JP2007132866A - 反応アレイ - Google Patents

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文彦 星野
Osamu Watanabe
修 渡辺
Yasuji Igawa
泰爾 井川
Makoto Mori
誠 毛利
Mamiko Narita
麻美子 成田
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Abstract

【課題】固相担体表面を隔壁等で区画することなく多数個の検体に対して利用できる反応アレイを提供する。
【解決手段】固相担体2上に、二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための反応単位であって、前記二種以上の成分のうち少なくとも一つの成分を前記固相担体表面に保持する複数個の反応単位20と、複数個の反応単位20を互いに隔離する隔離領域40と、を備え、隔離領域40は、反応単位20に供給された反応のための反応液を隣接する他の反応単位20に供給された反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の液媒体に対する非親和性を有する非親和性の表面を備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固相担体上で二種以上の成分を反応させるための反応単位を有する反応アレイ、そのための固相担体等に関する。
従来より、基板などの固相担体上の微小領域にタンパク質や核酸などを多数個固定化しておき、そこに生体から採取した被験試料を供給して、固定化されたタンパク質と反応する成分が被験試料中に存在するかどうかを検査することができる反応アレイが使用されている。近年、こうした反応アレイにおいては、一つの基板上において多検体及び/又は多項目を同時に検査することが要望されている。このためには、個々の検体に由来する反応液を供給して反応させるための独立した反応単位を基板上に多数個備える必要がある。
このため、例えば、多数個の反応単位を高さを持った隔壁で区画しているものがある(特許文献1)。また、反応単位の表面を親水性とし、隔壁を疎水性とすることで、反応単位内に供給した反応液が隣接する他の反応単位の反応液と確実に分離させようとするものがある。
特開2003−287536
しかしながら、これらの反応アレイでは、いずれも、結果として基板上に凹部又は凸部を形成して結果として反応単位に対応するウェルを形成するものである。こうした微小なウェルを高密度に形成するには、基板を区画用のカバーで被覆したり、フォトリソグラフィーなどを利用した微細加工により形成する必要があった。こうした操作や加工は一般にコストや精度の観点から困難性があった。また、従来の反応アレイでは、反応単位内における比特異的吸着を回避するために、反応させようとする成分を担体表面に固定化した後に、非特異的吸着を回避するためのブロッキング操作を必要としていた。ブロッキング操作は煩雑であり、また、測定誤差の要因となることもあった。
そこで、本発明は、固相担体表面を隔壁等で区画することなく多数個の検体に対して利用できる反応アレイ、そのための固相担体、反応アレイの製造方法、反応方法を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、高密度に多数個の検体をアッセイ可能な反応単位を有する反応アレイ、そのための固相担体、反応アレイの製造方法、反応方法を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、ブロッキング処理を省略することができる反応アレイ、そのための固相担体、反応アレイの製造方法、反応方法を提供することを他の一つの目的とする。
本発明者らは、上記した課題について検討し、固相担体表面に反応液の液媒体に対する所定の非親和性を付与して、反応液自体を固相担体上において液滴として自立させるとともに固相担体上の一定部位に安定して保持させることで、自立した液滴内で反応が可能であるという知見を得て、固相担体表面の凹凸に依拠することなく反応単位を構成することができることを見出した。
さらに、基板等の固相担体上の反応は、固相担体上で反応し保持した反応生成物をそのまま固相担体上において検出するものであるため、反応生成物の検出精度や正確性を維持するには、バックグラウンドをできるだけ低くする必要がある。このため、通常、特定の成分を固定化した領域以外の領域については、ブロッキング処理を行い、反応液中の相手成分や夾雑成分、さらには試薬の非特異的吸着を防いでいる。しかしながら、こうしたブロッキング処理を固相担体表面に施すと、固相担体表面はブロッキング剤に基づく性質を帯びるようになり、上記した液滴自立性や保持性が阻害されるおそれがある。そこで、本発明者らは、固相担体表面に、前記反応液に含まれる成分や夾雑物などの溶質の非特異的吸着を排除できる程度の前記液媒体に対する非親和性を付与することで、前記溶質の非特異的吸着を抑制し、結果として固相表面の液媒体に対する非親和性の変化を抑制することで、液滴の自立性及び保持性を維持できることを見出した。すなわち、本発明者らは、固相担体上の液滴内反応を、ブロッキング処理が必要となる反応系にもブロッキング処理をすることなく適用できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、以下の手段が提供される。
本発明の一つの形態によれば、固相担体上に、二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための反応単位であって、前記二種以上の成分のうち少なくとも一つの成分を前記固相担体表面に保持する複数個の反応単位と、前記複数個の反応単位を互いに隔離する隔離領域と、を備え、前記隔離領域は、前記反応単位に供給された前記反応のための反応液を隣接する他の反応単位に供給された反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する非親和性表面を備える、反応アレイが提供される。
この形態においては、前記反応単位が形成される前記固相担体上の領域は、前記非親和性表面を有することができる。また、前記反応単位と前記隔離領域とは、実質的に同一平面上に配置されていることが好ましい。また、こうした前記反応単位と前記隔離領域とは実質的に同一材料から構成されていることが好ましい。
この形態においては、前記非親和性表面を前記液媒体に対して撥液性表面とすることができる。また、前記非親和性表面を疎水性表面とすることもできる。さらに、前記非親和性表面は、前記反応において前記液媒体中の溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面であってもよい。さらに、前記非親和性表面は、前記非親和性表面に2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径が4.5mm未満の表面であってもよい。また、前記非親和性表面は、2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径に対する、前記固相担体を、スキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤で処理し乾燥した後の前記非親和性表面に前記液滴と同一組成の液体2μlを滴下したとき形成される液滴の直径の比率が140%未満であってもよい。
この形態においては、前記非親和性表面は、光応答性成分を含有して光固定化可能な表面であってもよく、光応答性成分としては、アゾ基を有する色素構造を備えていることが好ましい。また、前記非親和性表面は、アルキル(メタ)アクリレートモノマーユニットを含む高分子材料表面であってもよい。さらに、前記固相担体表面の前記反応単位及び前記隔離領域のための表面は、光応答性成分を含有して光固定化可能な表面であり、前記成分は光固定化により保持されていてもよい。
この形態においては、前記複数個の反応単位は、2以上の異なる反応のための反応単位を含んでいてもよく、前記複数個の反応単位内には、一種又は二種以上の成分が互いに分離して保持された複数個の成分保持領域を有していてもよい。さらに、前記複数個の成分保持領域は、同一の成分が異なる濃度で保持されている成分保持領域又は異なる成分が保持されている成分保持領域を含むことができる。また、前記二種類以上の成分は、抗原と抗体、リガンドとレセプター、ヌクレオチド誘導体とヌクレオチド誘導体、ヌクレオチド誘導体とタンパク質、タンパク質とタンパク質、金属とタンパク質並びに糖鎖とレクチンからなる群から選択されていてもよい。
本発明の他の一つの形態によれば、二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための複数個の反応単位を互いに隔離して備える反応アレイのための固相担体であって、前記反応単位に準備される複数個の反応単位用領域と当該反応単位用領域に隣接する他の反応単位用領域と離隔するための隔離領域に準備される隔離用領域とを実質的に同一平面上に備え、前記反応単位用領域及び前記隔離用領域は、前記液媒体に対して所定の非親和性を有する非親和性表面を備えている、固相担体が提供される。前記反応単位用領域と隔離用領域とは実質的に同一材料から構成されていることが好ましい。
この形態においては、前記非親和性表面は、前記液媒体に対して撥液性表面であってもよく、前記非親和性表面は、疎水性表面であってもよい。また、前記非親和性表面は、前記反応単位に供給された前記反応のための反応液を他の反応単位に供給された反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面であってもよい。さらに、前記非親和性表面は、前記反応において前記反応液中の溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面であってもよい。さらにまた、前記非親和性表面は、前記非親和性表面に2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径が4.0mm以下の表面であってもよい。また、前記非親和性表面は、2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径に対する、前記固相担体を、スキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤で処理し乾燥した後の前記非親和性表面に前記液滴と同一組成の液体2μlを滴下したとき形成される液滴の直径の比率が140%未満であってもよい。
この形態においては、前記非親和性表面は、アゾ基を有する色素構造等を有する光応答性成分を含有して光固定化可能な表面又はアルキル(メタ)アクリレートモノマーユニットを含む高分子材料表面であってもよい。
この形態においては、前記固相担体は、前記反応単位に供給される反応液を隣接する他の反応単位に供給される反応液と分離して自立した液滴として保持して、該液滴内で反応させる反応アレイ用とすることができる。
本発明の他の一つの形態によれば、二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための複数個の反応単位を互いに隔離して備える反応アレイの製造方法であって、前記液媒体に対して所定の非親和性を示す非親和性表面を有する固相担体表面に前記二種以上の成分の少なくとも一方を保持させて前記反応単位を形成するとともに、複数個の前記反応単位を互いに隔離するように形成する、製造方法が提供される。
この形態においては、前記非親和性表面は、前記液媒体に対して撥液性表面であってもよく、前記非親和性表面は、疎水性表面であってもよい。さらに、前記非親和性表面は、前記反応単位に供給された前記反応のための反応液を他の反応単位に供給された反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面であってもよい。さらにまた、前記非親和性表面は、前記反応において前記液媒体中の溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面であってもよい。
本発明の他の一つの形態によれば、二種以上の成分を液媒体を介して反応させる方法であって、固相担体上に、二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための反応単位であって、前記二種以上の成分のうち少なくとも一つの成分を前記固相担体表面に保持する複数個の反応単位と、前記複数個の反応単位を互いに隔離する隔離領域と、を備え、前記隔離領域は、前記反応単位に供給される液媒体を隣接する他の反応単位に供給される液媒体と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する非親和性表面を備える反応アレイを準備する工程と、前記反応アレイの前記反応単位に反応液を供給して反応させる工程と、を備える、方法が提供される。この形態においては、前記反応工程において前記反応単位において得られた反応生成物を検出する工程を備えていてもよい。
本発明の反応アレイは、固相担体上に、二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための反応単位であって、前記二種以上の成分のうち少なくとも一つの成分を前記固相担体表面に保持する複数個の反応単位と、前記複数個の反応単位を互いに隔離する隔離領域と、を備え、前記隔離領域は、前記反応単位に供給された前記反応のための反応液を他の反応単位に供給された反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する非親和性表面を備えることを特徴としている。
図1及び図2に本発明の反応アレイの一例を示す。図1及び図2(a)〜(d)に示すように、本発明の反応アレイ10においては、固相担体2上の複数個の反応単位20を隔離する隔離領域40と、隣接する反応単位20に供給された液媒体100がそれぞれ自立してかつ互いに分離した液滴110を形成することができる液媒体100に対する非親和性を有する非親和性表面を備えているため、反応単位10に供給された反応液を隣接する他の反応単位に供給された反応液と分離し、自立した液滴110として安定して保持することができる。反応単位20に供給される反応液は混ざることがなく、所定の反応単位20において形成された液滴110内で反応単位20に固定化された少なくとも一種の反応成分と反応させることができる。したがって、本発明の反応アレイ10によれば、自立する液滴110に対応する反応単位20を固相担体2上に複数個形成することで、反応単位20の周囲に隔壁などで区画しなくても、多検体又は多項目検査のための多数の反応を同時に実施することができる。さらに、反応単位20が形成される固相担体2上の領域と前記隔離領域40とが実質的に同一の前記非親和性表面を有しているとき、より具体的には、これらの領域が実質的に同一材料で構成される実質的に同一平面上にある場合には、固相担体2上の任意の位置及び/又は形状が反応単位20や隔離領域40とされている。所望の場所に反応単位20や隔離領域40を備えるものとなっている。
また、非親和性表面が、前記液媒体中の溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面であるときには、反応液中に溶解する反応成分が非特異的に固相担体表面に結合することを抑制又は回避してブロッキング処理を簡素化あるいは省略しても十分な正確性や精度を確保することができる。さらに、隔離領域40と反応単位20とがいずれも前記非親和性表面を備えることができる。この態様においては、より確実に自立し安定保持される液滴110を形成することができるほか、反応単位20内に複数個の保持領域24を容易に形成できまた反応させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、本発明の反応アレイ、反応アレイ用の固相担体、反応アレイの製造方法、反応方法について、図1〜図7を適宜参照しながら順次説明する。
(反応アレイ)
本発明の反応アレイ10は、固相担体2の表面に複数個の反応単位20とこれらの反応単位20を隔離する隔離領域40とを備えている。本発明の反応アレイ10に用いる固相担体2は、反応単位20を複数個アレイ状に備えることができればよく、好ましくは基板又はチップ状である。なお、本発明の反応アレイ10に用いる固相担体2については、後段で詳細に説明する。
(反応単位)
反応単位20は、二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための反応単位であり、二種以上の成分のうち少なくとも一つの成分を前記固相担体表面に保持する領域である。「二種以上の成分を液媒体を介して反応させる」反応は、液媒体を介して二種以上の成分の相互作用による相互作用の結果物が生成する反応であればよく、特に限定されない。例えば、タンパク質を少なくとも一種の反応成分とする反応が挙げられる。この種の反応には、タンパク質間相互作用のほか、タンパク質−糖類相互作用、タンパク質−核酸などのヌクレオチド誘導体相互作用、タンパク質−脂質相互作用等などのタンパク質と低分子有機化合物又は高分子有機化合物などの非タンパク質成分との相互作用による反応が含まれる。こうしたタンパク質としては、酵素、抗原、抗体、細胞膜レセプター等が挙げられ、この種の反応としては、酵素−基質相互作用、阻害作用、活性化作用のほか、酵素や転写因子などによる転写調節、翻訳調節、複製調節、タンパク質合成調節や、膜タンパク質とホルモンなどのなどのレセプターとリガンド反応、抗原−抗体反応などが含まれる。また、DNA、RNAなどの一重鎖又は二重鎖ポリヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド並びにペプチド核酸などの各種核酸又はこれらの修飾体(修飾塩基を有していたり、付加物を有したもの)を含むヌクレオチド誘導体を少なくとも一種の反応成分とする反応が挙げられる。さらに、有機化合物及び/又は無機化合物による合成反応、分解反応、沈殿反応、触媒反応、発色反応などの各種反応が挙げられる。さらにまた、こうした無細胞系の反応のほか、各種微生物やウイルスのほか各種生物起源の細胞やオルガネラを少なくとも一種の反応成分とする反応であってもよい。本発明においては、二種以上の成分として、抗原と抗体、リガンドとレセプター、ヌクレオチド誘導体とヌクレオチド誘導体、ヌクレオチド誘導体とタンパク質、タンパク質とタンパク質、金属とタンパク質並びに糖鎖とレクチンとの組み合わせを好ましく用いることができる。
反応単位20は、反応成分を含む可能性のある反応液を供給して反応単位20内に保持されている反応成分と反応させる領域である。反応単位20は少なくとも一種の反応成分が保持された保持領域24を含んでいれば足りる。反応成分は、例えばスポット状又はストリーク状等の保持領域24を形成して反応単位20内に保持されることができる。また、反応単位20は、ただ一つの保持領域24を有していてもよいし、複数個の保持領域24を一単位としてまとまりをもった状態で有していてもよい。反応単位20が複数個の保持領域24を備える場合、複数個の保持領域24は、各保持領域24の反応生成物を個別に検出できる程度には分離されていることが好ましい。また、こうした複数個の保持領域24は、同一反応成分について異なる濃度の複数個の保持領域24であってもよいし、異なる反応成分についての複数個の保持領域24であってもよい。
反応単位20の反応成分が保持される固相担体2の領域の表面4は、液媒体100に対して親和性であってもよいし、非親和性であってもよいが、非親和性であることが好ましい。こうした非親和性表面に反応成分が保持されることで、個々の保持領域24以外の領域は隔離領域40を含めて全て非親和性表面となり、保持領域24は非親和性表面によって囲繞されていることになり、このために、反応液が反応単位20に供給されたときには、液滴110が形成されやすくなる。一方、保持領域24は反応成分により液媒体100に対して親和性を帯びているので、安定して液滴110を保持することができる。また、非親和性の表面に反応成分を保持させることで、保持領域24もコンパクトに形成することができる。より好ましくは、反応単位20の領域の表面4は、隔離領域40と同等の非親和性である。なお、反応成分を固相担体2の所定位置に保持させるためにより表面を液媒体に対して親和化した場合や親和性表面を有する固相担体2を用いた場合などにおいては、反応成分を保持させた後に、表面を液媒体100に対して非親和化すれば、非親和性の表面に対して反応成分が保持された状態と同等の状態が得られる。
固相担体2に保持される反応成分の保持形態は特に限定しない。保持させようとする反応成分と固相担体2とから適宜選択される。例えば、固相担体2に備える又は導入されたカルボキシル基、アミノ基、チオール基などを用いた共有結合性の結合により保持されていてもよいし、疎水性相互作用、静電的相互作用、水素結合、イオン結合等により非共有結合性の結合により保持されていてもよい。また、例えば、後述する光固定化により保持されていてもよい。光固定化によれば、反応成分へのダメージを抑制して簡易にまた安定的に固相担体2の表面に反応成分を保持させることができる。
このような複数個の反応単位20は固相担体2上においてアレイ状に配列されている。反応単位20のピッチ間隔は小さいほど検体密度を上げることができかつ検体量を少なくすることができる。反応単位20のピッチ間隔は、4.5mm以下であることが好ましく、この間隔であると反応面が20mm×60mmのスライドグラスでは、40個以上の反応単位20を配列することができる。一方、反応単位20のピッチ間隔が小さ過ぎると反応液を滴下する際の正確性が要求されるとともに検体数の増加によって滴下操作の迅速性が損なわれ、さらに滴下操作時間の延長に伴う反応液の蒸散のために定量性や操作性も悪化するおそれがある。こうした観点から反応単位20のピッチ間隔は2mm以上であることが好ましい。
なお、反応単位20は、特に、その周囲との境界が明示されていなくてもよい。既に述べたように、固相担体2上において反応単位20の占める領域は、反応液の液滴を形成させるための範囲であって供給する反応液の種類や液量によっても変動するからである。なお、反応液や試薬の供給、さらには反応生成物の検出にあたって、他の領域や他の反応単位と識別可能に着色剤や凹部や凸部によって反応単位の輪郭が表示されていてもよいし、他の反応単位との関係が明示されるように区画表示されていてもよい。こうした表示は固相担体2のアレイを構成する表面でなく裏面において付与されていてもよい。
(隔離領域)
本発明の反応アレイ10の複数個の反応単位20は、隔離領域40によって互いに離隔されている。隔離領域40は、反応単位20と実質的に同一平面上にあることが好ましい。ここで実質的に同一平面上にあるとは、通常、この種のアレイに用いられるスライドグラスやプラスチック性基板と同等の平坦な平面上にあればよいが、好ましくは、原子間力顕微鏡(AFM)による測定により10μm×10μmの領域内のいずれの場所においても表面粗さが1000nm以下であること好ましく、より好ましくは表面粗さが100nm以下である。ただし、隔離領域40を反応単位20に対して凸状とすることを排除するものではない。また、隔離領域40は、反応単位20が形成されている固相担体2上の領域の反応単位20以外の領域を占めていることが好ましい。さらに好ましくは、隔離領域40は反応単位20と実質的に同一材料とすることができる。こうすることで、反応単位20と隔離領域40とは同等の非親和性表面を有することになり、任意の配置及び/又は任意の形状で容易に形成することができる。すなわち、反応させようとする少なくとも一つの成分を保持させることで、当該保持領域が反応単位20となり、それ以外の領域が隔離領域40となる。
隔離領域40は、反応単位20に供給される反応液の液媒体100に対して非親和性を有する非親和性表面を有している。ここで非親和性とは、例えば、液媒体に対してなじみにくく撥液性を有するような性質を意味している。隔離領域40の一部にのみ非親和性表面を備えていてもよいが、好ましくは、隔離領域40のほぼ全体が非親和性表面を備えている。固相担体2の表面自体が非親和性表面であることがより好ましい。こうすることで、固相担体2の表面をそのまま隔離領域40として利用できる。また、既に説明したように、反応単位20を構成する保持領域24も、液媒体100に対する非親和性を有する表面を備えていることが好ましく、より好ましくは隔離領域40と同等の非親和性を有し、さらに好ましくは隔離領域40と同一の非親和性表面を備えていることが好ましい。
非親和性表面は、反応単位に供給される反応液を他の反応単位に供給される反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の非親和性を有していることが好ましい。こうした非親和性を有することで、反応単位20に液媒体100を含む反応液が供給されたとき、凹凸などを設けることなく他の反応単位20と分離した状態で反応液の液滴110が形成され、反応単位20において、二種以上の成分を液媒体を介して反応させることのできる独立した反応系を形成することができる。
また、反応アレイ10の操作性、被験液のコンタミネーション可能性の低減、反応の結果から得られる測定精度等を考慮すれば、隔離領域40の非親和性表面は、自立した液滴110を安定して反応単位20に保持できる程度の液媒体100に対する非親和性を有していることが好ましい。さらに、非親和性表面は、反応液の溶質、すなわち、液媒体100に含まれる溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の液媒体に対する非親和性を有していることが好ましい。こうした非親和性を有することで、いわゆるブロッキング処理をしなくても溶質の非特異性適吸着を抑制できるとともに、隔離領域40の表面の非親和性を維持して液滴110の自立性、保持性を確保することができる。
こうした非親和性表面は、例えば、液媒体100が水を主体とする水性媒体の場合、疎水性又は撥水性の表面である。一方、液媒体100が非極性溶媒などの疎水性媒体の場合、非親和性表面は親水性又は撥有機溶媒性の表面である。
水性媒体に非親和性を有する非親和性表面は、例えば、前記非親和性表面に2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン(好ましくはフィッシュゼラチンである。)、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤溶液を滴下したとき形成される液滴の直径が4.0mm以下の表面であってもよい。ブロッキング剤溶液は、必要に応じてTween20などの界面活性剤を含むことができ、またリン酸塩緩衝生理食塩液などの緩衝液で調製されてもよい。ブロッキング剤溶液としては、例えば、フィッシュゼラチン1.0w/v%含有TPBS溶液(TPBS:0.1v/v%Tween20含有0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.2)を用いることができる。非親和性表面は、こうした液体2μlを静かに滴下したとき、その液滴サイズ(直径)が4.5mm未満となるような表面が挙げられる。好ましくは液滴の直径が4.5mm未満であり、より好ましくは、3.5mm未満であり、更に好ましくは3.0mm未満である。なお、液滴の直径は、液滴が円形である場合にはその直径を指標とできるが、円形から離れる場合には円形であるとした場合の直径をいうものとする。
また、非親和性表面は、2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径に対して、スキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤で処理し乾燥した後の表面に前記液滴と同一組成の液体2μlを滴下したとき形成される液滴の直径の比率が140%未満であることが好ましい。こうした比率であれば、液媒体中の溶質の非特異的吸着を抑制できるため、固相担体2の表面の非親和性を維持することができるとともに、ブロッキング処理を実施しなくてもバックグラウンドやノイズの発生を低減できる。特に、血液や尿などの生体試料についてブロッキング処理を省略することができる。より好ましくは、140%未満であり、さらに好ましくは120%未満であり、一層好ましくは110%未満である。
なお、ブロッキング剤による処理は、ブロッキング剤の種類に応じて一般的な手法により実施すればよい。例えば、ブロッキング剤として、例えば、フィッシュゼラチン1.0w/v%含有TPBS溶液(TPBS:0.1v/v%Tween20含有0.01Mリン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)を用いる場合には、固相担体2を当該ブロッキング剤溶液に30分間浸漬すればよい。その後、TPBSで3回、純水で1回洗浄するなど必要な洗浄を行い、エアーの吹き付け等により乾燥して液滴の形成に用いればよい。
なお、上記液滴の液滴の形成から測定までは、恒温恒湿環境下で行うことが好ましく、例えば、湿度100%R.H.、温度25℃の恒温恒湿環境を用いることができる。また、液滴の形成から測定までは、上記恒温恒湿環境下で一定時間放置することが好ましく、例えば、30分間から1昼夜程度放置することができる。また、上記1.0%ゼラチン含有TPBS溶液も25℃に調整されたものを用いることが好ましい。
非親和性表面が疎水性表面であるとき、非親和性表面は、疎水性材料で形成されていてもよいし、極めて微細な凹凸形状により形成されていてもよい。疎水性材料としては、非極性基あるいは低極性の官能基を側鎖や主鎖に備える高分子材料が挙げられる。例えば、こうした官能基としては、炭素数が1以上20以下の直鎖又は分枝アルキル基、アルケニル基若しくはアルキニル基、炭素数が3以上20以下のシクロアルキル基、シクロアルケニル基若しくはシクロアルキニル基を有する炭化水素基、芳香族環を有する炭化水素基、シアノ基が挙げられる。こうした官能基を側鎖又は主鎖に有するモノマーユニットとしては、例えば、各種のエチレン性モノマーユニット、アセチレン系モノマーユニットが挙げられる。より具体的には、こうした非極性又は低極性官能基を備える(メタ)アクリレートモノマー等あるいはこれらを含むモノマー組成物を重合して得られるポリマーが挙げられる。好ましくは、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。また、シリコーン樹脂やフッ素樹脂なども挙げられる。
また、非親和性表面が親水性表面であるとき、親水性材料で形成されていてもよい。親水性材料としては、カルボキシル基、スルホニル基、水酸基、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合などを主鎖又は側鎖に有する高分子材料が挙げられる。また、ガラスや金属材料も挙げられる。
さらに、反応成分を光固定化により固相担体2に保持させる場合には、光応答性材料を用いることができる。光応答性材料としては、特に限定しないが、光応答性成分を高分子マトリックス中に有するものであることが好ましい。光応答性成分は、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる成分である。光により分子構造の変化が生じる現象は、フォトクロミズムと一般にいわれている。本発明で用いる光応答性成分としては、一般にフォトクロミック化合物といわれる化合物を用いることができるが、なかでも、光異性化を生じる化合物を用いることが好ましい。なお、光異性化等の分子構造変化を伴って又は光異性化等の分子構造変化を伴わないで光誘起配向、光会合等の分子配列の変化(特に異方的な変化)を生じる化合物も、本発明における固相を構築できるものである限り本発明の光応答性成分として用いることができる。こうした光応答性成分としては、例えばトランス−シス光異性化を生じる成分等の光異性化化合物等があり、例えば、アゾ化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、ジアリールエテン化合物などの有機化合物、カルコゲナイトガラスと総称される無機材料などがあげられる。なかでも、光応答性成分としては、アゾ基(−N=N−)、−CH=N−、−CH=CH−等を有する色素構造、なかでも、アゾベンゼンやその誘導体の構造を持つアゾ化合物が好ましい。さらに好ましくはシアノ基を有するアゾ化合物である。光応答性成分は、これらの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。光応答性成分は、マトリックスに分散される別個の成分として含まれていてもよいし、マトリックスを構成する一種又は二種以上のマトリックス材料に共有結合などの化学的結合を介して連結されてその一部となっていてもよい。
なお、マトリックスを構成する高分子材料としては、特に限定しないで各種の熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを用いることができる。高分子材料は、疎水性や親水性を考慮するほか、光応答性成分の共重合による導入性を考慮して選択される。例えば、(1)エチレン性モノマーなど二重結合を含有する重合性体の重合体であるアクリル系ポリマー、メタクリル系モノマー、オレフィン系ポリマー、(2)重合性官能基の重縮合により得られるアミド系ポリマー、エステル系ポリマー、(3)ウレタン系ポリマー、ウレア系ポリマーなど付加重合性ポリマーを単独であるいは組み合わせて用いることができる。
なお、その他、本発明において使用可能な光応答性成分及び光応答性材料は、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報、特開2004−251801号公報及び特開2005−91128号公報に記載の担体や光固定化材料を用いることができる。なかでも、以下の式(1)([化1])〜(4)([化4])で表されるポリマーを用いることができる。
以上説明した反応アレイ10によれば、固相担体2の表面に反応液を液滴として自立させて保持させることにより、反応液を貯留させるための凹凸を固相担体2の表面に形成することなく液媒体反応を実施できる反応単位20を形成することができる。また、このため、簡易に反応単位20を高密度化させることができる。さらに、液媒体100中の溶質の非特異的吸着を抑制してブロッキング処理を省略することもできる。さらにまた、本発明の反応アレイ10は、凹凸のない反応単位20に反応生成物が保持されることになるため、反応生成物を蛍光や発色等にて検出する際そのままスキャナー装置によって読み取り可能である。
(反応アレイ用の固相担体)
次に、本発明の反応アレイ10を作製するのに適した固相担体2について説明する。本発明の反応アレイ用の固相担体2の一例を図3に示す。図3に示すように、固相担体2は、図1及び図2に示す反応アレイ10の反応単位20のために準備される反応単位用領域18と隔離領域40のために準備される離隔用領域38とを実質的に同一平面上に備えている。すなわち、固相担体2は、複数個の反応単位20と隔離領域40とを同一平面上に形成可能な平坦面を有する基板又はチップ状の外形形態を有していることが好ましい。なお、実質的に同一平面上にあるとは、既に説明したように、ここで実質的に同一平面上にあるとは、通常、この種のアレイに用いられるスライドグラスやプラスチック性基板と同等の平坦な平面上にあればよいが、好ましくは、原子間力顕微鏡(AFM)による測定により10μm×10μmの領域内のいずれの場所においても表面粗さが1000nm以下であること好ましく、より好ましくは表面粗さが100nm以下である。こうした固相担体2の表面4、6は実質的に同一材料で構成されていることが好ましい。
固相担体2の反応単位20を形成する側の表面4、6は、反応単位20に供給される反応液の液媒体100に対して非親和性を有している。ここでいう非親和性は、反応アレイ10の隔離領域40が備える非親和性表面の有する非親和性と同義である。すなわち、本発明の固相担体2は、少なくともその担体表面4、6が作製しようとする反応アレイ10の隔離領域40をそのまま構成する非親和性表面を備えていることが好ましい。こうした非親和性表面を有することで、固相担体4の非親和性表面に反応させようとする成分を保持させるだけで、反応単位20を形成できると同時にこれら反応単位20は非親和性表面8を有する隔離領域40で包囲され隣接する他の反応単位と隔てられることになる。
本発明の固相担体2の少なくとも反応単位20を形成する側の表面4、6は、反応アレイ10の隔離領域40の非親和性表面と同様の各種態様で非親和性表面を備えることができ、固相担体4又はその表層を、既に説明した疎水性材料や親水性材料で形成することができる。固相担体2自体がこうした材料で形成されていてもよいが、他の材料の担体の表層として上記材料の層を備えていてもよい。例えば、上記材料のコーティング層を備えていてもよいし、上記材料のフィルムが貼着されていてもよい。
本発明の固相担体2によれば、反応単位20を形成する側の表面に対して反応させようとする成分を保持させることにより、自ずと反応単位20と隔離領域40とが規定されることになる。すなわち、固相担体2の表面の任意の位置及び/又は形状で反応単位20と隔離領域40とを形成できることになる。
(反応アレイの製造方法)
本発明の反応アレイは、種々の方法で作製することができる。作製方法としては、図4(a)に示すように、(1)非親和性表面を有する固相担体2の表面に対して所定の配列で反応成分を保持させて保持領域24及び反応単位20を形成することで作製する、図4(b)及び(c)に示すように(2)親和性表面を有する固相担体2(図4(b))や反応性成分の固定化のために一時的に表面を親和性化した固相担体2(図4(c))に反応成分を保持させた後、表面を非親和性表面となるように化学修飾する、などの方法が挙げられる。操作の簡便性の観点からは、上記(1)の方法を好ましく用いることができる。また、固相担体2の表面材料の選択の自由度や反応性成分の種類や固定化形態の自由度の観点からは、上記(2)の方法を好ましく用いることができる。
上記(1)の方法としては、例えば、疎水性表面を有する固相担体2に、疎水性相互作用を利用して反応成分を保持させて反応単位20を形成したり、光反応性成分を含有し疎水性の光応答性材料を表面に有する固相担体2に、光固定化を利用して反応成分を保持させて反応単位20を形成することが挙げられる。光固定化は、1mm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、とりわけ好ましくは10μm以下のサイズの微小物体を供給し、光照射することにより、微小物体を光応答性材料表面に固定化する技術であり、特開2003−329682号公報、特開2004−251801号公報、特開2005−8715号公報及び特開2005−91128号公報等に開示されている。なお、微小物体10の大きさは、微小物体10の観察時における最大寸法で規定するものとする。
また、上記(2)の方法としては、反応成分の保持のためにカルボキシル基やアミノ基などの親水性官能基などを備えた親和性表面(親水性表面)を有する固相担体2に反応成分を共有結合等により結合させて反応単位20を形成した後、この表面を化学修飾して非親和性化(疎水化)して分離領域を形成することが挙げられる。より具体的には、メチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体のカルボキシル基に水溶性カルボジイミドによりカルボキシル基を活性化し、この活性化カルボキシル基に対してタンパク質などの反応性成分のアミノ基を反応させることで反応成分を酸アミド結合により結合して反応単位20を形成した後、アルキルアミン等を用いて、活性化カルボキシル基を疎水化することが挙げられる。
(反応アレイを用いた反応方法)
本発明の二種以上の成分を液媒体を介して反応させる方法は、本発明の反応アレイを準備する工程と、この反応アレイの複数個の反応単位に一種又は二種以上の反応液を供給して反応させる反応工程とを備えている。この方法によれば、反応単位に反応液を供給して自立した反応液の液滴を形成させ、この液滴内にて固定化された成分との反応を実施させることができる。このため、微量の反応液で反応が可能となっている。また、反応単位と分離領域と実質的に同一平面上に存在しているため、反応後の洗浄や各種の後処理を容易にかつ確実に行うことができる。このため、後処理によって検出精度や正確性が低下することを抑制又は回避することができる。さらにこの態様においては、反応生成物のシグナル検出の各種の検出装置に適用するのが容易である。
なお、反応アレイ10の準備工程は、反応アレイ10を製造する工程とすることもできる。すなわち、反応アレイ10の準備工程として、所定の非親和性を有する固相担体2の表面に、一種又は二種以上の反応成分を保持する保持領域24及び反応単位20を形成する工程を実施してもよい。また、前記反応工程の後段において、必要に応じ、反応単位20に検出試薬を供給し、生じた反応生成物から読み取り可能な二次的反応生成物を生成させる工程及び、生成させた二次的反応生成物のシグナルを検出する工程を実施することができる。こうした検出試薬としては、従来公知の蛍光試薬、発色試薬等を用いることができる。なお、検出試薬の供給に先立って、反応単位20を洗浄する工程を実施してもよい。また、検出試薬を反応単位20に供給する場合には、反応単位20毎に個別に供給する必要はなく、共通の検出試薬が適用できる限り複数の反応単位20ひいては反応アレイ10の全体に単一の検出試薬を供給してもよい。
以下、本発明を、具体例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、表1に示す各種のコーティングされたスライドグラスに対しブロッキング処理前後の1.0w/v%ゼラチン含有TPBS溶液の液滴サイズを測定して、各種スライドグラスの有する水性媒体に対する非親和性及び水性媒体中の溶質の非特異吸着特性について調べた。まず、ブロッキング処理前の各種スライドガラスに1.0w/v%ゼラチン含有TPBS(TPBS:0.1(v/v)%Tween20含有0.01Mリン酸緩衝生理食塩液、pH7.4)溶液2μLを滴下し、湿度100%、温度25℃に制御した恒温恒湿環境に30分放置し、液滴の直径を計測した。結果を表1に示す。
なお、シリコンコートスライドグラス製、MASコートスライドグラス、ポリリジンスライドコートグラス及びコート無しスライドグラスはいずれも松浪硝子工業株式会社製を用いた。ニトロセルロース膜はバイオラッド社製のものを用いた。CN系アゾポリマースライドグラスは、式(1)に示すCN系アゾポリマーであって、CN系アゾモノマー15モル%とMMA85モル%とを重合したコポリマー(重量平均分子量約20000)を膜厚40nmでスライドグラスにコートしたものを用いた。また、PMMAコートスライドグラスは、(メタ)アクリル酸メチルのホモポリマー(重量平均分子量約27000)を膜厚40nmでコートしたものを用いた。
次に、上記各種のスライドグラスに対してブロッキング操作を行い、その後に上記と同様の1%ゼラチン含有TPBS溶液を滴下した場合の液滴の直径を計測した。すなわち、各種スライドグラスに対し、1%ゼラチン含有TPBS溶液に30分間浸漬し、TPBSで三回、純水で一回洗浄し(ブロッキング処理)、その後エアーの吹きつけによりスライドグラスを乾燥した。こうしたスライドグラスに対し1%ゼラチン含有TPBS溶液2μLを先と同様にして滴下し、湿度100%、温度25℃に制御した恒温恒湿環境に30分放置し、同様にして液滴の直径を計測した。結果を表1に併せて示す。
水性媒体に対する非親和性は、各種スライドグラス上の液滴直径が指標となる。すなわち、表1に示すように、ブロッキング前後で最も液滴直径の小さいのは、シリコンコートスライドグラスであった。すなわち、シリコーンコートグラスは、ブロッキングの有無に関わらず疎水性が高かった。一方、シリコンコートスライドグラス上の液滴は極めて移動しやすく、反応単位からのずれや他の液滴とのコンタミネーションが想定された。
また、CN系アゾポリマーコートスライドグラス及びPMMAコートスライドグラス上の液滴直径は、ブロッキング前後で2.6mm〜2.8mmであり、MASコートスライドグラス、ポリリジンスライドコートグラス、コート無しスライドグラス、ニトロセルロース膜は、3.0mm〜5.1mmであった。384ウェルタイプのプレートではウェル間のピッチは4.5mmであるため、ブロッキング処理の有無に関わらず直径が4.0mm以下であるCN系アゾポリマースライドグラス及びPMMAコートスライドグラスが適切であると考えられた。また、CN系アゾポリマースライドグラス及びPMMAコートスライドグラス上の液滴は安定して滴下位置に保持されていた。
一方、液媒体中の溶質の非特異的吸着性は、ブロッキング処理前後の液滴直径の変化を指標となる。すなわち、本実施例における液媒体は水性媒体であり、溶質であるゼラチンは親水性であるため、ゼラチンが吸着する(非特異吸着する)とスライドグラス表面が親水化し、液滴直径は増大することになるからである。表1に示すように、ブロッキング処理前後において液滴直径の変化がなかったのはシリコンコートスライドグラスであり、シリコンコートスライドグラスは、水性媒体中の溶質(ゼラチン)に対する非特異的吸着が少ないことが明らかであった。また、CN系アゾポリマースライドグラス及びPMMAコートスライドグラスでは、ブロッキング処理前後に約7.7%上昇したが、MASコートスライドグラス及びポリリジンコートスライドグラスはそれぞれ40%及び46%の大幅な上昇となった。
以上のことから、平坦な固相担体上において水性媒体による液滴内反応を行うための液媒体に対する非親和性(ここでは疎水性)の表面を有し、かつ溶質による非特異的吸着性にも優れる表面を有する担体としては、CN系アゾポリマーコートスライドグラス及びPMMAコートスライドグラスが検体密度、測定の安定性及び操作性の点で好ましいことがわかった。一方、シリコンコートスライドグラスはその非親和性(疎水性)が高すぎるゆえに少なくとも本実施例でTPBS又はこれと同等の親水性の液媒体には不適であることがわかった。また、MASコートスライドグラス及びポリリジンコートスライドグラスは本実施例の液媒体においては非特異的吸着性が高いため、DNAチップやプロテインチップの用途ではブロッキング処理を行う必要があることがわかった。さらに、コート無しスライドグラスにおいては、本実施例の液媒体に対する非親和性の低さから不適であることがわかった。
(実施例2:多検体同時検定1)
本実施例では、CN系アゾポリマーをコートしたスライドを用いて、これらにTPBSに溶解した抗ヤギ抗体−ウサギ抗体(10μg/ml)を、図5に示すように、0.1μlずつの4つのスポットを約1mmのピッチ間隔で一まとまりとなるレイアウトでアレイ状に滴下した。このアレイにおいては、これらの4つのスポットで一つの反応単位を形成し、隣接する反応単位のピッチ間隔は4.5mmであった。これを真空乾燥した後、30分間青色LEDで光照射(20mW/cm)した。その後、スライドグラスをTPBSで5分間洗浄することを3回繰り返し、エアーを吹き付けて乾燥させた。
次に、図6に示すように、一つの反応単位に対して検体として各種濃度(25、50、100、200ng/ml)のビオチン化ヤギ抗体を含む1%ゼラチンTPBS溶液を2μlずつ滴下して、30分間反応させた。その後、スライドグラスをTPBSで1分間洗浄することを3回繰り返し、エアーを吹き付けて乾燥させた。
次いで、乾燥後のスライドグラスを20μmのギャップを形成することができるギャップカバーグラス(松浪硝子工業株式会社製)で覆って、40μlのCy5標識ストレプトアビジンを含む1%ゼラチンTPBS溶液を導入して30分間反応させた。その後、スライドグラスをTPBSで1分間洗浄することを3回繰り返し、エアーを吹き付けて乾燥させた。得られたスライドグラスを共焦点蛍光アレイスキャナーによりCy5由来の蛍光を読み取った。結果を図6に示す。
図7に示すように、滴下したビオチン化ヤギ抗体の濃度に比例した蛍光強度を検出することができた。これにより、疎水性表面上において2μlの検体液を滴下した液滴内でも抗原抗体反応などの生体反応が十分進行させることができることがわかった。また、4.5mmのピッチ間隔で互いに混ざり合うことなく測定できることもわかった。また、一つの反応単位を複数の反応成分を保持させたスポットで形成しても、各スポット毎に反応させかつ反応生成物のシグナルを検出できることから、一つの反応単位、すなわち、液滴内で異なる成分を保持させることで多項目検定が可能となり、異なる濃度で成分を保持させておくことで定量性や検出性が高まることがわかった。
(実施例3:多検体同時検定2)
本実施例では、CN系アゾポリマーをコートしたスライドを用いて、これらにTPBSに溶解したConA(ConcanavalinA)(10μg/ml)の0.1μlを、実施例2と同様にしてアレイ状に滴下した。これを真空乾燥した後、30分間青色LEDで光照射(20mW/cm)した。その後、スライドグラスをTPBSで5分間洗浄することを3回繰り返し、エアーを吹き付けて乾燥させた。
次に、実施例2と同様に、一つの反応単位に対して検体として各種濃度のビオチン化OVA(Ovoalbumin)を含む1%BSATPBS溶液を2μlずつ滴下して、30分間反応させた。その後、スライドグラスをTPBSで1分間洗浄することを3回繰り返し、エアーを吹き付けて乾燥させた。次いで、実施例2と同様にしてCy5標識ストレプトアビジンを含む1%ゼラチンTPBS溶液を導入して反応させ、洗浄し、乾燥させ、得られたスライドグラスを共焦点蛍光アレイスキャナーによりCy5由来の蛍光を読み取った。本実施例においても、滴下したビオチン化OVAの濃度に比例した蛍光強度を検出することができた。
(実施例4:多検体同時検定3)
本実施例では、メタクリル酸メチル(95モル%)とメタクリル酸(5モル%)との共重合体でコートしたスライドを用いて、水性性カルボジイミドでカルボキシル基を活性化した。これにTPBSに溶解した抗ヤギ抗体−ウサギ抗体(10μg/ml)の0.1μlを、実施例2と同様にしてアレイ状に滴下した。これを真空乾燥した後、30分間青色LEDで光照射(20mW/cm)した。その後、スライドグラスをTPBSで5分間洗浄することを3回繰り返し、エアーを吹き付けて乾燥させた。さらに、このスライドをエチルアミン水溶液に5分間浸漬して、水溶性カルボジイミドにより活性化したカルボキシル基を不活性化した。
次に、実施例2と同様に、一つの反応単位に対して検体として各種濃度のビオチン化ヤギ抗体を含む1%ゼラチンTPBS溶液を2μlずつ滴下して、30分間反応させた。その後、スライドグラスをTPBSで1分間洗浄することを3回繰り返し、エアーを吹き付けて乾燥させた。次いで、実施例2と同様にしてCy5標識ストレプトアビジンを含む1%ゼラチンTPBS溶液を導入して反応させ、洗浄し、乾燥させ、得られたスライドグラスを共焦点蛍光アレイスキャナーによりCy5由来の蛍光を読み取った。本実施例においても、滴下したビオチン化OVAの濃度に比例した蛍光強度を検出することができた。
本実施例では、反応単位形成後に、エチルアミンを不活性化剤(疎水化剤)として表面を疎水化することで表面の疎水性を維持させることができ、2μlの検体液を4.5mmのピッチ間隔で互いに混ざりあうことなく液滴として保持し、反応させることができた。本実施例によれば、疎水性表面を有する固相担体を用いなくても、適宜表面を疎水化することで同様の反応が可能であることがわかった。
本発明の反応アレイの一例を示す図である。 本発明の反応アレイの一例を示す図である。 本発明の反応アレイ用の固相担体の一例を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の反応アレイの製造方法の例を示す図である。 実施例2における反応アレイの配列状態を示す図である。 実施例2における反応アレイ上に検体液が供給された状態を示す図である。 実施例2における反応アレイによる抗ヤギ抗体のCy5検出例を示す図である。
符号の説明
2 固相担体、4 表面、6 隔離領域の表面、10 反応アレイ、18 反応単位用領域、20 反応単位、24 保持領域、38 隔離用領域、40 隔離領域、100 液媒体、110 液滴、120 反応液。

Claims (32)

  1. 固相担体上に、
    二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための反応単位であって、前記二種以上の成分のうち少なくとも一つの成分を前記固相担体表面に保持する複数個の反応単位と、
    前記複数個の反応単位を互いに隔離する隔離領域と、
    を備え、
    前記反応単位が形成される前記固相担体上の領域及び前記隔離領域は、前記反応単位に供給される前記反応のための反応液を隣接する他の反応単位に供給される反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有している、反応アレイ。
  2. 前記反応単位と前記隔離領域とは、実質的に同一材料で構成される同一平面上に配置される、請求項1に記載の反応アレイ。
  3. 前記非親和性表面は、前記液媒体に対して撥液性表面である、請求項1又は2に記載の反応アレイ。
  4. 前記非親和性表面は、疎水性表面である、請求項1〜3のいずれかに記載の反応アレイ。
  5. 前記非親和性表面は、前記反応において前記液媒体中の溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面である、請求項1〜3のいずれかに記載の反応アレイ。
  6. 前記非親和性表面は、2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したときに形成される液滴の直径が4.5mm未満の表面である、請求項1〜5のいずれかに記載の反応アレイ。
  7. 前記非親和性表面は、前記非親和性表面に2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径に対する、前記固相担体を、スキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤で処理し乾燥した後の前記非親和性表面に前記液滴と同一組成の液体2μlを滴下したとき形成される液滴の直径の比率が140%未満である、請求項1〜6のいずれかに記載の反応アレイ。
  8. 前記非親和性表面は、光応答性成分を含有して光固定化可能な表面である、請求項1〜7のいずれかに記載の反応アレイ。
  9. 前記光応答性成分がアゾ基を有する色素構造を備えている、請求項1〜8のいずれかに記載の反応アレイ。
  10. 前記非親和性表面は、アルキル(メタ)アクリレートモノマーユニットを含む高分子材料表面である、請求項1〜9のいずれかに記載の反応アレイ。
  11. 前記固相担体表面の前記反応単位及び前記隔離領域のための表面は、光応答性成分を含有して光固定化可能な表面であり、前記成分は光固定化により保持されている、請求項1〜10のいずれかに記載の反応アレイ。
  12. 前記複数個の反応単位は、2以上の異なる反応のための反応単位を含んでいる、請求項1〜11のいずれかに記載の反応アレイ。
  13. 前記複数個の反応単位内には、一種又は二種以上の成分が互いに分離して保持された複数個の成分保持領域を有している、請求項1〜12のいずれかに記載の反応アレイ。
  14. 前記複数個の成分保持領域は、同一の成分が異なる濃度で保持されている成分保持領域又は異なる成分が保持されている成分保持領域を含んでいる、請求項12に記載の反応アレイ。
  15. 前記二種類以上の成分は、抗原と抗体、リガンドとレセプター、ヌクレオチド誘導体とヌクレオチド誘導体、ヌクレオチド誘導体とタンパク質、タンパク質とタンパク質、金属とタンパク質並びに糖鎖とレクチンとからなる群から選択されるいずれかあるいは複数である、請求項1〜14のいずれかに記載の反応アレイ。
  16. 二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための複数個の反応単位を互いに隔離して備える反応アレイのための固相担体であって、
    前記反応単位に準備される複数個の反応単位用領域と当該反応単位用領域に隣接する他の反応単位用領域と離隔するための隔離領域に準備される隔離用領域とを実質的に同一平面上に備え、
    前記反応単位用領域及び前記隔離用領域は、前記液媒体に対して所定の非親和性を有する非親和性表面を備えている、固相担体。
  17. 前記反応単位用領域及び前記隔離用領域は、実質的に同一材料で構成される、請求項16に記載の固相担体。
  18. 前記非親和性表面は、前記液媒体に対して撥液性表面である、請求項16又は17に記載の固相担体。
  19. 前記非親和性表面は、疎水性表面である、請求項16〜18のいずれかに記載の固相担体。
  20. 前記非親和性表面は、前記反応単位に供給される前記反応のための反応液を他の反応単位に供給される反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面である、請求項16〜19のいずれかに記載の固相担体。
  21. 前記非親和性表面は、前記反応において前記反応液中の溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面である、請求項16〜20のいずれかに記載の固相担体。
  22. 前記非親和性表面は、2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径が4.5mm未満の表面である、請求項16〜21のいずれかに記載の固相担体。
  23. 前記非親和性表面は、前記非親和性表面に2μlの水又はスキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤の溶液を滴下したとき形成される液滴の直径に対する、前記固相担体を、スキムミルク、ゼラチン、BSA、ウマ血清及びウシ胎児血清から選択される一種又は二種以上のブロッキング剤で処理し乾燥した後の前記非親和性表面に前記液滴と同一組成の液体2μlを滴下したとき形成される液滴の直径の比率が140%未満である、請求項16〜22のいずれかに記載の固相担体。
  24. 前記非親和性表面は、光応答性成分を含有して光固定化可能な表面又はアルキル(メタ)アクリレートモノマーユニットを含む高分子材料表面である、請求項16〜23のいずれかに記載の固相担体。
  25. 前記反応単位に供給される反応液を隣接する他の反応単位に供給される反応液と分離して自立した液滴として保持して、該液滴内で反応させる反応アレイ用である、請求項16〜24のいずれかに記載の固相担体。
  26. 二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための複数個の反応単位を互いに隔離して備える反応アレイの製造方法であって、
    前記液媒体に対して所定の非親和性を示す非親和性表面を有する固相担体表面に前記二種以上の成分の少なくとも一方を保持させて前記反応単位を形成するとともに、複数個の前記反応単位を互いに隔離するように形成する、製造方法。
  27. 前記非親和性表面は、前記液媒体に対して撥液性表面である、請求項26に記載の製造方法。
  28. 前記非親和性表面は、疎水性表面である、請求項26又は27に記載の製造方法。
  29. 前記非親和性表面は、前記反応単位に供給される前記反応のための反応液を他の反応単位に供給される反応液と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面である、請求項26〜28のいずれかに記載の製造方法。
  30. 前記非親和性表面は、前記反応において前記液媒体中の溶質の非特異的吸着を抑制できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する表面である、請求項26〜29のいずれかに記載の製造方法。
  31. 二種以上の成分を液媒体を介して反応させる方法であって、
    二種以上の成分を液媒体を介して反応させるための反応単位であって、前記二種以上の成分のうち少なくとも一つの成分を前記固相担体表面に保持する複数個の反応単位と、前記複数個の反応単位を互いに隔離する隔離領域と、を固相担体上に備え、前記反応単位を形成する前記固相担体上の領域及び前記隔離領域は、前記反応単位に供給される液媒体を隣接する他の反応単位に供給される液媒体と分離して自立した液滴として保持できる程度の前記液媒体に対する非親和性を有する非親和性表面を備える反応アレイを準備する工程と、
    前記反応アレイの前記反応単位に反応液を供給して反応させる工程と、
    を備える、方法。
  32. 前記反応工程において前記反応単位において得られた反応生成物を検出する工程を備える、請求項31に記載の反応方法。
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