JP7216895B2 - 端子、および端子付き電線 - Google Patents
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Description
上記の問題を解決するために、以下の端子が考えられる。端子は、電線の延び方向と交差する方向に沿って変形可能な挟持部を備えた端子本体と、電線の延び方向に沿って端子本体に対して移動可能なスライド部と、を備える。スライド部は、電線が挟持部に配された状態で、挟持部を前記電線に押圧する加圧部を有する。
最初に本開示の実施態様が列挙されて説明される。
以下に、本開示の実施形態が説明される。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本開示の実施形態1が図1から図7を参照しつつ説明される。実施形態1にかかる端子付き電線10は、電線11と、電線11に接続される端子12とを備える。以下の説明では、矢線Zの示す向きを上下方向における上方とし、矢線Yの示す向きを前後方向における前方とし、矢線Xの示す向きを左右方向における左方として説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
図1に示されるように、電線11は、前後方向(延び方向の一例)に延びて配されている。電線11は、芯線13の外周を絶縁性の合成樹脂からなる絶縁被覆14で包囲されている。実施形態1にかかる芯線13は、1本の金属線からなる。なお、芯線13は複数の金属細線が撚り合わされてなる撚線であってもよい。芯線13を構成する金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。実施形態1にかかる芯線13は銅、または銅合金からなる。
図1に示されるように、端子12は、金属製の端子本体15と、端子本体15に対して相対的にスライド移動可能なスライド部16と、を備える。
端子本体15は、金属板材を所定の形状にプレス加工することにより形成される。端子本体15を構成する金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。実施形態1にかかる端子本体15は、銅、又は銅合金からなる。端子本体15の表面にはめっき層が形成されていてもよい。めっき層を構成する金属は、スズ、ニッケル、銀等必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。実施形態1にかかる端子本体15にはスズめっきが施されている。
図3に示されるように、筒部17の後方には角筒状をなす電線接続部20が設けられている。電線接続部20の上壁の後端部には上側挟持部18A(挟持部の一例)が後方に延びて設けられており、電線接続部20の下壁の後端部には下側挟持部18B(挟持部の一例)が後方に延びて設けられている。上側挟持部18Aと下側挟持部18Bは前後に延びた細長い形状をなしている。上側挟持部18Aと下側挟持部18Bの前後方向の長さ寸法は略同じに形成されている。電線接続部20には、上側挟持部18Aの左側縁30および下側挟持部18Bの左側縁32の前方に左側壁34が形成されており、また、上側挟持部18Aの右側縁31および下側挟持部18Bの右側縁33の前方に右側壁35が形成されている。
図3に示されるように、上側挟持部18Aの下面には、後端部よりも前方の位置に、下方に突出する上側保持突部23Aが設けられている。上側保持突部23Aは、上側挟持部18Aの左側縁30から突出した部分が上側挟持部18Aの下面に密着して折り重ねられた状態で形成されている。上側保持凸部23Aの右端部は、上側挟持部18Aの右側縁31から右方に突出しないように形成されている。図2に示すように、上側保持突部23Aの下面は、電線11の芯線13に接触する上側接触面68とされる。
図3に示されるように、下側挟持部18Bの上面の後端部には、上方に突出する下側保持突部23Bが設けられている。図6、図7に示されるように、下側保持突部23Bは、下側挟持部18Bの後端部から後方に突出した先端部18B2が折り返され、下側挟持部18Bの重なり部18B1に密着するように重ねられることで形成されている。重なり部18B1の上面である第1対向面60と、先端部18B2(すなわち、下側保持突部23B)の下面である第2対向面61とが対向して重なっている。下側挟持部18Bのうち下側保持突部23Bが設けられた領域は、下側保持突部23Bによって補強されることにより撓みにくくなっている。下側保持突部23Bの上面は、電線11の芯線13に接触する下側接触面(接触面)64とされる。
下側保持突部23Bの下側接触面64には、2つの凹部66が形成されている。凹部66は、下側保持突部23Bにおける下側接触面64から凹んだ形状をなしている。2つの凹部66は、前後方向に間隔を開けて配されている。
下側挟持部18Bの前端部には、下側挟持部18Bの左側縁32から右方に切り欠かれた左易屈曲部51が設けられており(図3参照)、下側挟持部18Bの右側縁33から左方に切り欠かれた右易屈曲部52が設けられている(図4参照)。左易屈曲部51と、右易屈曲部52とは、前後方向について同じ位置に設けられている。下側挟持部18Bのうち、左易屈曲部51と右易屈曲部52が設けられた部分は、他の部分と比べて、左右方向について幅狭に形成されている。これにより、下側挟持部18Bは、左易屈曲部51および右易屈強部を起点として屈曲するようになっている。
図7に示されるように、第1対向面60には、2つの第1嵌合部62が設けられている。2つの第1嵌合部62は、前後方向に間隔を開けて配されている。第2対向面61には、2つの第2嵌合部63が設けられている。第2嵌合部63は、前後方向に間隔を開けて配されている。第1嵌合部62には、第2嵌合部63が嵌合される。
図2に示されるように、スライド部16は、前後方向に延びる角筒状をなしている。スライド部16は、プレス加工、切削加工、鋳造等、公知の手法により所定の形状に形成される。スライド部16を構成する金属は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。実施形態1にかかるスライド部16は、特に限定されないが、ステンレス鋼からなる。スライド部16の表面にはめっき層が形成されていてもよい。めっき層を構成する金属は、スズ、ニッケル、銀等必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。
続いて、実施形態1の作用効果について説明する。実施形態1によれば、下側保持突部23Bが、例えば電線11が後方に引っ張られた際に下側保持突部23Bが電線11の芯線13と摺動し、電線11の延び方向に変位しようとしても、下側保持突部23Bの第2嵌合部63と下側挟持部18Bの第1嵌合部62とが凹凸嵌合することにより、折り重ねて形成された下側保持突部23Bがめくれることを抑制できる。これにより、端子12と電線11との接続信頼性を向上できる。
次に、本開示の実施形態2にかかる端子112について、図8、図9を参照しつつ説明される。端子112における下側保持突部123Bは、下側挟持部118Bの先端部118B2が折り返され、下側挟持部118Bの重なり部118B1に密着するように重ねられることで形成されている。
次に、本開示の実施形態3にかかる端子212について、図10、図11を参照しつつ説明される。端子212における下側保持突部223Bは、下側挟持部218Bの先端部218B2が折り返され、下側挟持部218Bの重なり部218B1に密着するように重ねられることで形成されている。
続いて、実施形態3の作用効果について説明する。実施形態3によれば、貫通孔267の下側接触面264側の開口は、セレーションの機能を果たすこととなり、電線11(電線11は実施形態1と同一構成のため、実施形態3では図示されていない)と下側保持突部223Bとの電気的な接続信頼性を向上できる。また、貫通孔267における第2対向面261側の開口を第2嵌合部263とすることで、効率的に第2嵌合部263を形成できる。これにより、端子212のコスト低減に寄与できる。
本開示は上記記述および図面によって説明された実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
(2)実施形態1および実施形態2においては、端子12、112の下側保持突部23B、123Bには、セレーションの機能を有する凹部66、166が設けられる構成とされたが、これに限られることはなく、下側保持突部には凹部が設けられない構成としても良い。
(3)実施形態1から実施形態3においては、第1嵌合部62、162、262、および第2嵌合部63、163、263は下側挟持部18B、118B、218B側に設けられる構成とされたが、これに限られることはない。例えば、第1嵌合部、および第2嵌合部は、上側挟持部側に設けられる構成としても良い。
(4)実施形態1においては、下側保持突部23Bは、下側挟持部18Bの後端部から後方に突出した部分が下側挟持部18Bの上面に密着して折り重ねられた状態で形成される構成とされたが、これに限られることはない。例えば、下側保持突部は、下側挟持部の左右のいずれか一方の側縁部から側方に突出した部分が、下側挟持部の上面に密着して折り重ねられた状態で形成される構成としても良い。
(5)実施形態3においては、第1嵌合部262は、第1対向面260上に溶接、または、第1対向面260側の面を切削することにより形成される構成としたが、これに限られることはない。例えば、実施形態1、2における第2嵌合部63、163のように、下側挟持部を下面側からたたき出すことにより、第1嵌合部を形成しても良い。この場合、下側挟持部の下面側には、凹部が形成されることとなる。
11: 電線
12、112、212: 端子
13: 芯線
14: 絶縁被覆
15: 端子本体
16: スライド部
17: 筒部
18A: 上側挟持部
18B、118B、218B: 下側挟持部
18B1、118B1、218B1:重なり部
18B2、118B2、218B2:先端部
20: 電線接続部
23A: 上側保持突部
23B、123B、223B: 下側保持突部
25A: 上側加圧部
25B: 下側加圧部
26: 仮係止受け部
27: 本係止受け部
28: 係止突起
30、31、32、33: 側縁
34、35: 側壁
45: 治具
46: 治具接触部
47: 誘い込み部
50A、50B: エッジ
51、52: 易屈曲部
60、160、260: 第1対向面
61、161、262: 第2対向面
62、162、262: 第1嵌合部
63、163、263: 第2嵌合部
64、164、264: 下側接触面(接触面)
66、166: 凹部
267: 貫通孔
68:上側接触面
Claims (5)
- 電線の延び方向の前方端部に接続される端子であって、
前記電線を挟持する挟持部を有する端子本体と、
前記電線の延び方向に沿って前記端子本体に対してスライド可能なスライド部と、を備え、
前記スライド部は前記挟持部を前記電線に向けて加圧する加圧部を有し、
前記端子本体は折れ曲がった状態の金属板材により形成されており、
前記挟持部は前記電線に向かって突出し前記電線に接触する保持突部を有し、
前記保持突部は前記挟持部の先端部を折り返して、前記挟持部の重なり部に前記先端部が重なって形成されており、
前記重なり部の第1対向面と前記先端部の第2対向面とが対向して重なっており、
前記第1対向面には前記電線の延び方向に対して垂直方向に延びる第1嵌合部が設けられ、前記第2対向面には前記電線の延び方向に対して垂直方向に延びる第2嵌合部が設けられ、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とが凹凸嵌合し、
前記加圧部は、平行に並んで配置され、前後方向に延びる上側加圧部および下側加圧部を備えて構成され、
前記先端部の前端に形成されたエッジは、前記上側加圧部と前記下側加圧部の間に位置している端子。 - 前記挟持部の前記先端部は、前記第2対向面と反対側の面に、前記電線に接触する接触面を有し、
前記接触面には凹部が形成されており、
前記先端部のうち前記凹部に対応する部分は前記第2対向面から突出する前記第2嵌合部が形成されている請求項1に記載の端子。 - 前記挟持部の前記先端部は、前記第2対向面と反対側の面に、前記電線に接触する接触面を有し、
前記先端部には、前記接触面と前記第2対向面とを貫通する貫通孔が設けられており、
前記貫通孔における前記第2対向面側の開口は前記第2嵌合部とされ、
前記第1嵌合部は、前記第2嵌合部に対応する位置に、前記第1対向面から前記第2嵌合部に向けて突出する形状をなしている請求項1に記載の端子。 - 前記第1嵌合部および前記第2嵌合部は、前記電線の延び方向に間隔をあけて複数設けられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端子。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の端子と、
前記端子に接続される電線と、を備えた端子付き電線。
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