JP7056006B2 - 検査装置及びその製造方法、検査方法、並びに検査キット及び検査装置製造用転写媒体 - Google Patents
検査装置及びその製造方法、検査方法、並びに検査キット及び検査装置製造用転写媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7056006B2 JP7056006B2 JP2017082551A JP2017082551A JP7056006B2 JP 7056006 B2 JP7056006 B2 JP 7056006B2 JP 2017082551 A JP2017082551 A JP 2017082551A JP 2017082551 A JP2017082551 A JP 2017082551A JP 7056006 B2 JP7056006 B2 JP 7056006B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nucleic acid
- group
- reagent
- flow path
- linker
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/543—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
- G01N33/54313—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals the carrier being characterised by its particulate form
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/5308—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for analytes not provided for elsewhere, e.g. nucleic acids, uric acid, worms, mites
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6813—Hybridisation assays
- C12Q1/6816—Hybridisation assays characterised by the detection means
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/543—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Immunology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
前記検査装置の中でも標的核酸を検出することができる核酸クロマト装置は、ウイルスや細菌に由来する核酸(DNA、RNA)の有無、及び特定の疾患や体質に関連した変異遺伝子に由来する核酸の有無を調べることにより、感染症、腫瘍などの遺伝性疾患、体質などを的確に診断することが可能である。また、アレルゲンや特定の食品を検出する食品検査や環境に存在する微生物を検出する環境検査にも応用されている。
前記流路部材に設けられた検査対象液滴下部と、
前記検査対象液滴下部に滴下された検査対象液中に標的核酸が含まれるときに前記標的核酸に標識を付与する標識部と、
前記標識部において標識された前記標的核酸を検出する検出部と、を有し、
前記検出部において、前記流路部材上に成形体を有し、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が共有結合により固定されている。
本発明の検査装置は、検査対象液を流すための流路となる多孔質の流路部材と、
前記流路部材に設けられた検査対象液滴下部と、
前記検査対象液滴下部に滴下された検査対象液中に標的核酸が含まれるときに前記標的核酸に標識を付与する標識部と、
前記標識部において標識された前記標的核酸を検出する検出部と、を有し、
前記検出部において、前記流路部材上に成形体を有し、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が共有結合により固定されており、更に必要に応じてその他の部材を有する。
また、テストラインやコントロールライン等の判定ラインの形成では、親水性の多孔質材料からなる流路部材に、捕捉核酸が溶解した液を直接塗布するため、前記親水性の多孔質材料の内部に拡散して存在する。しかしながら、捕捉核酸の分子量は小さく、速いスピードで拡散していくことにより、テストラインやコントロールライン等の判定ラインに滲みや色むらを発生しやすく、特に判定ラインの輪郭部分が不鮮明となる知見、及び、更には前記親水性の多孔質材料の内部に存在する捕捉核酸と結合した金コロイド粒子などの標識用粒子の発色は、光の散乱が起こるために実際には検知することができず、つまり、捕捉核酸の殆どが有効に利用されていないという知見に基づくものである。
前記検査装置の前記流路部材としては、前記検査対象液を流すことが可能な多孔質の部材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、親水性多孔質材料などが挙げられる。
前記親水性多孔質材料によって構成される前記流路部材は、空隙を有しており、前記検査対象液が前記空隙内を流れることによって前記流路が形成される。親水性多孔質材料の内部には、気泡が存在し、前記気泡同士が繋がって連続気泡となっていることが好ましい。
前記連続気泡とは、前記気泡同士が繋がっていない独立気泡とは区別されるものである。
前記連続気泡においては、前記気泡同士の壁に小さな孔が開いているため、毛細管現象によって液体を吸い込んだり気体を通過させたりする機能を有する。
前記流路部材は、前記空隙において、毛細管現象を利用して前記検査対象液を移送するので、ポンプ等の外部駆動装置が不要である。
前記流路部材の展開速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記容易に浸透可能とは、120℃で1時間乾燥した板状試験片の表面に純水0.01mLを滴下する水浸透性の評価試験で、純水0.01mLが10分間以内にすべて浸透することを意味する。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1-〔坪量(g/m2)/平均厚み(μm)/組成分比重〕}×100
前記親水性多孔質材料の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.3mm以下が好ましい。前記平均厚みが、0.01mm以上であると、前記流路部材としての強度を保つことができる。また、前記平均厚みが、0.3mm以下であると、前記検査対象液の必要量を多くする必要がない。なお、本発明において、厚みとは、前記基材と前記流路部材との接触面に対して垂直方向の対象物の長さとすることができる。
前記検査対象液滴下部としては、前記流路部材の前記検査対象液を滴下する場所に形成され、前記流路に前記検査対象液を供給できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の材料から選択することができる。
前記標識部は、前記検査対象液滴下部に滴下された検査対象液中に標的核酸が含まれるときに前記標的核酸に標識を付与する部である。
前記標識部に含まれる標識体が、前記標的核酸と相補的な一本鎖核酸断片を有しており、前記標的核酸と前記標識体がハイブリダイズすることで、前記標的核酸が標識されることが好ましい。
前記標識部に含まれる標識体が、前記標的核酸又は前記標的核酸と結合している化合物又はタンパク質に対する結合能をもつ抗体を有しており、前記標的核酸と前記標識体が抗体抗原反応することで、前記標的核酸が標識されることが好ましい。
前記標識体としては、前記標的核酸と結合することができれば、特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。例えば、前記標的核酸と相補的な配列を有する核酸や、前記検査対象液中において、前記標的核酸に標識されている化合物、又は前記標的核酸と複合体を形成しているタンパク質に対する抗体などが挙げられる。前記核酸を用いる場合においては、目的に応じて、塩基配列及び長さを選択することができ、前記抗体を用いる場合においては、目的に応じた抗原に対する抗体を選択することができる。前記核酸及び前記抗体は標識を有していることが好ましく、例えば、金コロイド標識核酸などが挙げられる。
塩基配列に関しては、前記標的核酸と相補的であれば特に制限はないが、前記検出部に固定されている前記捕捉核酸と異なる配列であることが好ましい。
前記核酸は金コロイドなどの標識物と官能基を介し直接結合していてもよく、アビジン・ビオチン、ストレプトアビジン・ビオチン、ニュートラアビジン・ビオチン、抗ビオチン抗体・ビオチン、ハプテン・抗ハプテン抗体、ジゴキシゲニン・抗ジゴキシゲニン抗体などの結合性を利用して結合していてもよい。前記抗体は金コロイドなどの標識物と吸着により結合していてもよく、官能基を介して結合していてもよい。
前記核酸を前記標識体として用いる場合においては、前記標的核酸中の捕捉核酸結合部位と標識体結合部位を特異性や検出温度など目的に応じて適宜選択することができる。前記捕捉核酸結合部位の一端から前記標識体結合部位の一端までが50塩基以下が好ましく、20塩基以下がより好ましく、10塩基以下が更に好ましい。
前記検出部は、前記標識部において標識された前記標的核酸を検出する部である。
前記検出部において、前記流路部材上に成形体を有し、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が共有結合により固定されている。
また、前記検出部において、前記流路部材上に成形体を有し、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸がリンカーにより結合されていることが好ましい。
なお、前記検出部は、前記流路部材上において、複数配設されていてもよく、それぞれ別の配列を有する捕捉核酸が固定されていてもよい。
また、前記検出部において、前記流路部材上に成形体を有し、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が共有結合により固定されている。
前記成形体としては、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が共有結合により固定されている。
また、前記成形体としては、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸がリンカーにより結合されていることが好ましい。
また、前記成形体としては、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列とスペーサーを有する捕捉核酸が固定されていることが好ましい。
前記成形体としては、樹脂の成形体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記捕捉核酸が、前記成形体の前記流路部材に対向する側の面に共有結合により固定されていることが好ましい。また、前記捕捉核酸が、前記成形体の前記流路部材に対向する側の面にリンカーにより結合されていることが好ましい。
前記捕捉核酸が前記成形体の前記流路部材に対向する側の面に固定されていることにより、前記成形体と前記検査対象液との、前記補足核酸と前記標的核酸との親和性を制御することができる。前記親和性を調整する方法としては、例えば、前記成形体を構成する樹脂の種類や、樹脂の組成比を、対応する前記標的核酸に応じて変更する方法などが挙げられる。
前記リンカーとは、前記補足核酸を前記成形体に固定するために結合(架橋)させる分子である。
前記リンカーによる結合としては、前記捕捉核酸が前記リンカーを介して前記成形体に固定することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、共有結合、配位結合、金属結合、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス結合などが挙げられる。これらの中でも、結合の強度の観点から、共有結合が好ましい。
前記成形体を構成する樹脂としては、前記捕捉核酸との結合性を有する官能基を含有している樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水不溶性樹脂であることが好ましい。前記水不溶性樹脂を用いると、前記水不溶性樹脂が前記検査対象液に溶解して、前記流路を詰まらせること、コントロールラインあるいはテストラインなどの判定ラインが滲むことを防ぐことができる。
前記成形体における前記捕捉核酸との結合性を有する前記官能基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物、活性エステル基、アルデヒド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、トシル基、ビリジルジスルフィド基、ブロモアセチル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、チオール基、マレイミド基、ビニルスルホン基、アミノオキシアセチル基、ジアゾ基、カルボジイミド基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、スクシンイミド基、ヒドラジド基、アジド基、リン酸基、アズラクトン基、ニトリル基、アミド基、イミノ基、ニトレン基、アセチル基、スルフォニルクロライド基、アシルアザイド基、アンヒドライド基、フルオロベンゼン基、カルボネート基、イミドエステル基、エポキシド基、フルオロフェニルエステル基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記活性エステル基とは、反応性の高いエステル基のことであり、前記活性エステル基の具体例としては、p-ニトロフェニルエステル基、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基、N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基、コハク酸イミドエステル基、フタル酸イミドエステル基、5-ノルボルネン-2、3-ジカルボキシイミドエステル基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記官能基の中でも、カルボキシル基、酸無水物、活性エステル基、アルデヒド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、トシル基、ビリジルジスルフィド基、ブロモアセチル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、マレイミド基、チオール基が好ましく、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、活性エステル基、マレイミド基が特に好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂などの直鎖状ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)共重合樹脂、アクリル酸エステル重合(アクリル)樹脂、メタクリル酸エステル重合(アクリル)樹脂、メタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のエステル樹脂;セルロースアセテート(CA)樹脂、シクロオレフィン系(CO)樹脂、イミン樹脂、エチレンイミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂及び前記樹脂以外の化合物の中でも、用途の観点から、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エステル樹脂、エポキシ樹脂、エチレンイミン樹脂、カルナバワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。
従来のテストラインやコントロールライン等の判定ラインの形成には、親水性の多孔質材料からなる流路部材に、前記捕捉核酸が溶解した液を直接塗布することにより行われる。したがって、前記捕捉核酸は一般的に5から60塩基程度の一本鎖核酸であり、分子量が小さいため、液体の浸透に伴い同心円状に速やかに前記多孔質材料の内部に拡散する。このことにより、テストラインやコントロールライン等の判定ラインに滲みや色むらが発生しやすく、特にラインの輪郭が不鮮明となる。更に、前記多孔質材料の内部に存在する前記捕捉核酸と結合する金コロイド粒子などの標識用粒子の発色は、光の散乱が起こるために実際には検知することはできない。つまり、前記捕捉核酸の殆どが有効に利用されていないことになる。
一般的に、多孔質材料で検知できる発色粒子は表面から5μm程度の深さまでとされる。この5μmの領域に、検査に必要となる前記捕捉核酸を固定させるには、厚み方向への拡散を考慮して多量の前記捕捉核酸を塗布しなければならない。即ち、前記捕捉核酸の塗布量は、多孔質材料の厚みに比例して増加することになる。
前記リンカーとしては、前記リンカーの一端に前記成形体前面の官能基と反応性を有する官能基を、別の一端に前記捕捉核酸に導入された官能基と反応性を有する官能基を有していればよく、目的に応じて強度を適宜選択することができる。前記リンカーが唯一の官能基を有し、前記成形体前面の官能基及び前記捕捉核酸に導入された官能基と連続的に反応する反応性を有しているものでもよい。
前記リンカー中の2つの官能基間にスペーサーが挿入されていてもよく、前記官能基間の距離は、少なくとも3Å(0.3nm)が好ましく、3Å(0.3nm)から35Å(3.5nm)がより好ましく、3Å(0.3nm)から25Å(2.5nm)が更に好ましい。 標的核酸と捕捉核酸の結合を阻害しない観点から、前記官能基間の距離が長い場合において前記スペーサーは水溶性樹脂であることが好ましい。
前記活性エステル基とは、反応性の高いエステル基のことであり、前記活性エステル基の具体例としては、p-ニトロフェニルエステル基、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基、コハク酸イミドエステル基、フタル酸イミドエステル基、5-ノルボルネン-2、3-ジカルボキシイミドエステル基などが挙げられる。
これらの中で、カルボキシル基、酸無水物、活性エステル基、アルデヒド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、トシル基、ビリジルジスルフィド基、ブロモアセチル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、マレイミド基、チオール基が好ましく、カルボキシル基、アミノ基、活性エステル基、マレイミド基が特に好ましい。
前記水溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、一本鎖DNA、RNA又はPNAからなるポリヌクレオチド、ポリペプチドなどが挙げられる。
前記リンカーが一端にマレイミド基を有しており、前記捕捉核酸の5’末端もしくは3’末端に導入されたチオール基とチオエーテル結合しているものが好ましい。
前記リンカーにおける前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基との間には原子が存在し、少なくとも3Å(0.3nm)離れていることが好ましい。前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基を有する前記リンカーの一例としてGMBSの構造式を下記に示す。
実験的には、前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基とが少なくとも7.3Å(0.73nm)離れているものが好ましく、7.3Å(0.73nm)から32.5Å(3.25nm)離れているものがより好ましく、7.3Å(0.73nm)から24.6Å(2.46nm)離れているものが更に好ましい。
前記リンカーが、前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基との間に、ポリエチレングリコール(PEG)を有するものが好ましい。
前記スペーサーとは、間にはさんで空間(距離)を確保するための分子である。前記スペーサーを構成する分子種としては特に制限はなく、用途に応じて選択することができる。前記捕捉核酸中の前記スペーサーは、前記成形体と前記標的核酸と結合可能な相補的な配列の間に位置するように挿入されていることが好ましい。前記成形体と前記標的核酸と結合可能な相補的な配列の間に前記スペーサーが位置することにより、前記捕捉核酸と前記標的核酸及び前記標識体との結合効率の向上し、配列特異性も向上する。
前記環状構造としては、例えば、置換もしくは無置換のヘテロ環、置換もしくは無置換のフェニル基などが挙げられる。
R1及びR2の無置換のアルキレン基の炭素数は2から24が好ましく、R2の置換のアルキレン基の炭素数は4であることが好ましい。
nは整数であり、20以下が好ましく、0~5がより好ましい。
前記捕捉核酸としては、前記成形体表面の前記官能基に共有結合し得る官能基を有していることが好ましく、前記標的核酸、及び前記標識体の少なくともいずれか一方と結合するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜塩基配列及び長さを選択することができる。
前記捕捉核酸が一本鎖でありかつ末端に前記官能基が修飾されており、前記標的核酸とハイブリダイズ可能であることが好ましい。
前記捕捉核酸の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)などが挙げられる。一般的に5から60塩基長の核酸が用いられることが多く、10から40塩基長の核酸が好ましい。
前記成形体表面の前記官能基に共有結合で結合し得る、前記捕捉核酸の前記官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、酸無水物、活性エステル基、アルデヒド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、トシル基、ビリジルジスルフィド基、ブロモアセチル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、チオール基、マレイミド基、ビニルスルホン基、アミノオキシアセチル基、ジアゾ基、カルボジイミド基、ビニル基、ニトロ基、スルホン基、スクシンイミド基、ヒドラジド基、アジド基、リン酸基、アズラクトン基、ニトリル基、アミド基、イミノ基、ニトレン基、アセチル基、スルフォニルクロライド基、アシルアザイド基、アンヒドライド基、フルオロベンゼン基、カルボネート基、イミドエステル基、エポキシド基、フルオロフェニルエステル基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性エステル基とは、反応性の高いエステル基のことであり、前記活性エステル基の具体例としては、p-ニトロフェニルエステル基、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル基、N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基、コハク酸イミドエステル基、フタル酸イミドエステル基、5-ノルボルネン-2、3-ジカルボキシイミドエステル基などが挙げられる。
前記捕捉核酸の前記官能基の中で、カルボキシル基、酸無水物、活性エステル基、アルデヒド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、トシル基、ビリジルジスルフィド基、ブロモアセチル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、マレイミド基、チオール基が好ましく、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、活性エステル基、マレイミド基が特に好ましい。
導入位置は前記核酸の分子鎖末端あるいは分子鎖中であってもよいが、標的核酸との効率よく結合するために、分子鎖末端に導入されていることが好ましく、目的に応じて、5’末端又は3’末端を選択することができる。
前記カルボキシル基を表面に有する前記成形体を用いる場合、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)のような水溶性カルボジイミドなどの脱水縮合剤の存在下で、前記捕捉核酸の分子中に導入されたアミノ基を、前記成形体表面のカルボキシル基に反応させてアミド結合を形成することにより、前記捕捉核酸が前記成形体に結合することができる。また、アルデヒド基を表面に有する前記成形体を用いる場合、前記捕捉核酸の分子中に導入されたアミノ基を、アルデヒド基と反応させてシッフ塩基を形成し、水素化シアノホウ素ナトリウムなどの還元剤を反応させて安定な共有結合を形成する方法などが挙げられる。
前記共有結合の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミド結合、エステル結合、チオ尿素結合、チオエーテル結合、エーテル結合、イミン結合、ジスルフィド結合などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イミン結合とは、R1-CH=N-R2のことを意味する。ただし、R1、R2は異なるアルキル基を示し、R1とR2は同一であってもよい。
なお、前記捕捉核酸が、前記成形体表面に共有結合していることは、FT-IR ATR法などにより確認することができる。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、標識体供給部、標識体展開部材、基材、吸収部材などが挙げられる。
前記標識体供給部としては、標識体を前記流路部材に供給することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、別の装置及び器具を用いて、前記流路に滴下する構造、前記流路上に前記標識体を含む標識体展開部材を積層して前記標識体を供給する構造などが挙げられる。これらの中でも、前記標識体展開部材を有する構造が好適に挙げられる。
前記標識体展開部材としては、前記標識体を展開可能な状態で担持することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて公知の材料から選択することができ、例えば、セルロース濾紙、ガラス繊維、不織布などが挙げられる。
前記基材としては、その構造、材質、及び形状などについて特に制限はなく、目的に応じて選択することができる。
前記基材の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材の上面に前記流路部材が積層されている構造などが挙げられる。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機、無機又は金属製のものが挙げられる。また、前記基材は、特に限定されないが、少なくとも1面が疎水性樹脂で覆われていることが好ましい。前記検査装置をセンサチップに使用する場合には、軽量で柔軟性があり、かつ、安価である合成樹脂を前記基材として用いることが好ましい。また、プラスチックシートなどの耐久性が高い材質を前記基材として選択できるので、結果として前記検査装置の耐久性も向上する。
前記基材の材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニルエーテル、ポリブチレンフタレート、ABS樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低価格で汎用性が高いことから、ポリエチレンテレフタレート製の前記基材を用いることが特に好ましい。
前記基材の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましい。平均厚みが、0.01mm以上であると、前記基材としての強度が適正であり、0.5mm以下であると、フレキシブル性があり、センサとして好適である。
前記平均厚みは、例えば、測定対象物の厚みを長手方向に5箇所、幅方向に3箇所、測定箇所がほぼ均等の間隔となるように合計15箇所をマイクロメーターで測定したときの厚みの平均値とすることができる。
前記吸収部材としては、前記検査対象液の液体を吸収するものであれば、特に制限はなく、公知の材料から選択することができ、例えば、前記液体が水の場合は、紙、布などの繊維、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体、多糖類の部分架橋体などが挙げられる。
図1は、本発明の検査装置の一例を示す上面図である。図2は、図1のA-A線における概略断面図である。図3は、標識体として核酸を用いた場合における、第1の検出部と流路部材との接する部分を説明する部分拡大断面図である。図4は、標識体として抗体を用いた場合における、第1の検出部と流路部材との接する部分を説明する部分拡大断面図である。図5は、第2の検出部と流路部材との接する部分を説明する部分拡大図である。
なお、図1~図5で示すように、第1の検出部50aは、標的核酸14の有無を判定するためのテストラインとして用いており、第2の検出部50bは、標識体(核酸)16が到達したことを示すコントロールラインとして用いている。
なお、標的核酸と捕捉核酸の結合の阻害を防ぐために、第1の検出部50aの前記成形体の樹脂は、水不溶性樹脂である。本発明において、水不溶性とは、実質的に水に不溶であることを指す。ここで、実質的に水に不溶であるとは、25℃下で24時間、大量の水中に浸漬した後、真空乾燥等の方法によって十分に乾燥した際の、樹脂の質量変化量が1質量%以下であることを意味する。1質量%以下の質量変化は樹脂生成物中に含まれる副生成物(モノマー成分など)が水中に溶け出し質量が減少することがあるためである。
吸収部材70は、滴下部80とは逆に、下流側となる端部に流路部材30を覆うように基材20に配設されている。
本発明の検査装置製造用転写媒体は、本発明の検査装置を製造するための媒体であって、前記検査装置製造用転写媒体としては、前記流路に転写することで前記検出部を形成することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、支持体と、剥離層と、試薬固定化層とを有し、必要に応じてその他の層を有してもよい。
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造、及び積層構造などが挙げられる。
前記支持体の大きさとしては、特に制限はなく、前記検査装置の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記支持体としては、特に制限はなく、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記支持体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上50μm以下が好ましい。
前記剥離層は、転写の際に、前記支持体と前記試薬固定化層との剥離性を向上させる機能を有する。また、前記剥離層は、サーマルヘッド等の加熱加圧手段で加熱すると熱溶融して低粘度の液体となり、加熱部分と非加熱部分との界面近傍で、前記試薬固定化層の切断を容易にする機能を有する。前記剥離層は、ワックス、及びバインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の成分を含んでなる。
前記剥離層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上50μm以下が好ましい。
前記剥離層の付着量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5g/m2以上50g/m2以下が好ましい。
前記試薬固定化層は、前記検査装置における前記検出部の前記成形体を構成する樹脂のいずれか一方を含んでいれば、その材料などに、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記試薬固定化層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホットメルト塗工法や、前記検出部を構成する樹脂を溶剤に分散させた試薬塗布液を、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーターなどの一般的な塗布法により、試薬固定化層塗布液を前記支持体上又は前記剥離層上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バック層、アンダー層、保護フィルムなどが挙げられる。
前記バック層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記転写媒体には、前記支持体の前記剥離層側の面とは反対側の面に、前記バック層が設けられていることが好ましい。前記反対側の面には、転写時に、サーマルヘッド等で前記検出部の前記成形体の形状に合わせて熱が直接印加される。このため、前記バック層は、高熱への耐性、サーマルヘッド等との摩擦への耐性を有することが好ましい。前記バック層は、バインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記バック層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。
前記アンダー層としては、前記支持体と前記剥離層との間、又は前記剥離層と前記試薬固定化層との間に設けることができる。前記アンダー層は、樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記試薬固定化層及び前記剥離層で用いた各種樹脂が使用可能である。
前記試薬固定化層上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために保護フィルムを設けることが好ましい。前記保護フィルムの材料としては、前記試薬固定化層から容易に剥がすことができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン紙、ポリプロピレン等のポリオレフィンシート、ポリテトラフルオロエチレンシートなどが挙げられる。前記保護フィルムの平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。
一方、本発明では、共有結合により前記捕捉核酸を固定化しているため、転写媒体を重ねた場合にも試薬が転写媒体の反対側に移りづらく保存安定性が高いという利点がある。
本発明の検査装置の製造方法は、前記転写媒体の前記試薬固定化層と、前記流路部材とを接触させて、前記試薬固定化層を前記流路部材に転写する工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含んでなる。
前記試薬固定化層を前記流路部材に転写する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記流路部材に対して熱転写する方法などが挙げられる。
図7は、検査装置に用いられる転写媒体の積層状態を示す断面図である。前記試薬固定化層の転写は、前記流路上であれば前記流路の構造などに、特に制限はなく、目的に応じて適宜形成することができるが、ここでは前記流路部材に対して熱転写する方法を説明する。
前記検査装置の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、核酸クロマト装置、血液検査やDNA検査向けの生化学センサ(センシングチップ)、食品や飲料の品質管理用途などにおける小型の分析機器(化学センサ)などが挙げられる。これらの中でも、核酸クロマト装置として好適である。
前記核酸クロマト装置は、ウイルスや細菌に由来する核酸(DNA,RNA)の有無、及び特定の疾患や体質に関連した変異遺伝子に由来する核酸の有無を調べることにより、感染症、腫瘍などの遺伝性疾患、体質などを的確に診断することが可能である。また、アレルゲンや特定の食品を検出する食品検査や環境に存在する微生物を検出する環境検査にも応用されている。
本発明の検査方法は、本発明の検査装置を用いて検査するための検査方法であれば特に限定されないが、前記流路部材に、検体を供給する検体供給工程と、前記検体の一部を前記成形体に固定されている前記捕捉核酸により捕捉させる工程と、を含むものであってもよい。
本発明の検査キットは、本発明の検査装置と、検体を採取するための検体採取手段と、を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
上記の本発明の検査方法により検査を行う場合、図8に示すように、検査装置10と、検体を採取するための器具(検体採取手段の一例)、及び、検体を処理するための液体の少なくとも一方と、を有する検査キットを用いることができる。
前記検体を採取する器具としては、例えば、咽頭あるいは鼻腔等から検体を採取するための滅菌綿棒201等の公知の器具が挙げられる。検体を処理するための液体としては、検体を希釈するための希釈液202、検体を抽出するための抽出液等の公知の液体が挙げられる。
前記指示薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、pH指示薬、鉛イオン、銅イオン、亜硝酸イオン等の各種イオンと反応して変色する各種イオノフォア、各種農薬と反応して変色する試薬などが挙げられる。
-バック層塗布液の調製-
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
-剥離層塗布液の調製-
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン-酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV-150、重量平均分子量2,100、VAc21質量%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、剥離層塗布液を得た。
-試薬固定化層塗布液の調製-
アミノエチル化アクリルポリマー(ポリメントNK-380、株式会社日本触媒製)に溶媒としてトルエンを加え、15質量%になるように希釈し、試薬固定化層塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSulfo-GMBS(ThermoSCIENTIFIC社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSulfo-GMBS(ThermoSCIENTIFIC社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-標識体(核酸)用試薬塗布液の調製-
カルボキシル基が修飾された金コロイドに対し、3’末端にアミノ基を導入したグアニン(G)を連続して20塩基有するDNA断片を、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(Thermo Scientific社製)を用いてアミド結合させ、50mMのTris-HClバッファー(pH8.2)で洗浄した後、標識体希釈液(20mMのTris-HClバッファー(pH8.2)、0.05質量%ポリエチレングリコール、5質量%スクロース及び精製水)で懸濁し、OD=2に調整し、標識体用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)4(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)4(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、TEバッファー(10mMのTris-HCl、1mMのEDTA、pH7.4、タカラバイオ株式会社製)で25μMに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、TEバッファー(10mMのTris-HCl、1mMのEDTA、pH7.4、タカラバイオ株式会社製)で25μMに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-標識体(抗体)用試薬塗布液の調製-
金コロイド溶液(BBI社製、EMGC50)9mLに50mMに調製したKH2PO4バッファー(pH7.0)1mLを加えた後、更に50μg/mLに調製した抗ビオチンモノクローナル抗体(Bethyl Laboratories社製、Anti-Biotin、Goat-Poly A150-111A)を1mL加え、攪拌した。これを10分間静置した後、1質量%ポリエチレングリコール水溶液(和光純薬工業株式会社製、168-11285)を550μL加え攪拌した後、更に、10質量%BSA水溶液(シグマ アルドリッチ社製、A-7906)を1.1mL加え攪拌した。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にN-ヒドロキシスクシンイミドエステル基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にN-ヒドロキシスクシンイミドエステル基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-試薬固定化層塗布液の調製-
アミノ基含有エチレンイミン樹脂として、アジリジン誘導体(CL2502、荒川化学工業株式会社製)に硬化触媒(ACS-164、荒川化学工業株式会社製)を100:4の割合(質量比)で混合し、試薬固定化層塗布液を得た。
-試薬固定化層塗布液の調製-
カルボキシル基含有エステル樹脂(AP2510、荒川化学工業株式会社製)に溶媒としてメチルエチルケトン/トルエン混合液(体積比率6:4)を加え、15質量%になるように希釈し、試薬固定化層塗布液を得た。
-試薬固定化層塗布液の調製-
水酸基含有アクリル樹脂(DA105、荒川化学工業株式会社製)に硬化剤(CL102H、荒川化学工業株式会社製)を10:3.8の割合(質量比)で混合し、試薬固定化層塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にアミノ基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、及び終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのDSG(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にアミノ基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、及び終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのDSG(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にカルボキシル基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にアミノ基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にアミノ基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのホウ酸バッファー(pH8.5)で調製し、リンカーとして終濃度1mMのPMPI(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのホウ酸バッファー(pH8.5)で調製し、リンカーとして終濃度1mMのPMPI(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
<テストライン用転写媒体の作製>
-バック層形成-
支持体としての平均厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、調製例1のバック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
次に、前記PETフィルムにおけるバック層が形成された面とは反対側の面に、調製例2の剥離層塗布液を塗布し、25℃で30分間乾燥して、平均厚み30μmの剥離層を形成した。
次に、前記剥離層表面に、調製例3の試薬固定化層塗布液を塗布し、50℃で30分間乾燥して、平均厚み3μmの試薬固定化層を形成した。以上により、転写媒体を作製した。
-テストライン(第1の捕捉核酸の固定化)-
次に、調製例4のテストライン用試薬塗布液を浅型角バッドに注ぎ、試薬固定化層表面のみがテストライン用試薬塗布液に触れるように前記転写媒体をテストライン用試薬塗布液に浮かべた状態で、前記浅型角バッドに蓋をした後25℃で30分間静置した。その後、試薬固定化層表面を50mMのTris-HClバッファー(pH9.0)で洗浄し、25℃で30分間真空乾燥して、試薬固定化層に試薬を固定させた。以上により、実施例1のテストライン用転写媒体を作製した。
-コントロールライン(第2の捕捉核酸の固定化)-
前記<テストライン用転写媒体の作製>において、テストライン用試薬塗布液の代わりに調製例5のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、前記<テストライン用転写媒体の作製>と同様にして、実施例1のコントロールライン用転写媒体を作製した。
なお、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、FT-IR ATR法(FT-IR6800、日本分光株式会社製)により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
以下のようにして、図1及び図2に示す検査装置10を作製した。図1は、実施例の検査装置の上面図である。図2は図1の検査装置のA-A線での概略断面図である。
幅40mm×長さ80mmにカットしたPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)20の上部に、熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に平均厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。
前記接着剤層を形成したPETフィルム20を2時間以上静置した後、前記接着剤層表面に幅40mm×長さ35mmにカットしたニトロセルロースメンブレン(メルクミリポア社製、HF180)を、接着剤層表面の長手方向の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)から33mmの位置に幅方向の長さをそろえて重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、流路部材30を形成した。最後に、長手方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるように切断し、紙基板を得た。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1-〔坪量(g/m2)/平均厚み(μm)/組成分比重〕}×100
なお、前記流路部材の空隙率が、40%以上90%以下の範囲であると、前記流路部材は多孔質であるといえる。
紙基板の流路部材30と前記テストライン用転写媒体の試薬が固定されている側とを対向させて重ね合わせた後、熱転写プリンタを用いて、図1及び図2に示したように、流路部材30の上流端から9mm離れた位置に、前記テストライン用転写媒体を幅4mm×長さ0.7mmのライン状に転写した(第1の検出部50a)。
前記熱転写プリンタは、ドット密度300dpiのサーマルヘッド(TDK株式会社製)を用い、印字速度42mm/sec、印加エネルギー0.17mJ/dotの評価系システムを構築したものである。
次に、前記テストライン用転写媒体の転写位置から5mm離れた位置に前記コントロールライン用転写媒体を幅4mm×長さ0.7mmのライン状に転写した(第2の検出部50b)。
次に、調製例6の標識体用試薬塗布液を、幅4mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000)に60μL/cm2となるように塗布し、一晩減圧乾燥し、標識体保持パッドを作製した。
前記標識体保持パッドを、図1及び図2に示したように、紙基板の上流端から17mm離れた位置に配置して、紙基板に設けられている接着剤層に重ね合わせることにより貼り付けた(標識体供給部40)。
幅4mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を、図1及び図2に示すように、標識体供給部40の上面に18mm重なるように配置して貼り付けた(滴下部80)。
図1及び図2に示したように、吸収部材70(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けた。以上により、実施例1の核酸クロマト装置(検査装置10)を得た。
-検査対象液の調製-
5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0μMに調製し、検査対象液を得た。
図1及び図2に示す検査装置10の上流端部に前記検査対象液を100μL滴下し、30分間経過した後、目視観察にて、下記基準でライン評価を行った。結果を表2に示した。
[評価基準]
A:テストライン及びコントロールラインの位置に明確に発色が認められ、発色濃度が全体に均一であり、ラインが途切れているところがない
B:ラインとして途切れているところはなく判定は可能であるが、発色濃度が場所によってやや不均一である
C:かろうじて発色は確認でき、ライン状にはなっているが、ラインが一部途切れているところがある
D:発色が認められなかったもの、又はラインが下流側に流れているものなど、ライン状に発色していない
なお、評価基準の例を表1に示す。表1の写真は、それぞれ試験後のテストラインの写真である。
前記ライン評価で使用した呈色後の検査装置を、クロマトリーダー(浜松ホトニクス株式会社製、C10066)を用いて測定し、ラインの光学濃度、及びS/N比を求め、下記基準で評価した。結果を表3に示した。なお、ラインの光学濃度はより濃いほうが好ましく、S/N比はより大きい方がラインの輪郭が明確であり、好ましい。クロマトリーダーによりラインの光学濃度が検出されなかった場合は、「-」とした。
[ラインの光学濃度の評価基準]
A:光学濃度が200以上
B:光学濃度が100以上200未満
C:光学濃度が30以上100未満
D:光学濃度が30未満
E:ラインとして確認できず測定不能
[S/N比の評価基準]
A:S/N比が30以上
B:S/N比が10以上30未満
C:S/N比が3以上10未満
D:S/N比が3未満
E:算出不能
[総合評価の基準]
Aを5点、Bを4点、Cを3点、Dを2点、Eを1点として数値化し、ライン評価、光学濃度評価、及びS/N比評価の合計点数で評価した。
S:非常に優れている:15点以上
A:優れている:14点以上15点未満
B:よい:13点以上14点未満
C:普通:12点以上13点未満
D:やや劣るが可:11点以上12点未満
E:視認性がなく不可:11点未満
実施例1において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例7のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例8のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例2において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例1において、<標識体供給部の形成>で調製例11の標識体用塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、テストラインのみが転写された実施例3の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ラインの評価>で5’末端にビオチン標識されており、5’末端からチミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、アデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を用いて検査対象液を調製した以外は、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例3において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例2において、<標識体供給部の形成>で調製例11の標識体用塗布液を用いた以外は、実施例2と同様にして、テストラインのみが転写された実施例4の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ラインの評価>で5’末端にビオチン標識されており、5’末端からチミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、アデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を用いて検査対象液を調製した以外は、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例4において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例1において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例12のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例13のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例5において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例1において、-試薬固定化層形成-で調製例16の試薬固定化層塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例6において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例1において、-試薬固定化層形成-で調製例16の試薬固定化層塗布液を用い、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例19のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例20のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例7において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のアミノ基と、リンカー中の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例1において、-試薬固定化層形成-で調製例16の試薬固定化層塗布液を用い、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例21のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例22のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例8の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例8において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のカルボキシル基と、前記試薬固定化層中のアミノ基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例1において、-試薬固定化層形成-で調製例17の試薬固定化層塗布液を用い、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例23のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例24のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例9の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例9において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のアミノ基と、前記試薬固定化層中のカルボキシル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例1において、-試薬固定化層形成-で調製例18の試薬固定化層塗布液を用い、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例25のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例26のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例10において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが共有結合していることは、実施例1と同様にして、FT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中の水酸基と、前記リンカー中の別の一端のイソシアネート基が新たにエーテル結合(共有結合)及びアミド結合(共有結合)を形成することで生じるエーテル結合及びアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
<検査装置の作製>
以下のようにして、図9及び図10に示す検査装置10を作製した。図9は、比較例の検査装置の上面図である。図10は図9の検査装置のB-B線での概略断面図である。
幅40mm×長さ35mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に平均厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。
前記接着剤層を形成したPETフィルムを2時間以上静置した後、接着剤層表面にPETフィルムと同様の大きさに切断した流路部材30としてのニトロセルロースメンブレン(メルクミリポア社製、HF180)を重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、紙基板とした。
図9及び図10に示したように、紙基板の流路部材30の上流側端部から9mm離れた位置に調製例9のテストライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置(BioDot社製、BioJet)を用いて長さ0.7mmのライン状に塗布した(テストライン90a)。
更に、テストライン90aから5mm離れた位置に、調製例10のコントロールライン用試薬塗布液を、前記陽圧噴霧装置を用いて長さ0.7mmのライン状に塗布した(コントロールライン90b)。
塗布後、20℃で20RH%の環境下で16時間乾燥した。
なお、捕捉核酸が、流路部材に共有結合により固定されていないことは、実施例1と同様にしてFT-IR ATR法により前記流路部材表面を分析し、固定化の前後でスペクトルに変化がないことで、確認できた。
次に、調製例6の標識体用試薬塗布液を、幅40mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000)に60μL/cm2となるように塗布し、一晩減圧乾燥し、標識体保持パッドを作製した。
台紙フィルムとして幅40mm×長さ80mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み100μm)の長手方向の一端から33mm離れた位置に、流路部材の試薬塗布面とは反対側と台紙フィルム(PETフィルム)とが対向するように台紙フィルム(PETフィルム)に流路部材30を接着した。
次に、上記で作製した標識体保持パッドを幅40mm×長さ18mmに切断し、流路部材30の上面に、流路部材30の上流端が2mm重なるように配置して貼り付け、更に幅40mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を標識体保持パッドの上面に18mm重なるように配置して貼り付け(標識体供給部40)、サンプル滴下パッド(滴下部)80とした。
次に、幅40mm×長さ28mmの吸収パッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を流路部材30の上面に、流路部材30の下流端と16mm重なるように配置して貼り付け、吸収部材70を設けた。最後に長手方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるよう切断し、比較例1の核酸クロマト装置(検査装置10)を得た。
作製した比較例1の核酸クロマト装置について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
実施例1において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例14のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例15のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2及び表3に示した。
これに対して、比較例1は、ライン評価では、発色は確認できたが、ライン付近のにじみが酷くかろうじて発色を確認できる程度であった。また、光学濃度の評価では、ライン中の標識用粒子が紙内で拡散しているために発色がぼやけ濃度が薄くなり、S/N比も著しく低かった。
また、比較例2は、ライン評価で発色が確認できなかった。
実施例1と同様にして、実施例11の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ライン評価>で5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0μMに調製し、検査対象液を調製し、ライン濃度測定を実施した。結果を表4に示した。
実施例1と同様にして、実施例12の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ライン評価>で5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)を連続して5塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0μMに調製し、検査対象液を調製し、ライン濃度測定を実施した。結果を表4に示した。
実施例1と同様にして、実施例13の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ライン評価>で5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)を連続して10塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0μMに調製し、検査対象液を調製し、ライン濃度測定を実施した。結果を表4に示した。
実施例1と同様にして、実施例14の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ライン評価>で5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)を連続して20塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0μMに調製し、検査対象液を調製し、ライン濃度測定を実施した。結果を表4に示した。
実施例1と同様にして、実施例15の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ライン評価>で5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)を連続して30塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0μMに調製し、検査対象液を調製し、ライン濃度測定を実施した。結果を表4に示した。
実施例1と同様にして、実施例16の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ライン評価>で5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)を連続して40塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0μMに調製し、検査対象液を調製し、ライン濃度測定を実施した。結果を表4に示した。
-バック層塗布液の調製-
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
-剥離層塗布液の調製-
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン-酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV-150、重量平均分子量2,100、VAc21質量%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、剥離層塗布液を得た。
-試薬固定化層塗布液の調製-
アミノエチル化アクリルポリマー(ポリメントNK-380、株式会社日本触媒製)に溶媒としてトルエンを加え、15質量%になるように希釈し、試薬固定化層塗布液を得た。 なお、アミノエチル化アクリルポリマーは劣化しやすいことが知られており、試薬固定化への影響も十分に考えられることから、要時調製とする。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのGMBS(ThermoSCIENTIFIC社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。 GMBSの構造式を下記に示した。リンカーのスペーサー長とは構造式中の矢印で指し示したN-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基中の炭素原子からマレイミド基中の炭素原子までの距離とする。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのGMBS(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-標識体(核酸)用試薬塗布液の調製-
カルボキシル基が修飾された金コロイドに対し、3’末端にアミノ基を導入したグアニン(G)を連続して20塩基有するDNA断片を、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(Thermo Scientific社製)を用いてアミド結合させ、50mMのTris-HClバッファー(pH8.2)で洗浄した後、標識体希釈液(20mMのTris-HClバッファー(pH8.2)、0.05質量%ポリエチレングリコール、5質量%スクロース及び精製水)で懸濁し、OD=2に調整し、標識体用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)2(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)2(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)4(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)4(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)6(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)6(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)8(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)8(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)12(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)12(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)24(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、リンカーとして終濃度1mMのSM(PEG)24(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-標識体(抗体)用試薬塗布液の調製-
金コロイド溶液(BBI社製、EMGC50)9mLに50mMに調製したKH2PO4バッファー(pH7.0)1mLを加えた後、更に50μg/mLに調製した抗ビオチンモノクローナル抗体(Bethyl Laboratories社製、Anti-Biotin、Goat-Poly A150-111A)を1mL加え、攪拌した。これを10分間静置した後、1質量%ポリエチレングリコール水溶液(和光純薬工業株式会社製、168-11285)を550μL加え攪拌した後、更に、10質量%BSA水溶液(シグマ アルドリッチ社製、A-7906)を1.1mL加え攪拌した。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、TEバッファー(10mMのTris-HCl、1mMのEDTA、pH7.4、タカラバイオ株式会社製)で25μMに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、TEバッファー(10mMのTris-HCl、1mMのEDTA、pH7.4、タカラバイオ株式会社製)で25μMに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にチオール基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にチオール基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.2)、終濃度5mMのEDTAで調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
<テストライン用転写媒体の作製>
-バック層形成-
支持体としての平均厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、調製例101のバック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
次に、前記PETフィルムにおけるバック層が形成された面とは反対側の面に、調製例102の剥離層塗布液を塗布し、25℃で30分間乾燥して、平均厚み30μmの剥離層を形成した。
次に、前記剥離層表面に、調製例103の試薬固定化層塗布液を塗布し、50℃で30分間乾燥して、平均厚み3μmの試薬固定化層を形成した。以上により、転写媒体を作製した。
-テストライン(第1の捕捉核酸の固定化)-
次に、調製例104のテストライン用試薬塗布液を浅型角バッドに注ぎ、試薬固定化層表面のみがテストライン用試薬塗布液に触れるように前記転写媒体をテストライン用試薬塗布液に浮かべた状態で、前記浅型角バッドに蓋をした後25℃で30分間静置した。その後、試薬固定化層表面を50mMのTris-HClバッファー(pH9.0)で洗浄し、25℃で30分間真空乾燥して、試薬固定化層に試薬を固定させた。以上により、実施例101のテストライン用転写媒体を作製した。前記テストライン用転写媒体は作製後直ちに核酸クロマト装置作製に供した。
-コントロールライン(第2の捕捉核酸の固定化)-
前記<テストライン用転写媒体の作製>において、テストライン用試薬塗布液の代わりに調製例105のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、前記<テストライン用転写媒体の作製>と同様にして、実施例101のコントロールライン用転写媒体を作製した。前記コントロールライン用転写媒体は作製後直ちに核酸クロマト装置作製に供した。
前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、FT-IR ATR法(FT-IR6800、日本分光株式会社製)により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
以下のようにして、図1及び図2に示す検査装置10を作製した。図1は、実施例の検査装置の上面図である。図2は図1の検査装置のA-A線での概略断面図である。検査装置作製後は、直ちに反応、評価を実施することとした。
幅40mm×長さ80mmにカットしたPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)20の上部に、熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に平均厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。
前記接着剤層を形成したPETフィルム20を2時間以上静置した後、前記接着剤層表面に幅40mm×長さ35mmにカットしたニトロセルロースメンブレン(メルクミリポア社製、HF180)を、接着剤層表面の長手方向の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)から33mmの位置に幅方向の長さをそろえて重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、流路部材30を形成した。最後に、長手方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるように切断し、紙基板を得た。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1-〔坪量(g/m2)/平均厚み(μm)/組成分比重〕}×100 なお、前記流路部材の空隙率が、40%以上90%以下の範囲であると、前記流路部材は多孔質であるといえる。
紙基板の流路部材30と前記テストライン用転写媒体の試薬が固定されている側とを対向させて重ね合わせた後、熱転写プリンタを用いて、図1及び図2に示したように、流路部材30の上流端から9mm離れた位置に、前記テストライン用転写媒体を幅4mm×長さ0.7mmのライン状に転写した(第1の検出部50a)。
前記熱転写プリンタは、ドット密度300dpiのサーマルヘッド(TDK株式会社製)を用い、印字速度42mm/sec、印加エネルギー0.17mJ/dotの評価系システムを構築したものである。
次に、前記テストライン用転写媒体の転写位置から5mm離れた位置に前記コントロールライン用転写媒体を幅4mm×長さ0.7mmのライン状に転写した(第2の検出部50b)。
次に、調製例106の標識体用試薬塗布液を、幅4mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000)に60μL/cm2となるように塗布し、一晩減圧乾燥し、標識体保持パッドを作製した。
前記標識体保持パッドを、図1及び図2に示したように、紙基板の上流端から17mm離れた位置に配置して、紙基板に設けられている接着剤層に重ね合わせることにより貼り付けた(標識体供給部40)。
幅4mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を、図1及び図2に示すように、標識体供給部40の上面に18mm重なるように配置して貼り付けた(滴下部80)。
図1及び図2に示したように、吸収部材70(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けた。以上により、実施例101の核酸クロマト装置(検査装置10)を得た。
-検査対象液の調製-
5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1.0nMに調製し、検査対象液を得た。
図1及び図2に示す核酸クロマト装置10の上流端部に前記検査対象液を100μL滴下し、30分間経過した後、目視観察にて、下記基準でラインの評価を行った。結果を表6に示した。
[評価基準]
◎:テストライン及びコントロールラインの位置に明確に発色が認められ、発色濃度が全体に均一であり、ラインが途切れているところがない
○:ラインとして途切れているところはなく判定は可能であるが、発色濃度が場所によってやや不均一である
△:かろうじて発色は確認でき、ライン状にはなっているが、ラインが一部途切れているところがある
×:発色が認められなかったもの、又はラインが下流側に流れているものなど、ライン状に発色していない
なお、評価基準の例を表5に示す。表5の写真は、それぞれ試験後のテストラインの写真である。
前記ライン評価で使用した呈色後の核酸クロマト装置を、クロマトリーダー(浜松ホトニクス株式会社製、C10066)を用いて測定し、ラインの光学濃度を求め、下記基準で評価した。結果を表7に示した。なお、ラインの光学濃度はより濃いほうが好ましい。クロマトリーダーによりラインの光学濃度が検出されなかった場合は、「-」とした。本クロマトリーダーを用いた場合において、光学濃度20以上で目視による呈色確認が可能である。
[ラインの光学濃度の評価基準]
◎:光学濃度が250以上
○:光学濃度が150以上250未満
△:光学濃度が20以上150未満
×:光学濃度が20未満、又はラインとして確認できず測定不能
実施例101において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例107のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例108のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例101と同様にして、実施例102の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
実施例102において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、実施例101と同様にしてFT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例101において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例109のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例110のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例101と同様にして、実施例103の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
実施例103において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、実施例101と同様にしてFT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例101において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例111のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例112のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例101と同様にして、実施例104の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
実施例104において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、実施例101と同様のFT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例101において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例113のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例114のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例101と同様にして、実施例105の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
実施例105において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、実施例101と同様のFT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例101において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例115のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例116のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例101と同様にして、実施例106の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
実施例106において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、実施例101と同様のFT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例101において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例117のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例118のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例101と同様にして、実施例107の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
実施例107において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、実施例101と同様のFT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
実施例103において、<標識体供給部の形成>で調製例113の標識体用塗布液を用いた以外は、実施例103と同様にして、テストラインのみが転写された実施例108の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ラインの評価>で5’末端にビオチン標識されており、5’末端からチミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、アデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を用いて検査対象液を調製した以外は、実施例101と同様の評価を行った。
実施例108において、前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とがリンカーにより結合されていることは、実施例101と同様にしてFT-IR ATR法により、前記第2の捕捉核酸中のチオール基と、リンカー中の一端のマレイミド基が新たにチオエーテル結合(共有結合)を形成することで生じるチオエーテル結合由来のスペクトルの有無、及び前記試薬固定化層中のアミノ基と、前記リンカー中の別の一端のN-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
<検査装置の作製>
以下のようにして、図9及び図10に示す検査装置10を作製した。図9は、検査装置の上面図である。図10は図9の検査装置のB-B線での概略断面図である。
幅40mm×長さ35mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に平均厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。
前記接着剤層を形成したPETフィルムを2時間以上静置した後、接着剤層表面にPETフィルムと同様の大きさに切断した流路部材30としてのニトロセルロースメンブレン(メルクミリポア社製、HF180)を重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、紙基板とした。
図9及び図10に示したように、紙基板の流路部材30の上流側端部から9mm離れた位置に調製例120のテストライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置(BioDot社製、BioJet)を用いて長さ0.7mmのライン状に塗布した(テストライン90a)。
更に、テストライン90aから5mm離れた位置に、調製例121のコントロールライン用試薬塗布液を、前記陽圧噴霧装置を用いて長さ0.7mmのライン状に塗布した(コントロールライン90b)。 塗布後、20℃で20RH%の環境下で16時間乾燥した。 なお、捕捉核酸が、流路部材とリンカーにより結合されていないことは、実施例101と同様にしてFT-IR ATR法により前記流路部材表面を分析し、固定化の前後でスペクトルに変化がないことで、確認できた。
次に、調製例106の標識体用試薬塗布液を、幅40mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000)に60μL/cm2となるように塗布し、一晩減圧乾燥し、標識体保持パッドを作製した。
台紙フィルムとして幅40mm×長さ80mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み100μm)の長手方向の一端から33mm離れた位置に、流路部材の試薬塗布面とは反対側と台紙フィルム(PETフィルム)とが対向するように台紙フィルム(PETフィルム)に流路部材30を接着した。
次に、上記で作製した標識体保持パッドを幅40mm×長さ18mmに切断し、流路部材30の上面に、流路部材30の上流端が2mm重なるように配置して貼り付け(標識体供給部40)、更に幅40mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を標識体保持パッドの上面に18mm重なるように配置して貼り付け、サンプル滴下パッド(滴下部)80とした。
次に、幅40mm×長さ28mmの吸収パッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を流路部材30の上面に、流路部材30の下流端と16mm重なるように配置して貼り付け、吸収部材70を設けた。最後に長手方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるように切断し、比較例101の核酸クロマト装置(検査装置10)を得た。
作製した比較例101の核酸クロマト装置について、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
実施例101において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例122のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例123のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例101と同様にして、比較例102の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例101と同様の評価を行った。結果を表6及び表7に示した。
これに対して、試薬固定化層に捕捉核酸を共有結合させていない比較例101については、視認性の評価では、発色は確認できたが、ライン付近のにじみが酷くかろうじて発色を確認できる程度であった。
また、同様に比較例102については、ラインの発色を確認することができなかった。
実施例101と同様にして、実施例109の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製した。
-検査対象液の調製-
5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度1×10-13Mから1×10-7M(0.1pMから100nM)となるよう10倍刻みに調製し、異なる7種類の濃度の検査対象液を得た。
図1及び図2に示す核酸クロマト装置10の上流端部に前記検査対象液を100μL滴下し、30分間経過した後、呈色後の核酸クロマト装置を、クロマトリーダー(浜松ホトニクス株式会社製、C10066)を用いて測定し、ラインの光学濃度を求め、下記基準で評価した。それぞれの濃度の前記検査対象液について、それぞれ作製した核酸クロマト装置を用い、3回ずつ反応及び測定を実施し、評価には平均値を用いた。なお、ラインの光学濃度はより濃いほうが好ましい。クロマトリーダーによりラインの光学濃度が検出されなかった場合は、「-」とした。本クロマトリーダーを用いた場合において、光学濃度20以上で目視による呈色確認が可能である。
光学濃度のばらつきについて、標準偏差を用いて下記基準で評価した。また、検出可能濃度幅についても、下記基準で評価した。核酸検出において、検出可能濃度幅は広いほうが好ましい。結果を表8-1及び表8-2に示した。
++++:光学濃度が250以上
+++:光学濃度が150以上250未満
++:光学濃度が50以上150未満
+:光学濃度が20以上50未満
-:光学濃度が20未満、又はラインとして確認できず測定不能
◎:標準偏差が20%以内
○:標準偏差が20%より大きく40%以内
△:標準偏差が40%より大きく60%以内
×:標準偏差が60%より大きい
実施例102と同様にして、実施例110の核酸クロマト装置を作製し、実施例109と同様の評価を行った。結果を表8-1及び表8-2に示した。
実施例103と同様にして、実施例111の核酸クロマト装置を作製し、実施例109と同様の評価を行った。結果を表8-1及び表8-2に示した。
実施例104と同様にして、実施例112の核酸クロマト装置を作製し、実施例109と同様の評価を行った。結果を表8-1及び表8-2に示した。
実施例105と同様にして、実施例113の核酸クロマト装置を作製し、実施例109と同様の評価を行った。結果を表8-1及び表8-2に示した。
実施例106と同様にして、実施例114の核酸クロマト装置を作製し、実施例109と同様の評価を行った。結果を表8-1及び表8-2に示した。
実施例107と同様にして、実施例115の核酸クロマト装置を作製し、実施例109と同様の評価を行った。結果を表8-1及び表8-2に示した。
また、検出可能濃度幅については、実施例109から112は、1×104M以上であり、広い検出可能濃度幅を有していた。特に、実施例109及び110は1×105M以上であり、広い検出可能濃度幅を示した。
-バック層塗布液の調製-
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
-剥離層塗布液の調製-
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン-酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV-150、重量平均分子量2,100、VAc21質量%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、剥離層塗布液を得た。
-試薬固定化層塗布液の調製-
アミノエチル化アクリルポリマー(ポリメントNK-380、株式会社日本触媒製)に溶媒としてトルエンを加え、15質量%になるように希釈し、試薬固定化層塗布液を得た。 なお、アミノエチル化アクリルポリマーは劣化しやすいことが知られており、試薬固定化への影響も十分に考えられることから、要時調製とする。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にカルボキシル基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-標識体(核酸)用試薬塗布液の調製-
カルボキシル基が修飾された金コロイドに対し、3’末端にアミノ基を導入したグアニン(G)を連続して20塩基有するDNA断片を、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(Thermo Scientific社製)を用いてアミド結合させ、50mMのTris-HClバッファー(pH8.2)で洗浄した後、標識体希釈液(20mMのTris-HClバッファー(pH8.2)、0.05質量%ポリエチレングリコール、5質量%スクロース及び精製水)で懸濁し、OD=2に調整し、標識体用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基とC3リンカー1分子を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。前記DNA断片は、下記の一般式A中のn=1で表される。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基とC3リンカー2分子を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
調製例208における前記DNA断片は、上記一般式A中のn=2で表される。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基とC3リンカー3分子を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
調製例209における前記DNA断片は、上記一般式A中のn=3で表される。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基とC3リンカー4分子を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
調製例210における前記DNA断片は、上記一般式A中のn=4で表される。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基とC3リンカー5分子を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
調製例211における前記DNA断片は、上記一般式A中のn=5で表される。
-試薬固定化層塗布液の調製-
カルボキシル基含有エステル樹脂(AP2510、荒川化学工業株式会社製)に溶媒としてメチルエチルケトン/トルエン混合液(体積比率6:4)を加え、15質量%になるように希釈し、試薬固定化層塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にアミノ基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にアミノ基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にアミノ基とC3リンカー5分子を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、リンカーとして終濃度1.25mg/mLのEDC(Thermo Scientific社製)を添加し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-標識体(抗体)用試薬塗布液の調製-
金コロイド溶液(BBI社製、EMGC50)9mLに50mMに調製したKH2PO4バッファー(pH7.0)1mLを加えた後、更に50μg/mLに調製した抗ビオチンモノクローナル抗体(Bethyl Laboratories社製、Anti-Biotin、Goat-Poly A150-111A)を1mL加え、攪拌した。これを10分間静置した後、1質量%ポリエチレングリコール水溶液(和光純薬工業株式会社製、168-11285)を550μL加え攪拌した後、更に、10質量%BSA水溶液(シグマ アルドリッチ社製、A-7906)を1.1mL加え攪拌した。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、TEバッファー(10mMのTris-HCl、1mMのEDTA、pH7.4、タカラバイオ株式会社製)で25μMに調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にカルボキシル基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、TEバッファー(10mMのTris-HCl、1mMのEDTA、pH7.4、タカラバイオ株式会社製)で25μMに調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
-テストライン用試薬塗布液の調製-
5’末端にカルボキシル基を導入したチミン(T)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、テストライン用試薬塗布液を得た。
-コントロールライン用試薬塗布液の調製-
3’末端にカルボキシル基を導入したシトシン(C)を連続して20塩基有するDNA断片を、終濃度2.5μMとなるように、終濃度100mMのMESバッファー(株式会社同仁化学研究所製)で調製し、コントロールライン用試薬塗布液を得た。
<テストライン用転写媒体の作製>
-バック層形成-
支持体としての平均厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、ルミラーF57)片面に、調製例201のバック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
次に、前記PETフィルムにおけるバック層が形成された面とは反対側の面に、調製例202の剥離層塗布液を塗布し、25℃で30分間乾燥して、平均厚み30μmの剥離層を形成した。
次に、前記剥離層表面に、調製例203の試薬固定化層塗布液を塗布し、室温で30分間真空乾燥して、平均厚み6μmの試薬固定化層を形成した。以上により、転写媒体を作製した。
-テストライン(第1の捕捉核酸の固定化)-
次に、調製例204のテストライン用試薬塗布液を浅型角バッドに注ぎ、試薬固定化層表面のみがテストライン用試薬塗布液に触れるように前記転写媒体をテストライン用試薬塗布液に浮かべた状態で、前記浅型角バッドに蓋をした後25℃で2時間静置した。その後、試薬固定化層表面を50mMのTris-HClバッファー(pH9.0)で洗浄し、風乾した。以上により、実施例201のテストライン用転写媒体を作製した。前記テストライン用転写媒体は作製後直ちに核酸クロマト装置作製に供した。
-コントロールライン(第2の捕捉核酸の固定化)-
前記<テストライン用転写媒体の作製>において、テストライン用試薬塗布液の代わりに調製例205のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、前記<テストライン用転写媒体の作製>と同様にして、実施例201のコントロールライン用転写媒体を作製した。前記コントロールライン用転写媒体は作製後直ちに核酸クロマト装置作製に供した。
前記第2の捕捉核酸と、前記試薬固定化層とが結合していることは、FT-IR ATR法(FT-IR6800、日本分光株式会社製)により、前記第2の捕捉核酸中のカルボキシル基と、前記試薬固定化層のアミノ基が新たにアミド結合(共有結合)を形成することで生じるアミド結合由来のスペクトルの有無により確認できた。
以下のようにして、図1及び図2に示す検査装置10を作製した。図1は、実施例の検査装置の上面図である。図2は図1の検査装置のA-A線での概略断面図である。検査装置作製後は、直ちに反応、評価を実施することとした。
幅40mm×長さ80mmにカットしたPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)20の上部に、熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に平均厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。
前記接着剤層を形成したPETフィルム20を2時間以上静置した後、前記接着剤層表面に幅40mm×長さ35mmにカットしたニトロセルロースメンブレン(メルクミリポア社製、HF180)を、接着剤層表面の長手方向の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)から33mmの位置に幅方向の長さをそろえて重ね150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、流路部材30を形成した。最後に、長手方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるように切断し、紙基板を得た。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1-〔坪量(g/m2)/平均厚み(μm)/組成分比重〕}×100
なお、前記流路部材の空隙率が、40%以上90%以下の範囲であると、前記流路部材は多孔質であるといえる。
紙基板の流路部材30と前記テストライン用転写媒体の試薬が固定されている側とを対向させて重ね合わせた後、熱転写プリンタを用いて、図1及び図2に示したように、流路部材30の上流端から9mm離れた位置に、前記テストライン用転写媒体を幅4mm×長さ0.7mmのライン状に転写した(第1の検出部50a)。
前記熱転写プリンタは、ドット密度300dpiのサーマルヘッド(TDK株式会社製)を用い、印字速度42mm/sec、印加エネルギー0.17mJ/dotの評価系システムを構築したものである。
次に、前記テストライン用転写媒体の転写位置から5mm離れた位置に前記コントロールライン用転写媒体を幅4mm×長さ0.7mmのライン状に転写した(第2の検出部50b)。
次に、調製例206の標識体用試薬塗布液を、幅4mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000)に60μL/cm2となるように塗布し、一晩減圧乾燥し、標識体保持パッドを作製した。
前記標識体保持パッドを、図1及び図2に示したように、紙基板の上流端から17mm離れた位置に配置して、紙基板に設けられている接着剤層に重ね合わせることにより貼り付けた(標識体供給部40)。
幅4mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を、図1及び図2に示すように、標識体供給部40の上面に18mm重なるように配置して貼り付けた(滴下部80)。
図1及び図2に示したように、吸収部材70(メルクミリポア社製、CFSP223000)を設けた。以上により、実施例201の核酸クロマト装置(検査装置10)を得た。
-検査対象液の調製-
5’末端からシトシン(C)を連続して20塩基、チミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、及びアデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を、5×SSCバッファー(75mMクエン酸ナトリウム、750mM塩化ナトリウム、ナカライテスク株式会社製)で終濃度10pM、終濃度1nM、終濃度100nMにそれぞれ調製し、検査対象液を得た。
図1及び図2に示す核酸クロマト装置10の上流端部に終濃度1nMの前記検査対象液を100μL滴下し、30分間経過した後、目視観察にて、下記基準でラインの評価を行った。結果を表10に示した。
[評価基準]
◎:テストライン及びコントロールラインの位置に明確に発色が認められ、発色濃度が全体に均一であり、ラインが途切れているところがない
○:ラインとして途切れているところはなく判定は可能であるが、発色濃度が場所によってやや不均一である
△:かろうじて発色は確認でき、ライン状にはなっているが、ラインが一部途切れているところがある
×:発色が認められなかったもの、又はラインが下流側に流れているものなど、ライン状に発色していない
なお、評価基準の例については、上記表1と同じである。
前記ライン評価で使用した呈色後の核酸クロマト装置を、クロマトリーダー(浜松ホトニクス株式会社製、C10066)を用いて測定し、ラインの光学濃度を求め、下記基準で評価した。結果を表10に示した。なお、ラインの光学濃度はより濃いほうが好ましい。クロマトリーダーによりラインの光学濃度が検出されなかった場合は、「-」とした。本クロマトリーダーを用いた場合において、光学濃度20以上で目視による呈色確認が可能である。
[ラインの光学濃度の評価基準]
++++:光学濃度が250以上
+++:光学濃度が150以上250未満
++:光学濃度が50以上150未満
+:光学濃度が20以上50未満
-:光学濃度が20未満、又はラインとして確認できず測定不能
実施例201において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例207のテストライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、実施例202の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例201において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例208のテストライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、実施例203の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例201において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例209のテストライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、実施例204の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例201において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例210のテストライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、実施例205の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例201において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例211のテストライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、実施例206の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例201において、-試薬固定化層形成-で調製例212の試薬固定化層塗布液を用い、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例213のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例214のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、実施例207の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例207において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例215のテストライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例207と同様にして、実施例208の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例201において、<標識体供給部の形成>で調製例216の標識体用塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、テストラインのみが転写された実施例209の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ラインの評価>で5’末端にビオチン標識されており、5’末端からチミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、アデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を用いて検査対象液を調製した以外は、実施例201と同様の評価を行った。
実施例206において、<標識体供給部の形成>で調製例216の標識体用塗布液を用いた以外は、実施例206と同様にして、テストラインのみが転写された実施例210の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、<ラインの評価>で5’末端にビオチン標識されており、5’末端からチミン(T)とグアニン(G)の繰り返し配列を10塩基、アデニン(A)を連続して20塩基の塩基配列を有するDNA断片を用いて検査対象液を調製した以外は、実施例201と同様の評価を行った。
<検査装置の作製>
以下のようにして、図9及び図10に示す検査装置10を作製した。図9は、比較例の検査装置の上面図である。図10は、図9の検査装置のB-B線での概略断面図である。
幅40mm×長さ35mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み50μm)の上部に熱可塑性樹脂としてポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を、ロールコーターを用いてPETフィルム上に平均厚みが50μmとなるように、190℃に加熱後、塗工して接着剤層を形成した。
前記接着剤層を形成したPETフィルムを2時間以上静置した後、接着剤層表面にPETフィルムと同様の大きさに切断した流路部材30としてのニトロセルロースメンブレン(メルクミリポア社製、HF180)を重ね、150℃の温度で10秒間1kgf/cm2の荷重をかけ、紙基板とした。
図9及び図10に示したように、紙基板の流路部材30の上流側端部から9mm離れた位置に調製例217のテストライン用試薬塗布液を、陽圧噴霧装置(BioDot社製、BioJet)を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した(テストライン90a)。
更に、テストライン90aから5mm離れた位置に、調製例218のコントロールライン用試薬塗布液を、前記陽圧噴霧装置を用いて幅0.7mmのライン状に塗布した(コントロールライン90b)。
塗布後、20℃で20RH%の環境下で16時間乾燥した。
なお、捕捉核酸が、流路部材と結合していないことは、実施例201と同様にしてFTーIR ATR法により前記流路部材表面を分析し、固定化の前後でスペクトルに変化がないことで、確認できた。
次に、調製例206の標識体用試薬塗布液を、幅4mm×長さ18mmに切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000)に60μL/cm2となるように塗布し、一晩減圧乾燥し、標識体保持パッドを作製した。
前記標識体保持パッドを、図9及び図10に示したように、紙基板の上流端から17mm離れた位置に配置して、紙基板に設けられている接着剤層に重ね合わせることにより貼り付けた(標識体供給部40)。
台紙フィルムとして幅40mm×長さ80mmに切断したPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーS10、平均厚み100μm)の長手方向の一端から33mm離れた位置に、流路部材の試薬塗布面とは反対側と台紙フィルム(PETフィルム)とが対向するように台紙フィルム(PETフィルム)に流路部材30を接着した。
次に、上記で作製した標識体保持パッドを幅40mm×長さ18mmに切断し、流路部材30の上面に、流路部材30の上流端が2mm重なるように配置して貼り付け、更に幅40mm×長さ35mmのサンプルパッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を標識体保持パッドの上面に18mm重なるように配置して貼り付け、サンプル滴下パッド(滴下部)80とした。
次に、幅40mm×長さ28mmの吸収パッド(メルクミリポア社製、CFSP223000)を流路部材30の上面に、流路部材30の下流端と16mm重なるように配置して貼り付け、吸収部材70を設けた。最後に長手方向に沿って幅4mm×長さ80mmとなるように切断し、比較例201の核酸クロマト装置(検査装置10)を得た。
作製した比較例201の核酸クロマト装置について、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
実施例201において、<テストライン用転写媒体の作製>で調製例219のテストライン用試薬塗布液を用い、<コントロールライン用転写媒体の作製>で調製例220のコントロールライン用試薬塗布液を用いた以外は、実施例201と同様にして、比較例202の核酸クロマト装置(検査装置10)を作製し、実施例201と同様の評価を行った。結果を表10及び表11に示した。
これに対して、捕捉核酸を流路部材に直接塗布・乾燥させた比較例201では、視認性の評価では、発色は確認できたが、ライン付近のにじみが酷くかろうじて発色を確認できる程度であった。
また、比較例202については、ラインの発色を確認することができなかった。
<1> 検査対象液を流すための流路となる多孔質の流路部材と、
前記流路部材に設けられた検査対象液滴下部と、
前記検査対象液滴下部に滴下された検査対象液中に標的核酸が含まれるときに前記標的核酸に標識を付与する標識部と、
前記標識部において標識された前記標的核酸を検出する検出部と、を有し、
前記検出部において、前記流路部材上には樹脂からなる成形体を有し、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が共有結合により固定されていることを特徴とする検査装置である。
<2> 前記共有結合が、アミド結合、エーテル結合、及びチオエーテル結合から選択される少なくとも1種を含む前記<1>に記載の検査装置である。
<3> 前記捕捉核酸が一本鎖であり、前記標的核酸とハイブリダイズ可能である前記<2>に記載の検査装置である。
<4> 前記共有結合が、前記成形体表面及び前記捕捉核酸中のアミノ基、カルボキシル基、水酸基、及びチオール基から選択される少なくとも1種の官能基が反応することにより形成される前記<3>に記載の検査装置である。
<5> 前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が前記成形体にリンカーにより結合されている前記<1>に記載の検査装置である。
<6> 前記成形体が反応性を示す官能基を有しており、前記官能基及び前記リンカーを介し、前記捕捉核酸が結合している前記<5>に記載の検査装置である。
<7> 前記成形体が、前記官能基としてアミノ基を有する前記<6>に記載の検査装置である。
<8> 前記リンカーが一端にN-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基を有しており、前記成形体表面のアミノ基とアミド結合している前記<7>に記載の検査装置である。
<9> 前記リンカーが一端にマレイミド基を有しており、前記捕捉核酸の5’末端もしくは3’末端に導入されたチオール基とチオエーテル結合している前記<5>から<8>のいずれかに記載の検査装置である。
<10> 前記リンカー中の前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基の間には原子が存在し、少なくとも3Å離れている前記<9>に記載の検査装置である。
<11> 前記リンカー中の前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基が、3Åから35Å離れている前記<10>に記載の検査装置である。
<12> 前記リンカーが、前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基の間に、ポリエチレングリコール(PEG)を有する前記<10>から<11>のいずれかに記載の検査装置である。
<13> 前記標的核酸と結合可能な相補的な配列とスペーサーを有する捕捉核酸が固定されている前記<1>に記載の検査装置である。
<14> 前記スペーサーが、アルキル基、又はアルキル基とリン酸基を含む前記<13>に記載の検査装置である。
<15> 前記スペーサーが、下記一般式Iで表される前記<13>から<14>のいずれかに記載の検査装置である。
[一般式I]
<16> 前記標識部に含まれる標識体が、前記標的核酸と相補的な一本鎖核酸断片を有しており、前記標的核酸と前記標識体がハイブリダイズすることで、前記標的核酸が標識される前記<1>から<15>のいずれかに記載の検査装置である。
<17> 前記標的核酸において、捕捉核酸結合部位と標識体結合部位が、20塩基以下である前記<16>に記載の検査装置である。
<18> 前記標識部に含まれる標識体が、前記標的核酸もしくは前記標的核酸と結合している化合物又はタンパク質に対する結合能をもつ抗体を有しており、前記標的核酸と前記標識体が抗体抗原反応することで、前記標的核酸が標識される前記<1>から<17>のいずれかに記載の検査装置である。
<19> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の検査装置を製造するための検査装置製造用転写媒体であって、
支持体と、
前記支持体上に設けられた剥離層と、
前記剥離層上に設けられた試薬固定化層と、を有し、
前記試薬固定化層の表面が、前記標的核酸と反応する試薬が固定されている構造を有することを特徴とする検査装置製造用転写媒体である。
<20> 前記<19>に記載の検査装置製造用転写媒体の前記試薬固定化層と、前記流路部材とを接触させて、前記試薬固定化層を前記流路部材に転写する工程を含むことを特徴とする検査装置の製造方法である。
<21> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の検査装置と、
検体を採取するための検体採取手段と、
を有することを特徴とする検査キットである。
<22> 前記<1>から<18>のいずれかに記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する検体供給工程と、
前記検体の一部を前記成形体に固定されている前記捕捉核酸により捕捉させる工程と、を含むことを特徴とする検査方法である。
12 検査対象液
14 標的核酸
15 標的核酸と結合している化合物又はタンパク質
16 標識体(核酸)(試薬の一例)
17 第1の捕捉核酸(試薬の一例)
18 第2の捕捉核酸(試薬の一例)
19 標識体(抗体)(試薬の一例)
20 基材
30 流路部材
40 標識体供給部
50a 第1の検出部
50b 第2の検出部
100 検査装置製造用転写媒体
101 支持体
102 剥離層
103 試薬固定化層
104 バック層
200 検査キット
201 滅菌綿棒
202 希釈液
Claims (22)
- 検査対象液を流すための流路となる、空隙率が40%以上90%以下である多孔質の流路部材と、
前記流路部材に設けられた検査対象液滴下部と、
前記検査対象液滴下部に滴下された検査対象液中に標的核酸が含まれるときに前記標的核酸に標識を付与する標識部と、
前記標識部において標識された前記標的核酸を検出する検出部と、を有し、
前記検出部において、前記流路部材上には樹脂からなる成形体を有し、前記成形体と前記流路部材との間の前記成形体表面に、前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が共有結合により固定されていることを特徴とする検査装置。 - 前記共有結合が、アミド結合、エーテル結合、及びチオエーテル結合から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の検査装置。
- 前記捕捉核酸が一本鎖であり、前記標的核酸とハイブリダイズ可能である請求項2に記載の検査装置。
- 前記共有結合が、前記成形体表面及び前記捕捉核酸中のアミノ基、カルボキシル基、水酸基、及びチオール基から選択される少なくとも1種の官能基が反応することにより形成された請求項3に記載の検査装置。
- 前記標的核酸と結合可能な相補的な配列を有する捕捉核酸が前記成形体にリンカーにより結合されている請求項1に記載の検査装置。
- 前記成形体が反応性を示す官能基を有しており、前記官能基及び前記リンカーを介し、前記捕捉核酸が結合している請求項5に記載の検査装置。
- 前記成形体が、前記官能基としてアミノ基を有する請求項6に記載の検査装置。
- 前記リンカーが一端にN-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基を有しており、前記成形体表面のアミノ基とアミド結合している請求項7に記載の検査装置。
- 前記リンカーが一端にマレイミド基を有しており、前記捕捉核酸の5’末端もしくは3’末端に導入されたチオール基とチオエーテル結合している請求項5から8のいずれかに記載の検査装置。
- 前記リンカー中の前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基の間には原子が存在し、少なくとも3Å離れている請求項9に記載の検査装置。
- 前記リンカー中の前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基が、3Åから35Å離れている請求項10に記載の検査装置。
- 前記リンカーが、前記N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル基と前記マレイミド基の間に、ポリエチレングリコール(PEG)を有する請求項10から11のいずれかに記載の検査装置。
- 前記標的核酸と結合可能な相補的な配列とスペーサーを有する捕捉核酸が固定されている請求項1に記載の検査装置。
- 前記スペーサーが、アルキル基、又はアルキル基とリン酸基を含む請求項13に記載の検査装置。
- 前記標識部に含まれる標識体が、前記標的核酸と相補的な一本鎖核酸断片を有しており、前記標的核酸と前記標識体がハイブリダイズすることで、前記標的核酸が標識される請求項1から15のいずれかに記載の検査装置。
- 前記標的核酸において、捕捉核酸結合部位と標識体結合部位が、20塩基以下である請求項16に記載の検査装置。
- 前記標識部に含まれる標識体が、前記標的核酸もしくは前記標的核酸と結合している化合物又はタンパク質に対する結合能をもつ抗体を有しており、前記標的核酸と前記標識体が抗体抗原反応することで、前記標的核酸が標識される請求項1から17のいずれかに記載の検査装置。
- 請求項1から18のいずれかに記載の検査装置を製造するための検査装置製造用転写媒体であって、
支持体と、
前記支持体上に設けられた剥離層と、
前記剥離層上に設けられた試薬固定化層と、を有し、
前記試薬固定化層の表面が、前記標的核酸と反応する試薬が固定されている構造を有することを特徴とする検査装置製造用転写媒体。 - 請求項19に記載の検査装置製造用転写媒体の前記試薬固定化層と、前記流路部材とを接触させて、前記試薬固定化層を前記流路部材に転写する工程を含むことを特徴とする検査装置の製造方法。
- 請求項1から18のいずれかに記載の検査装置と、
検体を採取するための検体採取手段と、
を有することを特徴とする検査キット。 - 請求項1から18のいずれかに記載の検査装置の前記流路部材に、検体を供給する検体供給工程と、
前記検体の一部を前記成形体に固定されている前記捕捉核酸により捕捉させる工程と、を含むことを特徴とする検査方法。
Applications Claiming Priority (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016087281 | 2016-04-25 | ||
JP2016087285 | 2016-04-25 | ||
JP2016087281 | 2016-04-25 | ||
JP2016087285 | 2016-04-25 | ||
JP2016172718 | 2016-09-05 | ||
JP2016172718 | 2016-09-05 | ||
JP2016209720 | 2016-10-26 | ||
JP2016209720 | 2016-10-26 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018068276A JP2018068276A (ja) | 2018-05-10 |
JP7056006B2 true JP7056006B2 (ja) | 2022-04-19 |
Family
ID=58707982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017082551A Active JP7056006B2 (ja) | 2016-04-25 | 2017-04-19 | 検査装置及びその製造方法、検査方法、並びに検査キット及び検査装置製造用転写媒体 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20210033601A1 (ja) |
EP (1) | EP3449013B1 (ja) |
JP (1) | JP7056006B2 (ja) |
CN (1) | CN109072282B (ja) |
WO (1) | WO2017188095A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109061035B (zh) * | 2018-08-23 | 2024-10-18 | 国电环境保护研究院有限公司 | 催化剂活性检测系统及其反应单元 |
WO2020264210A1 (en) * | 2019-06-25 | 2020-12-30 | The Board Of Trustees Of The University Of Illinois | Methods and devices for identifying pathogens and antibodies and treatment device therefore |
WO2021186813A1 (ja) * | 2020-03-19 | 2021-09-23 | コニカミノルタ株式会社 | 蛍光ナノ粒子、および蛍光ナノ粒子の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030059803A1 (en) | 2001-05-18 | 2003-03-27 | Martina Elisabeth Werner | Surface assembly for immobilizing DNA capture probes in genetic assays using enzymatic reactions to generate signal in optical bio-discs and methods relating thereto |
WO2008119470A1 (en) | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Roche Diagnostics Gmbh | Device for performing multiple analyses in parallel |
JP2016011943A (ja) | 2013-12-24 | 2016-01-21 | 株式会社リコー | 分析デバイス |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001157598A (ja) | 1999-12-01 | 2001-06-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 遺伝子検出方法およびその方法を利用した装置 |
DK1436621T3 (da) * | 2001-09-17 | 2011-04-04 | Phadia Ab | Multianalytprøveapparat med multi-punkt-detektionszone |
JP2005283306A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Lintec Corp | プローブアレイ製造用部材及びプローブアレイの製造方法 |
CN101031798B (zh) * | 2004-07-29 | 2012-06-27 | 瑞莱诊断体系有限公司 | 侧向流系统和测定 |
US8980561B1 (en) * | 2006-08-22 | 2015-03-17 | Los Alamos National Security, Llc. | Nucleic acid detection system and method for detecting influenza |
CN102076415B (zh) * | 2008-06-29 | 2015-06-24 | 瑞尔比奥技术有限公司 | 尤其可用作生物测定过程中的捕捉装置的液体转移装置 |
JP6075122B2 (ja) * | 2013-03-05 | 2017-02-08 | 株式会社リコー | システム、画像投影装置、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム |
WO2014171891A1 (en) * | 2013-04-15 | 2014-10-23 | Nanyang Technological University | Electrochemical lateral flow bioassay and biosensor |
JP6439307B2 (ja) * | 2013-09-19 | 2018-12-19 | 株式会社リコー | 流体デバイス、転写材、および流体デバイスの製造方法 |
WO2015129924A1 (en) * | 2014-02-28 | 2015-09-03 | Ricoh Company, Ltd. | Testing device, testing kit, transfer member, testing device fabrication method, and testing method |
-
2017
- 2017-04-19 US US16/095,849 patent/US20210033601A1/en not_active Abandoned
- 2017-04-19 CN CN201780025399.0A patent/CN109072282B/zh active Active
- 2017-04-19 EP EP17723533.0A patent/EP3449013B1/en active Active
- 2017-04-19 WO PCT/JP2017/015755 patent/WO2017188095A1/en active Application Filing
- 2017-04-19 JP JP2017082551A patent/JP7056006B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20030059803A1 (en) | 2001-05-18 | 2003-03-27 | Martina Elisabeth Werner | Surface assembly for immobilizing DNA capture probes in genetic assays using enzymatic reactions to generate signal in optical bio-discs and methods relating thereto |
WO2008119470A1 (en) | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Roche Diagnostics Gmbh | Device for performing multiple analyses in parallel |
JP2016011943A (ja) | 2013-12-24 | 2016-01-21 | 株式会社リコー | 分析デバイス |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Anal. Chem., 2009, Vol.81, pp.1747-1754 |
Analytical Biochemistry, 2008, Vol.382, pp.77-86 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP3449013B1 (en) | 2021-06-09 |
WO2017188095A1 (en) | 2017-11-02 |
JP2018068276A (ja) | 2018-05-10 |
CN109072282A (zh) | 2018-12-21 |
US20210033601A1 (en) | 2021-02-04 |
CN109072282B (zh) | 2022-03-15 |
EP3449013A1 (en) | 2019-03-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20080269069A1 (en) | Method of Performing a Microarray Assay | |
JP7056006B2 (ja) | 検査装置及びその製造方法、検査方法、並びに検査キット及び検査装置製造用転写媒体 | |
EP1183387A2 (en) | GENERIC cDNA OR PROTEIN ARRAY FOR CUSTOMIZED ASSAYS | |
JP6686278B2 (ja) | 検査装置、検査キット、転写媒体、検査装置の製造方法、及び検査方法 | |
EP3339864B1 (en) | Testing device and method for producing same, and testing kit, transfer medium for testing device, and testing method | |
US20080312105A1 (en) | Sensor For Biomolecules and a Method of Analysis Using Said Sensor | |
JP2017116537A (ja) | 検査装置用熱転写媒体、検査装置及びその製造方法、並びに検査キット | |
JP2016161299A (ja) | 標的検査装置、標的検査キット、標的検査方法、転写媒体、及び標的検査装置の製造方法 | |
JP2018048850A (ja) | 検査装置及びその製造方法、並びに検査キット、及び検査装置製造用転写媒体 | |
US20160252504A1 (en) | Target testing device, target testing kit, target testing method, transfer medium, and method for producing target testing device | |
JP2017227462A (ja) | 検査装置及び検査キット | |
JP2016164553A (ja) | 標的検査装置、標的検査キット、標的検査方法、転写媒体、及び標的検査装置の製造方法 | |
US20060073598A1 (en) | Particle complex and method for producing the same | |
JP2016164554A (ja) | 標的検査装置、標的検査キット、標的検査方法、転写媒体、及び標的検査装置の製造方法 | |
JP6076500B2 (ja) | 標的物質の検出方法 | |
JP2007132866A (ja) | 反応アレイ | |
US20080300144A1 (en) | Sensor for Biomolecules and a Method for Preparing and Using the Same | |
JP2017125778A (ja) | 検査装置及びその製造方法、並びに検査キット及び転写媒体 | |
JP2017111088A (ja) | 検査装置及びその製造方法、並びに検査キット及び転写媒体 | |
JP2018025472A (ja) | 検査装置、検査キット、検査装置用転写媒体及び検査装置の製造方法 | |
JP2017044613A (ja) | 検査装置及びその製造方法、並びに検査キット、転写媒体、及び検査方法 | |
JP2011072210A (ja) | センサーチップ及びその使用方法 | |
JP2017146236A (ja) | 検査装置及びその製造方法、並びに検査キット、及び検査装置用転写媒体 | |
JP2018100888A (ja) | 検査装置用転写媒体、検査装置及びその製造方法、並びに検査キット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210309 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210507 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211007 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220321 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7056006 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |