JP6671057B2 - 光学デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、光学デバイスに関し、たとえば、電気により光学的な状態が変化可能な光学デバイスに関する。
電気を供給することにより、光学的な状態を変化させる光学デバイスが提案されている。たとえば、特許文献1には、一対の透明電極の間に、銀を含有するエレクトロクロミック材料を含む電解質層を挟持し、透明電極の一方にナノオーダーの凹凸を設けた調光素子が開示されている。特許文献1の調光素子は、電圧の印加により鏡面状態を形成することができる。
国際公開第2012/118188号
上記特許文献1の調光素子は、鏡面状態を形成することが可能ではあるものの、所望の方向に光の進行方向を変化させるものではない。
本開示の目的は、配光を行うことが可能な光学デバイスを提供することである。
光学デバイスが開示される。光学デバイスは、第1電極と、第1電極と電気的に対となる第2電極と、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光を配光する状態とが変化可能な屈折率調整層と、前記第2電極に向かって突出する複数の凸部を有する凹凸層とを備える。前記第1電極は、光透過性を有する。前記第2電極は、光透過性を有する。前記屈折率調整層は、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される。前記凹凸層は、前記第1電極と前記屈折率調整層との間に配置される。前記複数の凸部は、ストライプ状である。前記凸部は、断面が略台形形状である。前記凸部の台形の下底の両端にある底角が75度以上85度以下である。
本開示によれば、配光を行うことが可能な光学デバイスを提供することができる。
図1は、実施の形態に係る光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 図2は、実施の形態に係る凹凸層の一例を示す模式的な断面図である。 図3は、実施の形態に係る凹凸層の一例を示す模式的な斜視図である。 図4は、実施の形態に係る凸部の間隔の分布の一例を示すグラフである。 図5Aは、実施の形態に係る光学デバイスの一例を説明する模式的な平面図である。 図5Bは、実施の形態に係る光学デバイスの一例を説明する模式的な断面図である。 図6は、実施の形態に係る光学デバイスの一例を説明する模式的な断面図である。 図7Aは、実施の形態に係る光学デバイスの配光状態を示す説明図である。 図7Bは、実施の形態に係る光学デバイスの非配光状態を示す説明図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る光学デバイスについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、たとえば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。
図1は、光学デバイスの一例(光学デバイス1)を示している。図1は、光学デバイス1の層構造を模式的に示しており、実際の光学デバイス1の各部の寸法等は、これに限定されない。光学デバイス1は、パネル状に形成され得る。
図2及び図3は、光学デバイス1に組み込まれる凹凸層16の一例を示している。図2では、凹凸層16の拡大断面図が示されている。図3では、凹凸層16を抜き出して、斜め上方から見た図を示している。
光学デバイス1は、第1電極13と、第2電極14と、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光を配光する状態とが変化可能な屈折率調整層15と、第2電極に向かって突出する複数の凸部20を有する凹凸層16とを備える。第1電極13及び第2電極14は、光透過性を有する。第2電極14は、第1電極13と電気的に対となる。屈折率調整層15は、第1電極13と第2電極14との間に配置される。凹凸層16は、第1電極13と屈折率調整層15との間に配置される。複数の凸部20は、ストライプ状である。凸部20は、断面が略台形形状、又は略三角形状である。凸部20の断面形状である台形、又は三角形の下底の両端にある底角θは、70度以上85度以下である。
光学デバイス1は、屈折率調整層15の屈折率の変化により、透明状態と配光状態とを作り出すことができる。特に、凹凸層16の複数の凸部20が、上記の台形形状を備えることによって、外部からの光の進行方向を効果的に変えることができる。そして、光の進行方向が変わることによって、透明状態と配光状態との光の変化が大きくなる。その結果、光学デバイス1は、透明状態と配光状態とを大きく変化させることができるため、光学特性に優れる。
光学デバイス1は、第1基板11と第2基板12とをさらに備えている。第1基板11と第2基板12とは、第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15及び第2電極14の積層構造を間に配置してこの積層構造を支持する。また、第1基板11と第2基板12とは、この積層構造を保護する。また、第1基板11と第2基板12とは、一方が積層構造を形成するための形成基板として機能し、他方が積層構造を被覆するための被覆基板として機能し得る。
図1の光学デバイス1では、一対の基板(第1基板11及び第2基板12)の間に、第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15及び第2電極14がこの順で配置されている。これらの層は、厚み方向に並んでいる。
ここで、「厚み方向」とは、特に断りのない限り、光学デバイス1の厚みの方向を意味する。図1では、厚み方向がD1で示されている。厚み方向とは、第1基板11の表面に垂直な方向であってよい。厚み方向には積層を行う方向が含まれる。厚み方向には、第1電極13から第2電極14に向かう方向と、第2電極14から第1電極13に向かう方向とが含まれる。図1において、光学デバイス1の各層は、横方向及び紙面に垂直な方向に広がっていると考えることができる。また、「平面視」とは、基板の表面に垂直な方向(厚み方向D1)に沿って見た場合のことを意味する。
光学デバイス1は、光を透過させることができる。光学デバイス1は、窓となり得る。光学デバイス1は、建物の外壁に取り付けた場合には、外光を屋内に通過させることが可能である。第1基板11は、屋外側に配置され得る。第2基板12は、屋内側に配置され得る。もちろん、第2基板12が屋外側に配置され、第1基板11が屋内側に配置されてもよい。また、光学デバイス1は、外壁以外に取り付けられてもよい。たとえば、光学デバイス1は、内壁、パーティションに取り付けられ得る。光学デバイス1は、車載用窓として用いられてもよい。第1基板11は、光が入り込む側の基板と定義される。
一対の電極(第1電極13及び第2電極14)は、屈折率調整層15に電界を与えることができるように構成されている。一対の電極のうちの一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。屈折率調整層15は、一対の電極によって電圧が印加されることにより、屈折率が変化する。一対の電極は、光学デバイス1を駆動させるための電極として機能する。各電極は、層となっている。
第1電極13及び第2電極14は、透明な導電層によって構成され得る。透明導電層の材料としては、透明金属酸化物、導電性粒子含有樹脂、金属薄膜などを用いることができる。光透過性を有する電極の材料の一例として、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの透明金属酸化物が例示される。透明金属酸化物によって構成される電極は、光学デバイス1の電極に用いることが好適である。
第1電極13及び第2電極14の少なくとも一方は、金属を含んでいてもよい。金属は、電極を低抵抗化させることができる。金属によって、電流が光学デバイス1の面内に均一に流れやすくなり、光学特性の面内分布が向上し得る。ただし、金属の多量の含有は電極の光透過性の低下を招き得るため、電極の光透過性を阻害しない態様で、金属は含有される。たとえば、金属は、金属ナノワイヤ、金属製の補助配線、金属薄膜として、電極に含まれ得る。金属ナノワイヤ(たとえば銀ナノワイヤ)は、透明導電層中に分散され得る。金属製の補助配線は、透明導電層に接触させて、透明導電層上に設けられ得る。金属薄膜は、透明導電層の表面に設けられ得る。
第1電極13及び第2電極14は、電源との電気接続が可能なように構成されていてよい。光学デバイス1は、電源に接続するために、電極パッド、及び、電極パッドを電気的に集約した電気接続部などを有し得る。電気接続部はプラグなどにより構成され得る。これらの電極は、配線を介して電源に接続され得る。電源は、外部電源であってもよいし、内部電源であってもよい。
第1基板11は、第1電極13の外側に配置されている。第2基板12は、第2電極14の外側に配置されている。図1の例では、第1基板11は、第1電極13と接触している。第2基板12は、第2電極14と接触している。第1基板11及び第2基板12は、光透過性を有する。
第1基板11と第2基板12とは、端部において接着されていてもよい。接着は、接着剤によって行われ得る。接着剤は、固化してもよい。接着剤は、壁部を形成し得る。壁部は、第1基板11と第2基板12との間の隙間の厚みを規定し得る。壁部は、屈折率調整層15の端部を保護し得る。
第1基板11及び第2基板12は、同じ基板材料で構成されてもよいし、異なる基板材料で構成されてもよいが、同じ基板材料で構成されてもよい。基板材料としては、ガラス基板、樹脂基板が例示される。ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス、高屈折率ガラスが例示される。樹脂基板の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)が例示される。ガラス基板は、透明性が高いという利点がある。ガラス基板は、防湿性が高いという利点がある。一方、樹脂基板は、破壊時の飛散が少ないという利点がある。フレキシブル性を有する基板を使用してもよい。フレキシブル性を有する基板は、曲げることが可能である。フレキシブル性を有すると、取り扱い性が高まる。フレキシブル基板は、樹脂基板又は薄膜ガラスにより容易に形成され得る。第1基板11及び第2基板12は、同じ厚みであってもよいし、異なる厚みであってもよい。材料点数の削減の点からは、これらは、同じ厚みであることが好ましい。
第1基板11と第1電極13とは、可視光領域において屈折率の差が所定の値より小さい。これにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、第1基板11と第1電極13との屈折率差は、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
第2基板12と第2電極14とは、可視光領域において屈折率の差が所定の値より小さい。これにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、第2基板12と第2電極14との屈折率差は、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
第1基板11と第2基板12とは、屈折率は同程度であってよく、たとえば、第1基板11と第2基板12との屈折率差は、0.1以下であってよい。第1電極13と第2電極14とは、屈折率が同程度であり得る。たとえば、第1電極13と第2電極14との屈折率差は、0.1以下であってよい。第1基板11及び第2基板12の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。第1電極13及び第2電極14の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。
第1基板11及び第2基板12の厚みは、特に限定されるものではないが、たとえば、0.1mm〜10mmの範囲内であってよい。第1電極13及び第2電極14の厚みは、特に限定されるものではないが、たとえば、10nm〜200nmの範囲内であってよい。
凹凸層16は、第1電極13と屈折率調整層15との間に配置されている。凹凸層16は、第1電極13に接する。凹凸層16は、屈折率調整層15に接する。凹凸層16は、凹凸面を有する層である。凹凸層16は、凸部20と凹部21とを有する。凹凸層16は、膜となっている。膜とは、本開示では、一体的になって面状に広がったものを指す。ただし、膜は適宜の箇所で分断されていてもよい。また、凹凸層16は、膜でなくてもよい。たとえば、凹凸層16は、凹部21の位置で複数の凸部20が分離されていてもよい。図1では、凹凸層16は、面状に連続している。凹凸層16は、膜と呼べる少なくとも所定の領域(たとえば1cm×1cmの範囲)で分断がない。凹凸層16は、厚み方向において隣り合う層を分離するように形成されていてよい。凹凸層16は、隣接する層(第1電極13及び/又は屈折率調整層15)を被覆していてよい。凹凸層16は、第1電極13側の面が平坦な面となっており、屈折率調整層15側の面が凹凸面となっている。凹凸層16は、複数の凸部20の配置により凹凸面が形成されている。
図2及び図3に示すように、凹凸層16は、断面が略台形形状の凸部20を複数有している。複数の凸部20は、第1基板11の表面に平行なある方向D2に、間隔をあけて並んで配置されている。方向D1と方向D2とは、垂直な関係にある。図3に示すように、凸部20は、方向D1及び方向D2の両方に垂直な方向D3に、台形の断面形状を維持しながら伸びている。凸部20は、長尺な形状を有する。複数の凸部20は、上記のような配置になることで、平面視したときに、ストライプ状の模様を形成する。
複数の凸部20の隣り合う凸部20の間には、凹部21が設けられる。凹部21は、溝状である。凹部21も、方向D3に伸び、長尺な形状を有する。複数の凹部21も、ストライプ状の模様を形成している。
凸部20の方向D3の長さTは、特に限定されるものではない。凹凸層16の方向D3の長さ全体にわたって凸部20が伸びる場合は、凹凸層16の方向D3での長さがそのまま凸部20の長さとなる。長尺に伸びる凸部20は、方向D3において分断されていてもよい。凸部20の長さTは、たとえば、10cm〜1000cmの範囲内であってよい。
図2に示すように、凸部20の断面形状である台形は、上底、下底、脚、高さH、底角θを備えている。上底の長さはUの記号で表され、下底の長さはLの記号で表される。脚は、上底及び下底以外の一組の対辺である。底角θは、凸部20の台形の下底の両端にある。底角θは、第1の底角θ1と、第2の底角θ2とを含む。第1の底角θ1と、第2の底角θ2とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1の底角θ1と第2の底角θ2とが同じである場合、凸部20の断面は等脚台形形状となる。なお、凸部20の断面は、概念的に台形に入る範囲であればよく、台形(四角形)の辺が丸みをおびたり、台形(四角形)の角が丸みをおびたりしていてもよい。
本実施の形態の光学デバイス1では、底角θは、70度以上85度以下である。すなわち、第1の底角θ1及び第2の底角θ2の両方が、70度以上85度以下の範囲内に入る。この場合、凸部20の側面(斜面)、すなわち台形の脚で構成される面は、第1基板11の表面とのなす角度が大きい急斜面になる。このように、凸部20の台形の斜面が急斜面になると、光の進行方向を効率よく変化させることができ、配光性が向上する。その理由は、斜め方向から入る光が凸部20の斜面で全反射する角度で当たりやすいからと考えられる。
凸部20の断面形状である台形の高さHは、5μm以上25μm以下であることが好ましい。高さHがこの範囲になることで、配光性がさらに向上する。その理由は、凸部20の斜面に当たる光の量が好適になるからと考えられる。一の凸部20が他の凸部20に影を作ることが抑制されると推測される。
凸部20の断面形状である台形の下底の長さLは、たとえば、3μm以上20μm以下であってよい。下底の長さが、上記の範囲になることで、光の進行方向を効率よく変化させることができる。凸部20の台形の上底の長さUは、下底の長さLと、底角θが決まれば、三角関数によって求まる。凸部20の台形の下底の長さLは、たとえば、1μm以上10μm以下であってよい。
凸部20の断面形状である台形は、尖った形状になり得る。下底の長さLは、上底の長さUの2倍以上であってもよい。台形の高さHは、上底の長さUよりも長くてもよい。台形の高さHは、下底の長さLよりも長くてもよい。
複数の凸部20は、間隔Sをあけて配置されている。間隔Sは、隣り合う凸部20の間の距離である。凸部20の間隔Sは、1μm以上4μm以下であってもよい。間隔Sがこの範囲になることで、配光性がさらに向上する。間隔Sは、隣り合う2つの凸部20間で略一定である。つまり、隣り合う2つの凸部20は、互いに略平行に形成されている。
間隔Sは、不均一で、山型分布を有してもよい。山型分布としては、特に山型のピークを対称軸にして両側に間隔Sが指数分布であってもよい。指数分布であれば、間隔Sはランダムな配置となる。間隔Sは、隣り合う凸部20と凸部20との間の距離であるが、凹凸層16全体では、複数存在している。それら複数の間隔Sを考慮したときに、複数の間隔Sは面内で不均一であり、揃っていなくてもよい。すなわち、1μm〜4μmの範囲内で、間隔Sが変動してもよい。たとえば、ある所での間隔Sは3μmであり、他の所での間隔Sは2.8μmであり、さらに他の所での間隔Sは3.2μmである。大きさの異なる間隔Sは、ランダムに配置されてもよい。そして、複数の間隔Sにおいては、全ての間隔Sから統計学的に存在確率を解析したときに、山型分布を有してもよい。山型分布は、山を1つ有する分布である。山の頂点はピークとなる。ピークの位置は、山の中央であってもよいし、中央からずれていてもよい。山の形は、左右対称であってもよい。山型分布の特別な例は、正規分布である。間隔Sは、正規分布を有していてもよい。また、隣り合う凹凸構造の高さが不均一で山型分布を有してもよい。
図4は、凸部20の間隔Sの分布の一例を示すグラフである。図4では、間隔Sが正規分布を有する場合のグラフが示されている。横軸は、凸部20の間隔Sを表し、縦軸は、確率密度を表す。このグラフでは、間隔Sは平均値3μmを中心として2μm〜4μmの範囲内にあり、グラフの形状は左右対称になっている。間隔Sの平均値は、2μm〜3.5μmの範囲内であってよい。
上記のように、間隔Sが不均一になることで、特定の光のみが進行方向が変化することが抑制され、可視光領域の全体にわたって光の進行の変化が起こりやすくなる。特定の光のみが進行方向が変化すると、プリズムのように光のスペクトルが分散されるなどして、光に色が発生するおそれがある。さらに、間隔Sが山型分布を有することで、光の進行方向の変化が偏りにくくなり、光学デバイス1の全体の配光性が向上する。
凹凸層16の凹凸は、たとえば、インプリント法によって形成され得る。たとえば、樹脂層を形成した後、凹凸モールドを樹脂層に押し付けることで、凹凸の転写により、凹凸層16の凹凸が形成される。図2では、高さHが間隔Sよりも大きく、このような凹凸では、フォトリソグラフィー等の他の凹凸作製工程では作製が容易でない。一方、インプリント法で凹凸を作製する場合には、図2のような台形の高さHが高い凹凸を容易に作製することが可能である。
凹凸層16は、光透過性を有する。凹凸層16と第1電極13とは、屈折率の差が所定の値より小さい。これにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、凹凸層16と第1電極13との屈折率差は0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。凹凸層16の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。凹凸層16の屈折率は、1.45〜1.55の範囲内となることが特に好ましい。
凹凸層16は、導電性を有してもよい。これにより、第1電極13と第2電極14との間の電気の流れを良好にすることができる。凹凸層16は、第1電極13に用いられる材料によって形成されてもよい。第1電極13と凹凸層16とは、材料が同じで一体化していてもよい。ただし、第1電極13と凹凸層16とは別体となった方が、凹凸面の形成が容易である。凹凸層16は、凹凸を形成しやすい材料で形成されてもよい。凹凸層16は、たとえば、樹脂を含む材料で形成され得る。凹凸層16の樹脂材料として、導電性高分子、導電体含有樹脂が例示される。導電性高分子としては、PEDOTが例示される。導電体としては、Agナノワイヤなどの金属ナノワイヤが例示される。金属ナノワイヤは、セルロース、アクリルなどの樹脂と混合されていてもよい。金属ナノワイヤと樹脂の混合材料を使用した場合には、凹凸層16の屈折率を樹脂により調整可能なため、第1基板11及び第2基板12並びに屈折率調整層15と屈折率を近づけることが容易となる。なお、電圧の印加が可能であれば、凹凸層16は、絶縁材料で形成されていてもよい。その場合、凹凸層16は、樹脂や無機層で形成され得る。凹凸層16が絶縁層であっても、第1電極13と第2電極14との間の電圧差を大きくすることで、第1電極13と第2電極14との間に電圧を印加することは可能である。
屈折率調整層15は、凹凸層16に接している。屈折率調整層15は、凹凸層16に向かう表面が凹凸である。屈折率調整層15の凹凸面は、凹凸層16の凹凸が型となって形成され得る。屈折率調整層15の凸部は、凹凸層16の凹部21に対応する。屈折率調整層15の凹部は、凹凸層16の凸部20に対応する。屈折率調整層15と凹凸層16との界面は、凹凸界面となっている。
屈折率調整層15は、可視光領域での屈折率が、凹凸層16の屈折率に近い屈折率と、凹凸層16の屈折率との屈折率差が大きい屈折率とに調整可能であることが好ましい。それにより、配光状態と透明状態との差を大きくすることができる。屈折率調整層15は、凹凸層16に屈折率が近い状態と、凹凸層16との屈折率差が大きい状態との2つの状態の変化が可能である。屈折率調整層15の屈折率が凹凸層16に近い状態では、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差は、たとえば0.2以下であり、0.1以下であることが好ましい。屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が大きい状態では、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差は、たとえば0.1を超え、0.2以上であることが好ましい。なお、本開示では、特に断りのない限り、屈折率は厚み方向D1での屈折率を意味する。
屈折率調整層15は、電圧が印加されることにより、屈折率が凹凸層16に近づき、電圧が印加されないと、凹凸層16との屈折率差が大きくなってもよい。屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が小さいと非配光状態(透明状態)となり、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が大きいと配光状態となり得る。
屈折率調整層15は、複屈折性を有する電界応答性の媒質を含んでもよい。媒質が複屈折性を有することにより、屈折率の変化が効率よく行われる。媒質が電界応答性を有することにより、電圧の印加により容易に屈折率が変化する。複屈折性とは、方向によって屈折率が異なることを意味する。たとえば、厚み方向D1と方向D2とで、屈折率が異なる場合、複屈折性が与えられる。
屈折率調整層15の媒質は、液晶を含んでもよい。液晶は、複屈折性が容易に得られ、電界に応答する性質を有し得る。液晶は、電力により屈折率が変化する材料となり得る。そのため、屈折率調整層15の屈折率の変化が容易に行われる。液晶は、配向していることが好ましい。液晶の配向により、光の進行方向を効果的に制御することが可能になる。
液晶は、配向性を有し得る。液晶では、分子の配向が揃うと、光が特定の方向に通りやすくなる。そのため、液晶分子の配向が揃うと光学的な特性が向上する。液晶の配向は、電圧を印加した状態のときだけでなく、電圧を印加しない状態でなされるものであってよい。
図5A及び図5Bは、液晶の配向の好ましい態様の一例を説明する図である。図5Aでは、凹凸層16と、液晶分子を意味する楕円体30とを抜き出して描画している。液晶は、一の態様では、複数の凸部20が延伸する方向と平行に配向している。図5A及び図5Bでは、このような態様が模式的に示されている。この場合、凹凸層16と屈折率調整層15の界面で光は進行方向が変化するため、配光性が向上する凸部の屈折率と光の進行方向の液晶の屈折率が略一致せず、スネルの法則に従い光が屈折するためである。この態様は、液晶の誘電率異方性が正のときに特に好ましい。このとき、液晶に電界を印加すると液晶は基板の法線方向に配向する。凸部の屈折率と液晶の屈折率が略一致することで光は界面で屈折せず、したがって配光性は得られない。このように電界のONとOFFで配光性を制御することが可能となる。
図5A及び図5Bでは、液晶分子は、模式的に楕円体30で描画されている。図5A及び図5Bで示すように、楕円体30は、その軸が、凸部20及び凹部21が伸びる方向、すなわち、凹部21で構成される溝が走る方向に沿って配置されている。楕円体30の長手方向は、凸部20の長手方向に合っている。液晶の配向は、方向D3と平行になっていてよい。このような液晶分子の配向となることで、配光性が効率よく向上する。なお、図5A及び図5Bは、液晶の配向を説明するための模式的な図であり、実際の液晶分子は、凸部20のサイズにくらべてかなり小さいものであってよい。
図6は、液晶の配向の態様の他の一例を説明する図である。液晶は、他の態様では、光学デバイス1の厚み方向D1に沿って配向している。この場合、電界を印加しないOFFの状態で、凸部と液晶との屈折率は略一致しており配光性は発現しない。一方、電界を印加すると(ONの状態)、液晶が溝方向に配向するため、凸部と液晶との間に屈折率段差が発生し配光性が発現する。この態様は、液晶の誘電率異方性が負のときに特に好ましい。
図6でも、液晶分子は、模式的に楕円体30で描画されている。図6で示すように、楕円体30は、その軸が、光学デバイス1の厚み方向D1、すなわち、凸部20が突出する方向に沿って配置されている。楕円体30の長手方向は、第1基板11の表面と垂直な方向に合っている。液晶の配向は、厚み方向D1と平行になっていてもよい。
屈折率調整層15に含まれる液晶としては、たとえば、ネマチック液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶が挙げられる。
屈折率調整層15は、高分子を含んでもよい。屈折率調整層15が高分子を含むことにより、もし光学デバイス1が壊れることがあっても、屈折率調整層15の材料や、基板の材料が飛散することが抑制される。そのため、安全性が高まる。高分子は、屈折率調整層15の屈折率変化を安定化させる。そのため、配光性が安定化する。
屈折率調整層15は、高分子により形成されたポリマー構造を有していてもよい。ポリマー構造は、高分子鎖の架橋構造で形成されてもよい。ポリマー構造は、高分子の絡み合いで形成されてもよい。ポリマー構造は、網目状の構造を有し得る。ポリマー構造の間に液晶が配置されることで、屈折率の調整が可能になる。高分子は、屈折率調整層15に光散乱性を付与し得る。
高分子を含む屈折率調整層15の材料としては、高分子分散型液晶を用いることが好ましい。高分子分散型液晶では、液晶が高分子によって保持されているため、安定な屈折率調整層15を形成することができる。高分子分散型液晶は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)と呼ばれる。また、高分子を含む屈折率調整層15の材料として、ポリマーネットワーク型液晶を用いてもよい。ポリマーネットワーク型液晶は、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)と呼ばれる。
高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部と液晶部とから構成されるものであってよい。樹脂部は、高分子により形成される。樹脂部は、光透過性を有してもよい。それにより、屈折率調整層15の屈折率を変化するように形成することができる。樹脂部は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などにより形成され得る。液晶部は、電界によって液晶構造が変化する部分である。液晶部は、ネマチック液晶などが用いられる。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部の中に液晶部が点状に存在する構造であってもよい。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶においては、樹脂部が海、液晶部が島を構成する海島構造となっていてよい。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部の中において液晶部が網目状に不規則につながる形状であってもよい。もちろん、高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、液晶部の中に樹脂部が点状に存在したり、液晶部の中で樹脂部が網目状に不規則につながったりした構造であってもよい。
屈折率調整層15が高分子を含む場合、屈折率調整層15の保持性が高まる。屈折率調整層15は、内部で材料が流動しにくくなる。屈折率調整層15は、屈折率が調整された状態が高く維持され得る。
屈折率調整層15は、凹凸層16との屈折率差が大きくなる状態では、凹凸層16よりも屈折率が小さくてもよい。それにより、光の進行方向を変化させやすくすることができる。屈折率調整層15は、凹凸層16との屈折率差が大きくなる状態では、凹凸層16よりも屈折率が大きくなってもよい。それにより、光の進行方向を変化させやすくすることができる。屈折率調整層15の屈折率の変化の態様は、目的とする配光に合わせて設定され得る。
屈折率調整層15は、交流電源により電力が供給されてもよいし、直流電源により電力が供給されてもよい。屈折率調整層15は、交流電源により電力が供給されてもよい。直流電源の場合、液晶に含まれる可動性イオンが一方の層界面(配光膜)上に集まるため、液晶層(屈折率調整層15)に印加される実質的な電界強度が低下する課題が発生するからである。交流の波形は矩形波であってもよい。液晶の配向が正負で影響を受けにくいためである。屈折率が変化した状態を安定化させることがより可能になる。交流はパルスであってよい。屈折率調整層15は、電圧を印加したときの状態が維持されてもよい。それにより、必要なときに電力を与えればよいので、電力効率が高まる。屈折率の維持される時間は、長いほどよいが、たとえば、1時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。
光学デバイス1の製造方法について説明する。光学デバイス1は、たとえば、第1電極13及び凹凸層16が設けられた第1基板11と、第2電極14が設けられた第2基板12とを対向配置し、これらの間に、流動性を有する屈折率調整層15の材料の注入することで形成され得る。凹凸層16の表面の凹凸は、基板の対向配置の前に、たとえばインプリントによって形成される。凹凸の形成にナノインプリントが用いられてもよい。第1基板11と第2基板12とは、接着剤によって端部が接着されてよい。
図7A及び図7Bにより、光学デバイス1の作用について説明する。図7Aは、光学デバイス1の配光状態を示し、図7Bは、光学デバイス1の非配光状態(透明状態)を示している。図7A及び図7Bでは、光学デバイス1は、窓のように鉛直に配置されている。光学デバイス1では、少なくとも図7Aに示される配光状態と、図7Bに示される非配光状態とが切り替わる。
図7A及び図7Bでは、光学デバイス1が簡略化されて描画されている。光学デバイス1は、凹凸界面10を備えている。凹凸界面10は、屈折率調整層15と凹凸層16との間の界面である。
図7Bは、光学デバイス1が透明状態となったときの光の進行を示している。光は矢印で示されている。光は、光学デバイス1の表面に垂直な方向(厚み方向と同じ方向)から傾斜した方向で進行し得る。特に、光学デバイス1が窓である場合、斜めから光が当たる可能性が高い。透明状態の光学デバイス1を通過する光は、そのまま直進する。たとえば、光学デバイス1に屋外からの光(外光)が当たる場合、外光は屋内にそのままの方向で侵入する。
光学デバイス1の透明状態は、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率のマッチングによって発生する。凹凸層16と屈折率調整層15との屈折率差が小さくなると、屈折率差による光の進行方向の変化が小さくなっていく。これらの層の屈折率差がなくなるか、無視できる程度になると、屈折率差による光の進行の変化はほとんど起こらなくなり、また、凹凸界面10での光の進行方向の変化もほとんど起こらなくなる。このため、光は進行方向を維持して凹凸界面10を通過する。
光学デバイス1は、電圧のON/OFFの変換により、たとえば、配光状態と透明状態とを切り変えることができる。電圧の印加により、屈折率調整層15内の物質の配向が整えられて、凹凸層16と屈折率調整層15との屈折率差が少なくなることで、透明性が発揮され得る。また、電圧を変化させたときの光学的状態が維持されてもよい。
図7Aは、光学デバイス1が配光状態となったときの光の進行を示している。光は矢印で示されている。配光状態では、光学デバイス1に入った光は、光学デバイス1内において進行方向が変化する。光の進行方向の変化は、凹凸界面10で生じ得る。光学デバイス1により、光の進行方向は変化されて目的とする方向になり得る。そのため、光学デバイス1での配光が可能となる。図7Aでは、光学デバイス1に向かって進む光は、戻る方向(跳ね返る方向)に進行方向が変更されている。図7Aにおいては、上から下に進んでいた光が、光学デバイス1を通過して、下から上になっている。戻る方向に光が折れ曲がると、光学特性がさらに優れた光学デバイス1を得ることができる。
光学デバイス1の配光状態は、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率のミスマッチングによって発生する。凹凸層16と屈折率調整層15との屈折率差が大きくなると、屈折率差により光の進行方向の変化が生じやすくなり、さらに凹凸界面10での光の進行方向の変化も追加されて、光が曲げられる方向に進行方向が変化し得る。そして、これらの層の屈折率差が制御されることで、目的とする方向に光を進行させることができる。図7Aでは、光の進行方向は、一方向に曲げられる様子が模式的に描画されているが、光は、分散して進行してもよい。配光は、光の成分のうち、目的とする方向への光量が増加するものであってよい。特定の方向への光量が増加すると、光学特性が向上する。
ところで、光学デバイス1では、屈折率調整層15において光が散乱されてもよい。このときの散乱性は、配光性を維持しながら光が散乱され得る。散乱性が付与されると、光の眩しさを低減することができる。
光学デバイス1は、建物の壁などに取り付けることができる。建物の外部は屋外であり、建物の内部は屋内である。光学デバイス1は窓として機能することができる。
図7Bに示すように、光学デバイス1が透明性を有する状態では、外光が光学デバイス1を通して屋内に入射する。外光は、通常、太陽の光である。光学デバイス1は、いわばガラス窓と同じような光学的状態である。このとき、屋内は、光が入ることにより明るくなるが、屋内の奥行が広い場合などには、屋内全体が明るくはなりにくい。そのため、ガラス窓を有する建物では、昼においても、照明器具が点灯されて、屋内が明るくされることがよく行われている。
図7Aでは、光学デバイス1は配光性を有する状態となっている。この場合、光学デバイス1が光の進行方向を変化させ、配光することにより、屋内の奥に届きやすい方向の光を発生あるいは増加させることができる。図7Aでは、光は天井に向かう方向に変化されている。斜め下方に進む光が、光学デバイス1を通過して、斜め上方に進む光になっている。ただし、光の配光は完全ではなく部分的に生じ得るものなので、天井に向かう方向に曲げられた光と、直進する光とが存在してよい。このとき、光の主成分は配光されて曲げられた光であることが好ましい。そして、図7Aのように光が配光されると、屋内の内部の方に光が届くため、屋内が奥(光学デバイス1から遠い所)まで明るくなる。そのため、照明器具をオフにしたり、照明器具での電気量を低下させたりすることができ、省エネルギー化を図ることができる。
(実施例)
光学デバイスを作製し、上記で説明した凸部の台形形状により配光性が高まることを確認した。光学デバイスは、表1に示す凸部の台形形状の凹凸層を有するものとした。
まず、光学デバイスに電圧を印加したところ、光学デバイスは透明状態を発現した。
次に、光学デバイスに電圧を印加しないで、光の配光性を調べた。光学デバイスの評価にあたっては、光学デバイスに対して入射角45度で光(入射光)を入射し、光の入射方向の延長線上の光(直進的な光)の強度と、光学デバイスの法線方向から10度の方向(出射角10度)の光(配光された光)の強度とを測定した。配光された光と直接的な光とを比較し、配光された光の強さについて、きわめて強い(++++)、かなり強い(+++)、強い(++)、やや強い(+)として、判定した。なお、配光された光が直接的な光と同じ場合(0)、及び配光された光が直接的な光よりも弱い場合(−)、の例は、なかった。
表1に結果を示す。表1から、上記の台形形状の凸部は、配光性を向上させることがわかる。
Figure 0006671057
(その他)
以上、本発明に係る光学デバイスについて、上記実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
たとえば、上記の実施の形態では、隣り合う凸部20の間隔Sが凹凸層16内で不均一である例について示したが、間隔Sは、均一であってもよい。すなわち、複数の凸部20は、一定の間隔Sで方向D2に並んでいてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 光学デバイス
11 第1基板
12 第2基板
13 第1電極
14 第2電極
15 屈折率調整層
16 凹凸層
20 凸部

Claims (7)

  1. 光透過性を有する第1電極と、
    前記第1電極と電気的に対となり、光透過性を有する第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光が特定の方向に曲がる状態とが変化可能な屈折率調整層と、
    前記第1電極と前記屈折率調整層との間において、光が入り込む側である前記第1電極側に配置され、前記第2電極に向かって突出する複数の凸部を有する凹凸層と、
    を備え、
    前記入射光が前記特定の方向に曲がる状態は、前記第1電極の斜め方向から入射した前記入射光が、前記凸部と前記屈折率調整層との界面で全反射されて前記特定の方向に曲がる状態であり、
    前記複数の凸部は、ストライプ状であり、
    前記複数の凸部の各々は、断面が略台形形状、又は略三角形状であり、
    前記複数の凸部の各々の断面形状である台形、又は三角の下底の両端にある底角は、70度以上85度以下であり、
    前記複数の凸部は、隣り合う2つの凸部の底間の距離である間隔が略一定であり、かつ、前記凹凸層の面内において複数の前記間隔が不均一になるように配置されており、
    前記複数の凸部の前記間隔は、全ての前記間隔から統計学的に存在確率を解析したときに、山型分布を有する、
    光学デバイス。
  2. 前記複数の凸部の各々の断面形状である台形の高さは、5μm以上25μm以下である、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  3. 光透過性を有する第1電極と、
    前記第1電極と電気的に対となり、光透過性を有する第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光が特定の方向に曲がる状態とが変化可能な屈折率調整層と、
    前記第1電極と前記屈折率調整層との間において、光が入り込む側である前記第1電極側に配置され、前記第2電極に向かって突出する複数の凸部を有する凹凸層と、
    を備え、
    前記入射光が前記特定の方向に曲がる状態は、前記第1電極の斜め方向から入射した前記入射光が、前記凸部と前記屈折率調整層との界面で全反射されて前記特定の方向に曲がる状態であり、
    前記複数の凸部は、ストライプ状であり、
    前記複数の凸部の各々は、断面が略台形形状、又は略三角形状であり、
    前記複数の凸部の各々の断面形状である台形、又は三角の下底の両端にある底角は、70度以上85度以下であり、
    前記複数の凸部は、隣り合う2つの凸部の底間の距離である間隔が略一定であり、かつ、前記凹凸層の面内において複数の前記間隔が不均一になるように配置されており、
    複数の前記間隔の各々は、1μm以上4μm以下の範囲内である、
    光学デバイス。
  4. 前記間隔は、山型分布を有する、
    請求項3に記載の光学デバイス。
  5. 前記屈折率調整層は、複屈折性を有する電界応答性の媒質を含む、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  6. 前記媒質は、液晶を含み、
    前記液晶は、前記複数の凸部が延伸する方向と平行に配向している、
    請求項5に記載の光学デバイス。
  7. 前記媒質は、液晶を含み、
    前記液晶は、前記光学デバイスの厚み方向と平行に配向している、
    請求項5に記載の光学デバイス。
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