JP2987094B2 - 高耐熱性無機質繊維成形体 - Google Patents

高耐熱性無機質繊維成形体

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JP2987094B2 JP8033082A JP3308296A JP2987094B2 JP 2987094 B2 JP2987094 B2 JP 2987094B2 JP 8033082 A JP8033082 A JP 8033082A JP 3308296 A JP3308296 A JP 3308296A JP 2987094 B2 JP2987094 B2 JP 2987094B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉用断熱材等
として使用されるセラミックファイバーボードのよう
な、高強度で耐熱性に優れた無機質繊維成形体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、1000℃を越える各種加熱
炉用の断熱材としては、断熱煉瓦やセラミックファイバ
ーボードのような無機質繊維成形体が使用されてきた。
なかでもセラミックファイバーを含む無機質繊維成形体
は、軽量で熱容量と熱伝導率が小さく、省エネルギー効
果が大きいため、使用量が年々増え続けてきた。しかし
ながら、近年では各種加熱炉の使用温度が1800℃程
度まで高くなる傾向にあり、これに伴って無機質繊維成
形体の耐熱性、強度、及び耐高温クリープ性等の要求も
次第に厳しくなってきている。
【0003】無機質繊維成形体に使用されるセラミック
ファイバーの主なものは、非結晶質又は結晶質のアルミ
ノシリケート質ファイバー、多結晶アルミナ質ファイバ
ー、及びムライト質ファイバーがある。しかし、非結晶
質又は結晶質のアルミノシリケート質ファイバーは、約
1300℃を越えるとムライトの結晶化とファイバー同
士の焼結による大きな収縮が起こり、多結晶アルミナ質
ファイバーとムライト質ファイバーでも、約1400℃
以上になるとコランダムとムライトの結晶化の進行によ
る収縮が起こるため、いずれも最近の高耐熱性の要求を
満たすことができない。
【0004】そこで、1800℃の領域まで使用可能な
無機質繊維成形体を得るため、特公昭61−58434
号公報には、多結晶高アルミナ質繊維とアルミノシリケ
ート系ガラス質粒子を無機質結合剤で結合して成形した
耐熱性無機質成形体が提案されている。また、特公昭6
2−18517号公報には、予め結晶化せしめたアルミ
ノシリケート質繊維と予めα−アルミナを50重量%以
上とした多結晶アルミナ質繊維を用い、更に必要に応じ
てアルミナ等の耐火性粉末を添加した耐熱性無機質成形
体が提案されている。
【0005】これら耐熱性無機質成形体においては、ア
ルミノシリケート系ガラス粒子あるいはアルミノシリケ
ート質繊維の添加によって、これらが多結晶アルミナ質
繊維やアルミナ粒子と反応してムライトを生成する。こ
の反応は4.7%の体積膨張を伴うので、多結晶アルミ
ナ質繊維の加熱収縮を相殺し、高温での収縮率を低減す
ることができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の先に提案された
耐熱性無機質成形体は、加熱収縮が小さいものの、強度
が比較的弱く、特に高温で使用すると繊維の結晶化に伴
って強度が著しく低下する欠点があり、その表面を手で
触ると添加した粒子や繊維の一部が剥離して脱落するこ
とが認められた。
【0007】また、添加されるアルミノシリケート系ガ
ラス質粒子又はアルミノシリケート質繊維は、どちらも
1400℃以上の高温になると粘性流動による液相焼結
が起こり、この液相焼結は無機質成形体の高温クリープ
を引き起こす原因となる。このため、上記従来の耐熱性
無機質成形体は、耐クリープ性が著しく低下するという
欠点があった。
【0008】このため、従来の無機質繊維成形体では、
加熱炉の天井に用いた場合のスランプ、炉床や被加熱品
の支持台とした場合の沈下又は変形、炉壁に用いた場合
のバックアップ材の充填圧による迫り出し等が発生しや
すく、特に1800℃以上の高温で使用される場合に大
きな問題となっていた。
【0009】本発明は、かかる従来の事情に鑑み、18
00℃の高温まで使用可能で、耐熱性が高いと同時に、
加熱による膨張や収縮が小さく、使用時の高温において
強度及び耐高温クリープ性に優れた耐熱性無機質繊維成
形体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する耐熱性無機質繊維成形体は、骨格
繊維としての高アルミナ質繊維及び/又はムライト質繊
維30〜50重量%と、平均粒径40μm以下のアルミ
ナ粒子35〜55重量%と、炭化ケイ素及び/又は窒化
ケイ素粒子5〜10重量%とが、耐熱性無機質結合剤に
より相互に結合されてなる高耐熱性無機質繊維成形体で
ある。
【0011】かかる本発明の高耐熱性無機質繊維成形体
の製造は、従来と同様の工程に従って、例えば骨格繊維
としての高アルミナ質繊維及び/又はムライト質繊維3
0〜50重量%と、平均粒径40μm以下のアルミナ粒
子35〜55重量%と、炭化ケイ素及び/又は窒化ケイ
素粒子5〜10重量%とを、水に混合し、更に耐熱性無
機質結合剤を添加したスラリーを成形する方法により行
う。
【0012】尚、炭化ケイ素粒子及び窒化ケイ素粒子は
平均粒径が30μm以下であることが好ましく、無機質
結合剤としてはシリカゾルを用いるか又はシリカゾルと
アルミナゾルの組合せを用いることが好ましい。また、
成形体の成形方法は特に限定されないが、好ましくは吸
引濾過等により行う。尚、このようにして得られた本発
明の高耐熱性無機質繊維成形体は、そのまま加熱炉等の
断熱材として用いてもよいが、これを更に500℃以上
で焼成することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】前記した従来の無機質繊維成形体
について検討した結果、アルミノシリケート系ガラス質
粒子やアルミナ粒子として、高温収縮を抑えるために焼
結しにくい粒度の粗い粒子、例えば特公昭61−584
34号公報の実施例では平均粒径約200μmのガラス
質粒子を使用することが記載されているように、平均粒
径100μm以上の粒子が使用されていたため、焼成に
よる表面拡散機構が十分発揮されず、強度が小さく、表
面から粒子や繊維が剥離脱落しやすくなることが分かっ
た。また、耐クリープ性が劣る原因は、アルミノシリケ
ート系ガラス質粒子やアルミノシリケート質繊維が14
00℃以上の高温になると粘性流動による液相焼結を起
こし、これが高温クリープを引き起こすためであると考
えられる。
【0014】そこで本発明においては、骨格繊維として
高アルミナ質繊維及びムライト質繊維のいずれか又は両
方を使用し、これに微細なアルミナ(Al23)粒子と
炭化ケイ素(SiC)粒子又は窒化ケイ素(Si34
粒子を添加する。これらの粒子同士及びこれらの粒子と
骨格繊維である高アルミナ質繊維やムライト質繊維と
は、焼成時又は高温使用時に液相を形成することなく反
応焼結する。この焼結によって、互いの界面にネック
(粒子と繊維又は粒子との界面における結晶性の結合部
分)を形成するので、得られる無機質繊維成形体の強度
が極めて高く、しかも耐高温クリープ性にも優れてい
る。また、この焼結により、後述するようにムライトが
生成され、このムライトの生成を伴う膨張によって、無
機質繊維成形体の収縮が制御されるのである。
【0015】骨格繊維として使用する高アルミナ質繊維
は、Al23含有量が90重量%以上の多結晶高Al2
3質繊維が好ましく、例えば英国ICI社製のサフィ
ル等がある。また、ムライト質繊維としては、Al23
含有量が70〜80重量%のムライト質繊維が好まし
く、例えば三菱化成工業社製のマフテックバルクファイ
バー等を使用することができる。これらの骨格繊維の融
点は1850℃以上であり、得られる繊維成形体の高温
耐熱性と高温耐クリープ性はこれら骨格繊維の添加量に
よって大きく左右される。即ち、骨格繊維の添加量が
重量%未満では十分な耐熱性及び耐クリープ性が得ら
れず、逆に50重量%を越えてもそれ以上の特性の向上
が得られず、コストの増加を招くだけなので、30〜5
重量%の範囲とする。
【0016】アルミナ粒子は平均粒径40μm以下の易
焼結性Al23粒子を使用し、特に平均粒径が10μm
以下のものが好ましい。アルミナ粒子の粒径は無機質繊
維成形体の強度と耐クリープ特性に大きく影響する。即
ち、アルミナ粒子の粒径が小さいほど、焼成時又は高温
使用時にアルミナ粒子同士、アルミナ粒子と繊維及び炭
化ケイ素粒子等との間に表面拡散機構による焼結が起こ
り、これらの界面に強いネックが形成される結果、高い
強度と優れた耐クリープ性が達成される。具体的には、
アルミナ粒子の平均粒径が40μmを越えると、上記し
た各粒子との間及び繊維との間に強いネックを形成でき
ず、得られる無機質繊維成形体の強度が弱く、耐クリー
プ性も低下する。
【0017】また、アルミナ粒子の添加量は35〜55
重量%の範囲とする。この添加量が35重量%未満では
反応焼結による強いネックの形成が十分ではなく、また
ムライトの生成に伴う膨張により成形体の収縮を抑える
効果も不十分だからである。アルミナ粒子の添加量が
重量%を越えると、相対的に骨格繊維の量が減少する
ので、得られる無機質繊維成形体のかさ密度が必要以上
に高くなる。また、この添加量が55重量%を越える
と、無機質繊維成形体の耐スポーリング性も悪くなる。
【0018】炭化ケイ素粒子及び窒化ケイ素粒子は、例
えばSiC粒子の場合の反応を下記の化学式1及び2に
示すように、焼成段階及び高温使用時において表面に活
性なSiO2層を生成し、このSiO2層とAl23粒子
及び高アルミナ質繊維との間の反応焼結によりムライト
を生成する:
【化1】SiC+2O2→SiO2+CO2
【化2】 2SiO2+3Al23→3Al23・2SiO2
【0019】上記のムライト形成反応によって炭化ケイ
素粒子及び窒化ケイ素粒子は2つの重要な役割を果す。
その1つは、これらの粒子とAl23粒子及びAl23
繊維との界面にムライト質の強いネックを形成し、三次
元構造をなす高強度の無機質繊維成形体を形成すること
である。特に上記の反応は殆ど液相を伴わず、表面ある
いは体積拡散機構による焼結であるので、高温のクリー
プに非常に強い。しかも、界面に生成するムライト質の
ネックの耐クリープ性は、Al23粒子同士又はAl2
3粒子とAl23繊維との間で生成したアルミナ質ネ
ックよりも遥かに強いことが判明した。
【0020】第2の重要な役割は、上記ムライト形成反
応が大きな膨張を伴うため、骨格繊維の高温での収縮を
補償して、無機質繊維成形体としての高温収縮をなくす
方向に制御し得ることである。即ち、上記化学式1によ
る体積膨張は108%及び化学式2の体積膨張は4.2
%であるため、この大きな体積膨張により高温における
骨格繊維の収縮を補償して、体積変化を最少に抑えるこ
とが可能となる。このため、本発明の高耐熱性無機質繊
維成形体は、焼成することなく、そのまま加熱炉に断熱
材として使用しても、使用時の高温による体積変化が殆
どない。即ち、使用時に自然に焼成され、体積変化を起
こすことなく、高強度と高い耐クリープ性が達成される
のである。
【0021】かかる2つの重要な役割を果す炭化ケイ素
粒子及び/又は窒化ケイ素粒子の添加量は、合計で5〜
10重量%の範囲とする。この添加量が5重量%未満で
は、上記ムライト形成反応によるネックの形成と体積膨
張の役割を十分に果すことができず、10重量%を越え
ると過剰のSiO2を生成し、このSiO2が逆に耐クリ
ープ性に悪影響を与える恐れがあるからである。また、
炭化ケイ素粒子及び窒化ケイ素粒子は、その粒径が小さ
いほど上記ムライト形成反応が起こりやすくなるので、
その平均粒径は30μm以下が好ましく、10μm以下
が更に好ましい。
【0022】
【実施例】実施例1 高アルミナ質繊維としてICI社製のサフィルHA(A
23:97重量%、SiO2:3重量%、平均直径3
μm)243g、平均粒径4μmのAl23粒子170
g、平均粒径2μmのSiC粒子39g、SiO2含有
率40重量%のシリカゾル85gを8リットルの水に入
れ、数分間撹拌してスラリーを形成した。このスラリー
に凝集剤として固形分2%の澱粉水溶液を加えて凝集さ
せ、吸引成形により180×180×30mmの板状成
形体を得た。この板状成形体を1000℃で2時間焼成
し、無機質繊維成形体を製造した。
【0023】比較例として、平均粒径55μmのAl2
3粒子と平均粒径45μmのSiC粒径を用いた以外
は上記と同様にして、無機質繊維成形体を製造した。上
記実施例1及び比較例で得られた無機質繊維成形体のか
さ密度は、共に0.5g/cm3であった。
【0024】また、これら無機質繊維成形体の1000
倍及び5000倍の電子顕微鏡写真を、実施例1の成形
体について図1及び図2に、比較例について図3及び図
4に示した。比較例の無機質繊維成形体では、Al23
粒子が骨格繊維と結合せずに凝集して大きな塊となりや
すいのに対して、実施例1ではAl23粒子が骨格繊維
と結合して相互に三次元網状構造を形成し、しかもAl
23粒子と繊維とが強固に接合していることが分かる。
【0025】次に、これらの無機質繊維成形体から15
0×50×25mmの試験片を切り出し、加熱試験前の
曲げ強度と1700℃×24時間の加熱試験後の曲げ強
度及び耐クリープ性を測定した。尚、耐クリープ性の測
定は図5に示すように試験片1の片側を長さ60mm×
幅50mmの固定台2に挟んで固定し、固定台2から突
き出た長さ90mmの部分の先端1aが下側に垂れ下が
った距離Sをもって評価した。これらの結果を表1に示
した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 高アルミナ質繊維のサフィルHA(Al23:97重量
%、SiO2:3重量%、平均直径3μm)、下記表2
に示す平均粒径のAl23粒子、同じくSiC粒子、平
均粒径40μmのガラス質粒子(Al23:47重量
%、SiO2:53重量%)、及びSiO2含有率40重
量%のシリカゾルを、それぞれ表2に示す重量比で8リ
ットルの水に混合し、数分間撹拌してスラリーを形成し
た。これらのスラリーに澱粉水溶液を加えて凝集させ、
吸引成形した板状成形体を120℃で乾燥した後、10
00℃で2時間焼成して無機質繊維成形体をそれぞれ製
造した。
【0028】
【表2】 Al2O3繊維 Al 2 O 3 粒子 SiC粒子 カ゛ラス質粒子 シリカソ゛ル試料 (wt%) (wt%) (μm) (wt%) (μm) (wt%) (wt%) 1 30 55 1 5 0.5 − 10 2 40 45 5 10 1 − 5 3 50 35 40 10 30 − 5 4* 30 60 100 − − − 10 5* 60 − − 30 5 − 10 6* 60 − − − − 30 10 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0029】得られた各無機質繊維成形体から、150
×50×25mmの試験片を切り出し、実施例1と同様
に、1700℃×24時間の加熱試験後の曲げ強度、1
700℃又は1800℃×24時間の加熱試験による耐
クリープ性Sを調べ、更に1600〜1800℃での線
変化率を測定した。得られた結果を表3に示した。尚、
かさ密度は全ての試料が0.5g/cm3であった。
【0030】
【表3】 曲げ強度 クリーフ゜ 性S(mm) 線変化率(+膨張/−収縮) 試料 (kg/cm 3 ) 1700℃ 1800℃ 1600℃ 1700℃ 1800℃ 1 50 10 25 +0.10 +0.15 −0.20 2 45 8 20 +0.20 +0.15 −0.10 3 35 15 24 +0.30 +0.10 −0.10 4* 10 45 80 +0.10 −0.30 −3.50 5* 19 40 75 +4.35 +3.15 +2.45 6* 15 50 80 +0.10 +0.20 −0.20 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0031】本発明の試料1〜は、1700℃×24
時間の加熱試験後の曲げ強度が35kg/cm3以上と
非常に高く、耐クリープ性にも優れ、特に1800℃×
24時間の加熱試験後の耐クリープ性が非常に優れてい
る。また、本発明の試料1〜は線変化率が非常に小さ
く、特に1800℃では全て0.2%以下の収縮に抑え
られている。尚、1600℃又は1700℃での線変化
率が若干大きな膨張を示した試料もあるが、SiC粒子
の添加量を相応に減らすか、平均粒径のやや大きい粒子
を添加する等の方法により、収縮の方向に調整すること
ができる。
【0032】一方、比較例においては、SiC粒子を添
加しない試料は曲げ強度、耐クリープ性、線変化率の
いずれも極めて低い値であり、Al23粒子を含まず且
つSiC粒子の添加量が過剰な試料は曲げ強度と耐ク
リープ性に劣るうえ、高温での膨張が激しく、Al23
粒子及びSiC粒子を共に添加していない試料では線
変化率は小さいものの、曲げ強度と耐クリープ性が極め
て劣っていることが分かる。
【0033】実施例3 高アルミナ質繊維のサフィルHA(Al23:97重量
%、SiO2:3重量%、平均直径3μm)40重量
%、平均粒径5μmのSiC粒子5重量%、SiO2
有率40重量%のシリカゾル10重量%と、平均粒径を
変化させたAl23粒子45重量%とを8リットルの水
に入れ、数分間撹拌してスラリーを形成した。このスラ
リーに凝集剤として固形分2%の澱粉水溶液を加えて凝
集させ、吸引成形した板状成形体を1000℃で2時間
焼成して、それぞれ無機質繊維成形体を製造した。
【0034】得られた各無機質繊維成形体について、実
施例1と同様に作製した試験片を1700℃×24時間
の加熱した後の曲げ強度を測定した。得られた結果を図
6に示した。このグラフから、Al23粒子の平均粒径
が40μm以下の場合に、曲げ強度の向上が著しいこと
が分かる。
【0035】実施例4 高アルミナ質繊維のサフィルHA(Al23:97重量
%、SiO2:3重量%、平均直径3μm)40重量%
と、SiO2含有率40重量%のシリカゾル10重量%
に、平均粒径が共に5μmのAl23粒子とSiC粒子
を全体が100重量%となるように調整し、これを8リ
ットルの水に入れ、数分間撹拌してスラリーを形成し
た。このスラリーに凝集剤として固形分2%の澱粉水溶
液を加えて凝集させ、吸引成形した板状成形体を100
0℃で2時間焼成して、それぞれ無機質繊維成形体を製
造した。
【0036】得られた各無機質繊維成形体について、実
施例1と同様に作製した試験片を1700℃×24時間
の加熱し、SiC粒子の添加量に対する耐クリープ性並
びに線変化率の関係を評価した。得られた結果を図7に
示した。このグラフから、SiC粒子の添加量が0.1
〜20重量%の範囲において、耐クリープ性及び線変化
率が共に満足すべき値となることが分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、1800℃の高温まで
使用可能で、耐熱性が高いと同時に、加熱による膨張や
収縮が極めて小さく、しかも焼成又は使用時の高温によ
り高い強度と優れた耐高温クリープ性が得られる耐熱性
無機質繊維成形体を提供することができる。
【0038】従って、本発明の無機質繊維成形体は、焼
成し又は焼成することなくそのまま加熱炉の断熱材等と
して使用でき、加熱炉の天井に用いた場合のスランプ、
炉床や被加熱品の支持台とした場合の沈下又は変形、炉
壁に用いた場合のバックアップ材の充填圧による迫り出
し等、従来避けられなかった問題を全て解決することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼成した無機質繊維成形体の組織形状
を示す1000倍の顕微鏡写真である。
【図2】本発明の焼成した無機質繊維成形体の組織形状
を示す5000倍の顕微鏡写真である。
【図3】比較例の焼成した無機質繊維成形体の組織形状
を示す1000倍の顕微鏡写真である。
【図4】比較例の焼成した無機質繊維成形体の組織形状
を示す5000倍の顕微鏡写真である。
【図5】各実施例における無機質繊維成形体の耐クリー
プ性の測定方法を示す概略の説明図である。
【図6】実施例3で得られた無機質繊維成形体における
Al23粒子の平均粒径と曲げ強度との関係を示すグラ
フである。
【図7】実施例4で得られた無機質繊維成形体における
SiC粒子の添加量と耐クリープ性及び線変化率との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 無機質繊維成形体 2 固定台

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨格繊維としての高アルミナ質繊維及び
    /又はムライト質繊維30〜50重量%と、平均粒径4
    0μm以下のアルミナ粒子35〜55重量%と、炭化ケ
    イ素及び/又は窒化ケイ素粒子5〜10重量%とが、耐
    熱性無機質結合剤により相互に結合されてなる高耐熱性
    無機質繊維成形体。
  2. 【請求項2】 炭化ケイ素粒子及び窒化ケイ素粒子の平
    均粒径が30μm以下であることを特徴とする、請求項
    1に記載の高耐熱性無機質繊維成形体。
  3. 【請求項3】 無機質結合剤がシリカゾル又はシリカゾ
    ルとアルミナゾルの組合せであることを特徴とする、請
    求項1又は2に記載の高耐熱性無機質繊維成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1の高耐熱性無機質繊維成形体が
    更に焼成されたことを特徴とする高耐熱性無機質繊維成
    形体。
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