JP6686278B2 - 検査装置、検査キット、転写媒体、検査装置の製造方法、及び検査方法 - Google Patents

検査装置、検査キット、転写媒体、検査装置の製造方法、及び検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、検体を流すための流路が形成された検査装置に関する。
従来、血液、DNA、食品あるいは飲料などの検体の検査を行う目的で、検体を流すための流路が形成された検査装置が用いられている。前記検査装置の例としては、検査液の受液部としてのサンプルパッド、サンプルパッドから供給された検査液を反応させるコンジュゲートパッド、前記コンジュゲートパッドから供給された検査液を流すメンブレン膜から構成されるものが開示されている(特許文献1参照)。前記コンジュゲートパッドは、色素などで抗体を標識した標識抗体を含んでおり、前記サンプルパッドから検査液が供給されると、検査液に含まれる抗原と標識抗体とを反応させて、メンブレン膜に供給する。一方、メンブレン膜の検出部には、抗原を捕捉するための抗体(捕捉抗体)が予め塗布されている。前記コンジュゲートパッドから供給された検査液に含まれる抗原は、標識抗体と結合した状態で、検出部において捕捉される。これにより検出部が呈色するので、呈色の程度を目視あるいは測定することで、検査液中の抗原の定性測定又は定量測定を行うことができる。
ところで、検査キットを簡易な体外診断などで用いる場合には、医師や患者などの負担を軽減するために、検査時間を短くすることが要望されている。そこで、前記特許文献1では、前記コンジュゲートパッドを構成する合成繊維の吸水速度を調整し、検査液の展開速度を上げることで検査時間を短縮することが開示されている。
しかしながら、従来の検査装置において、標識抗体や捕捉抗体などの試薬、標識用指示薬や検出用指示薬などの試薬は、流路部材内部の繊維などに固相化されていた。このため、検体の展開速度を向上させる目的で、流路部材の材質を任意に選択した場合には、標識抗体や標識用指示薬などの試薬と流路部材との相互作用が強くなり過ぎて、試薬を展開できなくなったり、捕捉抗体や検出用指示薬などの試薬と流路部材との相互作用が弱くなり過ぎて、捕捉した検体を固定化できなくなるという課題が生じる。
また、テストライン及びコントロールラインの形成は、親水性の多孔質材料からなる流路部材に、捕捉抗体が溶解した液を直接塗布することにより行うため、前記親水性の多孔質材料の内部に拡散して存在する。しかし、前記親水性の多孔質材料の内部に存在する捕捉抗体と結合した金コロイド粒子等の標識用粒子の発色は、光の散乱が起こるために実際には検知することができない。つまり、捕捉抗体の殆どが有効に利用されていないという大きな課題があった。
請求項1に係る発明は、検体を流すための流路が形成された多孔質の流路部材と、前記流路部材上の一又は複数個所に設けられた樹脂層と、を有しており、前記樹脂層における前記流路部材に対向する面には、前記検体と反応する試薬が固相化されている検査装置である。
本発明の検査装置によると、用いる試薬に応じて樹脂を選択し、樹脂層と試薬との相互作用の強さを調整できるようになるので、流路部材を目的に応じて任意に選択した場合でも、試薬の放出や固定化を制御しやすくなる。
図1は、本発明の一実施形態に係る検査装置の上面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る検査装置の断面図である。 図3は、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。 図4Aは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。 図4Bは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。 図5Aは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。 図5Bは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。 図6は、従来の検査装置におけるコンジュゲートパットの概念図である。 図7は、従来の検査装置におけるメンブレンの概念図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る転写媒体の断面図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る検査キットの概念図である。 図10Aは、実施例の検査装置の模式図である。 図10Bは、実施例の検査装置の模式図である。 図11Aは、比較例の検査装置の模式図である。 図11Bは、比較例の検査装置の模式図である。 図12Aは、実施例の検査装置の模式図である。 図12Bは、実施例の検査装置の模式図である。 図13Aは、比較例の検査装置の模式図である。 図13Bは、比較例の検査装置の模式図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
<<<実施形態の全体構成>>>
まず、図1乃至図5を用いて実施形態の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る検査装置の上面図である。図2は、図1の検査装置のA−A断面図である。図3は、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。図4A及び図4Bは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。図5A及び図5Bは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。
図1乃至図5の検査装置10は、血液、髄液、尿、あるいは検体抽出液(スティック等の検体採取手段により採取した検体を含む液)等のように親水性の検査液30(検体の一例)を流すための流路が形成された多孔質の流路部材12と、流路部材12上に設けられた樹脂層(15a,15b,15c)と、を有しており、樹脂層(15a,15b,15c)における流路部材12に対向する面には、検査液30に含まれる抗原と反応する標識抗体16、捕捉抗体17、又は捕捉抗体18(それぞれ試薬の一例)が固相化されている。これにより、樹脂層(15a,15b,15c)毎に、樹脂層(15a,15b,15c)と試薬との相互作用の強さを調整できるようになるので、流路部材12を目的に応じて任意に選択した場合でも、試薬の放出や固定化を制御しやすくなる。
なお、本実施形態では、検査装置10において、流路部材12は基材11上に設けられており、基材11及び流路部材12上には、吸収部材14が設けられている場合について説明するが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。本実施形態において、部材上に設けるとは、検査装置10を配置したときの向きとは関係なく、部材に接して設けることを意味している。また、樹脂層(15a,15b,15c)のうち、任意の樹脂層を示す場合には、樹脂層15と表す。なお、試薬は、共有結合、水素結合、金属結合などの任意の化学結合、付着、凝着、吸着、ファンデルワールス結合等の任意の相互作用により固相化されていればよい。
以後、検査液30が、血液、髄液、尿、あるいは検体抽出液(スティック等の検体採取手段により採取した検体を含む液)等のように親水性の検査液である場合について説明を続ける。図3に示したように、検査装置10において、樹脂層15a(第二の樹脂層)は親水基152を多く有する両親媒性樹脂151(第二の両親媒性樹脂)を含有しており、好ましくは主成分(含有量が50質量%以上)として構成されている。ここで、親水基とは、水分子と水素結合などによる弱い結合を作る原子団であり、水との間に親和性があること意味し、両親媒性とは水及び有機溶媒の両方に親和性があることを意味する。標識抗体16は、親水性の部位16gを有しており、これにより樹脂層15aにおける流路部材12に対向する面に固相化される。一方で、流路部材12及び樹脂層15aの対向部に形成される隙間に検査液30が充填されたときには、標識抗体16の親水性の部位16gと親水性の検査液30とが親和して、両親媒性樹脂151から、標識抗体16が放出される。また、検査液に抗原31が含まれている場合には、抗原・抗体反応により、放出された標識抗体16と抗原31とが反応して結合する。なお、抗原と抗体の結合の阻害を防ぐために、両親媒性樹脂151は、水不溶性樹脂であることが好ましい。本実施形態において水不溶性とは、実質的に水に不溶であることを指す。ここで、実質的に水に不溶であるとは25℃下で24時間、大量の水中に浸漬した後、真空乾燥等の方法によって十分に乾燥した際の、樹脂の質量変化量が1質量%以下であることを意味する。これは樹脂生成物中に含まれる副生成物(モノマー成分など)が水中に溶け出し質量が減少することがあるためである。
また、図4A及び図4Bに示したように、検査装置10において、樹脂層15b(第一の樹脂層)は疎水基153を有する樹脂であることが好ましい。具体的には、樹脂層15bは、疎水性樹脂155又は疎水基153を多く有する両親媒性樹脂154(第一の両親媒性樹脂)を含有しており、好ましくは該疎水性樹脂155又は両親媒性樹脂154を主成分(含有量が50質量%以上)として構成されていることが好ましい。ここで、疎水基とは水となじみにくい原子団のことであり、水に対する親和性が低く、水に溶解しにくい、あるいは水と混ざりにくいことを意味する。捕捉抗体17は、疎水性の部位17gを有しており、疎水性の部位が分子間力により結合することにより、捕捉抗体17は樹脂層15bにおける流路部材12に対向する面に固相化される。流路部材12及び樹脂層15bの対向部に形成される隙間に検査液30が充填されたときに、捕捉抗体17は、標識抗体16に結合した状態の抗原31を捕捉する。これにより、抗原31及び標識抗体16が固定化されて呈色するので、樹脂層15bを、抗原31の有無を判定するためのテストラインとして用いることができるようになる。なお、テストラインの滲みを防ぐために、疎水性樹脂155及び両親媒性樹脂154はそれぞれ、水不溶性樹脂であることが好ましい。
また、図5A及び図5Bに示したように、検査装置10において、樹脂層15c(第一の樹脂層)は疎水性樹脂155又は疎水基153を多く有する両親媒性樹脂154を含有しており、該疎水性樹脂155又は両親媒性樹脂154を主成分(含有量が50質量%以上)として構成されていることが好ましい。樹脂層15cにおける流路部材12に対向する面には、捕捉抗体18の疎水性の部位が分子間力により結合することにより、捕捉抗体18が固相化されている。抗体18としては、標識抗体16を捕捉するものであれば特に限定されないが、例えば、標識抗体16と特異的に結合する抗体などが挙げられる。これにより、標識抗体16が固定化されて呈色するので、樹脂層15cを、標識抗体16が到達したことを示すコントロールラインとして用いることができるようになる。なお、コントロールラインの滲みを防ぐために、疎水性樹脂155及び両親媒性樹脂154は、それぞれ水不溶性樹脂であることが好ましい。
また、前記樹脂層には非孔質体を使用することが好ましい。前記非孔質体とは実質的に空隙を含まない非孔質の構造体であり、メンブレン等の液体の吸収を促進するために設けられた空隙を含む多孔質材料とは相反する構造体を指す。したがって、例えば、製造工程に偶発的に含まれてしまった気泡であって液体の吸収作用の促進に寄与しないような気泡を僅かに含むものについては前記非孔質体の範疇に含まれる。
次に、本発明において、前記樹脂層が非孔質体であることによる特徴について説明する。
従来のテストライン及びコントロールラインの形成は、親水性の多孔質材料からなる流路部材に、捕捉抗体が溶解した液を直接塗布することにより行われていた。したがって、捕捉抗体は液体の浸透に伴い前記多孔質材料の内部に拡散する。しかし、前記多孔質材料の内部に存在する捕捉抗体と結合する金コロイド粒子などの標識用粒子の発色は、光の散乱が起こるために実際には検知することはできない。つまり、捕捉抗体の殆どが有効に利用されていないことになる。
一般的に、多孔質材料で検知できる発色粒子は表面から5μm程度の深さまでとされる。この5μmの領域に、検査に必要となる捕捉抗体を固定させるには、厚み方向への拡散を考慮して多量の捕捉抗体を塗布しなければならない。即ち、捕捉抗体の塗布量は、多孔質材料の厚みに比例して増加することになる。
一方、本発明では、捕捉抗体の固定化には疎水基を多く含む非孔質体からなる樹脂層を使用するため、捕捉抗体は樹脂層の内部に入り込むことがなく、樹脂層の表面にのみ固定化される。この樹脂層表面に固定化された捕捉抗体に標識用粒子が結合することにより発色するが、光の散乱が起きない非孔質体からなる樹脂層を通して検知することができるため、標識用粒子による発色の利用効率を大幅に向上させることができる。厚み方向に余分な発色粒子が存在することがないので、捕捉抗体の塗布量が極めて少ないメリットが生じる。例えば、親水性多孔質材料からなる流路部材の厚みを100μmとした場合、表面から5μm分の厚みの発色分しか利用できていないと仮定すると、同じ発色強度を得るのに使用する捕捉抗体の量を、本発明では1/20とすることができる。
したがって、本発明では、捕捉抗体の固定化には疎水基を多く含む非孔質体からなる樹脂層を使用するため、標識用粒子による発色の利用効率を大幅に向上させることができ、厚み方向に余分な発色粒子が存在することがないので、捕捉抗体の塗布量を従来よりも低減させることができる。
なお、本実施形態では、検査液30に含まれる抗原31の有無を検査するための検査装置10について説明するが、本発明の検査装置は、抗原抗体反応を用いたものに限定されない。例えば、検査装置は、試薬として、構造変化により色相が変化する試薬を用いることで、検査液30に含まれる特定の成分を検査するものであってもよい。
<<<各部材の構成>>>
以下、上記の検査装置10を構成する各部材について詳細に説明する。
<<基材>>
本発明の一実施形態において、基材11としては、特に制限はなく、目的に応じて選択されるが、例えば、有機、無機又は金属製のものが挙げられる。また、基材11は、特に限定されないが、少なくとも1面が疎水性樹脂で覆われていることが好ましい。検査装置10をセンサチップに使用する場合には、軽量で柔軟性があり、かつ、安価である合成樹脂を基材11として用いることが好ましい。また、本実施形態によると、プラスチックシートなどの耐久性が高い基材11を選択できるので、結果として検査装置10の耐久性も向上する。
基材11としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニルエーテル、ポリブチレンフタレート、ABS樹脂等でできた基材などが挙げられる。これらの中でも、低価格で汎用性が高いことから、ポリエチレンテレフタレート製の基材11を用いることが特に好ましい。
基材11の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シート状が好ましい。
基材11の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましい。前記平均厚みが、0.01mm未満であると、基材11としての強度を保てなくなることがあり、0.5mmを超えると、材質によってはフレキシブル性に欠け、センサとして取り扱いにくくなることがある。
なお、本実施形態において、前記平均厚みとは、例えば、測定対象物の厚みを長手方向に5箇所、幅方向に3箇所、測定箇所がほぼ均等の間隔となるように合計15箇所をマイクロメーターで測定したときの厚みの平均値とすることができる。また、本実施形態において、前記厚みとは、基材11と流路部材12との接触面に対して垂直方向の対象物の長さとすることができる。
<<流路部材>>
検査装置10の流路部材12としては、検査液30を流すことが可能な部材であれば特に限定されないが、親水性多孔質材料が挙げられる。親水性多孔質材料によって構成される流路部材12は、空隙(12a,12b)を有しており、検査液30が空隙(12a,12b)内を流れることによって流路が形成される。なお、図3乃至図5において、空隙12aは、各断面に形成された空隙であり、空隙12bは、断面の奥側の空隙である。親水性多孔質材料の内部には、気泡が存在し、気泡同士が繋がって連続気泡となっていることが好ましい。なお、前記連続気泡とは、気泡同士が繋がっていない独立気泡とは区別されるものである。この連続気泡においては、気泡同士の壁に小さな孔が開いているため、毛細管現象によって液体を吸い込んだり気体を通過させたりする機能を有する。流路部材12は、空隙(12a,12b)において、毛細管現象を利用して検査液30を移送するので、ポンプ等の外部駆動装置が不要である。
前記親水性多孔質材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親水性を示し空隙率が高い基材が好適に用いられる。前記親水性多孔質材料とは、水溶液が容易に浸透可能な多孔質材料であり、容易に浸透可能とは、120℃で1時間乾燥した板状試験片の表面に純水0.01mLを滴下する水浸透性の評価試験で、純水0.01mLが10分間以内にすべて浸透することを意味する。
前記親水性多孔質材料の空隙率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40%以上90%以下が好ましく、65%以上80%以下がより好ましい。前記空隙率が、90%を超えると、基材としての強度が保てなくなることがあり、40%未満であると、検査液30の浸透性が悪くなることがある。前記空隙率は、例えば、親水性多孔質材料の坪量(g/m)、厚み(μm)、組成分比重から、下記の計算式1により求めることができる。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1−〔坪量(g/m)/厚み(μm)/組成分比重〕}×100
前記親水性多孔質材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ろ紙、普通紙、上質紙、水彩紙、ケント紙、合成紙、合成樹脂フィルム、コート層を有する専用紙、布地、繊維製品、フィルム、無機基板、ガラスなどが挙げられる。
前記布地としては、例えば、レーヨン、ベンベルグ、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ビニロン等の人造繊維、綿、絹等の天然繊維、これらの混紡繊維、又はこれらの不織布などが挙げられる。
これらの中でも、高い空隙率と良好な親水性を有する点から、ろ紙が好ましい。検査装置10をバイオセンサーの目的で使用する際には、ろ紙はペーパークロマトグラフィーにおける固定相として好適である。
前記親水性多孔質材料の形状については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シート状が好ましい。
親水性多孔質材料の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.3mm以下が好ましい。平均厚みが、0.01mm未満であると、基材としての強度を保てなくなることがあり、0.3mmを超えると、検査液30の必要量が多くなる場合がある。
<<樹脂層>>
まず、樹脂層15の機能について、図6及び図7に示される従来の検査装置と対比しながら説明する。
図6は、従来の検査装置におけるコンジュゲートパットの概念図である。図7は、従来の検査装置におけるメンブレンの概念図である。従来の検査装置において、コンジュゲートパッドの親水性が高すぎると過ぎると、コンジュゲートパッドに検査液が残り易くなり、メンブレンへの移行しにくくなっていた。逆にコンジュゲートパットの疎水性が高すぎると、メンブレンへの検査液の移行は早くなるが、サンプルパッドからの検査液の吸水性が落ちることで、検査時間が長くなったり、多量の検査液を要するようになっていた。このため、コンジュゲートパットとして使用可能な繊維F1は限定されていた。更に、従来の検査装置において、標識抗体16は、コンジュゲートパットを構成する繊維F1に固相化されていたので(図6参照)、コンジュゲートパットから放出させることが可能な標識抗体16としては、繊維F1との結合力が弱いものに限定されることになる。即ち、従来の検査装置は、設計上、使用可能な繊維F1や標識抗体16が限られたものになる。
同様に、従来の検査装置において、捕捉抗体17は、メンブレンを構成する繊維F2に固相化されていたので(図7参照)、メンブレンに固定化させることが可能な捕捉抗体17は、繊維F2との結合力が強いものに限定されることになる。即ち、従来の検査装置は、設計上、使用可能な繊維F2や捕捉抗体17が限られたものになる。
一方、本実施形態の検査装置10においては、樹脂層15(15a,15b,15c)に、標識抗体16、捕捉抗体17、又は捕捉抗体18などの試薬を固相化させている。このため、樹脂層15と、試薬との相互作用の強さや、検査液30との親和性に応じて、試薬の放出、あるいは固定化を制御することができる。相互作用の強さや、親和性を調整する方法としては、樹脂層15を構成する樹脂の種類や、樹脂の組成比を、対応する試薬に応じて変更する方法が挙げられる。例えば、樹脂層15を構成する樹脂において疎水性の割合が多いほど、樹脂層15は、疎水基を有する試薬を疎水性相互作用により固定化しやすくなる。ここで、疎水性相互作用とは、水中で水になじめない疎水性分子や疎水基が集合する変化の原因(駆動力)を指す。詳細には、疎水性分子や疎水基を有する分子を水中にいれると、多くの場合、単に溶けないというだけではなく、疎水性分子や疎水基が互いに接した状態をとり、水分子との接触面積をできるだけ減らそうとする。その結果、疎水性分子種は互いに寄り集まるようになり、分子間に結合力が作用しているようにみえる現象のことを言う。一方、樹脂層15を構成する樹脂において親水性の割合が多いと、樹脂層15と、親水性の試薬との相互作用は強くなるが、結合部が親水性の検査液30と接触したときに、試薬は検査液30と親和して検査液30中に放出されやすくなると推定している。
樹脂層15を構成する樹脂は、水不溶性樹脂であることが好ましい。これにより、樹脂が検査液30に溶解して、流路を詰まらせたり、コントロールラインあるいはテストラインが滲むことを防ぐことができる。主に樹脂層15aを構成する両親媒性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、又はこれらの塩などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を持つモノマーとの共重合体、疎水性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
また、主に、樹脂層15b、15cを構成する疎水性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂又は環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、プロピオネート樹脂等の繊維素系樹脂などが挙げられる。その他、例えば、蜜ロウ、カルナバワックス、鯨ロウ、木ロウ、キャンデリラワックス、米ぬかロウ、モンタンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸;ステアリンアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ソルビタンの脂肪酸エステル等のエステル類;ステアリンアミド、オレインアミド等のアミド類、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、疎水性相互作用が強い点から、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、カルナバワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。
各樹脂層(15a,15b,15c)を構成する樹脂としてそれぞれ同種の樹脂を用いることも可能である。この場合、樹脂層15aを構成する樹脂を、樹脂層(15b,15c)を構成する樹脂よりも、親水性の高いものとすることが好ましい。なお、同種の樹脂を用いる場合には、親水性を測定するまでなく、親水基の割合が高ければ、より親水性が高いと言うことができる。
樹脂層15aに固相化させる標識抗体16としては、親水性の部位を有しており、抗原31と反応するものであれば特に限定されないが、金コロイド標識Anti−human IgGなどの金コロイド標識抗体、各種アレルゲンに対する標識抗体等が挙げられる。その他、抗体を標識する粒子としては、金コロイド以外にも特に限定されることなく、他の金属コロイド、酵素を含有する酵素標識粒子、色素を含有する着色粒子、蛍光物質を含有する蛍光粒子、磁性体を含有する磁性体内包粒子等が挙げられる。このほか、樹脂層15bに固相化させる捕捉抗体17としては、疎水性の部位を有しており、抗原31と反応するものであれば特に限定されないが、Anti−human IgG、各種アレルゲンに対する抗体等が挙げられる。その他、上記抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、Fab抗体、(Fab)抗体等の形態であってもよい。樹脂層15cに固相化させる抗体18としては、疎水基を有しており、標識抗体16と反応するものであれば特に限定されないが、例えば、Human IgG等の標識抗体16に対する抗体等が挙げられる。その他、上記で挙げた抗体等であってもよい。
標識抗体16、捕捉抗体(17,18)などの試薬を、樹脂層15に固相化する方法としては、特に限定されないが、試薬を含む溶液を樹脂層15に塗布した後、急速乾燥する方法や、試薬を含む溶液を樹脂層15に塗布した後、塗布液が乾燥しないよう多湿環境下で静置したのち、樹脂層表面を試薬が溶けていた水溶液と同じ成分の液ですすぐ程度に洗浄後、乾燥する方法などが挙げられる。
本実施形態において、樹脂層15は流路部材12上に固定されていることが好ましい。樹脂層15を固定する方法としては、検査時に試薬と検査液30とが接触可能となるような状態で固定化する方法であれば特に限定されない。具体例としては、熱転写プリンタなどを用いて樹脂層を構成する樹脂を流路部材12上に熱転写する方法、ドットインパクトプリンタなどを用いて樹脂層を構成する樹脂に圧力を加えて転写する方法、樹脂層を構成する樹脂をテープや接着剤、粘着剤などで流路部材12上に貼り付ける方法などが挙げられる。
<<吸収部材>>
吸収部材14は、水を吸収するものであれば特に制限されず、公知の材料の中から選択することができる。このような吸収部材14としては、紙、布などの繊維、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体、多糖類の部分架橋体等が挙げられる。
<<<転写媒体>>>
上記のとおり、各種方法により流路部材12上に樹脂層15を設けることができるが、その一例として熱転写方式を用いる場合について説明する。以下、熱転写方式で用いられる検査装置10製造用の転写媒体及びその転写方法について説明する。
図8を用いて、流路部材12上に、樹脂層15を設けるときに用いられる試薬用転写媒体について説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る試薬用転写媒体の断面図である。熱転写方式を用いる場合、予め試薬を均等に付着させた転写媒体を用いることができるので、テストラインあるいはコントロールラインにおける捕捉抗体(17,18)の濃度差が小さくなる。また、従来の方法により、捕捉抗体を塗布して配置した場合には、塗布可能な程度の粘度(例えば、インクジェットプリンタによって吐出可能な程度)になるまで捕捉抗体を溶媒で希釈する必要があるが、熱転写により捕捉抗体を配置する場合には、予め、高濃度の試薬を付着させた転写媒体を用いることで、高濃度の捕捉抗体を流路に配置できるようになる。
試薬用転写媒体100(転写媒体の一例)は、支持体101と、支持体101上に設けられた剥離層102と、剥離層102上に設けられた試薬固相化層103と、を有しており、試薬固相化層103の表面には、試薬が固相化されている。また、試薬用転写媒体100は、更に必要に応じて、バック層104等のその他の層を有している。
−支持体−
支持体101としては、その形状、構造、大きさ、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体の大きさとしては、検査装置10の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
支持体101の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、セルロースアセテート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
支持体101の表面には、支持体101の上に設ける層との密着性を向上させるため、表面活性化処理を行うことが好ましい。表面活性化処理としては、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、などが挙げられる。
支持体101は、試薬固相化層103を親水性多孔質材料に転写後、そのまま残しておいてもよく、また、試薬固相化層103を転写後、剥離層102で支持体101等を剥離し除去してもよい。支持体101は、特に制限はなく、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。支持体101の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上50μm以下が好ましい。
−剥離層−
剥離層102は、転写の際に、支持体101と試薬固相化層103との剥離性を向上させる機能を有する。また、剥離層102は、サーマルヘッド等の加熱加圧手段で加熱すると熱溶融して低粘度の液体となり、加熱部分と非加熱部分との界面近傍で、試薬固相化層103の切断を容易にする機能を有する。剥離層102は、ワックス、及びバインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の成分を含んでなる。
ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蜜ロウ、カルナバワックス、鯨ロウ、木ロウ、キャンデリラワックス、米ぬかロウ、モンタンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸;ステアリンアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ソルビタンの脂肪酸エステル等のエステル類;ステアリンアミド、オレインアミド等のアミド類、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、剥離性に優れている点から、カルナバワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、部分ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸ナトリウム共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリアクリル酸、イソブチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
剥離層102の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホットメルト塗工法、前記ワックス及び前記バインダー樹脂を溶剤に分散させた塗布液を塗布する方法、などが挙げられる。剥離層102の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上50μm以下が好ましい。剥離層102の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5g/m以上50g/m以下が好ましい。
−試薬固相化層−
試薬固相化層103は、検査装置10における樹脂層15を構成する樹脂を含んでいればよく、その材料に限定はない。試薬固相化層103の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホットメルト塗工法や、樹脂層15を構成する樹脂を溶剤に分散させた試薬塗布液を、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーターなどの一般的な塗布法により、試薬固相化層塗布液を支持体101上又は剥離層102上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
試薬固相化層103の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200nm以上50μm以下が好ましい。平均厚みが、200nm未満であると、樹脂層の耐久性が劣り、摩擦や衝撃などによって樹脂層が破損する場合があり、50μmを超えると、サーマルヘッドからの熱が均一に伝わりにくく、鮮明性が悪くなる場合がある。
試薬固相化層103における試薬塗布液の付着量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2g/m以上50g/m以下が好ましい。付着量が、0.2g/m未満であると、塗布量が不足し樹脂層に欠損が生じる場合があり、50g/mを超えると、乾燥に時間がかかったり、樹脂層にムラが生じたりする場合がある。
試薬塗布液を乾燥して試薬固相化層103が形成された後、試薬固相化層103の表面に、標識抗体16あるいは捕捉抗体(17,18)を含む溶液を塗布し、均一な塗膜を形成する。続いて、塗膜を乾燥させることにより、標識抗体16あるいは捕捉抗体(17,18)を試薬固相化層103の表面に固相化させることができる。なお、塗膜は均一な厚さとなるように塗布されていることが好ましい。乾燥方法としては、通気乾燥、真空乾燥、自然乾燥及び凍結乾燥など、特に限定されないが、減圧下もしくは真空下乾燥させることが望ましい。乾燥温度としては、室温20℃〜50℃の下、乾燥時間としては30分間〜24時間乾燥させるのが望ましい。乾燥温度が20℃より低温の場合、乾燥時間が長くなり生産性が低下する傾向があり、50℃より高温の場合、試薬が熱により変性する恐れがある。また、乾燥時間が30分間より短い場合、乾燥が不足することがあり、24時間より長い場合、生産性が低下し樹脂によっては変色する恐れがある。
また、試薬塗布液を乾燥して試薬固相化層103が形成された後、試薬固相化層103の表面に、標識抗体16あるいは捕捉抗体(17,18)を含む溶液を塗布し、塗布液が乾燥しないよう多湿環境下で静置したのち、樹脂層表面を試薬が溶けていた水溶液と同じ成分の液ですすぐ程度に洗浄後、乾燥して固相化させることもできる。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度)の好ましい範囲は上述の通りである。
−バック層−
試薬用転写媒体100には、支持体101の剥離層102側の面とは反対側の面に、バック層104が設けられていることが好ましい。この反対側の面には、転写時に、サーマルヘッド等で樹脂層の形状に合わせて熱が直接印加される。このため、バック層104は、高熱への耐性、サーマルヘッド等との摩擦への耐性を有することが好ましい。バック層104は、バインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タルク、シリカ、オルガノポリシロキサン等の無機微粒子、滑剤、などが挙げられる。
バック層104の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター等の一般的な塗布法、などが挙げられる。バック層104の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm以上、1.0μm以下が好ましい。
−アンダー層−
支持体101と剥離層102との間、又は剥離層102と試薬固相化層103との間には、アンダー層を設けることができる。アンダー層は、樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、試薬固相化層103及び剥離層102で用いた各種樹脂が使用可能である。
−保護フィルム−
試薬固相化層103上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムの材料としては、試薬固相化層103から容易に剥がすことができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン紙、ポリプロピレン等のポリオレフィンシート、ポリテトラフルオロエチレンシート、などが挙げられる。保護フィルムの平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。
<<試薬固相化層の転写>>
試薬固相化層103を流路部材12に熱転写する方法としては、試薬用転写媒体100の試薬固相化層103と、流路部材12とを接触させて、試薬固相化層103を流路部材12に転写する工程を含む方法が挙げられる。熱転写に用いられるプリンタとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリアルサーマルヘッド、ライン型サーマルヘッド等を有するサーマルプリンタが挙げられる。熱転写における印加エネルギーは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mJ/dot以上0.5mJ/dot以下が好ましい。印加エネルギーが、0.05mJ/dot未満であると、試薬固相化層103の溶融が不十分となることがあり、0.5mJ/dotを超えると、試薬が熱により変性してしまうことや、試薬固相化層103以外の試薬用転写媒体100を溶かしてしまい、サーマルヘッドが汚れてしまうことがある。
<<<検査装置の用途>>>
検査装置10の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、血液検査やDNA検査向けの生化学センサ(センシングチップ)、食品や飲料の品質管理用途などにおける小型の分析機器(化学センサ)などが挙げられる。
生化学の分野の検査に用いる試料(検体)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細菌、ウイルス等の病原体、生体から分離された血液、唾液、組織病片等、あるいは糞尿等の排泄物、などが挙げられる。更に、出生前診断を行う場合は、羊水中に存在する胎児の細胞、試験管内での分裂卵細胞の一部などであってもよい。また、これらの試料は、直接、又は必要に応じて遠心分離操作等により沈渣として濃縮した後、例えば、酵素処理、熱処理、界面活性剤処理、超音波処理、これらの組合せ等による細胞破壊処理を予め施されていてもよい。
また、本実施形態の検査装置10は、流路部材12が固定相として働くため、検査液をクロマトグラフィー(分離、精製)する機能も有する。この場合、内壁が親水性を示す連続気泡を有する流路部材12が固定相(担体)となる。検査液中の各成分は、流路内を浸透する過程で固定相との相互作用の違い、即ち、親疎水性の違いにより流路内を流れる速度に差が生じる。
これは親水性の高い成分ほど、固定相である多孔質部に吸着しやすく、脱吸着を繰り返す回数が多いため、流路内を浸透する速度が遅い。反対に疎水性の高い成分は固定相に吸着することなく浸透するので、流路内をすばやく移動する。検査液中の移動速度の差を利用することで、検査液30の対象成分選択的に抽出、反応させることで、検査装置10を高機能な化学あるいは生化学用途のセンサとして用いることができる。
<<<検査方法>>>
検査装置10を用いて検査する方法としては、特に限定されないが、検査装置10の流路部材12に、親水性の検査液を供給する工程と、樹脂層15aに固相化されている標識抗体16(試薬の一例)を、検査液30と接触させることにより、樹脂層15aから放出させる工程と、を含むものであってもよい。また、検査装置10を用いて検査する方法としては、検査装置10の流路部材12に、検査液30を供給する工程と、検査液30に抗原31が含まれる場合に、抗原31(検体の一部の一例)を、樹脂層15bに固相化されている捕捉抗体17により捕捉させる工程と、を含むものであってもよい。
具体的な処理としては、まず、検査装置10の流路部材12に設けられた滴下部12c(図1参照)に親水性の検査液30を滴下して供給する。続いて、供給された検査液30と、樹脂層15aに固相化されている標識抗体16とを接触させ、樹脂層15aから標識抗体16を放出させる。検査液30に抗原31が含まれている場合、樹脂層15aから放出された標識抗体16は抗原31と反応して結合する(図3参照)。
続いて、標識抗体16及び抗原31を含む検査液30は、流路部材12に沿って展開され樹脂層15bが配置された領域に到達する。樹脂層15bにおける流路部材12に対向する面に固相化されている捕捉抗体17は、標識抗体16が結合した状態の抗原31とも結合して捕捉する。なお、捕捉抗体17は、疎水基17gにより樹脂層15bに固相化されているので、検査液30と接触しても検査液30には親和せず放出されにくい。また、一部の捕捉抗体17が検査液30中に放出されたとしても、流路部材12を構成する繊維に即座に結合する。これにより、標識抗体16は、樹脂層15bの近傍に固定化されることになるのでテストラインが明瞭に呈色する(図4A及び図4B参照)。
樹脂層15bにおいて捕捉されずに通過した標識抗体16は、流路部材12に沿って展開され樹脂層15cが配置された領域に到達する。本実施形態において、樹脂層15cにおける流路部材12に対向する面には、疎水基を有する捕捉抗体18が固相化されている。標識抗体16は、この捕捉抗体18と結合することにより、捕捉される。捕捉抗体18は、疎水基により樹脂層15cに固相化されているので、検査液30と接触しても検査液30には親和せず放出されにくい。また、一部の捕捉抗体18が検査液30中に放出されたとしても、流路部材12を構成する繊維に即座に結合する。これにより、標識抗体16は、樹脂層15cの近傍に固定化されることになるのでコントロールラインが明瞭に呈色する(図5A及び図5B参照)。
<<<検査キット>>>
上記の検査方法により検査を行う場合、図9に示したように、検査装置10と、検体を採取するための器具(検体採取手段の一例)、及び、検体を処理するための液体の少なくとも一方と、を有する検査キットを用いることができる。図9は、本発明の一実施形態に係る検査キットの概念図である。検体を採取する器具としては、咽頭あるいは鼻腔等から検体を採取するための滅菌綿棒51等の公知の器具が挙げられる。検体を処理するための液体としては、検体を希釈するための希釈液52、検体を抽出するための抽出液等の公知の液体が挙げられる。
<<<実施形態の補足>>>
上記実施形態では、樹脂層15に固相化されている試薬が抗原又は抗体である場合について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。ケミカルアッセイで用いられる指示薬は溶液の化学的性質を指示する試薬を指す。前記指示薬としては、特に限定されないが、pH指示薬、鉛イオン、銅イオン、亜硝酸イオン等の各種イオンと反応して変色する各種イオノフォア、各種農薬と反応して変色する試薬などが挙げられる。
上記実施形態では、転写の際に、試薬用転写媒体100における支持体101と試薬固相化層103とを熱により剥離する例について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、支持体101と試薬固相化層103とを光によって剥離してもよい。この場合、剥離層102に、カーボンブラックなどの光吸収剤を混ぜておいて、それに光を吸収させて熱を生じさせることにより、剥離層102を溶融させ、試薬固相化層103を剥離してもよい。あるいは、剥離層102に、光照射によって変質する材料を混ぜておいて、それに光を吸収させて剥離層102を脆くすることにより、試薬固相化層103を剥離してもよい。
上記実施形態では、流路部材12の全体に流路が形成されている例を示したが本発明はこれに限定されない。流路部材12の一部に流路を形成する方法としては、例えば、公知の方法により、親水性多孔質部材の空隙に、疎水性の材料を充填することにより、流路の外縁となる流壁を形成する方法が挙げられる。
また、本実施形態の検査装置10において、流路部材12に手が触れたときの汚染を防ぐ目的で、任意の保護部材を設けてもよい。このような保護部材としては、例えば、検査装置10の全体を覆うハウジングや、流路部材12上に設けられるフィルムなどが挙げられる。保護部材を設ける場合、流路部材12の滴下部12cの上部には開口が設けられていることが好ましい。また、保護部材には、流路内の圧力を開放するための開口が設けられていることが好ましい。
上記実施形態では、流路部材12上の複数個所に樹脂層15が設けられている例を示したが、試薬の種類によっては、流路部材12上の一個所に樹脂層15が設けられていてもよい。例えば、検査液中の成分Aと特異的に結合する試薬が固相化された樹脂層15a1と、それらを捕捉する試薬が固相化された樹脂層15b1及び15c1を設けた流路部材12上に、更に、検査液中の成分Bと特異的に結合する試薬が固相化された樹脂層15a2と、それらを捕捉する試薬が固相化された樹脂層15b2及び15c2を設けた場合、同時に多成分の検出が可能な検査装置を得ることができる。
上記実施形態において、検査液30が親水性の場合について説明したが、この形態に限定されない。例えば、検査液は、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)等のケトン類などの有機溶媒を含む親溶媒性のものであってもよい。この場合、上記の実施形態における、「親水性」は「疎水性」に置き換えられ、「疎水性」は「親水性」に置き換えられることになる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
<<試薬用熱転写媒体の作製>>
<溶液の調製>
1.バック層塗布液の調製
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
2.剥離層塗布液の調製
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV−150、重量平均分子量2,100、VAc21%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、剥離層塗布液を得た。
3.試薬固相化層塗布液の調製
3−1.固定
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−10、ブチラール化度72mol%)5質量部、エタノール95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
3−2.放出
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−1、ブチラール化度64mol%)5質量部、エタノール95質量部を混合し、放出用試薬固相化層塗布液を得た。
4.試薬塗布液の調製
4−1.テストライン
Anti−human IgG antibody(Sigma社製、I1886)に抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、0.9mg/mLに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
4−2.コントロールライン
Human IgG(Sigma社製、I2511−10MG)に抗体希釈液を加え、0.9mg/mLに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
4−3.標識抗体
金コロイド標識Anti−Human IgG antibody(BAW社製、Gold 平均粒径40nm、OD=15)に、金コロイド塗布液(20mM Tris−HClバッファー(pH8.2)、0.05質量%ポリエチレングリコール、5質量%スクロース)、及び精製水により希釈し、OD=10に調製し、標識抗体用試薬塗布液を得た。
<層形成>
1.バック層形成
支持体としての平均厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、バック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
2.剥離層形成
次に、PETフィルムにおけるバック層が形成された面とは反対側の面に、剥離層塗布液を塗布し、50℃で180秒間乾燥して、平均厚み85μmの剥離層を形成した。
3−1.テストライン用熱転写媒体及びコントロールライン用熱転写媒体
次に、剥離層上に、固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層を形成した。更に試薬固相化層上に、テストライン用試薬塗布液を塗布し、25℃で5時間乾燥して、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、テストライン用熱転写媒体を得た。
また、上記と同様の方法により、剥離層上に固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層を形成し、更に試薬固相化層上に、コントロールライン用試薬塗布液を塗布し、25℃で5時間乾燥して、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、コントロールライン用熱転写媒体を得た。
3−2.標識抗体用熱転写媒体
また、上記の方法によりバック層及び剥離層を形成した後、剥離層上に、放出用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層を形成した。更に試薬固相化層上に、標識抗体用試薬塗布液を12μL/cmとなるよう塗布し、25℃で5時間乾燥して、試薬固相化層に標識抗体層を形成した。以上により、標識抗体用熱転写媒体を得た。
<<検査装置の作製>>
<紙基板の作製>
幅40mm×長さ80mmにカットしたPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。この塗工物を2時間以上静置した後、接着剤層面に幅40mm×長さ70mmにカットした表1に示す各種部材を、接着剤層面の長軸側の一端と各種部材の長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)を揃えるように重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cmの荷重をかけた。最後に長軸方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるよう切断し、紙基板A〜Eを得た。
なお、紙基板A〜Eの空隙率は、紙基板の坪量(g/m)、厚み(μm)、及び組成分比重から、下記の計算式1により求めた。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1−〔坪量(g/m)/厚み(μm)/組成分比重〕}×100
前記紙基板の空隙率が、40%以上90%以下の範囲であると、前記紙基板は多孔質であるといえ、下記表1の結果から、紙基板A〜Eはすべて多孔質である。
<試薬の転写>
1.標識抗体
紙基板A〜Eについて、紙基板と試薬用熱転写媒体の試薬が固相化されている側とを対向させて重ね合わせた後、熱転写プリンタを用いて、図10A及び図10Bに示したように、紙基板の上流端から20mm離れた位置に、標識抗体用熱転写媒体を幅3mm×長さ10mmのパターン状に転写した。図10Aは、実施例の検査装置の上面図である。図10Bは、図10Aの検査装置のD−D断面図である。なお、パターンの形成にはドット密度300dpi(TDK株式会社製)のサーマルヘッドを用い、印字速度42mm/sec、印字エネルギー0.17mJ/dotの評価系システムを構築し、印字評価を行った。
2.テストライン及びコントロールライン
図10A及び図10Bに示したように、標識抗体用熱転写媒体の転写位置から15mm離れた位置にテストライン用熱転写媒体を幅0.7mm×長さ4mmのライン状に転写した。更にテストライン用熱転写媒体から5mm離れた位置にコントロールライン用熱転写媒体を幅0.7mm×長さ4mmのライン状に転写した。なお、各ラインは、上記と同様の印字条件で形成した。
3.吸収部材
更に、図10A及び図10Bに示したように吸収部材14(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けることにより、実施例1のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。
〔1〕ラインの視認性評価
<<評価方法>>
1.検査液の調製
Human IgGに抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、500μg/mLに調製し、検査液を得た。
2.反応
イムノクロマトアッセイA〜Eの上流端部に検査液を100μL滴下し、30分間経過したところで、イムノクロマトアッセイを観察した。このうち、テストライン及びコントロールラインの位置に明確に発色が認められ、発色濃度が全体に均一であり、ラインが途切れているところがないものを◎、ラインとして途切れているところはなく判定は可能であるが、発色濃度が場所によってやや不均一なものを○とし、かろうじて発色は確認でき、ライン状にはなっているが、ラインが一部途切れているところがあるものを△、発色が認められなかったもの、もしくはラインが下流側に流れているものなど、ライン状に発色していないものを×とした。なお、評価基準の例を表2に示す。表2の写真は、それぞれ試験後のテストラインの写真である。また、イムノクロマトアッセイの構成を図10A及び図10Bに示し、評価結果を表4a及び表4bに示す。
〔2〕ラインの濃度測定
〔1〕で使用した呈色後のイムノクロマトアッセイを測定用のハウジングケースに収め、クロマトリーダー(大塚電子株式会社製、DiaScan 10)を用いて測定し、ラインの光学濃度を求めた。光学濃度はより濃いほうが好ましく、イムノクロマトアッセイの場合、光学濃度が250以上は◎、250未満150以上は○、150未満50以上のものは△、50未満もしくはラインとして確認できず測定不能のものは×とする。また、ケミカルアッセイの場合、光学濃度が400以上は◎、400未満250以上は○、250未満100以上のものは△、100未満もしくはラインとして確認できず測定不能のものは×とする。評価結果を表4a及び表4bに示す。
〔実施例2〕
実施例1において、固定用試薬固相化層塗布液に使用したポリビニルブチラール樹脂をポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製、KS−10、アセタール化度78mol%)に、放出用試薬固相化層塗布液に使用したポリビニルブチラール樹脂をポリビニルブチラール樹脂(アセトアセタール基とブチラール基とを有する混合タイプ)(積水化学工業株式会社製、BX−L、アセタール化度63±3mol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のイムノクロマトアッセイA〜Eを作製した。
作製したイムノクロマトアッセイA〜Eについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
〔実施例3〕
実施例1において、テストライン用試薬塗布液に使用したAnti−human IgG antibodyを抗hCGモノクローナル抗体(Medix Biochemica社製、Anti−Alpha subunit 6601 SPR−5)に、コントロールライン用試薬塗布液に使用したHuman IgG(Sigma社製、I2511−10MG)をAnti−mouse IgG antibody(和光純薬工業株式会社製、566−70621)に、標識抗体用試薬塗布液に使用した金コロイド標識Anti−Human IgG antibodyを、下記の方法により作製した金コロイド標識抗体に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のイムノクロマトアッセイA〜Eを作製した。
<標識抗体用試薬塗布液の作製>
金コロイド溶液(BBI社製、EMGC50)9mLに50mMに調製したKHPOバッファー(pH7.0)1mLを加えた後、更に50μg/mLに調製した抗hCGモノクロナール抗体(Medix Biochemica社製、Anti−hCG 5008 SP−5)を1mL加え、攪拌した。これを10分間静置した後、1質量%ポリエチレングリコール水溶液(和光純薬工業株式会社製、168−11285)を550μL加え攪拌した後、更に、10質量%BSA水溶液(Sigma社製、A−7906)を1.1mL加え攪拌した。
次に、この溶液を30分間遠心した後、1mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。なお、遠心は遠心機(日立工機株式会社製、himacCF16RN)を用い、遠心加速度8000×g、4℃の条件にて行った。その後、金コロイド保存液(20mM Tris−HClバッファー(pH8.2)、0.05質量%ポリエチレングリコール、150mM NaCl、1質量%BSA水溶液、0.1質量%NaN水溶液)20mLに分散し、再び上記と同様の条件にて遠心した後、1mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、金コロイド標識抗体を得た。その後、上記で作製した金コロイド標識抗体を金コロイド塗布液及び精製水により希釈し、OD=10に調製し、標識抗体用試薬塗布液を得た。
〔1〕ラインの視認性評価
<評価方法>
1.検査液の調製
hCG(アールアンドディーシステムス社製、リコンビナントhCG、7727−CG−010)に抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、50mIU/mLに調製し、検査液を得た。
2.反応
イムノクロマトアッセイA〜Eの上流端部に検査液を100μL滴下し、30分間後、イムノクロマトアッセイを観察した。このうち、テストライン及びコントロールラインの位置に明確に発色が認められ、発色濃度が全体に均一であり、ラインが途切れているところがないものを◎、ラインとして途切れているところはなく判定は可能であるが、発色濃度が場所によってやや不均一なものを○とし、かろうじて発色は確認でき、ライン状にはなっているが、ラインが一部途切れているところがあるものを△、発色が認められなかったもの、もしくはラインが下流側に流れているものなど、ライン状に発色していないものを×とした。結果を表4a及び表4bに示す。
〔2〕ラインの濃度測定
実施例1と同様のやり方により、ラインの光学濃度を求めた。評価結果を表4a及び表4bに示す。
〔実施例4〕
<<試薬用熱転写媒体の作製>>
<溶液の調製>
1.試薬固相化層塗布液の調製
1−1.固定
ポリスチレン(シグマ アルドリッチ社製、ポリスチレン 331651−25G)5質量部、及びトルエン95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
1−2.放出
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−1、ブチラール化度64mol%)5質量部、及びエタノール95質量部を混合し、放出用試薬固相化層塗布液を得た。
2.試薬塗布液の調製
2−1.テストライン
Anti−human IgG antibody(Sigma社製、I1886)に抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、10μg/mLに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
2−2.コントロールライン
Human IgG(Sigma社製、I2511−10MG)に抗体希釈液を加え、10μg/mLに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
2−3.標識抗体
実施例1と同様のやり方により、標識抗体用試薬塗布液を得た。
<層形成>
1.バック層形成
実施例1と同様のやり方により、平均厚み4.5μmのPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
2.剥離層形成
実施例1と同様のやり方により、平均厚み85μmの剥離層を形成した。
3−1.テストライン用熱転写媒体及びコントロールライン用熱転写媒体
次に、剥離層上に、固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層(樹脂層)を形成した。更に、試薬固相化層上に、テストライン用試薬塗布液を単位面積(cm)あたり100μLになるよう塗布し水膜を形成したあと、水膜が乾燥しないよう相対湿度80%に保った容器内に熱転写媒体を設置して37℃で1時間静置した。静置後、試薬固相化層表面を抗体希釈液で洗浄し、真空乾燥機内で、25℃で1時間乾燥し、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、テストライン用熱転写媒体を得た。
また、上記と同様の方法により、剥離層上に固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層(樹脂層)を形成した。更に試薬固相化層上に、テストラインと同様のやり方によりコントロールライン用試薬塗布液を塗布、静置させた後、試薬固相化層表面を洗浄・乾燥して、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、コントロールライン用熱転写媒体を得た。
3−2.標識抗体用熱転写媒体
実施例1と同様のやり方により、標識抗体用熱転写媒体を得た。
<検査装置の作製>
実施例1と同様のやり方により、A〜Eの紙基板に標識抗体、テストライン及びコントロールラインを形成し、吸収パッドを設置して実施例4のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。また、実施例1と同様にして、視認性及び濃度の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
〔実施例5〕
固定用試薬固相化層塗布液の作製において、カルナウバワックス(日本ワックス株式会社製、カルナウバワックス 特製2号)10質量部、及びトルエン/メチルエチルケトン(3/1)90質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
上述した操作以外は、実施例4と同様にして、実施例5のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。また、実施例1と同様にして、視認性及び濃度の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
〔実施例6〕
固定用試薬固相化層塗布液の作製において、ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000)5質量部、及びトルエン95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
上述した操作以外は、実施例4と同様にして、実施例6のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。また、実施例1と同様にして、視認性及び濃度の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
〔比較例1〕
1.試薬塗布液の調製
1−1.テストライン
Anti−human IgG antibodyに抗体希釈液を加え、0.9mg/mLに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
1−2.コントロールライン
Human IgGに抗体希釈液を加え、0.9mg/mLに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
1−3.標識抗体
金コロイド標識Anti−human IgG antibodyに標識抗体希釈液を加え、OD=2に調製し、標識抗体用試薬塗布液を得た。
2.アッセイ部材の作製
<紙基板の作製>
幅40mm×長さ35mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に厚さが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。この塗工物を2時間以上静置した後、接着剤層面にPETフィルムと同様の大きさに切断した表1に示す各種部材を重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、紙基板A〜Eとした。
<試薬の固相化>
紙基板A〜Eについて、図11A及び図11Bに示したように、その短軸側の一端から9mm離れたdの位置にテストライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置(BioDot社製、BioJet)を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した。なお、図11Aは、比較例の検査装置の上面図である。図11Bは、図11Aの検査装置のE−E断面図である。更にdから5mm離れたeの位置にコントロールライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した。塗布後、20℃−20RH%の環境下で16時間乾燥した。
<標識抗体保持パッドの作製>
1−3.で作製した標識抗体溶液を、幅40mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000、図11A及び図11Bのp)に60μL/cmとなるよう塗布し、一晩減圧乾燥し、標識抗体保持パッドを作製した。
3.アッセイの組み立て
紙基板A〜Eについて、台紙フィルムとして幅40mm×長さ80mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み100μm)の長軸側の一端から33mm離れた位置に、紙基板の試薬塗布面とは反対側と台紙フィルム(PETフィルム)とが対向するように台紙フィルム(PETフィルム)に紙基板を接着した。
次に、上記で作製した標識抗体乾燥パッドを幅40mm×長さ18mmに切断し、紙基板の上面に、紙基板の上流端が2mm重なるように配置して貼り付け、更に幅40mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000、図11A及び図11Bのs)を標識抗体保持パッドの上面に18mm重なるように配置して貼り付け、サンプル滴下パッドとした。次に、幅40mm×長さ28mmの吸収パッドを紙基板の上面に、紙基板の下流端と16mm重なるように配置して貼り付け、更に、吸収部材14(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けた。最後に長軸方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるように切断し、比較例1のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。
作製したイムノクロマトアッセイA〜Eについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
〔比較例2〕
比較例1において、テストライン用試薬塗布液に使用したAnti−human IgG antibodyを抗hCGモノクローナル抗体(Medix Biochemica社製、Anti−Alpha subunit 6601 SPR−5)に、コントロールライン用試薬塗布液に使用したHuman IgG(Sigma社製、I2511−10MG)をAnti−mouse IgG antibody(和光純薬工業株式会社製、566−70621)に、標識抗体用試薬塗布液に使用した金コロイド標識Anti−Human IgG antibodyを、実施例3において作製した金コロイド標識抗体に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2のイムノクロマトアッセイA〜Eを作製した。
作製したイムノクロマトアッセイA〜Eについて実施例3と同様の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
実施例1〜6について、視認性の評価(表4a)では、紙基板A〜Eのどのイムノクロマトアッセイにおいてもラインの発色を確認でき、特に紙基板A〜Cについては明確なラインを確認でき、中でも実施例4〜6については、発色濃度が全体に均一で視認性の高いラインを確認できた。また、光学濃度の評価(表4b)では、紙基板A〜Eのどのイムノクロマトアッセイにおいても濃度の濃いラインを確認でき、中でも実施例4〜6については、読み値で250以上の特に濃いラインを確認できた。
一方、比較例1及び2について、視認性の評価では、紙基板Aにおいてはラインとして途切れているところのない発色を確認できたが、紙基板B及びCにおいては、ライン付近のにじみが酷くかろうじて発色を確認できる程度であった。更に、紙基板D及びEについては紙基板全体への非特異吸着が酷く、ラインも確認できなかった。また、光学濃度の評価では、紙基板Aにおいては読み値で200を超える濃度が確認できたものの、紙基板B及びCではライン中の標識粒子が紙内で拡散しているために発色がぼやけ濃度が薄くなり、更に紙基板D及びEではライン形状が確認できないほどぼやけた発色になっており測定不能であった。
〔実施例7〕
(ケミカルアッセイの作製)
<<試薬用熱転写媒体の作製>>
<溶液の調製>
1.バック層塗布液の調製
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
2.剥離層塗布液の調製
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV−150、重量平均分子量2,100、VAc21%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、剥離層塗布液を得た。
3.試薬固相化層塗布液の調製
3−1.固定
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−10、ブチラール化度72mol%)5質量部、及びエタノール95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
4.試薬塗布液の調製
4−1.センシングライン
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸(Sigma社製、149136−5G)5質量部、水酸化ナトリウム(Sigma社製、306576−25G)0.8質量部、及び蒸留水32質量部を混合し十分に撹拌して3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸ナトリウム水溶液とし、センシングライン用試薬塗布液を得た。
<層形成>
1.バック層形成
支持体としての平均厚み4.5μmのPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、バック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
2.剥離層形成
次に、PETフィルムにおけるバック層が形成された面とは反対側の面に、剥離層塗布液を塗布し、50℃で180秒間乾燥して、平均厚み85μmの剥離層を形成した。
3−1.センシングライン用熱転写媒体
次に、剥離層上に、固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層を形成した。更に試薬固相化層上に、センシングライン用試薬塗布液を塗布し、25℃で5時間乾燥して、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、センシングライン用熱転写媒体を得た。
<<検査装置の作製>>
<紙基板の作製>
幅40mm×長さ80mmにカットしたPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。この塗工物を2時間以上静置した後、接着剤層面に幅40mm×長さ70mmにカットした表1に示す各種部材を、接着剤層面の長軸側の一端と各種部材の長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)を揃えるように重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cmの荷重をかけた。最後に長軸方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるよう切断し、紙基板A〜Eを得た。
<試薬の転写>
1.センシングライン
紙基板A〜Eについて、紙基板と試薬用熱転写媒体の試薬が固相化されている側とを対向させて重ね合わせた後、熱転写プリンタを用いて、図12A及び図12Bに示したように、紙基板の上流端から30mm離れた位置に、センシングライン用熱転写媒体を幅0.7mm×長さ4mmのライン状に転写して、樹脂層15dを設けた。図12Aは、実施例の検査装置の上面図である。図12Bは、図12Aの検査装置のF−F断面図である。なお、パターンの形成にはドット密度300dpi(TDK株式会社製)のサーマルヘッドを用い、印字速度42mm/sec、印字エネルギー0.17mJ/dotの評価系システムを構築し、印字評価を行った。
2.吸収部材
更に、図12A及び図12Bに示したように吸収部材14(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けることにより、実施例7のケミカルアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。
<<評価方法>>
1.検査液の調製
塩化鉄(III)六水和物(和光純薬工業株式会社製、012497)5質量部に蒸留水58質量部を加え、5質量%に調製し、検査液を得た。
2.反応
ケミカルアッセイA〜Eの上流端部に検査液を100μL滴下し、10分間後、ケミカルアッセイを観察し、実施例1と同様の評価基準で判定した。評価結果を表6a及び表6bに示す。
〔比較例3〕
<試薬の固相化>
実施例7において、紙基板A〜Eにセンシングラインを熱転写する代わりに、図13A及び図13Bに示したように、その長軸側の一端から30mm離れたfの位置にセンシングライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置(BioDot社製、BioJet)を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した。なお、図13Aは、比較例の検査装置の上面図である。図13Bは、図13Aの検査装置のG−G断面図である。塗布後、20℃−20RH%の環境下で16時間乾燥した。
上記以外は実施例7と同様にして、比較例3のケミカルアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。作製したケミカルアッセイA〜Eについて実施例7と同様の評価を行った。結果を表6a及び表6bに示す。
実施例7について、視認性の評価では、紙基板A〜Eのどのケミカルアッセイにおいてもラインの発色を確認した。また、光学濃度の評価では、紙基板A〜Eのどのケミカルアッセイにおいても濃度の濃いラインを確認できた。一方、比較例3について、視認性の評価では、紙基板A〜Cにおいてはライン状の発色を確認できたが、紙基板D及びEにおいては、ライン付近のにじみが酷くかろうじて発色を確認できる程度であった。また、光学濃度の評価では、紙基板A〜Cにおいては読み値で250以上の濃度が確認できたものの、紙基板D及びEではぼやけた薄い発色となった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 検体を流すための流路が形成された多孔質の流路部材と、
前記流路部材上の一又は複数個所に設けられた樹脂層と、を有しており、
前記樹脂層における前記流路部材に対向する面には、
前記検体と反応する試薬が固相化されていることを特徴とする検査装置である。
<2> 検体を流すための流路が形成された多孔質の流路部材と、
前記流路部材上に設けられた第一の樹脂層と、第二の樹脂層と、を有しており、
前記第一及び第二の樹脂層が前記流路部材に対向する面において、
前記第一の樹脂層に固相化されている試薬は捕捉抗体であり、
前記第二の樹脂層に固相化されている試薬は標識抗体であることを特徴とする前記<1>に記載の検査装置である。
<3> 前記第一の樹脂層が複数設けられていることを特徴とする前記<2>に記載の検査装置である。
<4> 前記第一の樹脂層は、疎水基を有する樹脂を含有することを特徴とする前記<2>乃至<3>のいずれかに記載の検査装置である。
<5> 前記疎水基を有する樹脂は、疎水性樹脂又は第一の両親媒性樹脂であることを特徴とする前記<4>に記載の検査装置である。
<6> 前記第二の樹脂層は、第二の両親媒性樹脂を含有することを特徴とする前記<2>乃至<5>のいずれかに記載の検査装置である。
<7> 前記第一の両親媒性樹脂は、前記第二の両親媒性樹脂よりも疎水基を多く有する樹脂であることを特徴とする前記<6>に記載の検査装置である。
<8> 前記樹脂層は、水不溶性樹脂を含有することを特徴とする前記<1>乃至<7>のいずれかに記載の検査装置である。
<9> 前記樹脂層は、非孔質体であることを特徴とする前記<1>乃至<8>のいずれかに記載の検査装置である。
<10> 前記<1>乃至<9>のいずれか一項に記載の検査装置と、
前記検体を採取するための検体採取手段、及び、前記検体を処理するための液体の少なくとも一方と、
を有することを特徴とする検査キットである。
<11> 支持体と、
支持体上に設けられた剥離層と、
前記剥離層上に設けられた試薬固相化層と、を有しており、
前記試薬固相化層の表面には、検体と反応する試薬が固相化されていることを特徴とする検査装置製造用の転写媒体である。
<12> 前記<11>に記載の転写媒体の前記試薬固相化層と、多孔質の流路部材とを接触させて、前記試薬固相化層を前記流路部材に転写する工程を含むことを特徴とする検査装置の製造方法である。
<13> 前記<1>乃至<9>のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
前記樹脂層に固相化されている試薬を、前記検体と接触させることにより、前記樹脂層から放出させる工程と、
を含むことを特徴とする検査方法である。
<14> 前記<1>乃至<9>のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
前記検体の一部を、前記樹脂層に固相化されている試薬により捕捉させる工程と、
を含むことを特徴とする検査方法である。
10 検査装置
11 基材
12 流路部材
13 台紙フィルム
14 吸収部材
15 樹脂層
15a 樹脂層
15b 樹脂層
15c 樹脂層
16 標識抗体(試薬の一例)
17 捕捉抗体(試薬の一例)
18 捕捉抗体(試薬の一例)
30 検査液(検体の一例)
31 抗原
50 検査キット
51 滅菌綿棒
52 希釈液
100 試薬用転写媒体(転写媒体の一例)
101 支持体
102 剥離層
103 試薬固相化層
104 バック層
151 両親媒性樹脂
152 親水基
153 疎水基
154 両親媒性樹脂
155 疎水性樹脂
特開2010−256309号公報

Claims (12)

  1. 検体を流すための流路が形成された多孔質の流路部材と、
    前記流路部材上に設けられた第一の樹脂層と、第二の樹脂層と、を有しており、
    前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層における前記流路部材に対向する面には、
    前記検体と反応する試薬が固相化されており、
    前記第一の樹脂層に固相化されている試薬は捕捉抗体であり、
    前記第二の樹脂層に固相化されている試薬は標識抗体であり、
    前記第二の樹脂層は、両親媒性樹脂を含有することを特徴とする検査装置。
  2. 前記第一の樹脂層が複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記第一の樹脂層は、疎水基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の検査装置。
  4. 前記疎水基を有する樹脂は、疎水性樹脂又は両親媒性樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記第一の樹脂層が含有する両親媒性樹脂は、前記第二の樹脂層が含有する両親媒性樹脂よりも疎水基を多く有する樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
  6. 前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層は、水不溶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査装置。
  7. 前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層は、非孔質体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置と、
    前記検体を採取するための検体採取手段、及び、前記検体を処理するための液体の少なくとも一方と、
    を有することを特徴とする検査キット。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置を製造するための検査装置製造用の転写媒体であって、
    支持体と、
    支持体上に設けられた剥離層と、
    前記剥離層上に設けられた試薬固相化層と、を有しており、
    前記試薬固相化層の表面には、検体と反応する試薬が固相化されていることを特徴とする検査装置製造用の転写媒体。
  10. 請求項9に記載の転写媒体の前記試薬固相化層と、多孔質の流路部材とを接触させて、前記試薬固相化層を前記流路部材に転写する工程を含むことを特徴とする検査装置の製造方法。
  11. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
    前記第二の樹脂層に固相化されている試薬を、前記検体と接触させることにより、前記第二の樹脂層から放出させる工程と、
    を含むことを特徴とする検査方法。
  12. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
    前記検体の一部を、前記第一の樹脂層に固相化されている試薬により捕捉させる工程と、
    を含むことを特徴とする検査方法。
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