JP4925707B2 - 無機繊維質断熱材組成物及び無機繊維質断熱材 - Google Patents

無機繊維質断熱材組成物及び無機繊維質断熱材 Download PDF

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Description

本発明は、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯(以下、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を、単にアルミ溶湯と記載する。)との接触用途を目的とする断熱材を形成させるために用いられる無機繊維質断熱材組成物及び該無機繊維質断熱材組成物を乾燥又は焼成して得られる無機繊維質断熱材に関し、更に詳細には、アルミ溶湯保持槽、取鍋又は案内桶等の内張り断熱材を形成させるために用いられる無機繊維質断熱材組成物及び該無機繊維質断熱材組成物を乾燥又は焼成して得られる無機繊維質断熱材である。
一般に、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶融鋳造分野で使用されるアルミ溶湯保持槽、取鍋、案内桶等は、通常、鉄板でその外殻が形成され、その内側に、アルミ溶湯の強い化学的活性による鉄板の浸食及びこれに伴う溶湯汚染や溶着の発生等を防止するために、キャスタブル耐火物若しくはプラスチック耐火物等の不定形耐火物、又は高アルミナ質レンガ等の耐火物が内張りされる。
従来、内張り用の断熱材として多用されていたキャスタブル耐火物、プラスチック耐火物又は高アルミナ質レンガ等の耐火物は、一般に、良好な耐熱性を有するものの、熱伝導率が高いという欠点がある。例えば、高アルミナ質レンガの熱伝導率は、1.3〜1.7W/(m・K)であり、キャスタブル耐火物では、0.7〜1.4W/(m・K)と高い。このため、アルミ溶湯が、これらの耐火物と接触すると溶湯温度が大きく低下する。
そのため、近年、無機繊維を主体とする断熱材(以下、無機繊維質断熱材とも記載する。)が注目されており、該無機繊維質断熱材によって、省エネルギー化を図る傾向にある。
該無機繊維質断熱材の無機繊維としては、現在、アルミノシリケート質繊維が多用されている。これは、アルミノシリケート質繊維は、嵩密度が低く、軽量であり、断熱効果が大きく、耐スポーリング性が良好であり、且つ耐火性が高いという優れた性能を有する上、更に、安価なので経済的にも有利なためである。
ところが、アルミノシリケート質繊維は、アルミ溶湯と接触すると、次式:
3SiO + 4Al → 3Si + 2Al
に示すように、シリカ成分(SiO)が還元され、生成したシリカ(Si)がアルミ溶湯に混入する。このことにより、無機繊維質耐火物は浸食され、また、アルミ溶湯はシリカにより汚染される。つまり、アルミノシリケート質無機繊維等のシリカ成分を含有する無機繊維を用いる無機繊維質断熱材の場合、アルミ溶湯により該無機繊維質断熱材が浸食され易い、すなわち、耐食性が低いという問題があった。
そこで、無機繊維質断熱材の耐食性を改善することが行われてきた。例えば、特許文献1の特公平1−23426号公報には、溶融アルミニウム又はその合金溶湯との接触用途を目的とする組成物であって、アルミノシリケート質繊維1重量部と、白雲母、金雲母、黒雲母及び絹雲母の群より選択する1種又は2種以上の雲母を0.3〜5重量部、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の各コロイド状結合剤、珪酸ソーダ、リン酸アルミ等の液状結合剤、又はボルトランドセメント、アルミナセメント等の粉末状結合剤の1種又は2種以上からなる無機結合剤、及び水からなることを特徴とする溶融アルミ用複合繊維組成物が開示されている。該特許文献1に開示されている溶融アルミ用複合繊維組成物では、雲母を含有させることにより、耐食性の向上が図られている。
特公平1−23426号公報(請求項1)
ところが、特許文献1記載の溶融アルミ用複合繊維組成物は、層状に分離し易い雲母を含有するため、該溶融アルミ用複合繊維組成物を用いて得られる無機繊維質断熱材は、強度が低く、特に、繰り返し使用すると壊れ易い、すなわち、耐久性が低いという問題があった。
従って、本発明の課題は、耐食性が高く且つ強度及び耐久性が高い無機繊維質断熱材及び該無機繊維質断熱材を製造することができる無機繊維質断熱材組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)窒化珪素を水溶媒中に存在させると、窒化珪素の表面が加水分解されて、窒化珪素の表面にシラノール基が生成し、該窒化珪素の表面に生成したシラノール基は、無機繊維質断熱材組成物の乾燥又は焼成時に、シラノール基を有する無機バインダーのシラノール基と脱水縮合により結合し、強固な3次元架橋構造を形成すること、そのため、(2)アルミ溶湯に対する無機繊維質断熱材の耐久性及び耐食性が著しく向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯との接触用途を目的とする無機繊維質断熱材(芯材としてセラミック繊維織物が配置されているものを除く。)であって、無機繊維、窒化珪素粉末、シラノール基を有する無機バインダー及び水を含有し、該無機繊維100質量部に対する該窒化珪素粉末の含有量が10〜400質量部であり、該無機繊維100質量部に対する該無機バインダーの含有量が1〜50質量部であり、該窒化珪素粉末に対する該無機バインダーの含有量の比が0.01〜0.5である無機繊維質断熱材組成物を乾燥又は焼成して得られる無機繊維質断熱材を提供するものである。
また、本発明(2)は、無機繊維、窒化珪素粉末、シラノール基を有する無機バインダー及び水を含有し、該無機繊維100質量部に対する該窒化珪素粉末の含有量が10〜400質量部であり、該無機繊維100質量部に対する該無機バインダーの含有量が1〜50質量部であり、該窒化珪素粉末に対する該無機バインダーの含有量の比が0.01〜0.5であることを特徴とする前記本発明(1)記載の無機繊維質断熱材の製造用の無機繊維質断熱材組成物を提供するものである。
本発明によれば、耐食性が高く且つ強度及び耐久性の高い無機繊維質断熱材及び該無機繊維質断熱材を製造することができる無機繊維質断熱材組成物を提供することができる。
本発明の無機繊維質断熱材組成物は、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯との接触用途を目的とする断熱材を形成させるために用いられる無機繊維質断熱材組成物であって、無機繊維、窒化珪素粉末、シラノール基を有する無機バインダー及び水を含有する。
そして、本発明の無機繊維質断熱材組成物は、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯との接触用途を目的とする断熱材を形成させるために用いられる無機繊維質断熱材組成物であって、無機繊維100質量部、窒化珪素粉末10〜400質量部、シラノール基を有する無機バインダー1〜200質量部、及び水100〜1000質量部を含有する。
本発明の無機繊維質断熱材組成物に係る無機繊維としては、無機繊維質断熱材の製造に用いられる無機繊維であれば、特に制限されず、例えば、ガラス繊維、グラスウール、セラミックウール、ロックウール、アルミナ質繊維、ジルコニア質繊維、アルミノシリケート質繊維、生体溶解性無機繊維等が挙げられる。これらのうち、アルミノシリケート質繊維が、嵩密度が低く、軽量であり、断熱効果が大きく、耐スポーリング性が良好であり、且つ耐火性が高い点及び安価である点で特に好ましい。また、該無機繊維は、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
該生体溶解性無機繊維とは、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上である無機繊維を指す。
該無機繊維の平均繊維径は、特に制限されないが、通常、1〜10μmであり、また、該無機繊維の平均繊維長は、通常、1〜50mmである。
本発明の無機繊維質断熱材組成物に係る窒化珪素粉末は、水溶媒中でシラノール基(−Si−OH)を生成する。該窒化珪素粉末としては、特に制限されず、α型、β型のいずれでもよい。
該窒化珪素粉末の平均粒径は、特に制限されないが、均一混合性、成形性、保存安定性が高くなる点で、0.1〜100μmであることが好ましい。
本発明の無機繊維質断熱材組成物中の該窒化珪素粉末の含有量は、該無機繊維100質量部に対して、10〜400質量部、好ましくは50〜200質量部である。該窒化珪素粉末の含有量が上記範囲にあることにより、断熱材の耐食性、強度及び耐久性が高くなる。該窒化珪素粉末の含有量が、10質量部未満だと、断熱材の耐食性、強度及び耐久性が低くなり易く、また、400質量部を超えると、密度及び熱伝導率が高くなり過ぎるので、断熱性が低下する。
本発明の無機繊維質断熱材組成物に係るシラノール基を有する無機バインダーは、分子中にシラノール基を有する無機バインダーである。なお、該シラノール基を有する無機バインダーには、水溶媒に混合される前は、シラノール基を有さないが、水溶媒中でシラノール基を生成する無機バインダーを含む。該シラノール基を有する無機バインダーとしては、例えば、コロイダルシリカ、アルキルシリケート、珪酸ソーダ、リチウムシリケート等が挙げられる。これらのうち、コロイダルシリカが、取り扱いが容易で、アルミ溶湯に対する耐食性及強度が高い断熱材が得られる点で、特に好ましい。
該シラノール基を有する無機バインダーは、本発明の無機繊維質断熱材組成物が乾燥又は焼成される際に、次の2つの機能:
(i)無機繊維同士又は該無機繊維と該耐熱性粉末とを結合させるバインダーとしての機能、及び
(ii)該窒化珪素粉末の表面に生成したシラノール基との脱水縮合反応により、強固な3次元架橋構造を形成する機能、
を発揮する。
本発明の無機繊維質断熱材組成物中の該シラノール基を有する無機バインダーの含有量は、該無機繊維100質量部に対して、1〜200質量部、好ましくは3〜50質量部である。該シラノール基を有する無機バインダーの含有量が、上記範囲にあることにより、断熱材の耐食性、強度及び耐久性が高くなる。該シラノール基を有する無機バインダーの含有量が、1質量部未満だと、断熱材の耐食性、強度及び耐久性が低くなり、また、200質量部を超えると、断熱材の耐食性及び耐スポーリング性が低くなる。なお、該シラノール基を有する無機バインダーが、コロイダルシリカ等のように、固形分が水溶媒に分散された懸濁液である場合、該固形分の含有量が、該シラノール基を有する無機バインダーの含有量である。
また、該窒化珪素粉末の含有量に対する該シラノール基を有する無機バインダーの含有量の比(シラノール基を有する無機バインダー/窒化珪素粉末)は、好ましくは0.01〜1、特に好ましくは0.05〜0.5、更に好ましくは0.05〜0.3である。該含有量の比が上記範囲にあることにより、断熱材の耐食性、強度及び耐久性が高くなるという本発明の効果が、更に高まる。
本発明の無機繊維質断熱材組成物は、水を含有する。そして、水は、固形分の分散媒であると共に、該窒化珪素粉末の表面で加水分解反応を起こさせ、該窒化珪素粉末の表面にシラノール基を生成させるための反応剤でもある。
本発明の無機繊維質断熱材組成物中の水の含有量は、該無機繊維100質量部に対して、100〜1000質量部、好ましくは200〜400質量部である。該水の含有量が上記範囲にあることにより、該無機繊維の開繊性及び均一混合性が高くなる。
本発明の無機繊維質断熱材組成物は、更に、有機増粘剤を含有することができる。本発明の無機繊維質断熱材組成物が、更に、該有機増粘剤を含有することが、無機繊維質断熱材組成物を製造する際の均一混合性を高め、該無機繊維質断熱材組成物に適度な粘度が付与される結果、該無機繊維質断熱材組成物を施工し易くなる点で好ましい。該有機増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
本発明の無機繊維質断熱材組成物中の該有機増粘剤の含有量は、該無機繊維100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部、特に好ましくは1〜10質量部である。該有機増粘剤の含有量が、上記範囲にあることにより、施工するのに適当な無機繊維質断熱材組成物の延びが発現し、きれいな施工面を得ることができる。
本発明の無機繊維質断熱材組成物は、更に、耐熱性粉末を含有することができる。本発明の無機繊維質断熱材組成物が、更に、該耐熱性粉末を含有することが、断熱材の密度、強度、耐熱性、熱伝導率の調整をし易くなる点で好ましい。該耐熱性粉末としては、例えば、シリカ、アルミナ、ムライト、酸化チタン、炭化ケイ素等のセラミックス粉末;カオリン、雲母、タルク等の粘土鉱物が挙げられる。該耐熱性粉末は、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
該耐熱性粉末の平均粒子径は、0.1〜500μm、好ましくは0.1〜200μm、特に好ましくは0.1〜100μmである。
本発明の無機繊維質断熱材組成物中の該耐熱性粉末の含有量は、該無機繊維100質量部に対して、1〜400質量部、好ましくは50〜350質量部、特に好ましくは100〜300質量部である。該耐熱性粉末の含有量が、上記範囲にあることにより、該耐熱性粉末による耐熱性の向上効果が得られ易く、且つ断熱材の耐スポーリング性が良好となる。
また、本発明の無機繊維質断熱材組成物は、必要に応じて、他に、分散剤、防腐剤等の添加剤を含有することができる。
本発明の無機繊維質断熱材組成物は、例えば、該無機繊維、該窒化珪素粉末、該シラノール基を有する無機バインダー及び水を混合し、ニーダ等を用いてペースト状に混練することにより得られる。
そして、本発明の無機繊維質断熱材組成物は、アルミ溶湯との接触用途を目的とするアルミ溶湯保持槽、取鍋又は案内桶等の内張り断熱材を形成させるための原材料として用いられる。つまり、本発明の無機繊維質断熱材組成物を、アルミ溶湯保持槽、取鍋又は案内桶等の壁面に直接ライニングし、次いで、乾燥又は焼成することにより、該内張り断熱材を形成させる。また、本発明の無機繊維質断熱材組成物を、成形型に充填し、次いで、乾燥又は焼成することにより、該内張り断熱材を製造する。
つまり、本発明の無機繊維質断熱材は、本発明の無機繊維質断熱材組成物を乾燥又は焼成して得られる。該焼成の温度は、該焼成時の酸化劣化が少ない点で、1200℃以下であることが好ましく、1000℃以下であることが特に好ましい。
本発明の無機繊維質断熱材組成物の製造過程において、該窒化珪素粉末が、固形分の分散媒である水と反応することにより、該窒化珪素粉末の表面に、シラノール基が生成する。該窒化珪素粉末の表面に生成したシラノール基は、本発明の無機繊維質断熱材組成物の乾燥又は焼成時に、該シラノール基を有する無機バインダーのシラノール基と脱水縮合により結合して、強固な3次元架橋構造を形成する。
このことにより、本発明の無機繊維質断熱材組成物中に、アルミ溶湯に濡れ難い窒化珪素が強固に保持されるので、本発明の無機繊維質断熱材組成物を乾燥又は焼成して得られる無機繊維質断熱材は、耐食性が高く、強度が高く、且つ繰り返し使用による耐久性が高い。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜2、参考例1〜2)
(断熱材組成物の製造)
表1に示す配合で、各成分を混合し、ニーダにて混練し、均一なペースト状の断熱材組成物Aを得た。
Figure 0004925707
1)コロイダルシリカの配合量は、固形分の質量部である。
(実施例1〜3及び比較例1〜2、参考例1〜2で用いた配合物)
・無機繊維:アルミノシリケート質繊維(バルク状)、シリカアルミナ比(SiO/Al)=51/49、平均繊維径2μm
・α型窒化珪素a:平均粒径1.1μm、粒度10μm以下が99質量%以上
・β型窒化珪素b:平均粒径30μm、粒度105μm以下が85質量%以上
・β型窒化珪素c:平均粒径2μm、粒度45μm以下が99質量%以上
・アルミナ粉末a:平均粒径5μm
・アルミナ粉末b:平均粒径1μm
・カオリンクレー粉末:300メッシュ通過物が98質量%以上
・コロイダルシリカ:商品名スノーテックス、日産化学社製、固形分30質量%、平均粒径15nm
・有機増粘剤a:商品名ハイメトローズ、信越化学工業社製
・有機増粘剤b:ポリアクリル系、商品名アロン、東亜合成社製
・白雲母:325メッシュ通過物
(断熱材の製造)
上記のようにして得られた断熱材組成物Aを、160mm×40mm×40mmの成形型に充填し、次いで、110℃で24時間乾燥して、断熱材Bを得た。
(断熱材の物性及び性能評価)
(1)断熱材の焼成
断熱材Bを、700℃又は1100℃で焼成し、焼成物を得た。700℃での焼成物を焼成物C、1100℃での焼成物を焼成物Dとする。
(2)曲げ強度の測定
試料(該断熱材B、該焼成物C又は該焼成物D)の曲げ強度を、3点曲げ強度試験機を用いて、ヘッドスピード2mm/分の速度で荷重を加え、破断荷重を測定し、次式:
曲げ強度(MPa)={3×最大荷重(N)×下部支持間距離(mm)}/{2×試料の幅(mm)×(試料の厚さ(mm))
により算出した。その結果を、表2及び3に示す。
(3)加熱線変化率の測定
試料(該断熱材B)を、電気炉中700℃で3時間加熱し、加熱後の試料の長さを測定する。加熱線変化率は、加熱前の試料の長さをYmm、加熱後の長さをYmmとし、次式:
加熱線変化率(%)={(Y−Y)/Y}×100
により求めた。その結果を、表2及び3に示す。
(4)熱膨張係数
JIS R 2207に準拠して、該断熱材Bの熱膨張係数を測定した。その結果を、表2及び3に示す。
(5)熱伝導率
300℃又は700℃における該断熱材Bの熱伝導率を、JIS R 2618に準拠して測定した。その結果を、表2及び3に示す。
(6)耐食性試験
<初期性能の評価>
断熱材組成物Aをルツボの形状に成形し、乾燥後、アルミ合金(ADC12)を入れて、800℃の電気炉内で、12時間溶融保持した。冷却後、ルツボを反転し、凝固したアルミ合金が外れ落ちるか否かを観察した。なお、ルツボを反転してもはずれ落ちない場合は、ハンマーでたたいて強制的にルツボからアルミ合金を剥がした。次いで、はずれ落ちたアルミ合金又は強制的に剥がしたアルミ合金の表面、及びアルミ合金と接触していた部分のルツボの表面を観察した。その結果を、表2及び3に示す。
<耐久試験>
初期性能の評価試験後のルツボを用いて、(i)該ルツボに、再びアルミ合金(ADC12)を入れて、800℃の電気炉内で、12時間溶融保持し、(ii)冷却後、竹へらを用いてアルミ合金を取り出すという操作((i)及び(ii))を5回繰り返し、耐久試験を行った。その結果を、表4に示す。
Figure 0004925707
Figure 0004925707
Figure 0004925707
本発明によれば、断熱性に優れ、耐食性が高く且つ強度及び耐久性が高い無機繊維質断熱材を製造することができる。

Claims (4)

  1. 溶融アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯との接触用途を目的とする無機繊維質断熱材(芯材としてセラミック繊維織物が配置されているものを除く。)であって、無機繊維、窒化珪素粉末、シラノール基を有する無機バインダー及び水を含有し、該無機繊維100質量部に対する該窒化珪素粉末の含有量が10〜400質量部であり、該無機繊維100質量部に対する該無機バインダーの含有量が1〜50質量部であり、該窒化珪素粉末に対する該無機バインダーの含有量の比が0.01〜0.5である無機繊維質断熱材組成物を乾燥又は焼成して得られる無機繊維質断熱材。
  2. 前記無機繊維質断熱材組成物が、更に、有機増粘剤を含有することを特徴とする請求項1記載の無機繊維質断熱材。
  3. 前記無機繊維質断熱材組成物が、更に、耐熱性粉末を含有することを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の無機繊維質断熱材。
  4. 無機繊維、窒化珪素粉末、シラノール基を有する無機バインダー及び水を含有し、該無機繊維100質量部に対する該窒化珪素粉末の含有量が10〜400質量部であり、該無機繊維100質量部に対する該無機バインダーの含有量が1〜50質量部であり、該窒化珪素粉末に対する該無機バインダーの含有量の比が0.01〜0.5であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の無機繊維質断熱材の製造用の無機繊維質断熱材組成物。
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