレジスタのレジスタ識別情報に、複数のレジ担当者のそれぞれの担当者識別情報、出金した金種及び枚数、出金金額等を対応付けて、入出金記憶部210に記憶する。
なお、釣銭出金取引部202は、各レジ担当者の操作により出金できるようにしてもよいし、管理者の操作により出金できるようにしてもよい。管理者の操作により出金する場合、釣銭出金取引部202は、レジスタ及びレジ担当者の入力を促す画面を表示させ、レジスタ及びレジ担当者を入力させるようにしてもよい。
釣銭追加出金管理部209は、釣銭が不足した場合に、追加出金専用カードを用いた認証成功後、操作者の操作により、レジスタの指定、レジ担当者の指定、金種及び枚数の指定を受けて、指定された金種と枚数を追加出金するものである。
ここで、追加出金は、追加出金専用カードを用いた認証処理が必要である。これにより、従来のようにレジ担当者がレジカードを持ち運ぶ必要がなくなるので、レジカード等の紛失を防ぐことができる。
また、釣銭追加出金管理部209は、釣銭の追加出金の対象となるレジスタが指定されると、入出金記憶部210から、当該レジスタのレジスタ識別情報に対応付けられたレジ担当者を表示させる。そして、操作者(例えば管理者等)により追加出金の主体であるレジ担当者が指定されると、釣銭追加出金管理部209は、当該レジスタ識別情報、追加出金日時情報、担当者識別情報、追加出金した金種及び枚数、追加出金金額等を対応付けて、入出金記憶部210に記憶する。これにより、レジスタ識別情報、レジ担当者、追加出金データを対応付けて記憶することができるので、追加出金を行なったレジ担当者毎及びレジスタ毎に、追加出金データを記録・集計ができる。
ここで、複数のレジ担当者が1台のレジスタを共同で使用する場合、釣銭追加出金管理部209は、レジスタ識別情報に対応付けられた複数のレジ担当者を表示し、それらレジ担当者の中から追加出金する主体を選択させるようにしてもよい。
売上入金取引部203は、売上入金取引に関する処理を行なうものである。売上入金取引部203は、認証成功後、現金の入金を誘導し、レジスタ識別情報、入金日時情報、担当者識別情報、入金された金種及び枚数、入金金額等を対応付けて、入出金記憶部210に記憶する。
例えば、売上入金取引部203は、メニュー画面から「売上入金」ボタンが選択されると、紙幣及び硬貨の入金誘導画面を表示させる。キャッシュドロワの紙幣及び硬貨(売上金+釣銭金額)が投入口にセットされると、売上入金取引部203は、紙幣及び硬貨の計数を開始する。
このとき、紙幣鑑別部3及び硬貨鑑別部10が正常と判別した紙幣及び硬貨は、紙幣一時保留部2及び硬貨一時保留部11に集積される。正常と判別された紙幣及び硬貨の金額が、操作表示部17に表示される。
金額確認後に、紙幣一時保留部2及び硬貨一時保留部11の紙幣及び硬貨が、リサイクルカセット4〜6及び出金ホッパ13に収納される。また、収納時点で売上(入金合計−出金合計)が発生している場合は、紙幣のみ高額券が、優先されて、売上額の範囲内で回収カセット7に収納される。
一方、計数でリジェクトされた紙幣は紙幣投入出金口1から返却され、又リジェクト硬貨は硬貨返却箱12から返却される。
補充取引部204は、釣銭用の現金を補充するために、紙幣投入出金口1、硬貨投入口9から投入された紙幣、硬貨を、リサイクルカセット4〜6、出金ホッパ13に補充する補充取引に関する処理を行なうものである。補充取引部204は、補充日時情報、補充された金種及び枚数、補充金額を、入出金記憶部210に記憶する。
抜き取り取引部205は、入金過多となったときに、リサイクルカセット4〜6、出金ホッパ13に収納される紙幣、硬貨を出金する抜き取り取引に関する処理を行なうものである。抜き取り取引部205は、抜き取り日時情報、抜き取った金種及び枚数、抜き取り金額等を、入出金記憶部210に記憶する。
精算集計取引部206は、出金情報及び入金情報を集計して、売上金の額を計上する精算集計取引に関する処理を行なうものである。
例えば、精算集計取引部206は、メニュー画面から「精算集計」ボタンが選択されると、それまでの出金及び入金取引を集計し、売上額を算出(入金合計−出金合計)する。例えば、売上額と既に回収カセット7に収納した金額額の差分を売上移動金額とし、高額券を優先して紙幣と硬貨をリサイクルカセット4〜6と出金ホッパ13から、回収カセット7と硬貨回収庫14に移動し、売上金を作成する。
回収取引部207は、回収カセット7、硬貨回収庫14に収納された紙幣、硬貨の回収取引に関する処理を行なうものである。例えば、回収取引部207は、メニュー画面から「売上回収」ボタンが選択されると、回収カセット7、硬貨回収庫14を開錠し、回収カセット7、硬貨回収庫14の脱着誘導を表示させる。回収カセット7、硬貨回収庫14の脱着により、売上金が回収されて空のカセットがセットされたところで取引終了となる。
表示画面制御部208は、各取引に応じて、表示画面を操作表示部17に表示するものである。表示画面制御部208は、例えば、メニュー画面、釣銭出金取引画面、売上入金取引画面、補充取引画面、抜き取り取引画面、精算集計取引画面、回収取引画面等を表示する。
入出金記憶部210は、入金及び出金に関する各種データを保持するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の現金処理装置50における現金処理方法の動作を、図面を参照しながら説明する。
(A−2−1)釣銭の追加出金
図4は、第1の実施形態の現金処理装置50における出金処理を示すフローチャートである。
レジ担当者がレジに入る前に、レジ担当者又は管理者は現金処理装置50から釣銭準備金の釣銭出金取引を行なう。このとき、現金処理装置50では、釣銭出金取引部202が、レジスタ識別情報、出金日時情報、担当者識別情報、金種及び枚数、出金金額等を対応付けて入出金記憶部210に記憶する。
その後業務中に、レジスタの釣銭が少なくなり、補充が必要であるとき、レジ担当者は、例えば電話や無線端末等の手段で、管理者に連絡をし、必要な金種及び枚数を管理者に要請する。
現金処理装置50において、操作表示部17はメニュー画面を表示し、管理は「追加出金」の選択ボタンを選択し、追加出金専用カードを用いて追加出金を行なう。
まず、現金処理装置50において、カードリーダ部16が追加出金専用カードの追加出金用識別情報を読み取る(F31)。また、操作表示部17はパスワード入力画面を表示し、入力されたパスワードに基づいて、認証部201が管理者の認証処理を行なう(F32)。なお、認証が成功しない場合には、追加出金取引が終了する。
このとき、認証部201には、追加出金専用カードの追加出金用識別情報が予め登録されており、追加出金用識別情報及び管理者のパスワードが一致するか否かを判断して認証を行なう。
認証が成功すると、釣銭追加出金管理部209が、釣銭の追加出金処理を開始する。表示画面制御部208は、釣銭追加出金管理部209の制御を受けて、レジ番号選択画面を操作表示部17に表示する(F33)。
図5は、レジ番号選択画面を説明する説明図である。図5に例示するレジ番号選択画面300は、タッチパネル形式の入力表示画面の一例である。図5において、レジ番号選択画面300は、レジ番号表示部301、各レジ番号の「選択」ボタン302〜309と、表示ページの前のページを表示するための「前候補」ボタン310、次のページを表示するための「次候補」ボタン311を有する。
管理者が、操作表示部17を操作して、追加出金を要請してきたレジ担当者が使用するレジスタのレジ番号を選択する(F34)。
レジ番号が選択されると、釣銭追加出金管理部209は、選択されたレジスタのレジスタ識別情報に対応付けられた担当者識別情報及び出金データを、入出金記憶部210から読み出す。
ここで、釣銭追加出金管理部209は、選択されたレジスタ識別情報に対応付けられたレジ担当者のうち、売上入金が終了しているものの読み出しをしない。すなわち、釣銭追加出金管理部209は、現時点で、当該レジスタについて、釣銭出金が済んでおり、売上入金が終了していない担当者識別情報及び出金データを読み出すようにする。
そして、表示画面制御部208は、読み取られたレジスタ識別情報に対応付けられた担当者識別情報及び出金データに基づいて、担当者選択画面を操作表示部17に表示する(F35)。
例えば、ここでは、追加出金するレジスタのレジ番号が「通常レジ1」である場合を例示する。また、図6に示すように、「通常レジ1」のレジスタの現在のレジ担当者は「シフト:1」の「沖太郎」であり、現時点は、「シフト:1」の「沖太郎」が売上入金をしておらず、次のレジ担当者「シフト:2」の「沖花子」が釣銭出金を行なっているものとする。
図7は、図6に示す状態の担当者選択画面を説明する説明図である。図7に示す担当者選択画面312では、選択されたレジ番号「レジ番号:1」がレジ番号表示部301に表示されている。
また、操作手順表示部313には、「シフトを選択し、[確認]を押してください」の旨が表示され、担当者表示部314には、「通常レジ1」について、釣銭出金が済んでおり、売上入金が終了していないレジ担当者が表示される。すなわち、図7に例示する担当者表示部314には、「レジ1」について複数のレジ担当者として、「沖太郎」、「沖花子」が表示されるので、複数のレジ担当者の中からいずれのレジ担当者を選択することできる。
また、第1の実施形態では、担当者表示部314が、出金日時情報及び出金金額も表示され場合を例示するが、出金日時情報及び出金金額を表示しないようにしてもよい。また、図7に例示する担当者表示部314には、レジ担当者の氏名が表示される場合を例示するが、レジ担当者を識別することができればよく、レジ担当者のID等を表示するようにしてもよい。
ここで、追加出金を要請してきたレジ担当者が「シフト:1」の「沖太郎」であるとする。管理者は、担当者選択画面312の「選択」ボタン315及び316により、「シフト:1」のレジ担当者「沖太郎」を選択し(F36)、「確認」ボタン317を選択する。これにより、追加出金を要請してきたレジ担当者を特定することができる。
レジ担当者が選択されると、表示画面制御部208は、釣銭追加出金管理部209の制御を受けて、金種枚数入力画面を操作表示部17に表示する(F37)。
図8は、金種枚数入力画面を説明する説明図である。図8において、金種枚数入力画面312は、操作手順表示部319に、「枚数を入力し、[確認]を押してください」の旨が表示される。
管理者は、「選択」ボタン322及び323を操作して、追加出金を行なう金種及び枚数を入力する(F38)。図8に例示する金種枚数表示部320には、入力された金種及び枚数が表示され、合計金額表示部321には、出金金額の合計金額が表示される。入力が終了すると、管理者は「確認」ボタン317を選択する。
追加出金に係る金種及び枚数の入力が終了すると、釣銭追加出金管理部209は、追加出金取引について、レジスタ識別情報、出金日時情報、担当者識別情報、金種及び枚数、出金金額を対応付けて、入出金記憶部210に記憶する。これにより、追加出金データをレジ担当者毎に管理することができる。
また、釣銭追加出金管理部209は、入力された金種及び枚数に基づいて、それぞれの金種及び枚数の紙幣、硬貨の排出制御を行ない、釣銭出金がなされる(F39)。そして、追加出金取引が終了し、表示画面制御部208は待機画面を表示する。
上記のように、あるレジスタについて、釣銭出金を行ない、売上入金を行なっていないレジ担当者が複数人いる場合でも、当該レジスタのレジ担当者を表示し、追加出金を要請したレジ担当者を指定することができる。
これにより、釣銭準備金の出金データと釣銭の追加出金データとの両方をレジ担当者毎に管理することができ、レジ担当者毎の個別集計を行なうことができる。
つまり、その後、レジ担当者が売上入金を行なえば、レジ担当者のキャッシュドロワの現金は、現金=釣銭準備金+追加出金−売上金であるから、このレジ担当者の売上金は、売上金=現金−釣銭準備金+追加出金となり、各レジ担当者の売上金を個別に求めることができる。
なお、追加出金された現金は、例えば、管理者等により、レジスタのレジ担当者に受け渡される。
(A−2−2)一括出金
次に、1台のレジスタを複数のレジ担当者が共同使用するときの釣銭出金処理の動作を説明する。
図9は、1台のレジスタを複数のレジ担当者が共同使用する場合に、レジ担当者がそれぞれ異なるタイミングで売上入金をするときの状況を説明する説明図である。
図9では、「レジ1」のレジスタのレジ担当者が「沖太郎」及び「沖花子」の2人である場合を示す。この場合、1台のレジスタに対する釣銭準備金だけの出金でよいが、各レジ担当者の個別集計を行なうために、次のような処理を行なうことができる。なお、この処理も、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
管理者は、現金処理装置50の操作表示部17に表示されているメニュー画面から、釣銭準備金の「釣銭出金」の選択ボタンを選択し、出金専用カードを用いて釣銭出金を行なう。
このとき、例えば、メニュー画面が、「個別釣銭出金」と「一括出金」の2種類の選択ボタンを有するようにし、管理者が「一括出金」を選択できるようにしてもよい。
現金処理装置50において、カードリーダ部16が出金専用カードの出金用識別情報を読み取る(F31)。また、操作表示部17は、パスワード入力画面を表示し、入力されたパスワードに基づいて、認証部201が、管理者の認証処理を行なう(F32)。なお、ここでの認証は、出金専用カードを用いるようしてもよいし、又は管理者のカードとしてもよい。
認証が成功すると、表示画面制御部208は、釣銭出金取引部202の制御を受けて、レジ番号選択画面を操作表示部17に表示する(F33)。例えば、図5に例示するレジ番号選択画面が表示される。
管理者が、レジ番号選択画面から当該レジスタのレジ番号を選択する(F34)。
釣銭出金取引部202は、レジ番号が選択されると、入出金記憶部210に予め登録されている担当者リストを読み出す。
そして、表示画面制御部208は、釣銭出金取引部202の制御を受けて、担当者リストに基づいて担当者選択画面を操作表示部17に表示する。
図10は、担当者選択画面を説明する説明図である。図10に示す担当者選択画面325では、選択されたレジ番号「レジ番号:1」がレジ番号表示部301に表示されている。
また、操作手順表示部326には、「担当者を選択し、[確認]を押してください」の旨が表示され、担当者表示部327には、レジ担当者の氏名が表示される。
管理者は、担当者選択画面325の「選択」ボタン328及び329により、「沖太郎」及び「沖花子」を選択し(F36)、「確認」ボタン317を選択する。
レジ担当者が選択されると、表示画面制御部208は、釣銭出金制御部202の制御を受けて、それぞれのレジ担当者毎の金種枚数入力画面を操作表示部17に表示する(F37)。
図11は、一括出金の場合のレジ担当者に割り当てる金種枚数入力画面を説明する説明図である。図11において、金種枚数入力画面331は、各レジ担当者に操作手順表示部319に、「「沖太郎」様の分の、枚数を入力し、[確認]を押してください」の旨が表示される。
管理者は、「選択」ボタン322及び323を操作して、「沖太郎」の分の釣銭出金として金種及び枚数を入力し(F38)、入力後、管理者は「確認」ボタン317を選択する。なお、釣銭出金の振り分けは、例えば按分するなどのように、管理者が運用等に応じて決定することができる。
その後、表示画面制御部208は、共同使用者の「沖花子」のレジ担当者の金種枚数入力画面331を操作表示部17に表示する。管理者は、同様に、「沖花子」の分の釣銭出金として金種及び枚数を入力する。
釣銭出金取引部202は、指定されたレジスタのレジスタ識別情報、出金日時情報、それぞれの担当者識別情報、金種及び枚数、出金金額を対応付けて記憶する。また、この場合、釣銭出金取引部202は、出金日時情報を同じ日時情報として記憶する。
そして、釣銭出金取引部202は、入力された金種及び枚数に基づいて、それぞれの金種及び枚数の紙幣、硬貨を一括して排出して、釣銭の一括出金がなされる(F39)。
上記のような、一括出金がなされ、例えば、図9に示す「X」の期間で釣銭が不足した場合には、(A−2−1)で説明した釣銭出金処理を行なうことができる。
一括出金を行なった場合、レジ担当者の出金データの出金日時情報は同じ出金日時情報であるから、追加出金処理におけるF35で表示される担当者選択画面は、図12に例示するようなものとなる。つまり、図12において、担当者表示部314には、レジ担当者として、「沖太郎」、「沖花子」が表示されるが、各レジ担当者の出金日時情報は、それぞれ同じ出金日時情報「03/20 09:40」が表示される。
このように、1台のレジスタを複数のレジ担当者が共同使用する場合でも、釣銭出金をレジ担当者毎に振り分けることができるので、その後に、追加出金する場合でも、レジ担当者毎の個別集計が可能となる。
(A−2−3)売上入金
次に、1台のレジスタを複数のレジ担当者が共同使用するときの売上入金処理の動作を説明する。
図13は、1台のレジスタを複数のレジ担当者が共同使用する場合に、レジ担当者が、それぞれ異なるタイミングで釣銭出金し、共同で売上入金を行なうときの状況を説明する説明図である。図13では、「レジ1」のレジスタについて、レジ担当者が「沖太郎」及び「沖花子」の2人である場合を示す。
この場合、レジ担当者が、それぞれ個別で釣銭出金を行なうので、釣銭出金取引部202は、通常の釣銭出金取引を個別に行なう。すなわち、釣銭出金取引部202は、レジスタ識別情報、出金日時情報、担当者識別情報、金種及び種類、出金金額を記憶する。
業務中に、「レジ1」のレジスタに釣銭が不足した場合、(A−2−1)で説明した釣銭出金処理を行なうことができる。これにより、レジ担当者毎の追加出金を記憶することができる。
その後、「レジ1」のレジスタについて売上入金する場合、レジ担当者「沖太郎」及び「沖花子」の売上入金をまとめて管理者が行なう。
まず、現金処理装置50の操作表示部17に表示されているメニュー画面から、管理者は、「売上入金」の選択ボタンを選択する。
このとき、例えば、メニュー画面が、「個別売上入金」と「一括売上入金」の2種類の選択ボタンを有し、この場合、管理者は「一括売上入金」の選択を可能とするようにしてもよい。
管理者は、カードリーダ部16に管理者カードの情報を読み取らせ、認証部201が認証処理を行なう。
表示画面制御部208は、売上入金取引部203の制御の下、レジ番号の入力及び現金の投入を誘導する現金投入画面を表示する。これを受けて、管理者は、レジ番号の入力を行ない、キャッシュブロワにある現金を紙幣投入出金口1、硬貨投入口9から投入し、現金処理装置50が投入された現金を計数する。
現金が計数されると、表示画面制御部208は、図10に例示するように、レジ識別情報に対応するレジ担当者を表示した担当者選択画面を操作表示部17に表示する。
管理者は、図10に例示した担当者選択画面からレジ担当者を選択すると、表示画面制御部208は、図14に例示するような売上入金画面333を操作表示部17に表示する。
図14は、一括売上入金の場合にレジ担当者に振り分ける売上入金画面を説明する説明図である。図14において、売上入金画面333は、各レジ担当者に操作手順表示部334に、「「沖太郎」様の分の売上入金の枚数を入力し、[確認]を押してください」の旨が表示される。
管理者は、「選択」ボタン322及び323を操作して、「沖太郎」の分の売上入金として金種及び枚数を入力し、入力後、管理者は「確認」ボタン317を選択する。なお、売上入金の振り分けは、例えば、勤務時間等も考慮して、金種及び枚数について按分するなどのように、管理者が運用等に応じて決定することができる。
その後、表示画面制御部208は、共同使用者の「沖花子」のレジ担当者の売上入金画面333を操作表示部17に表示し、管理者は、同様に、「沖花子」の分の釣銭出金として金種及び枚数を入力する。
売上入金取引部203は、指定されたレジスタのレジスタ識別情報、入金日時情報、それぞれの担当者識別情報、金種及び枚数、入金金額を対応付けて記憶する。上記のようにして、売上入金を振り分けることができる。
このようにすることで、例えば図13に示す「X」の期間で釣銭不足が生じた場合、レジ担当者毎に追加出金を管理でき、かつ、売上入金を振り分けることができるので、レジ担当者毎の個別集計が可能となる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、管理者がレジ担当者の代行で釣銭を出金できることにより、レジの釣銭が不足した場合でもレジ業務を中断することなく、釣銭を補充でき、出金時にシフトを選択できるので担当者毎の集計も可能である。
また、レジカードをレジに置いたままにできるので、カードを持って移動することがなく、事務所内での取り違いや紛失を防ぐことができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の現金処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図15は、第2の実施形態に係る現金処理システムの構成を示す構成図である。図15において、第2の実施形態の現金処理システム70は、通信回線に接続する、現金処理装置50、N(Nは正の整数)台のレジスタ60(60−1〜60−N)を備える。以下では、レジスタの共通の構成要素を説明するときには、レジスタ60と表記する。
レジスタ60は、レジスタの使用開始時又は使用終了時に、レジ担当者のレジカードに記録されている情報を読み取り、その情報を現金処理装置50に与えるものである。
レジスタ60は、制御部61、レジカードの情報を読み取るカードリーダ部62、操作表示部63、通信部64を有する。
制御部61は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM等からなる回路を有して構成されるものであり、レジスタの機能を実現するものである。制御部61は、既存の売上会計処理、使用開始時のレジ操作処理、使用終了時のレジ操作処理等を行なうものである。さらに、制御部61は、業務中に釣銭が不足した場合に、追加出金を要求する追加出金要求処理を行なえるようにしてもよい。
カードリーダ部62は、使用開始時又は使用終了時に、レジカードに記録されている情報を読み取るものである。例えば、レジカードには、レジスタ識別情報、担当者識別情報等が記録されている。カードリーダ部62は、少なくとも、レジスタ識別情報及び担当者識別情報を読み取り、レジスタ識別情報及びレジスタ識別情報が、通信部64を介して、現金処理装置50に与えられる。
操作表示部63は、既存のレジスタと同様に、例えば、タッチパネル方式の操作表示手段を適用することができ、例えば、レジスタ上でなされる処理種別の選択ボタンの操作及び表示や、売上会計に係る操作及び表示等を行なうものである。第2の実施形態の操作表示部63は、さらに、釣銭の追加出金を要求する「追加出金要求」ボタンと金種及び枚数を入力する入力部とを有する画面を表示するようにしてもよい。
通信部64は、通信回線を介して、現金処理装置50との間で種々の情報を送信又は受信するものである。第2の実施形態では、通信部64が、使用開始時又は使用終了時に、カードリーダ部62が読み取ったレジスタ識別情報及び担当者識別情報を含む使用開始通知又は使用終了通知を送信する。また、通信部64は、操作表示部63において「追加出金要求」ボタンが選択されたときに、追加出金を要求する旨と、追加出金に係る金種及び枚数とを送信するものである。
現金処理装置50は、第1の実施形態の現金処理装置の構成要素に加えて、通信回線と接続する通信部19を有する。通信部19は、接続する通信回線から受信した情報を現金処理制御部20に与えるものである。
図16は、第2の実施形態の現金処理装置50の現金処理制御部20による主な機能を示すブロック図である。図16において、現金処理制御部20は、認証部201、釣銭出金取引部202、売上入金取引部203、補充取引部204、抜き取り取引部205、精算集計取引部206、回収取引部207、表示画像制御部208、釣銭追加出金管理部222、入出金記憶部210、担当者管理部221を有する。
第2の実施形態の現金処理制御部20が、第1の実施形態と異なる点は、釣銭追加出金管理部222の処理と、更に担当者管理部221を備える点である。それ以外の構成要素は、第1の実施形態と同じであるので、ここでは第1の実施形態の説明と重複するので、これら構成要素の機能説明の詳細な説明を省略する。
担当者管理部221は、レジスタ60から使用開始通知を受け取ると、その使用開始通知に含まれるレジスタ識別情報及び担当者識別情報を対応付けて、レジスタ60のレジ担当者を示す担当者情報を、入出金記憶部210に記憶するものである。
また、担当者管理部221は、レジスタ60から使用終了通知を受けると、記憶している担当者情報の削除又は更新を行なうものである。このように、担当者管理部221は、通信回線を通じて接続されたレジスタ60のレジ担当者をリアルタイムで管理することができる。
釣銭追加出金管理部222は、追加出金の際に、入出金記憶部210に記憶される、レジスタ識別情報に対応する担当者情報を用いて、追加出金取引を行なうものである。
(B−2)第2の実施形態の動作
図17は、第2の実施形態の現金処理装置50における追加出金処理の動作を示すシーケンス図である。
レジ担当者がレジスタ60を使用する際、レジ担当者がカードリーダ部62にレジカードを通し、「使用開始」ボタンを選択する。
レジスタ60では、カードリーダ部62がレジカードに記録されているレジスタ識別情報及び担当者識別情報を読み取り(F41)、通信部64が、レジスタ識別情報及び担当者識別情報を含む使用開始通知を送信する(F42)。
現金処理装置50では、担当者管理部221が、通信部19が受信した使用開始通知に含まれるレジスタ識別情報及び担当者識別情報に基づいて担当者情報を作成し、その担当者情報を入出金記憶部210に記憶する(F43)。
その後、レジスタ6において釣銭不足が発生すると(F44)、操作表示部63の表示画面上の「追加出金要求」ボタンをレジ担当者が選択し、追加出金に係る金種及び枚数をレジ担当者が入力する(F45)。釣銭不足が発生しない場合には、そのまま処理が終了する。
なお、ここでは、追加出金要求をレジ担当者がレジスタ60の表示画面を用いて行なう場合を例示するが、これに限定されず、例えば、第1の実施形態と同様に、電話等の手段でレジ担当者が管理者に連絡するようにしてもよい。
追加出金要求が現金処理装置50に与えられると、現金処理装置50は、例えばアラーム音の鳴動等の出力手段で管理者に報知するようにしてもよい。
現金処理装置50では、カードリーダ部16が追加出金専用カードから追加出金用識別情報を読み取り、操作表示部17が入力されたパスワードを取り込み、認証部201が認証処理を行なう(F46)。なお、認証が成功しない場合には、追加出金取引が終了する。
認証が成功すると、表示画面制御部208は、釣銭追加出金管理部222の制御を受けて、レジ番号選択画面を操作表示部17に表示する。釣銭追加出金管理部222は、管理者により入力されたレジ番号に対応する担当者情報と、当該担当者情報の担当者識別情報に対応付けられた出金データとを入出金記憶部210から取得する。そして、表示画面制御部208は、上記担当者情報と、当該担当者識別情報に対応付けられた出金データとに基づいて、担当者選択画面を表示する(F47)。
ここで、表示画面制御部208は、図5にレジするレジ番号選択画面を表示するようにしてもよいし、又通信回線を通じて追加出金要求があったレジスタのレジ番号を表示する画面を表示して、その表示画面から管理者に選択させるようにしてもよい。
例えば、図18に例示するように、「レジ1」のレジスタについて、「シフト:1」が「沖太郎」に、「シフト:2」が「沖花子」にシフトが割り振られているとする。
この場合でも、釣銭追加出金管理部222は、レジスタ識別情報及びレジ担当者情報を対応付けて担当者情報を管理している。そのため、図18に示す太い矢印のように、現時点におけるレジ担当者を管理している。従って、表示画面制御部208は、当該レジスタ60の現在のレジ担当者を表示することができる。
図19は、担当者情報に基づく担当者選択画面を説明する説明図である。図19に示すように、担当者選択画面335では、選択されたレジ番号「レジ番号:1」がレジ番号表示部301に表示され、また、担当者表示部336には、担当者情報の担当者識別情報に対応する「沖太郎」が表示され、当該レジ担当者「沖太郎」の出金日時情報及び出金金額が表示される。
管理者は、担当者選択画面335の「選択」ボタン315及び316により、「シフト:1」のレジ担当者「沖太郎」を選択し、「確認」ボタン317を選択する。
レジ担当者が選択されると、表示画面制御部208は、釣銭追加出金管理部222の制御を受けて、金種枚数入力画面を操作表示部17に表示する(F48)。このとき、表示画面制御部208は、レジスタ60から受信した追加出金に係る金種及び枚数を金種枚数入力画面に反映させたものを表示するようにしてもよい。
管理者は、「選択」ボタン322及び323を操作して、追加出金を行なう金種及び枚数を入力又は確認して、これが終了すると、管理者は「確認」ボタン317を選択する。
釣銭追加出金管理部222は、追加出金取引について、レジスタ識別情報、出金日時情報、担当者識別情報、金種及び枚数、出金金額を対応付けて、入出金記憶部210に記憶する(F49)。
なお、このとき、釣銭追加出金管理部222は、レジスタ識別情報及び担当者識別情報が対応付けられた担当者情報に、出金日時情報、金種及び枚数、出金金額を対応付けるようにしてもよい。
また、釣銭追加出金管理部222は、入力された金種及び枚数に基づいて、それぞれの金種及び枚数の紙幣、硬貨の排出制御を行ない、釣銭出金がなされる(F50)。その後、追加出金取引が終了する。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、現金処理装置が、通信回線を通じて接続されるレジスタからの情報に基づいて、レジ担当者の選択を可能とすることにより、レジ担当者をより明確にすることができ、現金管理の厳格化を図ることができる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明の現金処理装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第3の実施形態の現金処理装置が第1の実施形態と異なる点は、現金処理制御部の釣銭出金取引部の処理である。
そこで、以下では、第3の実施形態の現金処理制御部の釣銭出金取引部の処理を中心に詳細に説明する。
それ以外の現金処理制御部の構成要素は、第1の実施形態と同じであるため、第1の実施形態と同じ符号を表記するものとし、これら構成要素の詳細な説明が重複するので、ここでの詳細な説明は省略する。
図20は、第3の実施形態の現金処理装置50の現金処理制御部20による主な機能を示すブロック図である。図20おいて、現金処理制御部20は、認証部201、釣銭出金取引部231、売上入金取引部203、補充取引部204、抜き取り取引部205、精算集計取引部206、回収取引部207、表示画像制御部208、釣銭追加出金管理部209、入出金記憶部210を有する。
釣銭出金取引部231は、釣銭準備金の出金取引を行なう際、指定されたレジスタ識別情報のレジスタについて、現在使用しているレジ担当者による売上入金取引が終了するまで、他のレジ担当者の釣銭準備金の出金取引を制限するものである。
例えば、釣銭出金取引部231は、釣銭準備金の出金取引を行なう際に、指定されたレジスタ識別情報に対応付けられている情報を、入出金記憶部210から読み出す。そして、釣銭出金取引部231は、対応する担当者識別情報のレジ担当者による売上入金が終了しているか否かを判断する。
そして、売上入金が終了している場合、釣銭出金取引部231は、他のレジ担当者による釣銭準備金の出金取引を許容する。この場合の釣銭出金取引部231は、第1の実施形態で説明した処理を行なう。
一方、売上入金が終了していない場合、釣銭出金取引部231は、他のレジ担当者による釣銭準備金の出金取引を許容しない。
釣銭追加出金管理部209は、第1の実施形態と同様に、追加出金専用カード及びパスワードによる認証成功後、指定されたレジスタについてレジ担当者の選択画面、金種枚数入力画面を表示させて、追加出金データを、レジ担当者毎に記憶する。
第3の実施形態では、上述したように、釣銭出金取引部231が、釣銭準備金の出金取引の制限処理を行なう。
従って、指定されたレジスタについて追加出金要求があった場合、釣銭追加出金管理部209は、図21に例示するように、担当者選択画面337の担当者選択画面338が、現在担当しているレジ担当者のみを表示させることができる。
そのため、管理者は、複数のレジ担当者の中から特定のレジ担当者を選択する必要がなくなる。すなわち、管理者は、担当者選択画面338に表示されているレジ担当者に対して追加出金を承認することになるので、承認対象を明確とすることができ、さらに現金管理の厳格化を図ることができる。
また、第3の実施形態によれば、レジスタ識別情報に1個の担当者識別情報を対応付けて記憶することができる。
そこで、追加出金の要求があった場合、指定されたレジスタ識別情報が入力されたときに、釣銭追加出金管理部209は、入出金記憶部210を参照して、当該レジスタ識別情報に担当者識別情報を対応付けて、さらに、追加出金データを対応づけるようにしてもよい。これにより、レジスタ識別情報に、レジ担当者及び追加出金データを自動的に紐付けすることができる。
(D)第4の実施形態
次に、本発明の現金処理装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第4の実施形態の現金処理装置が第1の実施形態と異なる点は、現金処理制御部の釣銭追加出金管理部の処理である。
そこで、以下では、第4の実施形態の現金処理制御部の釣銭追加出金管理部の処理を中心に詳細に説明する。
それ以外の現金処理制御部の構成要素は、第1の実施形態と同じであるため、第1の実施形態と同じ符号を表記するものとし、これら構成要素の詳細な説明が重複するので、ここでの詳細な説明は省略する。
図22は、第4の実施形態の現金処理装置50の現金処理制御部20による主な機能を示すブロック図である。図22おいて、現金処理制御部20は、認証部201、釣銭出金取引部202、売上入金取引部203、補充取引部204、抜き取り取引部205、精算集計取引部206、回収取引部207、表示画像制御部208、釣銭追加出金管理部241、入出金記憶部210を有する。
釣銭追加出金管理部241は、第1の実施形態の処理に加えて、追加出金取引を継続して行なうものである。
図23は、第4の実施形態の現金処理装置50における出金処理を示すフローチャートである。
図23において、認証部201による認証が成功すると(F31、F32)表示画面制御部208は、釣銭追加出金管理部241の制御を受けて、レジ番号選択画面を表示する(F33)。
図24は、第4の実施形態のレジ番号選択画面を説明する説明図である。図24において、第4の実施形態のレジ番号選択画面339は、図5に例示した構成に加えて、「取消」ボタン340を有するものである。
管理者は追加出金のレジ番号を選択した場合(F71)、処理はF34に移行する。そして、第1の実施形態と同様にして、釣銭追加出金管理部241が釣銭の追加出金取引を行なう(F34〜F39)。
F39で釣銭出金されると、釣銭追加出金管理部241は、処理をF33に移行し、図23に例示するレジ番号選択画面を表示させる。これにより、同時期に、複数のレジスタについて追加出金の要求があった場合でも、追加出金取引を継続して行なうことができる。
F71において、継続する追加出金取引がない場合、管理者は「取消」ボタン340を押下する。これにより、追加出金取引が終了し、待機画面が表示される。
なお、第4の実施形態は、第1の実施形態の場合だけでなく、第2及び第3の実施形態の場合にも適用することができる。
以上のように、第4の実施形態によれば、同時期に、複数のレジスタについて釣銭の追加出金の要求があった場合でも、継続して追加出金を行なうことができる。その結果、釣銭の追加出金時間のロスを省くことができ、さらには、レジ業務休止の防止、又は休止期間の短縮化を図ることができる。
(E)他の実施形態
(E−1)第1〜第4の実施形態における、レジ番号選択画面、担当者選択画面、金種枚数入力画面、売上入金画面等は一例であり、これらの画面に限定されるものではない。例えば、第1〜第4の実施形態で示した担当者選択画面が、テンキーボタンを有するようにしてもよい。
また、図4に示すフローチャートの処理の順序は、図4の処理順に限定されるものではない、例えば、図4では、認証が成功してから、レジ番号入力、担当者の選択の後に、出金金種枚数を入力させるようしているが、出金金種枚数の入力後に、レジ番号入力、担当者の選択を行なえるようにしてもよい。
(E−2)第3の実施形態では、釣銭出金取引部231が、現在のレジ担当者の売上入金が終了するまで、釣銭準備金の釣銭出金を制限する場合を例示した。
第3の実施形態の変形実施形態として、現金処理装置が、各レジ担当者のシフトを管理しており、各レジ担当者の業務終了時刻を認識している場合、現在のレジ担当者の売上入金が終了していないときでも、所定時間後(例えば3分後)に業務終了時刻となるとき、次のレジ担当者の釣銭準備金の出金ができるようにしてもよい。
これにより、業務終了間際に、釣銭の追加出金が行なわれることで、次のレジ担当者に迅速にシフトすることができないということを回避できる。
また、第3の実施形態の別の変形実施形態として、釣銭出金取引部231の釣銭準備金の釣銭出金の制限を解除できるようにしてもよい。例えば、管理者による管理者カード及び特別なパスワードの入力に基づいて認証を行ない、表示画面上の釣銭出金制限解除ボタンが押下されることで、釣銭出金の制限を解除するという方法等がある。