JP5128359B2 - シールドコネクタ - Google Patents

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Description

本発明はシールドツイストペア電線や同軸線などのシールドケーブルに接続されるシールドコネクタに関するものである。
一般的に、STP(シールド・ツイステッド・ペア)と呼ばれるシールドツイストペア電線が備えるシールド導体の内側には、2本の信号線を撚り合わせたものが用いられている。この撚り合わせのツイストにより形成された隣り合う電線のループで発生する磁界の向きが逆になって、お互いに発生磁界を打ち消し合うことにより、電磁誘導の影響を少なくすることができるのが特徴で、この場合更に外側をシールド導体が覆うことで、より電磁誘導ノイズを外部に輻射し難いとともにノイズを外部から受け難いことが知られており、高速伝送用のLANケーブルとして広く使われている。
通常、このようなシールドツイストペア電線はモジュラーコネクタと呼ばれる専用のコネクタに端末加工されて接続されるが、近年、カーナビゲーション等の自動車に搭載される電気機器等を、このようなシールドツイストペア電線を用いて車載ネットワークを構成することがある。
このシールドツイストペア電線の端末部分と接続されるシールドコネクタとしては、例えば下記特許文献1に開示された構成のものがある。
特許文献1に開示されるシールドコネクタが備えるシールドシェルはアウターハウジングの後方開口部から挿入されて、そのアウターハウジングのシェル収容室に収容保持される。このようなシールドシェルには、アウターハウジングのシェル収容室内においてシールドシェルを前止まりさせる機能と抜け止めさせる機能を実現する構造として、シールドシェルの外面から外側に切り起こされた一対の突出片が設けられると共に、この一対の突出片の切り起こし形成に伴って開口部が形成された被係止部を備えている。
また、アウターハウジングのシェル収容室には、シールドシェルの被係止部の突出片の前端が当接して前止まりさせるストッパと、高さ方向に撓み変形可能とされると共に一旦撓み変形した後に復帰してシールドシェルの被係止部の開口部の前端を係止して抜け止めするランスが設けられている。この場合、ランスはシェル収容室内において片持ち状に後端部が支持されて、前端部が撓み変形可能となっている。
特開2006−147359号公報
しかしながら、上述したシールドコネクタにおいては、シールドシェルのアウターハウジングのシェル収容室内への挿入の際、挿入の初期の段階からランスによる係止が完了するまでの間、ランスがシールドシェルの外面に終始撓んで接触してその反力をシールドシェルに与え続けるため、このような挿入の作業性が良いとは言えず、ランスによりシールドシェルの係止が完了する前で挿入を止めてしまうおそれがあった。
そこで本発明が解決する課題は、シールドシェルのアウターハウジングのシェル収容室内への挿入の際、ランスによる係止の直前の段階においてだけ、ランスがシールドシェルの外面に撓んでその反力をシールドシェルに与えることにより、挿入の作業性を向上させることができるシールドコネクタを提供することである。
上記課題を解決するため本発明は、端子を収容したインナーハウジングの外周を覆うシールドシェルがアウターハウジングの後方開口部から挿入されて収容保持されてなるシールドコネクタであって、前記アウターハウジングの最外壁の内側の面には、前記シールドシェルが前記アウターハウジングに挿入される際に前記シールドシェルの外面に突出形成された被係止部の挿入経路となる前後方向に沿う窪みが形成されており、この窪んだ部分に前後方向に沿う一対のスリットが形成されることにより、前後両端部で支持された両持ち状である、高さ方向に撓み変形可能であって一旦撓み変形した後に復帰して前記シールドシェルを係止するランスが形成され、前記ランスの内側の面には、前記被係止部が、前記ランスの撓み変形の際に乗り越えることが可能な係止部が形成され、前記ランスの係止部の上端面と、前記アウターハウジングの最外壁の内側の面における窪んでいない部分とが面一になるように形成されていることを要旨とするものである。
このような構成のシールドコネクタによれば、ランスがアウターハウジングの最外壁の前後方向に形成された一対のスリットにより前後両端部で支持された両持ち状に形成されると共に、ランスの内側の面には、シールドシェルの外面に突出形成された被係止部が、ランスの撓み変形の際に乗り越えることが可能な係止部が形成されているので、シールドシェルの被係止部がランスの係止部を乗り越える際にだけランスが撓んでその反力をシールシェルに与えることになる。
したがって、シールドシェルのアウターハウジングのシェル収容室内への挿入の際、ランスによる係止の直前の段階においてだけ、ランスの撓みによる反力がシールドシェルに与えられることになるので、挿入の作業性を向上させることができ、ランスによりシールドシェルの係止が完了する前で挿入を止めてしまうおそれがなくなる。
また、ランスがアウターハウジングの最外壁の前後方向に形成された一対のスリットにより前後両端部で支持された両持ち状に形成された構成なので、挿入の作業性を向上させつつ、アウターハウジングを小型化することが可能になる。
また、挿入の作業性を向上させつつ、更にアウターハウジングを小型化することが可能になる。
また、前記ランスの係止部には前記シールドシェルの被係止部の乗り越えを容易にするテーパ面が形成されている構成にすれば、シェル収容室内へのシールドシェルの挿入の際の作業性が更に向上する。
上記構成を有する本発明に係るシールドコネクタによれば、シールドシェルの被係止部がランスの係止部を乗り越える際にだけランスが撓んでその反力をシールシェルに与えることができる。したがって、従来技術で説明したようなシールドシェルのアウターハウジングのシェル収容室内への挿入の際、挿入の初期の段階からランスによる係止が完了するまでの間、ランスがシールドシェルの外面に終始撓んで接触してその反力をシールドシェルに与え続けるため、このような挿入の作業性が悪く、ランスによりシールドシェルの係止が完了する前で挿入を止めてしまうという不具合を防止することが可能になる。
以下に、本発明に係るシールドコネクタの実施の形態について図面を参照して説明する。尚、本実施形態に係るシールドコネクタは、信号線を多数本有する多極シールドケーブルに適用されるもので、本実施例では特に信号線を4本有するシールドツイストペア電線に適用した場合について説明する。
以下において説明するシールドコネクタ1は、図1に示される電気接続子2とこの電気接続子2を収容保持する図4に示されるアウターハウジング8を備えている。尚、以下の説明では、図示しない相手方シールドコネクタとの嵌合方向を前方として説明する。
図1はシールドコネクタ1が備える電気接続子2の分解斜視図である。図示されるように、シールドツイストペア電線Wの端末部分に接続される電気接続子2は、内導体端子3、インナーハウジング4、シールドシェル5で構成される。
内導体端子3は、シールドツイストペア電線Wの信号線Waの信号導体Wbに接続されて高周波信号を伝達するもので、いわゆるオス型と呼ばれる端子形状を有している。この内導体端子3を収容するインナーハウジング4は、内導体端子3とシールドシェル5の両導体間を絶縁状態にするためのもので、所定の誘電率を有する樹脂材料により成形されている。このインナーハウジング4の後方から内導体端子3は挿入されて収容される。
シールドシェル5は、シールドツイストペア電線Wのシールド導体Wdに接続されて内導体端子3の周囲を覆って電磁的にシールドするものである。このシールドシェル5は、シールドケース6と、このシールドケース6に組み付けられるシールドカバー7とから構成される。
シールドケース6は、導電性板材の折り曲げ加工により成形されており、インナーハウジング4が収容される略角筒状の本体部6aと、その本体部6aから後方に延設された接続片6e,6eを備えている。本体部6aの左右側壁には、その内側に嵌まり込む図示しない相手方シールドシェルの外面に弾性的に接触させるための弾性接触片6f,6fが互いに向かい合うようにやや内側に屈曲して設けられている。
本体部6aの後方上面には、インナーハウジング4の収容を容易にするために開口部6bが形成されている。この開口部6bを塞ぐように、シールドカバー7にはカバー部7aが設けられている。また、開口部6bの左右側壁の上端には、凹部6c,6cが形成されており、シールドカバー7の折り曲げ片7c,7cが装着されるようになっている。
この凹部6c,6cの下方には、外側に突出した突部6d,6dが形成されており、この突部6d,6dがシールドカバー7の折り曲げ片7c,7cに開口形成された係合孔7d,7dに装着の際に係合されると、シールドカバー7がシールドケース6から容易に外れないようにされる。
このようなシールドケース6の後方に設けられた接続片6e,6eは、底面から上方に向かって開いた帯板形状を有している。この接続片6e,6eには、シールドツイストペア電線Wのシールド導体Wdが被されて、その上からシールドカバー7のシールド導体圧着片7g,7gとシース圧着片7h,7hがカシメ加工されるようになっている。
カシメ加工後の接続片6e,6eは、図3(a),(b)に示されるように、先端同士が当接してほぼ真円形状に折り曲げられる。この場合、接続片6e,6eの下方の底面には、嵌入孔6iが開口形成されており、この嵌入孔6iに図3(a)に示されるようなシールドカバー7のシールド導体圧着片7g,7gの先端に形成された突起部7i,7iが、カシメ加工の際にシールド導体Wdと共に嵌入されるようになっている。
シールドカバー7は、シールドケース6と同じく導電性板材の折り曲げ加工により成形されている。このシールドカバー7は、上述したシールドケース6の開口部6bを塞ぐ形状を有したカバー部7aと、このカバー部7aの後方に設けられた圧着部7fを備えている。上述したシールドケース6の開口部6bは、このシールドカバー7により塞がれるので、シールド性能の低下が抑えられている。
カバー部7aの途中部位には、後方に向かって傾斜した傾斜部7bが形成されおり、この傾斜部7bの後方から圧着部7fが延設されている。圧着部7fには、その上面から下方に開いた帯板形状を有する一対のシールド導体圧着片7g,7gと、同じく上面から下方に開いた帯板形状を有する一対のシース圧着片7h,7hとが設けられている。
シールド導体圧着片7g,7gの下端中央には、下方に突出した突起部7i,7iが形成されている。この突起部7i,7iは、上述したようにシールドケース6の接続片6e,6eの底面に開口形成された嵌入孔6iに、カシメ加工の際にシールド導体Wdと共に嵌入される(図3(a)参照)。尚、突起部7i,7iは嵌入孔6iへの嵌入の際に、シールド導体Wdの嵌入孔6aへの押し込みが容易になるように、予め内側に折り曲げ形成されている。
図3(a)に示されるように、接続片6e,6eの上に被せられたシールド導体Wd上にシールド導体圧着片7g,7gがカシメ加工されると、接続片6e,6eを円筒状に折り曲げつつ、接続片6e,6eとシールド導体圧着片7g,7gとの間にシールド導体Wdが挟み込まれることになる。これにより電気接続子2が備えるシールドシェル5とシールドツイストペア電線Wが備えるシールド導体Wdが電気的に接続される。
また、図3(b)に示されるように、接続片6e,6eの上に被せられたシールド導体WdおよびシースWe上にシース圧着片7h,7hがカシメ加工されると、同様に接続片6e,6eを円筒状に折り曲げつつ、接続片6e,6eとシース圧着片7h,7hとの間にシールド導体WdおよびシースWeが挟み込まれることになる。これにより電気接続子2がシールドツイストペア電線Wの端末部分から容易に抜けないように固定される。
このような構成の電気接続子2へのシールドツイストペア電線Wの接続工程としては、i)シールドツイストペア電線W端末の皮剥ぎによって所定長さに信号導体Wbとシールド導体Wdを露出させる、ii)信号導体Wbに内導体端子3の接続する、iii)インナーハウジング4に内導体端子3を収容する、iv)シールドケース6にインナーハウジング4を収容すると同時に接続片6e,6eにシールド導体Wdを被せる、v)シールドカバー7のカバー部7aをシールドケース6の開口部6bに装着し、シールドカバー7の圧着部7fとシールドケース6の接続片6e,6eとによりシール導体WdとシースWeのカシメ加工を同時に行うという工程となる。
このような構成の電気接続子2が備えるシールドシェル5には、後述するアウターハウジング8のシェル収容室8c内に収容保持される際に用いられる被係止部10が設けられている。この場合、図1に示されるようにシールドケース6の本体部6aの底面には、被係止部10が叩き出し加工により下方に突出形成されている。
図2は、この被係止部10をシールドケース6の下側から見た外観斜視図を示している。図示されるように被係止部10はシールドケース6の外面から外側に向かって台形状に突出された台形部10aを備えている。この台形部10aの前端縁10bの両側には切り起こされた切断面10c,10cが形成され、台形部10bの後端縁10dには同じく切り起こされた切断面10eが形成されている。また、台形部10aの前端縁10bの中央から前方に向かって傾斜したテーパ形状のガイド面10fが形成されている。
次に、上述した電気接続子2が収容保持されるアウターハウジング8について図4〜図6を用いて説明する。図示されるように、アウターハウジング8は、絶縁性を有する樹脂材料により略角筒状に成形されており、その内部に上述した電気接続子2を収容保持することができる。
アウターハウジング8の前方には、嵌合される相手方シールドコネクタのアウターハウジングを収容可能な角筒状のフード部8aが設けられている。このフード部8aから後方に向かって、同じく角筒状の接続子収容部8bが設けられており、この接続子収容部8bの内側空間に形成されたシェル収容室8cには、上述した電気接続子3が備えるシールドシェル5が収容可能とされている。この場合、シールドシェル5はシェル収容室8cの後方開口部8dから挿入されて収容される。
また、シェル収容室8cの上面には開口部8eが開口形成されており、電線保持板8fがこの開口部8eを塞ぐことができようになっている。電線保持板8fには円弧形状に凹設された電線保持部8gが設けられており、図9に示されるように、電気接続子2に接続されたシールドツイストペア電線Wが不用意に曲げられたときに、圧着部7fに曲げ応力がかからないように、シールドツイストペア電線Wを保持する機能を有している。この電線保持板8fは、開口部8eの前端縁にヒンジ8hを介して一体的に連結されており、電線保持板8fをヒンジ部8h位置から後方に折り曲げることが可能となっている。
また、シェル収容室8cの底壁、つまりアウターハウジング8の下側の最外壁8iには、高さ方向に撓み変形可能とされると共に一旦撓み変形した後に復帰してシールドシェル5に設けられた被係止部10を係止するランス11が設けられている。この場合、ランス11は、最外壁8iの前後方向に形成された一対のスリット11a,11aにより前後端部11b,11cで支持された両持ち状に形成されている。
そして、このランス11の略中央の内側の面には、シールドシェル5の被係止部10が、ランス11の撓み変形の際に乗り越えることが可能な係止部11dが上方に突出して形成されている。
この場合、係止部11dの上面11eは、その周囲の最外壁8iの底面8j,8jと面一になるように形成されている。また、この係止部11dの前方にはシールドシェル5の被係止部10の乗り越えを容易にするテーパ面11fが形成されている。このテーパ面11fにシールドシェル5の被係止部10のガイド面10fが当接すると、図8に示されるように係止部11dが下方に撓み変形される。
ランス11の後方には、最外壁8iの内側の底面8j,8jから凹設された被係止部挿入溝11gが後方開口部8dまで延設されており、この被係止挿入溝11gがシールドシェル5の被係止部10の挿入経路となっている。
この被係止部挿入溝11gの前端と、最外壁8iの底面8j,8jとの接合部分には、シールドシェル5の被係止部10の前端縁10bの切断面10c,10cが当接して、シールドシェル5の前方への移動を規制して前止まりさせるストッパ12,12が形成されている。
また、ランス11の係止部11dの前方には、シールドシェル5の被係止部10の後端縁10dの切断面10eを係止して、シールドシェル5の後方への移動を規制して抜け止めさせる係止面11hが形成されている。
次に、図6〜図9を用いて上述したシールドコネクタ1における電気接続子2をアウターハウジング8に収容保持させる際の手順について説明する。
図6に示されるように、電気接続子2をアウターハウジング8の後方開口部8dから挿入すると、図7に示されるようにシェル収容室8cの底面8j,8j上に沿って電気接続子2のシールドシェル5の下面が左側に移動される。このとき、シールドシェル5の下面に設けられた被係止部10は、底面8j,8jに凹設された被係止部挿入溝11g内を左側に移動される。このとき、ランス11の係止部11dの上面11eは、底面8j,8jと面一に形成されているので、シールドシェル5の下面にランス11の係止部11dが接触せず、電気接続子2のシェル収容室8cへの挿入の初期の段階においては、挿入の作業性が良い。
そして、図8に示されるように、シールドシェル5の被係止部10がランス11の係止部11dに当接すると、ランス11は係止部11dを中心に下方に撓み変形される。この場合のランス11の撓み変形は、係止部11dのテーパ面11fが、被係止部10のガイド面10fに当接しつつ、被係止部10の後端縁10dが係止部11dの上面11eを乗り越えるまでとなっている。
その後、図9に示されるように、シールドシェル5の被係止部10がランス11の係止部11dを乗り越えることで、被係止部10の前端縁10bの切断面10c,10cがストッパ12,12に当接して前止まりさせられると共に、被係止部10の後端縁10dの切断面10eが係止部11dの係止面11hにより後方から係止されて抜け止めさせられる。つまり、シールドシェル5の被係止部10がランス11の係止部11dを乗り越える際にだけランス11が撓んでその反力をシールシェル5に与えることになる。したがって、ランス11による係止の直前の段階においてだけ、ランス11の撓みによる反力がシールドシェル5に与えられることになるので、挿入の作業性を向上させることができ、ランス11によりシールドシェル10の係止が完了する前で挿入を止めてしまうおそれがなくなる。
そして、図示されるように、電気接続子2がシェル収容室8cに収容保持された後、アウターハウジング8の電線保持板8fを折り曲げて開口部8eを閉塞することで、アウターハウジング8への電線接続子2の収容が完了する。
以上、説明したシールドコネクタ1によれば、ランス11がアウターハウジング8の最外壁8iの前後方向に形成された一対のスリット11a,11aにより前後両端部11b,11cで支持された両持ち状に形成されると共に、ランス11の内側の面には、シールドシェル5の外面に突出形成された被係止部10が、ランス11の撓み変形の際に乗り越えることが可能な係止部11dが形成されているので、シールドシェル5の被係止部10がランス11の係止部11dを乗り越える際にだけランス11が撓んでその反力をシールシェル5に与えることになる。
したがって、シールドシェル5のアウターハウジング8のシェル収容室8c内への挿入の際、ランス11による係止の直前の段階においてだけ、ランス11の撓みによる反力がシールドシェル5に与えられることになるので、挿入の作業性を向上させることができ、ランス11によりシールドシェル5の係止が完了する前で挿入を止めてしまうおそれがなくなる。
これにより、従来技術で説明したようなシールドシェルのアウターハウジングのシェル収容室内への挿入の際、挿入の初期の段階からランスによる係止が完了するまでの間、ランスがシールドシェルの外面に終始撓んで接触してその反力をシールドシェルに与え続けるため、このような挿入の作業性が悪く、ランスによりシールドシェルの係止が完了する前で挿入を止めてしまうという不具合を防止することが可能になる。また、ランス11がアウターハウジング8の最外壁8iの前後方向に形成された一対のスリット11a,11aにより前後両端部11b,11cで支持された両持ち状に形成された構成なので、挿入の作業性を向上させつつ、アウターハウジング8を小型化することが可能になる。
更に、ランス11の係止部11dの上端面11eと、アウターハウジング8の最外壁8iの内側の底面8jとが面一になるように形成されている構成なので、上述した挿入の作業性を向上させつつ、アウターハウジング8を小型化することが可能となっている。そして、ランス11の係止部11dにはシールドシェル5の被係止部10の乗り越えを容易にするテーパ面11fが形成されている構成なので、シェル収容室8c内へのシールドシェル5の挿入の際の作業性が更に向上されるようになっている。
以上、本発明に係るシールドコネクタの実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。上述した実施の形態では、ランス11の係止部11dとして台形状の構成のものを示したが、このような台形状には限定されず、例えば円弧形状など種々なる形状を適用することができる。
本発明の一実施形態に係るシールドコネクタが備える電気接続子の概略構成を示した分解斜視図である。 図1の電気接続子のシールドシェルに設けられた被係止部を拡大して示す外観斜視図である。 カシメ加工後の電気接続子の断面を示した図である。 本発明の一実施形態に係るシールドコネクタが備えるアウターハウジングの概略構成を示した外観斜視図である。 図4のアウターハウジングの断面を示した図である。 アウターハウジングに電気接続子が収容される前の状態のシールドコネクタを示した断面図である。 アウターハウジングに電気接続子が収容される途中の状態のシールドコネクタを示した断面図である。 アウターハウジングに電気接続子が収容される際にランスが撓み変形した状態のシールドコネクタを示した断面図である。 アウターハウジングに電気接続子が収容された後の状態のシールドコネクタを示した断面図である。
符号の説明
1 シールドコネクタ
2 電気接続子
3 内導体端子
4 インナーハウジング
5 シールドシェル
8 アウターハウジング
8c シェル収容室
8d 後方開口部
8i 底壁(最外壁)
8j 底面
6 シールケース
10 被係止部
10a 台形部
10b 前端縁
10c 切断面
10d 後端縁
10e 切断面
10f ガイド面
11 ランス
11a スリット
11b 前端部
11c 後端部
11d 係止部
11e 上面
11f テーパ面
11g 被係止部挿入溝
11h 係止面
12 ストッパ
W シールドツイストペア電線
Wa 信号線
Wb 信号導体
Wd シールド導体
We シース

Claims (2)

  1. 端子を収容したインナーハウジングの外周を覆うシールドシェルがアウターハウジングの後方開口部から挿入されて収容保持されてなるシールドコネクタであって
    前記アウターハウジングの最外壁の内側の面には、前記シールドシェルが前記アウターハウジングに挿入される際に前記シールドシェルの外面に突出形成された被係止部の挿入経路となる前後方向に沿う窪みが形成されており、
    この窪んだ部分に前後方向に沿う一対のスリットが形成されることにより、前後両端部で支持された両持ち状である、高さ方向に撓み変形可能であって一旦撓み変形した後に復帰して前記シールドシェルを係止するランスが形成され、
    前記ランスの内側の面には、前記被係止部が、前記ランスの撓み変形の際に乗り越えることが可能な係止部が形成され、
    前記ランスの係止部の上端面と、前記アウターハウジングの最外壁の内側の面における窪んでいない部分とが面一になるように形成されていることを特徴とするシールドコネクタ。
  2. 前記ランスの係止部には前記シールドシェルの被係止部の乗り越えを容易にするテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項に記載のシールドコネクタ。
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