JP6682174B2 - 植物油脂組成物およびこれを用いた調味料組成物 - Google Patents

植物油脂組成物およびこれを用いた調味料組成物 Download PDF

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本発明は、粉末調味料分散に用いる植物油脂組成物および該油脂組成物を用いた調味料組成物に関する。
一般的に、食品用の調味料の形態は固体あるいは液体である。これら調味料は、料理の味を決定づける重要な組成物であり、さらにその目的を達成するために物理的性能も求められる。例えば、固体の調味料は料理中で溶解する、あるいは粉末状で料理に分散する性能が求められる。砂糖、塩、こしょうなどがその代表例である。液状の調味料においても同様に、料理中への溶解、分散する物理的性能が求められる。しょうゆ、みりんなどがその代表例である。
油脂は、調味料として料理のコク味、うま味などの味に関与するだけでなく、味以外の機能も有する特別な調味料である。例えば、フライパン調理時の熱媒体としての機能、料理の見た目の照りを出す外観向上機能、ラー油に代表されるような油溶性成分を抽出するための抽出溶媒としての機能、加熱容器から食品の形離れ促進機能、刃物への食品の付着を防ぐ付着防止機能などである。
近年外食産業のチェーン店化が進み、日本全国どこでも同じメニュー、同じ味が食べられるようになった。数多い店舗での味の均一化のために、外食メーカーの多くはセントラルキッチン方式を採用し、セントラルキッチンにて半製品の調理を行い、各店舗ではレンジ加熱と最終味付けするだけのような単純な作業で食品を提供できる体制になっている。そして食品の味を決定する調味料の配合においても、できるかぎりセントラルキッチンで一まとめにして、各店舗ではオールインワンの調味料を一種類加えるだけで味付けが完了する形態が求められており、その際、油脂の中に各種調味料が均一に分散していると、味付けのばらつきがなく使いやすく、味見のできる熟練者でなくとも、マニュアル通りに調味料組成物を使用すれば、地域や季節が違ってもいつも同じように設計通りのメニュー調理を行うことができる。セントラルキッチンで配合された配合調味料は、日本中の地域、四季を問わず均一状態であることが求められるため、冷蔵温度から夏場の外気温のような広い温度幅で分離、凝集など発生することのない均一状態であることが求められる。さらに他の食材とあわせて調味料が冷凍配送されることも考慮して、冷凍しても解凍時には冷凍前の状態に戻る状態再現性も求められている。以上のような背景のもと、油脂に粉末調味料を均一に分散した、温度変化による状態変化が起こらない調味料組成物がこれまで以上に求められるようになってきた。
調味料組成物に使用する油脂としてショートニングのような硬さのある油脂を用いると、温度による硬さの変化が大きいため調味料組成物が使いにくいものとなる(特許文献1)。また、調味料組成物に使用する油脂として液状油脂を用いると、液状油脂中に分散させた固形分が時間とともに沈降し、全体としての均一性がなくなる。またこれらのような、温度による硬さの変化や粉末の沈殿のような問題を解決するため、特定組成の油脂にて粉末調味料を均一分散する技術が開示されている。例えば、液体油と高融点油脂もしくは天然ロウとの混合油脂、粉末調味料、乳化剤を配合したもの(特許文献2)が開示されている。しかしこの技術は乳化剤による粉末原料の分散能力を応用したものであり、乳化剤の味が調味料組成物の味を損ねてしまう。
以上により、粉末調味料の分散性を維持するために適度な硬さ、及び、調味料組成物として使用しやすい硬さを有した調味料分散用の植物油脂組成物であって、乳化剤を用いず油脂だけで構成され、さらに、冷蔵温度から夏場の外気温のような広い温度幅(5〜40℃)で安定して状態を維持することができ、冷凍しても解凍時には冷凍前の状態に戻ることができる植物油脂組成物が求められている。
特開2001−8620号公報 特開昭63−279770号公報
上記の通り、本発明の課題は調味料組成物に用いて、調味料の味に影響する添加物を使用することなく、幅広い温度幅で均一状態を保ち、冷凍しても解凍時には冷凍前の状態に戻る調味料分散用の植物油脂組成物を提供することにある。
また、本発明の課題は、上記の調味料分散用の植物油脂組成物を用いて、調理に好適に使用できる調味料組成物を提供することにある。
本発明者は、特定の2種類の植物油脂を特定量用いた植物油脂組成物が上記課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の(1)および(2)である。
(1)5℃で液状である植物油脂(A)93.5〜97.0質量%と、ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)3.0〜6.5質量%からなることを特徴とする植物油脂組成物。
(2)前記の(1)記載の植物油脂組成物を70〜95質量%、粉末調味料を5〜30質量%含有することを特徴とする調味料組成物。
本発明により、5〜40℃の広い温度幅で状態が安定で、冷凍後にも状態が変化しない調味料組成物が提供される。
本発明の植物油脂組成物は、5℃で液状である植物油脂(A)を93.5〜97.0質量%と、ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)を3.0〜6.5質量%とからなる。
<植物油脂(A)>
本発明で使用する植物油脂(A)は、天然の植物から抽出された油脂を用いて製造した5℃で液状の油脂である。植物油脂は動物油脂と比較して淡白な風味であるため、調味料組成物の風味を損なうことがなく、好ましく用いられる。
本発明において植物油脂(A)は、本発明の植物油脂組成物に流動性を与えるために用いる。5℃で液状であるとは、70℃で完全に融解し、100g容のビーカーに50g分取し、5℃に5.5時間静置した後、目視による観察で凝固や白濁の無い液状状態の油脂である。より好ましくは日本農林規格におけるサラダ油規格の0℃で5.5時間凝固や白濁の無いものである。
具体的には、コーン油、ナタネ油、大豆油、紅花油、ヒマワリ油、米油、オリーブ油、綿実油、ゴマ油、ハイオレイック紅花油、ハイオレイックヒマワリ油などである。あるいはこれらの配合油脂、分別油脂、エステル交換油脂が挙げられる。
分別油脂とは、油脂を乾式分別、溶剤分別、乳化分別などの方法により、1つの油脂から高融点部と低融点部に分けられた油脂のことである。エステル交換油脂とは、化学触媒あるいは酵素触媒を用いて、グリセリン骨格に結合している脂肪酸を相互変換させることにより得られる油脂のことである。
植物油脂(A)は、本発明の油脂組成物中に93.5〜97.0質量%、好ましくは94.2〜95.8質量%からなる。植物油脂(A)の量が93.5質量%未満の場合、植物油脂組成物の流動性がなくなり調味料組成物が硬くなるため、使い勝手が悪く、料理に混ざりにくくなり、調味料としての機能が乏しいものとなる。植物油脂(A)が97.0質量%を超える場合、40℃保管時に植物油脂組成物、調味料組成物ともに液体油脂が分離して均一性が失われる。
<ハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(B)>
本発明で使用するハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(B)は、ハイエルシン酸ナタネ油を既知の方法にて水素添加し、ヨウ素価を5以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下にしたものが好ましく用いられる。ハイエルシン酸ナタネ極度硬化油は、炭素数22の飽和脂肪酸を含有し、炭素数22の飽和脂肪酸が40質量%以上60質量%以下、好ましくは50質量%以上58質量%以下のものがよい。ハイエルシン酸ナタネ極度硬化油を配合すると、植物油脂組成物に保形性を与えるため、粉末調味料の分散安定性を向上することができる。
ここで水素添加とは、油脂を構成する脂肪酸に含まれる二重結合にニッケル触媒等を用いて水素を付加して二重結合を飽和化することであり、その処理をした油脂を水素添加油脂という。特に、ヨウ素価を5以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下にしたものを本発明では極度硬化油とする。
近年、水素添加油脂由来のトランス酸が、循環器疾患の原因になるとの報告があり、市場においてもトランス酸含量が低い食品が求められている。本発明の植物油脂組成物においても、トランス酸は含まれないことが好ましいことは言うまでもなく、市場製品の基準を鑑みて、植物油脂組成物中トランス酸含量が2質量%以下であることが好ましい。よって本発明の植物油脂組成物に用いる油脂は、トランス酸が2質量%以下で実質的にトランス酸が含まれない油脂、または極度硬化油を用いるのが好ましい。
本発明の植物油脂組成物中におけるハイエルシン酸ナタネ極度硬化油の配合量は3.0質量%以上6.5質量%以下である。好ましくは4.2質量%以上5.8質量%以下である。3.0質量%未満の場合、40℃保管時に植物油脂組成物、調味料組成物ともに液体油脂が分離して均一性が失われる。また6.5質量%を超える場合、植物油脂組成物の流動性がなくなり調味料組成物が硬くなるため、使い勝手が悪く、料理に混ざりにくくなり、調味料としての機能が乏しいものとなる。
<調味料組成物>
本発明の調味料組成物は、植物油脂を主原料とする食品であって、粉末調味料が植物油脂組成物中に均一に分散してあり、5〜40℃の広い温度幅において、状態が安定しており、冷凍しても解凍時には冷凍前の状態に戻るという特徴を有する。このような本発明の調味料組成物は5℃で液状である植物油脂とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油を混合した植物油脂組成物に粉末調味料を分散させることにより製造することができる。
本発明において粉末調味料は、従来から知られている粉末状の調味料であればよく、例えば、食塩、砂糖、香辛料、乳製品粉末、粉末醤油、アミノ酸、野菜・畜肉・魚介などのエキスパウダーが例示され、1種または複数の混合物の形で使用される。粉末調味料は調味料組成物中5質量%以上30質量%以下、好ましくは10質量%以上20質量%以下で使用される。5質量%以上では味が強くなり調味料としての性能に優れる。また30質量%以下では、調味料組成物の硬さが軟らかくなるため、使い勝手が良く、また料理に混ざりやすいという効果を奏する。
粉末調味料は、平均粒径が0.2mm以上0.5mm以下が好ましい。平均粒径が0.2mm以上の場合には、調味料組成物製造時に調味料粉末が植物油脂組成物に分散しやすい。また、平均粒径が0.5mm以下の場合には、調味料組成物の食感がなめらかになるという効果を奏する。
なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定器(SALD−2100:(株)島津製作所製)を用いて測定した。
さらには、調味料組成物の食感をなめらかにするという観点から、粉末調味料は、目開き0.5mmの篩いを通過したものが好ましい。
<植物油脂組成物の製造>
本発明の植物油脂組成物を製造するには、まず、液状油脂中にハイエルシン酸ナタネ極度硬化油を65〜75℃で加熱溶解する。この油脂溶液を冷却しながら攪拌し、液状油脂中にハイエルシン酸ナタネ極度硬化油の細かい結晶をつくり、植物油脂組成物を製造する。冷却・攪拌の方法は特に限定されないが、急冷練り合わせ装置を用いて急冷捏和すれば、さらに細かい油脂結晶をつくることができるので、より好ましい。油脂結晶が細かいほうが、滑らかな植物油脂組成物となり良好な植物油脂組成物を得ることができる。
ここで急冷捏和とは、65〜75℃に溶解した植物油脂組成物を10分以内に18±5℃に冷却し捏和する操作であり、密閉連続チューブ式のボテーター等により−10〜−20℃の冷媒を用いて冷却し捏和するのが一般的である。
<調味料組成物の製造>
本発明の調味料組成物を製造するには、はじめに植物油脂組成物を製造し、あとから粉末調味料を配合、攪拌する。植物油脂組成物への粉末調味料の混合は、5℃から40℃で行うのが好ましい。5℃以上では粉末調味料の分散性に優れ、40℃以下では植物油脂組成物中の油脂結晶が維持されるため、植物油脂組成物の均一性を保つという効果を奏する。
植物油脂組成物を製造する際に、溶解した植物油脂組成物に粉末調味料を混合しておき、粉末調味料を植物油脂組成物と同時に冷却・攪拌して、調味料組成物を製造してもかまわない。
植物油脂組成物を製造してから粉末調味料を配合するか、加熱溶解した植物油脂組成物に粉末調味料を混合してから直接に調味料組成物を同時に製造するか、どちらにするかは、製造上の都合、品質上の都合などにより、任意で選択してかまわない。
品質上の都合として、油脂溶解時の温度で粉末調味料として用いた香辛料の風味が飛んでしまうような場合には、先に植物油脂組成物を製造しておき後から粉末調味料を低い温度で混合して調味料組成物を製造すればよい。また、油脂溶解物の加熱時に粉末調味料を含めた配合物の殺菌を行いたい場合や、粉末調味料の油溶性成分を油脂に抽出したい場合には加熱溶解した植物油脂組成物にあらかじめ粉末調味料を混合して、急冷・攪拌して調味料組成物を製造すればよい。
本発明の植物油脂組成物には、調味料組成物に添加した粉末調味料より少ない量でかつ調味料組成物の風味に影響を与えない範囲において、粉末調味料以外の各種食品、酸化防止剤、乳化剤等の添加剤を添加しても差し支えない。酸化防止剤としては特に制限されないが、ビタミンE、ビタミンC、茶抽出物、ローズマリー抽出物などが挙げられる。これらの酸化防止剤は単独で用いることもでき、又は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。乳化剤としては特に制限されないが、例えばレシチン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。またその他の添加物としてPH調整剤、ゲル化剤、増粘多糖類、保存料等が挙げられる。これらは単独で用いることもでき、又は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。これらの添加物は単独で用いることもでき、又は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
また、調味料組成物中の水分量は0.01質量%以上3質量%以下であることが好ましい。水分量が3質量%以下の場合、調味料組成物の水分活性が低くなり、保存性に優れるという効果がある。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。
<植物油脂組成物の製造>
表1−1及び表1−2に示した配合にて各種油脂を配合し、実施例1−1〜1−3、実施例1−5〜1−6、比較例1−1〜1−4の植物油脂組成物を製造した。製造においては、各種配合した油脂を70〜75℃まで昇温して完全溶解し、さらに急冷練り合わせ装置を行いて、練り合わせをしながら2分間で18〜22℃まで冷却して製造した。
実施例1−4は実施例1−1の植物油脂組成物80質量%、ナタネ油20質量%を常温で混合して植物油脂組成物を製造した。
<植物油脂組成物の状態評価>
得られたそれぞれの植物油脂組成物を150gずつ、200g透明瓶に入れ、5℃に1日保管、40℃に1日保管、−20℃で3日保管して冷凍後に室温で3時間保管、の3つの温度で保管した。保管後、植物油脂組成物の各温度の粘度をB型粘度計(BROOKFIELD社製)を用いて測定し、以下の基準にて評価した。なお、粘度の単位はmPa・sである。評価結果は表1に示した。
なお、粘度の測定温度は、各保存温度とし、ローター、回転数及び測定時間は、粘度に応じて決定した。粘度が1×101〜1×102mPa・sのときは、ローターNo1、回転数60rpm、1分間で測定し、粘度が1×102〜1×103mPa・sのときは、ローターNo2、回転数30rpm、1分間で測定し、粘度が1×103〜1×104mPa・sのときは、ローターNo3、回転数12rpm、1分間で測定し、粘度が1×104〜1×106mPa・sのときは、ローターNo4、回転数6rpm、1分間で測定した。
≪状態の評価基準≫
A(評価△):液状〔粘度1×101を超え〜5×102以下〕
B(評価○):流動状であるがやや軟らかい〔粘度5×102を超え〜1×103以下〕
C(評価◎):流動状〔粘度1×103を超え〜1×104以下〕
D(評価○):流動状であるがやや硬い〔粘度1×104を超え〜5×104以下〕
E(評価×):流動性なし〔粘度5×104を超え〜1×106以下〕
F(評価×):油脂の結晶が析出して固液分離する
Figure 0006682174
Figure 0006682174
表1−1において、実施例1−1〜1−6の植物油脂組成物では、5℃で液状である植物油脂(A)を93.5〜97.0質量%、ハイエルシン酸菜種極度硬化油(B)を3.0〜6.5質量%の範囲で配合することにより、5〜40℃の広い温度幅で液状の植物油脂(A)とハイエルシン酸菜種極度硬化油(B)の分離がなく、また、冷凍後に室温解凍しても元の状態を維持された。さらには粉末調味料の分散性安定性及び調味料としての使用性に適した硬さを有する植物油脂組成物を得ることができた。
さらに実施例1−2〜1−5では、5℃で液状である植物油脂(A)を94.2〜95.8質量%、ハイエルシン酸菜種極度硬化油(B)を4.2〜5.8質量%の範囲で配合することにより、調味料としての使用性に最適な硬さの植物油脂組成物を得ることができた。
一方、表1−2において、比較例1−1では、ハイエルシン酸菜種極度硬化油(B)が3.0質量%より少ないために、40℃では固液分離し、5℃では液状となり、調味料分散用に適した植物油脂組成物が得られなかった。
また、比較例1−2では、ハイエルシン酸菜種極度硬化油(B)が6.5質量%より多いため、流動性のない植物油脂組成物となってしまった。
比較例1−3では、ハイエルシンナタネ極度硬化油の代わりにカノーラ油由来のナタネ極度硬化油を用いた。その結果、40℃では、固液分離が生じた。また、冷凍後、室温解凍した場合も同様に固液分離を生じた。
比較例1−4では、5℃で液状である植物油脂(A)の代わりに融点21℃の植物油脂を用いた。その結果、5℃では固化してしまい、40℃では固液分離を生じた。また、冷凍後、室温解凍した場合も同様に固液分離が生じた。
<調味料組成物の製造>
表2に示した配合にて植物油脂組成物と粉末調味料を配合し、実施例2−1〜2−7の調味料組成物を製造した。なお、調味料組成物に用いた粉末食塩の平均粒径は0.5mm、グルタミン酸ナトリウムの平均粒径は0.3mm、ホワイトペッパーの平均粒径は0.2mmであった。
<調味料組成物の状態評価・風味評価>
得られたそれぞれの調味料組成物を150gずつ、200g透明瓶に入れ、5℃に1日保管、40℃に1日保管、−20℃で3日保管して冷凍後に室温で3時間保管、の3つの温度で保管した。保管後、調味料組成物の状態は目視にて評価した。風味は調味料組成物を攪拌して均一にしたのち少量をすくいとり官能評価により評価した。評価結果は表2に示した。
≪状態の評価基準≫
評価◎:流動状であり、粉末が均一に分散する
評価○:流動状であるがやや硬い
評価△:流動状であるがかなり硬い
≪風味の評価基準≫
評価◎:粉末調味料の味を強く感じる
評価○:粉末調味料の味を感じる
評価△:粉末調味料の味が弱い
Figure 0006682174
表2から分かるように、本発明の植物油脂組成物を用いれば、5〜40℃の広い温度幅で状態が安定で、冷凍後にも状態が変化しない調味料組成物を製造することができた。
さらには、実施例2−1〜2−5において、粉末調味料を5〜30質量%、本発明の植物油脂組成物を70〜95質量%とすることにより、優れた風味を有し、使用性に優れた硬さを有する調味料組成物を得ることができる。

Claims (2)

  1. 植物油脂組成物及び粉末調味料を含有する調味料組成物であって、
    前記の植物油脂組成物は、5℃で液状である植物油脂(A)94.2〜95.2質量%と、ハイエルシン酸ナタネ油の極度硬化油(B)4.8〜5.8質量%からなり、乳化剤を含まないことを特徴とする、調味料組成物(但し、前記植物油脂組成物として、10℃における固体脂指数が5以下の液状油脂100重量部に対して、極度硬化油を0.1〜20重量部配合してなるコーティング用油脂組成物を除く。)
  2. 植物油脂組成物を70〜95質量%、粉末調味料を5〜30質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の調味料組成物。

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