<実施形態1>
実施形態1について図1から図31を参照して説明する。
本実施形態の端子モジュールM1及びコネクタC1は、信号線を多数本有する多極シールド電線に用いられるものである。本実施形態の端子モジュールM1は、図23に示すように、シールド電線10の信号線11に接続された端子20と、この端子20を保持する端子保持部材60とを備えている。そして、本実施形態のコネクタC1は、図30及び図31に示すように、端子モジュールM1と、外導体シェル30とを備えている。なお、以下の説明において、前後方向については、図2の左側(コネクタC1の嵌合方向)を前側とし、図2の右側(シールド電線10側)を後側とする。また、上下方向については、図3を基準とし、図3の上側を上側、図3の下側を下側とする。
シールド電線10は、図5に示すように、複数本(本実施形態では2本)の信号線11を束ねて、その周りをシールド層13が覆い、その周りをさらに絶縁被覆15で覆うことで構成されている。信号線11は、内部導体11Aが内部絶縁被覆11Bによって覆われることで形成されている。また、信号線11は、信号を伝えるための電線であって、内部導体11Aの芯径が細いものとされている。シールド電線10の端末では、端子20との接続のために、絶縁被覆15及びシールド層13が剥ぎ取られ、信号線11を露出させる。また、絶縁被覆15はシールド層13より長く剥ぎ取られており、シールド層13も露出する。
端子20は、図5及び図22に示すように、雄型の端子金具であって、導電性の金属板をプレス加工することによって成形されている。端子20は、タブ状の電気接続部21(「先端部」の一例)と、信号線11に圧着される圧着部23(「接続部分」の一例)と、電気接続部21と圧着部23との間に設けられた端子被係止部25とを備えている。また、端子被係止部25と電気接続部21との間は、先端側にいくほど小さくなるテーパー部27となっている。圧着部23は、オープンバレル形式の圧着片となっており、内部導体11Aにかしめ付けられるワイヤバレル23Aと、内部絶縁被覆11Bにかしめ付けられるインシュレーションバレル23Bとを備えている。
端子被係止部25は、図22に示すように、箱形をしており、端子20の前後方向の寸法の略3分の1を占めている。端子被係止部25には、下方に突出する2つの凸部25A、25Bと、2つの凸部25A、25Bの間に設けられた開口状の凹部25Cとが設けられている。2つの凸部25A、25Bのうち、前方の凸部25Aは、その前端部がテーパー部27に連なるような傾斜面となっている。また、端子被係止部25の凸部25A、25Bは、図5に示すように、一側方に寄っており、端子被係止部25における凸部25A、25Bと反対側の側方は凹部25Cと連通した係止部開口25Dとなっている。
外導体シェル30は、図3、図4及び図29に示すように、上下方向(端子20の延び方向に直交する方向)に2つに分割されており、ロアー外導体シェル31(「一方の外導体シェル」の一例)とアッパー外導体シェル33(「他方の外導体シェル」の一例)を組み合わせることで構成されている。また、外導体シェル30は、端子保持部材60を収容する角筒状の本体部35と、シールド電線10のシールド層13と接続されるバレル部37を備えている。
ロアー外導体シェル31は、導電性板材をプレス成形することで形成されている。そして、ロアー外導体シェル31は、図7及び図29に示すように、本体部35の一部を構成する角筒状のロアー本体部41と、バレル部37の一部を構成するロアーバレル部43とを備えている。
ロアー本体部41は、図25及び図30に示すように、前後方向に開口した略角筒状をしており、ロアー本体部41の前端部41Aは四面が囲われている。一方、ロアー本体部41の後端部41Bには、上方へ全て開口した本体側開口部41Cが設けられており、後端部41Bは、断面視コの字状になっている。また、ロアー本体部41の前端部41Aには、端子20の電気接続部21が収容されており、後端部41Bには、端子保持部材60が収容される。ロアー本体部41の後端部41Bの前後方向の寸法は、端子保持部材60の前後方向の寸法とほぼ同じとなっている。
そして、図6及び図7に示すように、ロアー本体部41の後端部41Bの両側面には、内側に向かって叩き出された係止突部45が設けられている。また、ロアー本体部41の後端部41Bには、その両側面の上縁から下方に矩形状に切欠かれた切欠き部47が設けられている。切欠き部47は、ロアー本体部41の上下方向の寸法の略半分程度を切り欠いており、本体側開口部41Cが設けられた位置の前端部に設けられている。そして、ロアー本体部41の底板には、後記する端子保持部材60の係止部75を係止可能な被係止部49が設けられている。被係止部49は、略矩形状で、板厚方向に貫通した孔となっている。
ロアーバレル部43は、図7及び図25に示すように、ロアー本体部41から連設された底板部43Aと、底板部43Aから上方に立ち上がるバレル片43Bとを備えている。また、ロアーバレル部43の底板部43Aは、断面視円弧状となっており、その下端位置はロアー本体部41の下端位置よりも下になっている。また、ロアーバレル部43は、上方に開口しており、ロアー本体部41の本体側開口部41Cとあわせて、端子保持部材60を挿入可能なロアー外導体シェル31の開口部31Aとなっている。
アッパー外導体シェル33は、導電性板材をプレス成形することで形成されている。そして、アッパー外導体シェル33は、図10及び図29に示すように、本体部35の一部を構成するアッパー本体部51と、バレル部37の一部を構成するアッパーバレル部53とを備えている。また、アッパー外導体シェル33は、ロアー外導体シェル31の開口部31Aを上方から覆っている。
アッパー本体部51は、ロアー本体部41の底板と略平行な天板51Aと、天板51Aの側端から略L字状に折り曲げられた一対の側面板51Bとによって形成されており、前後方向に開口した断面視コの字状となっている。また、アッパー本体部51の天板51Aは、ロアー本体部41の本体側開口部41Cを覆っており、アッパー本体部51の両側面板51Bの外面は、ロアー本体部41の後端部41Bの両側面の内面と接触する。つまり、アッパー本体部51の両側面板51Bは、ロアー本体部41の後端部41Bの内側に入り込むようにして重なっている。そして、アッパー本体部51がロアー本体部41に重なると、前後方向に開口した角筒状の本体部35となっている。また、アッパー本体部51の前後方向の寸法は、端子保持部材60の前後方向の寸法とほぼ同じとなっている。
また、アッパー本体部51の両側面板51Bの前端部分は、外側に叩き出された叩き出し片55となっており、叩き出し片55は切欠き部47が設けられた位置に配されている。そして、アッパー本体部51の両側面板51Bには、ロアー本体部41の係止突部45に対応する位置に、板厚方向に貫通する係止孔57が設けられている。また、アッパー本体部51の天板51Aの前端位置には、上方に突出したランス係止部59が設けられている。ランス係止部59は、本実施形態においては図示しないコネクタハウジングのランスが係止することで、コネクタハウジング内で外導体シェル30を位置決め可能となっている。
アッパーバレル部53は、アッパー本体部51から連設された上板部53Aと、上板部53Aから下方に延びるバレル片53Bとを備えている。また、アッパーバレル部53の上板部53Aは、断面円弧状となっており、その上端位置はアッパー本体部51の上端位置よりも上になっている。そして、アッパーバレル部53がロアーバレル部43に覆いかぶさると、アッパーバレル部53の上板部53Aとロアーバレル部43の底板部43Aとによって円筒形状になる。そのバレル部37の円筒状の部分に各バレル片43B、53Bがかしめ付けられて、バレル部37がシールド電線10のシールド層13と接続される。
端子保持部材60は、図23に示すように、上下方向(端子20の延び方向に直交する方向)に2つに分割されており、ロアー端子保持部材61(「第1の端子保持部材」の一例)とアッパー端子保持部材65(「第2の端子保持部材」の一例)とを組み合わせることで構成されている。また、ロアー端子保持部材61は、アッパー端子保持部材65に対して、端子20の延び方向に沿ってスライド移動可能なようになっている。
ロアー端子保持部材61は、合成樹脂製であって、図12及び図21に示すように、シールド電線10の端子20の圧着部23及び端子被係止部25を保持する。また、ロアー端子保持部材61は、底部71と、底部71から略L字状に立ち上がる一対の側壁部73とを備えており、上方及び前後方向が開口した正面視略コの字状をしている。また、底部71と両側壁部73との間の角部の外形形状は、R形状となっている。なお、底部71の前端部には前方に行くほど上方になるテーパー面71Aが設けられている。そして、底部71の後端部の下面には、下方に向かって突出する係止部75が設けられている。係止部75は矩形状であって、ロアー外導体シェル31の被係止部49(図6参照)に係止する。
そして、図13及び図22に示すように、両側壁部73の間には、端子20の間を仕切る仕切壁77が設けられている。仕切壁77は、両側壁部73の上端位置と同じ位置まで底部71から上方に突出している。そして、各側壁部73と仕切壁77と底部71とに囲まれた領域が、端子20の圧着部23及び端子被係止部25を収容する収容凹部78となっている。収容凹部78は、上方に開口しており、電気接続部21を突出させた状態で端子20を上方から収容可能としている。また、各側壁部73と仕切壁77との間(収容凹部78)の内寸は、前端部分(前方4分の1)は端子被係止部25の外寸とほぼ同じになっている。各側壁部73と仕切壁77との間(収容凹部78)の内寸は、後方に行くにつれて広がり、後半部分(後方2分の1)の内寸は圧着部23の外寸とほぼ同じか若干大きくなっている。
また、図13及び図22に示すように、底部71の上面には、端子被係止部25の凹部25C及び凹部25Cに連通する係止部開口25Dに嵌る端子係止部79が設けられている。端子係止部79の上端位置は、底部71のテーパー面71Aの上端位置よりも若干低くなっている。端子係止部79は、ロアー端子保持部材61の仕切壁77と側壁部73との内寸の3分の1程度の幅寸法の幅狭部79Aと、仕切壁77と側壁部73との内寸と同じ幅寸法の第1拡幅部79Bと、第1拡幅部79Bより後方に設けられ仕切壁77と側壁部73との内寸と同じ幅寸法の第2拡幅部79Cとを備えている。端子係止部79の幅狭部79Aは、ロアー端子保持部材61の前端から端子20のワイヤバレル23Aが収容される位置まで設けられており、凹部25C及び係止部開口25Dに嵌る。第1拡幅部79Bは、端子被係止部25の前方の凸部25Aの後端に第1拡幅部79Bの前端が係止するように設けられており、第2拡幅部79Cは、端子被係止部25の後方の凸部25Bの後端に第2拡幅部79Bの前端が係止するように設けられている。なお、端子被係止部25の前方の凸部25Aの前端部がテーパー面71A上に配されている。
そして、図12及び図21に示すように、両側壁部73から幅方向外側に突出するようにレール部81が設けられている。レール部81は、ロアー端子保持部材61の前端から後端まで前後方向(端子20の延び方向)に延びている。そして、レール部81の上端位置は側壁部73の上端位置と同じになっており、側壁部73の上面からレール部81の側面に向かってR形状を描くようになっている。また、レール部81の上下方向の寸法は、ロアー端子保持部材61の上下方向の寸法の半分程度となっており、レール部81の幅方向の突出寸法は、側壁部73の幅方向の寸法(板厚)と同じになっている。
アッパー端子保持部材65は、合成樹脂製であって、図19及び図23に示すように、後方及び下方に開口した箱形をしている。アッパー端子保持部材65は、後方開口65Aからロアー端子保持部材61を挿入可能となっている。アッパー端子保持部材65は、前壁部85と、一対の側壁部87と、天井壁部89とを備えている。前壁部85は、正面視略矩形状をしており、その中央部分に端子20の電気接続部21を挿通するための端子挿通孔91が設けられる。端子挿通孔91は、端子20のテーパー部27の形状に合わせて、先端にいくほど小さくなるようになっている。そして、端子20の電気接続部21がアッパー端子保持部材65から突出した状態では、テーパー部27が端子挿通孔91に嵌まる。
アッパー端子保持部材65の側壁部87は、ロアー端子保持部材61の側壁部73を覆っている。アッパー端子保持部材65の側壁部87の幅方向の寸法は、ロアー端子保持部材61の側壁部73の幅方向の寸法よりも大きくなっている。アッパー端子保持部材65の側壁部87の内面形状は、ロアー端子保持部材61の外形形状に沿っており、レール部81が嵌合して摺動するガイド溝93が設けられている。
天井壁部89は、図1、図18及び図23に示すように、ロアー端子保持部材61の上方を覆っており、アッパー端子保持部材65の上下方向の寸法の半分程度を占めている。天井壁部89の幅方向の外形寸法は、アッパー外導体シェル33のアッパー本体部51の両側面板51Bの間の内寸法よりも若干小さくなっている。そのため、天井壁部89よりも幅広な側壁部87との間に段差ができている。また、天井壁部89の下面には、端子20の底面の形状に沿った上側収容凹部89Aが設けられている。上側収容凹部89Aの内寸は、収容凹部78と同様に、前端部分は端子被係止部25の外寸とほぼ同じになっている。上側収容凹部89Aの内寸は、後方に行くにつれて広がり、後半部分内寸は圧着部23の外寸とほぼ同じか若干大きくなっている。そして、上側収容凹部89Aの後端部は、徐々に上側にも広がるようになっている。
そして、天井壁部89の前端部の側面には、図15及び図25に示すように、ロアー外導体シェル31の切欠き部47に係合する係合部95(「第2係合部」の一例)が設けられている。係合部95は、天井壁部89の側壁部73との段差位置を下端として、側壁部73よりも幅方向外側に突出している。係合部95の側面が、ロアー外導体シェル31のロアー本体部41の側面と面一になっている。また、係合部95の前後方向の寸法は、切欠き部47の前後方向の寸法と同じになっており、切欠き部47の孔縁が係合部95に当接することで、アッパー端子保持部材65が前後方向に移動するのを規制する。
次に、コネクタC1の組み立て手順の一例について説明する。
まず、図5に示すように、シールド電線10の絶縁被覆15を皮剥ぎして、信号線11の端末とシールド層13を露出させる。そして、信号線11を端子20に接続する。具体的には、信号線11の内部導体11Aを圧着部23のワイヤバレル23Aに圧着するとともに、信号線11の内部絶縁被覆11Bに圧着部23のインシュレーションバレル23Bがかしめ付けられる。
次に、図21及び図22に示すように、シールド電線10の信号線11に接続された端子20をロアー端子保持部材61に収容する。各端子20が各収容凹部78に収容されるように、ロアー端子保持部材61の上方から端子20を収容する。このように、上方に開口した収容凹部78に端子20を収容する場合には、1つの端子20を対応する一方の収容凹部78に収容する際に、他の端子20を一方の収容凹部78の外側に退避させるだけなので、端子20の延び方向から端子20を収容する場合に比べて、シールド層13を剥がす寸法が小さくても良くなる。そのため、ノイズの影響を受けにくくなる。
そして、端子被係止部25の凹部25C及び係止部開口25Dに端子係止部79が嵌り、端子被係止部25が収容凹部78に収容されることで、端子20がロアー端子保持部材61に対して移動しない状態で保持される。この際に、端子20の電気接続部21は、ロアー端子保持部材61の前端から突出した状態で保持される。
そして、図23及び図24に示すように、端子20が収容されたロアー端子保持部材61をアッパー端子保持部材65と組み合わせる。具体的には、ロアー端子保持部材61をアッパー端子保持部材65の後方開口65Aから挿入する。そして、ロアー端子保持部材61のレール部81がアッパー端子保持部材65のガイド溝93と摺動しながら、ロアー端子保持部材61は前方に押し込まれる。そして、図26に示すように、端子20の電気接続部21がアッパー端子保持部材65の端子挿通孔91にかかった位置(端子先端保護位置)で押し込みを停止する。端子先端保護位置では、ロアー端子保持部材61から突出する端子20の先端部である電気接続部21が、アッパー端子保持部材65によって覆われた状態で保持されている。
次に、図25及び図26で示すように、端子保持部材60をロアー外導体シェル31に収容する。アッパー端子保持部材65がロアー本体部41内に収容されるように、端子保持部材60を上方からロアー外導体シェル31の開口部31Aに挿入する。この際に、ロアー外導体シェル31の開口部31Aは、ロアー端子保持部材61がアッパー端子保持部材65の後方に飛び出た状態の端子保持部材60よりも大きくなっていることから、簡単に端子保持部材60をロアー外導体シェル31内に収容することができる。また、端子20の先端部である電気接続部21が、アッパー端子保持部材65によって覆われていることから、電気接続部21がロアー外導体シェル31等に接触して変形することを抑制できる。
そして、図27及び図28に示すように、ロアー端子保持部材61を前方に押し込む。ロアー端子保持部材61のレール部81(図25参照)がアッパー端子保持部材65のガイド溝93と摺動しながら、ロアー端子保持部材61は前方に押し込まれ、ロアー端子保持部材61がアッパー端子保持部材65に突き当たるところで停止する。ロアー端子保持部材61が正規位置(信号線の端末側に移動した位置)に至ると、端子接続部21が前壁部85から突出して、ロアー本体部41の前端部41A内に収容される。一方、端子被係止部25と圧着部23はロアー端子保持部材61とアッパー端子保持部材65との間に挟まれて収容される。また、係止部75(「第1係止部」の一例)が被係止部49(図6参照)に係止することで、ロアー端子保持部材61はロアー外導体シェル31に対して係止される。
ロアー端子保持部材61がアッパー端子保持部材65に対して前方に移動する際には、ロアー端子保持部材61の端子係止部79に対して端子被係止部25が嵌り合っていることから、ロアー端子保持部材61が移動する際に端子20がずれ動くことが抑制される。また、アッパー端子保持部材65の係合部95がロアー外導体シェル31の切欠き部47に係合しているため、ロアー端子保持部材61が移動しても、アッパー端子保持部材65が移動することを防止できる。そのため、ロアー端子保持部材61をアッパー端子保持部材65に対して移動させやすくなっている。
そして、図29及び図30に示すように、ロアー外導体シェル31の開口部31Aを覆うようにアッパー外導体シェル33を上方から組み付ける。アッパー本体部51の側面板51Bがロアー本体部41の側面の内側に入り込むようにして、アッパー外導体シェル33を組み付ける。また、叩き出し片55が端子係止部79及び切欠き部47に対して覆いかぶさる。そして、係止突部45が係止孔57に入り込むことで、アッパー本体部51がロアー本体部41に固定される。一方で、ロアーバレル部43とアッパーバレル部53も組み合せられることで、円筒状のバレル部37がシールド層13を覆う。そして、図29及び図31に示すように、バレル部37のバレル片43B、53Bをシールド層13にかしめ付けることで、バレル部37とシールド層13が接続されるとともにバレル部37もバレル片43B、53Bで互いに固定される。また、ロアー外導体シェル31の開口部31Aをアッパー外導体シェル33を覆うことができるため、端子保持部材60を上方から挿入可能な開口部31Aを設けていても、アッパー外導体シェル33とロアー外導体シェル31とで全体を覆うことにより、周波数特性が悪化することを抑制できる。
以上のように、本実施形態1では、端子20を収容可能で外導体シェル30に覆われる端子保持部材60は、ロアー端子保持部材61とアッパー端子保持部材65に分割されている。そして、外導体シェル30に覆われる前の状態では、アッパー端子保持部材65が端子先端保護位置にあることで、アッパー端子保持部材65によって端子20の先端部(電気接続部21)が覆われている。そして、外導体シェル30に覆われた後にアッパー端子保持部材65とロアー端子保持部材61とが相対移動することで、アッパー端子保持部材65が正規位置に移動して、端子20の電気接続部21がアッパー端子保持部材65の先方に突出して露出した状態とされる。つまり、外導体シェル30に覆われる前は、端子20の電気接続部21がアッパー端子保持部材65に覆われて保護されているため、端子20の変形を抑制することができる。
<実施形態2>
実施形態2について図32から図82を参照して説明する。
本実施形態の端子モジュールM2及びコネクタC2は、信号線を複数本有する多極シールド電線に用いられるものである。本実施形態の端子モジュールM2は、図34及び図35に示すように、シールド電線1110の信号線1111に接続された端子1120と、この端子1120を保持する端子保持部材1200とを備えている。そして、本実施形態のコネクタC2は、図66及び図71に示すように、端子モジュールM2と、外導体シェル1300とからなるコネクタサブアッシーS2と、コネクタハウジング1400とを備えている。なお、以下の説明において、前後方向については、図73の左側(コネクタC2の嵌合方向)を前側とし、図73の右側(シールド電線1110側)を後側とする。また、上下方向については、図32を基準とし、図32の上側を上側、図32の下側を下側とする。
シールド電線1110は、図34及び図35に示すように、複数本(本実施形態では2本)の信号線1111を束ねて、その周りをシールド層1117が覆い、その周りをさらに絶縁被覆1119で覆うことで構成されている。信号線1111は、内部導体1113が内部絶縁被覆1115によって覆われることで形成されている。また、信号線1111は、信号を伝えるための電線であって、内部導体1113の芯径が細いものとされている。シールド電線1110の端末では、端子1120との接続のために、絶縁被覆1119及びシールド層1117が剥ぎ取られ、信号線1111を露出させる。また、絶縁被覆1119の端末でシールド層1117が折り返されて絶縁被覆1119の外周に被せられることで、シールド層1117も露出する。
端子1120は、図34及び図35に示すように、雄型の端子金具であって、導電性の金属板をプレス加工することによって成形されている。端子1120は、タブ状の電気接続部1121(「先端部」の一例)と、信号線1111に圧着される圧着部1123(「接続部分」の一例)と、電気接続部1121と圧着部1123との間に設けられた端子被係止部1130とを備えている。また、端子被係止部1130と電気接続部1121との間は、先端側にいくほど小さくなるテーパー部1129となっている。圧着部1123は、オープンバレル形式の圧着片となっており、内部導体1113にかしめ付けられるワイヤバレル1125と、内部絶縁被覆1115にかしめ付けられるインシュレーションバレル1127とを備えている。
端子被係止部1130は、図34及び図35に示すように、箱形をしており、端子1120の前後方向の寸法の略3分の1を占めている。端子被係止部1130には、上方に突出する2つの凸部1131、1133と、前止まり部1135とを備えている。2つの凸部1131、1133は、それぞれその前端部が前側にいくほど上下方向の寸法が小さくなる傾斜状となっている。また、端子被係止部1130の凸部1131、1133は、一側方に寄っており、前側の凸部1131の側方には、前止まり部1135が設けられている。前止まり部1135は、端子被係止部1130の天井板よりも若干上方に突出しており、端子被係止部1130の前後方向の略半分程度の寸法を占めている。
端子保持部材1200は、図34及び図35に示すように、上下方向(端子1120の延び方向に直交する方向)に2つに分割されており、アッパー端子保持部材1210(「第1の端子保持部材」の一例)とロアー端子保持部材1250(「第2の端子保持部材」の一例)とを組み合わせることで構成されており、全体として前後方向に長い箱形となっている。また、ロアー端子保持部材1250は、アッパー端子保持部材1210に対して、端子1120の延び方向に沿ってスライド移動可能なようになっている。
アッパー端子保持部材1210は、合成樹脂製であって、図35及び図50に示すように、端子1120の圧着部1123及び端子被係止部1130を保持する。アッパー端子保持部材1210は、天井壁部1211と、天井壁部1211から垂直に突出する一対の側壁部1213と、上側前壁部1215とを備えており、上方及び後方が開口している。上側前壁部1215は、後記する下側前壁部1253と一体になって、端子保持部材1200の前壁を形成しており、端子1120の電気接続部1121を挿通可能な挿通孔を形成するために、上側前壁部1215には、上側挿通溝1216が設けられている。側壁部1213は、天井壁部1211の幅方向の端部よりも内側から下方に突出しており、天井壁部1211と側壁部1213との間は、R面1217になっている。また、側壁部1213の下端位置は、収容した端子1120の端子被係止部1130の下端位置と同じになっている。また、天井壁部1211の前端部から上側前壁部1215に亘って、前方が上下方向の寸法が小さくなる傾斜面1219となっている。
そして、図35及び図37に示すように、両側壁部1213の間には、端子1120の間を仕切る仕切壁1221が設けられている。仕切壁1221は、両側壁部1213の下端位置と同じ位置まで天井壁部1211から下方に突出している。そして、各側壁部1213と仕切壁1221と天井壁部1211とに囲まれた領域が、端子1120の圧着部1123及び端子被係止部1130を収容する収容凹部1223となっている。収容凹部1223は、下方に開口しており、電気接続部1121を突出させた状態で端子1120を下方から収容可能としている。また、各側壁部1213と仕切壁1221との間(収容凹部1223)の前端部分の内寸は、端子被係止部1130の外寸とほぼ同じになっている。各側壁部1213と仕切壁1221との間(収容凹部1223)の内寸は、後方に行くにつれて広がり、後半部分の内寸は圧着部1123の外寸とほぼ同じか若干大きくなっている。
また、収容凹部1223の上面は、図37及び図54に示すように、端子1120の上形状に沿った形状となっている。特に、端子被係止部1130が収容される部分の天井壁部1211の下面(収容凹部1223の前端部分の上面)には、端子被係止部1130が嵌る端子係止部1230が設けられている。
端子被係止部1130の前端部は、図37及び図54に示すように、端子1120のテーパー部1129及び前側の凸部1131の傾斜面を収容するテーパー面1231となっている。テーパー面1231は、上側挿通溝1216の下端位置から後方にいくほど、天井壁部1211の上下方向の寸法が小さくなるようになっている。テーパー面1231の前後方向の途中で、一側方に寄った位置には、図37及び図39に示すように、底面視矩形状で、底面が平坦となった前止まり壁部1232が設けられている。図37及び図54に示すように、テーパー面1231の後方で、前止まり壁部1232とは反対側の側方には、前側の凸部1131を収容する第1収容部1233が設けられている。また、前止まり壁部1232の後方から、第1収容部1233の側方に亘って、端子1120の前止まり部1135を収容する第2収容部1234となっている。そして、第1収容部1233と第2収容部1234の後方は、第1収容部1233及び第2収容部1234よりも下方に突出した第1突出部1235となっている。そして、第1突出部1235の第1収容部側に寄った位置には、端子1120の後側の凸部1133を収容する第3収容部1236となっている。第3収容部1236の前端部は、凸部1133の傾斜面にそった傾斜状になっている。そして、第1突出部1235と第3収容部1236との後方には第2突出部1237が設けられている。第2突出部1237は、第1突出部1235よりも下方に突出してテーパー面1231の下端位置と同じ位置まで突出している。
また、図37及び図54に示すように、収容凹部1223の内圧着部1123の収容される部分は、圧着部1123との間に隙間が設けられる程度で、圧着部1123の形状に合わせて窪んでいる。より具体的には、インシュレーションバレル1127の収容される部分のほうが、ワイヤバレル1125の収容される部分よりも窪むことで、端子1120の圧着部1123との間に一定の隙間が空くようになっている。
そして、図35及び図37に示すように、両側壁部1213から幅方向外側に突出するようにガイド部1225が設けられている。ガイド部1225は、アッパー端子保持部材1210の側壁部1213の前端から後端まで前後方向(端子1120の延び方向)に延びている。そして、ガイド部1225の下端位置は側壁部1213の下端位置と同じになっており、側壁部1213の下面からガイド部1225の側面に向かってR形状を描くようになっている。また、ガイド部1225の上面は、側壁部1213の側面と直交する面となっている。
また、図34及び図35に示すように、各側壁部1213の前後方向の途中位置に、係止板部1227(「本係止部」及び「仮係止部」の一部)が設けられている。係止板部1227は、側壁部1213より若干板厚が薄くなっており、側面視矩形状となっている。係止板部1227は、下方に突出しており、ロアー端子保持部材1250と組み合わせた際に、ロアー端子保持部材1250の下端位置の若干上方に至る程度に突出している。
そして、図35及び図36に示すように、天井壁部1211の前後方向の中央位置の上面には、上面よりも下方に向かって凹んだ係合凹部1241(「第1係合部」の一例)が設けられている。係合凹部1241は平面視矩形状であって、アッパー外導体シェル1303の係合用叩き出し部1361(図66参照)に係合する。また、天井壁部1211の側面には、ロアー外導体シェル1301の切り欠き部1325に係合する係合部1243(「第1係合部」の一例)が設けられている。係合部1243は、天井壁部1211の各側面に設けられており、天井壁部1211の前後方向の中央より前方寄りに設けられており、ロアー外導体シェル1301の板厚分幅方向外側に突出している。また、係合部1243の前後には、球体を4分の1にした形状の係合凸部1245(「第1係合部」の一例)が各側面に一対ずつ、合計4つ設けられている。係合凸部1245の幅方向の突出寸法は、係合部1243の幅方向の突出寸法より小さい。また、各側壁部1213の後端部には、係合爪部1247が設けられている。係合爪部1247は、各ガイド部1225に亘って設けられており、上側にいくほど幅方向外側に突出する爪状になっている。
ロアー端子保持部材1250は、合成樹脂製であって、図34及び図39に示すように、アッパー端子保持部材1210とともに、端子1120の圧着部1123及び端子被係止部1130を収容する。ロアー端子保持部材1250は、底壁部1251と、下側前壁部1253と、レール壁部1255とを備えている。底壁部1251は、全体として上面が平坦な平板状となっている。下側前壁部1253は、上側挿通溝1216とともに端子1120の電気接続部1121を挿通可能な挿通孔を形成する下側挿通溝1257が設けられている。
ロアー端子保持部材1250のレール壁部1255は、図34及び図40に示すように、アッパー端子保持部材1210の側壁部1213の幅方向外側から被さるようになっている。レール壁部1255は、後記するバネ部1313と干渉しないように下側前壁部1253との間に前後方向に若干隙間を設けた位置と、係合爪部1247と組み合わさる位置の前方位置から、上方に突出する一対の腕部1261と、ガイド部1225と勘合して摺動するレール部1263とからなる。レール部1263は、内側に向かって爪状に突出しており、両腕部1261との間を前後方向(端子1120の延び方向)に延びている。そして、レール部1263の上端から内側の爪状に向かってR形状を描くようになっている。また、レール部1263の下面は、ガイド部1225の上面と摺動する面となっている。また、底壁部1251の腕部1261の内側の位置には、R面を有する溝部1265が設けられている。溝部1265は、前後方向に伸びており、下側前壁部1253の後端位置から底壁部1251の後端位置に亘って設けられることで、腕部1261が幅方向外側に撓み変形しやすくなっている。
底壁部1251の前端位置の下面には、図35及び図59に示すように、後記するロアー外導体シェル1301のバネ部1313を逃がすための逃げ溝1259が設けられている。逃げ溝1259は、底面視矩形状をしており、底壁部1251の前端位置から設けられており、底壁部1251の下面が上側に凹むことで設けられている。
底壁部1251には、図39及び図40に示すように、係止板部1227が嵌まる貫通レール部1270が一対設けられている。貫通レール部1270は、底壁部1251を板厚方向に貫通しており、一対の腕部1261の間を前後方向に伸びている。そして、貫通レール部1270の幅方向の寸法は、係止板部1227の幅方向の寸法と同じか若干大きくなっている。
そして、貫通レール部1270には、仮係止凸部1271(「仮係止部」の一例)と、本係止凸部1273(「本係止部」の一例)が設けられている。仮係止凸部1271は、貫通レール部1270の後端位置から係止板部1227の前後方向の寸法分間をあけたところに設けられており、底壁部1251と同じ板厚(上下方向の寸法)となっている。仮係止凸部1271は、貫通レール部1270の内側に向かって貫通レール部1270の側面から突出して、貫通レール部1270の幅が狭くなることで、係止板部1227が前後方向に移動するのを抑制する。そして、仮係止凸部1271の前後の面は、傾斜面となることで、係止板部1227が仮係止凸部1271の設けられたところを通り抜けやすくなっている。
一方、本係止凸部1273は、貫通レール部1270の前端位置から係止板部1227の前後方向の寸法分間をあけたところに設けられており、底壁部1251と同じ板厚(上下方向の寸法)となっている。本係止凸部1273は、貫通レール部1270の内側に向かって貫通レール部1270の側面から突出して、貫通レール部1270の幅が狭くなることで、係止板部1227が前後方向に移動するのを抑制する。そして、本係止凸部1273の後側の面は、傾斜面となる一方、前側の面は、貫通レール部1270の内側面と直交することで、一度通過した係止板部1227が後方に戻るのを抑制するようになっている。
貫通レール部1270の後端位置には、係止板部1227を貫通レール部1270に嵌める際にガイドするためのガイド溝1275が設けられている。ガイド溝1275は、幅方向内側から外側に向かって徐々に下側に傾斜することで、係止板部1227を貫通レール部1270に嵌めやすくしている。
外導体シェル1300は、図66及び図67に示すように、上下方向(端子1120の延び方向に直交する方向)に2つに分割されており、ロアー外導体シェル1301(「一方の外導体シェル」の一例)とアッパー外導体シェル1303(「他方の外導体シェル」の一例)を組み合わせることで構成されている。また、外導体シェル1300は、端子保持部材1200を収容する角筒状の本体部1305と、シールド電線1110のシールド層1117と接続されるバレル部1307を備えている。
ロアー外導体シェル1301は、導電性板材をプレス成形することで形成されている。そして、ロアー外導体シェル1301は、図66に示すように、本体部1305の一部を構成する角筒状のロアー本体部1310と、バレル部1307の一部を構成するロアーバレル部1340とを備えている。
ロアー本体部1310は、図41及び図55に示すように、前後方向に開口した略角筒状をしており、ロアー本体部1310の前端部1311は四面が囲われている。前端部1311の各面には、相手側のシェルと接触するためのバネ部1313が設けられている。一方、ロアー本体部1310の後端部1315には、上方へ全て開口した本体側開口部1317が設けられており、後端部1315は、断面視コの字状になっている。また、ロアー本体部1310の前端部1311は、端子1120の電気接続部1121が収容可能となっており、後端部1315には、端子保持部材1200が収容可能となっている。ロアー本体部1310の後端部1315の前後方向の寸法は、端子保持部材1200の前後方向の寸法とほぼ同じとなっている。
そして、図55及び図63に示すように、ロアー本体部1310の後端部1315の両側面には、内側に向かって叩き出された係止片1321が設けられている。係止片1321は、ロアー端子保持部材1250の底壁部1251とレール部1263との間に入り込むようになっており、ロアー端子保持部材1250が上下方向に移動するのを抑制する。また、係止片1321の周縁部には、板厚方向に貫通した切り起こし孔1323が設けられている。
また、ロアー本体部1310の後端部1315には、図55及び図61に示すように、その両側面の上縁から下方に矩形状に切欠かれた切り欠き部1325が設けられている。切り欠き部1325に、アッパー端子保持部材1210の係合部1243が係合することで、アッパー端子保持部材1210が前後方向に移動するのを抑制する。また、図55及び図64に示すように、後端部1315の両側面の切り欠き部1325の前後には、係合凸部1245が係合する小孔1327が一対設けられている。小孔1327に係合凸部1245が係合することで、アッパー端子保持部材1210が上下方向に移動するのを抑制する。そして、図55及び図65に示すように、後端部1315の両側面には、係合爪部1247が係合する係合孔1329が設けられている。係合孔1329に係合爪部1247が係合することで、アッパー端子保持部材1210が前後及び上下方向に移動するのを抑制する。そして、後端部1315の両側面には、半円形の半円孔1331が板厚方向に貫通して設けられている。
ロアーバレル部1340は、図41及び図55に示すように、ロアー本体部1310から連設された底板部1341と、底板部1341から上方に立ち上がるバレル片1343とを備えている。また、ロアーバレル部1340の底板部1341は、断面視円弧状となっている。また、ロアーバレル部1340は、上方に開口しており、ロアー本体部1310の本体側開口部1317とあわせて、端子保持部材1200を挿入可能なロアー外導体シェル1301の開口部1309となっている。
アッパー外導体シェル1303は、導電性板材をプレス成形することで形成されている。そして、アッパー外導体シェル1303は、図43及び図66に示すように、本体部1305の一部を構成するアッパー本体部1350と、バレル部1307の一部を構成するアッパーバレル部1380とを備えている。また、アッパー外導体シェル1303は、ロアー外導体シェル1301の開口部1309を上方から覆っている。
アッパー本体部1350は、ロアー本体部1310の底板と平行な天板1351と、天板1351の側端から略L字状に折り曲げられた一対の側面板1353とによって形成されており、前後方向に開口した断面視コの字状となっている。そして、アッパー本体部1350の天板1351は、ロアー本体部1310の本体側開口部1317を覆っており、アッパー本体部1350の両側面板1353の内面は、ロアー本体部1310の後端部1315の両側面の外面と接触する。つまり、アッパー本体部1350の両側面板1353は、ロアー本体部1310の後端部1315の外側を覆うようにして重なっている。また、天板1351の前端から前方下側に向かって叩き出し片1355が伸びている。叩き出し片1355は、ロアー本体部1310の前端部1311の天板の下側に入り込むことで、隙間なく本体側開口部1317を覆うことができる。そして、アッパー本体部1350がロアー本体部1310に重なると、前後方向に開口した角筒状の本体部1305となっている。また、アッパー本体部1350の叩き出し片1355を除いた前後方向の寸法は、端子保持部材1200の前後方向の寸法と同じとなっている。
アッパー本体部1350の天板1351には、図66及び図73に示すように、下側に叩き出された係合用叩き出し部1361が設けられている。係合用叩き出し部1361が、アッパー端子保持部材1210の係合凹部1241に収容されて、係合用叩き出し部1361の前端が係合凹部1241の端面に係合することで、アッパー端子保持部材1210がアッパー外導体シェル1303に対して前後方向に移動するのを抑制する。アッパー本体部1350の両側面には、図66に示すように、球体を4分の1にした形状に内側に叩き出された叩き出し凸部1363がそれぞれ一対設けられている。図66及び図69に示すように、前側の叩き出し凸部1363がロアー外導体シェル1301の半円孔1331の上孔縁に係止し、図66及び図70に示すように、後側の叩き出し凸部1363が切り起こし孔1323の上孔縁に係止することで、アッパー外導体シェル1303がロアー外導体シェル1301に係止される。
また、アッパー本体部1350の天板1351の前端部には、図66及び図73に示すように、上方に突出したランス係止部1365が設けられている。ランス係止部1365は、後記するコネクタハウジング1400のランス1413が係止することで、コネクタハウジング1400内で外導体シェル1300を固定可能となっている。図66及び図74に示すように、アッパー本体部1350の両側面板1353には、外側に叩き出された叩き出し部1367が設けられている。叩き出し部1367は、その面状になった前端縁がコネクタハウジング1400内の当接面1417に当たることで、外導体シェル1300の前止まりとなっている。
アッパーバレル部1380は、図43及び図66に示すように、アッパー本体部1350から連設された上板部1381と、上板部1381から下方外側に延びるバレル片1383とを備えている。また、アッパーバレル部1380の上板部1381は、断面円弧状となっている。そして、アッパーバレル部1380がロアーバレル部1340に覆いかぶさると、円筒形状になる。また、各バレル片1343、1383がそれぞれかしめ付けられることで、バレル部1307がシールド電線1110のシールド層1117と接続される。
コネクタハウジング1400は、合成樹脂製であって、図71及び図72に示すように、前後方向に開口した角筒状となっている。コネクタハウジング1400は、コネクタサブアッシーS2を収容するコネクタ本体部1410と、相手側コネクタを外嵌するフード部1430とを備えている。フード部1430には、図73及び図74に示すように、ロアー外導体シェル1301の前端部1311が配されている。
コネクタ本体部1410には、図47及び図74に示すように、コネクタサブアッシーS2を収容するキャビティ1411が前後方向に貫通するようにして設けられている。キャビティ1411は、フード部1430と連通しており、コネクタサブアッシーS2の外形形状に沿う形状となっている。キャビティ1411の上壁には、ランス1413が上下方向に弾性変形可能に設けられている。また、キャビティ1411の側壁には、アッパー外導体シェル1303の叩き出し部1367を挿通可能な背面視半円形の挿通溝部1415が後端の挿入用開口部1419から前方に伸びている。そして、挿通溝部1415の前端部が、叩き出し部1367が当接する当接面1417となっている。なお、キャビティ1411の後端の開口は、コネクタサブアッシーS2を後方から前方に(端子1120の伸び方向に)挿入可能な挿入用開口部1419となっている。
次に、コネクタC2の組み立て手順の一例について説明する。
まず、図34及び図35に示すように、シールド電線1110の絶縁被覆1119を皮剥ぎして、信号線1111の端末を露出させて、シールド層1117を絶縁被覆の外周に折り返して被せる。そして、信号線1111を端子1120に接続する。具体的には、信号線1111の内部導体1113を圧着部1123のワイヤバレル1125に圧着するとともに、信号線1111の内部絶縁被覆1115に圧着部1123のインシュレーションバレル1127をかしめつける。
次に、図35に示すように、シールド電線1110の信号線1111に接続された端子1120をアッパー端子保持部材1210に収容する。各端子1120が各収容凹部1223に収容されるように、アッパー端子保持部材1210の下方から端子1120を収容する。このように、下方に開口した収容凹部1223に端子1120を収容する場合には、1つの端子1120を対応する一方の収容凹部1223に収容する際に、他の端子1120を一方の収容凹部1223の外側に退避させるだけなので、端子1120の延び方向から端子1120を収容する場合に比べて、シールド層1117を剥がす寸法が小さくても良くなる。そのため、ノイズの影響を受けにくくなる。
そして、端子1120がアッパー端子保持部材1210の所定位置に配されると、図49及び図50に示すように、端子被係止部1130が端子係止部1230に係止されることで、端子1120がアッパー端子保持部材1210に対して移動しない状態で保持される。具体的には、端子1120のテーパー部1129が端子係止部1230のテーパー面1231に配されて、端子被係止部1130の前側の凸部1131が第1収容部1233に収容され、前側の凸部1131の後端が第1突出部1235に係止される。同時に、後側の凸部1133が第3収容部1236に収容されて、後側の凸部1133の後端及び端子被係止部1130の後端が第2突出部1237に係止される。また、端子1120の前止まり部1135の前端がアッパー端子保持部材1210の前止まり壁部1232に当接する。そして、前止まり部1135が第2収容部1134に収容される。なお、この際に、端子1120の電気接続部1121は、アッパー端子保持部材1210の前端から突出した状態で保持される。
そして、図50に示すように、端子1120が収容されたアッパー端子保持部材1210をロアー端子保持部材1250と組み合わせる。具体的には、アッパー端子保持部材1210の下方からロアー端子保持部材1250を嵌める。アッパー端子保持部材1210のガイド部1225を内側に変形させながら、レール部1263を外側に変形させることで、互いを乗り越えてガイド部1225とレール部1263とが摺動移動可能な状態にする。そして、図53に示すように、アッパー端子保持部材1210のR面1217とレール部1263の上側のR形状が沿う状態になっており、レール部1263の下端面とガイド部1225の上面とが摺動するように嵌まり合うことで、アッパー端子保持部材1210とロアー端子保持部材1250とは上下方向に相対移動できず、前後方向には相対移動可能となっている。
また、図52及び図53に示すように、係止板部1227は、ロアー端子保持部材1250のガイド溝1275にガイドされて、貫通レール部1270の後端部に嵌まって、仮係止凸部1271に係止される。そして、係止板部1227が仮係止凸部1271に係止されている端子先端保護位置では、図54に示すように、アッパー端子保持部材1210から突出する端子1120の先端部である電気接続部1121が、ロアー端子保持部材1250によって覆われた状態で保持されている。また、電気接続部1121の先端部が下側前壁部1253の下側挿通溝1257内に配されている。一方、端子1120の圧着部1123は、ロアー端子保持部材1250によって覆われておらず、露出した状態となっている。
次に、図55から図57に示すように、端子保持部材1200をロアー外導体シェル1301に収容する。端子保持部材1200の前端が下方になる斜めの姿勢で、端子保持部材1200を上方からロアー外導体シェル1301の開口部1309に挿入する。そして、斜めの姿勢で端子1120の電気接続部1121がロアー外導体シェル1301の前端部1311に配されるように、端子保持部材1200を収容する。この際に、ロアー外導体シェル1301の開口部1309は、端子先端保護位置での端子保持部材1200よりも大きくなっていることから、簡単に端子保持部材1200をロアー外導体シェル1301内に収容することができる。そして、アッパー端子保持部材1210には傾斜面1219が設けられていることから、アッパー端子保持部材1210が前端部1311の後端縁に引っかかる虞がない。また、端子1120の先端部である電気接続部1121が、ロアー端子保持部材1250によって覆われていることから、斜めの姿勢であっても電気接続部1121がロアー外導体シェル1301等に接触して変形することを抑制できる。
そして、図58から図65に示すように、ロアー外導体シェル1301内に端子保持部材1200が収容された状態では、切り欠き部1325に、アッパー端子保持部材1210の係合部1243が係合することで、アッパー端子保持部材1210が前後方向に移動するのを抑制する。また、小孔1327に係合凸部1245が係合することで、アッパー端子保持部材1210が上下方向に移動するのを抑制する。そして、係合孔1329に係合爪部1247が係合することで、アッパー端子保持部材1210が前後及び上下方向に移動するのを抑制する。なお、ロアー端子保持部材1250には逃げ溝1259が設けられていることから、前端部1311のバネ部1313が接触する虞がない。
そして、図66に示すように、ロアー外導体シェル1301のロアーバレル部1340のバレル片1343をシールド電線1110のシールド層1117にかしめた後に、ロアー外導体シェル1301の開口部1309を覆うようにアッパー外導体シェル1303を上方から組み付ける。アッパー本体部1350の叩き出し片1355がロアー本体部1310の前端部1311の下側に入り込むようにし、かつアッパー本体部1350の側面板1353がロアー本体部1310の側面の外側を覆うようにして、アッパー外導体シェル1303を組み付ける。なお、アッパー端子保持部材1210には、その前端部に傾斜面1219が設けられていることから、叩き出し片1355が入り込む際にアッパー端子保持部材1210と干渉する虞がない。
そして、図66から図70及び図73に示すように、係合用叩き出し部1361が、アッパー端子保持部材1210の係合凹部1241に収容されて、係合用叩き出し部1361の前端が係合凹部1241の端面に係合することで、アッパー端子保持部材1210がアッパー外導体シェル1303に対して前後方向に移動するのを抑制する。このように、アッパー端子保持部材1210は、アッパー外導体シェル1303及びロアー外導体シェル1301に対して係止されて、外導体シェル1300に対して相対移動することが抑制されている。また、アッパー本体部1350の前側の叩き出し凸部1363がロアー外導体シェル1301の半円孔1331の上孔縁に係止し、後側の叩き出し凸部1363が切り起こし孔1323の上孔縁に係止することで、アッパー外導体シェル1303がロアー外導体シェル1301に係止される。
一方で、アッパーバレル部1380もロアーバレル部1340の上にかぶせられることで、円筒状のバレル部1307がシールド層1117を覆う。そして、図67に示すように、アッパーバレル部1380のバレル片1383をかしめ付けることで、アッパーバレル部1380もロアーバレル部1340を一部介してシールド層1117に接続される。そして、アッパーバレル部1380とロアーバレル部1340も固定される。
また、ロアー外導体シェル1301の開口部1309をアッパー外導体シェル1303で覆うことができ、アッパー外導体シェル1303には殆ど貫通孔や開口部が設けられていないため、端子保持部材1200を上方から挿入可能な開口部1309を設けていても、アッパー外導体シェル1303とロアー外導体シェル1301とで全体を覆うことにより、周波数特性が悪化することを抑制できる。
そして、図71から図73に示すように、コネクタハウジング1400内に組み立てられたコネクタサブアッシーS2を組み付ける。キャビティ1411の後端の挿入用開口部1419からコネクタサブアッシーS2を挿入して、前方に押し込む。この際に、叩き出し部1367が挿通溝部1415を挿通することで、コネクタサブアッシーS2がコネクタハウジング1400内で傾くのが規制される。そして、叩き出し部1367が当接面1417に当接して、前方への挿入が停止すると、コネクタハウジング1400のランス1413がランス係止部1365に係止して、コネクタサブアッシーS2がコネクタハウジング1400に係止される。
そして、図75及び図76に示すように、ロアー端子保持部材1250を後方に押し込む。治具1500をコネクタハウジング1400のフード部1430の前方から嵌める。治具1500には、端子1120の先端部を保護する一対の端子保護部1510と、平板状の押し込み部1530と、フード部1430を外嵌可能な治具フード部1540とを備えている。そして、フード部1430を治具フード部1540内に嵌合して、端子1120の先端が端子保護部1510に突き当たった状態で、押し込み部1530を後方に押し込む。すると、押し込み部1530がロアー端子保持部材1250の前端面に当たり、アッパー端子保持部材1210のガイド部1225とロアー端子保持部材1250のレール部1263とが互いに摺動しながら、ロアー端子保持部材1250は後方に押し込まれる。
ロアー端子保持部材1250が後方に押し込まれる際には、図78に示すように、アッパー端子保持部材1210の係止板部1227はロアー端子保持部材1250の貫通レール部1270の仮係止凸部1271を乗り越えて相対的に前方に移動する。そして、さらにロアー端子保持部材1250が後方に押し込まれると、本係止凸部1273を乗り越える。そして、係止板部1227が貫通レール部1270の前端位置に当接して停止すると、ロアー端子保持部材1250もそれ以上後方に移動できなくなり、押し込みが停止される。
ロアー端子保持部材1250がアッパー端子保持部材1210と完全に重なり、正規位置に至ると、図77に示すように、電気接続部1121が端子保持部材1200から突出した状態で、ロアー本体部1310の前端部1311内に収容される。一方、端子被係止部1130と圧着部1123はロアー端子保持部材1250とアッパー端子保持部材1210との間に挟まれて収容される。また、ロアー端子保持部材1250は、ロアー本体部1310の後端部1315内に配される。この際に、係止板部1227は、貫通レール部1270の前端位置に配されて、相対的に後方に戻らない状態で本係止凸部1273に係止されることで、ロアー端子保持部材1250はアッパー端子保持部材1210に対して固定される。
なお、ロアー端子保持部材1250がアッパー端子保持部材1210に対して前方に移動する際には、アッパー端子保持部材1210の端子係止部1230に対して端子1120の端子被係止部1130が嵌り合っていることから、ロアー端子保持部材1250が移動する際に端子1120がずれ動くことが抑制される。また、アッパー端子保持部材1210が複数個所で外導体シェル1300に係合しており、外導体シェル1300がコネクタハウジング1400のランス1413によって係止されている。そのため、ロアー端子保持部材1250が移動しても、アッパー端子保持部材1210や外導体シェル1300が移動することを防止できる。そのため、ロアー端子保持部材1250を治具1500によって押し込んだ際にアッパー端子保持部材1210に対して移動させやすくなっている。
また、本実施形態において、ロアー端子保持部材1250を移動させるタイミングとして、コネクタサブアッシーS2が組み付けられて、コネクタハウジング1400に挿入する前のタイミングであっても良い。その場合の手順について図80から図82を用いて説明する。
治具1550をロアー外導体シェル1301の前方から嵌める。治具1550には、押し込み部1560と、ロアー外導体シェル1301の前端部1311を外嵌可能な治具フード部1570とを備えている。そして、ロアー外導体シェル1301の前端部1311が治具フード部1570内に嵌合した状態で、押し込み部1560を後方に押し込む。すると、押し込み部1560がロアー端子保持部材1250の前端面に当たり、アッパー端子保持部材1210のガイド部1225とロアー端子保持部材1250のレール部1263とが互いに摺動しながら、ロアー端子保持部材1250は後方に押し込まれる。
ロアー端子保持部材1250が後方に押し込まれると、アッパー端子保持部材1210の係止板部1227はロアー端子保持部材1250の貫通レール部1270の仮係止凸部1271を乗り越えて相対的に前方に移動する。そして、さらにロアー端子保持部材1250が後方に押し込まれると、本係止凸部1273を乗り越える。そして、係止板部1227が貫通レール部1270の前端位置に当接して停止すると、ロアー端子保持部材1250もそれ以上後方に移動できなくなり、押し込みが停止される。
ロアー端子保持部材1250がアッパー端子保持部材1210と完全に重なり、正規位置に至ると、電気接続部1121が端子保持部材1200から突出した状態で、ロアー本体部1310の前端部1311内に収容される。一方、端子被係止部1130と圧着部1123はロアー端子保持部材1250とアッパー端子保持部材1210との間に挟まれて収容される。また、ロアー端子保持部材1250は、ロアー本体部1310の後端部1315内に配される。この際に、係止板部1227は、貫通レール部1270の前端位置に配されて、相対的に後方に戻らない状態で本係止凸部1273に係止されることで、ロアー端子保持部材1250はアッパー端子保持部材1210に対して固定される。このようにして、電気接続部1121が前端部1311内に露出した状態で収容された後に、コネクタサブアッシーS2をコネクタハウジング1400内に収容することで、コネクタC2を組み立てても良い。
以上のように、本実施形態2のコネクタC2及び端子モジュールM2によれば、端子1120を収容可能な端子保持部材1200は、アッパー端子保持部材1210とロアー端子保持部材1250とに分割されている。そして、ロアー端子保持部材1250によってアッパー端子保持部材1210から突出する端子1120の電気接続部1121が覆われており、ロアー端子保持部材1250が信号線1111の端末側に相対移動することで、ロアー端子保持部材1250の先方に端子1120の電気接続部1121が突出して露出した状態とされる。つまり、端子1120の電気接続部1121がロアー端子保持部材1250に覆われて保護された状態で、ロアー外導体シェル1301内に収容することができるので、ロアー外導体シェル1301に収容する際等の端子1120の変形を抑制することができる。
また、係止板部1227が仮係止凸部1271に係止することによって、アッパー端子保持部材1210とロアー端子保持部材1250とが端子1120の電気接続部1121がロアー端子保持部材1250によって覆われた状態(端子先端保護位置)に係止されていることから、ロアー外導体シェル1301への収容中などに、アッパー端子保持部材1210とロアー端子保持部材1250とが不用意に相対移動して、端子1120の電気接続部1121が露出する虞がない。また、係止板部1227が本係止凸部1273に係止することによって、アッパー端子保持部材1210とロアー端子保持部材1250とが端子1120の電気接続部1121が露出した状態(正規位置)に係止されていることから、不用意にアッパー端子保持部材1210とロアー端子保持部材1250とが相対移動して、端子1120の電気接続部1121が覆われた状態に戻ることがない。
<実施形態3>
実施形態3について図83から図113を参照して説明する。
実施形態3のコネクタC3では、外導体シェルを用いていておらず、端子モジュールM3が直接コネクタハウジング1400に収容されている点が実施形態2とは相違する。なお、端子1120については、実施形態2と同一のため説明を省略する。また、コネクタハウジング1400についても、実施形態2と同様のものを用いている。そして、実施形態2と同一機能を有する部材、部位については、同一の符号を付すことで、説明を省略しまたは簡略化する。なお、上下前後方向については、実施形態2と同じ方向とする。
本実施形態の端子モジュールM3及びコネクタC3は、信号線を多数本有するシールド電線に用いられるものである。本実施形態の端子モジュールM3は、図83に示すように、電線2110の信号線2111に接続された端子1120と、電線2110に組み付けられたブラケット2150と、この端子1120を保持する端子保持部材2200とを備えている。そして、本実施形態のコネクタC3は、図103及び図105に示すように、端子モジュールM3と、コネクタハウジング1400とを備えている。
電線2110は、図83及び図95に示すように、複数本(本実施形態では2本)の信号線2111をツイストして、その周りを外部被覆2119で覆うことで構成されている。信号線2111は、内部導体2113が内部絶縁被覆2115によって覆われることで形成されており、内部導体2113の芯径が細いものとされている。内部導体2113がワイヤバレル1125にかしめつけられ、内部絶縁被覆2115がインシュレーションバレル1127にかしめつけられている。電線2110の端末では、端子1120との接続のために、外部被覆2119が剥ぎ取られ、信号線2111を露出させる。また、信号線2111が露出された部分では、ツイストがほどかれている。
ブラケット2150は、電線2110に挿通されて、信号線2111を露出させた外部被覆2119の端部に組み付けられる。ブラケット2150は、正面視扁平な菱形となっており、上下方向の寸法が幅方向の寸法より小さくなっている。ブラケット2150の幅方向の端部は、板厚を2枚重ねた平坦部2151となっている一方、ブラケット2150の上下方向の端部はR形状になった湾曲部2153となっている。そして、2本の信号線2111を挿通可能となっている。
端子保持部材2200は、図83に示すように、上下方向(端子1120の延び方向に直交する方向)に2つに分割されており、アッパー端子保持部材2210(「第1の端子保持部材」の一例)とロアー端子保持部材2250(「第2の端子保持部材」の一例)とを組み合わせることで構成されており、全体として前後方向に長い箱形となっている。また、ロアー端子保持部材2250は、アッパー端子保持部材2210に対して、端子1120の延び方向に沿ってスライド移動可能なようになっている。
アッパー端子保持部材2210は、合成樹脂製であって、図83に示すように、端子1120の圧着部1123及び端子被係止部1130とブラケット2150とを保持する。アッパー端子保持部材2210は、天井壁部2211と、天井壁部2211から垂直に突出する一対の側壁部2213と、上側前壁部2215と、上側ブラケット保持部2240を備えており、下方及び後方が開口している。天井壁部2211の幅方向の寸法は、実施形態2における外導体シェル1300の幅方向の寸法と同じで、コネクタハウジング1400のキャビティ1411の内寸と同じか若干小さくなっている。上側前壁部2215は、後記する下側前壁部2253と一体になって、端子保持部材2200の前壁を形成しており、端子1120の電気接続部1121を挿通可能な挿通孔を形成するために、上側前壁部2215には、上側挿通溝2216が設けられている。側壁部2213は、天井壁部2211の幅方向の端部よりも内側から下方に突出しており、天井壁部2211と側壁部2213との間は、R面2217になっている。また、側壁部2213の下端位置は、収容した端子1120の端子被係止部1130の下端位置と同じになっている。
そして、図83及び図85に示すように、両側壁部2213の間には、端子1120の間を仕切る仕切り壁2221が設けられている。仕切り壁2221は、両側壁部2213の下端位置と同じ位置まで天井壁部2211から下方に突出している。なお、仕切り壁2221の前後方向の寸法は、両側壁部2213の前後方向の寸法よりも短くなっており、その後端位置が異なっている。そして、各側壁部2213と仕切り壁2221と天井壁部2211とに囲まれた領域が、端子1120の圧着部1123及び端子被係止部1130を収容する収容凹部2223となっている。収容凹部2223は、下方に開口しており、電気接続部1121を突出させた状態で端子1120を下方から収容可能としている。また、各側壁部2213と仕切り壁2221との間(収容凹部2223)の前端部分の内寸は、端子被係止部1130の外寸とほぼ同じになっている。各側壁部2213と仕切り壁2221との間(収容凹部2223)の内寸は、後方に行くにつれて広がり、後半部分の内寸は圧着部1123の外寸とほぼ同じか若干大きくなっている。
また、収容凹部2223の下面は、図83及び図85に示すように、端子1120の上形状に沿った形状となっている。特に、端子被係止部1130が収容される部分の天井壁部2211の下面(収容凹部2223の前端部分の下面)には、端子被係止部1130が嵌る端子係止部1230が設けられている。端子係止部1230の形状については、実施形態2と同様のためその説明を省略する。
また、図83及び図105に示すように、収容凹部2223の内圧着部1123の収容される部分は、圧着部1123との間に隙間が設けられる程度で、圧着部1123の形状に合わせて窪んでいる。より具体的には、インシュレーションバレル1127の収容される部分のほうが、ワイヤバレル1125の収容される部分よりも窪むことで、端子1120の圧着部1123との間に一定の隙間が空くようになっている。
そして、図85及び図86に示すように、上側前壁部2215の側面及び両側壁部2213の下端部から幅方向外側に突出するようにガイド部2225が設けられている。ガイド部2225は、アッパー端子保持部材1210の上側前壁部2215の前端から側壁部2213の後端まで前後方向(端子2210の延び方向)に延びている。そして、ガイド部2225の下端位置は側壁部2213の下端位置と同じになっており、側壁部2213の下面からガイド部2225の側面に向かってR形状を描くようになっている。また、ガイド部2225の上面は、側壁部2213の側面と直交する面となっている。
また、図83及び図86に示すように、各側壁部2213の前端位置に、係止板部2227(「本係止部」及び「仮係止部」の一部)が設けられている。係止板部2227は、側面視矩形状となっている。係止板部2227は、下方に突出しており、ロアー端子保持部材2250と組み合わせた際に、ロアー端子保持部材2250の下端位置の若干上方に至る程度に突出している。
そして、図84及び図86に示すように、天井壁部2211の上面には、上側に突出したランス係止部2228(「第1係合部」の一例)が設けられている。また、ランス係止部2228の後方で幅方向外側にずれた位置には一対の係合部2229(「第1係合部」の一例)が設けられている。係合部2229は、前後方向に伸びたリブ状となっており、ランス係止部2228の上端位置と係合部2229の上端位置は同じとなっている。
上側ブラケット保持部2240は、図83及び図85に示すように、アッパー端子保持部材2210の後端部に設けられている。上側ブラケット保持部2240の天井壁は、天井壁部2211よりも上下方向の寸法が大きくなっており、天井壁部2211の上面よりも上側ブラケット保持部2240の上面のほうが上に位置している。一方、上側ブラケット保持部2240の天井壁の幅寸法は、天井壁部2211の幅寸法と同じになっている。
そして、図83及び図85に示すように、上側ブラケット保持部2240は、ブラケット2150を収容するブラケット収容部2241と、電線2110を保持する電線保持部2243とを備えている。ブラケット収容部2241は、その側壁が上方にいくほど幅狭になるテーパー状をなしており、側壁の最も幅が広い下端部がブラケット2150の平坦部2151と当接する当接部2245となっている。また、ブラケット収容部2241の側壁の最も幅狭な上端位置では、その天井壁を貫通するような露出孔2247が設けられている。そして、この露出孔2247にブラケット2150の湾曲部2153が嵌まるようになっている。電線保持部2243は、下方に開口した背面視半円形となっており、その端部に係止爪2249が設けられている。
ロアー端子保持部材2250は、合成樹脂製であって、図83に示すように、アッパー端子保持部材2210とともに、端子1120の圧着部1123及び端子被係止部1130を収容する。ロアー端子保持部材2250は、底壁部2251と、下側前壁部2253と、レール壁部2255とを備えている。底壁部2251は、全体として上面が平坦な平板状となっている。下側前壁部2253は、上側挿通溝2216とともに端子1120の電気接続部1121を挿通可能な挿通孔を形成する下側挿通溝2257が設けられている。
ロアー端子保持部材2250のレール壁部2255は、図96及び図98に示すように、アッパー端子保持部材2210の側壁部2213の幅方向外側から被さるようになっている。レール壁部2255は、ロアー端子保持部材2250の前端位置から上方に突出する腕部2261と、ロアー端子保持部材2250の後端部に設けられた後端側壁部2267と、ガイド部2225と勘合して摺動するレール部2263からなる。レール部2263は、内側に向かって爪状に突出しており、腕部2261から後端側壁部2267の後端位置に亘って途切れることなく前後方向(端子1120の延び方向)に延びている。そして、レール部2263の上端から内側の爪状に向かってR形状を描くようになっている。また、レール部2263の下面は、ガイド部2225の上面と摺動する面となっている。また、底壁部2251の腕部2261及び後端側壁部2267の内側の位置には、R面を有する溝部2265が設けられている。溝部2265は、前後方向に伸びており、下側前壁部2253の前端位置から底壁部2251の後端位置に亘って設けられることで、腕部2261及び後端側壁部2267が幅方向外側に撓み変形しやすくなっている。
底壁部2251には、図89及び図97に示すように、係止板部2227が嵌まる貫通レール部2270が一対設けられている。貫通レール部2270は、底壁部2251を板厚方向に貫通しており、腕部2261と後端側壁部2267との間を前後方向に伸びている。そして、貫通レール部2270の幅方向の寸法は、係止板部2227の幅方向の寸法と同じか若干大きくなっている。
そして、貫通レール部2270には、係止用凸部2271が設けられている。係止用凸部2271は、貫通レール部2270の後端位置から係止板部2227の前後方向の寸法分間をあけ、かつ貫通レール部2270の前端位置から係止板部2227の前後方向の寸法分間をあけたところに設けられている。係止用凸部2271の上下方向の寸法は、底壁部2251の上下方向の寸法より小さくなっており、係止用凸部2271の下面が底壁部2251の下面と面一になっている。係止用凸部2271は、貫通レール部2270の側面から内側に向かって突出して、貫通レール部2270の幅が狭くなることで、係止板部2227が前後方向に移動するのを抑制する。より具体的には、係止用凸部2271の後端面は、前側にいくにつれて内側に入り込む傾斜面2273(「仮係止部」の一例)となっており、この傾斜面2273に係止板部2227が係止される、そして、係止板部2227が前方に移動する力が加わった際には、後端面が傾斜面2273となっていることで、係止板部2227が係止用凸部2271の設けられたところを通り抜けやすくなっている。一方、係止用凸部2271の前端面は、貫通レール部2270の内側面と直交する直交面2275(「本係止部」の一例)となることで、一度通過した係止板部2227が後方に戻るのを抑制するようになっている。なお、傾斜面2273と直交面2275との間は、傾斜面よりも緩やかに徐々に幅狭になるような面となっている。
貫通レール部2270の後端位置には、係止板部2227を貫通レール部2270に嵌める際にガイドするためのガイド溝2277が設けられている。ガイド溝2277の下端位置は、係止用凸部2271の上下方向の半ばとなっている。ガイド溝2277は、幅方向内側から外側に向かって徐々に下側に傾斜することで、係止板部2227を貫通レール部2270に嵌めやすくしている。
そして、底壁部2251の後端部には、図96及び図97に示すように、ブラケット用切り欠き部2280が設けられている。ブラケット用切り欠き部2280は、底壁部2251の後端位置から、前方に向かって切りかかれており、正規位置で組み合わせた際のアッパー端子保持部材2210の露出孔2247の前端位置と同じ位置まで、切りかかれている。ブラケット用切り欠き部2280の内側面は、上方にいくほど幅広になるテーパー状をなしている。また、ブラケット用切り欠き部2280には、ブラケット2150の下半分が収容可能となっている。
コネクタハウジング1400は、実施形態2と同じものとなっている。ここでは、実施形態2においては用いなかった構造について説明する。図93及び図94に示すように、キャビティ1411の天井壁には、嵌合溝部1421が設けられている。嵌合溝部1421は、ランス1413の両側方に一対設けられている。嵌合溝部1421の内寸法は、係合部2229の外寸法と同じになっている。また、嵌合溝部1421の後方には、一対の嵌合溝部1421を連結した連結溝部1423が設けられている。連結溝部1423は、一対の嵌合溝部1421を後方に延ばした間も窪ませている。
次に、コネクタC3の組み立て手順の一例について説明する。
まず、図83及び図95に示すように、ブラケット2150を先通しした電線2110の外部被覆2119を皮剥ぎして、信号線2111の端末を露出させ、露出させた部分の信号線2111のツイストをほどく。そして、信号線2111を端子1120に接続する。具体的には、信号線2111の内部導体2113を圧着部1123のワイヤバレル1125に圧着するとともに、信号線2111の内部絶縁被覆2115に圧着部1123のインシュレーションバレル1127をかしめつける。
次に、図83及び図95に示すように、電線2110の信号線2111に接続された端子1120をアッパー端子保持部材2210に収容する。各端子1120が各収容凹部2223に収容されるように、アッパー端子保持部材2210の下方から端子1120を収容する。このように、下方に開口した収容凹部2223に端子1120を収容する場合には、1つの端子1120を対応する一方の収容凹部2223に収容する際に、他の端子1120を一方の収容凹部2223の外側に退避させるだけなので、端子1120の延び方向から端子1120を収容する場合に比べて、ツイストをほどく寸法が小さくても良くなる。そのため、ノイズの影響を受けにくくなる。そして、端子1120がアッパー端子保持部材2210の所定位置に配されると、端子被係止部1130が端子係止部1230に係止されることで、端子1120がアッパー端子保持部材2210に対して移動しない状態で保持される。
そして、図96に示すように、端子1120が収容されたアッパー端子保持部材2210をロアー端子保持部材2250と組み合わせる。具体的には、アッパー端子保持部材2210の下方からロアー端子保持部材2250を嵌める。アッパー端子保持部材2210のガイド部2225を内側に変形させながら、レール部2263を外側に変形させることで、互いを乗り越えてガイド部2225とレール部2263とが摺動移動可能な状態にする。図102に示すように、レール部2263の下端面とガイド部2225の上面とが摺動するように嵌まり合うことで、アッパー端子保持部材2210とロアー端子保持部材2250とは上下方向に相対移動できなくなる。
また、図100及び図101に示すように、係止板部2227は、ロアー端子保持部材2250のガイド溝2277にガイドされて、貫通レール部2270の後端部に嵌まって、係止用凸部2271の傾斜面2273に係止される。そして、係止板部2227が傾斜面2273に係止されている端子先端保護位置では、図99に示すように、アッパー端子保持部材2210から突出する端子1120の先端部である電気接続部1121が、ロアー端子保持部材2250によって覆われた状態で保持されている。また、電気接続部1121の先端部が下側前壁部2253の下側挿通溝2257内に配されている。一方、電線2110のブラケット2150は、ロアー端子保持部材2250によって覆われておらず、露出した状態となっている。
次に、図103、図105及び図107に示すように、コネクタハウジング1400内に端子モジュールM3を組み付ける。キャビティ1411の後端の挿入用開口部1419から端子モジュールM3を挿入して、前方に押し込む。この際に、係合部2229が連結溝部1423によって位置決めされることで、端子モジュールM3がコネクタハウジング1400内で傾くのが規制される。そして、係合部2229が嵌合溝部1421内に嵌まり込むことで、端子モジュールM3がコネクタハウジング1400内で幅方向に移動することを抑制する。そして、コネクタハウジング1400のランス1413がランス係止部2228に係止して、端子モジュールM3がコネクタハウジング1400に係止される。
そして、図109及び図110に示すように、ロアー端子保持部材2250を後方に押し込む。治具1500をコネクタハウジング1400のフード部1430の前方から嵌める。そして、フード部1430を治具フード部1540内に嵌合して、端子1120の先端が端子保護部1510に突き当たった状態で、押し込み部1530を後方に押し込む。すると、押し込み部1530がロアー端子保持部材2250の前端面に当たり、アッパー端子保持部材2210のガイド部2225とロアー端子保持部材2250のレール部2263とが互いに摺動しながら、ロアー端子保持部材2250は後方に押し込まれる。
ロアー端子保持部材2250が後方に押し込まれる際には、図112に示すように、アッパー端子保持部材2210の係止板部2227はロアー端子保持部材2250の貫通レール部2270の係止用凸部2271の傾斜面2273を乗り越えて相対的に前方に移動する。そして、係止板部2227が貫通レール部2270の前端位置に当接して停止すると、ロアー端子保持部材2250もそれ以上後方に移動できなくなり、押し込みが停止される。
ロアー端子保持部材2250がアッパー端子保持部材2210と完全に重なり、正規位置に至ると、図111及び図112に示すように、端子接続部1121が端子保持部材2200から突出した状態で、コネクタハウジング1400のフード部1430内に収容される。一方、端子被係止部1130と圧着部1123はロアー端子保持部材2250とアッパー端子保持部材2210との間に挟まれて収容される。また、図114に示すように、ブラケット2150は、ブラケット収容部2241とブラケット用切り欠き部2280の間に挟まれて収容される。ブラケット収容部2241の係止爪2249がレール部2263の後端部に係止して、アッパー端子保持部材2210とロアー端子保持部材2250の後端部が上下方向に分離するのを抑制する。また、係止板部2227は、貫通レール部2270の前端位置に配されて、相対的に後方に戻らない状態で係止用凸部2271の直交面2275に係止されることで、ロアー端子保持部材2250はアッパー端子保持部材2210に対して前後方向に固定される。
なお、ロアー端子保持部材2250がアッパー端子保持部材2210に対して前方に移動する際には、アッパー端子保持部材2210の端子係止部1230に対して端子1120の端子被係止部1130が嵌り合っていることから、ロアー端子保持部材2250が移動する際に端子1120がずれ動くことが抑制される。また、アッパー端子保持部材2210がコネクタハウジング1400のランス1413によって係止されており、係合部2229が嵌合溝部1421内に保持されている。そのため、ロアー端子保持部材2250が移動しても、アッパー端子保持部材2210が移動することを防止できる。そのため、ロアー端子保持部材2250を治具1500によって押し込んだ際にアッパー端子保持部材2210に対して移動させやすくなっている。
以上のように、本実施形態3のコネクタC3及び端子モジュールM3によれば、コネクタハウジング1400の端子1120の延び方向に設けられた挿入用開口部1419から端子モジュールM3を挿入するため、端子1120の先端部である電気接続部1121が最初に挿入されるために、端子1120の電気接続部1121を露出した状態では電気接続部1121をコネクタハウジング1400の壁面に接触しやすい。そのため、所定位置に収容されるまでは、端子1120の電気接続部1121が保護される端子モジュールM3を用いるのが好適である。また、本実施形態3においては、外導体シェルを用いていないが、コネクタハウジング1400を実施形態2のように外導体シェルを用いる場合と共用しているため、製造コストを低減することができる。
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1及び2では、外導体シェル30、1300は、ロアー外導体シェル31、1301とアッパー外導体シェル33、1303に分割されていたが、一体となっていても良い。その場合には、後方などに設けた開口から端子保持部材60、1200を挿入しても良い。
(2)上記実施形態1では、アッパー端子保持部材65の係合部95がロアー外導体シェル31の切欠き部47に係合することで、ロアー外導体シェル31に対して前後方向に移動できないように固定されていたが、他の方法で前後方向への移動を規制しても良い。また、アッパー端子保持部材65の前後方向への移動を規制する方法を設けなくても良い。
(3)上記実施形態2、3では、アッパー端子保持部材1210、2210が外導体シェル1300もしくはコネクタハウジング1400に対して前後方向に移動できないように固定されていたが、他の方法もしくは一部の方法で前後方向への移動を規制しても良い。また、アッパー端子保持部材1210、2210の前後方向への移動を規制する方法を設けなくても良い。
(4)上記実施形態1では、ロアー端子保持部材61の係止部75がロアー外導体シェル31の被係止部49に係止することで、正規位置に至ったロアー端子保持部材61が固定されていたが、他の方法で固定しても良い。また、ロアー端子保持部材61は、アッパー端子保持部材65に対して固定されるようにしても良い。また、実施形態2及び実施形態3についても、ロアー端子保持部材とアウターハウジングとの間の係止構造を設けても良い。
(5)上記実施形態1には、本係止部と仮係止部を設けていないが、設けても良い。また、上記実施形態2及び3には、貫通レール部1270、2270内の凸部1271、1273、2271に係止板部1227、2227が係止することで本係止部と仮係止部としたが、他の方法で係止しても良い。
(6)上記実施形態1〜3には、信号線は2本となっているが、1本であっても良いし、3本以上であっても良い。
(7)上記実施形態1〜3には、端子被係止部25、1130が端子係止部79、1230に係止することで、端子20、1120が端子保持部材60、1200、2200に保持されていたが、他の構造によって保持されていても良い。
(8)上記実施形態2、3では、治具1500、1550によってロアー端子保持部材1250、2250を移動したが、相手側コネクタとの嵌合時に、相手側コネクタのコネクタハウジングなどに押させることで、ロアー端子保持部材1250、2250を移動しても良い。