JPH06247778A - 傾斜配向した気孔をもつ軽量セラミックス成形体及びその製造方法 - Google Patents

傾斜配向した気孔をもつ軽量セラミックス成形体及びその製造方法

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JPH06247778A
JPH06247778A JP3366793A JP3366793A JPH06247778A JP H06247778 A JPH06247778 A JP H06247778A JP 3366793 A JP3366793 A JP 3366793A JP 3366793 A JP3366793 A JP 3366793A JP H06247778 A JPH06247778 A JP H06247778A
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slurry
compact
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lightweight
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JP3366793A
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Yasumoto Oohara
泰源 大原
Tetsuya Nakabeppu
哲也 中別府
Ryoichi Yomo
良一 四方
Yuzo Kanbara
雄三 神原
Yasuo Miki
康夫 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Osaka Yogyo KK
Original Assignee
Osaka Cement Co Ltd
Osaka Yogyo KK
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/02Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding chemical blowing agents

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緻密層を持った軽量セラミックス成形体にお
いて、内部の気孔に傾斜配向機能を持たせることによっ
て耐熱衝撃性を向上させることを主たる目的とする。 【構成】 酸化物系又は非酸化物系セラミックスからな
る成形体であって、気孔率が30〜90%で、表層に5μm
以上の緻密質層を持ち、緻密質層付近に20〜400 μm の
気孔を有し、中心部分に近づくにつれて気孔は大きくな
り、中心部分で厚み方向の60%以下で且つ、最大でも40
00μm の気孔径に至る傾斜配向した気孔を持つことを特
徴とする軽量セラミックス成形体、およびその製造方法
に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子材料、セラミック
ス材料、粉末合金材料等の焼成時に用いるセッター、断
熱レンガ、焼成用匣体等、各産業分野において幅広く利
用することができる軽量セラミックス成形体及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子材料、セラミックス材料、粉
末合金材料等は、原料粉末を成形・焼成することによっ
て製造され、各種の電子部品、機械部品等に幅広く利用
されており、近年の電子部品等の小型化・軽量化に伴
い、電子部品等の精密化が急速に進んでいる。従って、
これら電子部品等を製造する際の焼成工程においてセッ
ター、焼成用匣体等の焼成治具として使用されているセ
ラミックス成形体にも精密化が要求されるようになっ
た。
【0003】従来の焼成治具には、緻密質セラミックス
成形体が使用されているが、その比重が大きくなるにつ
れて、その熱容量も非常に大きくなるため、焼成時に供
給する熱エネルギーの大部分が焼成治具の加熱に費やさ
れることになり、緻密質セラミックス成形体を得るため
の焼成工程において、良好な熱効率が得られず、製造コ
ストが上昇してしまうという問題が生じている。
【0004】かかる問題を解決すべく、セラミックスフ
ァイバーとセラミックス粉末とを混合し、成形し、焼成
してなるファイバー複合型軽量セラミックス成形体(i)
、セラミックス中空ビーズとセラミックス粉末とを混
合し、成形し、焼成してなる中空ビーズ複合型軽量セラ
ミックス成形体(ii)、セラミックス粉末に予め粒子状又
はビーズ状の有機物を混合して成形した後、或いはスポ
ンジ状の有機物にセラミックス粉末のスラリーを担持さ
せた後、これらの有機物を焼成と同時に燃焼させること
により気孔を形成させてなる有機物焼失型軽量セラミッ
クス成形体(iii)、セラミックス粉末スラリーに起泡さ
せた発泡液を混合して、鋳込み成形し、乾燥し、脱脂
し、焼成してなる気泡導入型軽量セラミックス成形体(i
v)等の軽量セラミックス成形体が提案されている。
【0005】また、特願平2−176390号に、熱可
塑性バインダーを含むセラミックス原料スラリーを加圧
して金型内に射出する際において、射出時に金型内に設
けられた多数の気孔を通じて空気を吹き込みつつ、射出
成形し、これを焼成してなる焼成用匣体の製造方法(iv)
が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(i)及
び(ii)の複合型セラミックス成形体は、耐熱衝撃性に
優れるが、セラミックスファイバー、中空ビーズ等を用
いているため、その表面の平滑度は未だ充分なものでは
ない。平滑度を高めるために、かかる軽量セラミックス
成形体に表面コーティングを施して利用する方法もある
が、大幅な平滑度の向上は望めず、使用するに十分では
ない。更に、セラミックスファイバー等を用いているた
め、得られるセラミックス成形体の嵩比重の設定範囲が
制限され、広範囲な使用目的に応じた成形体を作製する
ことが困難である。また、一般にセラミックスファイバ
ー、中空ビーズ等は高価格であり、経済的にも不利であ
る。
【0007】上記(iii) の有機物焼失型軽量セラミック
ス成形体は、嵩比重の設定範囲を上記(i)(ii) のセラミ
ックス成形体と比して若干広く設定できるが、気孔率は
他に比べて少し低く、表面部分に存在する有機物の燃焼
により、表面平滑度が低下する。また、セラミック粉末
に、混入させる有機物の微細化にも限界があり、従って
得られる成形体は比較的大きな気孔を有し、強度の向上
を図れず、耐熱的衝撃性が劣っている。
【0008】上記(iv)の気泡導入型軽量セラミックス成
形体は、嵩比重の設定範囲が広く軽量体であるにも拘ら
ず、一定の強度と高い平滑度を有する軽量セラミックス
成形体であるが、気孔径が均一であるため、熱衝撃によ
り全体にクラックが生じやすく耐熱衝撃性に劣ってい
る。
【0009】また、上記(v)の軽量セラミックス成形体
の製造方法は、スラリー中に空気を吹き込む方法である
ので、嵩比重の設定範囲を比較的広く設定することが可
能であり、またコスト的にも比較的安価ではあるが、そ
の製造方法に起因して、得られる成形体表面に多数の気
孔が残存するので、表面平滑度は上記(i)(ii)(iii)の各
種成形体と同様に低いという問題点を有する。
【0010】本発明は、軽量であるにも拘らず高い強度
と高い表面平滑度を有し、且つ、耐熱衝撃性に非常に優
れた軽量セラミックス成形体を提供することを目的とす
る。さらに、本発明は、所望の嵩比重に簡単に制御で
き、比較的容易かつ安価に上記成形体を得ることができ
る軽量セラミックス成形体の製造方法を提供することも
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化物系又は
非酸化物系セラミックスからなる成形体であって、気孔
率が30〜90%で、表層に5μm以上の緻密質層を持
ち、前記緻密質層付近に20〜400μmの気孔を有
し、中心部分に近づくにつれて該気孔は大きくなり、中
心部分で厚み方向の60%以下で且つ最大4000μm
の気孔径に至る傾斜配向した気孔を有することを特徴と
する軽量セラミックス成形体及び酸化物系又は非酸化物
系セラミックススラリーに気泡の直径が10〜400μ
mである発泡液を加えて攪拌してなるスラリー、もしく
はセラミックススラリーに直接起泡剤を添加して攪拌す
ることによって得られるスラリーを、型枠に流し込んだ
後、気泡表面に浮遊している固形分の移動速度を制御し
つつ脱水し、脱型、脱脂、焼成することを特徴とする軽
量セラミックス成形体の製造方法に係るものである。
【0012】
【作用】本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検
討した結果、軽量セラミックス体中の気孔に傾斜配向性
を持たせることにより、耐熱衝撃性や強度が大幅に上昇
することを知見した。
【0013】すなわち、後述する実施例の記載から明ら
かなように、発泡液を多量に導入した原料スラリーを用
い、この泡スラリーを型枠に流し込んだ後、気泡表面に
浮遊している固形分の表層への移動を鋳込み型の給水速
度や、電気泳動のための電圧負荷などを制御することに
よって、気孔の傾斜特性を制御した軽量セラミックス成
形体を得ることを見い出し、しかもその成形体は所望の
嵩比重を気泡の径と添加量を変えることにより容易に制
御できるものであり、さらに、この成形体は、その主体
が多孔質であるにも拘らず、優れた表面平滑性と高い強
度を発現し、尚且つ、優れた耐熱衝撃性をも発現するこ
とを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の軽量セラミックス成形体は、酸化物系または非酸
化物系セラミックスからなる成形体であって、気孔率が
30〜90%で、表面に5μm以上の緻密質層を持ち、
前記緻密質層付近に20〜400μmの気孔を有し、中
心部分に近づくにつれて該気孔は大きくなり、中心部分
で厚み方向の60%以下で且つ最大4000μmの気孔
径に至る傾斜配向した気孔を有し、高い強度と高い平面
平滑性を示す、構造的に耐熱衝撃性が非常に優れている
ことを特徴とする成形体である。
【0015】本発明の成形体表面の緻密質層は、成形体
の表面から内部に5μm以上の厚みで所在している。か
かる厚みが、5μm未満の場合には、緻密質層の一部に
気孔が露出し、表面平滑性に問題が生じ、強度の低下を
招き好ましくない。通常は、その厚みは1mm未満で十
分であるが、特に高強度を要求するときは、必要とする
強度に応じてその厚みを調製すればよい。
【0016】また、被焼成物との反応を防止するため、
適当なコーティングを施すことは当然のことである。具
体的には、例えば、チタン酸バリウム成形体をアルミナ
質セッターにて焼成中に、セッター中に含まれるシリカ
分とチタン酸バリウム成形体との反応を防ぐため、セッ
ター表面にイットリア固溶部分安定化ジルコニアをコー
ティングする。
【0017】多孔質部は、上記緻密質層から中心部に存
在し、気孔率が30〜90%で、上記緻密質層付近に2
0〜400μmの気孔を有し、中心部分に近づくにつれ
て前記気孔は大きくなり、中心部分で厚み方向の60%
以下で且つ最大4000μmの気孔径に至る傾斜配向し
た気孔を有する。上記気孔率が30%未満の場合には、
軽量体としての特性を発揮できなくなり、一方90%を
越えると強度が低下し、好ましくない。
【0018】また、緻密質層付近の気孔径は、20μm
以下だと気孔が緻密質層中に混在するおそれから望まし
くなく、400μm以上では中心の気孔が大きくなりす
ぎて強度の低下や鋳込み中の割れの原因となりやすく、
好ましくない。中心付近の最大気孔径は、厚み方向の6
0%を越えると強度が著しく低下し、また、4000μ
mを越えても強度の低下を招き好ましくない。
【0019】気孔の形状はいずれの形状のものでもよい
が、球形に近いものが望ましい。好ましくは、球形の気
孔は相互に点で接触し、一部はその接触点で気孔が連結
している構造を有する。気孔が球形から離れて細長い形
状になればなるほど球形の場合と比して、応力集中が起
り易く、強度や耐熱衝撃性の関係から好ましくない。ま
た、気孔は独立気孔でも、連続気孔でも、またこれらの
混合型でも良い。
【0020】表面に形成されている緻密質層の面粗さ
は、被焼成物に併せて適応させることができる。例え
ば、IC基盤の様な平坦できれいな面を必要とする場
合、小さな素子を焼成する場合は、その表面粗さ(R
max ) が3〜50μm以下が好ましい。50μmを越え
ると、本発明の成形体を焼成用セッター等として用いる
場合に、被焼成物との接触面に粗さが転写されるおそれ
がある。また、3μm未満だと経済的に不利となり、工
業的な生産に適さなくなり、被焼成物を焼成する際の脱
脂においても処理が困難となり好ましくない。また、比
較的大きな部品等で精密な面を要求されないものは、脱
脂を促進する点からも緻密質層の表面粗さは大きい方が
有利であり、ヘアピン模様、エンボス模様等に仕上げて
も良い。
【0021】一般に、これらの構造を有する軽量セラミ
ックス成形体は、熱衝撃を受けた場合、中心部分に大き
な気孔が存在するため、強度的に弱い中心部分に亀裂又
はクラックスが発生し易い。しかし、本発明の成形体は
表層に向かって気孔径が小さくなる傾斜配向を有するた
め、発生したクラックは表層に進むにしたがって進展が
遅くなり、さらに表層の緻密層がクラックの進展を遅ら
せ、なかなか表層に亀裂が発生しにくい構造をもつ。こ
のため、熱衝撃による軽量セラミックス成形体の剥離や
表面クラックが非常に少なく、極めて耐熱衝撃性が優れ
るものである。
【0022】成形体の材質としては、後述する製造方法
に適用できるものであればどのような種類のセラミック
ス粉末でも良く、公知の酸化物系又は非酸化物系の、実
質的にあらゆるセラミックスが本発明の成形体の材質と
して使用することができる。具体的には、例えば酸化物
系のものとしてはアルミナ系、ムライト系、ジルコニア
系などがあり、非酸化物系のものとしては炭化ケイ素
系、窒化ケイ素系、窒化アルミニウム系、窒化ホウ素
系、グラファイト系等が挙げられる。
【0023】次に、本発明の成形体の製造方法について
説明する。最初にセラミックススラリーの調製を行う。
上記したような酸化物系又は非酸化物系のセラミックス
粉末を原料として用い、これに水を加えて常法に従って
スラリーを調製する。水の配合量は、通常セラミックス
粉末原料100重量部に対して25〜50重量部とする
のが好ましい。25重量部未満だとスラリーの調製が困
難となり、50重量部を超えると水分が多すぎるため鋳
込み後の固化に時間がかかり、あまり望ましくない。ま
た、本発明では必要に応じて、常法に従い公知の滑剤、
分散剤等の各種添加物を加えても良い。
【0024】次いで、上記セラミックススラリーに、発
泡剤により別途に調製された発泡液を添加し、攪拌する
ことにより、又は、上記セラミックススラリーに、直接
気泡剤を添加し、攪拌することにより、スラリー中に気
泡を導入する。なお、本発明における発泡液とは、公知
の発泡剤などにより作製された気泡からなる泡状体を称
し、また、起泡剤とはセラミックスラリーに添加して混
合することによって気泡を形成するものを称する。本発
明で使用することができるスラリー中に気泡を導入する
剤料は、気泡をつくることができるものであれば特に限
定されず、公知のものを使用することができる。従っ
て、発泡剤、起泡剤、界面活性剤等が本発明で使用で
き、具体的には、発泡剤としては、タンパク質系発泡
剤、卵白など、起泡剤としてはアルミニウム微粉末、シ
リコン微粉末など、界面活性剤としてはアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、高級アルキルアミノ酸等が例示でき
る。また、本発明では必要に応じて、常法に従い公知の
増粘剤、糊剤等を適宜添加することもできる。増粘剤、
糊剤等としては、例えばメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、サッカロース、糖蜜などがある。これらを
添加することにより、気泡の強度の向上を図り、気泡を
安定化することができる。発泡液等の精製は、上記発泡
剤等を用いて常法により作製することができる。
【0025】気泡を導入したスラリーを石膏型などの型
に流し込み、気泡表面に浮遊している固形分の表層への
移動速度を鋳込み型の吸水速度を80μm/分以下に制
御することにより制御し、これにより気孔傾斜特性を制
御しつつ、脱水を行なう。即ち、該固形分の移動速度が
速いと、泡スラリーの着肉が速く、気泡があまり成長し
ないうちに着肉が完了し、吸水が速いと泡スラリーは着
肉時に泡が潰れ、緻密質を形成する。逆に吸水を遅くす
るとその間、泡は成長しながら着肉するので、大きな気
泡が残留する。このように、石膏型の気孔率、気孔径、
スラリーや石膏型の温度、スラリーの鋳込み時の圧力等
をコントロールすることによって、鋳込み型の吸水速度
を制御し、脱水完了した後に傾斜配向した気孔が形成で
きる。
【0026】また、上記泡スラリー中に、任意の形状の
正極および負極の多孔性電極をさし込み、50v以下の
直流電流を印加すると、気泡表面に浮遊している固形分
が帯電粒子と反対の電極に向かって気泡と共に移動す
る。従って、この電圧を変化させて気泡およびその表面
に浮遊している固形分の移動速度を制御することも可能
であり、容易に気孔傾斜配向性を制御できる。
【0027】次いで常法に従い脱型、脱脂し、焼成する
ことにより、本発明の軽量セラミックス成形体が得られ
る。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を実施例及び比較例により詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。実施例1 原料としてアルミナ系セラミックス粉末を用いて、軽量
セラミックス成形体を作製した。まず、アルミナ系セラ
ミックス粉末300gに対して水80g、ポリアクリル
酸アンモニウム塩系分散剤1.5gおよびパラフィン系
ワックス系滑剤1.5gを加え、プロペラ式ミキサーで
攪拌することによりセラミックススラリーを調製した。
【0029】次いで、別途にタンパク質系発泡剤により
調製した平均約100μm(分布範囲30〜200μ
m)の大きさの気泡からなる発泡液300ml(28
g)を上記スラリーに加え、プロペラ式ミキサーで攪拌
した。この泡スラリーを着肉速度40μm/分の石膏型
に鋳込み、24時間後に脱型し、得られた成形体のかさ
比重を測定したところ、0.65g/cm3 であった。
成形体の破断面を観察すると、表層に35μmの緻密質
層、その付近に30〜300μmの気泡があり、中心部
分に向かって気孔は大きくなり、中心部分には1〜2mm
の気泡があり、傾斜配向した気孔が導入されていること
がわかった。また、気孔はほぼ球形で、独立気孔と連続
気孔との混合体であった。
【0030】成形体を、空気中600℃で5時間加熱し
て脱脂した後、1500℃で2時間大気中で焼成を行う
ことにより、本発明の軽量セラミックス成形体を得た。
得られた成形体には大きなソリや割れは認められず、成
形体の破断面を観察すると、表層に30μmの緻密質
層、その付近に25〜250μmの気泡があり、中心部
分に向かって気孔は大きくなり、中心部分には0.8〜
1.6mmの気泡があり、傾斜配向した気孔が導入され
ていることがわかった。得られた成形体の気孔率、曲げ
強さ、耐スポーリング(耐熱衝撃性)平滑性についての
測定を行い、その結果を表1に示す。
【0031】実施例2 タンパク質系発泡剤により調製した平均約50μm(分
布範囲10〜120μm)の大きさの気泡からなる発泡
液200mlを添加した以外は、実施例1と同様にして
本発明の軽量セラミックス成形体を作製した。得られた
成形体の特性を表1に示す。
【0032】実施例3 タンパク質系発泡剤により調製した平均約200μm
(分布範囲100〜300μm)の大きさの気泡からな
る発泡液400mlを添加した以外は、実施例1と同様
にして本発明の軽量セラミックス成形体を作製した。得
られた成形体の特性を表1に示す。
【0033】比較例1 タンパク質系発泡剤により調製した平均約100μm
(分布範囲30〜200μm)の大きさの気泡からなる
発泡液100mlを添加した以外は、実施例1と同様に
して気孔率300%未満の軽量セラミックス成形体を作
製した。実施例1に比べ耐熱衝撃性に劣ることが確認で
きた。得られた成形体の特性を表1に示す。
【0034】比較例2 タンパク質系発泡剤により調製した平均約450μm
(分布範囲300〜600μm)の大きさの気泡からな
る発泡液300mlを添加した以外は、実施例1と同様
にして中央付近の平均気孔径4000μmを超える軽量
セラミックス成形体を作製した。実施例1に比べ強度、
耐熱衝撃性が劣ることが確認できた。得られた成形体の
特性を表1に示す。
【0035】比較例3 着肉速度120μm/分の石膏型の鋳込みを行った以外
は、実施例1と同様にして平均気孔径245μm(緻密
層付近230μm、中央付近260μm)の均一な気孔
を持った軽量セラミックス成形体を作製した。実施例1
に比べ耐熱衝撃性に劣ることが確認できた。得られた成
形体の特性を表1に示す。
【0036】実施例4 原料として窒化ケイ素系セラミックス粉末を用いて、軽
量セラミックス成形体を作製した。まず、窒化ケイ素系
セラミックス粉末300gに対して水100g、ポリアクリ
ル酸アンモニウム系分散剤3.5gおよびパラフィン系
ワックス系滑剤1.5gを加え、プロペラ式ミキサーで
攪拌することによりセラミックススラリーを調製した。
【0037】次いで、別途に樹脂系発泡剤により調製し
た平均約150μm(分布範囲50〜300μm)の大
きさの気泡からなる発泡液300mlを上記スラリーに
加え、プロペラ式ミキサーで攪拌した。この泡スラリー
を着肉速度40μmm/分の石膏型に鋳込み、24時間
後に脱型し、得られた成形体のかさ比重を測定したとこ
ろ、0.80g/cm3 であった。成形体破断面を観察
すると表層に40μmの緻密質層、その付近に60〜3
00μmの気泡があり、中心部分に向かって気孔は大き
くなり、中心部分には1.5〜2.3mmの気泡があ
り、傾斜配向した気孔が導入されていることがわかっ
た。また、気孔はほぼ球形で、独立気孔と遮蔽気孔との
混合体であった。
【0038】成形体を、空気孔500℃で10時間加熱
して脱脂した後、窒素雰囲気中1400℃で2時間焼成
を行うことにより、本発明の軽量セラミックス成形体を
得た。得られた成形体には大きなソリ割れは認められ
ず、成形体の破断面を観察すると、表層に35μmの緻
密質層、その付近に60〜250μmの気泡があり、中
心部分に向かって気孔は大きくなり、中心部分には1.
2〜2mmの気泡があり、傾斜配向した気孔が導入され
ていることがわかった。得られた成形体の気孔率、曲げ
強さ、耐スポーリング(耐熱衝撃性)、平滑性について
の測定を行い、その結果を表2に示す。
【0039】実施例5 樹脂系発泡剤により調製した平均約70μm(分布範囲
30〜200μm)の大きさの気泡からなる発泡液25
0mlを添加した以外は、実施例4と同様にして本発明
の軽量セラミックス成形体を作製した。得られた成形体
の特性を表2に示す。
【0040】実施例6 樹脂系発泡剤により調製した平均約210μm(分布範
囲100〜350μm)の大きさの気泡からなる発泡液
400mlを添加した以外は、実施例4と同様にして本
発明の軽量セラミックス成形体を作製した。得られた成
形体の特性を表2に示す。
【0041】比較例4 樹脂系発泡剤により調製した平均約150μm(分布範
囲50〜300μm)の大きさの気泡からなる発泡液1
00mlを添加した以外は、実施例4と同様にして気孔
率30%未満の軽量セラミックス成形体を作製した。実
施例4に比べて耐熱衝撃性に劣ることが確認できた。得
られた成形体の特性を表2に示す。
【0042】比較例5 樹脂系発泡剤により調製した平均約450μm(分布範
囲300〜600μm)の大きさの気泡からなる発泡液
300mlを添加した以外は、実施例4と同様にして中
央付近の平均気孔径4000μmを越える軽量セラミッ
クス成形体を作製した。実施例4に比べ強度、耐熱衝撃
性が劣ることが確認できた。得られた成形体の特性を表
2に示す。
【0043】比較例6 着肉速度120μm/分の石膏型に鋳込みを行った以外
は、実施例4と同様にして平均気孔径245μm(緻密
層付近230μm、中央付近260μm)の均一な気孔
を持った軽量セラミックス成形体を作製した。実施例4
に比べ耐熱衝撃性に劣ることが確認できた。得られた成
形体の特性を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法では、気泡を多量に導
入したセラミックススラリーを用いて鋳込み成形又は電
気泳動鋳込み成形を行い、気孔傾斜特性を容易に制御で
きるので、所望の嵩比重に設定された特有の構造を有す
るセラミックス成形体を容易にかつ安価に得ることがで
きる。そして、上記方法により得られた本発明の軽量セ
ラミックス成形体は、高強度、高平滑性を有し、非常に
優れた耐熱衝撃性を呈する。従って、その特異な構造を
利用して焼成用匣体、セッター、棚板、断熱レンガ等の
用途に幅広く利用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 四方 良一 大阪府貝塚市二色中町8番1 大阪セメン ト株式会社新材料研究部内 (72)発明者 神原 雄三 大阪府堺市浜寺諏訪森町西2丁目113−19 (72)発明者 三木 康夫 大阪府貝塚市二色2丁目13−3−406

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物系又は非酸化物系セラミックスか
    らなる成形体であって、気孔率が30〜90%で、表層
    に5μm以上の緻密質層を持ち、緻密質層付近に20〜
    400μmの気孔を有し、中心部分に近づくにつれて気
    孔は大きくなり、中心部分で厚み方向の60%以下で且
    つ最大4000μmの気孔径に到る傾斜配向した気孔を
    持つことを特徴とする軽量セラミックス成形体。
  2. 【請求項2】 酸化物系又は非酸化物系セラミックスス
    ラリーに気泡の直径が10〜400μmである発泡液を
    加えて攪拌してなるスラリー、もしくはセラミックスス
    ラリーに直接起泡剤を添加して攪拌することによって得
    られるスラリーを、型枠に流し込んだ後、気泡表面に浮
    遊している固形分の移動速度を制御しつつ脱水し、脱
    型、脱脂、焼成することを特徴とする軽量セラミックス
    成形体の製造方法。
JP3366793A 1993-02-23 1993-02-23 傾斜配向した気孔をもつ軽量セラミックス成形体及びその製造方法 Pending JPH06247778A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5895897A (en) * 1996-12-26 1999-04-20 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Light-weight ceramic acoustic absorber and method of manufacturing the same
JP2002226285A (ja) * 2000-11-29 2002-08-14 Kyocera Corp 軽量セラミックス部材およびその製造方法
JP2016210659A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 三井金属鉱業株式会社 セラミックス板状体及びその製造方法

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