JPH10187163A - 軽量セラミックス吸音材とその製造方法 - Google Patents

軽量セラミックス吸音材とその製造方法

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JPH10187163A
JPH10187163A JP8347418A JP34741896A JPH10187163A JP H10187163 A JPH10187163 A JP H10187163A JP 8347418 A JP8347418 A JP 8347418A JP 34741896 A JP34741896 A JP 34741896A JP H10187163 A JPH10187163 A JP H10187163A
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ceramic
dense layer
absorbing material
pores
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Tsutomu Oishi
勉 大石
Yoshinari Nakamura
良也 中村
Hiroya Ishizuka
博弥 石塚
Takeo Sasaki
丈夫 佐々木
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Mitsubishi Materials Corp
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IHI Corp
Mitsubishi Materials Corp
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    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/02Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding chemical blowing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で耐熱衝撃性に優れ、吸音性能が高く、
かつジェットエンジンのガスジェットに耐えることがで
きる軽量セラミックス吸音材とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 気孔率が80〜92%の多孔体である発
泡セラミックス11と、発泡セラミックスの表面に設け
られたセラミックス繊維を含む緻密層12とからなる。
緻密層は、厚さが約1000μm以下でありかつ平均1
0〜50μmの気孔を有し、約4〜60cgsRals
/cmの流れ抵抗を有している。この吸音材は、セラミ
ックス粉粒体、分散剤、有機バインダー及び起泡剤を含
有する水溶液を混合して発泡スラリーを形成し、型枠内
の緻密層の位置にセラミックス繊維を配置し、スラリー
を型枠に流し込み、ついで気孔同士の集合による気孔径
の増加制御を行いながら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼
成して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジェットエンジン
の排気ノズル等に用いる軽量セラミックス吸音材とその
製造方法に関し、更に詳しくは、軽量かつ耐熱衝撃性及
び吸音性に優れた軽量セラミックス吸音材とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジェットエンジンの排気ノズル等に用い
る吸音材として、図6に例示するハニカム構造吸音材が
従来用いられている。このハニカム構造吸音材は、耐熱
合金のハニカム1、孔開き板2及び背面板3からなり、
ヘルムホルツ共鳴器構造のリアクティブ形であり、媒体
の運動に基づく壁面摩擦、運動量による損失によりエネ
ルギーを散逸させるものである。
【0003】しかし、かかるハニカム構造吸音材は、高
温(例えば700〜800K以上)の排ガスにより、孔
開き板2や内部のハニカム1やその背面板3が過熱され
たり、大きく熱変形する問題点があった。すなわち、孔
開き板2は例えばステンレスやアルミニウムの板からな
るので、過熱により損傷や熱変形を受け、更にハニカム
1とのロウ付け部が剥がれることがあった。また、この
吸音構造では、吸音できる騒音の帯域が狭く、ジェット
エンジンのような広帯域の騒音(例えば1000〜30
00Hz)が十分消音できない問題点があった。
【0004】一方、多孔質層、繊維質層からなる抵抗形
の吸音材が知られており、種々の吸音材が提案されてい
る(例えば、特開昭61−143501号、特開昭61
−44102号、特開平6−42071号、特開平6−
247778号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭61−
143501号の「多孔質吸音材の製造方法」及び特開
昭61−44102号の「軽量高強度吸音材」は、金属
粒子を構成材料とし、かつ残存する気孔率が20〜50
%と低いため、耐熱強度が低くかつ比重量が大きく重量
がかさむ問題点がある。
【0006】また、特開平6−42071号の「セラミ
ック製吸音材」は、セラミックスを構成材料とするた
め、耐熱強度は高いが、全体が均質なため、耐熱衝撃性
に乏しく、クラックが入りやすく、かつジェットエンジ
ンの騒音域で特に問題となる1000〜2000Hzで
の吸音率が60%弱に過ぎず、不十分である問題点があ
った。
【0007】更に、特開平6−247778号の「傾斜
配向した気孔をもつ軽量セラミックス成形体及びその製
造方法」では、傾斜配向によりクラックの進展を遅らせ
ることができるが、吸音性能が不十分であり、かつジェ
ットエンジンに適用した場合にガスジェットにより表面
が過熱されると、クラックにより飛散しやすい問題点が
あった。
【0008】本発明は上述した種々の問題点を解決する
ために創案されたものである。すなわち、本発明の目的
は、軽量で耐熱衝撃性に優れ、吸音性能が高く、かつジ
ェットエンジンのガスジェットに耐えることができる軽
量セラミックス吸音材とその製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、気孔率
が80〜92%の多孔体である発泡セラミックスと、該
発泡セラミックスの表面に設けられたセラミックス繊維
を含む緻密層とからなり、該緻密層は、厚さが約100
0μm以下でありかつ平均10〜50μmの気孔を有す
る、ことを特徴とする軽量セラミックス吸音材が提供さ
れる。
【0010】上記本発明の構成によれば、発泡セラミッ
クス自体が軽量で耐熱衝撃性に優れており、かつその表
面に設けられた緻密層により騒音の封じ込め効果が得ら
れることが、実験により確認された。またこの緻密層が
セラミックス繊維で強化されているので、耐熱衝撃性を
更に高めることができ、ガスジェットに直接曝されても
長時間耐えることができる。
【0011】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
緻密層は、約4〜60cgsRals/cmの流れ抵抗
を有する。この範囲の流れ抵抗により、流れ抵抗が1c
gsRals/cm前後の場合と比較して、特に1kH
z付近の騒音の吸音率が約20〜50%向上することが
確認された。
【0012】また、前記発泡セラミックスは、緻密層に
接する表面付近に平均50〜450μmの気孔を有しか
つ裏面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面付近で
平均500〜3400μmの気孔径に至る傾斜配向した
気孔が存在する、のがよい。この構成により、局所的に
クラックが発生しても、発生したクラックは表層に進む
にしたがって進展が遅くなり、更に表層の緻密層がセラ
ミックス繊維で強化されているので、耐熱衝撃性を更に
高めることができ、表層に亀裂が生じにくく、ガスジェ
ットに直接曝されても長時間耐えることができる。
【0013】また、本発明によれば、セラミックス粉粒
体、分散剤、有機バインダー及び起泡剤を含有する水溶
液を混合して発泡スラリーを形成し、型枠内の緻密層の
位置にセラミックス繊維を配置し、前記スラリーを型枠
に流し込み、ついで気孔同士の集合による気孔径の増加
制御を行いながら、脱水乾燥し、脱型、脱脂、焼成する
ことを特徴とする軽量セラミックス吸音材の製造方法が
提供される。
【0014】この方法により、セラミックス繊維を含む
緻密層を発泡セラミックスと一体化でき、かつ型の材質
や型の吸水速度を変化させて脱水乾燥を制御することに
より、気泡の成長を制御し、これにより緻密層の形成と
同時に傾斜配向した気孔の形成ができる。
【0015】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
脱水乾燥の際に、表面の乾燥速度を早めることにより、
前記緻密層を形成する。すなわち、型に石こう等の吸水
性の良い型を用いるか、又は表面を空気中にさらすこと
により、表面の乾燥速度を早めて、気孔率の低い緻密な
層を表面に形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図1は、本発明による軽量
セラミックス吸音材の模式的構成図である。この図に示
すように、本発明の軽量セラミックス吸音材10は、発
泡セラミックス11と緻密層12からなり、緻密層12
は、セラミックス繊維を含み、このセラミックス繊維で
強化されている。
【0017】発泡セラミックス11は、気孔率が80〜
92%の多孔体であり、緻密層12に接する表面付近に
平均50〜450μmの気孔を有しかつ裏面に近づくに
つれて気孔が大きくなり、裏面付近で平均500〜34
00μmの気孔径に至る傾斜配向した気孔が存在してい
る。この構成により、局所的にクラックが発生しても、
発生したクラックは表層に進むにしたがって進展が遅く
なるので、熱衝撃による軽量セラミックス吸音材の剥離
や表面クラックが非常に少なく、優れた耐熱衝撃性と強
度を得ることができる。
【0018】緻密層12は、発泡セラミックス11の表
面に一体に成形されている。この緻密層12は、前述の
ようにセラミックス繊維で強化されている。このセラミ
ックス繊維は、セラミックス製織物又はSiCウイスカ
であるのがよい。この緻密層12は、厚さが約1000
μm以下でありかつ平均10〜50μmの気孔を有して
おり、この緻密層12により後述のように騒音の封じ込
め効果が得られ、吸音率を高めることができるようにな
っているる。また、この緻密層12はセラミックス繊維
で強化されているので、耐熱衝撃性を更に高めることが
でき、ガスジェットに直接曝されても長時間耐えること
ができる。
【0019】緻密層は、約4〜60cgsRals/c
mの流れ抵抗を有することが好ましく、この範囲の流れ
抵抗により、流れ抵抗が1cgsRals/cm前後の
場合と比較して、特に1kHz付近の騒音の吸音率が約
20〜50%向上する。
【0020】また、本発明の軽量セラミックス吸音材の
製造方法は、セラミックス粉粒体、分散剤、有機バイン
ダー及び起泡剤を含有する水溶液を混合して発泡スラリ
ーを形成し、型枠内の緻密層の位置にセラミックス繊維
を配置し、前記スラリーを型枠に流し込み、ついで気孔
同士の集合による気孔径の増加制御を行いながら、脱水
乾燥し、脱型、脱脂、焼成することを特徴とするもの
で、セラミックス繊維を含む緻密層を発泡セラミックス
と一体化でき、かつ型の材質や型の吸水速度を変化させ
て脱水乾燥を制御することにより、気泡の成長を制御
し、これにより緻密層の形成と同時に傾斜配向した気孔
の形成ができ、比較的容易かつ安価に傾斜配向した吸音
材を製造することができる。
【0021】緻密層を造るためには、石こう等の吸水性
の良い型を用いるか、または表面を空気中にさらすこと
により、表面の乾燥速度を早め気孔率の低い緻密な層を
形成する。また、鋳込み型の材質及び吸水速度を変化さ
せて脱水乾燥速度を制御することにより気泡の成長を制
御できる。これを利用して、その気孔に傾斜配向性を持
たせることにより、耐熱衝撃性や強度が大幅に上昇す
る。
【0022】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明の軽量セラミックス吸音材のセラミックス成
分は、特に限定されるものではなく、公知の酸化物系又
は非酸化物系セラミックス又は粘度鉱物でこれらを1種
又は2種以上混合して用いることができ、粉末又は粉末
状で用いるのが好ましい。この酸化物系セラミックスと
しては、アルミナ系、ムライト系、ジルコニア系などの
ものがあり、非酸化物系セラミックスとしては、炭化ケ
イ素系、窒化ケイ素系、窒化アルミニウム系、窒化ホウ
素系、グラファイト系等のものが挙げられる。
【0023】本発明の軽量セラミックス吸音材では、そ
の気孔率が80〜92%で、表面付近に平均50〜45
0μmの気孔を有しかつ裏面に近づくにつれて気孔が大
きくなり、裏面付近で平均500〜3400μmの気孔
径に至る傾斜配向した気孔が存在するものである。本発
明では、表面付近から裏面付近に至る厚さ方向に対して
気孔径が傾斜配向されているが、気孔率が80%未満の
場合には、軽量体としての特性を発揮できなくなり、一
方92%を越えると強度が低下して好ましくない。
【0024】本発明では、表面付近に10〜500μm
の気孔を有するが、気孔径が10μm未満のときは、吸
音材としての特性がでないばかりか軽量性に欠ける点で
好ましくなく、500μmを越えると傾斜傾向の効果が
減少しまた強度の低下や鋳込み中の割れの原因となりや
すく好ましくない。また裏面付近で平均500〜340
0μmの気孔径を有することにより、顕著な傾斜配向し
た吸音材が得られ、実用的にも許容される強度が得られ
る。したがって、最大5000μmの気孔径を越えると
強度の低下を招き好ましくない。気孔の形状は特に限定
されないが、球形に近いものが好ましく、この球形の気
孔は接触部が点で接続されている形で気孔は連結してお
り、連続気孔を形成していることが好ましい。
【0025】本発明の吸音材は裏面から表層に向かって
気孔径が小さくなる傾斜配向を有するため、発生したク
ラックは表層に進むにしたがって進展が遅くなるので、
熱衝撃による軽量セラミックス吸音材の剥離や表面クラ
ックが非常に少なく、極めて耐熱衝撃性が優れるもので
ある。
【0026】次に、本発明の軽量セラミックス吸音材の
製造方法について説明する。最初にセラミックススラリ
ーの調製を行う。上記したような酸化物系又は非酸化物
系のセラミックス粉末を原料として用い、該セラミック
ス粉粒体、分散剤、有機バインダー及び起泡剤を含有す
る水溶液を混合して発泡スラリーを形成する。ついで、
型枠内の緻密層の位置にセラミックス繊維を配置し、発
泡スラリーを型枠に流し込み、ついで気孔同士の集合に
よる気孔径の増加制御を行いながら、脱水乾燥し、脱
型、脱脂、焼成することにより製造する。このスラリー
の調整において、水の配合量は、通常セラミックス粉末
原料100重量部に対して25〜50重量部とするのが
好ましい。25重量部未満の場合には、スラリーの調製
が困難となり、50重量部を超えると水分が多すぎるた
め鋳込み後の固化に時間がかかり、あまり望ましくな
い。上記において、有機バインダーとしては、この技術
分野において通常用いられるものでよく、好ましくはポ
リビニルアルコール、アクリル系樹脂、メチルセルロー
ス等が挙げられる。
【0027】上記において起泡剤としては、発泡に際
し、気孔の直径が10μm〜2000μmになるものが
好ましく、具体的には、タンパク質系起泡剤、卵白及び
界面活性剤を主成分とする起泡剤などが好ましく用いら
れる。この他前記スラリーには必要に応じて、常法に従
い公知の滑剤、分散剤、界面活性剤等の各種添加物を加
えても良い。分散剤としては、ポリカルボン酸アンモニ
ウム塩系分散剤(アニオン系分散剤)が代表的なものと
して挙げられる。また界面活性剤としてはアルキルベン
ゼンスルホン酸塩、高級アルキルアミノ酸等が例示でき
る。また、本発明では必要に応じて、常法に従い公知の
増粘剤、糊剤等を適宜添加することもできる。増粘剤、
糊剤等としては、例えばメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、サッカロース、塘蜜、キサンタンガムなど
がある。これらを添加することにより、気泡の強度の向
上を図り、気泡を安定化することができる。
【0028】本発明の製造方法において、気泡を導入し
たスラリーを型に流し込み、型の材質や型の吸水速度を
変化させて脱水乾燥を制御することにより、気泡の成長
を制御する。これにより気孔傾斜特性の制御を行う。即
ち、脱水速度が速いと乾燥が早く起こり、気泡が成長し
ないばかりでなく着肉時に泡が潰れ、緻密質を形成す
る。逆に脱水速度を遅くするとその間、泡は成長しなが
ら着肉するので、大きな気泡が残留する。このように、
型の吸水性、気孔率、気孔径、スラリーや型の温度、ス
ラリーの鋳込み時の圧力等をコントロールすることによ
って、成形体の脱水乾燥速度を制御し、脱水完了した後
に傾斜配向した気孔が形成できる。このように製造され
た本発明の軽量セラミックス吸音材は、ジェットエンジ
ン用の吸音材として特に適しているが、他の用途、例え
ば建材、電子部品、機械部品等にも適用することができ
る。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例により
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 〔実施例1〕原料としてアルミナ系セラミックス粉末
(平均粒径0.6μm)、無機質繊維材料を用いて、軽
量セラミックス吸音材を作製した。ポリカルボン酸アン
モニウム塩系分散剤18g、アクリルエマルジョン系バ
インダー5g、アニオン界面活性剤系起泡剤5g、増粘
剤1gを140gの水に溶解した水溶液に、アルミナ系
セラミックス粉末285gを添加し、容量200mlの
ポット中でボールミル混合することにより発泡スラリー
を得た。この発泡スラリーを型に流し込み、脱水乾燥
後、脱型し、得られた吸音材の嵩比重を測定したとこ
ろ、0.3g/cm3であった。この吸音材の破断面を
観察すると、表面付近に10〜500μmの気泡があ
り、裏面に向かって気泡は大きくなり、中心部分には1
000μm〜3000μmの気泡があり、更に裏面付近
には最大5000μmの気泡径を有する気孔が存在し、
したがって表面から裏面まで傾斜配向した気孔が導入さ
れていることがわかった。また、気孔はほぼ球形で、主
として連続気孔であった。
【0030】ついで、脱型した吸音材を、空気中600
℃で5時間加熱した脱脂した後、1650℃で1時間大
気中で焼成を行うことにより、本発明の軽量セラミック
ス吸音材を得た。得られた吸音材には大きなソリや割れ
は認められず、吸音材の破断面を観察すると、表面付近
に10〜500μmの気泡があり、中心部分には100
0μm〜3000μmの気泡があり、裏面付近に最大径
5000μmの気泡を有し、表面から裏面にわたって傾
斜傾向した気孔が導入されていることがわかった。
【0031】〔実施例2〕実施例1と同様の方法で発泡
セラミックスを製造し、同時に石こう等の吸水性の良い
型を用いてその表面に緻密層を形成した。表1は、得ら
れた本発明による軽量セラミックス吸音材(本発明)を
緻密層のない吸音材(従来)と比較したものであり、図
2、図3、図4は、この表に対応する吸音率の周波数特
性図である。
【0032】
【表1】
【0033】表1から、緻密層を有し気孔率が80〜9
2%の吸音材である発泡セラミックスを有する本発明の
軽量セラミックス吸音材が、1kHz〜4kHzの広い
帯域において、緻密層のない従来の吸音材に比べて、吸
音率が厚みが24mmの場合に最大24%、厚みが12
mmの場合に最大14%、向上していることがわかる。
【0034】更に、図2乃至図4からも、緻密層のある
本発明の吸音材は、1000〜3000Hzの広い帯域
で、約10%の吸音率が得られることがわかる。
【0035】〔実施例3〕実施例2と同様の方法で表面
の緻密層の流れ抵抗を変化させて、本発明の軽量セラミ
ックス吸音材を製造した。表2は、得られた本発明によ
る軽量セラミックス吸音材(本発明)を金属板の表面板
を有する吸音材(従来)と比較したものであり、図5
は、この表に対応する吸音率の周波数特性図である。
【0036】
【表2】
【0037】表2から、緻密層が約4〜60cgsRa
ls/cmの流れ抵抗を有する本発明の軽量セラミック
ス吸音材が、約1cgsRals/cmの流れ抵抗を有
する金属板の表面板を有する吸音材(従来)に比べて、
特に1kHz付近において約20〜50%の吸音率向上
が得られることがわかる。更に図5からも、表面板が無
い場合に比べて、特に1kHz付近において吸音率が大
きく向上していることがわかる。
【0038】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
【0039】
【発明の効果】上述したように、本発明の軽量セラミッ
クス吸音材は、発泡セラミックス自体が軽量で耐熱衝撃
性に優れており、かつその表面に設けられた緻密層によ
り騒音の封じ込め効果が得られる。またこの緻密層がセ
ラミックス繊維で強化されているので、耐熱衝撃性を更
に高めることができ、ガスジェットに直接曝されても長
時間耐えることができる。
【0040】また、約4〜60cgsRals/cmの
流れ抵抗を有する緻密層により、特に1kHz付近の騒
音の吸音率が大幅に向上する。更に、傾斜配向した気孔
の存在により、局所的にクラックが発生しても、発生し
たクラックは表層に進むにしたがって進展が遅くなり、
更に表層の緻密層がセラミックス繊維で強化されている
ので、耐熱衝撃性を更に高めることができ、表層に亀裂
が生じにくく、ガスジェットに直接曝されても長時間耐
えることができる。
【0041】また、本発明の軽量セラミックス吸音材の
製造方法によれば、型枠内の緻密層の位置にセラミック
ス繊維を配置し、前記スラリーを型枠に流し込むことに
より、セラミックス繊維を含む緻密層を発泡セラミック
スと一体化でき、かつ型の材質や型の吸水速度を変化さ
せて脱水乾燥を制御することにより、気泡の成長を制御
し、これにより緻密層の形成と同時に傾斜配向した気孔
の形成ができる。また、型に石こう等の吸水性の良い型
を用いるか、又は表面を空気中にさらすことにより、表
面の乾燥速度を早めて、気孔率の低い緻密な層を表面に
形成することができる。
【0042】従って、本発明の軽量セラミックス吸音材
とその製造方法は、軽量で耐熱衝撃性に優れ、吸音性能
が高く、かつジェットエンジンのガスジェットに耐える
ことができる等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸音材の全体構成図である。
【図2】本発明による吸音材の周波数特性図である。
【図3】本発明による吸音材の別の周波数特性図であ
る。
【図4】本発明による吸音材の更に別の周波数特性図で
ある。
【図5】本発明による吸音材の更に別の周波数特性図で
ある。
【図6】従来の高温用吸音構造図である。
【符号の説明】
1 ハニカム 2 孔開き板 3 背面板 10 軽量セラミックス吸音材 11 発泡セラミックス 12 緻密層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 博弥 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐々木 丈夫 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気孔率が80〜92%の多孔体である発
    泡セラミックスと、該発泡セラミックスの表面に設けら
    れたセラミックス繊維を含む緻密層とからなり、該緻密
    層は、厚さが約1000μm以下でありかつ平均10〜
    50μmの気孔を有する、ことを特徴とする軽量セラミ
    ックス吸音材。
  2. 【請求項2】 前記緻密層は、約4〜60cgsRal
    s/cmの流れ抵抗を有する、ことを特徴とする請求項
    1に記載の軽量セラミックス吸音材。
  3. 【請求項3】 前記発泡セラミックスは、緻密層に接す
    る表面付近に平均50〜450μmの気孔を有しかつ裏
    面に近づくにつれて気孔が大きくなり、裏面付近で平均
    500〜3400μmの気孔径に至る傾斜配向した気孔
    が存在する、ことを特徴とする請求項1に記載の軽量セ
    ラミックス吸音材。
  4. 【請求項4】 セラミックス粉粒体、分散剤、有機バイ
    ンダー及び起泡剤を含有する水溶液を混合して発泡スラ
    リーを形成し、型枠内の緻密層の位置にセラミックス繊
    維を配置し、前記スラリーを型枠に流し込み、ついで気
    孔同士の集合による気孔径の増加制御を行いながら、脱
    水乾燥し、脱型、脱脂、焼成することを特徴とする軽量
    セラミックス吸音材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記脱水乾燥の際に、表面の乾燥速度を
    早めることにより、前記緻密層を形成する、ことを特徴
    とする請求項4に記載の軽量セラミックス吸音材の製造
    方法。
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