JP6680127B2 - 光電変換素子及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子及び太陽電池モジュールに関する。
近年、有機半導体ポリマーを用いた電子デバイス、なかでも有機薄膜太陽電池(OPV)が盛んに検討されている。特に、透明フィルム型の有機薄膜太陽電池は軽量であり、かつフレキシブル化が可能であることから建材や窓等に設置して使用することが検討されている。例えば、非特許文献1には、有機薄膜太陽電池の発電性能の向上のために、2種類の有機半導体ポリマーを使用して広い吸収帯域を持たせる有機薄膜太陽電池が記載されている。また、有機薄膜太陽電池を人目につきやすい建材や窓等に設置して使用する場合、有機薄膜太陽電池の発電性能だけでなく、有機薄膜太陽電池の意匠性を向上させることが重要な課題となる。例えば、特許文献1には、光電変換素層が青色又は緑色色素を含有する窓ガラス用の太陽光発電フィルムについて記載されており、採光を妨げないように光電変換層の膜厚を調整することが記載されている。
特開2012−186310号公報
Advanced Energy Materials,2016,vol.6 1502109
上記のように、有機薄膜太陽電池を建材や窓等への設置を検討すると、高い意匠性が求められる。しかしながら、特許文献1に記載の太陽光発電フィルムの場合、光電変換層の膜厚を調整すると光電変換層が吸収する光量が減少するために、結果的に光電変換素子の変換効率が低下する場合があることが判明した。また、特許文献1記載の太陽光発電フィルムの場合、光電変換層の膜厚を調整することにより、透明度を調整することは可能となっても、太陽光発電フィルムの外観色は依然として光電変換層の色調に依存するために太陽光発電フィルムの外観色を調整することは困難であった。また、非特許文献1には、活性層に2種の有機半導体ポリマーを使用することにより吸収帯域が変化することができることから吸収スペクトルの異なる2種の有機半導体化合物用いて活性層を形成することで、有機薄膜太陽電池の外観色を調整することも考えられる。しかしながら、高い発電能力を維持しつつ、かつ理想の外観色を得るためには、使用する有機半導体ポリマーの選択が必要となり、実質的に、高い発電能力と理想の外観色を両立することは極めて困難である。本発明は、このような問題を解決するものであり、簡易な方法により太陽電池の使用環境に適した外観色を備えた太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、光電変換素子を構成する有機活性層以外の少なくとも一部の層を着色層とすることにより、上記課題を解決することができることが判明し、本発明を達成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]下部電極及び上部電極により構成される一対の電極と、該一対の電極間に有機活性
層と、バッファ層と、を有する光電変換素子であって、前記下部電極、前記上部電極及び
前記バッファ層のうち少なくともバッファ層が着色層であり、前記バッファ層として、導
電性高分子化合物と、色素と、を含有するとともに、前記色素の最高占有分子軌道(HO
MO)エネルギーレベルが、前記導電性高分子化合物の最高占有分子軌道(HOMO)エネ
ルギーレベルよりも低い正孔取り出し層を有することを特徴とする光電変換素子。
[2]前記着色層は、光電変換素子内において前記有機活性層よりも非受光面側に位置す
る層のいずれかの層であることを特徴とする[1]に記載の光電変換素子。
[3]前記バッファ層中における前記色素の含有量が1質量%以上50質量%以下である
ことを特徴とする[]又は[]に記載の光電変換素子。
[4][1]〜[]のいずれかに記載の光電変換素子を有する太陽電池モジュール。
本発明により、簡易な方法により使用環境に適した外観色を備えた太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態としての光電変換素子の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
本発明に係る光電変換素子は、素子基板上に、少なくとも、一対の電極と、該一対の電極間に活性層と、バッファ層と、を有する。図1は、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を示す。図1に示すように、本発明に係る光電変換素子の一実施形態は、素子基板106上に、下部電極101と、バッファ層102と、有機活性層103と、バッファ層104と、上部電極105と、が順次形成された層構造を有する。
本発明において、下部電極とは、素子基板106側に積層される電極を意味し、上部電極とは、素子基板106をボトムとした際に、下部電極よりも上部に積層される電極を意味する。本発明においては、下部電極101及び上部電極105を合わせて一対の電極と称す場合がある。なお、一対の電極のうち、一方の電極は、有機活性層103で発生した電子を捕集する機能を有するカソードであり、他方の電極は、有機活性層103で発生した正孔を捕集する機能を有するアノードである。すなわち、下部電極101をカソードとする場合、上部電極105をアノードとし、下部電極101をアノードとする場合、上部電極105をカソードとすればよい。
また、上述の通り、図1の実施形態に係る光電変換素子は、下部電極101と有機活性層103との間、及び上部電極105と有機活性層103との間に、それぞれバッファ層を有する。なお、本発明においては、便宜上、下部電極101と活性層103との間のバッファ層102を下部バッファ層と称する場合があり、上部電極105と活性層103との間のバッファ層104を上部バッファ層と称す場合がある。
下部バッファ層102及び上部バッファ層104のうち、一方のバッファ層は、有機活性層103で発生した正孔の輸送効率を向上させる正孔取り出し層であり、他方のバッファ層は有機活性層103で発生した電子の輸送効率を向上させる電子取り出し層である。そのため、下部電極101をカソードとし、上部電極をアノードとする場合、下部バッファ層102を正孔取り出し層とし、上部バッファ層104を電子取り出し層とすることが好ましい。一方、下部電極101をアノードとし、上部電極をカソードとする場合、下部バッファ層102を電子取り出し層とし、上部バッファ層104を正孔取り出し層とすることが好ましい。なお、本発明においては、必ずしも下部バッファ層102及び上部バッファ層104の両方の層を有する必要はなく、少なくとも一方のバッファ層のみを有していてもよい。また、本発明に係る光電変換素子は、上記以外の別の層を任意で有していてもよい。以下、光電変換素子の各構成部材について説明する。
<1−1.素子基板106>
光電変換素子107を構成する各層は、通常、支持体となる素子基板106上に形成される。素子基板106の材料に特段の制限は無い。素子基板106の材料の好適な例としては、石英、ガラス、サファイア又はチタニア等の無機材料、及びフレキシブル基材等が挙げられる。フレキシブル基材の具体例としては、限定されるわけではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル又はポリエチレン等のポリオレフィン;セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン又はエポキシ樹脂等の有機材料(樹脂基材);紙又は合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン又はアルミニウム等の金属箔に、絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたもの等の複合材料が挙げられる。
素子基板106の膜厚は、特段の制限はないが、通常5μm以上、好ましくは20μm以上であり、一方、通常20mm以下、好ましくは10mm以下である。素子基板の膜厚が5μm以上であることは、光電変換素子の強度が不足する可能性が低くなるために好ましい。
なお、太陽電池において、素子基板106側を受光面とする場合、素子基板106は透光性を有することが好ましい。本発明において、透光性を有するとは可視光線透過率が40%以上であることを意味する。なお、素子基板106の可視光線透過率は70%以上であるとより多くの光を光電変換層103に到達させることができるために好ましい。素子基板106の可視光線透過率は、JIS R3106に定義された方法により測定することができる。一方、太陽電池において、光電変換素子107の上部電極105側を受光面とする場合、素子基板106は透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。但し、窓等に太陽電池を設置する場合は、シースルー型の太陽電池とすることが好ましく、この場合、受光面に関わらず、素子基板106は透光性を有していることが好ましい。
<1−2.一対の電極(101、105)>
上述の通り、本発明に係る光電変換素子は、下部電極101及び上部電極105から構成される一対の電極を有する。
下部電極101及び上部電極105の形成材料は特段の制限はなく、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム−ジルコニウム酸化物(IZO)、酸化チタン、酸化インジウム又は酸化亜鉛等の金属酸化物;金、白金、銀、銅、鉄、スズ、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、
カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム又はコバルト等の金属あるいはその合金が挙げられる。上記のなかでも、アノードは、比較的、仕事関数の大きな材料を用いて形成することが好ましく、カソードは比較的仕事関数の小さな材料を用いて形成することが好ましい。なお、光電変換素子が、下部バッファ層102及び/又は上部バッファ層104を有する場合、これらバッファ層材料を調整することにより、下部電極101及び上部電極105を同じ材料を使用して形成することもできる。
下部電極101及び上部電極105はそれぞれ単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
また、一対の電極のうち少なくとも一方の電極は透光性を有していることが好ましい。例えば、素子基板106側の太陽光の受光面とする場合、下部電極101は透光性を有していることが好ましく、上部電極105は透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。また、上部電極105側を太陽光の受光面とする場合は、上部電極105は透光性を有していることが好ましく、下部電極101は透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。なお、光電変換素子をシースルー型とする場合は、下部電極101及び上部電極105はともに透光性を有していることが好ましい。
透光性を有する電極とする場合、上述のような金属酸化物を用いて電極を形成すればよい。また、金属酸化物を含む層と薄い金属層とを積層させた構造であってもよい。
下部電極101及び上部電極105の膜厚は特段の制限はないが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは、20nm以上であり、一方、通常2μm以下、好ましくは1μm以下、さらに好ましくは500nm以下である。
電極のシート抵抗は、特段の制限はないが、通常0.1Ω/□以上、一方、1000Ω/□以下、好ましくは500Ω/□以下、さらに好ましくは100Ω/□以下である。
下部電極101及び上部電極105の形成方法は、特段の制限はなく、使用する材料に合わせて公知の方法により形成することができる。例えば、蒸着法、スパッタ法等の真空成膜方法;又はナノ粒子や前駆体を含有する塗布液を塗布して成膜する湿式塗布法が挙げられる。
<1−3.有機活性層103>
有機活性層103は、p型半導体化合物とn型の半導体化合物とを含有し、光電変換が行われる層である。すなわち、光電変換素子107が光を受けると、光が有機活性層103に吸収され、p型半導体化合物とn型半導体化合物との界面で電気が発生し、発生した電気がアノード及びカソードから取り出される。なお、有機活性層103は光を吸収するために、通常、着色されている。
有機活性層103の層構成としては、p型半導体化合物を含有する層とn型半導体化合物を含有する層とが積層された薄膜積層型、又はp型半導体化合物とn型半導体化合物が混合した層(混合層)であるバルクヘテロ型接合型が挙げられる。なお、バルクヘテロ接合型の有機活性層は、該混合層の他にp型半導体化合物を含有する層及び/又はn型半導体化合物を含有する層がさらに積層された構造であってもよい。これらのなかでも、高い変換効率が期待できることから、有機活性層103はバルクヘテロ接合型であることが好ましい。
p型の有機半導体化合物は、特段の制限はなく、p型の低分子有機半導体化合物、p型の有機半導体オリゴマー、及びp型の有機半導体ポリマーが挙げられる。
p型の低分子有機半導体化合物は、特段の制限はないが、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポルフィリン等のポルフィリン化合物;フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;ナフタロシアニン化合物;テトラセンやペンタセンのポリアセン等が挙げられる。
p型の有機半導体オリゴマーは特段の制限はないが、セキシチオフェン等のオリゴチオフェン又はこれら化合物を骨格として含む誘導体等が挙げられる。
p型の有機半導体ポリマーは、特段の制限はないが、ポリ(3−アルキルチオフェン)などを含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、チオフェン環又はチオフェン縮合環を含むポリマー等が挙げられる。より具体的には、国際公開第2011/016430号、国際公開第2013/180243号、日本国特開2012−191194号公報等に記載される公知のp型半導体ポリマーが挙げられる。
n型半導体化合物としては、特段の制限はないが、例えば、フラーレン;フラーレン誘導体;8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体;ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類;ペリレンジイミド誘導体、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体、ボラン誘導体;アントラセン、ピレン、ナフタセン又はペンタセン等の縮合多環芳香族炭化水素の全フッ化物;単層カーボンナノチューブ、n型ポリマー(n型高分子半導体材料)等が挙げられる。
これらのなかでも、フラーレン誘導体、ボラン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体又はn型高分子半導体材料が好ましく、フラーレン誘導体、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はn型高分子半導体化合物がより好ましく、フラーレン誘導体が特に好ましい。これらの化合物としては、特段の制限はないが、例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを使用することができる。なお、上記のうち一種の化合物を用いてもよいし、複数種の化合物の混合物を用いてもよい。
有機活性層103の膜厚は特に限定されないが、膜の均一性を確保し電極間の短絡を防ぐために、通常50nm以上であり、好ましくは100nm以上であり、さらに好ましくは200nm以上であり、一方、内部抵抗を小さくし効率良く電荷の拡散を行うために、通常1000nm以下であり、好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは400nm以下である。
有機活性層103の形成方法は、特段の制限はく、使用する材料を考慮して、公知の方法により形成することができる。具体的には、蒸着法、スパッタ法等の真空成膜法又は該p型半導体化合物及び/又はn型半導体化合物と、溶媒を含有する塗布液を用いた湿式成膜法により形成することができる。
湿式成膜法としては、特段の制限はなく、スピンコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
溶媒は、特段の制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、テトラリン若しくはデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、メシ
チレン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン若しくはオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、テトラリン若しくはデカリン等の脂環式炭化水素類;メタノール、エタノール若しくはプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン若しくはプロピオフェノン等の芳香族ケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル若しくは乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン若しくはトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類;又は、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。なお、溶媒は1種の溶媒を単独で用いてもよいし、任意の2種以上の溶媒を任意の比率で併用してもよい。
有機活性層103をp型半導体化合物を含む層とn型半導体化合物とを含む層の薄膜積層型とする場合、特段の制限はないが、上述のような方法により各層を成膜することにより形成すればよい。また、有機活性層103をバルクヘテロ接合型とする場合、特段の制限はないが、p型半導体化合物と、n型半導体化合物と、溶媒とを含む塗布液を作製しておき、該塗布液を用いて湿式成膜法により形成することが好ましい。
<1−4.バッファ層(下部バッファ層102、上部バッファ層104)>
上述の通り、本実施形態に係る光電変換素子は、下部電極101と活性層103との間に下部バッファ層102を有し、上部電極105と活性層103との間に上部バッファ層104を有する。
電子取り出し層の材料は、有機活性層103からカソードへ電子の取り出し効率を向上させる材料であれば特段の制限はないが、無機化合物又は有機化合物が挙げられる。
無機化合物の例としては、Li、Na、K又はCs等のアルカリ金属の塩;酸化チタン(TiOx)や酸化亜鉛(ZnO)のようなn型半導体酸化物等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の塩としては、LiF、NaF、KF又はCsFのようなフッ化物塩が好ましく、n型半導体酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)が好ましい。このような材料の動作機構は不明であるが、Al等で構成されるカソードと組み合わされた際にカソードの仕事関数を小さくし、太陽電池素子内部に印加される電圧を上げる事が考えられる。
有機化合物の例としては、例えば、トリアリールホスフィンオキシド化合物のようなリン原子と第16族元素との二重結合を有するホスフィン化合物;バソキュプロイン(BCP)又はバソフェナントレン(Bphen)のような、置換基を有してもよく、1位及び10位がヘテロ原子で置き換えられていてもよいフェナントレン化合物;トリアリールホウ素のようなホウ素化合物;(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)のような有機金属酸化物;オキサジアゾール化合物又はベンゾイミダゾール化合物のような、置換基を有していてもよい1又は2の環構造を有する化合物;ナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)又はペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)のような、ジカルボン酸無水物のような縮合ジカルボン酸構造を有する芳香族化合物等が挙げられる。
正孔取り出し層の材料に特に限定は無く、活性層103からアノードへの正孔の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミン又はポリアニリン等に、スルホン酸及び/又はヨウ素等がドーピングされた導電性ポリマー、スルホニル基を置換基に有するポリチオフェン誘導体、アリールアミン等の導電性有機化合物、酸化銅、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム又は酸化タングステン等の金属酸化物、ナフィオン、後述のp型半導体等が挙げられる。その中でも好ましくは、ス
ルホン酸をドーピングした導電性ポリマーであり、より好ましくは、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングした(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)である。また、金、インジウム、銀又はパラジウム等の金属等の薄膜も使用することができる。金属等の薄膜は、単独で形成してもよいし、上記の有機材料と組み合わせて用いることもできる。
下部バッファ層102及び上部バッファ層104の膜厚は、それぞれ、通常0.1nm以上である。一方、通常400nm以下、好ましくは200nm以下である。各バッファ層の膜厚が上記の範囲内であれば、活性層103から電荷が取り出し易くなり、光電変換効率が向上しうる。
下部バッファ層102及び上部バッファ層104の形成方法に制限はない。例えば、昇華性を有する材料を用いる場合は真空蒸着法等により形成することができる。また、例えば、溶媒に可溶な材料を用いる場合は、スピンコート法やインクジェット法等の湿式塗布法等により形成することができる。
なお、バッファ層を塗布法により形成する場合、塗布液にさらに界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤の使用により、微小な泡若しくは異物等の付着による凹み及び/又は乾燥工程での塗布むら等の発生が抑制される。界面活性剤としては、公知の界面活性剤(カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤)を用いることができる。なかでも、ケイ素系界面活性剤、アセチレンジオール系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が好ましい。なお、界面活性剤としては1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<1−5.着色層>
上述の通り、通常、有機活性層103は着色されているが、本発明においては、下記に説明する通り、光電変換素子を構成する有機活性層103以外の層のいずれかの層も着色層であることが好ましい。すなわち、下部電極、上部電極及びバッファ層の少なくとも一つは着色層であることが好ましい。なお、本発明において着色層とは、CIE1976L色空間における彩度cが0.5以上であることを意味するものとする。なお、a値及びb値は、それぞれJIS Z 8722−2000に準拠する方法により求めることができ、彩度cは下記式(1)により求めることができる。
なかでも、着色層の彩度Cは、1以上であることが好ましく、2以上であることがさらに好ましく、3以上であることがより好ましく、5以上であることが特に好ましい。
通常、有機薄膜太陽電池は、建材や窓等のように、人目に付き易い箇所への設定が検討されているために、有機薄膜太陽電池は、発電性能のみならず、使用環境に適した外観色を備えることが求められている。
一般的に、有機活性層は光を吸収する必要があるために着色されている。一方、通常、光電変換素子及び太陽電池モジュールを構成する有機活性層以外の層又は部材は、有機活性層の光の吸収の障壁となるのを防ぐために、有機薄膜太陽電池の有機活性層よりも受光面側に位置する層は、無色透明であることが好ましいと考えられる。そのため、有機薄膜太陽電池の外観色は、通常、有機活性層の色に依存する傾向がある。
しかしながら、上述の通り、有機薄膜太陽電池の外観色は、有機活性層の色調に依存する傾向があるために、例え、有機薄膜太陽電池の発電性能が高い場合でも、有機薄膜太陽電池の外観色次第では、使用環境に適さない場合がある。一方、有機活性層の色調を変えようとすると、有機活性層に使用する材料そのものを変更する必要があり、この場合、高い変換効率を達成することが困難な場合がある。そのため、高い変換効率と、適切な外観色を両立させた有機薄膜太陽電池を提供することは重要な課題である。
一方、本願発明は、光電変換素子を構成する有機活性層103以外の層のいずれかの層も着色層とすることにより、望ましい有機活性層材料を使用しつつも、色調の調整が可能になるために、変換効率を大幅に低下させることなく、使用環境に適した外観色を備えた有機薄膜太陽電池を提供することができる。
なお、光電変換素子の外観色を調整するために、有機活性層に色素を添加することも考えられる。しかしながら、有機活性層に色素を添加すると、当該色素の存在により、有機活性層内の良好なナノ・マイクロ構造の形成が阻害され、光電変換特性が大きく低下してしまうことが懸念される。具体的には、光電変換素子においては、有機活性層において光が吸収されることにより、励起子の電子ドナー材料と電子アクセプター材料との界面への移動、界面における電荷分離、電荷のバッファ層への移動等、多くのプロセスを経て光電変換が成されており、これらは有機活性層内のナノ・マイクロ構造によって大きく影響される。そのため、有機活性層に色素を添加してしまうと、このようなナノ・マイクロ構造が大幅に変化してしまい、良好なナノ・マイクロ構造の形成が困難になり、その結果、光電変換特性が大きく低下してしまうことが懸念される。一方、バッファ層及び電極の機能は正負いずれかのキャリアの輸送のみであるために、有機活性層と比較して変換効率に影響しにくいものと考えられる。
以下、本発明における着色層について説明する。
上述の通り、本発明において、下部電極、上部電極及びバッファ層のうち少なくとも1層は着色層であることが好ましい。より具体的には、下部電極101、上部電極105、下部バッファ層102、及び上部バッファ層104のうち、少なくとも一つの層が着色層であることが好ましい。
また、光電変換素子において、有機活性層103よりも非受光面側に位置する層が着色層であることが好ましい。着色層は太陽光を吸収することになるために、有機活性層よりも受光面側に位置する層を着色層とすると、有機活性層が吸収する太陽光線量が低下し、その結果、光電変換素子の変換効率が低下してしまう場合がある。そのため、光電変換素子において有機活性層103よりも非受光面側に位置する層を着色層とすれば、太陽光が有機活性層に吸収される前に着色層に吸収されることを防ぐことができるために、結果的に変換効率の大幅な低下を伴うことなく光電変換素子の外観色を調整することができる。なお、本発明において、光電変換素子において有機活性層よりも非受光面側に位置する層とは、太陽電池として該光電変換素子を使用した場合、有機活性層103を介して入射光側とは反対に位置する層を意味する。
すなわち、一対の電極のうち、一方の電極が透明電極であり、他方の電極が非透明電極である非透過型の光電変換素子の場合、非受光面側に位置する層とは、非透明電極又は非透明電極と有機活性層との間に位置する層を意味する。一方、一対の電極がともに透明電極であるシースルー型の光電変換素子の場合、該光電変換素子を有機薄膜太陽電池として設置した場合に、有機活性層を介して太陽光の受光側とは反対に位置する層を意味するものとする。すなわち、下部電極101側を太陽光の受光面とする場合、上部バッファ層1
04及び/又は上部電極105を着色層とすることが好ましい。一方、上部電極105側を太陽光の受光面とする場合、下部バッファ層102及び/又は下部電極101を着色層とすることが好ましい。
なお、着色層の色は特段の制限はなく、所望の光電変換素子の色相に合わせて任意で選択すればよい。例えば、有機活性層のCIE1976L*a*b*色空間におけるa*値又は/及びb*値とは異なるa*値又は/及びb*値を有する着色層を用いることで、光電変換素子の色相を調整することができる。特に、太陽電池モジュールを窓や建材等に設置する場合、無彩色のものが好まれる傾向がある。そのため、光電変換素子を無彩色としたい場合は、有機活性層のCIE1976L*a*b*色空間におけるa*値及びb*値をそれぞれx、yとした場合、CIE1976L*a*b*色空間におけるa*値及びb*値をそれぞれ、−x±3、−y±3の範囲内となる着色層を用いることが好ましい。
着色層の形成方法は、特段の制限はないが、例えば、対象とする層に色素を含有させることにより形成することができる。すなわち、下部バッファ層102及び/又は上部バッファ層104を着色層とする場合、上述の<1−4.バッファ層(102、104)>に挙げられた主要な化合物と、色素と、を含有する層とすることにより、バッファ層としての機能を維持した着色層とすることができる。また、下部電極101及び/又は上部電極105を着色層とする場合、上述の<1−2.一対の電極(101、105)>に挙げられた主要な化合物と、色素と、を含有する層とすることにより、下部電極101及び/又は上部電極105の機能を維持した着色層とすることができる。
色素は、特段の制限はないが、染料又は顔料が挙げられる。
染料としては、特段の制限はないが、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料、ジピロメテン系染料、キサンテン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー25、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.バットブルー5、特開2002−14222号公報、特開2005−134759号公報、特開2010−191358号公報、特開2011−148950号公報に記載のもの等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.
I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
また、トリアリールメタン系染料としては、例えば、C.I.アシッドブルー86、C.I.アシッドブルー88、C.I.アシッドブルー108、国際公開第2009/107734号パンフレット、国際公開第2011/162217号パンフレットなどに記載のものが挙げられる。
更に、シアニン系染料としては、例えば、国際公開第2011/162217号パンフレットに記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
ジピロメテン系染料としては、例えば、特開2008−292970号公報、特開2010−84009号公報、特開2010−84141号公報、特開2010−85454号公報、特開2011−158654号公報、特開2012−158739号公報、特開2012−224852号公報、特開2012−224849号公報、特開2012−224847号公報、特開2012−224846号公報などに記載のものが挙げられる。
キサンテン系染料としては、例えば、C.I.アシッドレッド50、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド289、特許第3387541号公報、特開2010−32999号公報、特許第4492760号公報、「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)326頁〜348頁に記載のものなどが挙げられる。
顔料としては特段の制限はないが、青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を使用することができる。また、2種以上の顔料を組み合わせて色調を調整してもよい。なお、顔料の構造としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料の他に種々の無機顔料等も利用可能である。無機顔料としては、特段の制限はないが、例えば、金属ナノ粒子又は金属酸化物ナノ粒子が挙げられる。これらのナノ粒子の金属としては、金、銀、アルミニウム、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
以下に、本発明に使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。なお、以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270
、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
オレンジ顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ38、71を挙げることができる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23を挙げることができる。
上記の中でも、好ましい色素としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料又はトリアリールメタン系染料が挙げられる。
なお、色素を用いて着色層を形成する場合、色素は1種のみ使用してもよいし、2種以上使用してもよい。
なお、着色層の成膜性を向上させるために、該色素は、必要に応じて脱塩処理等を行ってもよい。
下部バッファ層102及び/又は上部バッファ層104をバッファ層とする場合、下部バッファ層102及び/又は上部バッファ層104は上述の通り、色素を含有することが好ましい。具体的に使用する色素は上述のものが挙げられる。
バッファ層に色素を用いて着色層とする場合、該色素は、バッファ層中の電荷移動をトラップしないような電子軌道を有する色素であることが好ましい。すなわち、バッファ層の中でも、電子取り出し層を着色層とする場合には、該色素の最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルは、電子取り出し層を構成する主要化合物の伝導帯の最下端のエネルギーレベル又は最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルよりも高いことが好ましい。すなわち、電子取り出し層を構成する主要化合物が有機半導体化合物である場合、該色素の最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルは該有機半導体化合物の最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルよりも高いことが好ましい。一方、電子取り出し層を構成する主要化合物が無機化合物である場合、該色素の最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルは、該無機化合物の伝導帯の最下端のエネルギーレベルよりも高いことが好ましい。なお、電子取り出し層を構成する主要化合物とは、電子取り出し層を構成する化合物の中で、電子輸送に用いられるバンド、或いは、電子軌道への波動関数の寄与の最も多い化合物を意味する。
バッファ層の中でも、正孔取り出し層を着色層とする場合には、該色素の最高占有分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルは、正孔取り出し層を構成する主要化合物の価電子帯の最上端のエネルギーレベル又は最高占有分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルよりも低いことが好ましい。すなわち、電子取り出し層を構成する主要化合物が導電性高分子化合物である場合、該色素の最高非占有分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルは、該導電性化合物の最高非占有分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルよりも低いことが好ましい。また、正孔取り出し層を構成する主要化合物が無機化合物である場合、該色素の最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルは、該無機化合物の価電子帯の最上端のエネルギーレベルよりも低いことが好ましい。なお、正孔取り出し層を構成する主要化合物とは、正孔取り出し層を構成する化合物の中で、正孔輸送に用いられるバンド、或いは、電子軌道への波動関数の寄与の最も多い大きな化合物を意味する。
なお、各化合物及び/又は色素の最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーレベル、最高占有分子軌道(HOMO)のエネルギーレベル、伝導帯の最下端のエネルギーレベル及び価電子帯の最上端のエネルギーレベルは、それぞれサイクリックボルタンメトリー、あるいは光電子収量分光測定や紫外光電子分光法に代表される各種の光電子分光測定法により求めることができる。
また、バッファ層は、上述の通り、<1−4.バッファ層(102、104)>で挙げられる化合物を主要化合物として含有するが、バッファ層を着色層とする場合、バッファ層は導電性高分子化合物を含有することが好ましい。この理由は明らかではないが、色素が導電性高分子化合物又はそれに付随する高分子化合物に分子レベルで相互作用することで、バッファ層中での色素が良好に分散するために電荷の取り出し効率を低下するのを防ぐことができるものと考えられる。
バッファ層を着色層とする場合、バッファ層が含有する色素の量は特段の制限はない。但し、該バッファ層を十分に着色させるために、バッファ層中における色素の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることが特に好ましく、1質量%以上であることが最も好ましく、一方、バッファ層が良好な導電性を確保するために、50質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることが
さらに好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
下部バッファ層102及び/又は上部バッファ層104を着色層とする場合、下部バッファ層102及び/又は上部バッファ層104は、色素を良好に分散させるために湿式成膜法により形成することが好ましい。例えば、バッファ層を構成する化合物及び色素を溶媒に溶解又は分散させた塗布液を作製し、塗布することにより形成することができる。なお、塗布液に含まれる色素の量は、上記のバッファ層中における色素の含有量に合わせて任意で調整すればよい。なお、溶媒は、特段の制限はないが、有機活性層103を構成する材料は、通常、疎水性であることが多いために、有機活性層103の塗布液には非極性溶媒を用いられる傾向がある。そのため、上部バッファ層104及び/又は下部バッファ層104を塗布する際には、水やアルコール等の極性溶媒を主溶媒として用いることで、下部バッファ層102、有機活性層103、上部バッファ層104の各層が、製膜時に互いに混合することなく秩序よく積層することが出来る。
下部電極101及び/又は上部電極105を着色層とする場合、下部電極101及び/又は上部電極105に含有される色素に特段の制限はないが、下部電極及び/又は上部電極を十分に着色させるために、下部電極及び/又は上部電極を構成する主要化合物に対する色素の含有量は0.001質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましく、0.1質量%以上であることが特に好ましく、一方、電極の導電性の低下を防ぐために、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
また、下部電極101及び/又は上部電極105を着色層とする場合、下部電極101及び/又は上部電極105の形成方法は特段の制限はないが、色素を良好に分散させるために湿式成膜法により形成することが好ましい。なお、下部電極及び/又は上部電極を形成するための塗布液中の色素の含有量は所望の下部電極及び/又は上部電極を得るために適宜調整すればよい。また、塗布液に使用する溶媒は特段の制限はない。但し、上部電極を着色層として湿式成膜法により形成する場合、上部電極の下部に位置する上部バッファ層を溶解させない溶媒を用いることが望ましい。すなわち、上部バッファ層が疎水性を示す場合、上部電極用の塗布基は、水、アルコールなど好局性の溶媒を用いることが望ましく、逆に、上部バッファ層が親水性を示す場合は、トルエン、キシレン等の非極性溶媒を用いることが望ましい。
色素を用いて着色層を形成する場合、特段の制限はないが、光電変換素子の透過率の低下を極力防ぐために、該色素の可視吸収スペクトルにおける最大吸収ピークの半値幅は60nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることが特に好ましく、一方、着色層として適切に機能させるために、可視吸収スペクトルにおける最大吸収ピークの半値幅は5nm以上であることが好ましい。
<1−6.光電変換素子の製造方法>
図1に示される構成を有する光電変換素子107は、各層について説明した上述の方法に従い、素子基板106上に、下部電極101、下部バッファ層102、活性層103、上部バッファ層104、及び上部電極105を順次積層することにより作製することができる。
下部電極101及び上部電極105を積層した後に、光電変換素子を通常50℃以上、好ましくは80℃以上、一方、通常300℃以下、好ましくは280℃以下、より好ましくは250℃以下の温度範囲において、加熱することが好ましい(この工程をアニーリング処理工程と称する)。
アニーリング処理工程を50℃以上の温度で行うことは、光電変換素子の各層間の密着性、例えば、下部バッファ層102と下部電極101及び/又は下部バッファ層102と活性層103の密着性が向上する効果が得られるため、好ましい。各層間の密着性が向上することにより、光電変換素子の熱安定性や耐久性等が向上し得る。また、アニーリング処理工程により、活性層の自己組織化が促進され得る。アニーリング処理工程の温度を300℃以下にすることは、活性層103内の有機化合物が熱分解する可能性が低くなるため、好ましい。アニーリング処理工程においては、上記の温度範囲内で段階的な加熱を行ってもよい。
加熱する時間としては、通常1分以上、好ましくは3分以上、一方、通常3時間以下、好ましくは1時間以下である。アニーリング処理工程は、太陽電池性能のパラメータである開放電圧、短絡電流及びフィルファクターが一定の値になったところで終了させることが好ましい。また、アニーリング処理工程は、常圧下、かつ不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。
加熱する方法としては、ホットプレート等の熱源に光電変換素子を載せてもよいし、オーブン等の加熱雰囲気中に光電変換素子を入れてもよい。また、加熱はバッチ式で行っても連続方式で行ってもよい。
本発明に係る光電変換素子を構成する各層は、特段の制限はなく、シート・ツー・シート(枚葉)方式、又はロール・ツー・ロール方式で形成することができる。
<2.太陽電池モジュール>
上述の実施形態に係る光電変換素子は、太陽電池モジュールとして使用することが好ましい。なお、太陽電池モジュールは、光電変換素子が水や酸素等により劣化するのを防止するために、ガスバリア層等により封止されていることが好ましい。また、光電変換素子で発電した電気を外部に取り出すために集電線を有していることが好ましい。
図2は、本発明の一実施形態としての太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、太陽電池モジュールは、素子基板206及び光電変換素子207に加えて、ガスバリア層201、202と、封止層203、204と、集電線205と、を有している。
太陽電池モジュールを構成するガスバリア層201、202、封止層203、204、集電線205の材料及び積層方法等は特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを使用することができる。なお、太陽電池モジュールの構成は、図2の構造に限定されるものではなく、光電変換素子により発電可能である限りにおいてどのような構造であってもよい。また、図2においては、素子基板206側(ガスバリア層201側)を太陽光の入射面としているが、本発明はこれに限定されず、光電変換素子207側(ガスバリア層202側)を太陽光の受光面としてもよい。
本発明に係る太陽電池モジュールの用途に特段の制限はなく、任意の用途に用いることができる。例えば、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池等が挙げられる。
なかでも、本発明に係る太陽電池モジュールは、建物や車両等の、窓、ドア、壁面、又は天井等のガラス等、パーティション等の被着体に貼り付けて使用することが好ましい。なお、本発明において、窓や建材等の壁面に太陽電池モジュールを施工する場合、光電変換素子の着色層が光を吸収することにより、有機活性層が吸収する光量が低下するのを防
ぐために、着色層は、有機活性層より非受光面側に位置するように太陽電池モジュールを設置することが好ましい。
以下に、実施例により本発明の実施形態を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。本実施例に記載の項目は以下の方法によって測定した。
(重量平均分子量及び数平均分子量の測定方法)
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。分子量分布(PDI)は、Mw/Mnを表す。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定は以下の条件で行った。
カラム:PolymerLaboratories GPC用カラム(PLgel MIXED−B 10μm,内径7.5mm,長さ30cm)を2本直列に接続して使用 ポンプ:LC−10AT(島津製作所社製) オーブン:CTO−10A(島津製作所社製)
検出器:示差屈折率検出器(島津製作所社製,RID−10A)及びUV−vis検出器(島津製作所社製,SPD−10A)
サンプル:試料1mgをクロロホルム(200mg)に溶解させた液1μL
移動相:クロロホルム
流速:1.0mL/min
解析:LC−Solution(島津製作所社製)
(光電変換素子の評価)
光電変換素子に4mm角のメタルマスクを付け、照射光源としてエアマス(AM)1.5G、放射照度100mW/cm2のソーラシミュレータを用い、ソースメーター(ケイ
スレー社製,2400型)により、ITO電極と銀電極との間における電流−電圧特性を測定した。この測定結果から、開放電圧Voc(V)、短絡電流密度Jsc(mA/cm2)、形状因子FF、光電変換効率PCE(%)を算出した。
ここで、開放電圧Vocとは電流値=0(mA/cm2)の際の電圧値であり、短絡電
流密度Jscとは電圧値=0(V)の際の電流密度である。形状因子FFとは内部抵抗を表すファクターであり、最大出力をPmaxとすると次式で表される。
FF = Pmax/(Voc×Jsc)
また、光電変換効率PCEは、入射エネルギーをPinとすると次式で与えられる。
PCE = (Pmax/Pin)×100
= (Voc×Jsc×FF/Pin)×100
(有機活性層用塗布液1の作製)
p型の半導体化合物である有機半導体ポリマー及びn型半導体化合物であるPC61BM(フェニルC61酪酸メチルエステル)とPC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル)との混合物を、質量比が1:2となるように混合した。得られた混合物を、溶媒1mLに対して45mgとなるように窒素雰囲気中で溶媒に溶解させて有機活性層用塗布液を作製した。なお、溶媒はo−キシレンとテトラリンとの混合溶媒(体積比9:1)を使用した。
(正孔取り出し層用塗布液P1の作製)
固形分濃度2.3質量%のPEDOT:PSS分散液に脱塩処理を行ったAcid R
ed 289(東京化成工業株式会社製)2mg(正孔取り出し層を構成する全固形分濃度に対して4.2質量%)を加えて全体を2gとした。その後、超音波処理を10分間行
い、その後5μm径のフィルターに通して、正孔取り出し層用塗布液P1を調整した。
(正孔取り出し層用塗布液P2の作製)
Acid Red 289(東京化成工業株式会社製)の使用量を1mgとした(正孔取り出し層を構成する全固形分濃度に対して2.18質量%)以外は、実施例1と同様の方法により正孔取り出し層用塗布液P2を作製した。
(正孔取り出し層用塗布液P3の作製)
Brilliant Blue R(東京化成工業株式会社製)を固形分濃度2.3%のPEDOT:PSS分散液に4mg(正孔取り出し層を構成する全固形分濃度に対して8質量%)加えて全体を2gとした。その後、超音波処理を10分間行い、その5μm径のフィルターに通して、正孔取り出し層用塗布液P2を調整した。
<実施例1:太陽電池モジュール1の作製及び評価>
インジウム・スズ酸化物(ITO)/Ag/インジウム・スズ酸化物からなる透明導電膜がパターニングされたガラス基板(ジオマテック社製)を、アセトンによる超音波洗浄、ついでイソプロパノールによる超音波洗浄の後、窒素ブローでの乾燥及びUV−オゾン処理を行った。
アクリル酸亜鉛(和光純薬製)500mgをエタノール(和光純薬製)7.77gに溶解さ
せ、この溶液を1時間撹拌した。その後、この溶液をガラス基板の上に2000rpmの速度によりスピンコートし、150度で5分加熱することにより、電子取り出し層である酸化亜鉛含有層を形成した。
電子取り出し層を形成したガラス基板をフローブボックスに持ち込み、窒素雰囲気下150℃で3分間加熱処理し、冷却後に上述のように作製した有機活性層用塗布液(0.06mL)を350rpmの速度にてスピンコートすることにより有機活性層を形成した。その後、この基板を140度で10分加熱した。なお、得られた有機活性層を目視で観察した結果、有機活性層は鮮やかな黄緑色であった。
さらに、有機活性層上に、正孔取り出し層用塗布液P1を300rpmの速度でスピンコートし、その後150℃で10分加熱することにより着色層である正孔取り出し層を形成した。
次に、厚さ30nmのIZO膜、8nmの銀膜、及び40nmのIZO膜を真空スパッタにより順次成膜することにより正孔取り出し層上に上部電極を形成し、5mm角の光電変換素子1を作製した。
上述の方法により得られた光電変換素子1変換効率を測定した。また、得られた光電変換素子の外観色を目視で確認した。得られた結果を表1に示す。
<実施例2:光電変換素子2の作製・評価>
正孔取り出し層用塗布液P1の代わりに正孔取り出し層用塗布液P2を使用した以外は、実施例1と同様の方法により光電変換素子2を作製し、評価を行った。得られた結果を表1に示す。
<実施例3:光電変換素子3の作製・評価>
正孔取り出し層用塗布液P1の代わりに正孔取り出し層用塗布液P3を使用した以外は、実施例1と同様の方法により光電変換素子3を作製し、評価を行った。得られた結果を
表1に示す。
<比較例1:光電変換素子4の作製・評価>
正孔取り出し層用塗布液1の代わりに、固形分濃度2.3%のPEDOT:PSS分散液を使用して正孔取り出し層を形成した以外は、実施例1と同様の方法により光電変換素子4を作製し、同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
白色蛍光灯下における目視で有機活性層の色は黄色身を帯びた鮮やかな緑色であり、着色層を設けなかった比較例1に係る光電変換素子3も有機活性層と同様の外観色であった。一方で、正孔取り出し層を着色層とした実施例1、2により作製された光電変換素子1、2の外観色は、落ち着いた茶色となり、また実施例1と同様に正孔取り出し層を着色層とした実施例3により作製された光電変換素子2の外観色は、深みのある青緑色となった。さらに、表1に示す通り、着色層を設けた光電変換素子1〜3は、着色層を設けていない比較例1に係る光電変換素子4と同等以上の変換効率を有していることが分かる。そのため、光電変換素子を構成する有機活性層以外の層を着色層とすることにより、変換効率を低下することなく、光電変換素子の外観色を調整することができることが分かる。
101 下部電極
102 下部バッファ層
103 活性層
104 上部バッファ層
105 上部電極
106、206 素子基板
107、207 光電変換素子
201、202 ガスバリア層
203、204 封止層
205 集電線

Claims (4)

  1. 下部電極及び上部電極により構成される一対の電極と、該一対の電極間に有機活性層と
    、バッファ層と、を有する光電変換素子であって、
    前記下部電極、前記上部電極及び前記バッファ層のうち少なくともバッファ層が着色層
    であり、前記バッファ層として、導電性高分子化合物と、色素と、を含有するとともに、
    前記色素の最高占有分子軌道(HOMO)エネルギーレベルが、前記導電性高分子化合物の
    最高占有分子軌道(HOMO)エネルギーレベルよりも低い正孔取り出し層を有することを
    特徴とする光電変換素子。
  2. 前記着色層は、光電変換素子内において前記有機活性層よりも非受光面側に位置する層
    のいずれかの層であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記バッファ層中における前記色素の含有量が1質量%以上50質量%以下であること
    を特徴とする請求項又はに記載の光電変換素子。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光電変換素子を有する太陽電池モジュール。
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