JP6685549B2 - 多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質体及び多孔質体の製造方法に関する。
従来、多孔質体は、主に原料の溶融処理、材料の加熱処理等の用途で使用されており、各種の電子部品、機械部品等の焼成用治具として、幅広く利用されている。
焼成用治具は、見掛け比重が大きくなると、熱容量が増加するため、焼成時に多くの熱エネルギーが焼成用治具の加熱に費やされることになり、製造コストの上昇が懸念される。そこで、焼成用治具として、多孔質体が利用されている。一方、多孔質体は、見掛け比重が小さいため、曲げ強度が低下する。
特許文献1には、所定の成形体の表面に焼結助剤の少ない被覆層乃至焼結助剤を含まない被覆層を形成することによって作製された、高気孔率と高強度を同時に実現した窒化珪素多孔質焼結体が開示されている。このとき、多孔質焼結体は、窒化珪素結晶を主体とし、窒化珪素結晶の粒界相と気孔とを有する焼結体からなる。また、多孔質焼結体は、粒界相の量が表面部よりも内部で多く、平均気孔径が表面部よりも内部で大きく、かつ表面部と内部との間に、粒界相の量及び気孔径が傾斜的に変化する傾斜部を具備してなる。
特許文献2には、表層部に存在する細孔よりも孔径の大きい気孔が該表層部の下側に存在し、全体として連通気孔構造を呈する多孔質セラミックス焼結体をバルク部として、多孔質セラミックス焼結体の表層部の平滑な表面上に、ナノメートルサイズの細孔にて構成される連通気孔構造を有するシリカ層が形成されているセラミックス多層構造体が開示されている。このとき、シリカ層上に、ゼオライト結晶を生成、配向させて、ナノメートルサイズの細孔にて構成される連通気孔構造を備えたゼオライト層が形成されている。
特許文献3には、シリカ層が表面に形成され、見掛け気孔率15%以上、見掛け比重3.05〜3.20、炭化ケイ素含有量が90重量%以上である炭化ケイ素基材の、少なくとも被焼成物が載置される部分のシリカ層表面に、ジルコニアまたはアルミナの少なくともいずれかからなる被覆層が形成されている焼成用道具材が開示されている。
特開2002−154881号公報 特開2005−306999号公報 特開2009−29692号公報
しかしながら、曲げ強度をさらに向上させることが望まれている。
本発明の一態様は、上記従来技術が有する問題に鑑み、曲げ強度を向上させることが可能な多孔質体を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、
無機材料を含む多孔質体であって、
バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
前記表層部に存在する気孔のうち、気孔径が10μm以上の気孔は、個数基準の分布における90%累積気孔径が50μm以下であり、
前記バルク部に存在する気孔のうち、気孔径が10μm以上の気孔は、90%累積気孔径が200μm以下であることを特徴とする多孔質体である。
請求項2に係る発明は、
前記無機材料は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、複合酸化物、粘土鉱物、金属及び合金からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質体である。
請求項3に係る発明は、
前記無機材料の一部として、針状、棒状、又は板状の異方性粒子を含み、
前記異方性粒子が針状又は棒状の場合はその長軸が、前記異方性粒子が板状の場合はその面が、表層部及びバルク部の気孔の内壁面に平行に配向していることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質体である。
請求項4に係る発明は、
前記表層部は凹凸形状をもつことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質体である。
請求項5に係る発明は、
前記表層部は、前記バルク部と同種の材料及び/又は前記バルク部とは異種の材料のコート層により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質体である。
請求項6に係る発明は、
セッター、耐火物又は断熱材であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質体である。
請求項7に係る発明は、
無機材料を含む多孔質体を製造する方法であって、
前記多孔質体は、バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成形して成形体を作製する工程と、
前記成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程と、
前記被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程と、
前記硬化成形体を加熱して、硬化成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程と、
前記焼成前成形体を焼成して前記多孔質体とする工程と、を有することを特徴とする多孔質体の製造方法である。
請求項8に係る発明は、
請求項に記載の多孔質体の製造方法により製造されている多孔質体にコート層を形成する工程をさらに有することを特徴とする多孔質体の製造方法である。
請求項9に係る発明は、
前記通気性部材は、セラミックス、金属、炭素、樹脂、不織布、織布、紙及び粘土鉱物からなる群より選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項またはに記載の多孔質体の製造方法である。
請求項10に係る発明は、
前記無機材料粉末の一部として、針状、棒状、又は板状の異方性粒子を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の多孔質体の製造方法である。
請求項11に係る発明は、
無機材料を含む多孔質体を製造する方法であって、
前記多孔質体は、バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成型して成形体を作製する工程と、
前記成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程と、
前記被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程と、
前記硬化成形体にコート層を形成してコート成形体とする工程と、
前記コート成形体を加熱して、コート成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程と、
前記焼成前成形体を焼成して前記多孔質体とする工程と、を有することを特徴とする多孔質体の製造方法である。
請求項12に係る発明は、
無機材料を含む多孔質体を製造する方法であって、
前記多孔質体は、バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成型して成形体を作製する工程と、
前記成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程と、
前記被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程と、
前記硬化成形体を加熱して、硬化成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程と、
前記焼成前成形体にコート層を形成してコート成形体とする工程と、
前記コート成形体を焼成して前記多孔質体とする工程と、を有することを特徴とする多孔質体の製造方法である。

本発明の一態様によれば、曲げ強度を向上させることが可能な多孔質体を提供することができる。
本発明の実施形態の多孔質体の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態の多孔質体の別の例を示す断面図である。 本発明の実施形態の多孔質体の別の例を示す断面図である。 本発明の実施形態の多孔質体の体積基準の気孔径分布を示す図である。 一般的な多孔質体の体積基準の気孔径分布を示す図である。 表層部とバルク部の境界(表層部の厚み)の測定方法を示す図である。 表層部とバルク部の境界(表層部の厚み)の測定方法を示す図である。 本発明の実施形態の多孔質体の別の例を示す断面図である。 本発明の実施形態の多孔質体の製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明の実施形態の多孔質体の製造方法の他の例を示すフロー図である。 本発明の実施形態の多孔質体の製造方法の他の例を示すフロー図である。 実施例1の多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例1の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例1の多孔質体の体積基準の気孔径分布である。 実施例1の多孔質体の表層部とバルク部の境界の測定結果を示す図である。 実施例1の表層部およびバルク部の補正個数基準の気孔径分布である。 比較例1の多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 比較例1の多孔質体の体積基準の気孔径分布である。 比較例2の多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 比較例2の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例2の多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例2の多孔質体の断面のSEM写真である。 実施例2の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例2の多孔質体の表層部とバルク部の境界の測定結果を示す図である。 実施例2の表層部およびバルク部の補正個数基準の気孔径分布である。 実施例4の多孔質体の断面の光学顕微鏡写真とSEM写真である。 比較例3の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真である。 比較例4の多孔質体の表面と断面の光学顕微鏡写真である。 実施例6の多孔質体の表面のSEM写真である。 実施例6の多孔質体の気孔の内壁面のSEM写真である。 実施例7のカーボンをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 比較例5のカーボンをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例8のアルミナをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 比較例6のアルミナをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例9の窒化ホウ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 比較例7の窒化ホウ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例11の炭化ケイ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例12のアルミナをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例13の窒化ケイ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真である。 実施例14の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例15の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例17の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真である。
<<多孔質体>>
本発明の実施形態の多孔質体は、無機材料を含む多孔質体である。多孔質体は、バルク部と、バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備える。
バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下である。
表層部の気孔率は、バルク部の気孔率よりも小さく、0体積%より大きく、50体積%以下である。表層部の厚みは、5μm以上200μm以下である。
なお、表層部を備えないバルク部の表面もバルク部と表記する。
多孔質体の形状は特に限定されない。例えば、板状や直方体(ブロック)状が挙げられる。また、角柱状、円柱状、角すい状、円すい状、円すい台状、角すい台状、箱型(凹型)状等の種々の形状で実現することが可能である。
また、多孔質体の表層部は凹凸形状を有する態様を採用することができる。
本発明の実施形態の多孔質体の一例を図1に示す。
この例は、バルク部の上面に表層部を備えるものである。ここで、多孔質体は、気孔と、気孔を隔てる隔壁を有する。隔壁とは、無機材料が比較的緻密に存在する部位を示す。
本発明の実施形態の多孔質体の別の例を図2に示す。
この例は、バルク部の上下面に表層部を備えるものである。
本発明の実施形態の多孔質体の別の例を図3に示す。
この例は、バルク部の表面全体に表層部を備えるものである。
無機材料としては、特に限定されないが、セラミックス(金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、複合酸化物、粘土鉱物およびその混合物)、金属、合金等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
無機材料を含む多孔質体に含まれる無機材料の量は、特に限定されないが、多孔質体を100質量部とした場合に、95質量部以上が好ましい。
無機材料のうち、セラミックスとしては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化タンタル、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化バナジウム、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル等の金属窒化物、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化バナジウム、炭化ジルコニウム、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化タングステン等の金属炭化物、ムライト、スピネル、ディオプサイド、コージェライト、フォルステライト、サイアロン等の複合金属酸化物、タルク、カオリナイト、スクメタイト、ゼオライト、グローコナイト、クロライト、ハイドロタルサイト、セリサイト、イライト等の粘土鉱物が例示できる。
無機材料のうち、金属としては、アルミニウム、シリコン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、銀、インジウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛が例示できる。
無機材料のうち、合金としては、鉄合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金等が挙げられる。
無機材料の一部として、針状、棒状、あるいは、板状の異方性粒子を含んでもよい。
バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、好ましくは30体積%以上80体積%以下であり、より好ましくは45体積%以上75体積%以下である。これは、バルク部の気孔率が15体積%未満であると、多孔質体の比重が大きくなり、85体積%を超えると、多孔質体の曲げ強度が低下するためである。
バルク部に存在する気孔のうち気孔径が10μm以上の気孔は、個数基準の分布における90%累積気孔径が200μm以下であり、好ましくは150μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。これは、バルク部の個数基準の分布における90%累積気孔径が200μm以下であると多孔質体の曲げ強度がさらに向上するからである。
表層部は、バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成されている。例えば、具体的には、バルク部の表面の、少なくともいずれかの面を覆う場合(例として、上面を覆う図1の場合、上下面を覆う図2の場合)、バルク部の表面全体を覆う場合(例として、図3の場合)が挙げられる。
表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上150μm以下であり、より好ましくは20μm以上100μm以下である。これは、表層部の厚みが、5μm未満であると表層部による多孔質体の曲げ強度の向上がほとんどみられず、200μmを超えると多孔質体を作製する際の発泡時に発生したガスの抜けが悪くなり、表層部の形成が困難になるからである。
表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、好ましくは5体積%以上45体積%以下であり、より好ましくは10体積%以上40体積%以下であり、かつ、バルク部の気孔率よりも小さい。これは、表層部の気孔率が50体積%を超える、または、バルク部の気孔率以上であると、表層部による多孔質体の曲げ強度の向上がほとんどみられないからである。
表層部に存在する気孔径が10μm以上の気孔は、個数基準の分布における90%累積気孔径が50μm以下であり、好ましくは個数基準の分布における90%累積気孔径が45μm以下であり、より好ましくは個数基準の分布における90%累積気孔径が40μm以下である。これは、表層部の個数基準の分布における90%累積気孔径が50μm以下であると表層部による曲げ強度のさらなる向上が見られるからである。
図4に、本発明の実施形態の多孔質体の体積基準の気孔径分布を示す。
図5に、一般的な多孔質体の体積基準の気孔径分布を示す。
本発明の実施形態の多孔質体の気孔径分布は、水銀圧入法により測定することができる。測定された体積基準の気孔径分布は、図4に示すような2つのピーク、P1とP2をもつ分布を示す。大気孔径側のピークP2は、発泡による気孔に対応し、一方、小気孔径側のピークP1は、表層部やバルク部の隔壁中の気孔に対応している。
多孔質体の気孔のうち、10μm以上の気孔の気孔径分布は、光学顕微鏡写真や走査型電子顕微鏡(SEM)写真の画像解析法により、測定することができる。画像解析法により10μm未満の気孔の測定も可能であるが、測定誤差が大きい場合があるため、推奨されない。
水銀圧入法で測定した気孔径分布と画像解析法で測定した気孔径分布は、10μm未満の気孔径分布については、ほぼ一致するが、10μm以上の気孔径分布では誤差を生じることがある。これは、水銀圧入法で測定する気孔径は、気孔の最大径ではなく、気孔同士が連結する部分(ネック部)の径となるためである。よって、本発明の実施形態では、10μm未満の気孔径分布を測定する場合は、水銀圧入法を優先して採用し、10μm以上の気孔径分布を測定する場合は、画像解析法を優先して採用する。
比較として、一般的な多孔質体の体積基準の気孔径分布は、図5に示すような1つのピーク、P1'のみをもつ気孔径分布を示す。このピークは図4の小気孔径側のピークP1に対応している。図4の大気孔径側のピークP2は、本発明の実施形態の多孔質体により実現される特徴的な構造に対応している。
表層部の気孔率は、小気孔径側の気孔径分布のピークP1を分離することにより、求めることができる。これは、表層部とバルク部の隔壁の構造は類似した構造を有し気孔率も同程度であり、図4の小気孔径側のピークP1は、表層部とバルク部の隔壁中の気孔に対応しているためである。
ピークの分離方法としては、特に限定されないが、2つのピークが重なりあった谷部V1(気孔径はX1μm)を境にして分離することができる。分離したピークを図4中に斜線で示す。分離した小気孔径側のピーク面積の全ピーク面積に対する面積比を求め、全体の気孔率にこの面積比を乗じることで、表層部の気孔率を計算できる。また、別の方法として、2つのピークが対数正規分布をとると仮定してピークを分離し、ピーク面積比を求めることで、表層部の気孔率を求めることもできる。
バルク部の気孔率は、アルキメデス法(JIS R 1634)により求めることができる。あるいは、水銀圧入法による体積基準の気孔径分布から計算、すなわち、図4に示されるピークP1とP2の合計をバルク部の気孔率として求めることもできる。これは、表層部の厚みが5μm以上200μm以下であり、多孔質体に占める表層部の割合がわずかであるためである。必要に応じて、表層部の厚みと気孔率から表層部の影響を補正して、バルク部の気孔率を求めても良い。
なお、気孔径分布における、10%累積気孔径、50%累積気孔径、90%累積気孔径は、それぞれ、気孔径が小さい側からの累積値が10%、50%、90%となる気孔径を意味する。
表層部の厚みの測定方法としては、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、多孔質体の断面を観察する方法があげられる。
表層部とバルク部の境界(表層部の厚み)の測定方法を図6、図7に示す。
多孔質体の断面の写真において、多孔質体の表面近傍から内部まで深さを変えて表面に対応する線に平行な線を引き、10μm以上の気孔径を有する気孔を通過する線分の長さの合計の平行な線の全長(隔壁および気孔)に対する割合を測定する。気孔を通過する線分の割合が、表層部では小さく、バルク部では大きくなる。表面からの深さに対して線分の割合をプロットし、表面近傍での値を表層部の線分割合(S)、多孔質体の内部での値をバルク部の線分割合(B)とする。
表層部の厚みTsは、プロットした曲線がSとBの中間の値となる表面からの深さとする。
すなわち、Tsは(S+B)/2となる表面からの深さである。
表層部およびバルク部の10μm以上の気孔径を有する気孔についての個数基準、即ち、補正個数基準の気孔径分布は下記の方法で求める。
表層部およびバルク部のそれぞれについて、画像解析を用いて、観察面内の10μm以上の気孔径を有する気孔の面積の和を観察面の面積で除した気孔の面積率を、気孔頻度に乗じることでおこなう。
すなわち、補正個数(%)=(気孔頻度)×(気孔の面積の和)/(観察面の面積)である。
この補正個数を気孔径ごとにプロットしたものが補正個数基準の気孔径分布である。
多孔質体を構成する無機材料の一部として、針状、棒状、あるいは、板状のアスペクト比の大きい異方性粒子が含まれる場合、多孔質体は、表層部およびバルク部の気孔の内壁面に配向組織を有する態様を採用することができる。異方性粒子が針状あるいは棒状の場合はその長軸が、異方性粒子が板状の場合はその面が、表層部及びバルク部の気孔の内壁面に平行に配向する。
配向組織を有する多孔質体は、配向組織を有しない多孔質体より高い強度又は破壊抵抗を示す。
なお、アスペクト比とは、異方性粒子の先端から他方の先端まで直線を引いたときの最大の長さを長径とし、長径に垂直な直線上の粒子の長さのうちの最大の長さを短径としたときの、短径に対する長径の比率を意味する。
異方性粒子のアスペクト比は特に限定されないが1.0〜20.0であり、5.0〜10.0であることがさらに好ましい。
異方性粒子のアスペクト比の測定方法としては、電子顕微鏡により観察した粒子の画像から測定する方法が挙げられる。
例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)写真の画像解析により、異方性粒子の長径と短径を測定して、短径に対する長径の比率を求めることで測定できる。平均アスペクト比は、アスペクト比の分布に対し、アスペクト比が小さい側からの累積値が90%となる値を採用する。
なお、異方性粒子の配向を確認する方法としては、X線回折法(XRD)を用いて配向面の回折ピークを比較する方法や、電子顕微鏡を用いて画像を観察する方法が挙げられる。
本発明の実施形態の多孔質体の別の例を図8に示す。
この例は、表層部がコート層により被覆されているものである。
表層部は、同種材料及び/又は異種材料のコート層により被覆されている態様を採用することができる。
コート層を構成する材料は、バルク部を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
コート層の厚みは、特に限定されないが、5μm以上300μm以下であり、好ましくは15μm以上250μm以下であり、さらに好ましくは25μm以上200μm以下である。
これは、コート層の厚みが5μm以上であるとコート層に割れが生じにくくなり、300μm以下であるとコート層が剥がれにくくなるためである。
コート層により被覆されることで、多孔質体の強度が向上する。
多孔質体の用途は、特に限定されないが、セッターや耐火物や断熱材として幅広く用いることができる。
多孔質体に表層部を備えることで、従来の多孔質体の、高気孔率であれば軽量だが低強度、低気孔率であれば高強度だが重い、という、相反する特性を同時に満たすことができる。このような多孔質体は、軽量で高強度が求められる、セッターや耐火物や断熱材として好適である。
<<多孔質体の製造方法(1)>>
本発明の実施形態の多孔質体の製造方法(1)は、以下の工程〔1〕〜〔5〕を有する。
〔1〕無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成型して成形体を作製する工程
〔2〕成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程
〔3〕被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程
〔4〕硬化成形体を加熱して、硬化成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程
〔5〕焼成前成形体を焼成して多孔質体とする工程
上記の工程〔1〕〜〔5〕のフローを図9に示す。
なお、図9は板状部材の上面を通気性部材で被覆し、上面にバルク部より低気孔率の表層部を形成させる場合の例を示しているが、これに限定されるものではない。
工程〔1〕において、用いる原料として、無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤、を用いる。
無機材料粉末としては、特に限定されないが、セラミックス(金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、複合酸化物、粘土鉱物およびその混合物)粉末、金属粉末、合金粉末等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
無機材料のうち、セラミックスとしては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化タンタル、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化バナジウム、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル等の金属窒化物、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化バナジウム、炭化ジルコニウム、炭化ニオブ、炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化タングステン等の金属炭化物、ムライト、スピネル、ディオプサイド、コージェライト、フォルステライト、サイアロン等の複合酸化物、タルク、カオリナイト、スクメタイト、ゼオライト、グローコナイト、クロライト、ハイドロタルサイト、セリサイト、イライト等の粘土鉱物が例示できる。
無機材料のうち、金属としては、アルミニウム、シリコン、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、銀、インジウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛が例示できる。
無機材料のうち、合金としては、鉄合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金等が挙げられる。
無機材料粉末の一部として、針状、棒状、あるいは、板状の異方性粒子を含んでもよい。この異方性粒子は、発泡及び硬化時の流動により表層部や気孔の内面に配向し、異方性組織を形成する。
無機材料粉末には、焼結助剤となる成分を加えてもよい。これにより、多孔質体の曲げ強度をさらに向上させることができる。
熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂としては、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂前駆体、そのうち特にノボラック型フェノール樹脂前駆体とレゾール型フェノール樹脂前駆体、が挙げられる。
無機材料粉末に対する熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂の体積比は、特に限定されないが、0.1〜9.0であり、0.5〜4.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがさらに好ましい。
発泡剤としては、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂の硬化温度以下の温度で発泡させることが可能であれば、特に限定されないが、ヘキサミン等が挙げられる。
熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂に対する発泡剤の質量比は、特に限定されないが、0.05〜0.30である。
硬化剤としては、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂を硬化させることが可能であれば、特に限定されないが、ヘキサミン等が挙げられる。
熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂に対する硬化剤の質量比は、特に限定されないが、0.05〜0.30である。
なお、硬化剤は、発泡剤を兼ねていてもよい。この場合、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂を発泡させるのとほぼ同時に硬化させることができる。
上記の、無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤、を含む組成物を混合する。
混合方法は、特に限定されないが、例えば、V型混合機を用いて、1時間程度混合した後、目開きが150μmのふるいを通すことにより混合することができる。
混合した組成物を用いて、成形体を作製する。
成形体の作製方法は、特に限定されないが、例えば、金型を用いて、組成物をプレス成型することにより作製することができる。成形時のプレス圧力は、特に限定されないが、5〜80MPaである。
成形体の熱伝導率は、特に限定されないが、発泡及び硬化時に好適に発泡する熱伝導率は0.35〜10W・m−1・K−1である。
以上の工程で成形体が得られる。
工程〔2〕において、成形体の表層部の全面もしくは一部の面を通気性部材で被覆する。
通気性部材を構成する材料としては、特に限定されないが、セラミックス、金属、炭素、セルロース等の樹脂、紙及び粘土鉱物等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
通気性部材の形状は、特に限定されないが、シート状、平板状、ブロック状、凹凸形状、粉末状等を選択できる。
通気性部材の最大気孔径は、特に限定されないが、3〜30μmである。
通気性部材として粉末を用い、発泡及び硬化後に通気性部材を残存させたまま次工程をおこない多孔質体を得た場合、通気性部材または通気性部材由来の粉末がコート層となり、コート層より被覆されている多孔質体を得ることができる。
工程〔2〕において、凹凸形状をもつ通気性部材を用いることもできる。凹凸形状をもつ通気性部材を用いることで、凹凸形状が発泡及び硬化時に表層部に転写され、凹凸形状の表層部を有する多孔質体を作製することができる。
以上の工程で被覆成形体が得られる。
工程〔3〕において、被覆成形体を加熱し発泡させてバルク部に粗大な気孔かつ通気性部材で被覆された表層部に微小な気孔を形成させると共に硬化させる。
被覆成形体を加熱する温度は、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤の組み合わせによって選択されるが、例えば、90℃〜200℃である。
被覆成形体を加熱する時間は、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤の組み合わせによって選択されるが、例えば、1〜2時間である。
熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂としてノボラック型フェノール樹脂前駆体、硬化剤兼発泡剤としてヘキサミンを用いた場合、ノボラック型フェノール樹脂前駆体は加熱により軟化する。また、加熱によりヘキサミンが熱分解してガスを発生し発泡が生じる。これと並行して、ヘキサミンが硬化剤として作用し、フェノール樹脂の熱硬化が生じる。これにより、硬化成形体を得ることができる。
ヘキサミンを硬化剤として用いる際、水が存在する環境下では、ヘキサミンの熱分解を促進し、分解ガスの発泡量を増加させることができる。
熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂としてレゾール型フェノール樹脂前駆体を用いた場合、レゾール型フェノール樹脂前駆体は加熱により軟化する。さらに、縮合反応時の蒸気の発生による発泡と熱硬化が生じる。これにより、硬化成形体を得ることができる。
上記の発泡で生じたガスは、被覆成形体の通気性部材で被覆された全面もしくは一部の面では、通気性部材を通じて排出される。その結果、バルク部に粗大な気孔かつ通気性部材で被覆された表層部に微小な気孔が形成され、バルク部より低気孔率の表層部を有する硬化成形体を得ることができる。
なお、成形体の表面の全部又は一部を非通気性部材で被覆すると、非通気性部材で被覆された表面は、発泡したガスが表面付近で留まるため、表面に粗大な気孔が生成し、多孔質体の強度が著しく低下する。
また、成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆しないと、通気性部材で被覆されない表面は、発泡により表面に泡が現れ、粗大な気孔が生成し、多孔質体の強度が著しく低下する。
工程〔1〕中に、無機材料粉末の一部として、針状、棒状、あるいは、板状の異方性粒子の粉末を加えた場合、この異方性粒子は、発泡時の流動により表層部や気孔の内面に配向し、異方性組織を形成する。異方性粒子が針状や棒状の場合はその長軸が、異方性粒子が板状の場合はその面が、表層部及びバルク部の気孔の内壁面に平行に配向する。
以上の工程で硬化成形体が得られる。
図9に示すように、工程〔2〕で被覆した通気性部材を取り除いてから工程〔4〕を進めるが、その一部もしくはすべてが残存したまま工程〔4〕を進めてもよい。
樹脂の除去あるいは炭化をおこなう温度は、樹脂の種類と量によって選択されるが、例えば300〜800℃である。
樹脂の除去あるいは炭化をおこなう時間は、樹脂の種類と量によって選択されるが、例えば1〜5時間である。
樹脂の除去あるいは炭化をおこなう雰囲気は、目的によって選択されるが、例えば、真空下、アルゴン雰囲気下、窒素雰囲気下、大気雰囲気下、還元雰囲気下等があげられる。例えば、樹脂の除去をおこなう場合は大気雰囲気下で加熱をおこなう。例えば、樹脂の炭化をおこなう場合は不活性ガス雰囲気下で加熱をおこなう。
以上の工程で焼成前成形体が得られる。
工程〔5〕において、焼成前成形体の焼成をおこなう。
焼成をおこなう方法としては、多孔質体の種類に応じて選択されるが、例えば、固相焼結法、液相焼結法、反応焼結法、等が挙げられる。
焼成をおこなう温度は、多孔質体の種類に応じて選択されるが、例えば1100〜1600℃である。
焼成をおこなう焼成する時間は、多孔質体の種類に応じて選択されるが、例えば20分〜2時間である。
焼成をおこなう雰囲気は、多孔質体の種類に応じて選択されるが、例えば、真空下、アルゴン雰囲気下、窒素雰囲気下、大気雰囲気下、還元雰囲気下、等があげられる。
以上の工程で多孔質体が得られる。
本発明の実施形態の多孔質体の製造方法(1)は、多孔質体にコート層を形成する工程をさらに有してもよい。
コート層を構成する材料は、バルク部を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
コート層を形成する方法としては、特に限定されないが、コート層を構成する材料(の原料)のスラリーを塗布した後、乾燥させる方法等が挙げられる。
以下、コート層が形成された多孔質体を多孔質体(コート層有り)と表記する。
なお、工程〔2〕において、成形体の表面の全部又は一部を、通気性部材で被覆する代わりに、コート層を構成する材料の粉末層を形成することにより、多孔質体(コート層有り)を作製してもよい。
粉末層を構成する粉末としては、特に限定されないが、セラミックス(金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、複合酸化物、粘土鉱物およびその混合物)粉末、金属粉末、合金粉末等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。また、粉末層の一部には、針状、棒状、あるいは、板状の異方性粒子を含んでもよい。
<<多孔質体の製造方法(2)>>
本発明の実施形態の多孔質体の製造方法(2)は、以下の工程〔1〕〜〔3〕、〔C〕、〔4'〕、〔5'〕を有する。なお、工程〔1〕〜〔3〕および〔5'〕は多孔質体の製造方法(1)の工程〔1〕〜〔3〕および〔5〕と共通するため、その説明を省略する。
〔1〕無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成型して成形体を作製する工程
〔2〕成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程
〔3〕被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程
〔C〕硬化成形体にコート層を形成してコート成形体とする工程
〔4'〕コート成形体を加熱して、コート成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程、
〔5'〕焼成前成形体を焼成して多孔質体(コート層有り)とする工程
上記の工程〔1〕〜〔3〕、〔C〕、〔4'〕、〔5'〕のフローを図10に示す。
なお、図10は板状部材の上面を通気性部材で被覆し、上面にバルク部より低気孔率の表層部を形成させる場合の例を示しているが、これに限定されるものではない。
工程〔C〕において、硬化成形体上にコート層を形成する。
工程〔2〕で被覆した通気性部材を取り除いてからこの工程を進めてもよいし、その一部もしくはすべてが残存したままこの工程を進めてもよい。
コート層を構成する材料は、バルク部を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
コート層を形成する方法としては、特に限定されないが、コート層を構成する材料(の原料)のスラリーを塗布した後、乾燥させる方法等が挙げられる。硬化成形体の表層部は樹脂を含むため、コート層を構成する材料(の原料)の硬化成形体のバルク部への浸入が抑制される。
以上の工程でコート成形体が得られる。
工程〔4'〕において、コート成形体を加熱して、コート成形体中に含まれる樹脂の除去または炭化をおこなう。
なお、工程〔4'〕では、多孔質体の製造方法(1)の工程〔4〕における、通気性部材を取り除く作業は必要ない。
他は、多孔質体の製造方法(1)の工程〔4〕と共通であるため、その説明を省略する。
以上の工程で焼成前成形体が得られる。
説明を省略した工程を含めて、以上の工程で多孔質体が得られる。
<<多孔質体の製造方法(3)>>
本発明の実施形態の多孔質体の製造方法(3)は、以下の工程〔1〕〜〔4〕、〔C'〕、〔5'〕を有する。なお、工程〔1〕〜〔4〕は多孔質体の製造方法(1)の工程〔1〕〜〔4〕と共通するため、その説明を省略する。
〔1〕無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成型して成形体を作製する工程
〔2〕成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程
〔3〕被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程
〔4〕硬化成形体を加熱して、硬化成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程、
〔C'〕焼成前成形体にコート層を形成してコート成形体'とする工程
〔5'〕コート成形体'を焼成して多孔質体(コート層有り)とする工程
上記の工程〔1〕〜〔4〕、〔C'〕、〔5'〕のフローを図11に示す。
工程〔C'〕において、焼成前成形体上にコート層を形成する。
他は、多孔質体の製造方法(2)の工程〔C〕と共通であるため、その説明を省略する。
以上の工程でコート成形体'が得られる。
工程〔5'〕において、コート成形体'の焼成をおこなう。
他は、多孔質体の製造方法(1)の工程〔5〕と共通であるため、その説明を省略する。
説明を省略した工程を含めて、以上の工程で多孔質体が得られる。
次に、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例により限定されない。
実施例1 アルミナ 上下面に表層部を形成したもの
無機材料粉末として平均粒子径が12.0μmの粗粒アルミナ粉末に対して平均粒子径が0.6μmの微粒アルミナ粉末2重量%を加えV型混合機(筒井理化学機器社製)を用いて乾式混合を1時間行った。
上記の混合アルミナ粉末に、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂としてノボラック型フェノール樹脂前駆体(旭有機材工業社製)、発泡剤兼硬化剤としてヘキサミンを加えた。アルミナ粉末に対するフェノール樹脂の体積比を1.5とした。また、フェノール樹脂に対するヘキサミンの質量比を0.10とした。
上記の混合物を、V型混合機(筒井理化学機器社製)を用いて乾式混合を1時間行った後、目開きが150μmのふるいを通して、組成物を得た。
金型を用いて、組成物7gをプレス成型して、成形体(直径:45mm、厚み:3mm)を得た。このとき、プレス圧力を20MPaとした。成形体の熱伝導率は0.35W・m−1・K−1であった。
通気性部材としてろ紙(JIS規格(JIS−P−3801)6種)を用い、成形体の上下面を被覆し、被覆成形体を得た。
通気性部材で上下面が被覆された被覆成形体を150℃で1時間加熱して、発泡させると共に、硬化させ、硬化成形体を得た。
硬化成形体を、窒素気流下、800℃で1時間加熱し、成形体に含まれる熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂を炭化させ、焼成前成形体を得た。
焼成前成形体を、大気雰囲気下、1600℃で1時間、固相焼結法により焼成した。厚みが3.0mmのアルミナ質の多孔質体が得られた。
上記アルミナ質の多孔質体を切断し、断面を光学顕微鏡で観察した。
図12に、多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
なお、光学顕微鏡写真は多孔質体の表面近傍の表層部とバルク部を撮影したものである。
図12から明らかなように、多孔質体の上下面にバルク部より低気孔率の表層部が形成されており、バルク部には発泡による気孔が形成されていた。
図13に、多孔質体の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図13から明らかなように、多孔質体には気孔率がバルク部よりも小さい表層部が形成されており、バルク部に見られた発泡による気孔はみられなかった。
図14に、多孔質体の体積基準の気孔径分布を示す。
なお、多孔質体の体積基準の気孔径分布の測定は水銀圧入法によりおこなった。
図14から明らかなように、多孔質体は、4μmと11μmにピークをもつ気孔径分布を有していた。
4μmにピークをもつ気孔径分布は表層部やバルク部の隔壁中の気孔に対応しており、一方、11μmにピークをもつ分布は、発泡による気孔に対応している。
なお、水銀圧入法で測定する気孔径は、気孔の最大径ではなく、気孔同士が連結する部分(ネック部)の径に対応している。
図15に、多孔質体の表層部とバルク部の境界の測定結果を示す。
なお、多孔質体の表層部とバルク部の境界の測定は、多孔質体断面のSEM(走査型電子顕微鏡)観察により行った。
図15から明らかなように、10μm以上の気孔を貫通した線分の割合は、多孔質体の表面直下では少なく、内部では多くなっている。表面直下で割合がほぼ一定の割合(S)となった1.6%と、内部で割合がほぼ一定の割合(B)となった33%の中間の17.3%となる深さを表層部とバルク部の境界(Ts)とした。測定結果から、表層部の厚みは100μmであった。
図16に、表層部およびバルク部の10μm以上の気孔径を有する気孔についての個数基準、即ち、補正個数基準の気孔径分布を示す。
なお、補正個数基準の気孔径分布は光学顕微鏡写真の画像解析により求めた。
図16から明らかなように、表層部の10%累積気孔径、50%累積気孔径、90%累積気孔径、ピーク気孔径は、それぞれ12μm、22μm、32μm、26μmであった。
また、バルク部の10%累積気孔径、50%累積気孔径、90%累積気孔径、ピーク気孔径は、それぞれ22μm、36μm、62μm、42μmであった。
比較例1 アルミナ プレス成型で発泡させないもの
無機材料粉末として平均粒子径が12.0μmの粗粒アルミナ粉末に対して平均粒子径が0.6μmの微粒アルミナ粉末2重量%加えV型混合機(筒井理化学機器社製)を用いて乾式混合した。
金型を用いて、組成物7gをプレス成型し、成形体(直径:20mm、厚み:8mm)を得た。このとき、プレス圧力を20MPaとした。
他は、実施例1と同様にして、厚みが8mmのバルク部からなる多孔質体を得た。
図17に、多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図17から明らかなように、バルク部には発泡による気孔は見られず、実施例1の表層部に類似した構造を示していた。
図18に、多孔質体の体積基準の気孔径分布を示す。
なお、多孔質体の体積基準の気孔径分布の測定は水銀圧入法によりおこなった。
図18から明らかなように、多孔質体は、3.6μmにピークをもつ気孔径分布を有していた。この気孔径分布は多孔質体を構成するアルミナ粒子間の気孔を示しており、実施例1の小気孔径側の表層部やバルク部の隔壁中の気孔を示すピーク(4μm)に対応している(図14参照)。
すなわち、図14と図18を比較すると、実施例1の多孔質体の発泡によるピークは、図14の大気孔径側のピーク(11μm、但し、ネック径を示している)として示されることがわかる。
比較例2 非通気性部材で覆って発泡させたもの
通気性部材の代わりに、非通気性部材であるポリエチレンテレフタレート製樹脂シートを用いて成形体の上下面を被覆する以外は、実施例1と同様にして、厚みが2.9mmの多孔質体を得た。
図19に、多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
なお、光学顕微鏡写真は多孔質体の表面近傍を撮影したものである。
図19から明らかなように、発泡による気孔が多孔質体の表面にも存在していた。多孔質体の全体がバルク部より構成され、気孔率がバルク部よりも小さい表層部は形成されていなかった。
図20に、多孔質体の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図20から明らかなように、発泡による気孔が多孔質体の表面にも存在していた。
実施例2 SiC 上下面に表層部を形成したもの
無機材料粉末として平均粒子径が10.0μmのケイ素粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂としてノボラック型フェノール樹脂前駆体(旭有機材工業社製)、発泡剤兼硬化剤としてヘキサミンを用いた。ケイ素粉末に対するフェノール樹脂の体積比を1.5とした。また、フェノール樹脂に対するヘキサミンの質量比を0.10とした。
V型混合機(筒井理化学機器社製)を用いて乾式混合を1時間行った後、目開きが150μmのふるいを通して、組成物を得た。
金型を用いて、組成物5gをプレス成型して、成形体(直径:45mm、厚み:3mm)を得た。このとき、プレス圧力を20MPaとした。成形体の熱伝導率は0.54W・m−1・K−1であった。
通気性部材としてろ紙(JIS規格(JIS−P−3801)6種)を用い、成形体の上下面を被覆し、被覆成形体を得た。
被覆成形体を150℃で1時間加熱して、発泡させると共に硬化させ、硬化成形体を得た。
硬化成形体を、窒素雰囲気下、800℃で1時間加熱し、成形体に含まれる熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂を炭化させ、焼成前成形体を得た。
焼成前成形体を、真空下、1450℃で1時間、反応焼結法により焼成した。厚みが2.9mmの多孔質体が得られた。
上記多孔質体は、ケイ素粉末と熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂由来の炭素成分が反応して炭化ケイ素が生成したため、炭化ケイ素質の多孔質体であった。
上記炭化ケイ素質の多孔質体を切断し、断面や表面を光学顕微鏡及びSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。
図21に、多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図21から明らかなように、多孔質体の上下面にバルク部より低気孔率の表層部が形成されていた。
図22に、多孔質体の断面のSEM写真を示す。
なお、SEM写真は多孔質体の表面近傍の表層部とバルク部を撮影したものである。
図22から明らかなように、多孔質体の表面近傍にバルク部より低気孔率の表層部が形成されていた。
図23に、多孔質体の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図23から明らかなように、多孔質体の表面には、発泡による気孔がみられなかった。
図24に、多孔質体の表層部とバルク部の境界の測定結果を示す。
なお、多孔質体の表層部とバルク部の境界の測定は、多孔質体断面のSEM(走査型電子顕微鏡)観察により行った。
図24から明らかなように、10μm以上の気孔を貫通した線分の割合は、多孔質体の表面直下では少なく、内部では多くなっている。表面直下で割合がほぼ一定の割合(S)となった3%と、内部で割合がほぼ一定の割合(B)となった41%の中間の21%となる深さを表層部とバルク部の境界(Ts)とした。測定結果から、表層部の厚みは88μmであった。
図25に、表層部およびバルク部の10μm以上の気孔径を有する気孔についての個数基準、即ち、補正個数基準の気孔径分布を示す。
なお、補正個数基準の補正分布はSEM写真の画像解析により求めた。
図25から明らかなように、表層部の10%累積気孔径、50%累積気孔径、90%累積気孔径、ピーク気孔径は、それぞれ17μm、21μm、33μm、21μmであった。
また、バルク部の10%累積気孔径、50%累積気孔径、90%累積気孔径、ピーク気孔径は、それぞれ27μm、46μm、81μm、46μmであった。
実施例3 SiC 上下面に表層部を形成したもの(厚み1.3mm)
プレス成型する組成物の質量を2gに変更した以外は、実施例1と同様にして、厚みが1.3mmの炭化ケイ素質の多孔質体を得た。
多孔質体には、気孔率がバルク部よりも小さい厚みが77μmの表層部が上下面に形成されていた。
実施例4 SiC 全面に表層部を形成したもの
実施例2と同様にして作製した粉末の組成物3gを、金型を用いてプレス成型して、成形体(幅:8mm、長さ:45mm、厚み:2.6mm)を得た。このとき、プレス圧力を25MPaとした。
通気性部材としてろ紙(JIS規格(JIS−P−3801)6種)を用い、成形体の全周面(上面、下面、側面)を被覆し、被覆成形体を得た。
他は、実施例2と同様にして、厚みが2.6mmのバルク部からなる多孔質体を得た。
図26に、多孔質体の断面の光学顕微鏡写真とSEM写真を示す。
図26から明らかなように、多孔質体の全周面にバルク部より低気孔率の表層部が形成されていた。
表層部の厚みは約68μmであった。
実施例5 SiC レゾール型フェノール樹脂を利用し、上下面に表層部を形成したもの
熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂をレゾール型フェノール樹脂前駆体に変更した以外は、実施例2と同様にして厚みが2.9mmの炭化ケイ素質の多孔質体を得た。
多孔質体には、気孔率がバルク部よりも小さい厚みが75μmの表層部が形成されていた。
比較例3 SiC 通気性部材なしで発泡させたもの
通気性部材の代わりに、緻密なポリエチレンテレフタレート製樹脂シートを用いて成形体の上下面を覆う以外は、実施例2と同様にして、厚みが3.0mmのバルク部からなる多孔質体を得た。
図27に、上記の多孔質体の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図27から明らかなように、多孔質体の表面には、発泡による気孔が多数観測された。多孔質体の全体がバルク部より構成され、気孔率がバルク部よりも小さい表層部は形成されていなかった。
比較例4 SiC 自由発泡で作製したもの
成形体の上面を被覆せずに加熱発泡させる以外は、実施例2と同様にして、厚みが3.0mmのバルク部からなる多孔質体を得た。
上記炭化ケイ素質の多孔質体を切断し、断面を光学顕微鏡で観察した。
図28に、多孔質体の表面と断面の光学顕微鏡写真を示す。
図28から明らかなように、多孔質体の表面には発泡による気孔が形成し、さらに、多孔質体の上面は上方に膨らみ、さらに多孔質体自体が湾曲していた。
次に、多孔質体の室温における曲げ強度を測定した。なお、多孔質体の室温における曲げ強度はJIS−R1601に準拠して、3点曲げ条件下で測定した。
表1に、多孔質体の特性及び曲げ強度の測定結果を示す。
表1から、実施例1、2の多孔質体は、厚みが同一で、気孔率が内部よりも小さい表層部が上下面に形成されていないバルク部からなる比較例2、3の多孔質体と対比すると、曲げ強度が向上していることがわかる。
次に、実施例2の多孔質体の1200℃における曲げ強度を測定した。なお、多孔質体の1200℃における曲げ強度はJIS−R1607に準拠して、3点曲げ条件下で測定した。
表2に、実施例2の多孔質体の1200℃における曲げ強度の測定結果を示す。
表2から、実施例2の多孔質体は、1200℃まで、曲げ強度の低下は見られないことがわかる。
実施例2の多孔質体は1200℃で使用することが可能であり、セッター、耐火物又は断熱材として好適である。
実施例6 アルミナ 異方性粒子(板状粒子)を含むもの
V型混合機(筒井理化学機器社製)を用いて、平均粒子径が6μm、アスペクト比が8の板状アルミナ粉末、工業用フェノール樹脂ノボラックタイプノボラック型フェノール樹脂前駆体(旭有機材工業社製)及びヘキサミンを1時間混合した後、目開きが150μmのふるいを通して、組成物を得た。このとき、アルミナ粉末に対するフェノール樹脂の体積比を1.5とした。また、フェノール樹脂に対するヘキサミンの質量比を0.10とした。
他は実施例1と同様にして、表層部の厚みが50μm、表層部の気孔率が30%、表層部の90%累積気孔径が31μm、バルク部の気孔率が67%、バルク部の90%累積気孔径が49μm、厚みが2.9mmの多孔質体を得た。
図29と図30には多孔質体の表面と気孔の内壁面のSEM写真を示す。
図29と図30から明らかなように、多孔質体の表面の板状の粒子は多孔質体の表面に対して、多孔質体の気孔の内壁面の板状粒子は多孔質体の気孔の内壁面に対して、それぞれ平行に配向していることがわかる。
次に、実施例6の多孔質体の配向を測定した。比較として、等方性アルミナ粉末の配向を測定した。配向組織を有する実施例6の多孔質体の表面と等方性アルミナ粉末のX線回折測定をおこない、板状アルミナ粉末の板面である1010面と板面に垂直な面である110面の強度比(1010/110)を比較した。この強度比が大きい場合、X線回折測定をおこなった面に平行に板状アルミナ粉末が配向していることを示している。
表3に、実施例6の多孔質体(配向有り)および等方性アルミナ粉末の配向の測定結果を示す。
表3から、実施例6の多孔質体の表面を測定した強度比は、等方性アルミナ粉末を測定した強度比より大きく、多孔質体の表面に平行に板状アルミナ粉末の板面が配向していることがわかる。
実施例6の多孔質体の曲げ強度試験の結果は14.6MPaであり、アルミナ粉末を配向させずに作製した実施例1の多孔質体の曲げ強度(3.5MPa)に比べて高い曲げ強度を示した。
実施例6では、アルミナ粉末を配向させることでさらに高い強度の多孔質体が得られた。
本実施例のように、配向組織を有する多孔質体は、配向組織を有しない多孔質体に比べて高強度であり、軽量かつ高強度が要求されるセッター、耐火物又は断熱材として好適である。
実施例7 アルミナ上(表層部あり)にカーボンをコートしたもの(コートのみ)
実施例1の多孔質体の表層部の上部に、カーボンパウダースプレー(日本黒鉛社製)をスプレーコートした後、60℃で乾燥させた。
図31に、カーボンをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図31から明らかなように、多孔質体に表層部が存在することで、カーボンパウダースプレーのバルク部への浸透が防止された。
比較例5 アルミナ上(表層部なし)にカーボンをコートしたもの(コートのみ)
比較例2の多孔質体の表面の上部に、カーボンパウダースプレー(日本黒鉛社製)をスプレーコートした後、60℃で乾燥させた。
図32に、カーボンをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図32から明らかなように、多孔質体に表層部が存在しないため、カーボンパウダースプレーがバルク部まで浸透していた。
実施例8 SiC上(表層部あり)にアルミナをコートしたもの(コートのみ)
実施例2の多孔質体の表層部の上部に、アルミナスラリー(平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉末(昭和電工社製)をエタノール中に分散)をディップコートし、それぞれ100℃で乾燥させた。
図33に、アルミナをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図33から明らかなように、多孔質体に表層部が存在することで、アルミナスラリーのバルク部への浸透が防止された。
比較例6 SiC上(表層部なし)にアルミナをコートしたもの(コートのみ)
比較例3の多孔質体の表面の上部に、アルミナスラリー(平均粒子径が0.2μmのアルミナ粉末(昭和電工社製)をエタノール中に分散)をディップコートし、それぞれ100℃で乾燥させた。
図34に、アルミナをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図34から明らかなように、多孔質体に表層部が存在しないため、アルミナスラリーがバルク部まで浸透していた。
実施例9 SiC上(表層部あり)に窒化ホウ素をコートしたもの(コートのみ)
実施例2の多孔質体の表層部の上部に、窒化ホウ素パウダースプレー(オーデック社製)をスプレーコートし、60℃で乾燥させた。
図35に、窒化ホウ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図35から明らかなように、多孔質体に表層部が存在することで、窒化ホウ素パウダースプレーのバルク部への浸透が防止された。
比較例7 SiC上(表層部なし)に窒化ホウ素をコートしたもの(コートのみ)
比較例3の多孔質体の表面の上部に、窒化ホウ素パウダースプレー(オーデック社製)をスプレーコートし、60℃で乾燥させた。
図36に、窒化ホウ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図36から明らかなように、多孔質体に表層部が存在しないため、窒化ホウ素パウダースプレーがバルク部まで浸透していた。
実施例7、8、9から、多孔質体に表層部を備えることで、表層部の上部にコート層を形成することができ、コート層を構成する材料のバルク部への浸透を防止することができる。
一方、比較例5、6、7から、多孔質体に表層部を備えていない場合には、表面の上部にコート層が形成することができず、多孔質体の内部にコート層を構成する材料が浸透する。
実施例10 アルミナ上(表層部あり)にジルコニアをコートしたもの(焼成後)
実施例1の焼成前成形体の表層部の上部にジルコニアスラリー(ジルコニア粉末TZ−8Y(東ソー社製)をエタノールに分散)をディップコートにより塗布し、80℃で乾燥させた。
乾燥後、大気圧下、1600℃で1時間加熱し、多孔質体の焼成及び塗布されたジルコニアコート層の焼成を同時に行った。
ジルコニアコートした多孔質体の表層部の上部は、50μmの厚みを有するジルコニアコート層により被覆されていた。
なお、実施例10のジルコニアをコートした多孔質体の表層部及びバルク部の特性(表1参照)は、実施例1の多孔質体の表層部及びバルク部の特性と実質的に同一である。
実施例11 SiC上(表層部あり)に炭化ケイ素をコートしたもの(焼成後)
実施例2の焼成前成形体の表層部の上部に炭素スラリー(平均粒子径が1μmの炭素粉末(中越黒鉛工業所社製)をエタノール中に分散)をディップコートにより塗布し、80℃で乾燥させた。
乾燥後、シリコン粉末を炭素コート層の上部に置き、減圧下、1450℃で1時間加熱し、多孔質体の焼成及びコートされた炭素粉末とシリコンの反応焼結法による炭化ケイ素コート層の作製を同時に行った。追加したシリコンの質量は表層部に被覆した炭素粉末の質量に対して2.4とした。
図37に、炭化ケイ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図37から明らかなように、多孔質体の表層部の上部は、70μmの厚みを有する炭化ケイ素コート層により被覆されていた。
なお、実施例11の炭化ケイ素をコートした多孔質体の表層部及びバルク部の特性(表1参照)は、実施例2の多孔質体の表層部及びバルク部の特性と実質的に同一である。
実施例12 SiC上(表層部あり)にアルミナをコートしたもの(焼成後)
実施例2の焼成前成形体の表層部の上部にアルミナスラリー(平均粒子径が30.1μmの粗粒アルミナ粉末(昭和電工社製)と平均粒子径が0.2μmの微粒アルミナ粉末(昭和電工社製)を質量比70:30で配合し、エタノール中に分散)をディップコートにより塗布し、80℃で乾燥させた。
乾燥後、アルゴン雰囲気下、1450℃で1時間加熱し、多孔質体の焼成及び塗布されたアルミナコート層の焼成を同時に行った。
図38に、アルミナをコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図38から明らかなように、多孔質体の表層部の上部は、108μmの厚みを有するアルミナコート層により被覆されていた。
なお、実施例12のアルミナをコートした多孔質体の表層部及びバルク部の特性(表1参照)は、実施例2の多孔質体の表層部及びバルク部の特性と実質的に同一である。
実施例13 SiC上(表層部あり)に窒化ケイ素をコートしたもの(焼成後)
実施例2の焼成前成形体の表層部の上部にシリコンスラリー(平均粒子径が5μmのシリコン粉末(高純度科学社製)をエタノール中に分散)をディップコートにより塗布し、80℃で乾燥させた。
乾燥後、窒素雰囲気下、1450℃で1時間加熱し、多孔質体の焼成及び塗布されたシリコン粉末の窒化による窒化ケイ素コート層の焼成を同時に行った。
図39に、窒化ケイ素をコートした多孔質体の断面の光学顕微鏡写真を示す。
図39から明らかなように、多孔質体の表層部の上部は、160μmの厚みを有する窒化ケイ素コート層により被覆されていた。
なお、実施例13の窒化ケイ素をコートした多孔質体の表層部及びバルク部の特性(表1参照)は、実施例2の多孔質体の表層部及びバルク部の特性と実質的に同一である。
実施例14 アルミナ表面パターン(焼成後)
実施例1の成形体の上面に通気性部材として幅5mmのろ紙(JIS規格(JIS−P−3801)6種)と幅5mmの緻密なポリエチレンテレフタレート製樹脂シート(5mm)を交互にストライプ状に並べて成形体の上下面を覆う以外は、実施例1と同様にして、厚みが2.9mmの多孔質体を得た。
図40に、多孔質体の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図40から明らかなように、多孔質体のろ紙で被覆された部分に幅5mmの表層部が形成されていた。一方、多孔質体の緻密な樹脂シートで被覆された部分はバルク部であった。すなわち、多孔質体の表面には、表層部とバルク部が交互に存在するストライプ状構造が形成されていた。
なお、実施例14の多孔質体の表層部及びバルク部の特性(表1参照)は、実施例1の多孔質体の表層部及びバルク部の特性と実質的に同一である。
実施例15 SiC表面パターン(焼成後)
実施例2の成形体の上下面を樹脂製の網(目開き5mm)で挟み、さらに通気性部材としてろ紙(JIS規格(JIS−P−3801)6種)で被覆し、被覆成形体を得た。得られた被覆成形体を用いた以外は実施例2と同様にして、厚みが2.9mmの多孔質体を得た。
図41に、多孔質体の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図41から明らかなように、多孔質体の表層部は樹脂製の網に起因する凹凸形状が転写されていた。
なお、実施例15の多孔質体の表層部及びバルク部の特性(表1参照)は、実施例2の多孔質体の表層部及びバルク部の特性と実質的に同一である。
実施例14および実施例15の多孔質体のように、表面にストライプ状構造や凹凸形状等の構造を有する多孔質体は、構造により通気性が向上するので、ガス抜け等の通気性が要求されるセッター、耐火物又は断熱材として好適である。
実施例16 カオリナイト 上下面に表層部を形成したもの
平均粒子径が10μmのカオリナイトを用いる以外は実施例1と同様にして、焼成前成形体を得た。
焼成前成形体を、大気雰囲気下、1400℃で1時間、固相焼結法により焼成し、表層部の厚さが61μm、表層部の気孔率が30%、表層部の90%累積気孔径が41μm、バルク部の気孔率が65%、バルク部の90%累積気孔径が48μm、厚みが2.9mmの多孔質体を得た。
多孔質体の曲げ強度は18MPaであった。
実施例17 アルミナ粉末層を用いてSiC上(表層部あり)にアルミナをコートしたもの(焼成後)
実施例2の成形体の上下面に平均粒子径が10μmのアルミナ粉末を被覆し、被覆成形体を得た。得られた被覆成形体を用いた以外は実施例2と同様にして、厚みが2.9mmのアルミナをコートした多孔質体を得た。
図42に、多孔質体の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図42から明らかなように、多孔質体の表層部の上部は、20μmの厚みを有するアルミナコート層により被覆されていた。
なお、実施例17のアルミナをコートした多孔質体の表層部及びバルク部の特性(表1参照)は、実施例2の多孔質体の表層部及びバルク部の特性と実質的に同一である。

Claims (12)

  1. 無機材料を含む多孔質体であって、
    バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
    前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
    前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
    前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
    前記表層部に存在する気孔のうち、気孔径が10μm以上の気孔は、個数基準の分布における90%累積気孔径が50μm以下であり、
    前記バルク部に存在する気孔のうち、気孔径が10μm以上の気孔は、90%累積気孔径が200μm以下であることを特徴とする多孔質体。
  2. 前記無機材料は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、複合酸化物、粘土鉱物、金属及び合金からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質体。
  3. 前記無機材料の一部として、針状、棒状、又は板状の異方性粒子を含み、
    前記異方性粒子が針状又は棒状の場合はその長軸が、前記異方性粒子が板状の場合はその面が、前記表層部及び前記バルク部の気孔の内壁面に平行に配向していることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質体。
  4. 前記表層部は凹凸形状をもつことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質体。
  5. 前記表層部は、前記バルク部と同種の材料及び/又は前記バルク部とは異種の材料のコート層により被覆されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質体。
  6. セッター、耐火物又は断熱材であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の多孔質体。
  7. 無機材料を含む多孔質体を製造する方法であって、
    前記多孔質体は、バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
    前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
    前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
    前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
    無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成形して成形体を作製する工程と、
    前記成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程と、
    前記被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程と、
    前記硬化成形体を加熱して、硬化成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程と、
    前記焼成前成形体を焼成して前記多孔質体とする工程と、を有することを特徴とする多孔質体の製造方法。
  8. 請求項に記載の多孔質体の製造方法により製造されている多孔質体にコート層を形成する工程をさらに有することを特徴とする多孔質体の製造方法。
  9. 前記通気性部材は、セラミックス、金属、炭素、樹脂、不織布、織布、紙及び粘土鉱物からなる群より選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項またはに記載の多孔質体の製造方法。
  10. 前記無機材料粉末の一部として、針状、棒状、又は板状の異方性粒子を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の多孔質体の製造方法。
  11. 無機材料を含む多孔質体を製造する方法であって、
    前記多孔質体は、バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
    前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
    前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
    前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
    無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成型して成形体を作製する工程と、
    前記成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程と、
    前記被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程と、
    前記硬化成形体にコート層を形成してコート成形体とする工程と、
    前記コート成形体を加熱して、コート成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程と、
    前記焼成前成形体を焼成して前記多孔質体とする工程と、を有することを特徴とする多孔質体の製造方法。
  12. 無機材料を含む多孔質体を製造する方法であって、
    前記多孔質体は、バルク部と、前記バルク部の表面の全部又は一部を覆うように形成された表層部と、を備え、
    前記バルク部の気孔率は、15体積%以上85体積%以下であり、
    前記表層部の気孔率は、0体積%より大きく50体積%以下であり、かつ、前記バルク部の気孔率よりも小さく、
    前記表層部の厚みは、5μm以上200μm以下であり、
    無機材料粉末、熱可塑状態を経たのち熱硬化する樹脂、発泡剤及び硬化剤を含む組成物を成型して成形体を作製する工程と、
    前記成形体の表面の全部又は一部を通気性部材で被覆して被覆成形体とする工程と、
    前記被覆成形体を加熱して、発泡及び硬化させ硬化成形体とする工程と、
    前記硬化成形体を加熱して、硬化成形体に含まれる樹脂を除去又は炭化して焼成前成形体とする工程と、
    前記焼成前成形体にコート層を形成してコート成形体とする工程と、
    前記コート成形体を焼成して前記多孔質体とする工程と、を有することを特徴とする多孔質体の製造方法。
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