JP6689585B2 - 不織布基材及び電池用セパレータ - Google Patents

不織布基材及び電池用セパレータ Download PDF

Info

Publication number
JP6689585B2
JP6689585B2 JP2015168440A JP2015168440A JP6689585B2 JP 6689585 B2 JP6689585 B2 JP 6689585B2 JP 2015168440 A JP2015168440 A JP 2015168440A JP 2015168440 A JP2015168440 A JP 2015168440A JP 6689585 B2 JP6689585 B2 JP 6689585B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
water
woven fabric
fabric substrate
nonwoven fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015168440A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017045663A (ja
Inventor
信之 真鍋
信之 真鍋
小林 章洋
章洋 小林
勇 木暮
勇 木暮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Exsymo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Exsymo Co Ltd filed Critical Ube Exsymo Co Ltd
Priority to JP2015168440A priority Critical patent/JP6689585B2/ja
Publication of JP2017045663A publication Critical patent/JP2017045663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6689585B2 publication Critical patent/JP6689585B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)

Description

本発明は、電池のセパレータに用いられる不織布基材及びこの不織布基材を用いた電池用セパレータに関する。より詳しくは、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池に用いられる不織布基材及び電池用セパレータに関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池では、内部短絡の発生防止などの理由から、不織布などの多孔質性シートと絶縁性の無機粒子とを組み合わせたセパレータが用いられている(例えば、特許文献1,2参照)。この電池用セパレータは、例えば不織布基材表面に絶縁無機粒子を含む水系塗液を塗工することにより製造されるが、その際、塗液が基材内部にまで染み込み、塗工面と反対側の面から染み出す所謂「裏抜け」が発生することがある。
セパレータ製造工程で裏抜けが発生すると、塗工装置のロールが汚れ、その汚れが後に製造される部分に転写して、基材に形成される絶縁層にピンホールや塗液はじきなどの欠陥が発生する原因となる。そこで、従来、無機顔料、有機ポリマーバインダーと共に、繊維長0.10〜1.20mm、繊維径1.0μm以下の非フィブリル化繊維を含有させた塗液を用いたリチウムイオン電池用セパレータが提案されている(特許文献3参照)。この特許文献3に記載の電池用セパレータでは、塗液に含まれる非フィブリル化繊維が不織布基材の繊維に交絡することで、塗液の裏抜けを抑制している。
特開2008−4439号公報 特開2008−4442号公報 特開2013−258069号公報
しかしながら、前述した特許文献3に記載の電池用セパレータのように、塗液に繊維を含有させると、その繊維が塗工装置に付着して、対応する部分の塗液付着量が不足したり、過剰になったりすることがある。このため、特許文献3に記載の技術には、均一な塗層を形成することが難しく、絶縁層に「ストリーク」と呼ばれる線状欠陥が発生しやすいという問題点がある。
そこで、本発明は、絶縁層を形成する際に水系塗液が裏抜けしにくく、かつ、塗工不良に起因する絶縁層の欠陥を低減できる不織布基材及び電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明に係る不織布基材は、電池用セパレータに用いられる不織布基材であって、水の接触角が125°以上である第1の層と、水の接触角が120°以下である第2の層と、水の接触角が前記第1の層よりも小さくかつ前記第2の層よりも大きい第3の層を備え、少なくとも一の面は最外層が前記第2の層である。
この不織布基材では、前記第1の層の上に前記第2の層が積層されていてもよい。
また、前記第3の層は、前記第1の層と前記第2の層との間に設けることもできる。
本発明の不織布基材における他の面は、最外層が前記第1の層であってもよい。
また、前記第1の層の水の接触角は例えば125〜140°であり、前記第2の層の水の接触角は例えば90〜120°である。
一方、本発明の不織布基材は、原料繊維のうち少なくとも1種を、ポリオレフィン系樹脂からなる低融点成分と前記低融点成分よりも融点が20℃以上高い熱可塑性樹脂からなる高融点成分とで形成された複合繊維とすることができる。
その場合、前記高融点成分を構成する熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン及びポリエステルのいずれか一方又は両方を含んでいてもよい。
本発明に係る電池用セパレータは、前述した不織布基材と、前記不織布基材の前記第2の層上に設けられ、少なくとも1種の無機粒子を含む絶縁層とを有するものである。
この電池用セパレータは、JIS P 8117に規定されるガーレー試験機法により測定した透気抵抗度を100秒/100ml以下、最大孔径を1.0μm以下とすることができる。
なお、本発明における「水の接触角」は、θ/2法により求めた常温下での純水の平衡接触角であり、以下の説明においても同様である。接触角の測定には、市販の接触角測機を用いた。各層の表面に純水を滴下し、滴下5秒後の接触角を各層5点以上で測定し、その平均値を算出した。
本発明によれば、水系塗液が裏抜けしにくく、かつ、水系塗液の塗工性に優れた不織布基材を実現できるため、塗工不良に起因する絶縁層の欠陥を低減した電池用セパレータが得られる。
本発明の第1の実施形態の不織布基材の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の不織布基材の他の構成例を模式的に示す断面図である。 A〜Cは複合繊維の構造例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の不織布基材の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の不織布基材の他の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の不織布基材の他の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の不織布基材の他の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の不織布基材の他の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の電池用セパレータを示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る不織布基材について説明する。本実施形態の不織布基材は、水の接触角が125°以上の層(以下、撥水層という。)と、水の接触角が120°以下の層(以下、親水層という。)を備え、少なくとも一の面は最外層が親水層となっている。なお、ここでいう「水の接触角」は、θ/2法により求めた常温下での純水の平衡接触角であり、市販の接触角測機を用いて、各層の表面に純水を滴下し、滴下5秒後の接触角を5点以上測定して得た値の平均値である。
[全体構成]
図1及び図2は本実施形態の不織布基材の構成例を模式的に示す断面図である。本実施形態の不織布基材は、例えば撥水層1の上に親水層2が積層された構成とすることができる。親水層2は、撥水層1の一方の面に積層されていてもよく、また、撥水層1の両面に積層されていてもよい。
例えば、図1に示す不織布基材10のように、撥水層1の一方の面にのみ親水層2を形成した場合、一の面は最外層が親水層2となり、他の面は最外層が撥水層1となる。また、図2に示す不織布基材11のように、撥水層1の両面に親水層2を形成した場合、撥水層1の両面に親水層2を形成した不織布基材11では、一の面及び他の面のいずれも最外層は親水層2となる。
[撥水層1]
撥水層1は、水系塗液の裏抜けを防止するためのものであり、水の接触角が125°以上となっている。水の接触角が125°未満の層では、撥水性能が不十分となり、不織布基材のように多孔質の基材に水系塗液を塗工して、裏抜けすることなく均一な厚さの絶縁層を形成することが困難となる。
また、撥水層1における水の接触角を140°よりも大きくしても、水系塗液の裏抜け防止効果の向上は期待できない上に、撥水処理のコストが増加するため、撥水層1の水の接触角は125〜140°とすることが好ましい。更に、水系塗液の裏抜け防止効果の向上の観点から、撥水層1における水の接触角は130〜140°とすることがより好ましい。
[親水層2]
親水層2は、水系塗液の塗工性を向上させるものであり、水の接触角が120°以下となっている。水接触角が120°より大きい層の上に水系塗液を塗工すると、塗液はじきやストリーク、スクラッチなどの塗工不良が発生し、欠陥がなく、均一な厚さの絶縁層を形成することが困難になる。
また、親水層2における水の接触角を90°よりも小さくすると、塗液はじきなどの塗工不良は低減できるが、裏抜けするリスクが高まるため、親水層2の接触角は90〜120°にすることが好ましい。更に、水系塗液の塗工性向上の観点から、親水層2における水の接触角は100〜120°とすることがより好ましい。これにより、均一な厚さの絶縁層を形成することが可能となる。
[原料繊維]
本実施形態の不織布基材の原料繊維には、例えばポリオレフィン系樹脂からなる低融点成分と、この低融点成分よりも融点が20℃以上高い熱可塑性樹脂からなる高融点成分とで形成された複合繊維を用いることができる。図3A〜Cは複合繊維の構造例を示す断面図である。原料繊維に用いる複合繊維の構造は、特に限定されるものではなく、図3Aに示すような鞘芯複合型、図3Bに示すような偏心鞘芯型、図3Cに示すようなサイドバイサイド型の他、多芯型(海島型)など種々の構造のものを使用することができる。
なお、図3Aに示す鞘芯複合型、図3Bに示す偏心鞘芯型及び多芯型(海島型)の複合繊維の場合、鞘部(海部)を低融点成分4で形成し、芯部(島部)を高融点成分5で形成する。一方、図3Cに示すサイドバイサイド型の複合繊維の場合は、低融点成分4と高融点成分5の割合が、断面積比で、低融点成分:高融点成分=1:9〜9:1であることが好ましい。
このような複合繊維を原料に用いることにより、不織布基材の目付や厚さを自由に設計することが可能となる。また、複合繊維を構成する各樹脂成分のうち、高融点成分は不織布基材の剛性を向上させる作用があり、低融点成分は接着可能なバインダー成分としての作用があり、各繊維を溶融一体化することで不織布基材の強度を向上させることができる。このため、原料に複合繊維を用いると、薄くて強い不織布基材が得られる。なお、原料に複数種の繊維を用いる場合は、少なくとも1種が前述した樹脂を用いた複合繊維であればよい。複合繊維と共に用いられる繊維としては、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂からなる単一繊維が挙げられる。
一方、非水電解質二次電池用のセパレータに用いられる不織布基材は、内部短絡防止の観点から、水を含まない材料で形成されていることが好ましい。具体的には、原料繊維は、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂により形成されていることが好ましい。また、原料繊維に前述した複合繊維を用いる場合は、高融点成分を構成する熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン及びポリエステルのいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。同様の理由から、複合繊維と共に単一繊維を用いる場合は、ポリプロピレン又はポリエステルを含むものが好ましく、ポリプロピレンからなる単一繊維がより好ましい。これにより、電池製造工程における乾燥時間を短縮できると共に、吸湿による短絡などの不具合の発生を低減できる。
[製造方法]
本実施形態の不織布基材の製造方法は、特に限定されるものではなく、原料繊維に撥水処理や親水処理を施しておき、撥水処理を施した原料繊維を用いて撥水層1を形成すると共に、親水処理を施した原料繊維を用いて親水層2を形成し、これらを熱圧着などにより一体化して不織布基材としてもよい。
また、未処理の原料繊維を用いて不織布原反を形成し、これに撥水処理や親水処理を施すことで撥水層1と親水層2を形成し、不織布基材とすることもできる。その場合、例えば、不織布原反全体に撥水処理を施して撥水層1を形成した後、その片面又は両面に親水処理を施して、撥水層1の一部を親水層2にしてもよい。
ここで、撥水層1の形成方法は、特に限定されるものではなく、撥水スプレー処理、撥水油剤処理及びフッ素ガス雰囲気に晒す処理法(以下、フッ素ガス処理法という。)など、公知の撥水化技術を適用することができる。撥水層1を形成する際に使用する撥水剤としては、各種ワックス、高級脂肪酸誘導体、ジルコニウム塩、ポリオレフィン系樹脂、合成樹脂類、シリコーン樹脂、フッ素化合物などが挙げられる。
ワックスとしては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックスなどの植物系ワックス、ミツロウ、ラノリンなどの動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、オイルシェルより抽出されたワックスなどの鉱物系ワックス、パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどの石油系ワックスなどを使用することができる。また、これら天然ワックスの他に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックスなどの合成炭化水素ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素などの高級脂肪酸アミド、エステル、ケトン、エーテルなどの合成ワックスを使用してもよい。
更に、撥水剤には、不織布を製造する際に耐水性付与などの目的で用いられる内添サイズ剤を使用することもできる。内添サイズ剤の具体例としては、ロジンサイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、スチレン系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマーなどが挙げられる。
親水層2の形成方法も、特に限定されるものではなく、親水剤処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、グロー放電処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、γ線照射処理、フォトン処理、フレーム処理、フッ素ガス処理、グラフト処理、スルホン化処理など、公知の親水化技術を適用することができる。親水層2を形成する際に使用する親水剤としては、陰イオン性界面活性剤、カルボン酸塩、アシル化加水分解タンパク質、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、ポリアルキレノキシドブロック共重合物、陽イオン性界面活性剤、第四級アンモニウム塩、両性界面活性剤、イミダゾリニウム誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、繊維に適用可能な種々の親水剤を用いることができる。
また、界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、高級アルコールプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩及び高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤などのカチオン系界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
本実施形態の不織布基材は、水の接触角が125°以上の撥水層と、水の接触角が120°以下の親水層とを備え、少なくとも一の面は最外層が親水層となっているため、撥水層により水系塗液の裏抜けを抑制し、親水層により水系塗液の塗工性を向上させることができる。これにより、水系塗液が裏抜けしにくく、かつ、水系塗液の塗工性に優れた不織布基材を実現できる。
この不織布基材は、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池用セパレータに好適であり、本実施形態の不織布基材を用いて電池用セパレータを製造する際は、親水層上に水系塗液を塗工して絶縁層を形成する。前述したように、本実施形態の不織布基材は、水系塗液が裏抜けしにくく、かつ、水系塗液の塗工性に優れているため、従来の不織布基材に比べて、塗液はじき、ピンホール、ストリーク及びスクラッチなどの塗工不良に起因する絶縁層の欠陥を低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る不織布基材について説明する。本実施形態の不織布基材は、水の接触角が125°以上の撥水層と、水の接触角が120°以下の親水層との間に、水の接触角が撥水層よりも小さくかつ親水層よりも大きい層(以下、中間層という。)が設けられている。なお、本実施形態の不織布基材は、中間層以外の構成は、前述した第1の実施形態の不織布基材と同様であるため、第1の実施形態と共通する部分については詳細な説明を省略する。
[全体構成]
図4〜8は本実施形態の不織布基材の構成例を模式的に示す断面図である。本実施形態の不織布基材では、中間層3は、撥水層1と親水層2の間に設けられていてもよく、また、2つの撥水層1の間に設けられていてもよい。又は、一の面の最外層が親水層2であり、他の面の最外層が中間層3となっていてもよい。具体的には、図4に示す不織布基材12のように、中間層3の一方の面に、撥水層1と親水層2とがこの順に積層された構成とすることができる。この場合、一の面は最外層が親水層2となり、他の面は最外層が中間層3となる。
また、図5に示す不織布基材13のように、中間層3の両面に撥水層1を形成し、その一方の撥水層1上に親水層2が積層された構成としてもよい。この場合、一の面は最外層が親水層2となり、他の面は最外層が撥水層1となる。図6に示す不織布基材14のように、中間層3の両面に撥水層1を形成し、その両方に親水層2を積層して、一の面及び他の面のいずれも最外層が親水層2である構成にすることもできる。
また、図7に示す不織布基材15のように、中間層3の一方の面に親水層2を形成し、他方の面に撥水層1を形成し、撥水層1と親水層2の間に中間層3を設けた構成としてもよい。この場合、一の面は最外層が親水層2となり、他の面は最外層が撥水層1となる。更に、図7に示す不織布基材15の撥水層1の上に更に親水層2を形成すると、図8に示す不織布基材16のように、一の面及び他の面のいずれも最外層が親水層2である構成にすることができる。
[中間層3]
中間層3は、撥水処理や親水処理が施されていない未処理の層であり、水の接触角は例えば115〜125°程度であるが、この範囲に限定されるものではなく、中間層3における水の接触角は撥水層1よりも小さくかつ親水層2よりも大きければよい。なお、中間層3の水の接触角は、原料繊維の材質、製造方法、製造過程において使用される各種添加剤などにより変動する。
[製造方法]
本実施形態の不織布基材は、親水処理や撥水処理を施していない原料繊維を用いて不織布原反を形成し、その一部に撥水処理や親水処理を施すことで製造することができる。また、撥水処理を施した原料繊維を用いて撥水層1を形成し、親水処理を施した原料繊維を用いて親水層2を形成し、未処理の原料繊維で中間層3を形成して、これらを熱圧着などにより一体化して不織布基材としてもよい。
例えば、未処理の不織布原反に撥水処理や親水処理を施して製造する場合、先ず、不織布原反の一方の面に撥水処理を施し、その後、撥水処理された部分の表層部分を親水処理すると、図4に示す不織布基材12が得られる。また、不織布原反の両面を撥水処理した後、その一方の表層部分を親水処理すると、図5に示す不織布基材13が得られ、両方の表層部分を親水処理すると、図6に示す不織布基材14が得られる。
一方、不織布原反の一方の面を撥水処理し、他方の面を親水処理すると図7に示す不織布基材15が得られ、更に、その撥水処理された部分の表層部分を親水処理すると、図8に示す不織布基材16が得られる。なお、撥水処理及び親水処理については、前述した第1の実施形態と同様の方法で行うことができる。
本実施形態の不織布基材のように、水の接触角が撥水層よりも小さくかつ親水層よりも大きい中間層が設けられていても、撥水層により水系塗液の裏抜けを抑制し、親水層により水系塗液の塗工性を向上させることができる。即ち、不織布基材の全てが撥水処理又は親水処理されておらず、その一部に未処理の部分が残っていても、裏抜けの抑制及び塗工性向上の効果は得られる。
加えて、本実施形態の不織布基材は、撥水処理も親水処理も施されていない未処理の部分(中間層)があるため、各処理に要するコストを低減することができる。その結果、絶縁層を形成する際に水系塗液が裏抜けしにくく、かつ、塗工不良に起因する絶縁層の欠陥を低減できる不織布基材を、低コストで製造することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電池用セパレータについて説明する。図9は本実施形態の電池用セパレータの構成例を模式的に示す断面図である。図9に示すように、本実施形態の電池用セパレータ(以下、単にセパレータともいう。)30は、前述した第1又は第2の実施形態の不織布基材10〜16の親水層2上に、少なくとも1種の無機粒子を含む絶縁層20が設けられている。
なお、図9に示すセパレータ30では、不織布基材の片面にのみ絶縁層20が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図2に示す不織布基材11、図6に示す不織布基材14及び図8に示す不織布基材16のように両面に親水層2が形成されているものを用いた場合は、不織布基材の両面に絶縁層20が設けられていてもよい。
[セパレータ30]
本実施形態のセパレータ30は、JIS P8117に規定されるガーレー試験機法により測定した透気抵抗度が100秒/100ml以下であり、最大孔径が1.0μm以下であることが好ましい。これにより、電池レート特性の低下や内部短絡の発生を抑制することができる。なお、セパレータ30の最大孔径が1.0μmを超えると、デンドライトがセパレータ30を貫通して内部短絡が発生することがある。
[不織布基材]
不織布基材の厚さは、特に限定されるものではなく、電池の種類や性能、大きさなどに応じて適宜設定することができるが、内部短絡防止及び電池容量向上の観点から、5〜200μmとすることが好ましい。不織布基材の厚さが5μm未満の場合電極間の絶縁が十分に確保できない場合があり、また、不織布基材の厚さが200μmを超えると、限られた電池容積の中でセパレータ30が占める割合が高くなるため、電池容量の低下を招く。
[絶縁層20]
絶縁層20に含有される無機粒子は、絶縁性を有するものであればよく、ベーマイト粒子、アルミナ粒子及びシリカ粒子などの一般的な無機粒子を使用することができる。ただし、電解液がフッ素系の物を含む場合は、シリカ粒子を用いるとフッ化水素が発生して絶縁層が浸食される虞があるため、ベーマイト粒子又はアルミナ粒子を用いることが好ましい。
無機粒子の大きさは、特に限定されるものではないが、セパレータ30の最大孔径を1.0μm以下にする場合は、光散乱法により測定した重量平均粒子径が2.0μm以下の無機粒子を使用することが好ましい。なお、セパレータ30の最大孔径及び平均粒子径は、市販の測定装置(ゼータ電位・粒径測定システムなど)を用いて測定することができる。無機粒子の形状も同様に、特に限定されるものではなく、略球状、ラグビーボール状、キューブ状などの粒状のものの他、鱗片状や針状、板状など、種々の形状のものを使用することができる。
絶縁層20の厚さも特に限定されるものではなく、電池の種類や性能、大きさなどに応じて適宜設定することができるが、絶縁層20が厚くなると透気抵抗度が低下し、また絶縁層20が薄くなると、デンドライトによる短絡が発生しやくなる。そこで、透気抵抗度の向上及び内部短絡の発生防止の観点から、絶縁層20の厚さは、2〜20μmとすることが好ましく、4〜8μmとすることがより好ましい。
なお、絶縁層20は、不織布基材の表面上に無機粒子がバインダー樹脂などを介して積層された状態で形成されていてもよく、また、不織布基材の一部に無機粒子が入り込んだ状態で形成されていてもよい。不織布基材1の一部に無機粒子が入り込んだ状態の場合、絶縁層20の厚さは、無機粒子が存在している範囲を指す。
本実施形態のセパレータは、水系塗液が裏抜けしにくく、かつ、水系塗液の塗工性に優れた不織布基材を用いているため、従来に比べて、塗工不良に起因する絶縁層の欠陥を低減することができる。本実施形態のセパレータは、種々の電池に適用可能であるが、特に、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池に好適である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。
(第1実施例)
先ず、本発明の第1実施例として、以下に示す方法で実施例及び比較例の不織布基材を作製し、その性能を評価した。
(1)原反の作製
原料繊維に、低融点成分であるポリエチレン(PE)からなる鞘部と、高融点成分であるポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)からなる芯部とで構成される鞘芯構造又は偏芯型鞘芯構造の複合繊維、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)とで構成されるサイドバイサイド型の複合繊維、及びポリプロピレン(PP)からなる単一繊維を用いて、下記表1に示す配合で、不織布基材用の原反A〜Jを作製した。
Figure 0006689585
具体的には、先ず、各原料繊維を長さ5mmに切断して短繊維とし、それを、粘度調整剤を加えた水15L中に均一に分散させて、分散液を調製した。次に、この分散液を、縦250mm、横200mmの寸法のメッシュ上に抄紙し、湿ったウエブを作製した。得られた湿ったウエブは、ゴム製の2枚の加熱板間に挟み、汎用の加熱加圧機を用いて、温度140℃、圧力0.049MPaの条件で1分間プレスして乾燥した。これにより、短繊維(原料繊維)の低融点成分が溶融して各短繊維間が接合し、不織布基材用の原反A〜Jを得た。
(2)評価用試料の作製
次に、原反A〜Jを用いて、以下に示す方法でNo.1〜18の不織布基材を作製した。なお、以下に示すNo.1〜15の不織布基材は本発明の実施例であり、No.16〜18の不織布基材は本発明の比較例である。
<No.1>
前述した方法で作製した原反Aを、ゴム製の2枚の加熱板間に挟み、汎用の加熱加圧機を用いて、更に、温度120℃、圧力20MPaの条件で5分間プレスすることにより表面を平坦化した。引き続き、表面を平坦化した原反Aに、撥水剤i(3M社製 スコッチ・ガードSG−H300)をスプレー塗工して、撥水剤を原反全体に浸透させた。その後、原反Aを80℃で10分乾燥させて、全体が撥水処理された不織布を得た。この段階で、不織布表面の水の接触角は132°であった。
次いで、撥水処理された不織布(撥水層)の一方の面を、コロナ表面処理装置により出力:0.10kW、スピード:3.0m/分、パス数:1の条件で親水処理し、図1に示す構造の不織布基材No.1を作製した。なお、親水処理した部分(親水層)の水の接触角は112°であった。
<No.2>
原反Bを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.2の不織布基材を作製した。
<No.3>
原反Cを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.3の不織布基材を作製した。
<No.4>
原反Dを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.4の不織布基材を作製した。
<No.5>
原反Eを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.5の不織布基材を作製した。
<No.6>
原反Fを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.6の不織布基材を作製した。
<No.7>
原反Gを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.7の不織布基材を作製した。
<No.8>
原反Hを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.8の不織布基材を作製した。
<No.9>
原反Iを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.9の不織布基材を作製した。
<No.10>
原反Jを使用した以外は、前述したNo.1と同様の方法及び条件で、No.10の不織布基材を作製した。
<No.11>
両面に親水処理した以外は、前述したNo.2と同様の方法及び条件で、No.11の不織布基材を作製した。
<No.12>
原反Bの一方の面全体を、撥水剤が他方の面まで浸透しないようスプレー塗工した後乾燥させて、所定厚さまで撥水処理し、その撥水処理した部分(撥水層)の表層部分を親水処理した以外は、前述したNo.2と同様の方法及び条件で、図3に示す構造の不織布基材No.12を作製した。
<No.13>
撥水剤ii(McNETT(マクネット)社製 ReviveX シンセティックファブリッククリーナー 1824518)を用いて撥水処理した以外は、前述したNo.2と同様の方法及び条件で、No.13の不織布基材を作製した。
<No.14>
所定厚さまで撥水処理した不織布の両面を親水処理した以外は、前述したNo.12と同様の方法及び条件で、図8に示す構造の不織布基材No.14を作製した。
<No.15>
所定厚さまで撥水処理した不織布の撥水処理していない面を親水処理した以外は、前述したNo.12と同様の方法及び条件で、図7に示す構造の不織布基材No.15を作製した。
<No.16>
原反Bを、ゴム製の2枚の加熱板間に挟み、汎用の加熱加圧機を用いて、更に、温度120℃、圧力20MPaの条件で5分間プレスすることにより表面を平坦化し、No.16の不織布基材を作製した。
<No.17>
原反Bを、ゴム製の2枚の加熱板間に挟み、汎用の加熱加圧機を用いて、更に、温度120℃、圧力20MPaの条件で5分間プレスすることにより表面を平坦化した。引き続き、表面を平坦化した原反Bに、撥水剤i(3M社製 スコッチ・ガードSG−H300)をスプレー塗工して、撥水剤を原反全体に浸透させた。その後、原反Aを80℃で10分乾燥させて、全体が撥水処理されたNo.17の不織布基材を作製した。この不織布基材の水の接触角は134°であった。
<No.18>
原反Eを使用した以外は、前述したNo.17と同様の方法及び条件で、No.18の不織布基材を作製した。
(3)評価
次に、前述した方法で作製したNo.1〜18の不織布基材を、以下に示す方法で評価した。
[目付]
JIS P8124に規定されている方法で、各基材の目付を5点で測定した。そして、その平均値を算出して、各基材の目付とした。
[厚さ]
マイクロメータを用いて任意の3点の厚さを測定し、その平均値を各基材の厚さとした。
[密度]
JIS P8124に規定されている方法で測定した目付を、それぞれの厚さで除した値を各基材の密度とした。
[透気抵抗度]
各基材の透気抵抗度は、JIS P8117に準拠する透気抵抗度試験機を用いて測定した。その際、各基材を透気抵抗度試験機の試験台に設置し、各基材に対して円筒部材によりその質量である567gの荷重を加え、各基材の円筒内に位置する領域(直径28.6mm、面積645mm)を100mlの空気が通過するのに要する時間を3点で測定し、その平均値を算出した。
[裏抜け]
裏抜け防止性能は、水性塗液の代わりに水を用いて評価した。先ず、各基材から縦横各50mmの試験片を切り出し、この試験片を試験台に置き、試料片表面からビュレットの先端(直径2mmの円形状)までが10mmの高さになるように調整した。その際、No.1〜15の不織布基材については、親水層が上(ビュレット側)になるように試料台に載置した。
次に、ビュレットから水を1滴滴下し、水滴が試験片の表面に達したときから、水滴が試験片の裏面に裏抜けするまでの時間をストップウォッチで1秒単位まで測定した。この方法により、1つの試験片につき3点で水の裏抜け時間を測定し、その平均値を算出した。
そして、算出した平均値により次の3段階に分類し、各基材の裏抜け防止性能を評価した。
○(良):裏抜けするまでの時間が30秒以上である。
△(可):裏抜けするまでの時間が10秒以上30秒未満である。
×(不可):裏抜けするまでの時間が10秒未満である。
[水の接触角]
水接触角の評価では、各基材から縦横各50mmの試験片を切り出し、その表面に純水を滴下し、市販の接触角測機を用いて、θ/2法により、常温下で滴下5秒後の平衡接触角を測定した。その際、No.1〜15の不織布基材については、撥水層及び親水層のそれぞれについて水の接触角を測定した。この方法により、1つの試験片又は1つの層につき5点で水の接触角を測定し、その平均値を算出した。
[塗工性]
塗工性は、各基材に水系塗液を塗工し、形成された塗工層(絶縁層)の状態により評価した。具体的には、各基材から縦横各50mmの試験片を切り出し、その表面にワイヤーバーを用いたバーコート法により、酸化物無機粒子及びバインダーを含んだ水系塗液を塗工した。その際、No.1〜15の不織布基材については、親水層上に水系塗液を塗工した。
そして、各基材に形成された塗工層を次の3段階に分類し、水系塗液の塗工性を評価した。なお、「ストリーク」や「スクラッチ」は、塗工時に生じる筋状の傷を示し、塗工層(絶縁層)の表面に発生する筋状の欠陥である。本実施例では、幅が3mmを超えるものをストリーク、幅が3mm以下のものをスクラッチとして区別した。
○(良):水系塗液の弾きが無く、均一である。
△(可):水系塗液の弾きは無いが、ストリークやスクラッチなどがある。
×(不可):水系塗液の弾きがある。
以上の結果を、下記表2にまとめて示す。
Figure 0006689585
上記表2に示すように、本発明の比較例であり撥水層及び親水層を備えていないNo.16の不織布基材は、裏抜けしやすく、塗工性にも劣っていた。また、撥水層のみ備え、親水層が設けられていないNo.17及びNo.18の不織布基材は、裏抜けは抑制されたが、塗工性に問題があった。これに対して、本発明の実施例であるNo.1〜15の不織布基材は、いずれも裏抜けが抑制され、塗工性も良好であった。
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例として、以下に示す方法で実施例及び比較例の電池用セパレータを作製し、その性能を評価した。
(1)試料の作製
本実施例では、前述した第1実施例で作製した不織布基材の一方の面上に、無機粒子を含む絶縁層を形成し、積層構造の電池用セパレータNo.19〜21を作製した。
<No.19>
水59.75質量部に対して、無機粒子としてベーマイト(アルミナ一水和物)粒子(平均粒子径1.0μm)31.5質量部を分散した。この分散液に、バインダーとしてシリコーンアクリル樹脂8.75質量部を添加し、撹拌・混合することにより、固形分濃度が35質量%の塗工液を得た。
次に、No.4の不織布基材の親水層表面に、No.8のワイヤーバー(松尾産業株式会社製)を用いて、塗工液を塗布した。これを、100℃の温度条件下で、2分間乾燥させて絶縁層を形成し、No.19のセパレータを得た。このNo.19のセパレータの絶縁層の厚さは4μmであった。
<No.20>
No.12のワイヤーバー(松尾産業株式会社製)を用いた以外は、前述したNo.19と同様の方法及び条件で、No.20のセパレータを作製した。このNo.20のセパレータの絶縁層の厚さは7μmであった。
<No.21>
No.16のワイヤーバー(松尾産業株式会社製)を用いた以外は、前述したNo.19と同様の方法及び条件で、No.21のセパレータを作製した。このNo.21のセパレータの絶縁層の厚さは10μmであった。
(2)評価
次に、前述した方法で絶縁層を形成した得たNo.19〜21のセパレータについて、以下に示す方法で評価した。なお、各セパレータの目付、厚さ、透気抵抗度については、前述した第1実施例と同じ方法で測定した。
[最大孔径]
各セパレータの最大孔径は、カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製 孔径分布測定器 POROMETER 3G(登録商標)を用いて測定した。
[ピンホール]
No.19〜21の各セパレータについて、日本電子株式会社製 走査電子顕微鏡 JSM−6700Fを用いて、2000倍の倍率で、絶縁層表面を顕微鏡観察し、ピンホールの有無を確認した。ここでいう「ピンホール」とは、形成した塗膜にできた小さな穴(針孔)であり、最大孔径が3μm以上のものと定義する。このような穴は、形成した絶縁層の表面において絶縁層が欠落した空間であるため、樹枝状のリチウムによる内部短絡の原因となり、好ましくない。なお、目視で見える程度の穴は、塗液のはじきと定義した。
以上の結果を下記表3にまとめて示す。
Figure 0006689585
上記表3に示すように、本発明の実施例の不織布基材を使用したNo.19〜21のセパレータは、いずれも絶縁層表面にピンホールは発見されず、塗工不良に起因する絶縁層の欠陥が低減されていることが確認された。
以上の結果から、本発明の不織布基材は、水系塗液が裏抜けしにくく、かつ、水系塗液の塗工性に優れており、この不織布基材を用いることで、塗工不良に起因する絶縁層の欠陥を低減した電池用セパレータが得られることが確認された。
1 撥水層
2 親水層
3 中間層
4 低融点成分
5 高融点成分
10〜16 不織布基材
20 絶縁層
30 セパレータ

Claims (10)

  1. 電池用セパレータに用いられる不織布基材であって、
    水の接触角が125°以上である第1の層と、
    水の接触角が120°以下である第2の層と、
    水の接触角が前記第1の層よりも小さくかつ前記第2の層よりも大きい第3の層と、
    を備え、
    少なくとも一の面は最外層が前記第2の層である不織布基材。
  2. 前記第1の層の上に前記第2の層が積層されている請求項1に記載の不織布基材。
  3. 前記第3の層は、前記第1の層と前記第2の層との間に設けられている請求項1又は2に記載の不織布基材。
  4. 他の面の最外層が前記第1の層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布基材。
  5. 前記第1の層は水の接触角が125〜140°である請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布基材。
  6. 前記第2の層は水の接触角が90〜120°である請求項1〜5のいずれか1項に記載の不織布基材。
  7. 原料繊維のうち少なくとも1種は、ポリオレフィン系樹脂からなる低融点成分と前記低融点成分よりも融点が20℃以上高い熱可塑性樹脂からなる高融点成分とで形成された複合繊維である請求項1〜6のいずれか1項に記載の不織布基材。
  8. 前記高融点成分を構成する熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン及びポリエステルのいずれか一方又は両方を含む請求項7に記載の不織布基材。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の不織布基材と、
    前記不織布基材の前記第2の層上に設けられ、少なくとも1種の無機粒子を含む絶縁層と、
    を有する電池用セパレータ。
  10. JIS P 8117に規定されるガーレー試験機法により測定した透気抵抗度が100秒/100ml以下で、最大孔径が1.0μm以下である請求項9に記載の電池用セパレータ。
JP2015168440A 2015-08-28 2015-08-28 不織布基材及び電池用セパレータ Active JP6689585B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015168440A JP6689585B2 (ja) 2015-08-28 2015-08-28 不織布基材及び電池用セパレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015168440A JP6689585B2 (ja) 2015-08-28 2015-08-28 不織布基材及び電池用セパレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017045663A JP2017045663A (ja) 2017-03-02
JP6689585B2 true JP6689585B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=58211589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015168440A Active JP6689585B2 (ja) 2015-08-28 2015-08-28 不織布基材及び電池用セパレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6689585B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6892358B2 (ja) * 2017-03-21 2021-06-23 株式会社東芝 二次電池、電池パック及び車両
KR20200081442A (ko) * 2017-10-30 2020-07-07 알케마 인코포레이티드 리튬 이온 배터리 분리막
JP7156819B2 (ja) * 2018-05-18 2022-10-19 三菱製紙株式会社 リチウムイオン電池セパレータ用基材及びリチウムイオン電池セパレータ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000113871A (ja) * 1998-10-06 2000-04-21 Toshiba Battery Co Ltd アルカリ二次電池
JP5213158B2 (ja) * 2007-09-25 2013-06-19 日立マクセル株式会社 多層多孔質膜の製造方法、リチウムイオン電池用セパレータおよびリチウムイオン電池
CN103687675B (zh) * 2011-07-28 2015-11-25 住友化学株式会社 层叠多孔质薄膜的制造方法
JP2013065471A (ja) * 2011-09-16 2013-04-11 Nissan Motor Co Ltd 電極およびこれを用いた電気デバイス
JP6249589B2 (ja) * 2011-11-11 2017-12-20 宇部興産株式会社 電池用セパレータ
JP5837437B2 (ja) * 2012-02-07 2015-12-24 帝人株式会社 非水系二次電池用セパレータおよび非水系二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017045663A (ja) 2017-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102130432B1 (ko) 납축전지용 부직포 세퍼레이터 및 이것을 이용한 납축전지
JP4850794B2 (ja) アルカリ電池セパレータ用不織布
JP6689585B2 (ja) 不織布基材及び電池用セパレータ
JP2010529637A (ja) 恒久的に湿潤性の細繊維セパレータを有する電池
KR100702400B1 (ko) 유기 전해액 전지용 세퍼레이터와 그 제조 방법 및 이것을포함하는 유기 전해액 전지
JP2018006258A (ja) 鉛蓄電池用セパレータ、及びこれを用いた鉛蓄電池
CN113725556B (zh) 无纺布以及电池隔膜
JP3678680B2 (ja) 電池用セパレータ
JPWO2020100654A1 (ja) 不織布及び電気化学素子用セパレータ
JP6768471B2 (ja) アルカリ電池用セパレータ
JP4229815B2 (ja) 繊維シートの製造方法
JP2004335159A (ja) 電池用セパレータ及び電池
JP2019192484A (ja) アルカリ電池用セパレータ
JP6959280B2 (ja) 洗浄用部材及びその製造方法
KR100533124B1 (ko) 전지 세퍼레이터와 그 제조방법 및 전지
JP2023009501A (ja) アルカリ電池用セパレータ
WO2011096502A1 (ja) 電池用セパレータ
JP2014102891A (ja) 電池用セパレータ
JP7360877B2 (ja) 鉛蓄電池用セパレータ、および鉛蓄電池
JP2005317217A (ja) 有機電解液電池用セパレータ及びその製造方法
JP2024510620A (ja) 耐高温性を有するコーティングされた不織布リチウムイオン電池セパレータ
DE112021003743T5 (de) Vliesstoff-Separator
JP4585791B2 (ja) 有機電解液電池用セパレータ
JP2014026721A (ja) 電池用セパレータ
JP4620968B2 (ja) 有機電解液電池用セパレータ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180625

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190924

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6689585

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250