JPH10231184A - 無機質繊維材料を含む強化軽量セラミックス多孔体及びその製造方法 - Google Patents

無機質繊維材料を含む強化軽量セラミックス多孔体及びその製造方法

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JPH10231184A
JPH10231184A JP3727697A JP3727697A JPH10231184A JP H10231184 A JPH10231184 A JP H10231184A JP 3727697 A JP3727697 A JP 3727697A JP 3727697 A JP3727697 A JP 3727697A JP H10231184 A JPH10231184 A JP H10231184A
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pores
fiber material
inorganic fiber
ceramic
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Takeo Sasaki
丈夫 佐々木
Hiroya Ishizuka
博弥 石塚
Yoshinari Nakamura
良也 中村
Tsutomu Oishi
勉 大石
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Mitsubishi Materials Corp
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IHI Corp
Mitsubishi Materials Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/10Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by using foaming agents or by using mechanical means, e.g. adding preformed foam

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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量かつ耐熱衝撃性に優れ、所望の嵩比重に簡
単に制御でき、比較的容易かつ安価に傾斜配向した多孔
体を得ること 【解決手段】本発明の強化軽量セラミックス多孔体は、
無機質繊維材料が網目状に形成された骨格を有し、その
製造方法は、セラミックス粉粒体、無機質繊維材料と分
散剤、有機バインダー及び起泡剤を含有する水溶液を混
合して発泡スラリーを形成し、該スラリーを型枠に流し
込み、ついで気孔同士の集合による気孔径の増加制御を
行いながら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成する。図2
は、網目状に形成された骨格4を有し、この中に多孔体
1として表面付近に小さな気泡2があり、裏面に向かっ
て気泡は大きくなり、裏面付近には大きな気孔3が存在
し、したがって表面から裏面までが傾斜配向した気孔を
有するものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化軽量セラミッ
クス多孔体及びその製造方法に関し、更に詳しくは軽量
かつ強度に優れ、更に耐熱衝撃性及び吸音性が非常に優
れている強化軽量セラミックス多孔体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックス成形体は、一般に原
料粉末を成形し、焼成することによって製造されてお
り、建材として使用するのをはじめ、電子部品、機械部
品等の焼成治具、断熱レンガとして使用することが行わ
れている。従来、建材、断熱レンガ、焼成治具等として
用いられるセラミックス成形体は、緻密質セラミックス
成形体が使用されているが、近年、軽量の多孔体セラミ
ックスが注目されるようになり、建材、断熱レンガ、焼
成治具等に使用され、以下のような軽量の多孔体セラミ
ックス及びその製造方法が、提案されている。
【0003】セラミックス中空ビーズとセラミックス
粉末とを混合し、成形し、焼成してなる中空ビーズ複合
型軽量セラミックス成形体、セラミックス粉末に予め
粒子状又はビーズ状の有機物を混合して成形した後、或
いはスポンジ状の有機物にセラミックス粉末のスラリー
を担持させた後、これらの有機物を焼成と同時に燃焼さ
せることにより気孔を形成させてなる有機物焼失型軽量
セラミックス成形体、セラミックス粉末スラリーに起
泡させた発泡液を混合して、鋳込み成形し、乾燥し、脱
脂し、焼成してなる気泡導入型軽量セラミックス成形体
等の軽量セラミックス成形体が提案されている。また、
特願平2−176390号公報に熱可塑性バインダー
を含むセラミックス原料スラリーを加圧して金型内に射
出する際において、射出時に金型内に設けられた多数の
気泡を通じて空気を吹き込みつつ、射出成形しこれを焼
成してなる焼成用匣体の製造方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の複合型セラミックス成形体は、軽量、耐熱衝撃性には
優れているが、中空ビーズ等を用いているため、その表
面の平滑度は未だ十分なものではないばかりか一般に中
空ビーズ等は高価格であり、経済的にも不利である。上
記の有機物焼失型軽量セラミックス成形体は、嵩比重
の設定範囲を上記のセラミックス成形体と比して若干
広く設定できるが、気孔率は他の製造方法に比べて少し
低く、表面部分に存在する有機物の焼成により、表面平
滑度が低下し、また得られる成形体は比較的大きな気孔
を有するため、強度の向上を図れず、耐熱的衝撃性が劣
っている。
【0005】上記の気泡導入型軽量セラミックス成形
体は、嵩比重の設定範囲が広く軽量体であるにも拘ら
ず、一定の強度と高い平滑度を有する軽量セラミックス
成形体であるが、気孔径が均一であるため、熱衝動によ
り全体にクラックが生じやすく耐熱衝撃性が劣ってい
る。上記の軽量セラミックス成形体の製造方法は、ス
ラリー中に空気を吹き込む方法であるので、嵩比重の設
定範囲を比較的広く設定することが可能であり、またコ
スト的にも比較的安価であるが、その製造方法に起因し
て、得られる成形体表面には多数の気孔が残存するの
で、強度が弱いという問題がある。
【0006】そこで、本発明者等は、前述のごとき問題
点につき種々検討した結果、前記〜において、軽量
であるために強度が弱い点に着目し、この点を改良し軽
量セラミックスに無機質繊維材料を加えることによって
補強されると共に、該成形体の表面から裏面までの間で
気孔同士の集合による気孔径の増加を制御することによ
って気孔を傾斜配向した強化軽量セラミックス多孔体が
得られることを見出し、ここに本発明をなすに至った。
したがって、本発明が解決しようとする第1の課題は、
軽量かつ高い強度を有する耐熱衝撃性に非常に優れた強
化軽量セラミックス多孔体を提供することにある。また
本発明が解決しようとする第2の課題は、所望の嵩比重
に簡単に制御でき、比較的容易かつ安価に傾斜配向した
多孔体を得ることができる強化軽量セラミックス多孔体
及び製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の各課題
は、以下の各発明によってそれぞれ達成される。
【0008】(1)セラミックスからなり、該セラミッ
クスが無機質繊維材料を含みかつ気孔率が30〜95%
の多孔体であり、表面付近に10〜500μmの気孔を
有しかつ裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面
付近で平均5000μmの気孔径に至る傾斜配向した気
孔が存在することを特徴とする強化軽量セラミックス多
孔体。 (2)無機質繊維材料が網目状に形成された骨格を有す
ることを特徴とする前記第1項に記載の強化軽量セラミ
ックス多孔体。 (3)セラミックス粉粒体、無機質繊維材料と分散剤、
有機バインダー及び起泡剤を含有する水溶液を混合して
発泡スラリーを形成し、該スラリーを型枠に流し込み、
ついで気孔同士の集合による気孔径の増加制御を行いな
がら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成することを特徴と
する強化軽量セラミックス多孔体の製造方法。 (4)無機質繊維材料が網目状に形成された骨格を有す
ることを特徴とする前記第3項に記載の強化軽量セラミ
ックス多孔体の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の強化軽量セラミックス多
孔体は、(1)セラミックスからなり、該セラミックス
が無機質繊維材料を含みかつ気孔率が30〜95%の多
孔体であり、表面付近に10〜500μmの気孔を有し
かつ裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面付近
で平均5000μmの気孔径に至る傾斜配向した気孔が
存在することを特徴とするもので、この軽量セラミック
ス体中の気孔に傾斜配向性を持たせると共に無機質繊維
材料を含有することにより、連続気孔が得られ、かつ耐
熱衝撃性や強度が大幅に上昇する。また(2)無機質繊
維材料が網目状に形成された骨格を有することにより気
孔径が大きくできると共に強度の優れたものが得られ
る。
【0010】本発明の強化軽量セラミックス多孔体の製
造方法は、(3)セラミックス粉粒体、無機質繊維材料
と分散剤、有機バインダー及び起泡剤を含有する水溶液
を混合して発泡スラリーを形成し、該スラリーを型枠に
流し込み、ついで気孔同士の集合による気孔径の増加制
御を行いながら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成するこ
とを特徴とするもので、この無機質繊維材料により所望
の嵩比重を微細に制御でき、気孔同士の集合による気孔
径の増加制御を行いながら、脱水乾燥することによって
比較的容易かつ安価に傾斜配向した多孔体を製造するこ
とができる。更に(4)無機質繊維材料が網目状に形成
された骨格を有することにより気孔径が大きくできると
共に強度の優れたものが得られるという効果を奏するも
のである。
【0011】〔作用〕本発明において、軽量セラミック
ス多孔体中に無機質繊維材料を含有させることにより補
強されると共に連続気孔が得られ、該繊維の長短により
気孔率及び気孔径を制御することができ、長い繊維を含
有するときは、気孔率及び気孔径が小となり、短い繊維
を含有するときは、気孔率及び気孔径は大となる。また
鋳込み型の材質及び吸水速度を変化させて脱水乾燥速度
を制御することにより気泡の成長を制御できる。これを
利用して、その気孔に傾斜配向性を持たせることによ
り、耐熱衝撃性や強度が大幅に上昇する。
【0012】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明の強化軽量セラミックス多孔体のセラミック
ス成分は、特に制限されるものではなく、公知の酸化物
系又は非酸化物系セラミックス又は粘土鉱物でこれらを
1種又は2種以上混合して用いることができ、粉末又は
粉末状で用いるのが好ましい。この酸化物系セラミック
スとしては、アルミナ系、ムライト系、ジルコニア系な
どのものがあり、非酸化物系セラミックスとしては、炭
化ケイ素系、窒化ケイ素系、窒化ケイ素系、窒化アルミ
ニウム系、窒化ホウ素系、グラファイト系等のものが挙
げられる。また該セラミックス多孔体には無機質繊維材
料を含有しており、酸化物系又は非酸化物系の繊維材料
が用いられる。酸化物系繊維としては、マグネシアウイ
スカー、アルミナ繊維、ジルコニア系繊維、ガラス繊維
等が挙げられ、非酸化物系繊維としては、炭化硅素ウイ
スカー、炭化チタンウイスカー、窒化硅素(Si
3 4 )ウイスカー、炭化硅素系繊維等が挙げられる。
これらの繊維は、繊維状のものや環状体,網目状のもの
等の適宜の形状にして用いられ、好ましくは繊維状又は
網目状に形成したものがよい。無機質繊維材料の添加量
によって補強の程度を用途に応じて調整することがで
き、また繊維の長短によって気孔率を上げたり下げたり
することができる。無機質繊維材料の添加量としては、
セラミックス原料に対して3重量%〜30重量%であ
り、好ましくは5重量%〜20重量%である。無機質繊
維材料の添加量が3重量%未満では補強効果に乏しくま
た連続孔の形成ができない。また30重量%を超える
と、同様に補強効果がかえって減少する。
【0013】本発明では、繊維状のものとして、短繊維
乃至長繊維が用いられ、繊維の長短によって気孔率を上
げたり下げたりすることが容易にできる。その長さは1
0μm〜2000μmが好ましく、更に15μm〜10
00μmが好ましい。またこの繊維の長さが短くなる
と、気孔率及び気孔径が大となり、またこの長さが長く
なると、気孔率及び気孔径が小となる。したがって、繊
維の長さが10μm未満では、繊維による補強効果が期
待できない上に気孔の制御が困難になる。またその長さ
が2000μmを超えると、気孔率及び気孔径を上げる
ことができないので好ましくない。
【0014】本発明では、無機質繊維材料が網目状に形
成された骨格を有するものを使用することによって、強
化軽量セラミックス多孔体は、その強度がいっそう強化
されるもので、網目状に形成された骨格は、1個〜多数
個のものが用いられ、1個、2個、3個、更に5乃至6
個が連続して連結していてもよく、多く成るほど二次
元、三次元に構成することができる。好ましくは多数個
のものが網であるのがよい。
【0015】本発明の強化軽量セラミックス多孔体で
は、その気孔率が30〜95%で、表面付近に10〜5
00μmの気孔を有しかつ裏面に近づくにつれて気孔が
大きくなり、裏面付近で平均5000μmの気孔径に至
る傾斜配向した気孔が存在するものである。本発明の多
孔体表面付近には、10〜500μmの気孔を有しかつ
無機質繊維材料により補強されているので、強度が高く
またこの無機質繊維材料の長短により気孔率を制御でき
る。本発明では、表面付近から裏面付近に至る厚さ方向
に対して気孔径が傾斜配向されているが、気孔率が30
%未満の場合には、軽量体としての特性を発揮できなく
なり、一方95%を越えると強度が低下し好ましくな
い。
【0016】本発明では、表面付近に10〜500μm
の気孔を有するが、気孔径が10μm未満のときは、多
孔体としての特性がでないばかりか軽量性に欠ける点で
好ましくなく、500μmを越えると傾斜配向の効果が
減少しまた強度の低下や鋳込み中の割れの原因となりや
すく好ましくない。また裏面付近で平均5000μmの
気孔径を有することにより、顕著な傾斜配向した多孔体
が得られ、実用的にも許容される強度が得られる。した
がって、5000μmの気孔径を越えると強度の低下を
招き好ましくない。気孔の形状は特に限定されないが、
球形に近いものが好ましく、この球形の気孔は接触部が
点で接続される形で気孔は連結している、用途によって
は接触点で連続して連続気孔を形成していることが好ま
しい。したがって、本発明に用いられる強化軽量セラミ
ックス多孔体は、独立気孔でも、連続気孔でも、またこ
れらの混合型でもよいが、吸音効果を得るような場合に
は連続気孔が好ましく、更にこの中に不連続孔を含んで
いてもよい。
【0017】本発明では、用途によっては、その表面を
加工して用いることが好ましく、例えば、焼成用治具と
して用いる場合の如く、被焼成物との接触面に粗さが転
写されるおそれがあるような場合や被焼成物が悪影響を
受ける如き成分が接触面から侵入するのを防止する場合
等である。また本発明の多孔体は裏面から表層に向かっ
て気孔径が小さくなる傾斜配向を有するため、発生した
クラックは表層に進むにしたがって進展が遅くなるの
で、熱衝撃による軽量セラミックス多孔体の剥離や表面
クラックが非常に少なく、極めて耐熱衝撃性が優れるも
のである。
【0018】次に本発明の強化軽量セラミックス多孔体
の製造方法について説明する。最初にセラミックススラ
リーの調製を行う。上記したような酸化物系又は非酸化
物系のセラミックス粉末を原料として用い、該セラミッ
クス粉粒体、無機質繊維材料と分散剤、有機バイダー及
び起泡剤を含有する水溶液を混合して発泡スラリーを形
成する。ついで、該スラリーを型枠に流し込み、ついで
気孔同士の集合による気孔径の増加制御を行いながら、
脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成することにより製造す
る。このスラリーの調整において、水の配合量は、通常
セラミックス粉末原料100重量部に対して25〜50
重量部とするのが好ましい。25重量部未満の場合に
は、スラリーの調製が困難となり、50重量部を超える
と水分が多すぎるため鋳込み後の固化に時間がかかり、
あまり望ましくない。上記において、有機バインダーと
しては、この技術分野において通常用いられるものでよ
く、好ましくはポリビニルアルコール、アクリル系樹
脂、メチルセルロース等が挙げられる。
【0019】上記において起泡剤としては、発泡に際
し、気孔の直径が10μm〜2000μmになるものが
好ましく、具体的には、タンパク質系起泡剤、卵白及び
界面活性剤を主成分とする起泡剤などが好ましく用いら
れる。この他前記スラリーには必要に応じて、常法に従
い公知の滑剤、分散剤、界面活性剤等の各種添加物を加
えても良い。分散剤としては、ポリカルボン酸アンモニ
ウム塩系分散剤(アニオン系分散剤)が代表的なものと
して挙げられる。また界面活性剤としてはアルキルベン
ゼンスルホン酸塩、高級アルキルアミノ酸等が例示でき
る。また、本発明では必要に応じて、常法に従い公知の
増粘剤、糊剤等を適宜添加することもできる。増粘剤、
糊剤等としては、例えばメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、サッカロース、糖蜜、キサンタンガムなど
がある。これらを添加することにより、気泡の強度の向
上を図り、気泡を安定化することができる。
【0020】本発明の製造方法において、気泡を導入し
たスラリーを型に流し込み、型の材質や型の吸水速度を
変化させて脱水乾燥を制御することにより、気泡の成長
を制御する。これにより気孔傾斜特性の制御を行う。即
ち、脱水速度が速いと乾燥が早く起こり、気泡が成長し
ないばかりでなく着肉時に泡が潰れ、緻密質を形成す
る。逆に脱水速度を遅くするとその間、泡は成長しなが
ら着肉するので、大きな気泡が残留する。このように、
型の吸水性、気孔率、気孔径、スラリーや型の温度、ス
ラリーの鋳込み時の圧力等をコントロールすることによ
って、成形体の脱水乾燥速度を制御し、脱水完了した後
に傾斜配向した気孔が形成できる。このように製造され
た本発明の強化軽量セラミックス多孔体は、各種の用途
に使用され、建材を始めとして、電子部品、機械部品等
の焼成用治具(例えばセッター、焼成用匣体等)、断熱
レンガ、吸音性部材等に好ましく使用される。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を実施例及び比較例により詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0022】〔実施例1〕原料としてアルミナ系セラミ
ックス粉末(平均粒径0.6μm)、無機質繊維材料と
して炭化硅素ウイスカー(直径0.5μm、長さ15μ
m)を用いて、強化軽量セラミックス多孔体を作製し
た。ポリカルボン酸アンモニウム塩系分散剤18g、ア
クリルエマルジョン系バインダー5g、アニオン界面活
性剤系起泡剤5g、増粘剤1gを140gの水に溶解し
た水溶液に、アルミナ系セラミックス粉末285g、炭
化硅素ウイスカー15gを添加し、容量200mlのポ
ット中でボールミル混合することにより発泡スラリーを
得た。この発泡スラリーを型に流し込み、脱水乾燥後、
脱型し、得られた多孔体の嵩比重を測定したところ、
0.3g/cm3 であった。この多孔体の破断面を観察
すると、表面付近に10〜500μmの気泡があり、裏
面に向かって気泡は大きくなり、中心部分には1000
μm〜3000μmの気泡があり、更に裏面付近には平
均5000μmの気孔径を有する気孔が存在し、しがっ
て表面から裏面までが傾斜配向した気孔が導入されてい
ることがわかった。また、気孔はほぼ球形で、独立気孔
と連続気孔との混合体であり、主として連続気孔であっ
た。
【0023】ついで、脱型した多孔体を、空気中600
℃で5時間加熱して脱脂した後、1650℃で1時間大
気中で焼成を行うことにより、本発明の強化軽量セラミ
ックス多孔体を得た。得られた多孔体には大きなソリや
割れは認められず、多孔体の破断面を観察すると、表面
付近に10〜500μmの気泡があり、中心部分には1
000μm〜3000μmの気泡があり、裏面付近に平
均径5000μmの気孔を有し、表面から裏面にわたっ
て傾斜配向した気孔が導入されていることがわかった。
また嵩比重の異なる多孔体として、アルミナ系セラミッ
クス粉末のみからなるアルミナ多孔体(a)と、アルミ
ナ系セラミックス粉末に炭化硅素ウイスカーを添加した
炭化硅素ウイスカー添加アルミナ多孔体(b)を製造
し、得られた多孔体の嵩比重、曲げの強さについての測
定を行い、その結果を図1に示す。この図1から明らか
なように、無機質繊維材料の添加により嵩比重に対する
曲げ強度が高いものが得られることがわかる。
【0024】〔実施例2〕実施例1において、無機質繊
維材料の種類とその量を変えた以外は、実施例1と同様
にして比較および本発明の多孔体を製造した。得られた
多孔体の各物性を測定して表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、本発明の無機質
繊維材料を添加した多孔体では、気孔率が高い割に強度
が良いことがわかる。したがって軽量で強度の良好な多
孔体が得られることがわかる。また本発明の製造方法に
より表面及び裏面の気泡状態を任意に制御して傾斜配向
した多孔体が得られることがわかる。
【0027】〔実施例3〕実施例1において、無機質繊
維材料として、炭化硅素繊維の網目状に形成された骨格
を有する網を用い、図2に示される如き多孔体を、実施
例1と同様にして本発明の多孔体1を製造した。符号4
は、網目状に形成された骨格を有する網であり、この中
に多孔体1として表面付近に10〜500μmの気泡2
があり、裏面に向かって気泡は大きくなり、中心部分に
は1000μm〜3000μmの気泡があり、更に裏面
付近には平均5000μmの気孔径を有する気孔3が存
在し、したがって表面から裏面までが傾斜配向した気孔
を有するものが得られ、これは、網目状に形成された骨
格を有する網4を有するので、強度に優れている。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、軽量セラミックス多孔
体に無機質繊維材料を含有していることにより、表面付
近においても強度に優れたものが得られると共に全体が
軽量かつ高い強度を有する耐熱衝撃性に非常に優れた強
化軽量セラミックス多孔体特が得られる。また本発明の
製造方法によれば、無機質繊維材料含有スラリーを型枠
に流し込み、ついで気孔同士の集合による気孔径の増加
制御を行いながら、脱水乾燥することにより、無機質繊
維材料により気孔率が容易に制御することができるの
で、所望の嵩比重に簡単に制御でき、比較的容易かつ安
価に傾斜配向した多孔体を得ることができる。更に本発
明では、無機質繊維材料として、網目状に形成された骨
格を有するものを用いることにより、いっそう強度の優
れたものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔体の特性を示すグラフである。
【図2】本発明の軽量セラミックス多孔体の一例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 軽量セラミックス多孔体 2 表面付近の比較的小さな気孔 3 裏面付近の大きな気孔 4 網目状に形成された骨格を有する無機質繊維材料 a アルミナ多孔体 b 炭化硅素ウイスカー5wt%添加アルミナ多孔体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 良也 東京都西多摩郡瑞穂町殿ケ谷229番地 石 川島播磨重工業株式会社瑞穂工場内 (72)発明者 大石 勉 東京都西多摩郡瑞穂町殿ケ谷229番地 石 川島播磨重工業株式会社瑞穂工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックスからなり、該セラミックスが
    無機質繊維材料を含みかつ気孔率が30〜95%の多孔
    体であり、表面付近に10〜500μmの気孔を有しか
    つ裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面付近で
    平均5000μmの気孔径に至る傾斜配向した気孔が存
    在することを特徴とする強化軽量セラミックス多孔体。
  2. 【請求項2】無機質繊維材料が網目状に形成された骨格
    を有することを特徴とする請求項1に記載の強化軽量セ
    ラミックス多孔体。
  3. 【請求項3】セラミックス粉粒体、無機質繊維材料と分
    散剤、有機バインダー及び起泡剤を含有する水溶液を混
    合して発泡スラリーを形成し、該スラリーを型枠に流し
    込み、ついで気孔同士の集合による気孔径の増加制御を
    行いながら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成することを
    特徴とする強化軽量セラミックス多孔体の製造方法。
  4. 【請求項4】無機質繊維材料が網目状に形成された骨格
    を有することを特徴とする請求項3に記載の強化軽量セ
    ラミックス多孔体の製造方法。
JP3727697A 1997-02-21 1997-02-21 無機質繊維材料を含む強化軽量セラミックス多孔体及びその製造方法 Withdrawn JPH10231184A (ja)

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