JP6688028B2 - 地下茎作物収穫機の茎葉引起し装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の「根菜収穫機の前処理装置」には、「圃場に植えられた根菜を、その茎葉を挟持して引き抜く引抜装置を引抜きフレームに備えた根菜収穫機の前処理装置であって、複数の突起を左右方向の軸心回りで回転移動させて地中にある根菜の茎葉を引起こす縦回し式引起し機構と、複数の突起を前後方向の軸心回りで回転移動させて地中にある根菜の茎葉を引起こす横回し式引起し機構とで構成する引起し装置を備え、この引起し装置を前記引抜きフレームに対して上下動可能に連結するリンク機構と引起し装置を前記引抜きフレームに対して上下調節する上下調節機構とを備えてある根菜収穫機の前処理装置。」他の記載がある(特許文献1[特許請求の範囲 請求項1])。また、図4の図示がある。
特許文献2記載の「根菜類収穫機の葉茎引上げ構造」は、「マ玉ねぎ本体Waがガイド棒81によって上方に案内されて挟持引上げ搬送装置12の上に乗り上がり、そのまま後上方に搬送され」ものではあるが([0064])、「支持案内具57に対する目印58の変位に基づいて、手元ハンドル8を回転操作して遊転前輪3に対する収穫機構Bの高さ位置を変更することで、各葉茎引上げ装置10の係止爪23をマルチシートFに対する適正高さ位置に容易に位置させる」ものであって([0071])、手動によることなく、根菜類収穫機の作動に伴う倒れた茎葉を引き起こす作業は行わない。
特許文献3記載の「地下茎作物の収穫装置」は、倒れた茎葉を引き起こす作業は行わない。
特許文献4記載の「地下茎作物の収穫装置」は、「作業中の栽培畝上面から引抜きコンベアの先端部までの高さの状態が容易にオペレータに視認できる地下茎作物の収穫装置を提供する」を目的とするが([0007])、倒れた茎葉を引き起こす作業は行わない。
従来は、スイングする茎葉引起し装置は無かった。
後方上がり傾斜に、左右一対対向させ当接して設け、対向部に圃場に植栽された地下茎作物の茎葉を挟持して引き抜き、後方に移動させることにより地下茎作物を引き抜く引き抜きコンベアを備えた地下茎作物収穫機であって、
引き抜きコンベアの前端部の上方部及び下方部にそれぞれ設けた進行方向と交差する方向の回転軸と、それぞれの回転軸間に架け渡し、回転軸回りに回転して地下茎作物の茎葉を引き起こす引起し手段とを有し、
上方部回転軸回りに下方部を回動自在に設け、下方側の回動端側は、圃場の凹凸に追従して上下に回動する茎葉引起し装置を備え、
引き抜きコンベアの前方側左右には、マルチフイルムを押えるサイドマルチフイルム押さえが引き抜きコンベアの前端に合わせて前端が位置するように設けてあるとともに、
茎葉引起し装置は、茎葉を引き起こす引起し手段を収納するケースを備え、
ケースの一端に、引き抜きコンベアのフレーム側に当接する当接部を設けたストッパ部を有し、
ストッパ部は、ケースの作動を抑制して茎葉引起し装置全体の必要以上の作動を規制する。
茎葉引起し装置の下方側の回動端側は、圃場面に接して圃場面の凹凸に沿ってトレースするガイド部材を備え、茎葉引起し装置の下方への回動が一定の位置で規制される。
左右方向に複数設けた茎葉引起し装置は、それぞれ独立して圃場面の凹凸に追従して上下に回動する。
1は、トラクタなどの走行装置である。Aは本発明の地下茎作物収穫機であり、地下茎作物収穫機Aは、図1に図示されるように、トラクタなどの走行装置1に装着される。地下茎作物収穫機Aは、引き抜きコンベア3を備える。引き抜きコンベア3は、後方上がり傾斜に設けた引き抜きベルト30を左右一対対向させ当接して設ける。
地下茎作物収穫機Aは、図6に図示されるように地下茎作物Cが栽培されている畝Rの両側の2つの畝R間の地面Gを、図1に図示されるそり状のシュー75によって走行し進行する。
走行しながら、走行方向と直角方向に設けられる根切り部2によって畝Rの土中に栽培されているニンニク等の地下茎作物Cの球根部Bを掘り起こす。同時に、複数列、この実施例では4列の引き抜きコンベア3によって引き抜きベルト30の対向部に、圃場に植栽された地下茎作物(根菜)Cの茎葉部Lを挟持して、後方に移動させることにより地下茎作物Cを引き抜き、後方に搬送して、ニンニク等の地下茎作物Cを収穫する。
Dは、茎葉引起し装置である。
以下、実施例につき、更に詳細に説明する。
機枠7前方部のマストフレーム77およびロアリンクピン72は、トラクタ1の3点リンクに連結するためのものであり、マストフレーム77前方端をトップリンクピン73でトラクタ1のトップリンク10に、ロアリンクピン72はトラクタ1のロアリンク11に連結される。
71は入力軸である。入力軸71は、トラクタなどの走行装置1に設けられるトラクタPTO軸(図示せず)と、図8に図示されるユニバーサルジョイント12にて連結され、入力ケース70に動力が伝動される。ロアリンクピン72は、機枠7に対して進行方向と直行する左右方向にスライド可能に設けてあり、機枠7とロアリンクピン72とにそれぞれ端部を連結したシリンダ74の伸縮により、トラクタ1に装着した状態で、機枠7を左右に移動させることができる。すなわち機枠7に固定された引き抜きコンベア3を左右に移動可能である。
根切刃20は引き抜きコンベア3前方端下方部に位置し、進行方向と直行する方向に掛け渡され、地下茎作物Cの下方部を通過して根を切断するとともに、土壌を膨軟にして作物を浮き上がらせ抜き取りやすくする。
それぞれの引き抜きコンベア3の中間位置の下方に、球根部Bの根の土落としを行う土落し部33を設ける。土落し部33は、進行方向と直交する水平回転軸にギヤ状の板状体であるスターホイール330を軸方向に複数設け回転させることで、球根部Bの根の土落し作業を行う。
51は、回動支点である。回動支点51は、バケット50上方に設けた、地下茎作物収穫機Aの進行方向と直行する水平軸からなる。
球根収容部5は、収容部であるバケット50がバケット50上方に設けた、回動支点51を中心として後方に回動可能である。バケット50が回動することにより、バケット50前方側からバケット50内に収容された球根Bをまとめて排出することができる。
1列の茎葉部排出コンベア6は、互いのベルト面を垂直方向に位置させてほぼ接して相対させてなる2つの茎葉排出ベルト60からなる。茎葉部排出コンベア6は、前端側を引き抜きコンベア3の後方駆動軸34に固着させた駆動プーリ62と、その後方に位置する従動プーリ63とに、それぞれ茎葉排出ベルト60を巻架させてなる。
茎葉部排出コンベア6の後端部は、走行方向左右方向に斜めに回動させ固定して位置される。各茎葉部排出コンベア6の終端部は引き抜きコンベア3の終端部から更に後方に延設されており、茎葉部の排出シュート61の上方に位置している。
切断部4によって切断され分離された地下茎作物Cの茎葉部Lは、引き抜きコンベア3の後方端上方に位置する茎葉部排出コンベア6に挟持されて、より後方に搬送され、茎葉部排出シュート61に落下し、排出された茎葉Lを左右の畝Rと畝Rの間の畝R間に誘導して落下させ、圃場に散布する。
畝R上のマルチフイルム上には茎葉Lが落下しないため、後工程のマルチフイルムの回収作業を効率よく行うことができる。
作業時は、地下茎作物Cの引き抜きにより浮き上がったマルチフイルムをローラ90で押さえ込むとともに、進行方向に回転駆動することにより、上方の引き抜きコンベア3側から引き離すように後方に送り出す。
図1、図3等に図示されるように、機枠7側から左右下方に延設したシューフレームが設けられ、下端にはシュー75が圃場面に平行に接するように角度調整可能に配設されている。シュー75は作物抜取位置を安定させるためのもので、作物植付畝間溝部位置の左右に配置されている。
図6において、801は電動モータ、802は出力プーリ、804は入力プーリ、803はVベルトである。電動モータ801の駆動力は、出力プーリ802、Vベルト803を介して入力プーリ804を駆動する。
図6、図7において、81は駆動軸、82は従動軸である。駆動軸81及び従動軸82は水平軸からなる回転軸である。駆動軸81は引き抜きコンベア3の前端部の上方部に、従動軸82は下方部に、それぞれ進行方向と交差方向、この実施例では直交する方向の水平軸として設けられる。駆動軸81には、入力プーリ804が取り付けられ、電動モータ801の駆動力により駆動軸81は、駆動される。
駆動軸81には駆動軸プーリ811が、従動軸82には、従動軸プーリ821がそれぞれ取り付けられる。812はベアリングである。
ガイド部材85は、茎葉引起し装置Dの下方側の回動端側に設けられ、圃場面の凹凸に沿ってトレースしてケース86を回動させる。引起し手段83の複数の突起831は、圃場G面に接して圃場面の凹凸に沿ってトレースし、茎葉を引き起こす。ストッパ部84によって、茎葉引起し装置Dの下方への回動が一定の位置で規制される。ケース86は、引起し手段83を収納する。ストッパ84部は、図4、図5に図示されるように、ケース86の一端が引き抜きコンベア3のフレーム側に当接する当接部を設け、ケース86の作動を抑制することで、茎葉引起し装置D全体の必要以上の作動を規制する。
茎葉引起し装置Dの進行方向と直交する方向の上方部水平軸である駆動軸81回りに、下方部である従動軸82は回動自在となり、従動軸82側即ち下端は、自由端を構成している。そのため、下方側従動軸82の回動端側は、圃場の凹凸に追従して上下に回動する。
左右方向に複数設けられた茎葉引起し装置Dは、それぞれ独立して圃場面の凹凸に追従して上下に回動する。
スプロケットは2列になっていて、一方が土落し部33の駆動用として使用され、他方が引き抜きコンベア3及び茎葉部排出コンベア6の駆動用として使用される。土落し部33の駆動は、2箇所のチェーンケースを経由して減速され、土落し部33のスターホイール330を回転させる。引き抜きコンベア3及び茎葉部排出コンベア6の駆動は、チェーンケースを2つ連結して後方に延出させ、内装のスプロケットで減速して、チェーンケース後端のベベルケースに伝達される。
茎葉引起し装置Dは、図6において、電動モータ801の駆動力は、出力プーリ802、Vベルト803を介して入力プーリ804を駆動し、駆動軸81は、駆動される。
引起し手段83は、それぞれの回転軸である駆動軸81、従動軸82間の駆動軸プーリ811及び従動軸プーリ821間に架け渡され、各回転軸回りに回転して地下茎作物の茎葉Lを引き起こす。
左右方向に複数設けられた茎葉引起し装置Dは、先端は自由端であるため、それぞれ独立して圃場面の凹凸に追従して上下に回動する。
引起し手段83は、自由端である下端では、下側から上側に回転して、倒伏して圃場面に倒れ込んだ地下茎作物Cの茎葉Lの下側に、引起し手段83の表面に突設される複数の突起831が入り込み地下茎作物Cの茎葉Lを引き起こして、引き抜きベルト30は、引き抜き、コンベア30に確実に挟持させて引き抜くことができる。
茎葉引起し装置Dは、一組の引き抜きコンベア3の両側に位置するように設置されているため、一組の引き抜きベルト30の中央に、地下茎作物Cの茎葉Lを持ち上げることになる。
茎葉引起し装置D自体は、上下に回動して圃場面の凹凸に自動的に追従して引起すため引起しロスが少なくなる。
茎葉引起し装置Dには、スプリングを取り付けて、地面に自由端である先端を押し付けてもよい。但し、先端を強く抑えれば良いものでもなく、あまり押し付け過ぎると、地面に先端がめり込む可能性がある。
ガイド部材85は、摺動部材によらず、転輪等からなってもよい。
切断部4によって切断され分離された地下茎作物Cの茎葉部Lは、引き抜きコンベア3の上方に位置する茎葉部排出コンベア6に挟持されて、より後方に搬送され、茎葉部排出コンベア6の後端部から下方に落下して茎葉排出シュート61により案内され畝Rの左右部の畝R間Gへ落下する。
C 地下茎作物
L 茎葉
3 引き抜きコンベア
81 回転軸(駆動軸)
82 回転軸(従動軸)
83 引起し手段
Claims (3)
- 後方上がり傾斜に、左右一対対向させ当接して設け、対向部に圃場に植栽された地下茎作物の茎葉を挟持して引き抜き、後方に移動させることにより地下茎作物を引き抜く引き抜きコンベアを備えた地下茎作物収穫機であって、
引き抜きコンベアの前端部の上方部及び下方部にそれぞれ設けた進行方向と交差する方向の回転軸と、それぞれの回転軸間に架け渡し、回転軸回りに回転して地下茎作物の茎葉を引き起こす引起し手段とを有し、
上方部回転軸回りに下方部を回動自在に設け、下方側の回動端側は、圃場の凹凸に追従して上下に回動する茎葉引起し装置を備え、
引き抜きコンベアの前方側左右には、マルチフイルムを押えるサイドマルチフイルム押さえが設けてあるとともに、
茎葉引起し装置は、茎葉を引き起こす引起し手段を収納するケースを備え、
ケースの一端に、引き抜きコンベアのフレーム側に当接する当接部を設けたストッパ部を有し、
ストッパ部は、ケースの作動を抑制して茎葉引起し装置全体の必要以上の作動を規制する、
ことを特徴とする地下茎作物収穫機。 - 茎葉引起し装置の下方側の回動端側は、圃場面に接して圃場面の凹凸に沿ってトレースするガイド部材を備え、茎葉引起し装置の下方への回動が一定の位置で規制される、請求項1記載の地下茎作物収穫機。
- 左右方向に複数設けた茎葉引起し装置は、それぞれ独立して圃場面の凹凸に追従して上下に回動する、請求項1または2記載の地下茎作物収穫機。
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