JP2012033368A - 導光板およびそれを用いた面照明装置 - Google Patents

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範宏 坂本
Atsushi Omori
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Abstract

【課題】液晶表示装置用バックライト等のエッジライト型面照明装置において、装置の薄型化と加工、組み立てコスト削減のため、従来導光板とプリズムシートの間に挟まれている拡散シートの削減を可能にする導光板および面照明装置を提供する。
【解決手段】 入光側端面(1)に平行に配置された複数のLED或いはCFLによる光源部(2)からの光を表面から出光させる導光板(3)の光出射面側表面(4)に、前記入光側端面1と直交する方向に延在し、稜線を形成する断面の頂上部が円弧(6)となる複数条の線状プリズム(5)が夫々のプリズム間谷部の平坦面(9)を介して前記入光側端面1と平行な方向に並列に形成され、更に前記夫々プリズム高さ(7)或いは加えて夫々プリズムピッチ(8)に変化を持たせている。
これにより、干渉縞や発光ムラが大幅に低減され、拡散シートの省略を可能とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、液晶ディスプレイのバックライト等として使用されるエッジライト型面照明装置及びそれに用いる導光板に関する。
図1に従来例としてエッジライト型面照明装置の構造を示す。
線状光源(16)は例えばCFLや二次元に複数配置されたLEDアレイなどによる線状光源であり、前記線状光源(16)から導光板(14)の側端面へ光が入射され、入射した光を導光板(14)の表面(光出射面)から出射させる。反射シート(15)は、導光板(14)から外へ出る光を再度導光板(14)の中へ戻し表面(光出射面)から出る照明光を増大させる。拡散シート(13)は導光板(14)の上に設けられる。二枚のプリズムシート(11)及び(12)はシート上に形成された線状プリズムの配置方向を入光側端面に対して直交する方向と平行となる方向で互いに直交となるように拡散シート(13)に重ねて配置される。
ここで、導光板(14)は、平板或いは楔形状のアクリル板の一つの端面を入光側端面として、入光側端面に対して平行に配置された線状光源(16)からの光が入光される。そしてこの入光された光を表面(光出射面)と裏面に設けられた散乱措置によって、導光板の出射面から出射する光の輝度の均一性が得られる様になっている。散乱措置とは例えば、裏面部に光源からの距離と広がり方に応じて分布状態を調整された白色材料(酸化チタン等)を混入させたインクを用いて印刷されるドットであり、或いは裏面部を微細な凸凹形状の成形面としたものであり、更には表面部や裏面部に光源と平行にプリズム形状を成形し、光源からの入射光線を積極的に反射、屈折させて出射光線方向の制御を行うものなども含む。
またプリズムシート(11)及び(12)は拡散シート(13)を通して上方広角度に拡散される光、特に横方向に広がる光をプリズムで屈折させてシート面に対し法線方向に集中させ、有効視野角範囲内で輝度を上昇させるように働くものである。
ところで、図1の構造でわかるように、面照明装置は積層させて構成するようになっているので、部材数が多く、組み立て作業が複雑になり、ひいては、コスト削減が図れず、また、積層枚数が多いので、装置の厚みが増し、装置の薄型化が思うように図れない等の問題がある。
近年、液晶表示装置の薄型化への要請がつよく、面照明装置についても積層構成要素個々の薄型化とともに、構成要素の削減も検討されている。
この課題に対する取組みの一つとして、特許文献1では、入光側端面に対してその稜線が直角又は傾斜し且つその断面が逆V形である線状プリズムが出光面に形成されている導光板を用いて、プリズムシートを1枚に減らした面照明装置が提案されている。
また、特許文献2では、表面に線状の光線と直交する方向に直線的な複数のプリズム形状を有したプリズムパターンを形成するとともに、裏面に所定寸法以下の複数のドット形状を有した分散ドットパターンを形成した導光板を採用し、導光板の表面側の拡散シートを廃止することができ、部品点数及び加工費の削減が可能で、厚さも薄くでき、且つ均一で明るい面発光が得られる面照明装置が提案されている。
特開平9−5529号公報 特開2000−221329号公報
しかしながら、特許文献1のような構成の面照明装置にあっては、図1の従来例と比較してプリズムシートと拡散シートの間に生じる空気層を一つ分減少させて光損失を低減し、また導光板のプリズムを施した光出射面にプリズムシート一枚分と同等な集光作用を担わせているが、実際には、拡散シートを通った光線に対してプリズムシート二枚重ねで集光させるものと比較して、効率的には同等とはならず、正面方向での輝度低下は免れない。
特許文献2では、従来例に対してプリズムシートの積層枚数を減らさず、輝度低下を伴う拡散シートを削減したので、輝度が損なわれていないが、この場合、往々にして面照明装置表面に染みが広がったような発光ムラが確認されることがあった。これは導光板とプリズムシートの密着が原因とされ、当業者間においてウェットアウトと呼ばれる症状であり図2に示す概念図で発生理由が解釈されている。
すなわち、二つの物質同士が接触していない場合、入射した光は二つの界面で屈折、反射の挙動を示すが、同等の屈折率を有する物質が極めて短い距離(光波長オーダー)まで接近すると、入射光はあたかも一つの界面しか存在しないかのような挙動を示すので、拡散シートを省略した場合、下層の導光板出射面側に施された線状プリズムの頂点の極近傍ではウェットアウトが生じ、上層のシートに光が抜け輝線として視認されることになる。面照明装置として組み上げた場合、局部的な範囲で密着が起こるので、染みが広がった様な発光ムラとして観測されるのである。
更に、導光板裏面と出射面のプリズムによる拡散効果が充分でない場合、プリズムの稜線部から出射される光の輝度が高く、そのため出射光の規則的な明暗(輝線)が生じ、拡散シートを省略することを目的としていたものの課題を解消しきれず、面照明装置表面に輝度の濃淡を微妙に感じてしまうこともあった。
特に、導光板出射面側に施された線状プリズムのピッチとの関係で、前記線状プリズムの稜線と積層された二枚のプリズムシートのいずれかのプリズムの稜線が一部重なりあった部分では双方の稜線部から光が抜けることにより、入光側端部から他端に向けて光出射面上を走る強い輝線として視認されることがあった。
また図3に示すごとく、拡散シートを省略することにより、特に光源を二次元に複数配置されたLED(101)とした場合、導光板裏面の散乱措置だけでは光出射面上(102)の入光側端近くで拡散が不十分となるため輝度斑(103)が視認されることがあり、結果的に面照明装置として非有効領域(デッドエリア、104の一点鎖線の範囲で示される領域)を大きくさせることがあった。
本発明は、拡散シートを省略した場合における上記課題を解決するためなされたもので、請求項1の導光板は、特に上述のウェットアウト現象とプリズム稜線部からの高い輝度の光を抑制するために、導光板の光出射面側表面に入光側端面と直交する方向に直線的に互い並行する様に配設した複数の線状プリズムを有し、前記線状プリズムの稜線部を切断方向からみたプリズム頂角は円弧状にプリズムの両斜面と繋がっており、且つ少なくとも隣接する二つのプリズム高さが異なるように夫々のプリズム高さを周期的に又はランダムに変化させるとともに夫々プリズム間の谷部に平坦面を持たせたことを特徴とするものである。
また請求項2の導光板は、特に上述のウェットアウト現象とプリズム稜線部からの高い輝度の光を抑制するために、導光板の光出射面側表面に入光側端面と直交する方向に直線的に互い並行する様に配設した複数の線状プリズムを有し、前記プリズムの稜線部を切断方向からみたプリズム頂角は円弧状にプリズムの両斜面と繋がっており、且つ少なくとも隣接する二つのプリズム高さが異なるように夫々のプリズム高さを周期的に又はランダムに変化させ、且つ少なくとも隣合う二つのプリズムピッチが異なるようにプリズム間ピッチを周期的に又はランダムに変化させて配設させるとともに夫々プリズム間の谷部に平坦面を持たせたことを特徴とするものである。
また請求項3の導光板は、請求項1及び2の導光板による手段に加えて、更に入光側端近くで拡散が不十分で生じる輝度斑の発生を抑制する為に、導光板の光出射面に配設した複数の線状プリズムにおいて、夫々の線状プリズムが入光側端面から他端部に向かって、入光側端から一定の区間で、段階的に又は連続的にプリズム高さが高くなるように変化していることを特徴とするものである。
ここで夫々の線状プリズムにおける前記の区間は、輝度斑の発生状況により個々に調整されるべきものであり、ここでいう一定の区間とは夫々のプリズムにおいて厳密に全て同一に定められた長さである必要はなく、前述の調整により夫々の線状プリズムに定められた区間という意味であり、厳密な意味での一定に対して長さのずれはあっても良い。
また請求項4のエッジライト型面光源装置は、拡散シートを廃止し、本発明による導光板を安定させ性能をより活き出しやすい構成として、請求項1乃至3の導光板を用い、組合せる二枚のプリズムシートにおける夫々の稜線は互いに直交するように重ねて配置され、且つ導光板の入光側端面に対して下層に配置されるプリズムシートをプリズム稜線が光出射面上方からみて導光板の光出射面上に配設された線状プリズムの稜線に対して、35°〜55°の狭角となるように傾きを与えて前記導光板上に配置したことを特徴とする。
請求項1および2の構成によれば、従来と比較して、導光板は光出射面上に配設された線状プリズムの個々の稜線内および、平行して延在する夫々の線状プリズム同士で高さにランダムな違いを持たせている為、導光板とプリズムシートの接触箇所が局部的に集中することはなく、従って、面照明装置として組み上げた場合に、密着ポイントが集中して染みが広がった様に認識される発光ムラの発生は軽減される。
更に、前記線状プリズム稜線部を円弧とし、稜線部近傍を通過する光線に対して拡散作用を持たせたことで、特許文献2での課題である切断面が逆V形である線状プリズムのフラットな斜面による高い集光効果によって特に稜線部から出射される強い光線による明暗(輝線)の発生を抑制できる。
さらに請求項3による構成の効果として、導光板の光出射面に配設した複数の線状プリズムにおいて、夫々の線状プリズムが入光側端面から他端部に向かう一定の区間で、段階的に又は連続的にプリズム高さが高くなるように変化させることで、入光側端部付近での導光板出射面のプリズムによる集光性を部分的に低減させることができる。これにより図3に模式的に表したような、拡散シートを省略することによる、光入射端部に発生する輝度斑(103)を抑制でき、面照明装置として非有効領域(104)を縮小できる。
さらに請求項4による構成によって、請求項1乃至3の導光板を用い、拡散シートの使用を廃止し、光出射面の輝度が高く、照明性能が安定したエッジライト型面照明装置を提供することができる。
ここで本発明における導光板の光出射面に施された線状プリズムの形状について図を用いて説明する。図4は本発明における導光板の模式図に示すものである。(2)は線状光源の位置を示しており、相対する導光板(4)の側面が入光側端面(1)である。導光板(4)の光出射面側表面(3)には入光側端面(1)と直交する方向に直線的に互い並行する様に配設した複数の線状プリズム(5)を施している。
導光板(4)は平板形状で表しているが、入光側端面から他端に向かって厚さが薄くなる楔形形状や、光源からの光取込みを改善する為に光入射端部を局部的にホーン状に厚くした形状のものでも良い。
前記線状プリズム(5)の稜線部をプリズム切断面(A−A)による切断方向からみたプリズム頂角は円弧状(6)にプリズムの両斜面と繋がっている。
ここで少なくとも隣接する二つのプリズム高さ(7)が異なるように夫々のプリズム高さ(7)を周期的に又はランダムに変化させ、或いは且つ少なくとも隣合う二つのプリズムピッチ(8)が異なるように前記夫々のプリズム間ピッチ(8)を周期的に又はランダムに変化させて配設させるとともに夫々プリズム間の谷部に平坦面(9)を持たせるようにしている。
導光板(4)の裏面(反射面)には光源と平行にプリズム形状が形成され、光反射方向と光散乱度を積極的に制御するようになっているが(図示せず)、白色ドット印刷や微細凹凸面のように他の散乱措置が施されていても良い。
プリズムの形状に関する詳細寸法は入光側端面に相対して配置される線状光源の配光や導光板形状及び厚みなどにより適宜調整されるべきであるが、プリズム高さ基準値は、8〜15μ、プリズム先端部頂角は90〜120°、プリズム先端部半径は、プリズムの高さ基準値と同程度の値を選ぶと輝線の発生が抑制され、好ましい結果が得られる。この場合、プリズム高さ変化は光波長に対してより長く1〜3μの高低差を設けるのがよい。
ここでプリズム間の谷部の平坦面(9)の作用についても説明を加える。特許文献1および2のようにプリズム間の谷部に平坦面がなく導光板の光出射面に隙間なく配置された線状プリズムの場合にはプリズム高さ及びプリズム間ピッチを変化させたとき、谷部に深さの浅い箇所や平坦面が発生して各プリズム形状に差異が発生する。図5は上述の、導光板の光出射面に隙間なく配置された線状プリズムに関して、均一高さ、等ピッチで整然配置されたプリズムを各々高さ及びピッチに変化を持たせた場合に谷部が浅い箇所(301)や平坦面(302)が発生する状況を示すものである。
これら形状に差異のあるプリズムが集中した場合、導光板裏面が白色塗料で印刷されたドットや微細な凸凹形状の成形面のように散乱を優先した設計の液晶表示装置においては支障の発生は少ないが、導光板裏面部に光源と平行にプリズム形状を成形し、光源からの入射光線を積極的に反射、屈折させて出射光線方向の制御を行うことで輝度向上を図る設計の液晶表示装置では、表示面に輝度ムラの発生として視認される恐れがある。
本願請求項1および2の構成により、プリズム間の谷部に平坦面を設け、プリズム間ピッチ変化の緩衝域とし、プリズム間ピッチ変化量を前記プリズム間の谷部に平坦面の幅以下とすれば図6に示すように、プリズム形状の変化は抑制され、常にダイヤモンドバイトで切削深さを切削機にプログラム入力した通りのプリズム高さが得られる。
さらに、前記線状プリズム間ピッチの変化を前期平坦面(9)の幅以下に設定し、稜線部の円弧が10μ〜20μであれば、加工用ダイヤモンドバイト(601)で一般的に実現可能なノーズ径(603)範囲であり、例えば図7に示すごとく、ワーク(602)を切削加工することでプリズムの断面形状の変化が起きることなく容易に型が製作可能である。
(実施例1)図8は本発明の実施の形態における導光板の光出射面に施した線状プリズムの断面形状の詳細を示すものである。ここで各部を以下の寸法として導光板を作成した。
■プリズム高さ基準値(501):8ミクロン
■プリズム先端部ノーズ半径(502):10ミクロン
■プリズム頂角(503):110°
■プリズム高さ変動量(504):±1.5ミクロン
■プリズムピッチ(505):30〜38ミクロンでランダム配置
導光板は材質がPMMAで、厚み0.7mmの平板形状とした。ここで導光板の裏面(反射面)の散乱措置は光源と平行にプリズム形状を成形し、光源からの入射光線を積極的に反射、屈折させて出射光線方向の制御を行う設計のもので、導光板の光出射面より上層の光拡散処理が充分出ない場合、輝度ムラが発生しやすいものである。
これに光源として白色チップLEDを棒状基板にピッチ5mmでマウントされたものとし、最下層の反射シートは白色PETフィルムを用い、二枚のプリズムシートの稜線は導光板光出射面上の線状プリズムに対し直角及び平行として従来の配置で組み合わせて、拡散シートを省略した面照明装置を作成した。
さらに従来の導光板として特許文献2による光出射面上の線状プリズム形状をもつ導光板を用いて、導光板以外の部材を同じで同じ構造の面照明装置も同時に作成して照明品質の比較を行った。
(比較結果)従来の導光板を用いたものは、照明された面内で若干輝度が変化しているように感じられた。さらに図9に示すように、ウェットアウトの発生により、明らかに輝度ムラが集中したと視認される箇所があった。
本発明による導光板を用いた面照明装置には面内の輝度変化を感ずることもなく、また輝度ムラ箇所も検出できなかった。更に面輝度も面中央の測定比較においてほぼ同等であった。
(実施例2)本願請求項3及び4の構成を加えた実施例について説明する。
図10は拡散シートを省略することにより、入光側端近くで発生しやすい輝度斑を抑制し、面照明装置として非有効領域(デッドエリア)を縮小させるための措置を加えた導光板を示す模式図である。光出射面(203)に配設した複数の線状プリズム(204)は(実施例1)と同様のプリズム形状および配設処理がなされている。また裏面も(実施例1)と同様の処置がなされている。
ここで夫々の線状プリズムは入光側端面(202)から他端部に向かって、入光側端から一定の区間(201)で、段階的に又は連続的にプリズム高さが高くなるように変化している。これにより、前記区間(201)でプリズムによる集光効果を低下させ、前記輝度斑を抑制している。
夫々の線状プリズム(204)における前記の区間(201)は、輝度斑の発生状況により個々に調整されるべきものであり、ここでいう一定の区間とは図10に示す如く、夫々のプリズムにおいて厳密に全て同一に定められた長さである必要はなく、前述の調整により夫々の線状プリズム(204)に定められた区間という意味であり、厳密な意味での一定に対して長さのずれがあっても良い。
尚、導光板出射面上のプリズム高さを光入射端から徐々に高くなるように変化させている前記区間(201)が連続的に変化するものであれば、図7と同様な切削プロセスで図11に示す如くダイヤモンドバイト(801)の高さ変化だけワーク(802)を切削加工し容易に型の製作可能である。
次に本発明による導光板とプリズムシートの配置関係について図12を用いて説明する。
本発明による導光板は光出射面上に配設された線状プリズムの稜線部を切断方向からみたプリズム頂角は鋭角ではなく円弧状にして拡散作用を持たせたため、たとえ従来構成のように二枚のプリズムシートをシート上に形成された線状プリズムの配置方向を入光側端面に対して直交する方向と平行となる方向で互いに直交となるように重ねて配置する構成であっても、従来例のように前記線状プリズムとプリズムシートの稜線との重なりによる輝線の発生は軽減できる。しかしながら、前述の従来構成によるプリズムシートの配置方向の場合、前記線状プリズムの断面形状や夫々のピッチの設定作業がクリティカルとなりやすい傾向である。本構成によれば、前記線状プリズム断面形状の設定作業が平易で、出射面輝度が高くなり、各シートの重ねずれに対してもロバスト性が確保できる。
図12は拡散シート有りと無しの場合において、導光板の光出射面上に配設された線状プリズムの稜線に対する下層に配置されるプリズムシートの稜線の傾き角度に応じて光出射面輝度がどのように変化するかを調べた変化特性を示すものである。拡散シートがある場合は変動が少ないが、拡散シートがない場合、変動は大きいものの35°〜55°では高い輝度が角度の変動に対して安定的に得られることが分かる。
本願の請求項1乃至4による発明を取り入れたエッジライト照明装置を図13によりさらに説明を加える。図13は本願の請求項1乃至4による発明を取り入れたエッジライト照明装置の部材組合せ構成を表す模式図である。図13において(701)は本発明による導光板を示しており光出射面には請求項1あるいは2による線状プリズム(702)が形成されており、入光側端面から区間(707)では輝度斑抑制処置として請求項3によるプリズム高さが入光側端から連続的または段階的に高くなるように変化させている。尚、区間(707)は輝度斑の発生状況に合わせて入光側端面長手方向の各位置で適宜調整される。導光板(701)の裏面(反射面)には光源と平行にプリズム形状が形成され、光反射方向と光散乱度を積極的に制御するものとなっているが、白色ドット印刷や微細凹凸面のように他の散乱措置が施されていても良い。
導光板(701)は平板形状で表しているが、入光側端面から他端に向かって厚さが薄くなる楔形形状や、光源からの光取込みを改善する為に光入射端部を局部的にホーン状に厚くした形状のものも用いられる。
(703)は光反射シートでPETやポリカーボネートなど、透明度の高い樹脂を微細発泡させて作られた白色フィルムが用いられる。図13は光源としてLEDを想定し描いたもので、反射シートは平シートのみであるが、光源が蛍光管の場合には蛍光管の光を導光板入光側端面に効率良く集光するため銀などで鏡面状にコーテイングされたPETフィルムを巻くように配設される。(704)はチップタイプLEDが棒状基板に直線状に配置接続された線状光源を描いたもので、ここは蛍光管でも良い。LEDは一般的に白色LEDが用いられ、個数や搭載ピッチは面照明装置の照明サイズに応じて調整される。
(705)(706)はプリズムシートで互いのプリズム稜線は直交関係となるように積層される。更に下層のプリズムシート(705)のプリズム稜線が(701)導光板光出射面に設けられた線状プリズム(702)の稜線に対して35〜55°の傾き角度となるように、拡散シートを介さず、導光板上に積層される。
このような構成によれば、輝度斑や輝度ムラの発生を抑制し、正面輝度が高く、薄型化とコスト低減が図れたエッジライト照明装置の提供が可能である。
図1は従来例のエッジライト型面照明装置を示す構造図である。 図2はウェットアウト発生理由を示す概念図である。 図3は導光板入射端近くで発生した輝度斑を表す模式図である。 図4は本発明による導光板を示す模式図である。 図5は各々のプリズム高さ及びピッチに変化を持たせた場合に谷部が浅い箇所や平坦面が発生する状況を示す説明図である。 図6はプリズム間の谷部に平坦面を設けたとき、プリズム形状の変化は抑制されることを示す説明図である。 図7は切削加工によるプリズムの成形型加工の様子を示す説明図である。 図8は本発明の実施例1によるプリズム形状を示す説明図である。 図9は本発明の実施例1と従来例の照明品質に関する比較図である。 図10は入光側端面から他端部に向かう区間で、プリズムが連続的に高くなるように変化している様子を表す模式図である。 図11は切削加工によるプリズム入光側端部付近の成形型加工の様子を示す説明図である。 図12は導光板のプリズム稜線に対する下層のプリズムシートの稜線の傾き角度と光出射面輝度の変化の関係を示す特性図である。 図13は本発明の実施例2のエッジライト照明装置の部材組合せ構成を表す模式図である。
1,202 導光板入光側端面
2,704 光源部
3,701 導光板
4,203 光出射面側表面
5,204,702 線状プリズム
6 プリズム頂上部の円弧
7 プリズム高さ
8 プリズムピッチ
9,302 プリズム間谷部の平坦面
11,12,705,706 プリズムシート
101 LED
103 輝度斑
104 デッドエリア

Claims (4)

  1. LCD表示装置に用いるエッジライト型面照明装置を構成する導光板であって、前記導光板の光出射面側表面に入光側端面と直交する方向に直線的に互い並行する様に配設した複数の線状プリズムを有し、前記線状プリズムの稜線部を切断方向からみたプリズム頂角は円弧状にプリズムの両斜面と繋がっており、且つ少なくとも隣接する二つのプリズム高さが異なるように夫々のプリズム高さを周期的に又はランダムに変化させるとともに夫々プリズム間の谷部に平坦面を持たせたことを特徴とする導光板。
  2. LCD表示装置に用いるエッジライト型面照明装置を構成する導光板であって、前記導光板の光出射面側表面に入光側端面と直交する方向に直線的に互い並行する様に配設した複数の線状プリズムを有し、前記プリズムの稜線部を切断方向からみたプリズム頂角は円弧状にプリズムの両斜面と繋がっており、且つ少なくとも隣接する二つのプリズム高さが異なるように夫々のプリズム高さを周期的に又はランダムに変化させ、且つ少なくとも隣合う二つのプリズムピッチが異なるように前記夫々のプリズム間ピッチを周期的に又はランダムに変化させて配設させるとともに夫々プリズム間の谷部に平坦面を持たせたことを特徴とする導光板。
  3. 導光板の光出射面に配設した複数の線状プリズムにおいて、夫々の線状プリズムが入光側端面から他端部に向かって、入光側端から一定の区間で、段階的に又は連続的にプリズム高さが高くなるように変化していることを特徴とする請求項1或いは2の導光板。
  4. 請求項1乃至3の導光板を用い、組合せる二枚のプリズムシートにおける夫々のプリズムの稜線は互いに直交するように重ねて配置され、且つ導光板の入光側端面に対して下層に配置されるプリズムシートはプリズムが稜線は光出射面上方からみて導光板の光出射面上に配設された線状プリズムの稜線に対して、35°〜55°の狭角となるように傾きを与えて前記導光板に配置されることを特徴とするエッジライト型面照明装置。
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JPWO2016185692A1 (ja) * 2015-05-21 2017-11-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 光学デバイス
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