JP6825212B2 - 検査装置、転写材、検査装置の製造方法、及び検査キット - Google Patents

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Description

本発明は、検査装置、転写材、検査装置の製造方法、及び検査キットに関する。
従来、血液、DNA、食品あるいは飲料等に含まれる被検出物質を、試薬を用いて検出するための装置が知られている。この装置は、検体が含まれた液体試料と試薬とを判定部において接触させる機構を有している。装置の利用者は、反応により生じるシグナルが判定部において発現するか否かを確認することにより被検出物質の存在を判定することができる。
例えば、特許文献1には、多孔性のクロマトグラフィー用部材から構成された検出部材を備えた検出装置が開示されている。この検出部材には、被検出物質に特異的に結合する検出試薬が、検出装置の長手方向に対して垂直な線状に固定されている。そして、検出部材に供給された液体試料が検出試薬の固定部に到達したときに、固定部に現れるラインを目視確認することにより、液体試料中に被検出物質が存在することを判定できる。
ところで、特許文献1の検出装置には、パルプを含む不織布によって構成されるサンプルパッドが設けられている。サンプルパッドは、液体試料が検出部材に供給されるまでの間、極少量の液体試料を貯留しておくことができる。より多量の液体試料を貯留可能な装置として、特許文献2には、ハウジングを備えたイムノクロマトグラフ装置が開示されている。ハウジングには、角錐形状の展開液導入部を有する。
ハウジングを備えた検査装置によると、ハウジングに形成された導入部において、検査装置へ供給される液体試料を貯留しておくことができる。しかしながら、このような検査装置によると、導入部の容量を確保する必要があるため、嵩高くなるという課題が生じる。
請求項1に係る発明は、液体試料の流路を有する流路部材と、前記流路部材の一部に接しており、前記流路へ供給される前記液体試料を貯留するための貯留部材と、前記流路へ供給された前記液体試料を検査するための検査材と、を有しており、前記貯留部材は、前記液体試料に接すると膨張することを特徴とする。
以上説明したように、本発明の検査装置によれば、ハウジング等において液体試料の導入部を有する検査装置と比較して、小型化することが可能になるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る検査装置の上面図である。 本発明の一実施形態に係る検査装置の断面図である。 貯留部材に検査液を滴下する前後の状態を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る転写材の断面図である。 本発明の一実施形態に係る検査キットの概念図である。 実施例の検査装置を示す図である。 比較例のケースを示す図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
<<<実施形態の全体構成>>>
まず、図1及び図2を用いて実施形態の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る検査装置の上面図である。図2は、図1の検査装置のA−A断面図である。
検査装置10は、基材11と、基材11上に設けられる流路部材12と、流路部材12上の一部に接して設けられる貯留部材13と、流路部材12上の一部に接して設けられる吸収部材14と、を有する。本実施形態において、部材上に設けるとは、検査装置10の向きとは関係なく、部材に接して設けることを意味している。
以後、液体試料が、血液、髄液、尿、あるいは検体抽出水溶液(スティック等の検体採取手段により採取した検体を含む液)等のように親水性の検査液である場合について説明を続ける。
なお、本実施形態では、検査液における抗原の有無を検査するための検査装置10について説明するが、本発明の検査装置は、抗原抗体反応を用いたものに限定されない。例えば、検査装置は、試薬として、構造変化により色相が変化する試薬を用いることで、検査液における特定の成分の有無を検査するものであっても良い。
<<<各部材の構成>>>
以下、上記の検査装置10を構成する各部材について詳細に説明する。
<<基材>>
本発明の一実施形態において、基材11としては、特に制限はなく、目的に応じて選択されるが、例えば、有機、無機又は金属製のものが挙げられる。また、基材11は、特に限定されないが、少なくとも1面が疎水性樹脂で覆われていることが好ましい。検査装置10をセンサチップに使用する場合には、軽量で柔軟性があり、かつ、安価である合成樹脂を基材11として用いることが好ましい。また、本実施形態によると、プラスチックシートなど耐久性が高い基材11を選択できるので、結果として検査装置10の耐久性も向上する。
基材11としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニルエーテル、ポリブチレンフタレート、ABS樹脂等でできた基材などが挙げられる。この中でも、安価で汎用性が高いことから、ポリエチレンテレフタレート製の基材11を用いることが特に好ましい。
基材11の形状としては、特に制限はないが、シート状が好ましい。基材11の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましい。平均厚みが、0.01mm未満であると、基材11としての強度を保てなくなることがあり、0.5mmを超えると、材質によってはフレキシブル性に欠け、センサとして取り扱いにくくなることがある。なお、本実施形態において、平均厚みとは、例えば、測定対象物の厚みを長手方向に5箇所、幅方向に3箇所、測定箇所がほぼ均等の間隔となるように合計15箇所をマイクロメーターで測定したときの厚みの平均値とすることができる。また、本実施形態において、厚みとは、基材11と流路部材12との接触面に対して垂直方向の対象物の長さとすることができる。
<<貯留部材>>
貯留部材13は、検査装置10において流路部材12の一部に接しており、検査液を滴下する位置に設けられる。貯留部材13は、流路部材12の流路へ供給される検査液を一時的に貯留し、その後、徐々に流路部材12に受け渡す機能を有する。貯留部材13の構成材料としては、検査液に接すると形状弾性により膨張(形状を復元)する形状弾性体が用いられる。一実施形態において、形状弾性体としては、圧縮されたスポンジ(弾性のある多孔質合成樹脂)が用いられる。
上記のスポンジは、水不溶性又は水難溶性の親水性材料によって形成される。親水性材料としては、特に限定されないが、PVA(ポリビニルアルコール)樹脂、また、親水化処理を施した樹脂、例えば親水性ポリウレタン樹脂、親水性PVC(ポリ塩化ビニール)樹脂等が挙げられる。これらのうち、保水性のPVA樹脂は好ましい。なお、本実施形態において水不溶性とは、実質的に水に不溶であることを指す。ここで、実質的に水に不溶であるとは、25℃下で24時間、大量の水中に浸漬した後、真空乾燥等の方法によって十分に乾燥した際の、樹脂の質量変化量が1質量%以下であることを意味する。これは樹脂生成物中に含まれる副生成物(モノマー成分など)が水中に溶け出し質量が減少することがあるためである。また、水難溶性であるとは、25℃下で24時間、大量の水中に浸漬した後、真空乾燥等の方法によって十分に乾燥した際の、樹脂の質量変化量が10質量%以下であることを意味する。本実施形態においては、時間経過に伴って樹脂生成物が水に溶け出すよりも、スポンジから水が蒸発し乾燥する時間のほうが早いため、水難溶性の場合であっても水不溶性と同等に扱うことが可能であることによる。
このスポンジを機械的に圧縮成型するだけでも貯留部材13として成立するが、経時変化により徐々に形状を復元することがある。このため、微量の固定部材をスポンジの空隙内に充填して圧縮成形することによりスポンジの形状を固定しても良い。固定部材としては、水溶性樹脂が好適に用いられる。水溶性樹脂としては、PVP(ポリビニルピロリドン)、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)、PEO(ポリエチレンオキサイド)等が挙げられる。なお、PVAのような樹脂は、その重合度や置換基等に応じて、スポンジの構成材料として用いることも、固定部材として用いることもできる。
水溶性樹脂でスポンジを固定する場合、水溶性樹脂が溶解した水溶液にスポンジを完全に浸してスポンジの表面に非常に薄く水溶性樹脂をコーティングする。続いて、コーティングしたスポンジを圧縮成型し、そのまま乾燥・固定させる。
水溶性樹脂は、貯留部材13(スポンジ及び水溶性樹脂)全体の質量中、0.05質量%以上0.6質量%以下の割合で含有していることが好ましい。水溶性樹脂の含有量が0.6質量%よりも多いと、圧縮したスポンジが検査液と接しても膨張せず、スポンジが復元しなくなる場合がある。水溶性樹脂の含有量が0.05質量%よりも少ないと、圧縮状態をそのまま維持できるだけの接着力がなくなる場合がある。
熱転写により貯留部材13を流路部材12上に設ける場合、水溶性樹脂は熱可塑性を有することが好ましい。水溶性樹脂が熱可塑性を有する場合には、水溶性樹脂が熱により溶融することで、水溶性樹脂の一部が転写材から離れ、流路部材12上に接着する。熱可塑性の水溶性樹脂としては、PVP、PEG、PEOなどが挙げられる。これらのうち、熱転写のしやすさ(熱溶融時の粘度の低さ)からPVPが好ましい。
上記の圧縮状態のスポンジは、膨張して連続気泡体を形成する。連続気泡体とは多孔質材料のうち、気泡同士が繋がっているものを指し、気泡同士が繋がっていない独立気泡体とは区別される。連続気泡は気泡同士の壁に小さな孔が開いているため、液体を吸い込んだり気体を通過させたりする機能を有する。
本発明の一実施形態において、スポンジ(連続気泡体)の空隙率とは、圧縮成型前あるいは復元された状態のスポンジの見かけ体積に対する、圧縮成型前あるいは復元された状態のスポンジに形成されている空隙の体積の割合である。スポンジの空隙率は80%以上であることが好ましい。スポンジの空隙率が80%未満であると、復元後のスポンジにおいて、保水量が不足し検査に必要な量の検査液を貯留できなくなる場合がある。
圧縮成型前あるいは復元された状態のスポンジ(連続気泡体)における平均気孔径は20μm以上300μm以下であることが好ましい。平均気孔径が20μmより小さいと、スポンジの保水性が高くなりすぎて、スポンジに検査液を含ませても流路部材12へ検査液を殆ど供給できなくなる場合がある。平均気孔径が300μmより大きいと、スポンジの離水性が高くなりすぎて、スポンジが検査液を保持できず、スポンジの流路部材12に触れてない側面側から検査液が漏れる場合がある。なお、スポンジにおける平均気孔径は、スポンジの内部組織に存在する複数の気孔から所定の基準で抽出した所定数の気孔の長径(各気孔の長手方向の距離)の平均値により定義される。平均気孔径は、例えば、以下の測定方法によって求めることができる。
スポンジを所定位置で切断し、その切断面に露出した内部組織を電子顕微鏡で撮影する。次に、撮影写真に所定の測定範囲を設定し、その測定範囲内に存在する複数の気孔の中から長径が大きい順に20個の気孔を抽出する。次に、抽出した20個の気孔の各長径を測定する。最後に、20個の測定値のうち大きい方から数えて11番目から20番目までの測定値の平均を、平均気孔径として算出する。
検査装置10において、検査液は、貯留部材13から流路部材12へ毛細管現象により移動する。毛細管現象によって液体(液面)の上昇する高さZは下式で与えられる。
Z=2Tcosθ/ρgr
T = 表面張力、θ = 接触角、ρ = 液体の密度、g = 重力加速度、r = 管の内径(半径)
ここで、貯留部材13と流路部材12はともに親水性の多孔質材料であり、流れる検査液は同じものであることを考えると、上式より、管の内径、即ち、多孔質材料の気孔径が小さいほど、毛細管が検査液を吸い上げる力が大きくなると考えられる。従って、貯留部材13のスポンジの気孔径よりも流路部材12の気孔径の方が小さいことが好ましい。即ち、流路部材12において毛細管現象により液体を吸い上げる力をより大きくしておくことで、貯留部材13に貯留された検査液は流路部材12に移動する。また、流路の最下流側の吸収部材14において毛細管現象により液体を吸い上げる力を更に大きくしておくことで、貯留部材13から流路部材12に検査液が殆ど移行する一方で、逆流が生じにくくなる。
図3(A)は、貯留部材13に検査液30を滴下する前の状態を示す概念図である。図3(B)は、貯留部材13に検査液30を滴下した後の状態を示す概念図である。採取手段の一例として滅菌綿棒51で採取した親水性の検査液30を、貯留部材13に付着させると、貯留部材13において、スポンジを圧縮状態に保持していた水溶性樹脂は、検査液に溶解する。水溶性樹脂が溶解すると、スポンジは圧縮状態を維持できなくなり、膨張して形状を復元する。膨張する方向は、圧縮した方向の逆方向であり、好適には、流路部材12との対向面に対して直交する貯留部材13の厚み方向とすることができる。
検査装置10によると、検査液の導入口を有するハウジングを用いなくても、スポンジにおいて所望の量の検査液を貯留することが可能になる。また、スポンジを圧縮成型しておくことで、検査装置10の小型化が実現される。更に、スポンジは毛細管現象により検査液を貯留するため、ハウジングの導入口において検査液を貯留する場合と比較して、検査装置10を動かしても検査液が漏れにくくなる。
本発明の一実施形態において貯留部材13の膨張率は3倍以上であることが好ましい。膨張率が3倍未満であると、スポンジの圧縮が十分でないため、貯留部材13としては厚みが大きく省スペース化のメリットが少なくなる場合がある。また、この場合、圧縮成型したとしても、膨張後の貯留部材13の体積が小さいため、貯留できる検査液の量が少なくなる場合がある。貯留部材13の膨張率の上限、あるいは、貯留部材13の最大圧縮率はスポンジの気孔率により物理的に決定される。貯留部材13の最大圧縮率を超えて圧縮した場合、スポンジが横方向(流路部材12との対向面方向)にも伸びてしまい、膨張するとき貯留部材13が検査装置10から外れる場合がある。
なお、貯留部材13の膨張率とは、膨張により貯留部材13の厚み方向の長さが変化する割合を示す。一実施形態において、貯留部材13の膨張率は、以下のように測定することができる。測定対象となる貯留部材13のサンプルを長方形状に裁断したときの四隅と、その四隅を対角線で結んだときの交点の5点において、膨張による厚み方向の長さが変化する割合を測定し、値が大きい方から3点の平均値を求めて膨張率とする。
膨張前の貯留部材13の厚みは特に限定されないが、30μm以上、1000μm以下であることが好ましい。膨張前の貯留部材13の厚みが1000μmよりも大きいと、検査装置10が嵩高くなる場合があり、30μmよりも小さいと、貯留可能な検査液の量が少なくなる場合がある。ただし、流路部材の厚みや長さにより好適な範囲は異なり、上記以外においても選択することができる。
<<流路部材>>
検査装置10の流路部材12としては、検査液30を流すことが可能な部材であれば特に限定されないが、親水性多孔質材料が挙げられる。親水性多孔質材料によって構成される流路部材12は、空隙を有しており、検査液30が空隙内を流れることによって流路を形成する。親水性多孔質材料の内部には、気泡が存在し、気泡同士が繋がって連続気泡となっていることが好ましい。なお、連続気泡とは、気泡同士が繋がっていない独立気泡とは区別されるものである。この連続気泡においては、気泡同士の壁に小さな孔が開いているため、毛細管現象によって液体を吸い込んだり気体を通過させたりする機能を有する。流路部材12は、空隙において、毛細管現象を利用して検査液30を移送するので、ポンプ等の外部駆動装置が不要である。
親水性多孔質材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親水性を示し空隙率が高い基材が好適に用いられる。親水性多孔質材料とは、水溶液が容易に浸透可能な多孔質材料である。容易に浸透可能とは、120℃で1時間乾燥した板状試験片の表面に純水0.01mLを滴下する水浸透性の評価試験で、純水0.01mLが10分間以内にすべて浸透することを意味する。
親水性多孔質材料の空隙率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40%以上90%以下が好ましく、65%以上80%以下がより好ましい。空隙率が、90%を超えると、基材としての強度が保てなくなることがあり、40%未満であると、検査液30の浸透性が悪くなることがある。空隙率は、例えば、親水性多孔質材料の坪量(g/m)、厚み(μm)、組成分比重から、下記の計算式1により求めることができる。
〔計算式1〕
空隙率(%)={1−〔坪量(g/m)/厚み(μm)/組成分比重〕}×100
親水性多孔質材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ろ紙、普通紙、上質紙、水彩紙、ケント紙、合成紙、合成樹脂フィルム、コート層を有する専用紙、布地、繊維製品、フィルム、無機基板、ガラス、などが挙げられる。
布地としては、例えば、レーヨン、ベンベルグ、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ビニロン等の人造繊維、綿、絹等の天然繊維、これらの混紡繊維、又はこれらの不織布を用いることができる。
これらの中でも、高い空隙率と良好な親水性を有する点から、ろ紙が好ましい。検査装置10をバイオセンサーの目的で使用する際には、ろ紙はペーパークロマトグラフィーにおける固定相として好適である。ろ紙としては、公知の検査装置において用いられるものが好適に用いられ、一例として、ニトロセルロースメンブレンフィルターが挙げられる。
親水性多孔質材料の形状については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シート状が好ましい。親水性多孔質材料の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上0.3mm以下が好ましい。平均厚みが、0.01mm未満であると、基材としての強度を保てなくなることがあり、0.3mmを超えると、検査液30の必要量が多くなる場合がある。
流路部材12の複数箇所には、それぞれ試薬が塗布されてコンジュゲートエリア12a、テストライン12b、及びコントロールライン12cが形成される。
コンジュゲートエリア12aには、特に限定されないが、試薬として、被検出物質である抗原と反応する標識抗体が塗布されている。標識抗体としては、例えば、金コロイド標識Anti−human IgGが挙げられる。これにより、流路部材12の流路を移動してきた検査液がコンジュゲートエリア12aに到達したときに、親水性多孔質材料から標識抗体が溶出する。検査液に抗原が含まれているときには、抗原抗体反応により、検査液に含まれる抗原と、溶出した標識抗体が結合し、抗原−標識抗体結合体が生成する。
テストライン12bには、特に限定されないが、試薬として被検出物質である抗原と反応する抗体が塗布され、固定化されている。抗体としては、例えば、Anti−human IgG等の抗体が塗布されている。抗原−標識抗体結合体が生成された場合には、テストライン12bにおいて固定化されている抗体によって、抗原−標識抗体結合体が捕捉される。これにより、テストライン12bは呈色する。
コントロールライン12cには、コンジュゲートエリア12aにおいて溶出した標識抗体を捕捉可能なものであれば特に限定されないが、Human IgG等の抗体が塗布され固定化されている。コンジュゲートエリア12aにおいて溶出した標識抗体は、検査液とともにコントロールライン12cに到達すると、コントロールライン12cにおいて固定化されている抗体によって捕捉される。これにより、コントロールライン12cは呈色する。即ち、利用者は、検査液がコントロールライン12cにまで到達したことを確認することができる。
上記の各試薬は、流路部材12の流路へ供給された液体試料を検査するための検査材の一例である。検査材の他の例として、上記の各試薬を樹脂層の少なくとも1面に固相化したものが挙げられる。この場合、各樹脂層の各試薬が固相化された面を、流路部材12のコンジュゲートエリア12a、テストライン12b、及びコントロールライン12cの位置に張り合わせて検査装置10とすることができる。
<<吸収部材>>
吸収部材14は、水を吸収するものであれば特に制限されず、公知の材料の中から選択することができる。このような吸収部材14としては、紙、布などの繊維、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物、カルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体、多糖類の部分架橋体等が挙げられる。
<<<転写材>>>
本発明の一実施形態において、貯留部材13形成用の貯留部材形成層を流路部材12上の一部に熱転写することにより、流路部材12上に貯留部材13を設けることができる。熱転写に用いる転写材としては、支持体上に剥離層を積層させ、更に剥離層上に貯留部材形成層を積層させた3層構成のものが好適に用いられる
図4を用いて、転写材について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る転写材の断面図である。転写材100は、支持体101と、支持体101上に設けられた剥離層102と、剥離層102上に設けられた貯留部材形成層103と、を有している。また、転写材100は、更に必要に応じて、任意のバック層104等のその他の層を有している。
−支持体−
支持体101としては、その形状、構造、大きさ、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体の大きさとしては、検査装置10の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
支持体101の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、セルロースアセテート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
支持体101の表面には、支持体101の上に設ける層との密着性を向上させるため、表面活性化処理を行うことが好ましい。表面活性化処理としては、例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、などが挙げられる。
支持体101は、転写後、そのまま検査装置10に残しておいてもよく、あるいは検査装置10から剥離し除去してもよい。支持体101は、特に制限はなく、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。支持体101の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上50μm以下が好ましい。
−剥離層−
剥離層102は、転写の際に、支持体101と貯留部材形成層103との剥離性を向上させる機能を有する。また、剥離層102は、サーマルヘッド等の加熱加圧手段で加熱すると熱溶融して低粘度の液体となり、加熱部分と非加熱部分との界面近傍で、貯留部材形成層103の切断を容易にする機能を有する。剥離層102は、ワックス、及びバインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の成分を含んでなる。
ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蜜ロウ、カルナバワックス、鯨ロウ、木ロウ、キャンデリラワックス、米ぬかロウ、モンタンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸;ステアリンアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ソルビタンの脂肪酸エステル等のエステル類;ステアリンアミド、オレインアミド等のアミド類、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、剥離性に優れている点から、カルナバワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、部分ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸ナトリウム共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリアクリル酸、イソブチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
剥離層102の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホットメルト塗工法、前記ワックス及び前記バインダー樹脂を溶剤に分散させた塗布液を塗布する方法、などが挙げられる。剥離層102の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上50μm以下が好ましい。剥離層102の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5g/m以上50g/m以下が好ましい。
−貯留部材形成層−
貯留部材形成層103は、流路部材12上に転写されると、検査装置10において貯留部を形成する。このため、貯留部材形成層103は、液体試料に接すると膨張して液体試料を貯留可能な部材、即ち、貯留部材13を構成するスポンジ及び熱可塑性の水溶性樹脂等の材料を含む。貯留部材形成層103の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剥離層102上に水溶性樹脂を含んだスポンジを重ね合わせ、プレス機を用いて圧縮成型する方法が挙げられる。このとき、スポンジは圧縮されるので、検査液に接すると膨張して液体試料を貯留可能な状態となる。圧縮成型の条件は特に限定されないが、例えば、圧縮圧力として10MPa以上30MPa、圧縮時間1分以上16時間未満の条件を採用することができる。ただし、シートの材質や厚みなどにより好適な範囲は異なり、上記以外においても選択することができる。
−バック層−
転写材100には、支持体101の剥離層102側の面とは反対側の面に、バック層104が設けられていることが好ましい。この反対側の面には、転写時に、サーマルヘッド等で熱が直接印加される。このため、バック層104は、高熱への耐性、サーマルヘッド等との摩擦への耐性を有することが好ましい。バック層104は、バインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タルク、シリカ、オルガノポリシロキサン等の無機微粒子、滑剤、などが挙げられる。
バック層104の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター等の一般的な塗布法、などが挙げられる。バック層104の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm以上、1.0μm以下が好ましい。
<<貯留部材形成層の転写>>
貯留部材形成層103を流路部材12に熱転写する方法としては、転写材100の貯留部材形成層103と、流路部材12とを対向させて加圧及び加熱することにより、貯留部材形成層103を流路部材12の一部に転写する工程を含む方法が挙げられる。熱転写に用いられるプリンタとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリアルサーマルヘッド、ライン型サーマルヘッド等を有するサーマルプリンタが挙げられる。熱転写における印加エネルギーは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05mJ/dot以上0.5mJ/dot以下が好ましい。印加エネルギーが、0.05mJ/dot未満であると、熱可塑性の水溶性樹脂の溶融が不十分となることがあり、0.5mJ/dotを超えると、試薬が熱により変性してしまうことや、水溶性樹脂以外の転写材100を溶かしてしまい、サーマルヘッドが汚れてしまうことがある。
<<<検査装置の用途>>>
検査装置10の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、血液検査やDNA検査向けの生化学センサ(センシングチップ)、食品や飲料の品質管理用途などにおける小型の分析機器(化学センサ)などが挙げられる。
生化学の分野の検査に用いる試料(検体)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細菌、ウイルス等の病原体、生体から分離された血液、唾液、組織病片等、あるいは糞尿等の排泄物、などが挙げられる。更に、出生前診断を行う場合は、羊水中に存在する胎児の細胞、試験管内での分裂卵細胞の一部などであってもよい。また、これらの試料は、直接、又は必要に応じて遠心分離操作等により沈渣として濃縮した後、例えば、酵素処理、熱処理、界面活性剤処理、超音波処理、これらの組合せ等による細胞破壊処理を予め施されていてもよい。
また本実施形態の検査装置10は、流路部材12が固定相として働くため、検査液をクロマトグラフィー(分離、精製)する機能も有する。この場合、連続気泡を有する内壁が親水性を示す流路部材12が固定相(担体)となる。検査液中の各成分は、流路内を浸透する過程で固定相との相互作用の違い、すなわち親疎水性の違いにより流路内を流れる速度に差が生じる。
これは親水性の高い成分ほど、固定相である多孔質部に吸着しやすく、脱吸着を繰り返す回数が多いため、流路内を浸透する速度が遅い。反対に疎水性の高い成分は固定相に吸着することなく浸透するので、流路内をすばやく移動する。検査液中の移動速度の差を利用することで、検査液30の対象成分選択的に抽出、反応させることで、検査装置10を高機能な化学あるいは生化学用途のセンサとして用いることができる。
<<<検査方法>>>
検査装置10を用いて検査する方法としては、特に限定されないが、以下の工程を含んでいても良い。
(1)貯留部材13に検査液を滴下することにより供給する工程。
(2)貯留部材13から流路部材12に検査液を毛細管現象により移動させる工程。
(3)コンジュゲートエリア12aにおいて塗布されている標識抗体を、検査液30と接触させることにより、流路部材12から標識抗体を放出させる工程。
(4)検査液30に抗原が含まれる場合に、抗原と標識抗体を反応させて抗原−標識抗体結合体を生成する工程。
(5)テストライン12bにおいて固定化されている抗体に、抗原−標識抗体結合体を含む検査液を接触させることにより、テストライン12bにおいて抗原−標識抗体結合体を捕捉する工程。
(6)コントロールライン12cにおいて固定化されている抗体に、標識抗体を含む検査液を接触させ、コントロールライン12cにおいて標識抗体を捕捉する工程。
<<<検査キット>>>
上記の検査方法により検査を行う場合、図5に示したように、検査装置10と、検体あるいは検査液を採取するための器具(採取手段の一例)、及び、検体を処理するための液体を有する検査キット50を用いることができる。図5は、本発明の一実施形態に係る検査キットの概念図である。検体あるいは検査液を採取する器具としては、咽頭あるいは鼻腔等から検体を採取するための滅菌綿棒51等の公知の器具が挙げられる。検体を処理するための液体としては、検体を希釈して検査液とするときに、検体を希釈するための希釈液52、検体を抽出して検査液とするときに、検体を抽出するための抽出液等の公知の液体が挙げられる。
<<<実施形態の補足>>>
上記実施形態では、試薬が抗原または抗体である場合について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。ケミカルアッセイで用いられる指示薬は溶液の化学的性質を指示する試薬を指す。指示薬としては、特に限定されないが、pH指示薬、鉛イオン、銅イオン、亜硝酸イオン等の各種イオンと反応して変色する各種イオノフォア、各種農薬と反応して変色する試薬などが挙げられる。
上記実施形態では、転写の際に、転写材100における貯留部材形成層103を熱により剥離する例について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、貯留部材形成層103を光によって剥離しても良い。この場合、剥離層102に、カーボンブラックなどの光吸収剤を混ぜておいて、それに光を吸収させて熱を生じさせることにより、剥離層102を溶融させ、貯留部材形成層103を剥離しても良い。あるいは、剥離層102に、光照射によって変質する材料を混ぜておいて、それに光を吸収させて剥離層102を脆くすることにより、貯留部材形成層103を剥離しても良い。
上記実施形態では、流路部材12の全体に流路を有する例を示したが本発明はこれに限定されない。流路部材12の一部に流路を形成する方法としては、例えば、公知の方法により、親水性多孔質基材の空隙に、疎水性の材料を充填することにより、流路の外縁となる流壁を形成する方法が挙げられる。
また、本実施形態の検査装置10において、流路部材12に手が触れたときの汚染を防ぐ目的で、任意の保護部材を設けても良い。このような保護部材としては、例えば、検査装置10の全体を覆うハウジングや、流路部材12上に設けられるフィルムなどが挙げられる。保護部材を設ける場合、貯留部材13の上部には検査液滴下用の開口が設けられていることが好ましい。また、保護部材には、流路内の圧力を開放するための開口が設けられていることが好ましい。なお、検査装置10によると、保護部材やハウジングを設ける場合でも、保護部材やハウジングにおいて検査液を貯留するための導入部を有しなくても良いため、検査装置10が嵩高くなることを防ぐことができる。
上記実施形態において、検査液30が親水性の場合について説明したが、この形態に限定されない。例えば、検査液は、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン,MEK(メチルエチルケトン)などのケトン類等の有機溶媒を含む親溶媒性のものであっても良い。この場合、上記の実施形態における、「親水性」は「疎水性」に置き換えられ、「疎水性」は「親水性」に置き換えられることになる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、各実施例及び各比較例において用いた圧縮成型前のスポンジの空隙率、及び、圧縮成型前のスポンジの平均気孔径を表1に示している。ここで、スポンジの空隙率は、上記実施形態において記載されている親水性多孔質材料の空隙率の測定方法に準じて測定される。また、スポンジの平均気孔径は、上記実施形態において記載されている測定方法を用いて測定される。
〔実施例1〕
図6(A)は実施例1の検査装置を示す上面図である。図6(B)は図6(A)の検査装置のB−B断面図である。なお、図6(A)中のlは32mmであり、lは15mmであり、lは18mmであり、lは25mmであり、wは3.5mmである。
<<流体部材の作製>>
基材11及び流路部材12を以下の要領で接着して流体部材(疎水性基板を有する親水性多孔質基材)を作成した。
<疎水性基板を有する親水性多孔質基材の作製>
ポリエステル系ホットメルト系接着剤(東亜合成株式会社製、アロンメルトPES375S40)を190℃に加熱後、ロールコーターを用いて厚さが50μmとなるように、基材11として幅7.5mm×長さ95mmに裁断したPETフィルム(東レ社製、ルミラーS10、50μm)の上部に塗工して接着剤層を形成した。この塗工物を2時間以上静置した後、接着剤層面に流路部材12として幅3.5mm×長さ95mmに切断したニトロセルロースメンブレンフィルター(HF180、メルクミリポア株式会社製、厚み135μm、空隙率70%)を重ね、150℃の温度で1kgf/cmの荷重を10秒間かけた。これにより、疎水性基板を有する親水性多孔質基材を得た。
<<検査部の形成>>
<テストライン及びコントロールラインの形成>
次に親水性多孔質基材(流路部材12)上にテストライン12bとしてAnti−human IgG antibody(4.7mg/mL、I1886、シグマ−アルドリッチ社製)6μLを1mm幅で塗布した。同様にして、親水性多孔質基材上にコントロールライン12cとしてHuman IgG(4.8mg/mL、I2511−10MG、シグマ−アルドリッチ社製)6μLを1mm幅で塗布した。続いて、親水性多孔質基材を室温で16時間乾燥した。
<標識抗体の塗布>
次に、親水性多孔質基材上に金コロイド標識抗体として、金コロイド標識anti−human IgG(Gold 40nm、OD=15、BAW社製)を5μL塗布して、コンジュゲートエリア12aを形成した。
<<貯留部の形成>>
<貯留部材の作製>
厚み1000μmのPVAスポンジ(ベルイーターD、富士ケミカル株式会社製)を0.5質量%のポリビニルピロリドン水溶液(Polyvinylpyrrolidone K15、東京化成工業株式会社製)に十分に浸したのち、軽く水分をふき取りプレス機(ハイプレッシャージャッキ J−1、林工業株式会社製)を用いて28MPaで5時間圧縮成型した。次に圧縮したスポンジを真空乾燥機において室温で1時間乾燥し、貯留部材を得た。このときの厚みは169μmであった。
<貯留部の形成>
次に上述の貯留部材を幅3.5(mm)、長さ32(mm)の長方形に切り取り、上述の親水性多孔質基材上に貼り付けて、貯留部材13を設けた。
<<吸水部の形成>>
次に吸水パッド(CFSP223000、メルクミリポア社製)を幅3.5(mm)、長さ25(mm)に裁断したものを親水性多孔質基材上に貼り付けて、吸収部材14を設けた。以上によりイムノクロマトアッセイ用の検査装置10を得た。
続いて、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
(こぼれ評価)
貯留部に評価用検査液としてPBS(リン酸緩衝生理食塩水:D86620、シグマ−アルドリッチ社製)を100μL滴下した後、検査装置を傾斜30度傾けた際に検査液がこぼれないかどうかを判定した。なお、評価はこぼれなかった場合は○、こぼれた場合を×とした。後述の比較例1の場合、ハウジングケースの貯留部がコップ形状であるため、傾けると貯留部から検査液がこぼれ、検査をすることができなかった。結果を表2に示す。
(圧縮状態安定性評価)
作製した貯留部材13の厚み(μm)を、作製から2ヶ月後に測定し、圧縮状態が維持されているかを評価した。
安定性=2ヵ月後の厚みB/作製当時の厚みA〔倍〕
(復元性評価)
作製した貯留部材13を幅45mm、長さ3.5mmの長方形状に裁断し、ここに水0.1mLを滴下した後、5秒後の貯留部材13の厚み(μm)を測定し、圧縮成型前の貯留部材の高さにどれだけ戻るか評価した。
復元性=復元後の貯留部材の厚みB/圧縮成型前の貯留部材の厚みA ×100〔%〕
(離水性評価)
幅20mm、長さ20mmの正方形状に裁断した貯留部材に水0.4mL(0.4g)を貯留させたサンプルを、幅40mm長さ40mmのメンブレン(HF180、メルクミリポア株式会社製)上に30秒静置させた際、貯留部材からメンブレンに離水した量を測定し、以下の式に沿って離水性を評価した。
離水性=メンブレンに移行した水の量〔g〕/0.4〔g〕×100〔%〕
〔実施例2〕
実施例1において、ポリビニルピロリドンをポリエチレンオキサイド(アルコックスL−6、明成化学工業株式会社製)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、ポリビニルピロリドンをPVA(ゴーセネックスZ−300、日本合成化学工業株式会社)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、PVAスポンジをウレタンスポンジ(ソフラスNタイプ、富士ケミカル株式会社製)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
実施例1において、ポリビニルピロリドン水溶液の濃度を0.5質量%から0.1質量%に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
実施例1において、ポリビニルピロリドン水溶液の濃度を0.5質量%から0.8質量%に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例7〕
実施例1において、ポリビニルピロリドン水溶液の濃度を0.5質量%から0.05質量%に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例8〕
実施例1において、ベルイーターDから厚み1000μmに加工したACスポンジV(株式会社エー・シーケミカル社製)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例9〕
実施例1において、ベルイーターDから厚み1000μmに加工したACスポンジU(株式会社エー・シーケミカル社製)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例10〕
実施例1において、PVAスポンジをベルイーターDからベルクリンE−1(アイオン社製)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例11〕
実施例1において、PVAスポンジをベルイーターDからベルイーターFBに変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例12〕
実施例1において、PVAスポンジをベルイーターDからベルイーターGBに変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例13〕
実施例1において、PVAスポンジを水溶性樹脂は使わずに圧縮成型した以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。このうち、圧縮状態安定性評価において、実施例13で作製した貯留部材はスポンジを固定する水溶性樹脂を含まないため、経時変化により安定性が低下した。結果を表2に示す。
〔実施例14〕
実施例1において、貯留部を熱転写により形成した以外は全て実施例1と同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。
<<貯留部の形成>>
<貯留部材形成用転写材の作製>
(1)貯留部材形成用フィルムの作製
PVAスポンジ(ベルイーターD、富士ケミカル株式会社製)を厚み0.5mmに加工したものを0.5質量%のポリビニルピロリドン水溶液(Polyvinylpyrrolidone K15、東京化成工業株式会社製)に十分に浸したのち、軽く水分をふき取りプレス機(ハイプレッシャージャッキ J−1、林工業株式会社製)を用いて28MPaで5時間圧縮成型した。次に圧縮したスポンジを真空乾燥機において室温で1時間乾燥し、貯留部材を得た。このときの厚みは89μmであった。
(2)離型層塗布液の調整
ポリエチレンワックス(東洋アドレ株式会社製、ポリワックス1000、融点99℃、25℃における針入度2)14質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル株式会社製、EV−150、重量平均分子量2,100、VAc21%)6質量部、トルエン60質量部、及びメチルエチルケトン20質量部を、平均粒径が2.5μmとなるまで分散し、離型層塗布液を得た。
(3)バック層塗布液の調整
シリコーン系ゴムのエマルション(信越化学工業株式会社製、KS779H、固形分30質量%)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層塗布液を得た。
(4)各層の形成
支持体101として平均厚み25μmのPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラーF65)片面に、上述のバック層塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層104を形成した。次に、PETフィルムにおけるバック層104が形成された面とは反対側の面に、上述の離型層塗布液を塗布し、40℃で10秒間乾燥して、平均厚み20μmの剥離層102を形成した。次に、上述の貯留部材に1mm角の格子状の切れ込みをいれた後、剥離層102の上に重ねた状態で、プレス機を用いて28MPaで1時間圧縮成型し、平均厚み72μmの貯留部材形成層103を形成し、転写材100として貯留部材形成用転写材を得た。
<熱転写による貯留部の形成>
次に上記貯留部材形成用転写材と、疎水性基板を有する親水性多孔質基材とを対向させて重ね合わせた後、下記の熱転写プリンタを用いて、以下に示すパターン形成条件で熱転写し、幅3.5(mm)、長さ45(mm)の長方形形状の貯留部を形成した。なお、疎水性基板を有する親水性多孔質基材は実施例1で用いたものと同様のものである。
貯留部の形成には、ヘッド密度300dpi(TDK株式会社製)のサーマルヘッドを用い、印刷速度16.9mm/sec、印加エネルギー0.81mJ/dotの評価系システムを構築し、印刷した。
〔比較例1〕
<<アッセイ部材の作製>>
<検査部の形成>
<テストライン及びコントロールラインの形成>
幅3.5(mm)×長さ39(mm)に切断したニトロセルロースメンブレンフィルター(HF180、メルクミリポア株式会社製)上にテストラインとしてAnti−human IgG antibody(4.7mg/mL、I1886、Sigma社製)6μLを1mm幅で塗布した。同様にして、ニトロセルロースメンブレンフィルター上にコントロールラインとしてHuman IgG(4.8mg/mL、I2511−10MG、Sigma社製)6μLを1mm幅で塗布したのち、室温で16時間乾燥した。これにより検査部を形成した。
<標識抗体保持パッドの作製>
次に、金コロイド標識抗体として、金コロイド標識Anti−human IgG(Gold 40nm、OD=15、BAW社製)を、幅3.5(mm)、長さ16(mm)に切断したグラスファイバーパッド(メルクミリポア社製、GFCP203000)に60μL/cmとなるよう塗布し、一晩減圧乾燥し、標識抗体保持パッドを作製した。
<組み立て>
検査部を形成したニトロセルロースメンブレンフィルター(紙基板)を、幅3.5(mm)、長さ76(mm)に切断したPETフィルム(東レ社製、ルミラーS10、100ミクロン)の長軸側の一端から32mm離れた位置に、試薬塗布面とは反対側とPETフィルムとが対向するように接着した。
次に、上記で作製した標識抗体乾燥パッドを幅3.5(mm)、長さ16(mm)に切断し、紙基板の上面に、紙基板の上流端が2mm重なるように配置して貼り付けた。さらに、幅3.5(mm)×長さ34(mm)のサンプルパッド(メルクミリポア社製、Sure Wick C048)を標識抗体保持パッドの上面に16(mm)重なるように配置して貼り付け、サンプル滴下パッドとした。
次に、幅3.5(mm)×長さ25(mm)の吸収パッドを紙基板の上面に、紙基板の下流端と19mm重なるように配置して貼り合わせ、テストストリップを得た。
<ハウジング>
図7(A)は、比較例1のケースを示す上面図である。図7(B)は、比較例1のテストストリップを収容したケースの断面図である。図7中のls1は10mm、ls2は3mm、hは3mm、hは5mmである。図7のプラスチック製のケース15は検査液導入部としての第1の開口15a、テストライン及びコントロールラインを視認するための第2の開口15b、脱気用の第3の開口15cを有している。ケース15に上述のテストストリップを収め、イムノクロマトアッセイ用の検査装置を得た。なお、検査装置において、h3mmの導入部と厚さ0.48mmのサンプルパッドにより厚み3.48mmの貯留部が形成される。
比較例1の検査装置について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
比較例1において、テストストリップをハウジングケースに納めない以外は比較例1と同様にして検査装置を作製し、離水性評価を実施した。この時、比較例2では水を一時的に保持するタンクの役目をするプラスチックケースがないため、水をサンプルパッドに滴下すると水は検査装置から漏れ、メンブレン内を展開しなかった。
〔比較例3〕
実施例1において、スポンジを圧縮成型しない以外は全て同様にして作製し、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
実施例1において、PVAスポンジをウレタンスポンジ(エバーライトSF QP−16、株式会社ブリヂストン社製)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。
この際、復元性評価において、貯留部材が疎水性を示すため、滴下した水を保水せず、貯留部材は復元しなかった。
〔比較例5〕
実施例1において、ポリビニルピロリドンをWax(ニッサンエレクトール WEP−3、日油株式会社製)に変えた以外は全て同様にして作製し、圧縮状態安定性評価、復元性評価、離水性評価、及びこぼれ評価を実施した。結果を表2に示す。この際、復元性評価において、ワックスが水に不溶であるため、検査液を滴下してもスポンジは固定されたままの状態を維持したため、貯留部材は復元しなかった。
Figure 0006825212
Figure 0006825212
10 検査装置
11 基材
12 流路部材
13 貯留部材
14 吸収部材
50 検査キット
51 滅菌綿棒
52 希釈液
100 転写材
101 支持体
102 剥離層
103 貯留部材形成層
特開2009−85838号公報 特開2009−250763号公報

Claims (9)

  1. 液体試料の流路を有する流路部材と、
    前記流路部材の一部に接しており、前記流路へ供給される前記液体試料を貯留するための貯留部材と、
    前記流路へ供給された前記液体試料を検査するための検査材と、を有しており、
    前記貯留部材は、多孔質合成樹脂と、該多孔質合成樹脂の空隙にコーティングされた水溶性樹脂とからなり、
    前記貯留部材は、前記液体試料に接すると膨張する検査装置。
  2. 前記貯留部材は、形状弾性体である請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記貯留部材は、膨張して連続気泡体を形成する請求項1又は2に記載の検査装置。
  4. 前記連続気泡体の空隙率は、80%以上である請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記連続気泡体の平均気孔径は、20μm以上300μm以下である請求項4に記載の検査装置。
  6. 前記水溶性樹脂は熱可塑性を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の検査装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査装置の製造に用いられる転写材であって、
    剥離層と、
    前記剥離層に積層されており、液体試料に接すると膨張して前記液体試料を貯留可能な部材を含む貯留部材形成層と、
    を有する転写材。
  8. 請求項7に記載の転写材の前記貯留部材形成層を流路部材に対向させて加圧することにより、前記流路部材の一部に前記貯留部材形成層を転写する工程を含む検査装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の検査装置と、
    前記液体試料を採取するための採取手段と、
    を有する検査キット。
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