JPH09142945A - 溶銑容器内張り用不定形耐火物とそれを用いた溶銑容器の内張り構造 - Google Patents
溶銑容器内張り用不定形耐火物とそれを用いた溶銑容器の内張り構造Info
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- JPH09142945A JPH09142945A JP7309405A JP30940595A JPH09142945A JP H09142945 A JPH09142945 A JP H09142945A JP 7309405 A JP7309405 A JP 7309405A JP 30940595 A JP30940595 A JP 30940595A JP H09142945 A JPH09142945 A JP H09142945A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭化珪素、炭素の配合による亀裂発生の防止
や、スラグ・銑鉄の侵入防止を図る溶銑鍋等溶銑容器の
内張り用不定形耐火物を提供する。 【解決手段】 ロー石12〜60wt%、炭化珪素3〜
40wt%、アルミナ10〜85wt%を含む耐火骨材
100wt%と、揮発シリカ外掛け1〜6wt%、鋼お
よび/またはステンレス鋼の金属ファイバー外掛け1〜
5wt%および結合剤を配合した溶銑容器内張り用不定
形耐火物。
や、スラグ・銑鉄の侵入防止を図る溶銑鍋等溶銑容器の
内張り用不定形耐火物を提供する。 【解決手段】 ロー石12〜60wt%、炭化珪素3〜
40wt%、アルミナ10〜85wt%を含む耐火骨材
100wt%と、揮発シリカ外掛け1〜6wt%、鋼お
よび/またはステンレス鋼の金属ファイバー外掛け1〜
5wt%および結合剤を配合した溶銑容器内張り用不定
形耐火物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑容器の内張り
に使用される不定形耐火物とそれを用いた溶銑容器の内
張り構造に関するものである。
に使用される不定形耐火物とそれを用いた溶銑容器の内
張り構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶銑予備処理の定常化による操業の過酷
化や、寿命延長の要望に対応するため、近年、溶銑容器
は、主にアルミナ−SiC−C系やロ−石−アルミナ−
SiC−C系の煉瓦で内張りされるようになった。しか
し、築炉作業の省力化や、継ぎ足し工法の採用による炉
材原単価の低減の要請に伴って、溶銑鍋等の溶銑容器で
も、煉瓦に替わって不定形耐火物の適用が検討されてい
る。
化や、寿命延長の要望に対応するため、近年、溶銑容器
は、主にアルミナ−SiC−C系やロ−石−アルミナ−
SiC−C系の煉瓦で内張りされるようになった。しか
し、築炉作業の省力化や、継ぎ足し工法の採用による炉
材原単価の低減の要請に伴って、溶銑鍋等の溶銑容器で
も、煉瓦に替わって不定形耐火物の適用が検討されてい
る。
【0003】溶銑容器内張り用として、特開平2−14
1445号あるいは特開平4−89362号にロー石−
炭化珪素−炭素−アルミナ質の不定形耐火物が提案され
ている。
1445号あるいは特開平4−89362号にロー石−
炭化珪素−炭素−アルミナ質の不定形耐火物が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】溶銑容器の内張りを不
定形耐火物によって形成する場合、不定形耐火物の乾燥
過程や使用時の亀裂発生を防止することが重要である。
これは溶銑は溶鋼に比べ粘性係数が小さく、また融点が
低いため、内張り材に亀裂が生成した場合、この亀裂を
介して内張り内に深く侵入するいわゆる地金差しが生じ
易いためである。そして、この地金差しによって湯漏れ
事故にいたる場合もある。
定形耐火物によって形成する場合、不定形耐火物の乾燥
過程や使用時の亀裂発生を防止することが重要である。
これは溶銑は溶鋼に比べ粘性係数が小さく、また融点が
低いため、内張り材に亀裂が生成した場合、この亀裂を
介して内張り内に深く侵入するいわゆる地金差しが生じ
易いためである。そして、この地金差しによって湯漏れ
事故にいたる場合もある。
【0005】従って、溶銑鍋等溶銑容器の内張り用不定
形耐火物は、炭化珪素、炭素の配合により亀裂発生の防
止や、スラグ・銑鉄の侵入防止を図っているが、十分な
ものではない。
形耐火物は、炭化珪素、炭素の配合により亀裂発生の防
止や、スラグ・銑鉄の侵入防止を図っているが、十分な
ものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロー石12〜
60wt%、炭化珪素3〜40wt%、アルミナ10〜
85wt%を含む耐火骨材100wt%と、揮発シリカ
外掛け1〜6wt%、鋼および/またはステンレス鋼の
金属ファイバー外掛け1〜5wt%および結合剤を配合
した溶銑容器内張り用不定形耐火物である。
60wt%、炭化珪素3〜40wt%、アルミナ10〜
85wt%を含む耐火骨材100wt%と、揮発シリカ
外掛け1〜6wt%、鋼および/またはステンレス鋼の
金属ファイバー外掛け1〜5wt%および結合剤を配合
した溶銑容器内張り用不定形耐火物である。
【0007】溶銑鍋等溶銑容器は1日に数回から数10
回溶銑の受け払いを繰り返す。これに伴い溶銑容器内張
りは温度の上昇・下降を繰り返すが、温度下降時に収縮
しようとするため稼働面側には引張り応力が発生し、こ
の応力が耐火物の組織強度より大きくなると亀裂が生じ
る。
回溶銑の受け払いを繰り返す。これに伴い溶銑容器内張
りは温度の上昇・下降を繰り返すが、温度下降時に収縮
しようとするため稼働面側には引張り応力が発生し、こ
の応力が耐火物の組織強度より大きくなると亀裂が生じ
る。
【0008】この亀裂を防止するには内張り材に残存膨
張性を付与することが有効なことが知られている。ロー
石中のシリカ(SiO2 )成分の一部は石英の形で存在
するが、この石英は加熱によって約1250℃でクリス
トバライトに変態する。この変態は約600℃付近で生
じる石英のα型からβ型への変態と異なり不可逆的で、
体積膨張を伴なうため、ロー石を添加することで内張り
に残存膨張性を付与することができる。また、ロー石は
1400℃前後の高温域でクリ−プ変形しやすい特性を
有しており、冷却過程で亀裂が生じたとしても加熱時の
膨張によって修復され、亀裂を中心とした迫り割れが生
じることもないし、膨張による組織の弛みも生じにく
い。
張性を付与することが有効なことが知られている。ロー
石中のシリカ(SiO2 )成分の一部は石英の形で存在
するが、この石英は加熱によって約1250℃でクリス
トバライトに変態する。この変態は約600℃付近で生
じる石英のα型からβ型への変態と異なり不可逆的で、
体積膨張を伴なうため、ロー石を添加することで内張り
に残存膨張性を付与することができる。また、ロー石は
1400℃前後の高温域でクリ−プ変形しやすい特性を
有しており、冷却過程で亀裂が生じたとしても加熱時の
膨張によって修復され、亀裂を中心とした迫り割れが生
じることもないし、膨張による組織の弛みも生じにく
い。
【0009】一方、溶銑容器の乾燥・予熱時は内張りが
変態膨張が生起する温度より低い領域で加熱され、内張
りに残存膨張性が付与されない。このため、冷却過程で
は内張りが収縮し、稼働面側に大きな引張り応力が発生
して亀裂が生じる。この亀裂は溶銑容器の繰り返し使用
によって拡大し、内張りの剥離を招く。
変態膨張が生起する温度より低い領域で加熱され、内張
りに残存膨張性が付与されない。このため、冷却過程で
は内張りが収縮し、稼働面側に大きな引張り応力が発生
して亀裂が生じる。この亀裂は溶銑容器の繰り返し使用
によって拡大し、内張りの剥離を招く。
【0010】不定形耐火物の亀裂および剥離の防止法の
一つとして、金属ファイバ−の添加が効果的であること
が知られている。これは、金属ファイバ−が不定形耐火
物のマトリックス部に分散存在することで亀裂を抑制
し、また亀裂が生じても剥離しないように不定形耐火物
組織を繋ぎ止めるためである。
一つとして、金属ファイバ−の添加が効果的であること
が知られている。これは、金属ファイバ−が不定形耐火
物のマトリックス部に分散存在することで亀裂を抑制
し、また亀裂が生じても剥離しないように不定形耐火物
組織を繋ぎ止めるためである。
【0011】しかし、アルミナ質やアルミナ−シリカ質
の不定形耐火物では、金属ファイバ−の膨張収縮率が不
定形耐火物のそれより大きく、加熱冷却時に両者の膨張
収縮挙動に不一致が生じ、金属ファイバ−と不定形耐火
物マトリックスとの絡みが悪くなって金属ファイバ−が
効果的に機能しない。本発明は、ロ−石と金属ファイバ
−を組み合わせることでこの問題点を解決したものであ
る。
の不定形耐火物では、金属ファイバ−の膨張収縮率が不
定形耐火物のそれより大きく、加熱冷却時に両者の膨張
収縮挙動に不一致が生じ、金属ファイバ−と不定形耐火
物マトリックスとの絡みが悪くなって金属ファイバ−が
効果的に機能しない。本発明は、ロ−石と金属ファイバ
−を組み合わせることでこの問題点を解決したものであ
る。
【0012】図1はロー石、電融アルミナ、ボ−キサイ
ト、金属ファイバー(SUS304ステンレス鋼ファイ
バ−)について、その熱膨張率を示したものであるが、
電融アルミナ、ボ−キサイトは金属ファイバーに比べか
なり低膨張率である。これに対しロー石は、その成分中
の石英が約600℃付近で可逆的に変態し、この変態が
加熱時に膨張して、金属ファイバーに近い膨張収縮を示
す。その結果、本発明はロー石の配合で、不定形耐火物
の1000℃程度までの膨張率を金属ファイバ−とほぼ
同等とすることでき、金属ファイバ−とマトリックスと
の絡みが良く、亀裂および剥離の発生を防止することが
できる。
ト、金属ファイバー(SUS304ステンレス鋼ファイ
バ−)について、その熱膨張率を示したものであるが、
電融アルミナ、ボ−キサイトは金属ファイバーに比べか
なり低膨張率である。これに対しロー石は、その成分中
の石英が約600℃付近で可逆的に変態し、この変態が
加熱時に膨張して、金属ファイバーに近い膨張収縮を示
す。その結果、本発明はロー石の配合で、不定形耐火物
の1000℃程度までの膨張率を金属ファイバ−とほぼ
同等とすることでき、金属ファイバ−とマトリックスと
の絡みが良く、亀裂および剥離の発生を防止することが
できる。
【0013】図2は、後述する表2に示した実施例2の
配合組成を有する不定形耐火物と、表3に示した比較例
1の配合組成を有する不定形耐火物のそれぞれにおい
て、金属ファイバーの添加量と耐スポール性との関係を
示したグラフである。この結果からも明らかなように、
ロー石を配合しない比較例1の不定形耐火物Bでは、金
属ファイバーを添加しても耐スポール性改善の効果が顕
著なものではない。
配合組成を有する不定形耐火物と、表3に示した比較例
1の配合組成を有する不定形耐火物のそれぞれにおい
て、金属ファイバーの添加量と耐スポール性との関係を
示したグラフである。この結果からも明らかなように、
ロー石を配合しない比較例1の不定形耐火物Bでは、金
属ファイバーを添加しても耐スポール性改善の効果が顕
著なものではない。
【0014】これに対し、ロー石を特定量配合した実施
例2の不定形耐火物Aでは、金属ファイバーの添加によ
って耐スポール性が格段に向上しており、本発明の効果
が確認された。
例2の不定形耐火物Aでは、金属ファイバーの添加によ
って耐スポール性が格段に向上しており、本発明の効果
が確認された。
【0015】
【発明の実施の形態】ロー石はパイロフィライト、セリ
サイト、カオリンおよび石英を主に含有した天然原料で
ある。本発明の不定形耐火物において、その割合は、1
2wt%未満では残存膨張性、易クリ−プ性が不足し、
亀裂防止の効果に劣る。60wt%を超えると耐食性が
低下する。
サイト、カオリンおよび石英を主に含有した天然原料で
ある。本発明の不定形耐火物において、その割合は、1
2wt%未満では残存膨張性、易クリ−プ性が不足し、
亀裂防止の効果に劣る。60wt%を超えると耐食性が
低下する。
【0016】炭化珪素は、耐スラグ性の向上に効果をも
つ。3wt%未満では添加による効果がない。40wt
%を超えると、溶銑に対する耐食性に劣る。
つ。3wt%未満では添加による効果がない。40wt
%を超えると、溶銑に対する耐食性に劣る。
【0017】アルミナは、耐食性および容積安定性に優
れた耐火原料である。具体例としては、焼結アルミナ、
電融アルミナ、ばん土頁岩、ボ−キサイトなどから選ば
れる1種以上が使用できる。また、微粉部には仮焼アル
ミナを用いることもできる。その割合は、10wt%未
満では耐食性に劣り、85wt%を超えると耐スポーリ
ング性が低下する。
れた耐火原料である。具体例としては、焼結アルミナ、
電融アルミナ、ばん土頁岩、ボ−キサイトなどから選ば
れる1種以上が使用できる。また、微粉部には仮焼アル
ミナを用いることもできる。その割合は、10wt%未
満では耐食性に劣り、85wt%を超えると耐スポーリ
ング性が低下する。
【0018】揮発シリカは金属シリコン、フェロシリコ
ンやジルコニア等を生産する際発生する気化したシリカ
が冷却して生成される超微粉シリカである。シリカフラ
ワーあるいはマイクロシリカなどの商品名で市販されて
いる。その効果は不定形耐火物の施工水分を減少させ、
施工体の緻密性を高めることにある。添加量は耐火骨材
100wt%に対する外掛けで、1wt%未満では前記
の効果がなく、6wt%を超えると施工体の通気性が阻
害されて乾燥性に劣る。
ンやジルコニア等を生産する際発生する気化したシリカ
が冷却して生成される超微粉シリカである。シリカフラ
ワーあるいはマイクロシリカなどの商品名で市販されて
いる。その効果は不定形耐火物の施工水分を減少させ、
施工体の緻密性を高めることにある。添加量は耐火骨材
100wt%に対する外掛けで、1wt%未満では前記
の効果がなく、6wt%を超えると施工体の通気性が阻
害されて乾燥性に劣る。
【0019】金属ファイバ−は、鋼および/またはステ
ンレス鋼のものを使用する。これは、これらの金属ファ
イバ−が800℃程度以下では高強度であり、1200
℃を超える高温域では強度が低下することで、ロー石が
もつ不可逆的変態膨張や易クリ−プ性などの特性を阻害
しないためである。
ンレス鋼のものを使用する。これは、これらの金属ファ
イバ−が800℃程度以下では高強度であり、1200
℃を超える高温域では強度が低下することで、ロー石が
もつ不可逆的変態膨張や易クリ−プ性などの特性を阻害
しないためである。
【0020】鋼ファイバ−あるいはステンレス鋼ファイ
バ−の中でも、Alを0.5〜5wt%含有する耐酸化
性により優れたステンレス鋼ファイバ−がより好まし
い。Alを含有する金属ファイバ−は1200℃を超え
る高温域でも酸化劣化が少ないため、不定形耐火物の使
用期間内にその添加効果が失われることがない。Alの
含有量が0.5w%未満では金属ファイバ−の耐酸化性
が不十分であり、5w%を超えると金属ファイバ−の耐
熱性が低下し好ましくない。
バ−の中でも、Alを0.5〜5wt%含有する耐酸化
性により優れたステンレス鋼ファイバ−がより好まし
い。Alを含有する金属ファイバ−は1200℃を超え
る高温域でも酸化劣化が少ないため、不定形耐火物の使
用期間内にその添加効果が失われることがない。Alの
含有量が0.5w%未満では金属ファイバ−の耐酸化性
が不十分であり、5w%を超えると金属ファイバ−の耐
熱性が低下し好ましくない。
【0021】金属ファイバ−の形状は特に限定するもの
ではなく、例えばストレ−ト形、波形、ドックボ−ン形
などが使用できる。断面形状は円形、多角形などのいず
れでもよい。直径は0.1〜2mm、長さは直径に合わ
せて例えば5〜40mmとする。
ではなく、例えばストレ−ト形、波形、ドックボ−ン形
などが使用できる。断面形状は円形、多角形などのいず
れでもよい。直径は0.1〜2mm、長さは直径に合わ
せて例えば5〜40mmとする。
【0022】金属ファイバ−の配合量は、耐火骨材10
0wt%に対する外掛けで1wt%未満では亀裂・剥離
防止の効果がなく、5wt%を超えると施工性が低下す
る。結合剤の種類・割合については従来材質と特に変わ
りない。例えばアルミナセメント、マグネシアセメン
ト、珪酸ソ−ダ、シリカゾル、リン酸アルミニウムなど
から選ばれる1種以上を使用する。必要に応じて、さら
に硬化剤を添加する。また、分散剤、乾燥爆裂防止剤、
粘土、有機ファイバー、硬化遅延剤、焼結剤、酸化防止
剤などを適当量添加してもよい。分散剤としては、例え
ば縮合リン酸塩、カルボン酸やその塩、リグニンスルフ
ォン酸塩などを耐火骨材100wt%に対する外掛けで
0.01〜0.5wt%程度添加する。乾燥爆裂防止剤
の具体例は、金属アルミニウムなどの金属粉、アゾジカ
ルボンアミドなど有機発泡剤であり、耐火骨材100w
t%に対して好ましくは5wt%添加する。
0wt%に対する外掛けで1wt%未満では亀裂・剥離
防止の効果がなく、5wt%を超えると施工性が低下す
る。結合剤の種類・割合については従来材質と特に変わ
りない。例えばアルミナセメント、マグネシアセメン
ト、珪酸ソ−ダ、シリカゾル、リン酸アルミニウムなど
から選ばれる1種以上を使用する。必要に応じて、さら
に硬化剤を添加する。また、分散剤、乾燥爆裂防止剤、
粘土、有機ファイバー、硬化遅延剤、焼結剤、酸化防止
剤などを適当量添加してもよい。分散剤としては、例え
ば縮合リン酸塩、カルボン酸やその塩、リグニンスルフ
ォン酸塩などを耐火骨材100wt%に対する外掛けで
0.01〜0.5wt%程度添加する。乾燥爆裂防止剤
の具体例は、金属アルミニウムなどの金属粉、アゾジカ
ルボンアミドなど有機発泡剤であり、耐火骨材100w
t%に対して好ましくは5wt%添加する。
【0023】本発明の不定形耐火物は、炭素を配合する
と、さらに耐用性が向上する。これは、炭素が溶銑・ス
ラグと濡れにくいためである。
と、さらに耐用性が向上する。これは、炭素が溶銑・ス
ラグと濡れにくいためである。
【0024】ここで使用する炭素の具体例は、石油ピッ
チ、石炭ピッチなどのピッチ類、フェノ−ル樹脂、フラ
ン樹脂などの樹脂類、リン状黒鉛、土状黒鉛などの天然
黒鉛(表面処理品を含む)、カ−ボンブラック、人造黒
鉛などであり、これらから選ばれる1種以上とする。そ
の割合は、耐火骨材100wt%に対する外掛けで10
wt%以下、好ましくは1〜7wt%である。10wt
%を超えて配合すると、施工後の気孔率が高くなり、耐
食性が低下する。
チ、石炭ピッチなどのピッチ類、フェノ−ル樹脂、フラ
ン樹脂などの樹脂類、リン状黒鉛、土状黒鉛などの天然
黒鉛(表面処理品を含む)、カ−ボンブラック、人造黒
鉛などであり、これらから選ばれる1種以上とする。そ
の割合は、耐火骨材100wt%に対する外掛けで10
wt%以下、好ましくは1〜7wt%である。10wt
%を超えて配合すると、施工後の気孔率が高くなり、耐
食性が低下する。
【0025】本発明による不定形耐火物の施工は、流し
込みによって行われ、その後、乾燥・予熱を経て使用さ
れる。しかし、乾燥・予熱で500℃以上に加熱される
と組成中の炭素あるいは炭化珪素が酸化され、内張りの
気孔率が高くなる結果、耐食性の低下傾向が認められ
る。酸化されやすい炭素を配合した材質が、特にこの傾
向が著しい。
込みによって行われ、その後、乾燥・予熱を経て使用さ
れる。しかし、乾燥・予熱で500℃以上に加熱される
と組成中の炭素あるいは炭化珪素が酸化され、内張りの
気孔率が高くなる結果、耐食性の低下傾向が認められ
る。酸化されやすい炭素を配合した材質が、特にこの傾
向が著しい。
【0026】そこで、本発明の不定形耐火物を用いた溶
銑容器の内張りは、その表面を酸化防止剤で被覆するこ
とにより、乾燥予熱時の酸化を防止することが好まし
い。
銑容器の内張りは、その表面を酸化防止剤で被覆するこ
とにより、乾燥予熱時の酸化を防止することが好まし
い。
【0027】内張りの被覆に使用する酸化防止剤は、例
えばヘキサメタリン酸ソ−ダなどのリン酸塩、珪酸ソ−
ダ・珪酸カリウムなどの珪酸塩、硼珪酸ガラス・リン酸
ガラスなどのガラス類、硼砂・B4 Cなどの硼化物含有
物などから選ばれる1種以上に、必要に応じてアルミナ
・ロー石・珪石などの耐火性無機質粉あるいは炭化珪素
粉、炭素粉などを混合したものである。
えばヘキサメタリン酸ソ−ダなどのリン酸塩、珪酸ソ−
ダ・珪酸カリウムなどの珪酸塩、硼珪酸ガラス・リン酸
ガラスなどのガラス類、硼砂・B4 Cなどの硼化物含有
物などから選ばれる1種以上に、必要に応じてアルミナ
・ロー石・珪石などの耐火性無機質粉あるいは炭化珪素
粉、炭素粉などを混合したものである。
【0028】酸化防止剤の被覆は、例えば水で混練する
など被覆しやすい形態にした後、刷毛や鏝で塗り付けた
り、吹付機を用いての吹付で行う。被覆厚さは、好まし
くは1〜10mmである。
など被覆しやすい形態にした後、刷毛や鏝で塗り付けた
り、吹付機を用いての吹付で行う。被覆厚さは、好まし
くは1〜10mmである。
【0029】
【実施例】以下に本発明実施例とその比較例を示す。表
1は、各例で使用した耐火骨材の化学成分である。表2
は、各例の不定形耐火物組成とその試験結果である。ま
た、実機試験の一部において、内張りに対する酸化防止
剤の被覆試験結果も合わせて示す。
1は、各例で使用した耐火骨材の化学成分である。表2
は、各例の不定形耐火物組成とその試験結果である。ま
た、実機試験の一部において、内張りに対する酸化防止
剤の被覆試験結果も合わせて示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】残存線変化率;JIS−R2554に準じ
て測定した。
て測定した。
【0034】耐食性;ドラム回転侵食試験法で行った。
銑鉄と高炉スラグを重量比で1対1とした侵食剤を使用
し、1500℃×3時間の侵食試験後、溶損寸法を測定
し、実施例1の溶損寸法を1とした比で示す。
銑鉄と高炉スラグを重量比で1対1とした侵食剤を使用
し、1500℃×3時間の侵食試験後、溶損寸法を測定
し、実施例1の溶損寸法を1とした比で示す。
【0035】耐スポ−ル性;内径1000mmの金属性
円筒に不定形耐火物を流し込み施工で厚さ150mmの
内張りを形成し、乾燥後、酸素−プロパンバ−ナ−で1
000℃で1時間加熱した。ついで、2時間自然冷却し
た後、同バ−ナ−で1500℃まで昇温し、20分保持
後、30分冷却した。ついで、1500℃まで昇温して
保持し、20分経過後、30分冷却する。前記の150
0℃の昇温時からの操作を30回繰り返し、不定形耐火
物表面の亀裂発生状況を調べた。
円筒に不定形耐火物を流し込み施工で厚さ150mmの
内張りを形成し、乾燥後、酸素−プロパンバ−ナ−で1
000℃で1時間加熱した。ついで、2時間自然冷却し
た後、同バ−ナ−で1500℃まで昇温し、20分保持
後、30分冷却した。ついで、1500℃まで昇温して
保持し、20分経過後、30分冷却する。前記の150
0℃の昇温時からの操作を30回繰り返し、不定形耐火
物表面の亀裂発生状況を調べた。
【0036】実機試験;300t溶銑鍋の側壁に流し込
み施工し使用し,亀裂発生状況と耐用寿命を試験した。
表中、「−」は実機試験しなかったことを示す。
み施工し使用し,亀裂発生状況と耐用寿命を試験した。
表中、「−」は実機試験しなかったことを示す。
【0037】本発明実施例による不定形耐火物はいずれ
も残存膨張性を示し、耐食性にも優れている。しかも、
耐スポール性にも優れた効果が得られた。その結果、実
機試験において、亀裂の発生がなく、従来材質に相当す
る比較例3に比べて約2〜3倍の耐用寿命が得られた。
また、中でもアルミニウムを含有したスレンレス鋼ファ
イバーを使用したもの、あるいは炭素を添加した材質
は、耐用寿命において特に優れている。
も残存膨張性を示し、耐食性にも優れている。しかも、
耐スポール性にも優れた効果が得られた。その結果、実
機試験において、亀裂の発生がなく、従来材質に相当す
る比較例3に比べて約2〜3倍の耐用寿命が得られた。
また、中でもアルミニウムを含有したスレンレス鋼ファ
イバーを使用したもの、あるいは炭素を添加した材質
は、耐用寿命において特に優れている。
【0038】これに対して、ロー石を配合しない比較例
1は、耐食性には優れているが残存収縮を示し、耐スポ
ール性に劣る結果、実機試験において亀裂の発生が著し
く、.耐用寿命に劣る。比較例2はロー石の配合量が本
発明の限定範囲より多く、耐食性に劣る。比較例3は、
金属ファイバーを添加しておらず、耐スポール性に劣
る。比較例4は、金属ファイバーの添加量が多く、施工
性に劣るために施工体組織が粗雑になり、耐食性に劣
る。比較例5は、金属ファイバーがアルミニウムであ
り、約600℃付近の中温域での強度が低く、亀裂防止
効果がなく、耐スポール性に劣る。比較例6は、炭化珪
素の配合量が本発明の限定範囲より多く、耐溶銑性が低
下し、実機試験での耐用寿命に劣る。
1は、耐食性には優れているが残存収縮を示し、耐スポ
ール性に劣る結果、実機試験において亀裂の発生が著し
く、.耐用寿命に劣る。比較例2はロー石の配合量が本
発明の限定範囲より多く、耐食性に劣る。比較例3は、
金属ファイバーを添加しておらず、耐スポール性に劣
る。比較例4は、金属ファイバーの添加量が多く、施工
性に劣るために施工体組織が粗雑になり、耐食性に劣
る。比較例5は、金属ファイバーがアルミニウムであ
り、約600℃付近の中温域での強度が低く、亀裂防止
効果がなく、耐スポール性に劣る。比較例6は、炭化珪
素の配合量が本発明の限定範囲より多く、耐溶銑性が低
下し、実機試験での耐用寿命に劣る。
【0039】また、実施例3あるいは実施例5の不定形
耐火物を用いた内張り構造において、リン酸ガラス50
wt%および珪石粉50wt%よりなる酸化防止剤を水
練りし、内張り表面に厚さ約3mmで被覆した。乾燥・
予熱後、不定形耐火物の表面状況を調べた結果、酸化が
認められず、酸化防止剤の被覆効果が確認された。
耐火物を用いた内張り構造において、リン酸ガラス50
wt%および珪石粉50wt%よりなる酸化防止剤を水
練りし、内張り表面に厚さ約3mmで被覆した。乾燥・
予熱後、不定形耐火物の表面状況を調べた結果、酸化が
認められず、酸化防止剤の被覆効果が確認された。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明による不定形耐火
物は溶銑容器内張りにおいて、亀裂および剥離を防止
し、優れた耐用性を示す。その結果、不定形耐火物がも
つ築炉作業の省力化、炉材源単価の低減などの効果が十
分に発揮されることになり、その工業的価値はきわめて
大きい。
物は溶銑容器内張りにおいて、亀裂および剥離を防止
し、優れた耐用性を示す。その結果、不定形耐火物がも
つ築炉作業の省力化、炉材源単価の低減などの効果が十
分に発揮されることになり、その工業的価値はきわめて
大きい。
【図1】金属ファイバ−、ロー石、電融アルミナおよび
ボ−キサイトの熱膨張率を示したグラフ。
ボ−キサイトの熱膨張率を示したグラフ。
【図2】不定形耐火物の金属ファイバーの添加量と耐ス
ポール性との関係を示したグラフ。
ポール性との関係を示したグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 孝 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (72)発明者 吉本敏和 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】ロー石12〜60wt%、炭化珪素3〜4
0wt%、アルミナ10〜85wt%を含む耐火骨材1
00wt%と、揮発シリカ外掛け1〜6wt%、鋼およ
び/またはステンレス鋼よりなる金属ファイバー外掛け
1〜5wt%および結合剤を配合したことを特徴とする
溶銑容器内張り用不定形耐火物。 - 【請求項2】ステンレス鋼ファイバ−がAlを0.5〜
5wt%含有する請求項1記載の溶銑容器内張り用不定
形耐火物。 - 【請求項3】耐火骨材100wt%に対し、さらに炭素
を外掛け10wt%以下を配合した請求項1または2記
載の溶銑容器内張り用不定形耐火物。 - 【請求項4】請求項1,2または3記載の不定形耐火物
をもって溶融金属容器を内張りし、更にその表面に酸化
防止剤を被覆した溶銑容器の内張り構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7309405A JPH09142945A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 溶銑容器内張り用不定形耐火物とそれを用いた溶銑容器の内張り構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7309405A JPH09142945A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 溶銑容器内張り用不定形耐火物とそれを用いた溶銑容器の内張り構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09142945A true JPH09142945A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=17992621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7309405A Pending JPH09142945A (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 溶銑容器内張り用不定形耐火物とそれを用いた溶銑容器の内張り構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09142945A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7182891B2 (en) | 2002-11-25 | 2007-02-27 | Refractory Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Non-basic refractory compound as well as its uses |
KR100773574B1 (ko) * | 2001-10-17 | 2007-11-05 | 구로사키 하리마 코포레이션 | 부정형 내화물의 시공방법 및 그에 사용되는 부정형 내화물 |
KR101109877B1 (ko) * | 2010-06-28 | 2012-02-15 | 현대제철 주식회사 | 부정형 내화물 |
-
1995
- 1995-11-28 JP JP7309405A patent/JPH09142945A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100773574B1 (ko) * | 2001-10-17 | 2007-11-05 | 구로사키 하리마 코포레이션 | 부정형 내화물의 시공방법 및 그에 사용되는 부정형 내화물 |
US7182891B2 (en) | 2002-11-25 | 2007-02-27 | Refractory Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Non-basic refractory compound as well as its uses |
KR101109877B1 (ko) * | 2010-06-28 | 2012-02-15 | 현대제철 주식회사 | 부정형 내화물 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050915 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051108 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051209 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060221 |