JPH10194864A - 軽量cmc吸音材とその製造方法 - Google Patents

軽量cmc吸音材とその製造方法

Info

Publication number
JPH10194864A
JPH10194864A JP8349894A JP34989496A JPH10194864A JP H10194864 A JPH10194864 A JP H10194864A JP 8349894 A JP8349894 A JP 8349894A JP 34989496 A JP34989496 A JP 34989496A JP H10194864 A JPH10194864 A JP H10194864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbing material
sound absorbing
pores
lightweight
alumina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8349894A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Oishi
勉 大石
Yoshinari Nakamura
良也 中村
Hiroya Ishizuka
博弥 石塚
Takeo Sasaki
丈夫 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
IHI Corp
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, Mitsubishi Materials Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP8349894A priority Critical patent/JPH10194864A/ja
Priority to DE1997636104 priority patent/DE69736104T2/de
Priority to EP19970119562 priority patent/EP0851402B1/en
Priority to US08/996,514 priority patent/US5895897A/en
Publication of JPH10194864A publication Critical patent/JPH10194864A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/10Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by using foaming agents or by using mechanical means, e.g. adding preformed foam
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/52Sound-insulating materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で耐熱衝撃性に優れ、吸音性能が高く、
かつジェットエンジンのガスジェットに耐えることがで
きる軽量CMC吸音材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 軽量CMC吸音材が、SiCウィスカー
11を含むアルミナ系セラミックス12からなる。この
アルミナ系セラミックス12は、気孔率が80〜92%
の多孔体であり、表面付近に平均50〜450μmの気
孔を有しかつ裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、
裏面付近で平均500〜3400μmの気孔径に至る傾
斜配向した気孔が存在する。この吸音材は、アルミナ系
セラミックス粉粒体、SiCウィスカー11と分散剤、
有機バインダー及び起泡剤を含有する水溶液を混合して
発泡スラリーを形成し、該スラリーを型枠に流し込み、
ついで気孔同士の集合による気孔径の増加制御を行いな
がら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成することにより製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジェットエンジン
の排気ノズル等に用いられ、軽量かつ耐熱衝撃性及び吸
音性に優れた軽量CMC吸音材とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジェットエンジンの排気ノズル等に用い
る吸音材として、図4に例示するハニカム構造吸音材が
従来用いられている。このハニカム構造吸音材は、耐熱
合金のハニカム1、孔開き板2及び背面板3からなり、
ヘルムホルツ共鳴器構造のリアクティブ形であり、媒体
の運動に基づく壁面摩擦、運動量による損失によりエネ
ルギーを散逸させるものである。
【0003】しかし、かかるハニカム構造吸音材は、高
温(例えば700〜800K以上)の排ガスにより、孔
開き板2や内部のハニカム1やその背面板3が過熱され
たり、大きく熱変形する問題点があった。すなわち、孔
開き板2は例えばステンレスやアルミニウムの板からな
るので、過熱により損傷や熱変形を受け、更にハニカム
1とのロウ付け部が剥がれることがあった。また、この
吸音構造では、吸音できる騒音の帯域が狭く、ジェット
エンジンのような広帯域の騒音(例えば1000〜30
00Hz)が十分消音できない問題点があった。
【0004】一方、多孔質層、繊維質層からなる抵抗形
の吸音材が知られており、種々の吸音材が提案されてい
る(例えば、特開昭61−143501号、特開昭61
−44102号、特開平6−42071号、特開平6−
247778号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭61−
143501号の「多孔質吸音材の製造方法」及び特開
昭61−44102号の「軽量高強度吸音材」は、金属
粒子を構成材料とし、かつ残存する気孔率が20〜50
%と低いため、耐熱強度が低くかつ比重量が大きく重量
がかさむ問題点がある。
【0006】また、特開平6−42071号の「セラミ
ック製吸音材」は、セラミックスを構成材料とするた
め、耐熱強度は高いが、全体が均質なため、耐熱衝撃性
に乏しく、クラックが入りやすい問題点があった。更
に、特開平6−247778号の「傾斜配向した気孔を
もつ軽量セラミックス成形体及びその製造方法」では、
傾斜配向によりクラックの進展を遅らせることができる
が、吸音性能が不十分であり、かつジェットエンジンに
適用した場合にガスジェットにより表面が過熱される
と、クラックにより飛散しやすい問題点があった。
【0007】本発明は上述した種々の問題点を解決する
ために創案されたものである。すなわち、本発明の目的
は、軽量で耐熱衝撃性に優れ、吸音性能が高く、かつジ
ェットエンジンのガスジェットに耐えることができる軽
量セラミックス吸音材とその製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、流
れ抵抗を大きくすると吸音率が向上することに着目し、
嵩比重を変えずに炭化珪素繊維を添加することにより流
れ抵抗を制御することにより、重量をほとんど変えるこ
となく吸音率を向上させることに成功した。本発明はか
かる新規の知見に基づくものである。
【0009】すなわち、本発明によれば、SiCウィス
カーを含むアルミナ系セラミックスからなり、気孔率が
80〜92%の多孔体であり、表面付近に平均50〜4
50μmの気孔を有しかつ裏面に近づくにつれて気孔が
大きくなり、裏面付近で平均500〜3400μmの気
孔径に至る傾斜配向した気孔が存在する、ことを特徴と
する軽量CMC吸音材が提供される。
【0010】上記本発明の構成によれば、アルミナ系セ
ラミックスが80〜92%の気孔を有するため軽量であ
り、かつSiCウィスカー(炭化珪素繊維)で強化され
ているので、耐熱衝撃性にも優れており、ガスジェット
に直接曝されても長時間耐えることができる。更に、表
面付近に平均50〜450μmの気孔を有しかつ裏面に
近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面付近で平均50
0〜3400μmの気孔径に至る傾斜配向した気孔が存
在するので、局所的にクラックが発生しても、発生した
クラックは表層に進むにしたがって進展が遅くなり、更
に、SiCウィスカー(炭化珪素繊維)で強化されてい
るので、耐熱衝撃性を更に高めることができ、表層に亀
裂が生じにくい。
【0011】また、本発明によれば、アルミナ系セラミ
ックス粉粒体、SiCウィスカーと分散剤、有機バイン
ダー及び起泡剤を含有する水溶液を混合して発泡スラリ
ーを形成し、該スラリーを型枠に流し込み、ついで気孔
同士の集合による気孔径の増加制御を行いながら、脱水
乾燥し、脱型、脱脂、焼成することを特徴とする軽量C
MC吸音材の製造方法が提供される。
【0012】この方法により、SiCウィスカー(炭化
珪素繊維)をアルミナ系セラミックスと一体化でき、か
つ型の材質や型の吸水速度を変化させて脱水乾燥を制御
することにより、気泡の成長を制御し、これにより緻密
層の形成と同時に傾斜配向した気孔の形成ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図1は、本発明による軽量
CMC吸音材の模式的構成図である。この図に示すよう
に、本発明の軽量CMC吸音材10は、SiCウィスカ
ー11を含むアルミナ系セラミックス12からなるセラ
ミックス系複合材料である。アルミナ系セラミックス1
2は、気孔率が80〜92%の多孔体であり、表面付近
に平均50〜450μmの気孔を有しかつ裏面に近づく
につれて気孔が大きくなり、裏面付近で平均500〜3
400μmの気孔径に至る傾斜配向した気孔が存在して
いる。
【0014】また、SiCウィスカー11は、炭化珪素
繊維であり、アルミナ系セラミックス12に一体に成形
され、アルミナ系セラミックス12を耐熱性、引張強度
の高い炭化珪素繊維で繊維強化している。
【0015】上記本発明の構成によれば、アルミナ系セ
ラミックス12が80〜92%の気孔を有するため軽量
であり、かつSiCウィスカー11(炭化珪素繊維)で
強化されているので、耐熱衝撃性にも優れており、ガス
ジェットに直接曝されても長時間耐えることができる。
更に、表面付近に平均50〜450μmの気孔を有しか
つ裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面付近で
平均500〜3400μmの気孔径に至る傾斜配向した
気孔が存在するので、局所的にクラックが発生しても、
発生したクラックは表層に進むにしたがって進展が遅く
なり、更に、SiCウィスカー(炭化珪素繊維)で強化
されているので、耐熱衝撃性を更に高めることができ、
表層に亀裂が生じにくい。
【0016】また、本発明の軽量CMC吸音材の製造方
法は、アルミナ系セラミックス粉粒体、SiCウィスカ
ーと分散剤、有機バインダー及び起泡剤を含有する水溶
液を混合して発泡スラリーを形成し、該スラリーを型枠
に流し込み、ついで気孔同士の集合による気孔径の増加
制御を行いながら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成する
ことを特徴とするもので、SiCウィスカー(炭化珪素
繊維)をアルミナ系セラミックスと一体化でき、かつ型
の材質や型の吸水速度を変化させて脱水乾燥を制御する
ことにより、気泡の成長を制御し、これにより緻密層の
形成と同時に傾斜配向した気孔の形成ができ、比較的容
易かつ安価に傾斜配向した吸音材を製造することができ
る。
【0017】本発明において、アルミナ系セラミックス
多孔体中にSiCウィスカーを含有させることにより補
強されると共に連続気孔が得られ、炭化珪素繊維の長短
により気孔率及び気孔径を制御することができ、長い繊
維を含有するときは、気孔率及び気孔径が小となり、短
い繊維を含有するときは、気孔率及び気孔径は大とな
る。また鋳込み型の材質及び吸水速度を変化させて脱水
乾燥速度を制御することにより気泡の成長を制御でき
る。これを利用して、その気孔に傾斜配向性を持たせる
ことにより、耐熱衝撃性や強度が大幅に上昇する。
【0018】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明の軽量CMC吸音材のセラミックス成分は、
アルミナ系に制限され、粉末又は粉末状で用いるのが好
ましい。また、このアルミナ系セラミックスには炭化珪
素繊維を含有している。炭化珪素繊維には、長繊維、短
繊維、ウィスカーがあるが、特に理想強度に近い強度を
有し、かつセラミックス内への一体化が比較的容易であ
るSiCウィスカー(炭化珪素繊維)を用いるのがよ
い。また、この無機質繊維は、繊維状のものや環状体、
網目状のもの等の適宜の形状にして用いられ、好ましく
は繊維状又は網目状に形成したものがよい。炭化珪素繊
維の添加量によって補強の程度を用途に応じて調整する
ことができ、また繊維の長短によって気孔率を上下させ
ることができる。炭化珪素繊維の添加量としては、セラ
ミックス原料に対して3重量%〜30重量%であり、好
ましくは5重量%〜20重量%。炭化珪素繊維の添加量
が3重量%未満では補強効果に乏しくまた連続孔の形成
ができない。また30重量%を超えるこ、同様に補強効
果がかえって減少する。
【0019】本発明では、繊維状のものとして、短繊維
乃至長繊維が用いられ、繊維の長短によって気孔率を上
下させることが容易にできる。繊維の長さは15μm〜
100μmが好ましい。この繊維長が短くなると、気孔
率及び気孔径が大となり、長くなると、気孔率及び気孔
径が小となる。したがって、繊維の長さが10μm未満
では、繊維による補強効果が期待できない上に気孔の制
御が困難になる。
【0020】本発明の軽量CMC吸音材では、その気孔
率が80〜92%で、表面付近に平均50〜450μm
の気孔を有しかつ裏面に近づくにつれて気孔が大きくな
り、裏面付近で平均500〜3400μmの気孔径に至
る傾斜配向した気孔が存在するものである。本発明の軽
量セラミックス吸音材の表面付近には、平均50〜45
0μmの気孔を有しかつ炭化珪素繊維で補強されている
ので、強度が高くまたこの炭化珪素繊維の長短により気
孔率を制御できる。本発明では、表面付近から裏面付近
に至る厚さ方向に対して気孔径が傾斜配向されている
が、気孔率が80%未満の場合には、軽量体としての特
性を発揮できなくなり、一方92%を越えると強度が低
下して好ましくない。
【0021】本発明では、表面付近に10〜500μm
の気孔を有するが、気孔径が10μm未満のときは、吸
音材としての特性がでないばかりか軽量性に欠ける点で
好ましくなく、500μmを越えると傾斜傾向の効果が
減少しまた強度の低下や鋳込み中の割れの原因となりや
すく好ましくない。また裏面付近で平均500〜340
0μmの気孔径を有することにより、顕著な傾斜配向し
た吸音材が得られ、実用的にも許容される強度が得られ
る。したがって、最大5000μmの気孔径を越えると
強度の低下を招き好ましくない。気孔の形状は特に限定
されないが、球形に近いものが好ましく、この球形の気
孔は接触部が点で接続されている形で気孔は連結してお
り、連続気孔を形成していることが好ましい。
【0022】本発明の吸音材は裏面から表層に向かって
気孔径が小さくなる傾斜配向を有するため、発生したク
ラックは表層に進むにしたがって進展が遅くなるので、
熱衝撃による軽量CMC吸音材の剥離や表面クラックが
非常に少なく、極めて耐熱衝撃性が優れるものである。
【0023】次に、本発明の軽量CMC吸音材の製造方
法について説明する。最初にセラミックススラリーの調
製を行う。上記したような酸化物アルミナ系のセラミッ
クス粉末を原料として用い、該セラミックス粉粒体、S
iCウィスカーと分散剤、有機バインダー及び起泡剤を
含有する水溶液を混合して発泡スラリーを形成する。つ
いで、発泡スラリーを型枠に流し込み、ついで気孔同士
の集合による気孔径の増加制御を行いながら、脱水乾燥
し、脱型、脱脂、焼成することにより製造する。このス
ラリーの調整において、水の配合量は、通常セラミック
ス粉末原料100重量部に対して25〜50重量部とす
るのが好ましい。25重量部未満の場合には、スラリー
の調製が困難となり、50重量部を超えると水分が多す
ぎるため鋳込み後の固化に時間がかかり、あまり望まし
くない。上記において、有機バインダーとしては、この
技術分野において通常用いられるものでよく、好ましく
はポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、メチルセル
ロース等が挙げられる。
【0024】上記において起泡剤としては、発泡に際
し、気孔の直径が10μm〜2000μmになるものが
好ましく、具体的には、タンパク質系起泡剤、卵白及び
界面活性剤を主成分とする起泡剤などが好ましく用いら
れる。この他前記スラリーには必要に応じて、常法に従
い公知の滑剤、分散剤、界面活性剤等の各種添加物を加
えても良い。分散剤としては、ポリカルボン酸アンモニ
ウム塩系分散剤(アニオン系分散剤)が代表的なものと
して挙げられる。また界面活性剤としてはアルキルベン
ゼンスルホン酸塩、高級アルキルアミノ酸等が例示でき
る。また、本発明では必要に応じて、常法に従い公知の
増粘剤、糊剤等を適宜添加することもできる。増粘剤、
糊剤等としては、例えばメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、サッカロース、塘蜜、キサンタンガムなど
がある。これらを添加することにより、気泡の強度の向
上を図り、気泡を安定化することができる。
【0025】本発明の製造方法において、気泡を導入し
たスラリーを型に流し込み、型の材質や型の吸水速度を
変化させて脱水乾燥を制御することにより、気泡の成長
を制御する。これにより気孔傾斜特性の制御を行う。即
ち、脱水速度が速いと乾燥が早く起こり、気泡が成長し
ないばかりでなく着肉時に泡が潰れ、緻密質を形成す
る。逆に脱水速度を遅くするとその間、泡は成長しなが
ら着肉するので、大きな気泡が残留する。このように、
型の吸水性、気孔率、気孔径、スラリーや型の温度、ス
ラリーの鋳込み時の圧力等をコントロールすることによ
って、成形体の脱水乾燥速度を制御し、脱水完了した後
に傾斜配向した気孔が形成できる。このように製造され
た本発明の軽量CMC吸音材は、ジェットエンジン用の
吸音材として特に適しているが、他の用途、例えば建
材、電子部品、機械部品等にも適用することができる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例により
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 〔実施例1〕原料としてアルミナ系セラミックス粉末
(平均粒径0.6μm)、炭化珪素繊維としてSiCウ
ィスカー(直径0.5μm、長さ15μm)を用いて、
軽量CMC吸音材を作製した。ポリカルボン酸アンモニ
ウム塩系分散剤18g、アクリルエマルジョン系バイン
ダー5g、アニオン界面活性剤系起泡剤5g、増粘剤1
gを140gの水に溶解した水溶液に、アルミナ系セラ
ミックス粉末285gを添加し、容量200mlのポッ
ト中でボールミル混合することにより発泡スラリーを得
た。この発泡スラリーを型に流し込み、脱水乾燥後、脱
型し、得られた吸音材の嵩比重を測定したところ、0.
3g/cm3 であった。この吸音材の破断面を観察する
と、表面付近に10〜500μmの気泡があり、裏面に
向かって気泡は大きくなり、中心部分には1000μm
〜3000μmの気泡があり、更に裏面付近には最大5
000μmの気泡径を有する気孔が存在し、したがって
表面から裏面まで傾斜配向した気孔が導入されているこ
とがわかった。また、気孔はほぼ球形で、主として連続
気孔であった。
【0027】ついで、脱型した吸音材を、空気中600
℃で5時間加熱した脱脂した後、1650℃で1時間大
気中で焼成を行うことにより、本発明の軽量CMC吸音
材を得た。得られた吸音材には大きなソリや割れは認め
られず、吸音材の破断面を観察すると、表面付近に10
〜500μmの気泡があり、中心部分には1000μm
〜3000μmの気泡があり、裏面付近に最大径500
0μmの気泡を有し、表面から裏面にわたって傾斜傾向
した気孔が導入されていることがわかった。
【0028】〔実施例2〕実施例1において、炭化珪素
繊維の種類と量を変化させて種々のCMCセラミックス
吸音体を製造し、その物性を測定した。その結果を表1
及び図2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1及び図2から明らかなように、本発明
の炭化珪素繊維を添加した多孔体では、気孔率が高い割
に強度も高いことがわかる。従って、軽量で強度の良好
な多孔体が得られることがわかる。また本発明の製造方
法により表面及び裏面の気泡状態を任意に制御して傾斜
配向した多孔体が得られることがわかる。
【0031】〔実施例3〕実施例1、2と同様の方法で
種々の軽量セラミックス吸音材を製造しこれを従来の軽
量セラミックス吸音材と比較したこの結果を表2及び図
3に示す。表2は、得られた本発明による軽量CMC吸
音材(本発明)を繊維を含まない吸音材(従来)と比較
したものであり、図3は、表2のcase5と6に対応
する吸音率の周波数特性図である。なお、表2及び図3
における気孔率は、(1−嵩比重/実比重)×100で
示される。また、流れ抵抗は10cgs・Rayls/
cm=10k・mks・Rayls=10Pa・sec
/m=10kg/m/secである。
【0032】
【表2】
【0033】表2から流れ抵抗を大きくすると吸音率が
向上し、かつ炭化珪素繊維の添加より嵩比重をほとんど
変えずに流れ抵抗を制御することができることがわか
る。更に、図3から、炭化珪素繊維を含有する本発明の
軽量CMC吸音材が、特にcase5と6の場合におい
て、1kHz〜4kHzの広い帯域において、繊維を含
まない従来の吸音材に比べて、約10%〜30%の吸音
率向上が得られることがわかる。
【0034】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
【0035】
【発明の効果】上述したように、本発明の構成によれ
ば、アルミナ系セラミックスが80〜92%の気孔を有
するため軽量であり、かつSiCウィスカー(炭化珪素
繊維)で強化されているので、耐熱衝撃性にも優れてお
り、ガスジェットに直接曝されても長時間耐えることが
できる。更に、表面付近に平均50〜450μmの気孔
を有しかつ裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏
面付近で平均500〜3400μmの気孔径に至る傾斜
配向した気孔が存在するので、局所的にクラックが発生
しても、発生したクラックは表層に進むにしたがって進
展が遅くなり、更に、SiCウィスカー(炭化珪素繊
維)で強化されているので、耐熱衝撃性を更に高めるこ
とができ、表層に亀裂が生じにくい。
【0036】また、本発明によれば、アルミナ系セラミ
ックス粉粒体、SiCウィスカーと分散剤、有機バイン
ダー及び起泡剤を含有する水溶液を混合して発泡スラリ
ーを形成し、該スラリーを型枠に流し込み、ついで気孔
同士の集合による気孔径の増加制御を行いながら、脱水
乾燥し、脱型、脱脂、焼成する方法により、SiCウィ
スカー(炭化珪素繊維)をアルミナ系セラミックスと一
体化でき、かつ型の材質や型の吸水速度を変化させて脱
水乾燥を制御することにより、気泡の成長を制御し、こ
れにより緻密層の形成と同時に傾斜配向した気孔の形成
ができる。
【0037】従って、本発明の軽量CMC吸音材とその
製造方法は、軽量で耐熱衝撃性に優れ、吸音性能が高
く、かつジェットエンジンのガスジェットに耐えること
ができる等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸音材の全体構成図である。
【図2】嵩比重と曲げ強度との関係を示す図である。
【図3】本発明による吸音材の周波数特性図である。
【図4】従来の高温用吸音構造図である。
【符号の説明】
1 ハニカム 2 孔開き板 3 背面板 10 軽量CMC吸音材 11 SiCウィスカー 12 アルミナ系セラミックス
フロントページの続き (72)発明者 石塚 博弥 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐々木 丈夫 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiCウィスカーを含むアルミナ系セラ
    ミックスからなり、気孔率が80〜92%の多孔体であ
    り、表面付近に平均50〜450μmの気孔を有しかつ
    裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面付近で平
    均500〜3400μmの気孔径に至る傾斜配向した気
    孔が存在する、ことを特徴とする軽量CMC吸音材。
  2. 【請求項2】 アルミナ系セラミックス粉粒体、SiC
    ウィスカーと分散剤、有機バインダー及び起泡剤を含有
    する水溶液を混合して発泡スラリーを形成し、該スラリ
    ーを型枠に流し込み、ついで気孔同士の集合による気孔
    径の増加制御を行いながら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、
    焼成することを特徴とする軽量CMC吸音材の製造方
    法。
JP8349894A 1996-12-26 1996-12-27 軽量cmc吸音材とその製造方法 Withdrawn JPH10194864A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8349894A JPH10194864A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 軽量cmc吸音材とその製造方法
DE1997636104 DE69736104T2 (de) 1996-12-26 1997-11-07 Leichter keramischer Schallabsorber und Verfahren zu seiner Herstellung
EP19970119562 EP0851402B1 (en) 1996-12-26 1997-11-07 Light-weight ceramic acoustic absorber and method of manufacturing the same
US08/996,514 US5895897A (en) 1996-12-26 1997-12-23 Light-weight ceramic acoustic absorber and method of manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8349894A JPH10194864A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 軽量cmc吸音材とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10194864A true JPH10194864A (ja) 1998-07-28

Family

ID=18406833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8349894A Withdrawn JPH10194864A (ja) 1996-12-26 1996-12-27 軽量cmc吸音材とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10194864A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19804232A1 (de) * 1998-02-04 1999-08-19 Daimler Chrysler Ag Brennkammer für Hochleistungstriebwerke und Düsen
EP1340736A1 (en) * 2000-11-29 2003-09-03 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Porous sound absorbing material and method of manufacturing the material
JP2005298285A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 繊維強化耐熱吸音材とその製造方法
JP2008281299A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Shinryo Corp 吸音式クリーンルーム装置
JP5654150B1 (ja) * 2014-02-12 2015-01-14 日清紡ブレーキ株式会社 音響機器用機能性材料
FR3032965A1 (fr) * 2015-07-24 2016-08-26 Aircelle Sa Procede de fabrication d’un corps poreux en materiau composite a matrice ceramique, et attenuateur acoustique comprenant un tel corps poreux
JP2020144390A (ja) * 2016-06-02 2020-09-10 ニチアス株式会社 発泡体
CN112645692A (zh) * 2020-12-28 2021-04-13 信阳师范学院 一种以低品位非金属伴生矿为主要原料制备的穿孔吸音陶瓷及其制备方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19804232A1 (de) * 1998-02-04 1999-08-19 Daimler Chrysler Ag Brennkammer für Hochleistungstriebwerke und Düsen
DE19804232C2 (de) * 1998-02-04 2000-06-29 Daimler Chrysler Ag Brennkammer für Hochleistungstriebwerke und Düsen
EP1340736A4 (en) * 2000-11-29 2006-12-13 Ishikawajima Harima Heavy Ind POROUS PHONIC ABSORBENT MATERIAL AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
US6911158B2 (en) 2000-11-29 2005-06-28 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd Sound absorbing material and its manufacturing method
EP1340736A1 (en) * 2000-11-29 2003-09-03 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Porous sound absorbing material and method of manufacturing the material
JP2005298285A (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 繊維強化耐熱吸音材とその製造方法
WO2005100282A1 (ja) * 2004-04-13 2005-10-27 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. 繊維強化耐熱吸音材とその製造方法
US7829479B2 (en) 2004-04-13 2010-11-09 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Fiber-reinforced heat-resistant sound-absorbing material and process for producing the same
JP4591913B2 (ja) * 2004-04-13 2010-12-01 株式会社Ihi 繊維強化耐熱吸音材とその製造方法
US8911825B2 (en) 2004-04-13 2014-12-16 Ihi Corporation Fiber-reinforced heat-resistant sound-absorbing material and process for producing the same
JP2008281299A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Shinryo Corp 吸音式クリーンルーム装置
JP5654150B1 (ja) * 2014-02-12 2015-01-14 日清紡ブレーキ株式会社 音響機器用機能性材料
FR3032965A1 (fr) * 2015-07-24 2016-08-26 Aircelle Sa Procede de fabrication d’un corps poreux en materiau composite a matrice ceramique, et attenuateur acoustique comprenant un tel corps poreux
JP2020144390A (ja) * 2016-06-02 2020-09-10 ニチアス株式会社 発泡体
CN112645692A (zh) * 2020-12-28 2021-04-13 信阳师范学院 一种以低品位非金属伴生矿为主要原料制备的穿孔吸音陶瓷及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4871495A (en) Process for producing porous ceramic filter for filtering of particulates from diesel exhaust gases
US4814300A (en) Porous ceramic shapes, compositions for the preparation thereof, and method for producing same
WO2002041972A1 (fr) Filtre alveolaire poreux et procede de fabrication
JP4094824B2 (ja) ハニカム型セラミックス質フィルター
JP6467284B2 (ja) 水回収装置
JP2007525612A (ja) 圧力損失が低減された菫青石フィルタ
WO2006057344A1 (ja) ハニカム構造体
US4812424A (en) Kiln furniture for the firing of ceramic articles
PL207122B1 (pl) Struktura komórkowa plastra pszczelego oraz sposób wytwarzania struktury komórkowej plastra pszczelego
US4963515A (en) Lightweight hydrogel-bound aggregate shapes and process for producing same
JPH02502374A (ja) 多孔性セラミック形材、その製造用組成物、及びその製造方法
JPH10194864A (ja) 軽量cmc吸音材とその製造方法
JPH10187163A (ja) 軽量セラミックス吸音材とその製造方法
US5895897A (en) Light-weight ceramic acoustic absorber and method of manufacturing the same
EP1340736A1 (en) Porous sound absorbing material and method of manufacturing the material
JPH11291403A (ja) 多層構造の軽量セラミックス吸音材及びその製造方法
CN101274178A (zh) 蜂窝结构体的制造方法及蜂窝结构体
JP2987094B2 (ja) 高耐熱性無機質繊維成形体
CN111039695A (zh) 碳化硅拓补骨架结构增强氧化铝多孔陶瓷的制备方法
JPH03137066A (ja) 複合セラミツク材料、その製造方法及び製品
JPH10265259A (ja) 溶融シリカ質耐火物およびその製造方法
JP2651170B2 (ja) セラミツクス多孔体
JPH10231184A (ja) 無機質繊維材料を含む強化軽量セラミックス多孔体及びその製造方法
CN111868006A (zh) 用于制造陶瓷吸收体的方法,陶瓷吸收体及其应用
JP4591913B2 (ja) 繊維強化耐熱吸音材とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040302