JP7281819B2 - 高耐熱材及び複合型高耐熱材並びにこれらの製造方法及び高耐熱材用組成物 - Google Patents

高耐熱材及び複合型高耐熱材並びにこれらの製造方法及び高耐熱材用組成物 Download PDF

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本発明は、高耐熱材、更に断熱性にも優れる高耐熱材、及び複合型高耐熱材、更に断熱性にも優れる複合型高耐熱材、並びにこれらの製造方法及び高耐熱材用組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、ガラス繊維集合体本体に反応硬化耐熱相が含有される高耐熱材と、更に耐熱性と同時に断熱性をも備える高耐熱材(高耐熱性断熱材)と、この高耐熱材に種類の異なる反応硬化耐熱相が含有される他の高耐熱材が接合された複合型高耐熱材と、更に耐熱性と同時に断熱性をも備える複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)と、これらの製造方法と、高耐熱材用組成物(耐熱性と同時に断熱性をも備える高耐熱材用組成物(高耐熱性断熱材用組成物)を含む。)と、に関する。
以上より、高耐熱材及び/又は同時に断熱性にも優れる高耐熱材を指す場合は「高耐熱材(高耐熱性断熱材)」という。複合型高耐熱材及び/又は同時に断熱性にも優れる高耐熱材を指す場合は「複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)」という。
従来、耐熱、断熱を要する部材に用いられる断熱材として、ガラス繊維、アルミナ繊維等の無機繊維からなるマットが用いられているが、アルミナ繊維は高価であるため、ガラス繊維が用いられることが多い。しかし、ガラス繊維は耐熱性が低く、例えば、ホウケイ酸ガラスの融点は820℃、パイレックス(登録商標)の融点は821℃である。また、Eガラスを加熱した場合、700℃付近から硬化し始め、750℃で収縮し始め、800℃では硬化が更に進むが、850℃で溶融してしまう。
更に、構造式MeO・nSiO(Meは金属元素であり、n=0.5~4.5である)で表される水溶性シリケートに、水溶性を失わない程度にアルミン酸塩、水酸化アルミニウム、酸性白土又は粘土鉱物等のうちの1種又は2種以上を反応させたり、酸化物ゾルを反応させたり、更には融点を向上させる作用のある金属酸化物又は金属水酸化物の微粉末を含有させたりしてなる耐熱性断熱組成物及びそれを用いた耐熱性断熱材も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6-80461号公報
しかし、上述のような通常のガラスからなる繊維を用いた断熱材は、800℃、更には1000℃を超えるような高温雰囲気では用いることは困難と考えられる。また、特許文献1に記載された耐熱性断熱組成物を用いたときも、上述のような高温において安定して用いることができる耐熱性断熱材とすることは困難であると考えられる。
本発明は、前述の従来技術の問題点を解決するものであり、ガラス繊維集合体本体に反応硬化耐熱相が含有される高耐熱材(耐熱性と同時に断熱性をも備える高耐熱材(高耐熱性断熱材)を含む。)を提供することを目的とする。また、この高耐熱材に、耐熱温度の異なる反応硬化耐熱相が含有される他の高耐熱材が接合された複合型高耐熱材(耐熱性と同時に断熱性をも備える複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)を含む。)を提供することを目的とする。更に、これらの高耐熱材及び複合型高耐熱材の各々の製造方法及び高耐熱材用組成物(耐熱性と同時に断熱性をも備える高耐熱材用組成物(高耐熱性断熱材用組成物)を含む。)を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.ガラス繊維集合体本体と、前記ガラス繊維集合体本体に含有される反応硬化耐熱相とを備え、1000℃以上の温度域で溶融しないことを特徴とする高耐熱材。
2.ガラス繊維集合体本体及び前記ガラス繊維集合体本体に含有される反応硬化耐熱相を備える一方の断熱材と、他のガラス繊維集合体本体及び前記他のガラス繊維集合体本体に含有される、前記反応硬化耐熱相とは耐熱温度の異なる他の反応硬化耐熱相を備え、前記一方の断熱材に接合された他方の断熱材と、を具備し、1000℃以上の温度域で溶融しないことを特徴とする複合型高耐熱材。
3.前記ガラス繊維集合体本体が、シート、ニードルマット、ボード又はフェルトであり、耐熱性と同時に断熱性をも備える前記1.に記載の高耐熱材。
4.前記ガラス繊維集合体本体が、シート、ニードルマット、ボード又はフェルトであり、耐熱性と同時に断熱性をも備える前記2.に記載の複合型高耐熱材。
5.前記1.又は3.に記載の高耐熱材の製造方法であって、
前記ガラス繊維集合体本体に、高耐熱材用組成物が水系媒体に分散された分散体を含浸又は塗布する含浸・塗布工程と、
加熱し、乾燥することにより、前記水系媒体の一部を除去する媒体除去工程と、
前記水系媒体の一部が除去された後、前記加熱と比べて高い温度で加熱することにより、前記高耐熱材用組成物を反応させ、保存可能な耐水性を有する断熱材とする硬化工程と、を備えることを特徴とする高耐熱材の製造方法。
ここで、前記「分散体」は、スラリー及びペーストを含み、前記「含浸・塗布工程」は、スラリーの場合は含浸させる工程、ペーストの場合は、塗布する工程を含むことを意味する。
6.前記高耐熱材用組成物が、カオリン系耐熱材、ムライト系耐熱材、アルミナ系耐熱材、ケイ素系耐熱材、シャモット系耐熱材、クロム系耐熱材、カーボランダム系耐熱材、及びマグネシア系耐熱材から選択される前記5.に記載の高耐熱材の製造方法。
7.前記2.又は4.に記載の複合型高耐熱材の製造方法であって、
前記ガラス繊維集合体本体に、高耐熱性材用組成物が水系媒体に分散された分散体を含浸又は塗布する第1含浸・塗布工程と、
前記他のガラス繊維集合体本体に、前記高耐熱材用組成物の分散量が異なる分散体及び前記高耐熱材用組成物とは耐熱温度の異なる他の高耐熱材用組成物が水系媒体に分散された分散体のうちの少なくとも一方を含浸又は塗布する第2含浸・塗布工程と、
前記ガラス繊維集合体本体と、前記他のガラス繊維集合体本体とを接合し、複合化する複合化工程と、
加熱し、乾燥することにより、前記水系媒体の一部を除去する媒体除去工程と、
前記水系媒体の一部が除去された後、前記加熱と比べて高い温度で加熱することにより、前記高耐熱材用組成物及び前記他の高耐熱材用組成物を反応させ、保存可能な耐水性を有する断熱材とする硬化工程と、を備えることを特徴とする複合型高耐熱材の製造方法。
ここで、前記「分散体」は、スラリー及びペーストを含み、前記「含浸・塗布工程」は、スラリーの場合は含浸させる工程、ペーストの場合は、塗布する工程を含むことを意味する。
8.前記高耐熱材用組成物及び前記他の高耐熱材用組成物が、カオリン系耐熱材、ムライト系耐熱材、アルミナ系耐熱材、ケイ素系耐熱材、シャモット系耐熱材、クロム系耐熱材、カーボランダム系耐熱材、及びマグネシア系耐熱材から選択される前記7.に記載の複合型高耐熱材の製造方法。
9.粘土質性鉱物、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルを含むことを特徴とする高耐熱材用組成物。
10.前記粘土質性鉱物が、セピオライト、及び/又はハロイサイトである前記9.に記載の高耐熱材用組成物。
11.前記耐熱性セラミックスが、カオリン系セラミックス、ムライト系セラミックス、アルミナ系セラミックス、ケイ素系セラミックス、シャモット系セラミックス、クロム系セラミックス、カーボランダム系セラミックス、及びマグネシア系セラミックスから選択される1種又は2種以上である前記9.又は10.に記載の高耐熱材用組成物。
12.前記無機酸化物ゾルが、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、及びジルコニアゾルから選択される1種又は2種以上である前記9.乃至11.のうちのいずれか1項に記載の高耐熱材用組成物。
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)は、ガラス繊維集合体本体と、このガラス繊維集合体本体に含有される反応硬化耐熱相とを備え、1000℃以上の温度域で溶融しない。これにより、火災などによって高温の加熱が継続した場合でも、外部からの熱が十分に遮断され、内部を加熱状態から保護することができる。
本発明の複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)は、一方の耐熱材と、この一方の耐熱材に接合された耐熱性の異なる他方の耐熱材と、を備え、1000℃以上の温度域で溶融しない。このように厚さ方向に断熱性の異なる耐熱材を備えることにより、耐熱、断熱を要するより多くの用途において用いることができる高耐熱材(高耐熱性断熱材)とすることができる。
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)の製造方法は、特定の含浸工程と、媒体除去工程と、硬化工程と、を備える。このような簡易な工程により、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が反応し、硬化して、保存可能な耐水性を有する高耐熱材(高耐熱性断熱材)を容易に製造することができる。
本発明の複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)の製造方法は、含浸工程と媒体除去工程との間に、耐熱温度の異なる高耐熱性断熱材用組成物等が含浸された2枚のガラス繊維集合体シート本体を接合する複合化工程を備える。これにより、厚さ方向に耐熱温度の異なる断熱材を備え、耐熱、断熱を要するより多くの用途において用いることができる複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)を容易に製造することができる。
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物は、粘土質性鉱物、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルを含む。これにより、本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)及び複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)を製造する上で極めて有用である。すなわち、この高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物を用いた製造方法により、更に耐熱性に優れた高耐熱性断熱材及び複合型高耐熱性断熱材を容易に製造することができる。
高耐熱材(高耐熱性断熱材)の模式的な断面図である。 複数の高耐熱材(高耐熱性断熱材)が接合された積層体からなる高耐熱材(高耐熱性断熱材)の模式的な断面図である。 反応硬化耐熱相の耐熱温度が低いガラス繊維集合体シート本体の両面に、耐熱温度が高いシート本体が積層された複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材の模式的な断面図である。 異なる種類の反応硬化耐熱相を含有する高耐熱材(高耐熱性断熱材)が接合された複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)の模式的な断面図である。 ウェットシートを金属製パイプに巻き上げて高耐熱材(高耐熱性断熱材)を製造する形態を表す模式的な説明図である。 筒型の半割り状態の湾曲金型を用いて製造された大型の高耐熱材(高耐熱性断熱材)の模式的な斜視図である。 鉄筋コンクリート造りの柱に図6の高耐熱材(高耐熱性断熱材)が配設された形態の模式的な斜視図である。 箱型の高耐熱材(高耐熱性断熱材)と、これに組み合わせて用いられる平板な高耐熱材(高耐熱性断熱材)との模式的な断面図である。 尚、図1~5における仮想線3は、製造初期段階では存在する接合界面であるが、製品となる過程で界面は消滅し、一体化されるため、接合面ではなく仮想面とした。
以下、本発明を図も用いて詳しく説明する。
〔1〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)は、ガラス繊維集合体本体と、ガラス繊維集合体本体に含有される反応硬化耐熱相とを備える。
「ガラス繊維集合体本体」の形状、製品形態は特に限定されず、シート、ニードルマット、ボード、フェルト、不織布、フィルム状体、紙状体、織物等とすることができる。
更に詳しく言えば、「ガラス繊維集合体本体」は、ニードルマットやブランケット製品の様な嵩高の製品や、ガラス繊維織物やガラス繊維紙、ガラス繊維不織布等のようなガラス繊維基材の密度の高い製品もある。これらの密度の違うガラス繊維基材を用いて、反応性耐熱組成物と反応硬化させた場合、ガラス繊維基材の嵩高の製品は耐熱性と断熱効果が共に認められる。一方、ガラス繊維基材の空間の少ない密度の高い製品は、特に、耐熱性の向上効果に優れる傾向がある。その原因はガラス繊維基材の構造と密接な関係にあり、繊維密度の差によって生じている。断熱性よりも主に耐熱性に優れるものの坪量は約150~900g/m、好ましくは約200~600g/mであるとすることができる。また、断熱性をも備えるものとしてはこの値よりも例えば約1/4~1/2程度の値とすることもできる。尚、主にこの耐熱性且つ断熱性、又は耐熱性に適するか否かは、この繊維密度のみならず、ガラス繊維集合体本体の厚さ又は高耐熱材(高耐熱性断熱材)の厚さにも関係していると考えられる。前者の例としてシート、ニードルマット、ボード、フェルトが挙げられ、後者の例として不織布、紙状体、織物等が挙げられる。尚、高耐熱材(高耐熱性断熱材)10は、ガラス繊維集合体シート本体1と、ガラス繊維集合体本体1に含有される反応硬化耐熱相21とを備える(図1参照)。この耐熱性断熱材10は、1000℃以上の温度域で溶融しない優れた耐熱性、断熱性を有する。また、本発明の高耐熱性断熱材10は、1000℃以上の温度域で溶融しないが、反応硬化耐熱相21を構成する耐熱材の耐熱温度等によっては、1100℃以上、特に1200℃以上、更には1300℃以上の高温域であっても溶融しない、より優れた耐熱性、断熱性を有する断熱材とすることもできる。尚、ガラス繊維の耐熱温度は、Eガラス繊維では400~600℃程度、特殊ガラス繊維でも800℃程度である。
また、高耐熱材(高耐熱性断熱材)は、図1では、1枚の高耐熱材(高耐熱性断熱材)10であるが、高耐熱材(高耐熱性断熱材)は、複数枚の耐熱材(断熱材)が接合され、積層された形態とすることもできる。積層される耐熱材(断熱材)の層数は所要の耐熱性、断熱性によって適宜設定することができる。積層される低熱材の層数は、各々の耐熱材の厚さにもよるが、2~10層、特に3~8層、更には4~7層程度とすることができる。更に、各々の層の厚さは略同じでもよく、異なっていてもよい(図2では、同じ厚さの耐熱材が5層接合されて一体化し、高耐熱材(高耐熱性断熱材)20となっている)。
更に、ガラス繊維集合体シート本体1に耐熱性組成物スラリーを含浸させたシートを複数枚接合する場合、シート表面が湿潤状態であれば、そのまま接合すればよく、表面が乾燥状態で接合不可であるときは、同質の耐熱性組成物スラリーを塗布した後、接合すればよい。
(1)ガラス繊維集合体本体
ガラス繊維集合体本体は、複数本のグラスファイバーからなっている。グラスファイバーは、SiOを主成分とする無機繊維であり、SiOを主成分とする限り、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、Al、Fe、TiO、CaO、NaO等が挙げられる。また、グラスファイバーにおける各々の成分の含有量についても特に限定されない。
主成分であるSiOの含有量は、通常30~99質量%であり、40~99質量%、特に50~98質量%、更に60~95質量%であることが多い。グラスファイバーの具体例としては、例えば、日本硝子繊維株式会社等の製品であるシリカガラス及びEガラスなどのグラスロービングなどが挙げられる。グラスファイバーは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ガラス繊維集合体シート本体1の形成方法も特に限定されないが、例えば、回転無端ベルト上にガラス繊維を供給し、集積されたガラス繊維集合体をニードルパンチによりガラス繊維マットとしたガラス繊維集合体シート本体が挙げられる。このように、ニードルパンチにより形成されたガラス繊維マットであれば、それぞれのガラス繊維が十分に交絡され、密度の高いガラス繊維集合体シート本体とすることができる。これにより、シート内にスラリーが浸透し、含浸され易く、更には高耐熱性断熱材用組成物が反応硬化することにより、個々のガラス繊維間が十分に接合され、高強度の高耐熱材(高耐熱性断熱材)とすることができる。
グラスファイバーの径及び長さも特に限定されず、例えば、グラスファイバーの径は、通常、2~30μmであり、5~30μm、特に5~20μm、更に5~15μmであることが多い。また、グラスファイバーの長さは、ガラス繊維集合体シート本体1の形状維持の観点から長繊維であることが好ましく、10mm以上、特に20mm以上、更に30mm以上であり、50mm以上であることが好ましい(通常、100mm以下、特に80mm以下である)。このようなグラスファイバーであれば、ニードルパンチ法により、それぞれのガラス繊維が十分に交絡され、密度の高いガラス繊維集合体シート本体となるガラス繊維マットを容易に形成することができる。
ガラス繊維集合体本体の厚さは特に限定されず目的により種々選択されるが、例えば、ガラス繊維集合体本体の厚さは、0.05~500mm、更に0.05~60mm、更に0.05~40mm等とすることができる。
そして、断熱性をも併せ持つような、厚めのガラス繊維集合体本体(シート等)の厚さは2~500mm、好ましくは2~60mm、更に好ましくは3~40mm、又は2~30mmとすることができ、好ましくは2~25mm、より好ましくは3~20mmとすることができる。これらによれば所要の耐熱性、断熱性を有する高耐熱性断熱材とすることができる。
また、紙、ロービングクロス、不織布等のような、薄目のガラス繊維集合体本体の厚さは、0.05mm以上2mm未満とすることができ、好ましくは、0.1~1.5mmとすることができ、より好ましくは0.1~1.2mm、更に0.15~1.2mm、又は0.15~1.0mmとすることができる。特により薄いものとしては0.05~0.2mmとすることができる。
特に、ガラス繊維集合体紙状体本体は、紙のように薄く形成されたものであり、50~200μmの厚さとすることができる。
(2)反応硬化耐熱相
反応硬化耐熱相21は、高耐熱性断熱材用組成物が加熱され、反応し、セラミック化することにより硬化して形成される。高耐熱性断熱材用組成物として用い得る耐熱材は、種類によっては結晶構造中に結晶水を有していたり、風化による酸化分解で微粉化される段階で水酸基が生成したりして、多くの反応硬化耐熱相21が形成される。この高耐熱性断熱材用組成物は特に限定されず、例えば、カオリン系耐熱材、ムライト系耐熱材、アルミナ系耐熱材、ケイ素系耐熱材、シャモット系耐熱材、クロム系耐熱材、カーボランダム系耐熱材、及びマグネシア系耐熱材等から選択され、反応性、耐熱性の観点で、カオリン系耐熱材、ムライト系耐熱材、及びアルミナ系耐熱材などが好ましい。
高耐熱材(高耐熱性断熱材)10等における、ガラス繊維集合体シート本体1の質量(M1)と、反応硬化耐熱相21(21a、21b)との質量(M2)との比(M1/M2)は特に限定されないが、1.0~4.0とすることができ、1.5~3.5、好ましく2.0~3.0とすることができる。高耐熱性断熱材10に分散して含有される反応硬化耐熱相21のガラス繊維集合体シート本体1に対する質量比が1.0~4.0、特に1.5~3.5、更には2.0~3.0であれば、800℃以上、特に1000℃以上の高温においても溶融することがない、優れた耐熱性及び断熱性を有する高耐熱材(高耐熱性断熱材)10等とすることができる。
また、高耐熱材(高耐熱性断熱材)10等の密度は嵩比重で0.3~1.5程度、好ましくは0.4~1.5程度とすることができる。この嵩比重は、圧縮強度と断熱効率とを考慮すると0.5~1.2程度が好ましい。更に、高耐熱材(高耐熱性断熱材)10の使用に際しては、嵩比重と耐熱温度、及び熱風摩耗なども考慮し、例えば、炉内高温部での使用は可能な限り避けることが好ましいが、炉内高温部で用いるときは嵩比重を1.0~1.5程度と高くしておくことができる。また、複数枚の耐熱材が接合され、積層された形態(図3参照)では、耐熱温度の高い高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が含有される側及び同じ高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物であるときは、含有量の多い側のうちの少なくとも一方の側、即ち、耐熱性の高い側を高温部側に配置し、耐熱性の低い側を低温部側に配置するよう、耐熱強度、断熱効率などを考慮し、最も効率のよい組み合わせとして用いることが好ましい。
尚、高耐熱材(高耐熱性断熱材)10等を加熱炉内に載置し、例えば、1500℃で7時間加熱した場合、高耐熱材(高耐熱性断熱材)10等は眩しく白熱色に輝く耐火物となり、全く溶融はしない。更に、冷却後、高耐熱材(高耐熱性断熱材)10等を切断し、内部を観察すると、ガラス繊維シートは見当たらず、固相反応により完全に消滅する。
〔2〕複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)
本発明の複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)は、ガラス繊維集合体本体A1と、前記ガラス繊維集合体本体A1に分散して含有される反応硬化耐熱相A2と、を備える一方の断熱材Aと、他のガラス繊維集合体本体B1と、前記他のガラス繊維集合体本体B1に分散して含有される、前記反応硬化耐熱相A1とは耐熱温度の異なる他の反応硬化耐熱相B2と、を備え、前記一方の耐熱材(断熱材)Aに接合された他方の耐熱材(断熱材)Bと、を具備する。
例えば、本発明の複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)30(図3参照)、40(図4参照)は、ガラス繊維集合体シート本体1及びガラス繊維集合体シート本体1に分散して含有される反応硬化耐熱相21b、21を備える一方の断熱材と、他のガラス繊維集合体シート本体1a及び他のガラス繊維集合体シート本体1aに分散して含有される反応硬化耐熱相21b、21とは耐熱温度の異なる他の反応硬化耐熱相21a、22を備え、一方の断熱材に接合された他方の断熱材と、を具備する(図4参照)。
この複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)30、40は、1000℃以上の温度域で溶融しない優れた耐熱性と断熱性とを利用するもので、例えば、炉心の高温側に耐熱温度の高い側を配置し、炉心の内側に耐熱温度の低い側を配置して、温度勾配と断熱効率を有効に活用することができる。
本発明の複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)30、40は、1000℃以上の温度域で溶融しないが、反応硬化耐熱相21b、21及び他の反応硬化耐熱相21a、22の各々を構成する耐熱材の種類等によっては、1100℃以上、特に1200℃以上、更には1300℃以上の高温域であっても溶融しない、より優れた耐熱性、断熱性を有する断熱材とすることもできる。
複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)30、40におけるガラス繊維集合体シート本体1及びガラス繊維集合体シート本体1aとしては、前述の〔1〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)におけるガラス繊維集合体シート本体1に係る記載をそのまま適用することができる。また、反応硬化耐熱相21b、21及び他の反応硬化耐熱相21a、22は、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の粒子が加熱され、反応し、セラミック化することにより硬化して形成される。この高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物としては、前述の〔1〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)における高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物に係る記載をそのまま適用することができる。更に、複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)30、40の密度(嵩比重)、及び密度が大きく、耐熱性の高い側が高温部側に配置され、密度が小さく、耐熱性の低い側が低温部側に配置されるという使用形態についても、高耐熱材(高耐熱性断熱材)10等における密度(嵩比重)及び使用形態に係る記載をそのまま適用することができる。
また、複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)40は、図4では、一方の耐熱材(断熱材)と他方の耐熱材(断熱材)との2層からなっているが、複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)40は、図4のような複合材が更に接合され、積層された形態とすることもできる。更に、図4では、耐熱性、断熱性の異なる2種の高耐熱材(高耐熱性断熱材)が積層されているが、耐熱性、断熱性の異なる3種以上の高耐熱材(高耐熱性断熱材)が積層された形態とすることもできる。これらの場合、各々の断熱材の厚さ、積層される断熱材の層数は所要の耐熱性、断熱性及び用途などによって適宜設定することができる。また、各々の層の厚さは略同じでもよく、異なっていてもよい(図3の複合型高耐熱性断熱材30参照)。
更に、複数枚のガラス繊維集合体シート本体が接合され、積層されて複合化される場合、湿潤状態で接合し、複合化する方法が最も好ましい。乾燥が進み、接合不可となったときは、同質の耐熱性組成物スラリーを塗布し、接合すればよい。
尚、複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)30、40を加熱炉内に載置し、例えば、1600℃で6時間加熱した場合、複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)30、40は眩しく白熱色に輝く耐火物となり、全く溶融はしない。また、冷却後、シートを切断し、内部を観察すると、ガラス繊維シートは見当たらず、固相反応により完全に消滅する。
これらの現象は、例えば、Eガラス繊維で軟化点840~850℃のニードルマットに対して1,500℃の反応性耐熱組成物を用いて、500℃で8時間硬化反応処理を行ったものを、1,350℃で3時間加熱したところ、Eガラス繊維は反応性耐熱組成物と固相反応を起こし、より高い融点の物質へと変化し、Eガラス繊維は存在せず、本体は初期の成型体の形状を維持した状態であった。
高耐熱材(高耐熱性断熱材)及び複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)の用途としては、例えば、工業用炉材の耐熱、断熱材としての用途が挙げられる。この場合、特に高温の部位、風量が多い部位等の厳しい環境下にある部位での使用は避け、中心部から低温側の所要耐熱温度が1100~1700℃程度の部位に用いることが好ましい。また、高耐熱材(高耐熱性断熱材)及び複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)は住宅、ビルディングなどの耐熱断熱加工、及び防火設備用関係の用途において用いることもできる。この場合、間仕切り壁、防火ドア等には1000~1350℃程度の耐熱性、断熱性を有する断熱材により対応し、防火設備には表面密度が高く、より耐熱性、断熱性に優れる断熱材を用いることが好ましい。
しかし、前記の断熱効果を有する耐熱性材のガラス繊維基材以外に、ガラス繊維集合体の中には、耐熱性の向上効果は認められるが、断熱効果が十分に得られにくいガラス繊維基材がある。
ガラス繊維集合体の中にはニードルマットやブランケット製品のような、嵩高の製品がある一方、ガラス繊維織物やガラス繊維紙、ガラス繊維不織布などのように、ガラス繊維基材の密度の高い製品がある。これらのガラス繊維基材と、反応性耐熱組成物とを反応硬化させると、ガラス繊維基材の耐熱性の向上効果は認められるが、十分に断熱効果が認められにくい場合がある。その原因は、ガラス繊維基材の構造と密接な関係があり繊維密度が大きいために、十分な断熱層を作りにくいことがある。
しかし、ガラス繊維基材と反応性耐熱組成物とを反応硬化させることにより、ガラス繊維基材の持つ特徴と、反応性耐熱組成物の持つ耐熱性向上効果に加えて、強靭性、絶縁性、熱伝導性、寸法安定性、熱膨張抑制効果などの特徴を持つ耐熱性の基材を得ることができた。
ガラス繊維製品のなかでも繊維基材の密度が高いガラス繊維織物やガラス繊維紙、ガラス繊維不織布などを加工した製品は、高温耐熱用のフィルターやハニカム構造体から加工する熱交換器などの基材として使用できる。また、ガラス繊維織物やガラス繊維シート、ガラス繊維不織布などのガラス繊維基材に反応性耐熱組成物ペーストを塗布し、ホットプレス加工で多層構造化したシートやパイプ類は、高強度、耐熱性、熱伝導性、絶縁性などの特徴があり、電気絶縁板や電子基板などの電材部品基材として利用できる。
これらの製品は、いずれもガラス繊維基材に反応性耐熱性組成物を作用させ、その機能を利用して、耐熱性の向上を主体に、耐熱性、寸法安定性、被膜効果、強靭化、絶縁性、熱伝導性、熱膨張抑制などの特徴をもった基材となる。
以上より、例えば、繊維基材としては、耐熱性及び断熱性を目的として、厚さが比較的大きくて、嵩高で密度が小さなシート、ニードルマット、ボード、フェルト等とすることができ、また、断熱性を目的としないとして、厚さが小さくて密度が高い不織布、繊維紙(紙状体)、織物等とすることができる。
〔3〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)の製造方法
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)の製造方法は、ガラス繊維集合体本体に、高耐熱性断熱材用組成物が水系媒体に分散された分散体を含浸又は塗布する含浸・塗布工程と、
分散体が含浸又は塗布されたガラス繊維集合体本体を加熱し、乾燥することにより、水系媒体の一部を除去する媒体除去工程と、水系媒体の一部が除去された後、より高い温度で加熱し、乾燥することにより、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物を反応させ、保存可能な耐水性を有する断熱材とする硬化工程と、を備える。
ここで、前記「分散体」は、スラリー及びペーストを含み、前記「含浸・塗布工程」は、スラリーの場合は含浸させる工程、ペーストの場合は、塗布する工程を含むことを意味する。
このガラス繊維集合体の形状は特に限定はないが、ガラス繊維集合体シートを例として以下説明する。
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)の製造方法において、ガラス繊維集合体シート本体としては、前述の〔1〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)におけるガラス繊維集合体シート本体1に係る記載をそのまま適用することができる。また、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の粒子が加熱され、反応し、セラミック化することにより硬化し、反応硬化耐熱相が形成される。無機系耐熱材としては、前述の〔1〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)における無機系耐熱材に係る記載をそのまま適用することができる。
水系媒体としては、水及びメタノール等の水との相溶性の高い有機溶媒などからなる水系媒体が用いられ、媒体は水のみであることが多い。また、水系媒体に分散される高耐熱性断熱材用組成物の含有量は特に限定されないが、通常、20~60質量%であり、好ましくは30~50質量%、より好ましくは35~45質量%である。
ガラス繊維集合体シート本体に、耐熱性組成物スラリーを含浸させる方法は特に限定されず、ガラス繊維集合体シート本体の厚さが、例えば、3~5mm程度と薄く、スラリーの粘度が低い場合は、ガラス繊維集合体シート本体の表面にスラリーを塗布し、含浸させることができる。塗布方法としては、スプレー塗布、ロールコート等が挙げられる。スラリーの塗布量は特に限定されないが、150~350g/m、特に200~300g/mとすることができる。
また、ガラス繊維集合体シート本体の厚さが、例えば、3~5mm程度と薄く、スラリーの粘度が低い場合、スラリーは、ガラス繊維集合体シート本体をスラリーに浸漬することによって含浸させることもできる。特にガラス繊維集合体シート本体の層厚が大きいときは、浸漬し、含浸させることで、層全体にスラリーが十分に、且つ均等に含浸されたガラス繊維集合体シート本体とすることができる。塗布、浸漬により、ガラス繊維集合体シート本体に、耐熱性組成物スラリーを含浸させる方法では、含浸工程と乾燥工程とを連続した工程として実施することもできる。
更に、ガラス繊維集合体シート本体の厚さが、5mmを超え、例えば、10~20mm程度と厚く、スラリーの粘度が高い場合は、水系媒体に分散される高耐熱性断熱材用組成物の含有量なども勘案し、加圧・減圧法により気泡の混入を避けてスラリーを含浸させることができる。これにより、ガラス繊維集合体シート本体が厚い場合、及びスラリーに含有される高耐熱性断熱材用組成物が多量である場合であっても、ガラス繊維集合体シート本体に所要量のスラリーを含浸させることができる。
尚、スラリーが含浸された湿潤シートは、両面に樹脂フィルムが積層されたシート、又はこのシートを捲回してなるロール形態として保存することができ、築炉時及び補修工事用などとして使用することができる。
また、媒体除去工程では水系媒体の一部を除去し、接合し易い状態にまで水分調整をするが、スラリーが含浸された複数枚のガラス繊維集合体シート本体を積層させるときに乾燥が進み、接合不可となったときは、同質の耐熱性組成物スラリーを塗布し、接合すればよい。媒体除去工程は、シート本体が柔軟性を有するうちに、接合、曲げ加工、冶具への取り付けなどの作業を容易にするための調整段階で必要に応じた程度に行われるが、最終的には硬化工程を順調に進めるための乾燥工程であり、余剰な水分を除去する重要な工程である。媒体除去工程は、本来、余剰な水分を除去する乾燥工程であり、媒体除去条件は、加熱温度が100~125℃、特に105~125℃、更に100~120℃、加熱時間は加熱温度を考慮し、次工程の作業が容易に実施でき、十分な初期強度が得られる時間とする。加熱時間は乾燥物の平面寸法及び厚さにもよるが、およそ3~25時間、特に10~25時間、更に15~20時間程度とすることができる。
更に、硬化工程では、初期の加熱が更なる乾燥工程となり、余剰な水分が更に除去された後、脱水縮合反応が遂行される。脱水縮合反応は200℃近辺から600℃近辺にかけて徐々に進行するため、硬化工程における加熱温度及び加熱時間は、300~650℃で3~30時間、350~550℃で15~25時間(低温であれば長時間、高温であれば短時間とする)程度とすることができる。例えば、350℃で10~30時間、600℃で3~15時間とすることができ、硬化物の寸法、構造の複雑さ、乾燥機の種類等によって調整する必要がある。この硬化工程の目的は、ガラス繊維集合体シート本体に、反応硬化耐熱相を含有させたシート本体単体、又は積層し、複合化させた構造物に長期保存可能な強度と耐水性とを付与することである。
〔4〕複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)の製造方法
本発明の複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)の製造方法は、ガラス繊維集合体本体に、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が水系媒体に分散された分散体を含浸又は塗布する第1含浸・塗布工程と、他のガラス繊維集合体本体に、同質であり濃度の異なる高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物及び耐熱温度の異なる他の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が水系媒体に分散された分散体のうちの少なくとも一方を含浸又は塗布する第2含浸・塗布工程と、分散体が含浸又は塗布されたガラス繊維集合体本体と、他のガラス繊維集合体本体とを接合し、積層化する複合化工程と、加熱し、乾燥することにより、水系媒体の一部を除去する媒体除去工程と、水系媒体の一部が除去された後、媒体除去工程における加熱温度と比べて高い温度で加熱し、乾燥することにより、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物及び他の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物を反応させ、保存可能な耐水性を有する耐熱材(断熱材)とする硬化工程と、を備える。尚、同質であり濃度の異なる高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物と、耐熱温度の異なる他の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物とは、いずれを用いてもよいが、特に耐熱性の向上という観点では、耐熱温度の異なる(耐熱温度の高い)他の高耐熱性断熱材用組成物を用いることが有効である。また、硬化工程における初期の段階は乾燥工程となり、加熱により水分が完全に除去される。そして、その後の加熱の続行により、脱水縮合反応が完了し、長期保存可能な強度と耐水性とを有する複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)とすることができる。
ここで、前記「分散体」は、スラリー及びペーストを含み、前記「含浸・塗布工程」は、スラリーの場合は含浸させる工程、ペーストの場合は、塗布する工程を含むことを意味する。
このガラス繊維集合体の形状は特に限定はないが、ガラス繊維集合体シートを例として以下説明する。
複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)の製造方法における第1含浸・塗布工程及び第2含浸・塗布工程については、〔3〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)の製造方法における含浸・塗布工程の記載をそのまま適用することができる。また、媒体除去工程及び硬化工程についても、〔3〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)の製造方法における媒体除去工程及び硬化工程の記載をそのまま適用することができる。
更に、複合化工程では、例えば、ガラス繊維集合体シート本体に高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が水系媒体に分散された耐熱性組成物スラリーを含浸させたシート(図3の21b参照)の両面側に、他のガラス繊維集合体シート本体に耐熱温度の高い高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が水系媒体に分散された耐熱性組成物スラリーを含浸させたシート(図3の21a参照)を接合し、積層させることで複合化することができる。また、耐熱温度の異なる高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が水系媒体に分散された耐熱性組成物スラリーが含浸された2枚のガラス繊維集合体シート本体1、1a(図4参照)を接合し、積層させることで複合化することもできる。このように複合化された高耐熱材(高耐熱断熱材)は、耐熱性、断熱性が厚さ方向に傾斜しているため、例えば、炉心には耐熱温度の高い側を配置するなど、使用時の耐熱性と断熱性とを考慮した構造となっている。尚、本発明では、同質のシートを複数枚接合し、積層させた耐熱性断熱材とすることもできる(5枚のシートが積層された図2参照)。このようにして強度と断熱性とを高めることもできる。
〔5〕高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物は、粘土質性鉱物、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルを含む。
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物は、本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)及び複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)の製造するために極めて有用である。
すなわち、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物は、ガラス繊維基材と反応し、ガラス繊維基材の耐熱性を大きく向上させることができる。例えば、ガラス繊維基材(耐熱性;400~800℃)であれば、耐熱性を1000℃以上に向上させることができる。耐熱性は、耐熱性セラミックスの種類により調整可能である。
そして、無機繊維基材に、本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が水系分散された分散体を含浸又は塗布させ、柔軟性がある状態で、成形・加熱硬化させることにより多彩な形状の高耐熱材(高耐熱性断熱材)を形成することができる。
(1)粘土質性鉱物
本発明において、「粘土質性鉱物」は、主に「耐熱性セラミックス」に作用して、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物に粘性を付与し、スラリー性状にしやすくするものである。
粘土質性鉱物としては、特に限定はなく、結晶質粘土鉱物、非晶質粘土鉱物、又は準晶質粘土鉱物を使用できるが、これらの中でも結晶質粘土鉱物がより好ましい。更に好ましくは、セピオライト及び/又はハロイサイトであることが好ましい。
これらの中でも特に、セピオライトが好ましい。セピオライトは、含水ケイ酸マグネシウム[MgSi1230(OH(OH)6~8HO]を主成分とし、温度が変化しても粘性が変化しにくく、高温であっても高い粘性を維持することができる。
そのため、スラリー状にしてガラス繊維等の無機繊維基材へ塗布した場合、加熱処理をしても、厚い層に亘って粘性状態を保持でき、流出することがない。
そのため、無機繊維基材の表面へ密着して、固相反応を起こすことができる。そうすることで、個々の無機繊維間が十分に接合され、高強度の耐熱性断熱材とすることができる。
セピオライトの組成は、特に限定はないが、SiO50~70重量部、MgO20~25重量部であることが好ましい。更に、Al2~4重量部、CaO1~2重量部等を含んでいてもよい。
セピオライトの平均粒径は、特に限定はないが、5~10μmであることが好ましい。この範囲であれば、無機繊維基材の表面への密着はもとより、内部にまで浸透して固相反応を起こしやすい。
また、比表面積は、特に限定はないが、200~400mであることが好ましく、250~350mであることが更に好ましい。200~400mの範囲であれば、固相反応の効率を高く維持することができる。なお、pHは、特に限定はないが、8~10とすることができる。
(2)耐熱性セラミックス
本発明において、「耐熱性セラミックス」は、主として無機繊維基材と反応して耐熱性を向上させるものである。
「耐熱性セラミックス」としては、特に限定はないが、陶土等の天然鉱物のほか、カオリン系セラミックス(カオリナイト等)、ムライト系セラミックス(ムライト等)、アルミナ系セラミックス(アルミナ等)、ケイ素系セラミックス(シリカ、シリカアルミナ等)、シャモット系セラミックス、クロム系セラミックス、カーボランダム系セラミックス、マグネシア系セラミックス、及びリン酸系セラミックス等から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。これらの中でも特に、カオリン系セラミックス(カオリナイト等)、ムライト系セラミックス(ムライト等)、アルミナ系セラミックス(アルミナ等)であることが好ましい。また、これらのうち、繊維系セラミックス、例えばヒドロキシアパタイト等を好適に用いることができる。
耐熱性セラミックスは、希望の耐熱温度(1000℃以上、特に1100℃以上、更に1200℃以上、特に1400~1800℃)を得るために上記の材料を適宜選択することができる。なお、これらの材料は反応性を向上させるために粒径の小さい微粒子であることが好ましい。粒径は微粒子であれば特に限定はないが、15μm以下であることが好ましい。
(3)無機酸化物ゾル
本発明において、「無機酸化物ゾル」は、粘土質性鉱物と混合することで、高耐熱性断熱材用組成物を更に均一なスラリー性状にし、無機繊維基材に含浸し、均一に硬化反応をしやすくするものである。
「無機酸化物ゾル」としては、特に限定はないが、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、及びジルコニアゾルなどが挙げられる。
無機酸化物ゾルは、水系媒体に無機酸化物が分散、含有された分散液を用いることができる。無機酸化物ゾルにおける無機酸化物の含有量も特に限定されないが無機酸化物ゾルを100重量部とした場合に、好ましくは20~40重量部、より好ましくは25~35重量部である。無機酸化物の含有量が20~40重量部であれば、無機繊維どうしを容易に且つ十分に結着させることができる。
無機酸化物ゾルの中でも特に、シリカゾルが好ましい。シリカゾルであれば、様々な粒子径、粒度分布、形状などの選択がしやすく、耐熱性、結合性、硬度などの必要な物性に適合することができる。
シリカゾルは、焼成することで、シリカゾル表面のシラノール基[Si-OH]が化学結合に寄与し、微粒子であることが多数の接点を生むため大きな強度を発現させることができる。ガラス繊維などの無機繊維にシリカゾルを含浸させると無機繊維の隙間にシリカゾルが毛細管現象によって集まり、シラノール基の脱水縮合によって、無機繊維同士を強固に結合させることができる。
また、酸化物ゾルの中でもシリカゾル系の製品が最も広く使われている。シリカゾル系の製品には様々な粒子径、粒度分布や形状を有する製品が多く、結合性、耐熱性、付着性、被膜性などの機能の付与が可能である。またアルミナゾル系の製品も種類が多く、耐熱性、結合性が強く強扨な被膜形成ができる。酸化物ゾルは分散性が良く、粒子が極めて小さいことから固相反応において高い反応性を発揮する。これらの中でも、繊維系ゾルがガラス繊維とのからみに優れること等において、特に好ましい。
一方、耐熱性セラミックスと無機酸化物ゾルを混合するのみでは、耐熱性セラミックスが沈殿する場合があり、スラリー性状が得られにくく、無機繊維基材に用いても流出してしまいやすい。
耐熱性セラミックスと粘土質性鉱物、特に粘土鉱物を加えることで粘性の大きくすることができると共に、更に無機酸化物ゾルを混合することで、無機繊維に対する反応性を高めることができる。
特に、粘土質性鉱物としてセピオライト、無機酸化物ゾルとしてシリカゾルを用いた場合に、効果的である。すなわち、高温になっても高い粘性を維持できるセピオライトと、低分子で反応性に優れたシリカゾルと、を耐熱性セラミックスと組み合わせることで高温に耐えられる高耐熱材(高耐熱性断熱材)が得られる。
また、粘土質性鉱物として繊維性鉱物(セピオライト等)と、シリカゾルとして繊維性ゾル(アルミナナノファイバーゾル等)との組み合わせ、更にこれらと、耐熱性セラミックスとして繊維性セラミックス(ヒドロキシアパタイト等)との組み合わせとすることが好ましい。
(4)その他の成分
高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物は、上記(1)~(3)以外にその他の成分を含むことができる。
(a)増粘剤
高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の粘性を増加させるための補助剤としてCMC(カルボキシメチルセルロース)、ポリアクリル酸ソーダ、糊料等を含むことができる。増粘剤の含有量は特に限定はないが、高耐熱性断熱材用組成物の固形分の合計を100重量部とした場合に、通常2~5重量部である。
(b)硬化促進剤
高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の硬化を促進させるための硬化促進剤として、ヘキサメタリン酸ソーダ等を含むことができる。
硬化促進剤の含有量は特に限定はないが、高耐熱材(高耐熱性断熱材)材用組成物の固形分の合計を100重量部とした場合に、通常0.2~0.5重量部である。
(c)浸透剤
高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が、無機繊維に対して浸透しやすくするための浸透剤として、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム等(例えば、第一工業製薬(株)製「ネオコールYSK」)を含むことができる。
浸透剤の含有量は特に限定はないが、高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の固形分の合計を100重量部とした場合に、通常0.2~1.0重量部である。
(5)高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の調製
高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の調製をするには、粘土質性鉱物と、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルの3種類の成分(以下「3成分」という。)、及び必要があればその他の成分を混合する。これらの成分の混合方法は、特に限定されない。容器に3成分及びその他の成分を同時に投入して、攪拌して混合してもよいし、3成分のうちのいずれか2種類の成分を混合し、その後、他の1種類の成分を投入し、攪拌して混合してもよい。また、いずれか1種類の成分が収容された容器に、他の2種類の成分を同時に、又は順次、投入し、攪拌して混合してもよい。更に、これらを混合した後に、必要に応じて、水系媒体を投入し、希釈してもよい。
前記3成分を混合する際の割合は、特に限定されないが、前記3成分の固形分の合計を100重量部とした場合に、粘土質性鉱物が25~45重量部、耐熱性セラミックスが15~55重量部、無機酸化物ゾルが5~55重量部であることが好ましく、粘土質性鉱物が30~40重量部、耐熱性セラミックスが20~50重量部、無機酸化物ゾルが10~50重量部であることが更に好ましい。
また、3成分のうちの無機酸化物ゾルが、球状のゾルであるである場合には、前記3成分の固形分の合計を100重量部とした場合に、粘土質性鉱物が20~40重量部、耐熱性セラミックスが10~30重量部、無機酸化物ゾルが40~55重量部であることが好ましく、粘土質性鉱物が25~35重量部、耐熱性セラミックスが20~25重量部、無機酸化物ゾルが45~50重量部であることが更に好ましい。球状の無機酸化物ゾルとしては、シリカゾルが例示される。
更に、3成分のうちの無機酸化物ゾルが、繊維状のゾルであるである場合には、前記3成分の固形分の合計を100重量部とした場合に、粘土質性鉱物が25~45重量部、耐熱性セラミックスが35~55重量部、無機酸化物ゾルが5~20重量部であることが好ましく、粘土質性鉱物が30~40重量部、耐熱性セラミックスが40~55重量部、無機酸化物ゾルが8~20重量部であることがより好ましく、粘土質性鉱物が30~40重量部、耐熱性セラミックスが40~55重量部、無機酸化物ゾルが10~20重量部であることが更に好ましい。繊維状の無機酸化物ゾルとしては、アルミナゾルが例示される。
上記割合とすることにより、ガラス繊維の耐熱性を大きく向上させるための高耐熱性断熱材用組成物とすることができる。より具体的には、特にガラス繊維を中心とする無機繊維において、上記の混合割合の高耐熱性断熱材用組成物を含浸、加熱処理等を行うことで軟化点又は融点が800℃以下のガラス繊維を、1000℃以上、特に1100℃以上、更に1200~1700℃程度まで耐熱性を向上させることができる。
少なくともガラス繊維の表面が、加熱により融点以上の温度で高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物と固相反応を起こし、より高い融点の材質へと変化する。すなわち、高温で高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物を焼成することにより、少なくともガラス繊維の表面にガラス繊維より高温の無機結晶層が生成する。そのため、ガラス繊維よりも耐熱性の大きい耐熱材(断熱材)となる。
更に、200~600℃よりも高い温度(例えば800~1000℃)で加熱することにより、高耐熱材(高耐熱性断熱材)材用組成物とガラス繊維とが反応することで、ガラス繊維自体も高耐熱性の材質へと変化し、更に一層の高耐熱材(高耐熱性断熱材)とすることができる。
以下、図面等に基づいて実施例により本発明を詳しく説明する。
<高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物の調製>
表1に示す高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物としての各試験品A~Fを調製した。更に、表2に示す高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物としての各試験品J~Lを調製した。これらに使用される成分原料は下記に示すものを用いた。
Figure 0007281819000001
Figure 0007281819000002
(1)粘土質性鉱物
粘土質性鉱物としては、セピオライト((株)セピオジャパン製、製品名:エードプラスSP、嵩比重0.22(g/cc)、平均粒径7.2μm、比表面積300(m/g)、pH8.9)を用いた。その組成を表3に示す。
Figure 0007281819000003
(2)耐熱性セラミックス
耐熱性セラミックスとしては、試験品A、Dについては、カオリナイト(山陽クレー工業(株)製、製品名:HAカオリン、330メッシュ(45μm)、15μm以下が100%)、試験品Bについては、ムライト(昭和電工(株)製)、試験品Cについては、アルミナ(住友化学(株)製)を用いた。
また、試験品E~Iについては焼結アルミナを用いた。
(3)無機酸化物ゾル
無機酸化物ゾルとして、試験品A~Dについては、シリカゾル(コロイダルシリカ)(愛知珪曹(株)製、製品名:サーフロイド30、SiO30重量%水溶液、pH9.5~10.5、粒子径10~20nm)を用いた。
更に、無機酸化物ゾルとして、試験品E、Fについてはアルミナゾル(アルミナナノファイバーゾル、繊維性ゾル、川上ファインケミカル(株)製、製品名;アルミゾル-F3000)、試験品G、Hについてはアルミナゾル(多木化学(株)製、製品名;バイラールAL-L7)、試験品Iについては、アルミナゾル(多木化学(株)製、製品名;バイラールAS-L10)を用いた。
(4)試験品の調製
試験品A~Iのそれぞれについて、容器に表1に示す3成分を同時に投入して、攪拌して混合した。その後、水を投入して希釈し、表1及び表2に示す組成になるように調製した。
試験品A~Iの各組成物を調製したところ、A~Cについてはスラリー性状であり、E~Iについてはペースト性状であった。
一方、粘土質性鉱物(セピオライト)を含まない試験品Dについては、耐熱性セラミックスが沈殿してしまい、スラリー性状、ペースト性状のいずれも得られなかった。この結果、粘土質性鉱物(セピオライト)が、高耐熱性断熱材用組成物をスラリー性状化又はペースト性状化するのに大きく寄与していることが判明した。
実施例1
厚さ5mmのガラス繊維集合体シート本体に、試験品Aの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の2.0倍)させ、ウェットシートを得た。その後、このシートを湿潤状態で5枚積層し、125℃で20時間乾燥させ、初期強度が得られ、脱水されたことを確認した。次いで、450℃で10時間硬化反応処理を行い、長期保存可能な強度及び耐水性を有する高耐熱性断熱材20を得た(図2参照)。
実施例2
厚さ4mmのガラス繊維集合体シート本体に、試験品Bの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の2.5倍)させ、ウェットシートを得た。このウェットシートを2枚用意し、他に厚さ20mmのガラス繊維集合体シート本体に、試験品Aの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の2.0倍)させ、ウェットシートを得た。その後、この湿潤状態のシートの両面に、別途、用意した前記の湿潤状態のシート2枚をそれぞれ接合して積層した複合型のシートを得た。次いで、この複合型のシートを120℃で15時間乾燥させ、初期強度が得られ、脱水されたことを確認し、その後、600℃で5時間硬化反応処理を行い、長期保存可能な強度及び耐水性を有する高耐熱性断熱材30を得た(図3参照)。
実施例3
厚さ20mmのガラス繊維集合体シート本体に、試験品Bの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の2.5倍)させ、ウェットシートを得た。他に、厚さ20mmのガラス繊維集合体シート本体に、試験品Cの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の2.5倍)させ、ウェットシートを得た。その後、この湿潤状態のシートに、別途、用意した前記の湿潤状態のシートを接合して積層した複合型のシートを得た。次いで、この複合型のシートを110℃で20時間乾燥させ、初期強度が得られ、脱水されたことを確認し、その後、500℃で10時間硬化反応処理を行い、長期保存可能な強度及び耐水性を有する高耐熱性断熱材40を得た(図4参照)。
実施例4
厚さ3mmのガラス繊維集合体シート本体に、試験品Aの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の2.0倍)させ、ウェットシートを得た。その後、このウェットシートを湿潤状態のまま、離型剤処理された径50mmの金属製パイプ4に厚さ30mm程度まで巻き上げて固定した。次いで、ウェットシートを金属製パイプに固定した状態のまま、120℃で20時間乾燥させ、初期強度が得られ、脱水されたことを確認し、その後、金属製パイプを取り除き、500℃で15時間硬化反応処理を行い、長期保存可能な強度及び耐水性を有する耐熱性断熱材50を得た(図5参照、図5では高耐熱性断熱材50と金属製パイプ4とが一体に図示されているが、実際の製品である高耐熱性断熱材50では金属製パイプ4は取り除かれている)。
実施例5
筒型の半割り状態の湾曲金型に合わせてカットした厚さ20mmのガラス繊維集合体シート本体に、試験品Aの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の2.0倍)させ、ウェットシートを得た。その後、このウェットシートを湿潤状態のまま、離型剤処理された筒型の半割り状態の湾曲金型に固定し、120℃で17時間乾燥させ、初期強度が得られ、脱水されたことを確認した。次いで、金型を外し、400℃で20時間硬化反応処理を行い、長期保存可能な強度及び耐水性を有する筒型の半割りの湾曲状の高耐熱性断熱材60を得た(図6参照)。
実施例6
箱型の小型金庫の寸法に合わせてカットした厚さ20mmのガラス繊維集合体シート本体を12枚用意し、これら12枚のシート本体に、試験品Aの反応性耐熱組成物スラリーを含浸(質量比でガラス繊維集合体シート本体の1.8倍)させ、12枚のウェットシートを得た。その後、これらのウェットシートを2枚一組で接合させて40mm厚さの積層ウェットシートを6枚形成し、5枚の積層ウェットシートを湿潤状態のまま、冶具により箱型に固定し、120℃で20時間乾燥させ、初期強度が得られ、脱水されたことを確認した。確認ができた時点で冶具を外し、350℃で25時間硬化反応処理を行い、長期保存可能な強度及び耐水性を有する箱型の金庫本体用の高耐熱性断熱材70aを得た(図8参照)。また、他の1枚の積層ウェットシートを同様にして乾燥させ、硬化反応処理を施し、蓋用の高耐熱性断熱材70bを得た(図8参照)。
実施例7
ロービングクロス(厚さ0.18mm、坪量209g/m)に試験品Eの反応性耐熱組成物ペーストを塗布(質量比でガラス集合体紙状本体(薄いシート本体)の重量2.1倍)し、ウェットシート5枚を得た。その後、このシートを湿潤状態で5枚を積層し、350℃で3時間、ホットプレスで乾燥固化処理を行なう。初期の段階で2回ガス抜きを行う。安定した状態を確認後、650℃で10時間硬化反応処理行い、長期保存可能な耐熱性、強靭性、耐水性、絶縁性を有する耐熱性のガラス基板を得た。この耐熱性の基板は絶縁板、電子基板などに利用できる
実施例8
ロービングクロス(厚さ0.6mm、坪量580g/m)に試験品Fの反応性耐熱組成物ペーストを塗布(質量比でガラス繊維集合体紙状(薄いシート)本体の重量2.2倍)し、ウェットシート2枚を得た。その後、このシートを湿潤状態で2枚を積層し、350℃で3時間、ホットプレスで乾燥固化処理を行なう。初期の段階で2回ガス抜きを行う。製品の安定した状態を確認後、更に、650℃で10時間硬化反応処理を行ない、長期保存可能な耐熱性、強靭性、耐水性を有するガラス繊維基板を得た。反応性耐熱組成物の付着量と繊維密度を調整すれば、耐熱性の絶縁基板や耐熱性フィルター基材、溶融アルミの濾過布などに利用できる。
実施例9
ロービングクロス(厚さ0.5mm、坪量325g/m)に試験品Gの反応性耐熱組成物ペーストを塗布(質量比でガラス繊維集合体シート本体の1.5倍)し、ウェットシート(紙状の薄いシート)を得た。このウェットシートを湿潤状態のまま、離型剤処理された径50mmの金属製パイプに厚さ8mm程度まで巻き上げて固定した。次いで、ウェットシートを金属製パイプに固定した状態のまま、350℃で5時間乾燥固化させ、初期強度が得られたことを確認した。その後、金属製パイプを取り除き、650℃で20時間硬化反応処理を行い、長期保存可能な強度と耐熱性を有する通気性の有る耐熱性パイプを得た。
このパイプは高強度、寸法安定性、耐熱性、不燃性、耐水性などの特徴もつパイプとなる。
実施例10
ガラス繊維不織布(厚さ0.54mm、坪量180g/m)に試験品Hの反応性耐熱組成物ペーストを塗布(質量比でガラス繊維集合体本体の2.5倍)し、ウェットシート2枚を得た。その後、このシートを湿潤状態で2枚積層し、350℃で3時間、ホットプレスで乾燥固化処理を行なった。(初期の段階で2回ガス抜きを行なう)安定した状態を確認後、650℃で3時間、更に、850℃で3時間、硬化反応処理を行ない、長期保存可能な耐熱性、強靭性、耐水性、絶縁性を有する耐熱性断熱材基材を得た。この耐火、耐熱性の有るガラス繊維基材は防火用の建築材料やリチウムイオン電池の耐火断熱材としても利用できる。
実施例11
ガラス繊維不織布(厚さ0.81mm、坪量270g/m)に「試験品I」の反応性耐熱組成物ペーストを塗布(質量比でガラス繊維集合体本体の重量2.5倍)し、ウェットシート2枚を得た。その後、このシートを湿潤状態で2枚積層し、350℃で3時間、ホットプレスで乾燥固化処理をする。安定した状態を確認後、650℃で3時間、更に、850℃で3時間硬化反応処理を行ない、長期保存可能な耐熱性、強靭性、耐水性、絶縁性を有する耐熱性断熱材基材を得た。
この耐火、耐熱性の有るガラス繊維基材は防火用の建築材料やリチウムイオン電池の耐火断熱材としても利用できる。
以上、実施例1~11のいずれの場合も、200~600℃の加熱による硬化反応処理工程で脱水縮合反応を終了させているので、長期間保存可能な強度と耐水性が得られている。また、これらの製品は化粧した保護カバーや冶具により固定して使用される。これらの耐熱性断熱材は火災などの高温加熱や1500~1600℃程度の高温までは耐えられる。上限は使用されている高耐熱基材の焼結温度が限度となる。これらの高耐熱材又は高耐熱性断熱材は高層建築物の電気関係及び給排水などの防火施設、高層建築物の防火壁、防火扉などの防火製品としての役割を担うものとなる。
尚、本発明では、上述の具体的な記載に基づく実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
例えば、実施例1では、5層の積層化シートからなる耐熱性断熱材とされ、高強度化が図られるが、積層厚を、例えば、50~100mmとして断熱性を向上させることができ、積層枚数が限定されるものではない。また、実施例2では、耐熱温度の異なる耐熱性組成物を使用して3層のサンドイッチ構造の積層シートからなる耐熱性断熱材とされているが、耐熱温度が高い高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物が含有される、又は同質の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物であるときは含有量が多い層を外側に、又は高温部側に配置して耐熱強度を向上させることができる。更に、耐熱温度や耐熱強度に対応して積層数を多くすることができ、積層枚数は特に限定されるものではない。
また、実施例3では、耐熱温度の異なる高耐熱性断熱材用組成物を用いた積層シートからなる複合型の耐熱性断熱材であり、耐熱性や耐火摩耗性の向上を目的としている。耐熱温度の高い基材を使用したシートは高温側の炉心部に、耐熱温度の低い基材を使用したシートは外側に使用し、シートの積層数の調整、耐火基材の種類による耐熱温度の調整、耐火基材の含浸量による調整などで、耐熱強度や耐熱温度等を広範囲に変更、調整することができ、実施例に限定されるものではない。
更に、実施例4では、パイプ状の耐熱性断熱材、実施例5では、筒型の半割り状態の耐熱性断熱材、実施例6では、箱型形状に組み立てられた耐熱性断熱材が得られている。本発明では、このように種々の形状の耐熱性断熱材を容易に製造することができる。例えば、実施例5では、円筒の半割り状態の防火用の耐熱性断熱材を製造することができる。この製品を大型建築物で防火上重要な柱の防火対策用として、筒型で半割り状態の厚さ25~50mmの耐熱性断熱材を鉄筋コンクリート造りの柱(図7の鉄筋コンクリート造りの柱5参照)に固定し、外面側からホーロー仕上げの化粧鋼板を取り付ければ重要な防火対策となる。また、高層建築物の間仕切り壁として、厚さ25~50mmの耐熱性断熱材を固定し、表面にホーロー仕上げの化粧鋼板を取り付ければ、耐火1~2時間の耐火壁として重要な防火対策となる。
また、実施例7~11における高耐熱材(高耐熱性断熱材)は、厚さが薄いクロス(紙状のもの)を用いたものであり、耐熱性に優れるガラス基板、絶縁基板、耐熱性フィルター基材及び溶融アルミの濾過布等に好適なものとなる。
更に、前記実施例7~8及び10~11においてガラス繊維集合体紙状(薄いシート状又はフィルム状)本体(素材)の4枚以上を重ねて使用しているが、このガラス繊維集合体紙状本体の1又は2枚程度を用いて紙状又はフィルム状の更に薄い高耐熱材とすることもできる。
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)及び複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)を用いた製品の特長は、通常のガラス繊維製品にはない1000℃以上の高温に耐え得ることにある。また、この製品は、耐熱性及び断熱性があり、且つ積層化、複合化などが可能で、容易に加工することができるなど、加工性にも優れている。更に、優れた耐熱性と断熱性とを維持しながら、軽量化を図ることもできる。また、本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)などを用いた製品は、ガラス繊維集合体シート本体に反応性の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物を含有させ、200~600℃の加熱処理によって脱水縮合反応を進行させ、長期間保存可能な強度と耐水性とを有する製品とすることができる。実際の運用に際しては圧縮強度や衝撃強度の問題から保護カバーや冶具などを使用して最終商品として使用される。この最終商品を1500~1600℃に高温加熱した場合、眩しく白熱色に輝き続け溶融することはない。また、冷却後、シートを切断して内部を観察すると、ガラス繊維は存在せず、固相反応により完全に消滅する。
本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物は、高耐熱材(高耐熱性断熱材)及び複合型高耐熱材(複合型高耐熱性断熱材)を製造する上で極めて有用である。本発明の高耐熱材(高耐熱性断熱材)用組成物は、加熱により、お互いに且つガラス基材表面と反応し、無機繊維基材の耐熱性を大きく向上させることができる。耐熱性は、用途に応じて、使用する耐熱性セラミックスの種類により調整可能である。
10;高耐熱性断熱材、20;高耐熱性断熱材の積層体、30;積層シートからなる高断熱性断熱材、40;複合型高耐熱性断熱材、50;パイプ状の高断熱性断熱材、60;割形形態の高耐熱性断熱材、70a;箱型シート、70b;扉用シート、1;ガラス繊維集合体シート本体、1a;他のガラス繊維集合体シート本体、21、21a、21b;反応硬化耐熱相、22;他の反応硬化耐熱相、3;仮想面、4;金属製パイプ、5;鉄筋コンクリート造りの柱。

Claims (14)

  1. ガラス繊維集合体本体と、前記ガラス繊維集合体本体に含有される反応硬化耐熱相とを備え、1000℃以上の温度域で溶融しない高耐熱材であって、
    前記ガラス繊維集合体本体が、シート、ニードルマット、ボード又はフェルトであり、耐熱性と同時に断熱性をも備え、
    前記反応硬化耐熱相は、高耐熱材用組成物が硬化して形成されたものであり、
    前記高耐熱材用組成物は、粘土質性鉱物、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルを含み、
    前記粘土質性鉱物が、セピオライト、及び/又はハロイサイトであることを特徴とする高耐熱材。
  2. 前記耐熱性セラミックスが、カオリン系セラミックス、ムライト系セラミックス、アルミナ系セラミックス、ケイ素系セラミックス、シャモット系セラミックス、クロム系セラミックス、カーボランダム系セラミックス、及びマグネシア系セラミックスから選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の高耐熱材。
  3. 前記無機酸化物ゾルが、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、及びジルコニアゾルから選択される1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の高耐熱材。
  4. 密度が嵩比重で0.3~1.5である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の高耐熱材。
  5. ガラス繊維集合体本体及び前記ガラス繊維集合体本体に含有される反応硬化耐熱相を備える一方の断熱材と、他のガラス繊維集合体本体及び前記他のガラス繊維集合体本体に含有される、前記反応硬化耐熱相とは耐熱温度の異なる他の反応硬化耐熱相を備え、前記一方の断熱材に接合された他方の断熱材と、を具備し、1000℃以上の温度域で溶融しない複合型高耐熱材であって、
    前記ガラス繊維集合体本体が、シート、ニードルマット、ボード又はフェルトであり、耐熱性と同時に断熱性をも備え
    前記反応硬化耐熱相及び前記他の反応硬化耐熱相は、高耐熱材用組成物が硬化して形成されるものであり、
    前記高耐熱材用組成物は、粘土質性鉱物、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルを含み、
    前記粘土質性鉱物が、セピオライト、及び/又はハロイサイトであることを特徴とする複合型高耐熱材。
  6. 前記耐熱性セラミックスが、カオリン系セラミックス、ムライト系セラミックス、アルミナ系セラミックス、ケイ素系セラミックス、シャモット系セラミックス、クロム系セラミックス、カーボランダム系セラミックス、及びマグネシア系セラミックスから選択される1種又は2種以上である請求項5に記載の複合型高耐熱材。
  7. 前記無機酸化物ゾルが、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、及びジルコニアゾルから選択される1種又は2種以上である請求項5又は6に記載の複合型高耐熱材。
  8. 密度が嵩比重で0.3~1.5である請求項5乃至7のうちのいずれか1項に記載の複合型高耐熱材。
  9. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の高耐熱材の製造方法であって、
    前記ガラス繊維集合体本体に、高耐熱材用組成物が水系媒体に分散された分散体を含浸又は塗布する含浸・塗布工程と、
    加熱し、乾燥することにより、前記水系媒体の一部を除去する媒体除去工程と、
    前記水系媒体の一部が除去された後、前記加熱と比べて高い温度で加熱することにより、前記高耐熱材用組成物を反応させ、保存可能な耐水性を有する断熱材とする硬化工程と、を備え
    前記高耐熱材用組成物が硬化して前記反応硬化耐熱相が形成され、
    前記高耐熱材用組成物は、粘土質性鉱物、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルを含み、
    前記粘土質性鉱物が、セピオライト、及び/又はハロイサイトであるることを特徴とする高耐熱材の製造方法。
  10. 前記耐熱性セラミックスが、カオリン系セラミックス、ムライト系セラミックス、アルミナ系セラミックス、ケイ素系セラミックス、シャモット系セラミックス、クロム系セラミックス、カーボランダム系セラミックス、及びマグネシア系セラミックスから選択される1種又は2種以上である請求項9に記載の高耐熱材の製造方法。
  11. 前記無機酸化物ゾルが、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、及びジルコニアゾルから選択される1種又は2種以上である請求項9又は10に記載の高耐熱材の製造方法。
  12. 請求項5乃至8のうちのいずれか1項に記載の複合型高耐熱材の製造方法であって、
    前記ガラス繊維集合体本体に、高耐熱材用組成物が水系媒体に分散された分散体を含浸又は塗布する第1含浸・塗布工程と、
    前記他のガラス繊維集合体本体に、前記高耐熱材用組成物の分散量が異なる分散体及び前記高耐熱材用組成物とは耐熱温度の異なる他の高耐熱材用組成物が水系媒体に分散された分散体のうちの少なくとも一方を含浸又は塗布する第2含浸・塗布工程と、
    前記ガラス繊維集合体本体と、前記他のガラス繊維集合体本体とを接合し、複合化する複合化工程と、
    加熱し、乾燥することにより、前記水系媒体の一部を除去する媒体除去工程と、
    前記水系媒体の一部が除去された後、前記加熱と比べて高い温度で加熱することにより、前記高耐熱材用組成物及び前記他の高耐熱材用組成物を反応させ、保存可能な耐水性を有する断熱材とする硬化工程と、を備え、
    前記高耐熱材用組成物及び前記他の高耐熱材用組成物がそれぞれ硬化して前記反応硬化耐熱相及び前記他の反応硬化耐熱相が形成され、
    前記高耐熱材用組成物及び前記他の高耐熱材用組成物は、粘土質性鉱物、耐熱性セラミックス及び無機酸化物ゾルを含み、
    前記粘土質性鉱物が、セピオライト、及び/又はハロイサイトであることを特徴とする複合型高耐熱材の製造方法。
  13. 前記耐熱性セラミックスが、カオリン系セラミックス、ムライト系セラミックス、アルミナ系セラミックス、ケイ素系セラミックス、シャモット系セラミックス、クロム系セラミックス、カーボランダム系セラミックス、及びマグネシア系セラミックスから選択される1種又は2種以上である請求項12に記載の複合型高耐熱材の製造方法。
  14. 前記無機酸化物ゾルが、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、及びジルコニアゾルから選択される1種又は2種以上である請求項12又は13に記載の複合型高耐熱材の製造方法。
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