JP6686278B2 - 検査装置、検査キット、転写媒体、検査装置の製造方法、及び検査方法 - Google Patents
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Description
また、テストライン及びコントロールラインの形成は、親水性の多孔質材料からなる流路部材に、捕捉抗体が溶解した液を直接塗布することにより行うため、前記親水性の多孔質材料の内部に拡散して存在する。しかし、前記親水性の多孔質材料の内部に存在する捕捉抗体と結合した金コロイド粒子等の標識用粒子の発色は、光の散乱が起こるために実際には検知することができない。つまり、捕捉抗体の殆どが有効に利用されていないという大きな課題があった。
<<<実施形態の全体構成>>>
まず、図1乃至図5を用いて実施形態の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る検査装置の上面図である。図2は、図1の検査装置のA−A断面図である。図3は、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。図4A及び図4Bは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。図5A及び図5Bは、流路部材及び樹脂層の対向部における検査装置の断面図である。
従来のテストライン及びコントロールラインの形成は、親水性の多孔質材料からなる流路部材に、捕捉抗体が溶解した液を直接塗布することにより行われていた。したがって、捕捉抗体は液体の浸透に伴い前記多孔質材料の内部に拡散する。しかし、前記多孔質材料の内部に存在する捕捉抗体と結合する金コロイド粒子などの標識用粒子の発色は、光の散乱が起こるために実際には検知することはできない。つまり、捕捉抗体の殆どが有効に利用されていないことになる。
一方、本発明では、捕捉抗体の固定化には疎水基を多く含む非孔質体からなる樹脂層を使用するため、捕捉抗体は樹脂層の内部に入り込むことがなく、樹脂層の表面にのみ固定化される。この樹脂層表面に固定化された捕捉抗体に標識用粒子が結合することにより発色するが、光の散乱が起きない非孔質体からなる樹脂層を通して検知することができるため、標識用粒子による発色の利用効率を大幅に向上させることができる。厚み方向に余分な発色粒子が存在することがないので、捕捉抗体の塗布量が極めて少ないメリットが生じる。例えば、親水性多孔質材料からなる流路部材の厚みを100μmとした場合、表面から5μm分の厚みの発色分しか利用できていないと仮定すると、同じ発色強度を得るのに使用する捕捉抗体の量を、本発明では1/20とすることができる。
以下、上記の検査装置10を構成する各部材について詳細に説明する。
本発明の一実施形態において、基材11としては、特に制限はなく、目的に応じて選択されるが、例えば、有機、無機又は金属製のものが挙げられる。また、基材11は、特に限定されないが、少なくとも1面が疎水性樹脂で覆われていることが好ましい。検査装置10をセンサチップに使用する場合には、軽量で柔軟性があり、かつ、安価である合成樹脂を基材11として用いることが好ましい。また、本実施形態によると、プラスチックシートなどの耐久性が高い基材11を選択できるので、結果として検査装置10の耐久性も向上する。
基材11の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましい。前記平均厚みが、0.01mm未満であると、基材11としての強度を保てなくなることがあり、0.5mmを超えると、材質によってはフレキシブル性に欠け、センサとして取り扱いにくくなることがある。
なお、本実施形態において、前記平均厚みとは、例えば、測定対象物の厚みを長手方向に5箇所、幅方向に3箇所、測定箇所がほぼ均等の間隔となるように合計15箇所をマイクロメーターで測定したときの厚みの平均値とすることができる。また、本実施形態において、前記厚みとは、基材11と流路部材12との接触面に対して垂直方向の対象物の長さとすることができる。
検査装置10の流路部材12としては、検査液30を流すことが可能な部材であれば特に限定されないが、親水性多孔質材料が挙げられる。親水性多孔質材料によって構成される流路部材12は、空隙(12a,12b)を有しており、検査液30が空隙(12a,12b)内を流れることによって流路が形成される。なお、図3乃至図5において、空隙12aは、各断面に形成された空隙であり、空隙12bは、断面の奥側の空隙である。親水性多孔質材料の内部には、気泡が存在し、気泡同士が繋がって連続気泡となっていることが好ましい。なお、前記連続気泡とは、気泡同士が繋がっていない独立気泡とは区別されるものである。この連続気泡においては、気泡同士の壁に小さな孔が開いているため、毛細管現象によって液体を吸い込んだり気体を通過させたりする機能を有する。流路部材12は、空隙(12a,12b)において、毛細管現象を利用して検査液30を移送するので、ポンプ等の外部駆動装置が不要である。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1−〔坪量(g/m2)/厚み(μm)/組成分比重〕}×100
親水性多孔質材料の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.3mm以下が好ましい。平均厚みが、0.01mm未満であると、基材としての強度を保てなくなることがあり、0.3mmを超えると、検査液30の必要量が多くなる場合がある。
まず、樹脂層15の機能について、図6及び図7に示される従来の検査装置と対比しながら説明する。
図6は、従来の検査装置におけるコンジュゲートパットの概念図である。図7は、従来の検査装置におけるメンブレンの概念図である。従来の検査装置において、コンジュゲートパッドの親水性が高すぎると過ぎると、コンジュゲートパッドに検査液が残り易くなり、メンブレンへの移行しにくくなっていた。逆にコンジュゲートパットの疎水性が高すぎると、メンブレンへの検査液の移行は早くなるが、サンプルパッドからの検査液の吸水性が落ちることで、検査時間が長くなったり、多量の検査液を要するようになっていた。このため、コンジュゲートパットとして使用可能な繊維F1は限定されていた。更に、従来の検査装置において、標識抗体16は、コンジュゲートパットを構成する繊維F1に固相化されていたので(図6参照)、コンジュゲートパットから放出させることが可能な標識抗体16としては、繊維F1との結合力が弱いものに限定されることになる。即ち、従来の検査装置は、設計上、使用可能な繊維F1や標識抗体16が限られたものになる。
吸収部材14は、水を吸収するものであれば特に制限されず、公知の材料の中から選択することができる。このような吸収部材14としては、紙、布などの繊維、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体、多糖類の部分架橋体等が挙げられる。
上記のとおり、各種方法により流路部材12上に樹脂層15を設けることができるが、その一例として熱転写方式を用いる場合について説明する。以下、熱転写方式で用いられる検査装置10製造用の転写媒体及びその転写方法について説明する。
支持体101としては、その形状、構造、大きさ、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体の大きさとしては、検査装置10の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
剥離層102は、転写の際に、支持体101と試薬固相化層103との剥離性を向上させる機能を有する。また、剥離層102は、サーマルヘッド等の加熱加圧手段で加熱すると熱溶融して低粘度の液体となり、加熱部分と非加熱部分との界面近傍で、試薬固相化層103の切断を容易にする機能を有する。剥離層102は、ワックス、及びバインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の成分を含んでなる。
試薬固相化層103は、検査装置10における樹脂層15を構成する樹脂を含んでいればよく、その材料に限定はない。試薬固相化層103の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホットメルト塗工法や、樹脂層15を構成する樹脂を溶剤に分散させた試薬塗布液を、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーターなどの一般的な塗布法により、試薬固相化層塗布液を支持体101上又は剥離層102上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
また、試薬塗布液を乾燥して試薬固相化層103が形成された後、試薬固相化層103の表面に、標識抗体16あるいは捕捉抗体(17,18)を含む溶液を塗布し、塗布液が乾燥しないよう多湿環境下で静置したのち、樹脂層表面を試薬が溶けていた水溶液と同じ成分の液ですすぐ程度に洗浄後、乾燥して固相化させることもできる。乾燥条件(乾燥時間、乾燥温度)の好ましい範囲は上述の通りである。
試薬用転写媒体100には、支持体101の剥離層102側の面とは反対側の面に、バック層104が設けられていることが好ましい。この反対側の面には、転写時に、サーマルヘッド等で樹脂層の形状に合わせて熱が直接印加される。このため、バック層104は、高熱への耐性、サーマルヘッド等との摩擦への耐性を有することが好ましい。バック層104は、バインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
支持体101と剥離層102との間、又は剥離層102と試薬固相化層103との間には、アンダー層を設けることができる。アンダー層は、樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、試薬固相化層103及び剥離層102で用いた各種樹脂が使用可能である。
試薬固相化層103上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムの材料としては、試薬固相化層103から容易に剥がすことができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン紙、ポリプロピレン等のポリオレフィンシート、ポリテトラフルオロエチレンシート、などが挙げられる。保護フィルムの平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。
試薬固相化層103を流路部材12に熱転写する方法としては、試薬用転写媒体100の試薬固相化層103と、流路部材12とを接触させて、試薬固相化層103を流路部材12に転写する工程を含む方法が挙げられる。熱転写に用いられるプリンタとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリアルサーマルヘッド、ライン型サーマルヘッド等を有するサーマルプリンタが挙げられる。熱転写における印加エネルギーは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mJ/dot以上0.5mJ/dot以下が好ましい。印加エネルギーが、0.05mJ/dot未満であると、試薬固相化層103の溶融が不十分となることがあり、0.5mJ/dotを超えると、試薬が熱により変性してしまうことや、試薬固相化層103以外の試薬用転写媒体100を溶かしてしまい、サーマルヘッドが汚れてしまうことがある。
検査装置10の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、血液検査やDNA検査向けの生化学センサ(センシングチップ)、食品や飲料の品質管理用途などにおける小型の分析機器(化学センサ)などが挙げられる。
検査装置10を用いて検査する方法としては、特に限定されないが、検査装置10の流路部材12に、親水性の検査液を供給する工程と、樹脂層15aに固相化されている標識抗体16(試薬の一例)を、検査液30と接触させることにより、樹脂層15aから放出させる工程と、を含むものであってもよい。また、検査装置10を用いて検査する方法としては、検査装置10の流路部材12に、検査液30を供給する工程と、検査液30に抗原31が含まれる場合に、抗原31(検体の一部の一例)を、樹脂層15bに固相化されている捕捉抗体17により捕捉させる工程と、を含むものであってもよい。
上記の検査方法により検査を行う場合、図9に示したように、検査装置10と、検体を採取するための器具(検体採取手段の一例)、及び、検体を処理するための液体の少なくとも一方と、を有する検査キットを用いることができる。図9は、本発明の一実施形態に係る検査キットの概念図である。検体を採取する器具としては、咽頭あるいは鼻腔等から検体を採取するための滅菌綿棒51等の公知の器具が挙げられる。検体を処理するための液体としては、検体を希釈するための希釈液52、検体を抽出するための抽出液等の公知の液体が挙げられる。
上記実施形態では、樹脂層15に固相化されている試薬が抗原又は抗体である場合について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。ケミカルアッセイで用いられる指示薬は溶液の化学的性質を指示する試薬を指す。前記指示薬としては、特に限定されないが、pH指示薬、鉛イオン、銅イオン、亜硝酸イオン等の各種イオンと反応して変色する各種イオノフォア、各種農薬と反応して変色する試薬などが挙げられる。
<<試薬用熱転写媒体の作製>>
<溶液の調製>
1.バック層塗布液の調製
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV−150、重量平均分子量2,100、VAc21%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、剥離層塗布液を得た。
3−1.固定
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−10、ブチラール化度72mol%)5質量部、エタノール95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−1、ブチラール化度64mol%)5質量部、エタノール95質量部を混合し、放出用試薬固相化層塗布液を得た。
4−1.テストライン
Anti−human IgG antibody(Sigma社製、I1886)に抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、0.9mg/mLに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
Human IgG(Sigma社製、I2511−10MG)に抗体希釈液を加え、0.9mg/mLに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
金コロイド標識Anti−Human IgG antibody(BAW社製、Gold 平均粒径40nm、OD=15)に、金コロイド塗布液(20mM Tris−HClバッファー(pH8.2)、0.05質量%ポリエチレングリコール、5質量%スクロース)、及び精製水により希釈し、OD=10に調製し、標識抗体用試薬塗布液を得た。
1.バック層形成
支持体としての平均厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、バック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
次に、PETフィルムにおけるバック層が形成された面とは反対側の面に、剥離層塗布液を塗布し、50℃で180秒間乾燥して、平均厚み85μmの剥離層を形成した。
次に、剥離層上に、固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層を形成した。更に試薬固相化層上に、テストライン用試薬塗布液を塗布し、25℃で5時間乾燥して、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、テストライン用熱転写媒体を得た。
また、上記の方法によりバック層及び剥離層を形成した後、剥離層上に、放出用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層を形成した。更に試薬固相化層上に、標識抗体用試薬塗布液を12μL/cm2となるよう塗布し、25℃で5時間乾燥して、試薬固相化層に標識抗体層を形成した。以上により、標識抗体用熱転写媒体を得た。
<紙基板の作製>
幅40mm×長さ80mmにカットしたPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。この塗工物を2時間以上静置した後、接着剤層面に幅40mm×長さ70mmにカットした表1に示す各種部材を、接着剤層面の長軸側の一端と各種部材の長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)を揃えるように重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけた。最後に長軸方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるよう切断し、紙基板A〜Eを得た。
なお、紙基板A〜Eの空隙率は、紙基板の坪量(g/m2)、厚み(μm)、及び組成分比重から、下記の計算式1により求めた。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1−〔坪量(g/m2)/厚み(μm)/組成分比重〕}×100
前記紙基板の空隙率が、40%以上90%以下の範囲であると、前記紙基板は多孔質であるといえ、下記表1の結果から、紙基板A〜Eはすべて多孔質である。
1.標識抗体
紙基板A〜Eについて、紙基板と試薬用熱転写媒体の試薬が固相化されている側とを対向させて重ね合わせた後、熱転写プリンタを用いて、図10A及び図10Bに示したように、紙基板の上流端から20mm離れた位置に、標識抗体用熱転写媒体を幅3mm×長さ10mmのパターン状に転写した。図10Aは、実施例の検査装置の上面図である。図10Bは、図10Aの検査装置のD−D断面図である。なお、パターンの形成にはドット密度300dpi(TDK株式会社製)のサーマルヘッドを用い、印字速度42mm/sec、印字エネルギー0.17mJ/dotの評価系システムを構築し、印字評価を行った。
図10A及び図10Bに示したように、標識抗体用熱転写媒体の転写位置から15mm離れた位置にテストライン用熱転写媒体を幅0.7mm×長さ4mmのライン状に転写した。更にテストライン用熱転写媒体から5mm離れた位置にコントロールライン用熱転写媒体を幅0.7mm×長さ4mmのライン状に転写した。なお、各ラインは、上記と同様の印字条件で形成した。
更に、図10A及び図10Bに示したように吸収部材14(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けることにより、実施例1のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。
<<評価方法>>
1.検査液の調製
Human IgGに抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、500μg/mLに調製し、検査液を得た。
イムノクロマトアッセイA〜Eの上流端部に検査液を100μL滴下し、30分間経過したところで、イムノクロマトアッセイを観察した。このうち、テストライン及びコントロールラインの位置に明確に発色が認められ、発色濃度が全体に均一であり、ラインが途切れているところがないものを◎、ラインとして途切れているところはなく判定は可能であるが、発色濃度が場所によってやや不均一なものを○とし、かろうじて発色は確認でき、ライン状にはなっているが、ラインが一部途切れているところがあるものを△、発色が認められなかったもの、もしくはラインが下流側に流れているものなど、ライン状に発色していないものを×とした。なお、評価基準の例を表2に示す。表2の写真は、それぞれ試験後のテストラインの写真である。また、イムノクロマトアッセイの構成を図10A及び図10Bに示し、評価結果を表4a及び表4bに示す。
〔1〕で使用した呈色後のイムノクロマトアッセイを測定用のハウジングケースに収め、クロマトリーダー(大塚電子株式会社製、DiaScan 10)を用いて測定し、ラインの光学濃度を求めた。光学濃度はより濃いほうが好ましく、イムノクロマトアッセイの場合、光学濃度が250以上は◎、250未満150以上は○、150未満50以上のものは△、50未満もしくはラインとして確認できず測定不能のものは×とする。また、ケミカルアッセイの場合、光学濃度が400以上は◎、400未満250以上は○、250未満100以上のものは△、100未満もしくはラインとして確認できず測定不能のものは×とする。評価結果を表4a及び表4bに示す。
実施例1において、固定用試薬固相化層塗布液に使用したポリビニルブチラール樹脂をポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製、KS−10、アセタール化度78mol%)に、放出用試薬固相化層塗布液に使用したポリビニルブチラール樹脂をポリビニルブチラール樹脂(アセトアセタール基とブチラール基とを有する混合タイプ)(積水化学工業株式会社製、BX−L、アセタール化度63±3mol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のイムノクロマトアッセイA〜Eを作製した。
作製したイムノクロマトアッセイA〜Eについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
実施例1において、テストライン用試薬塗布液に使用したAnti−human IgG antibodyを抗hCGモノクローナル抗体(Medix Biochemica社製、Anti−Alpha subunit 6601 SPR−5)に、コントロールライン用試薬塗布液に使用したHuman IgG(Sigma社製、I2511−10MG)をAnti−mouse IgG antibody(和光純薬工業株式会社製、566−70621)に、標識抗体用試薬塗布液に使用した金コロイド標識Anti−Human IgG antibodyを、下記の方法により作製した金コロイド標識抗体に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のイムノクロマトアッセイA〜Eを作製した。
金コロイド溶液(BBI社製、EMGC50)9mLに50mMに調製したKH2PO4バッファー(pH7.0)1mLを加えた後、更に50μg/mLに調製した抗hCGモノクロナール抗体(Medix Biochemica社製、Anti−hCG 5008 SP−5)を1mL加え、攪拌した。これを10分間静置した後、1質量%ポリエチレングリコール水溶液(和光純薬工業株式会社製、168−11285)を550μL加え攪拌した後、更に、10質量%BSA水溶液(Sigma社製、A−7906)を1.1mL加え攪拌した。
<評価方法>
1.検査液の調製
hCG(アールアンドディーシステムス社製、リコンビナントhCG、7727−CG−010)に抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、50mIU/mLに調製し、検査液を得た。
イムノクロマトアッセイA〜Eの上流端部に検査液を100μL滴下し、30分間後、イムノクロマトアッセイを観察した。このうち、テストライン及びコントロールラインの位置に明確に発色が認められ、発色濃度が全体に均一であり、ラインが途切れているところがないものを◎、ラインとして途切れているところはなく判定は可能であるが、発色濃度が場所によってやや不均一なものを○とし、かろうじて発色は確認でき、ライン状にはなっているが、ラインが一部途切れているところがあるものを△、発色が認められなかったもの、もしくはラインが下流側に流れているものなど、ライン状に発色していないものを×とした。結果を表4a及び表4bに示す。
実施例1と同様のやり方により、ラインの光学濃度を求めた。評価結果を表4a及び表4bに示す。
<<試薬用熱転写媒体の作製>>
<溶液の調製>
1−1.固定
ポリスチレン(シグマ アルドリッチ社製、ポリスチレン 331651−25G)5質量部、及びトルエン95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
1−2.放出
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−1、ブチラール化度64mol%)5質量部、及びエタノール95質量部を混合し、放出用試薬固相化層塗布液を得た。
2−1.テストライン
Anti−human IgG antibody(Sigma社製、I1886)に抗体希釈液(シグマ アルドリッチ社製、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水D8662)を加え、10μg/mLに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
Human IgG(Sigma社製、I2511−10MG)に抗体希釈液を加え、10μg/mLに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
実施例1と同様のやり方により、標識抗体用試薬塗布液を得た。
1.バック層形成
実施例1と同様のやり方により、平均厚み4.5μmのPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
2.剥離層形成
実施例1と同様のやり方により、平均厚み85μmの剥離層を形成した。
3−1.テストライン用熱転写媒体及びコントロールライン用熱転写媒体
次に、剥離層上に、固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層(樹脂層)を形成した。更に、試薬固相化層上に、テストライン用試薬塗布液を単位面積(cm2)あたり100μLになるよう塗布し水膜を形成したあと、水膜が乾燥しないよう相対湿度80%に保った容器内に熱転写媒体を設置して37℃で1時間静置した。静置後、試薬固相化層表面を抗体希釈液で洗浄し、真空乾燥機内で、25℃で1時間乾燥し、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、テストライン用熱転写媒体を得た。
実施例1と同様のやり方により、標識抗体用熱転写媒体を得た。
実施例1と同様のやり方により、A〜Eの紙基板に標識抗体、テストライン及びコントロールラインを形成し、吸収パッドを設置して実施例4のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。また、実施例1と同様にして、視認性及び濃度の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
固定用試薬固相化層塗布液の作製において、カルナウバワックス(日本ワックス株式会社製、カルナウバワックス 特製2号)10質量部、及びトルエン/メチルエチルケトン(3/1)90質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
上述した操作以外は、実施例4と同様にして、実施例5のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。また、実施例1と同様にして、視認性及び濃度の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
固定用試薬固相化層塗布液の作製において、ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000)5質量部、及びトルエン95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
上述した操作以外は、実施例4と同様にして、実施例6のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。また、実施例1と同様にして、視認性及び濃度の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
1.試薬塗布液の調製
1−1.テストライン
Anti−human IgG antibodyに抗体希釈液を加え、0.9mg/mLに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
Human IgGに抗体希釈液を加え、0.9mg/mLに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
金コロイド標識Anti−human IgG antibodyに標識抗体希釈液を加え、OD=2に調製し、標識抗体用試薬塗布液を得た。
<紙基板の作製>
幅40mm×長さ35mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に厚さが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。この塗工物を2時間以上静置した後、接着剤層面にPETフィルムと同様の大きさに切断した表1に示す各種部材を重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、紙基板A〜Eとした。
紙基板A〜Eについて、図11A及び図11Bに示したように、その短軸側の一端から9mm離れたdの位置にテストライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置(BioDot社製、BioJet)を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した。なお、図11Aは、比較例の検査装置の上面図である。図11Bは、図11Aの検査装置のE−E断面図である。更にdから5mm離れたeの位置にコントロールライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した。塗布後、20℃−20RH%の環境下で16時間乾燥した。
1−3.で作製した標識抗体溶液を、幅40mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000、図11A及び図11Bのp)に60μL/cm2となるよう塗布し、一晩減圧乾燥し、標識抗体保持パッドを作製した。
紙基板A〜Eについて、台紙フィルムとして幅40mm×長さ80mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み100μm)の長軸側の一端から33mm離れた位置に、紙基板の試薬塗布面とは反対側と台紙フィルム(PETフィルム)とが対向するように台紙フィルム(PETフィルム)に紙基板を接着した。
次に、上記で作製した標識抗体乾燥パッドを幅40mm×長さ18mmに切断し、紙基板の上面に、紙基板の上流端が2mm重なるように配置して貼り付け、更に幅40mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000、図11A及び図11Bのs)を標識抗体保持パッドの上面に18mm重なるように配置して貼り付け、サンプル滴下パッドとした。次に、幅40mm×長さ28mmの吸収パッドを紙基板の上面に、紙基板の下流端と16mm重なるように配置して貼り付け、更に、吸収部材14(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けた。最後に長軸方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるように切断し、比較例1のイムノクロマトアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。
作製したイムノクロマトアッセイA〜Eについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
比較例1において、テストライン用試薬塗布液に使用したAnti−human IgG antibodyを抗hCGモノクローナル抗体(Medix Biochemica社製、Anti−Alpha subunit 6601 SPR−5)に、コントロールライン用試薬塗布液に使用したHuman IgG(Sigma社製、I2511−10MG)をAnti−mouse IgG antibody(和光純薬工業株式会社製、566−70621)に、標識抗体用試薬塗布液に使用した金コロイド標識Anti−Human IgG antibodyを、実施例3において作製した金コロイド標識抗体に変更した以外は、比較例1と同様にして、比較例2のイムノクロマトアッセイA〜Eを作製した。
作製したイムノクロマトアッセイA〜Eについて実施例3と同様の評価を行った。結果を表4a及び表4bに示す。
一方、比較例1及び2について、視認性の評価では、紙基板Aにおいてはラインとして途切れているところのない発色を確認できたが、紙基板B及びCにおいては、ライン付近のにじみが酷くかろうじて発色を確認できる程度であった。更に、紙基板D及びEについては紙基板全体への非特異吸着が酷く、ラインも確認できなかった。また、光学濃度の評価では、紙基板Aにおいては読み値で200を超える濃度が確認できたものの、紙基板B及びCではライン中の標識粒子が紙内で拡散しているために発色がぼやけ濃度が薄くなり、更に紙基板D及びEではライン形状が確認できないほどぼやけた発色になっており測定不能であった。
(ケミカルアッセイの作製)
<<試薬用熱転写媒体の作製>>
<溶液の調製>
1.バック層塗布液の調製
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV−150、重量平均分子量2,100、VAc21%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、剥離層塗布液を得た。
3−1.固定
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製、BL−10、ブチラール化度72mol%)5質量部、及びエタノール95質量部を混合し、固定用試薬固相化層塗布液を得た。
4−1.センシングライン
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸(Sigma社製、149136−5G)5質量部、水酸化ナトリウム(Sigma社製、306576−25G)0.8質量部、及び蒸留水32質量部を混合し十分に撹拌して3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸ナトリウム水溶液とし、センシングライン用試薬塗布液を得た。
1.バック層形成
支持体としての平均厚み4.5μmのPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、バック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
次に、PETフィルムにおけるバック層が形成された面とは反対側の面に、剥離層塗布液を塗布し、50℃で180秒間乾燥して、平均厚み85μmの剥離層を形成した。
次に、剥離層上に、固定用試薬固相化層塗布液を塗布し、70℃で60秒間乾燥して、平均厚み5μmの試薬固相化層を形成した。更に試薬固相化層上に、センシングライン用試薬塗布液を塗布し、25℃で5時間乾燥して、試薬固相化層に試薬を固相化させた。以上により、センシングライン用熱転写媒体を得た。
<紙基板の作製>
幅40mm×長さ80mmにカットしたPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。この塗工物を2時間以上静置した後、接着剤層面に幅40mm×長さ70mmにカットした表1に示す各種部材を、接着剤層面の長軸側の一端と各種部材の長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)を揃えるように重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけた。最後に長軸方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるよう切断し、紙基板A〜Eを得た。
1.センシングライン
紙基板A〜Eについて、紙基板と試薬用熱転写媒体の試薬が固相化されている側とを対向させて重ね合わせた後、熱転写プリンタを用いて、図12A及び図12Bに示したように、紙基板の上流端から30mm離れた位置に、センシングライン用熱転写媒体を幅0.7mm×長さ4mmのライン状に転写して、樹脂層15dを設けた。図12Aは、実施例の検査装置の上面図である。図12Bは、図12Aの検査装置のF−F断面図である。なお、パターンの形成にはドット密度300dpi(TDK株式会社製)のサーマルヘッドを用い、印字速度42mm/sec、印字エネルギー0.17mJ/dotの評価系システムを構築し、印字評価を行った。
更に、図12A及び図12Bに示したように吸収部材14(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けることにより、実施例7のケミカルアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。
1.検査液の調製
塩化鉄(III)六水和物(和光純薬工業株式会社製、012497)5質量部に蒸留水58質量部を加え、5質量%に調製し、検査液を得た。
ケミカルアッセイA〜Eの上流端部に検査液を100μL滴下し、10分間後、ケミカルアッセイを観察し、実施例1と同様の評価基準で判定した。評価結果を表6a及び表6bに示す。
<試薬の固相化>
実施例7において、紙基板A〜Eにセンシングラインを熱転写する代わりに、図13A及び図13Bに示したように、その長軸側の一端から30mm離れたfの位置にセンシングライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置(BioDot社製、BioJet)を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した。なお、図13Aは、比較例の検査装置の上面図である。図13Bは、図13Aの検査装置のG−G断面図である。塗布後、20℃−20RH%の環境下で16時間乾燥した。
上記以外は実施例7と同様にして、比較例3のケミカルアッセイ(検査装置10)A〜Eを得た。作製したケミカルアッセイA〜Eについて実施例7と同様の評価を行った。結果を表6a及び表6bに示す。
<1> 検体を流すための流路が形成された多孔質の流路部材と、
前記流路部材上の一又は複数個所に設けられた樹脂層と、を有しており、
前記樹脂層における前記流路部材に対向する面には、
前記検体と反応する試薬が固相化されていることを特徴とする検査装置である。
<2> 検体を流すための流路が形成された多孔質の流路部材と、
前記流路部材上に設けられた第一の樹脂層と、第二の樹脂層と、を有しており、
前記第一及び第二の樹脂層が前記流路部材に対向する面において、
前記第一の樹脂層に固相化されている試薬は捕捉抗体であり、
前記第二の樹脂層に固相化されている試薬は標識抗体であることを特徴とする前記<1>に記載の検査装置である。
<3> 前記第一の樹脂層が複数設けられていることを特徴とする前記<2>に記載の検査装置である。
<4> 前記第一の樹脂層は、疎水基を有する樹脂を含有することを特徴とする前記<2>乃至<3>のいずれかに記載の検査装置である。
<5> 前記疎水基を有する樹脂は、疎水性樹脂又は第一の両親媒性樹脂であることを特徴とする前記<4>に記載の検査装置である。
<6> 前記第二の樹脂層は、第二の両親媒性樹脂を含有することを特徴とする前記<2>乃至<5>のいずれかに記載の検査装置である。
<7> 前記第一の両親媒性樹脂は、前記第二の両親媒性樹脂よりも疎水基を多く有する樹脂であることを特徴とする前記<6>に記載の検査装置である。
<8> 前記樹脂層は、水不溶性樹脂を含有することを特徴とする前記<1>乃至<7>のいずれかに記載の検査装置である。
<9> 前記樹脂層は、非孔質体であることを特徴とする前記<1>乃至<8>のいずれかに記載の検査装置である。
<10> 前記<1>乃至<9>のいずれか一項に記載の検査装置と、
前記検体を採取するための検体採取手段、及び、前記検体を処理するための液体の少なくとも一方と、
を有することを特徴とする検査キットである。
<11> 支持体と、
支持体上に設けられた剥離層と、
前記剥離層上に設けられた試薬固相化層と、を有しており、
前記試薬固相化層の表面には、検体と反応する試薬が固相化されていることを特徴とする検査装置製造用の転写媒体である。
<12> 前記<11>に記載の転写媒体の前記試薬固相化層と、多孔質の流路部材とを接触させて、前記試薬固相化層を前記流路部材に転写する工程を含むことを特徴とする検査装置の製造方法である。
<13> 前記<1>乃至<9>のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
前記樹脂層に固相化されている試薬を、前記検体と接触させることにより、前記樹脂層から放出させる工程と、
を含むことを特徴とする検査方法である。
<14> 前記<1>乃至<9>のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
前記検体の一部を、前記樹脂層に固相化されている試薬により捕捉させる工程と、
を含むことを特徴とする検査方法である。
11 基材
12 流路部材
13 台紙フィルム
14 吸収部材
15 樹脂層
15a 樹脂層
15b 樹脂層
15c 樹脂層
16 標識抗体(試薬の一例)
17 捕捉抗体(試薬の一例)
18 捕捉抗体(試薬の一例)
30 検査液(検体の一例)
31 抗原
50 検査キット
51 滅菌綿棒
52 希釈液
100 試薬用転写媒体(転写媒体の一例)
101 支持体
102 剥離層
103 試薬固相化層
104 バック層
151 両親媒性樹脂
152 親水基
153 疎水基
154 両親媒性樹脂
155 疎水性樹脂
Claims (12)
- 検体を流すための流路が形成された多孔質の流路部材と、
前記流路部材上に設けられた第一の樹脂層と、第二の樹脂層と、を有しており、
前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層における前記流路部材に対向する面には、
前記検体と反応する試薬が固相化されており、
前記第一の樹脂層に固相化されている試薬は捕捉抗体であり、
前記第二の樹脂層に固相化されている試薬は標識抗体であり、
前記第二の樹脂層は、両親媒性樹脂を含有することを特徴とする検査装置。 - 前記第一の樹脂層が複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
- 前記第一の樹脂層は、疎水基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の検査装置。
- 前記疎水基を有する樹脂は、疎水性樹脂又は両親媒性樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
- 前記第一の樹脂層が含有する両親媒性樹脂は、前記第二の樹脂層が含有する両親媒性樹脂よりも疎水基を多く有する樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
- 前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層は、水不溶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査装置。
- 前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層は、非孔質体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置と、
前記検体を採取するための検体採取手段、及び、前記検体を処理するための液体の少なくとも一方と、
を有することを特徴とする検査キット。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置を製造するための検査装置製造用の転写媒体であって、
支持体と、
支持体上に設けられた剥離層と、
前記剥離層上に設けられた試薬固相化層と、を有しており、
前記試薬固相化層の表面には、検体と反応する試薬が固相化されていることを特徴とする検査装置製造用の転写媒体。 - 請求項9に記載の転写媒体の前記試薬固相化層と、多孔質の流路部材とを接触させて、前記試薬固相化層を前記流路部材に転写する工程を含むことを特徴とする検査装置の製造方法。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
前記第二の樹脂層に固相化されている試薬を、前記検体と接触させることにより、前記第二の樹脂層から放出させる工程と、
を含むことを特徴とする検査方法。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する工程と、
前記検体の一部を、前記第一の樹脂層に固相化されている試薬により捕捉させる工程と、
を含むことを特徴とする検査方法。
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