JP2017219554A - 光学デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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裕子 鈴鹿
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Abstract

【課題】配光を行うことが可能な光学デバイスを提供する。
【解決手段】光学デバイス1は、第1電極13と、第2電極14と、屈折率調整層15と、凹凸層16とを備えている。第1電極13は、光透過性を有する。第2電極14は、第1電極13と電気的に対となり、光透過性を有する。屈折率調整層15は、第1電極13と第2電極14との間に配置され、可視光領域での屈折率が調整可能である。凹凸層16は、屈折率調整層15の表面を凹凸にし、膜状である。屈折率調整層15は、透明状態と、入射光を配光する状態とが変化可能である。
【選択図】図1

Description

光学デバイスが開示される。より詳細には、電気により光学的な状態が変化可能な光学デバイスが開示される。光学デバイスの製造方法が開示される。
電気を供給することにより、光学的な状態を変化させる光学デバイスが提案されている。たとえば、特許文献1には、一対の透明電極の間に銀を含有するエレクトロクロミック材料を含む電解質層を挟持し、透明電極の一方にナノオーダ―の凹凸を設けた調光素子が開示されている。特許文献1の調光素子は、電圧の印加により鏡面状態を形成することができる。
国際公開WO2012/118188号
上記特許文献1の調光素子は、鏡面状態を形成することが可能ではあるものの、所望の方向に光の進行方向を変化させるものではない。
本開示の目的は、配光を行うことが可能な光学デバイスを提供することである。
光学デバイスが開示される。光学デバイスは、第1電極と、第2電極と、屈折率調整層と、凹凸層とを備える。前記第1電極は、光透過性を有する。前記第2電極は、前記第1電極と電気的に対となり、光透過性を有する。前記屈折率調整層は、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、可視光領域での屈折率が調整可能である。前記凹凸層は、前記屈折率調整層の表面を凹凸にし、膜状である。前記屈折率調整層は、透明状態と、入射光を配光する状態とが変化可能である。
光学デバイスの製造方法が開示される。光学デバイスの製造方法は、第1基板の上に前記第1電極及び樹脂層を形成することと、前記樹脂層の形成後に、インプリントにより前記樹脂層の表面に凹凸を与えて、前記樹脂層から前記凹凸層を形成することと、第2基板の上に前記第2電極を形成することと、前記屈折率調整層の材料を、前記凹凸層及び前記第1電極のうちの一方の上、又は、前記第2電極の上に塗布することと、前記第1電極と前記第2電極とを対向させて、前記第1基板と前記第2基板とを接着することとを含む。
本開示の光学デバイスは、屈折率調整層の屈折率の変化により、透明状態と配光状態とを作り出すことができる。そのため、光学デバイスは、光学特性に優れる。
本開示の光学デバイスの製造方法は、光学特性に優れた光学デバイスを製造できる。
光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスによる配光の一例を示す説明図である。図3は図3A〜図3Cからなる。図3Aは透明状態の一例を示す。図3Bは配光状態の一例を示す。図3Cは散乱状態の一例を示す。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 凹凸層のランダムの例を示す説明図である。図6は図6A〜図6Dからなる。図6Aは凹凸の高さがランダムな例を示す。図6Bは凹凸のピッチがランダムな例を示す。図6Cは凹凸の角度がランダムな例を示す。図6Dは凹凸の深さがランダムな例を示す。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。図9は図9A及び図9Bからなる。図9Aは反射性を有さない状態を示す。図9Bは反射性を有する状態を示す。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの製造の一例を示す模式的な断面図である。図18は、図18A〜図18Fからなる。図18A〜図18Fは各工程を示す。 光学デバイスの使用の一例を示す説明図である。図19は図19A〜図19Cからなる。図19Aは透明状態を示す。図19Bは配光状態を示す。図19Cは遮蔽状態を示す。
図1は、光学デバイスの一例(光学デバイス1)を示している。図1は、光学デバイス1の層構造を模式的に示しており、実際の光学デバイス1の各部の寸法等は、これに限定されない。光学デバイス1は、パネル状に形成され得る。
光学デバイス1は、第1電極13と、第2電極14と、屈折率調整層15と、凹凸層16とを備えている。第1電極13は、光透過性を有する。第2電極14は、第1電極13と電気的に対となり、光透過性を有する。屈折率調整層15は、第1電極13と第2電極14との間に配置され、可視光領域での屈折率が調整可能である。凹凸層16は、屈折率調整層15の表面を凹凸にし、膜状である。屈折率調整層15は、透明状態と、入射光を配光する状態とが変化可能である。光学デバイス1は、屈折率調整層15の屈折率の変化により、透明状態と配光状態とを作り出すことができる。そのため、光学デバイス1は、光学特性に優れる。
光学デバイス1は、第1基板11と第2基板12とをさらに備えている。第1基板11と第2基板12とは、第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15及び第2電極14の積層構造を間に配置してこの積層構造を支持する。また、第1基板11と第2基板12とは、この積層構造を保護する。また、第1基板11と第2基板12とは、一方が積層構造を形成するための形成基板として機能し、他方が積層構造を被覆するための被覆基板として機能し得る。
図1の光学デバイス1では、第1基板11と第2基板12との間に、第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15及び第2電極14がこの順で配置されている。これらの層は、厚み方向に並んでいる。第1基板11、第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15、第2電極14、及び第2基板12を合わせた積層構造は、光学調整体10と定義される。光学調整体10は、第1基板11と第1電極13と凹凸層16と屈折率調整層15と第2電極14と第2基板12とを備える。光学調整体10は、光学デバイス1に組み込まれる。図1の光学デバイス1は、光学調整体10そのもので構成されている。
ここで、「厚み方向」とは、特に断りのない限り、光学デバイス1の厚みの方向を意味する。図1では、厚み方向がD1で示されている。厚み方向とは、第1基板11の表面に垂直な方向であってよい。厚み方向は積層を行う方向が含まれる。厚み方向は、第1電極13から第2電極14に向かう方向と、第2電極14から第1電極13に向かう方向とが含まれる。図1において、光学デバイス1の各層は横方向及び紙面に垂直な方向に広がっていると考えることができる。また、「平面視」とは基板の表面に垂直な方向(厚み方向D1)に沿って見た場合のことを意味する。
光学デバイス1は、光を透過させることができる。光学デバイス1は、建物の外壁に取り付けた場合には、外光を屋内に通過させることが可能である。第1基板11は屋外側に配置され得る。第2基板12は屋内側に配置され得る。もちろん、第2基板12が屋外側に配置され、第1基板11が屋内側に配置されてもよい。また、光学デバイス1は、外壁以外に取り付けられてもよい。たとえば、光学デバイス1は、内壁、パーティションに取り付けられ得る。光学デバイス1は車載用窓として取りつけられてもよい。第1基板11は、光が入り込む側の基板と定義される。凹凸層16は、第2基板12よりも第1基板11の近くに存在する方が有利である。
第1電極13及び第2電極14は、屈折率調整層15に電界を与えることができるように構成されている。第1電極13及び第2電極14のうちの一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。屈折率調整層15は、第1電極13及び第2電極14によって電圧が印加されることにより、屈折率が変化する。第1電極13及び第2電極14は、光学デバイス1を駆動させるための電極として機能する。第1電極13は層である。第2電極14は層である。
第1電極13及び第2電極14は、透明な導電層によって構成され得る。透明導電層の材料としては、透明金属酸化物、導電性粒子含有樹脂、金属薄膜などを用いることができる。光透過性を有する電極の材料の好ましいものとして、ITO、IZOなどの透明金属酸化物が例示される。透明金属酸化物によって構成される電極は、光学デバイス1の電極に用いることが好適である。また、電極は、銀ナノワイヤを含有する層や銀薄膜などの金属含有透明層であってもよい。また、電極は、透明金属酸化物の層と金属層とが積層されたものであってもよい。また、電極は、透明導電層に補助配線が設けられたものであってもよい。電極は遮熱効果を有していてもよい。それにより、断熱性が高まり得る。
第1電極13及び第2電極14の少なくとも一方は、金属を含むことが好ましい。金属は、電極を低抵抗化させることができる。金属によって、電気が光学デバイス1の面内に均一に流れやすくなり、光学特性の面内分布が向上し得る。ただし、金属の多量の含有は電極の光透過性の低下を招き得るため、電極の光透過性を阻害しない態様で、金属は含有される。たとえば、金属は、金属ナノワイヤ、金属製の補助配線、金属薄膜として、電極に含まれ得る。金属ナノワイヤは、透明導電層中に分散され得る。この場合、電極は、金属ナノワイヤを含む透明導電層で形成される。金属製の補助配線は、透明導電層に接触させて、透明導電層上に設けられ得る。この場合、電極は、透明導電層と補助配線とを含む。金属薄膜は、透明導電層の表面に設けられ得る。この場合、電極は、透明導電層と金属薄膜とを含む。第1電極13及び第2電極14のいずれかが金属を含んでもよいし、それらの両方が金属を含んでもよい。第1電極13及び第2電極14の両方が金属を含むことがより好ましい。
第1電極13及び第2電極14は、電源との電気接続が可能なように構成されていてよい。光学デバイス1は、電源に接続するために、電極パッドや、電極パッドを電気的に集約した電気接続部などを有し得る。電気接続部はプラグなどにより構成され得る。これらの電極は、配線を介して電源に接続され得る。電源は、外部電源であってもよいし、内部電源であってもよい。
図1の光学デバイス1においては、第1電極13及び第2電極14の少なくとも一方は、平面視において凹凸層16からはみ出した電極接続部19を備えていることが好ましい。電極接続部19は、第1電極13及び第2電極14に対して電気を与えやすくすることができる。電極接続部19は、電極と配線とを電気的に繋ぐ部分である。電極接続部19は、容易に配線に接続され得る。電極接続部19によって、電極は実質的に延長され、電極の取出しが容易になる。電極接続部19は、露出する。電極接続部19は、凹凸層16に覆われていなくてよい。電極接続部19は、屈折率調整層15に覆われていなくてよい。第1電極13の電極接続部19は、第1電極接続部19aと定義される。第2電極14の電極接続部19は、第2電極接続部19bと定義される。図1の光学デバイス1は、第1電極13の電極接続部19aと、第2電極14の電極接続部19bとの両方を備えている。そのため、光学デバイス1への給電が容易である。
第1基板11は、第1電極13の外側に配置されている。第2基板12は、第2電極14の外側に配置されている。図1の例では、第1基板11は、第1電極13と接触している。第2基板12は、第2電極14と接触している。第1基板11及び第2基板12は、光透過性を有する。
第1基板11と第2基板12とは、端部において接着されていてよい。接着は接着剤によって行われ得る。接着剤は固化することが好ましい。接着剤は、スペーサを形成し得る。スペーサは、第1基板11と第2基板12との間の隙間の厚みを規定し得る。スペーサは、屈折率調整層15の端部を保護し得る。
第1基板11及び第2基板12は、同じ基板材料で構成されてもよいし、異なる基板材料で構成されてもよいが、同じ基板材料で構成されることが好ましい。基板材料としては、ガラス基板、樹脂基板が例示される。ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス、高屈折率ガラスが例示される。樹脂基板の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)が例示される。ガラス基板は透明性が高いという利点がある。ガラス基板は防湿性が高いという利点がある。一方、樹脂基板は破壊時の飛散が少ないという利点がある。フレキシブル性を有する基板の使用は好ましい態様の一つである。フレキシブル性を有する基板は曲げることが可能である。フレキシブル性を有すると、取り扱い性が高まる。フレキシブル基板は、樹脂基板又は薄膜ガラスにより容易に形成され得る。第1基板11及び第2基板12は、同じ厚みであってもよいし、異なる厚みであってもよい。材料点数削減の点からは、これらは、同じ厚みであることが好ましい。
第1基板11と第1電極13とは可視光領域において屈折率の差が小さいことが好ましい。それにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、第1基板11と第1電極13との屈折率差は0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。第2基板12と第2電極14とは屈折率の差が小さいことが好ましい。それにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、第2基板12と第2電極14との屈折率差は可視光領域において、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。第1基板11と第2基板12とは、屈折率は同程度であってよく、たとえば、第1基板11と第2基板12との屈折率差は0.1以下であってよい。第1電極13と第2電極14とは、屈折率は同程度であり得る。たとえば、第1電極13と第2電極14との屈折率差は0.1以下であってよい。第1基板11及び第2基板12の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。第1電極13及び第2電極14の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。
図1の例では、凹凸層16は、第1電極13と屈折率調整層15との間に配置されている。凹凸層16は、第1電極13に接する。凹凸層16は、屈折率調整層15に接する。凹凸層16は、凹凸面を有する層である。凹凸層16は膜となっている。膜とは、本開示では、一体的になって面状に広がったものを指す。ただし、膜は適宜の箇所で分断されていてもよい。凹凸層16は、面状に連続している。凹凸層16は、膜と呼べる少なくとも所定の領域(たとえば1cm×1cmの範囲)で分断がない。凹凸層16は、厚み方向において隣り合う層を分離するように形成されていてよい。図1では、凹凸層16は第1電極13と屈折率調整層15とを分離している。第1電極13と屈折率調整層15とは接触していなくてよい。凹凸層16は、隣接する層(第1電極13及び/又は屈折率調整層15)を被覆していてよい。
図1の例では、凹凸層16は、第1電極13側の面が平坦な面となっており、屈折率調整層15側の面が凹凸面となっている。凹凸層16は、複数の凸部、及び、複数の凹部のいずれか一方を少なくとも有し、それらの凸部及び/又は凹部により凹凸面が形成されている。凹凸面は、平坦な面から複数の凸部が突出した構造を有していてもよいし、平坦な面から複数の凹部が凹んだ構造を有していてもよいし、あるいは、複数の凸部及び複数の凹部が敷き詰められて、平坦な面がなくなった構造を有していてもよい。
図1に示される凹凸層16において、凸部は、屈折率調整層15側に突出する。複数の凸部は、規則的に配置されてもよいし、不規則に配置されてもよい。複数の凸部は周期的に配置されてもよい。複数の凸部は等間隔に配置されてもよい。複数の凸部の配置は、ランダムであってもよい。凹部は、第1電極13側に凹んでいる。複数の凹部は、規則的に配置されてもよいし、不規則に配置されてもよい。複数の凹部は周期的に配置されてもよい。複数の凹部は等間隔に配置されてもよい。複数の凹部の配置は、ランダムであってもよい。光学デバイス1を窓として設置する場合、窓の上部と下部でそれぞれ適切な配光ができるよう、上部と下部で異なる凹凸構造が配置されていてもよい。
凹凸層16は、特定の方向への配光が強くなるように凹凸が形成されることが好ましい。たとえば、光学デバイス1に入る光が全体に広がるのではなく、特定の斜め方向に光が強く進行するようにする。すると、光学デバイス1を通った光の強さを位置によって変化させることができる。このような設定は、光学デバイス1を窓に利用するときに有利である。配光の制御は、凸部及び/又は凹部の形状や配置によって可能になる。たとえば、複数の凸部及び凹部が、面内において、形状が異なっていたり、存在率の割合が異なっていたりしてもよい。
凹凸層16の配光は、以下の方法で評価することが可能である。入射光として波長400nm〜800nmの波長の光を、光学デバイス1に対して第1電極13から第2電極14に向かう方向に入射させる。透過した光の方向を第2電極14側から評価する。光学デバイス1を透過した光が入射光の角度とは異なる特定の方向へ強く透過していれば、配光状態とみなされる。光の方向は光学デバイス1に対して垂直な方向であってよい。また、太陽光は垂直方向からだけではなく、斜め方向から入射することもあるので、同様の方法で斜め方向から入射した場合に、透過光が入射光の角度とは異なる特定の方向へ強く透過していれば、配光状態とみなされる。
凹凸層16の突出寸法(凹み寸法に等しい)は、突出高さと定義される。突出高さは、たとえば、100nm〜100μmの範囲内であるが、これに限定されるものではない。突出高さは、凹部の底部から凸部の先端までの厚み方向での長さである。凸部と、その凸部に隣接する他の凸部との間の距離は、たとえば、100nm〜100μmの範囲内であるが、これに限定されるものではない。また、凹部と、その凹部に隣接する他の凹部との間の距離は、たとえば、100nm〜100μmの範囲内であるが、これに限定されるものではない。凸部と、その凸部に隣接する他の凸部との間の距離は、凹凸のピッチと定義される。凹部を基準とする凹凸のピッチも同様に定義される。マイクロサイズのオーダーの凹凸が設けられると、光の制御が良好になりやすい。凹凸層16の凹凸は、たとえば、インプリント法によって形成され得る。突出高さよりも凹凸ピッチが小さい方が光の制御良好になりやすい。ただし、突出高さよりも凹凸ピッチが小さいと、フォトリソグラフィー等の他の凹凸作製工程では作製時間がかかるため、作製が難しい。一方、インプリント法で凹凸を作製する場合には、突出高さよりも凹凸ピッチが小さい凹凸を容易に作製することが可能である。複数の凹凸ピッチの平均は、凹凸の平均周期といえる。
凹凸層16は、光透過性を有する。凹凸層16と第1電極13とは屈折率の差が小さいことが好ましい。それにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、凹凸層16と第1電極13との屈折率差は0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。凹凸層16の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。
図1の例では、凹凸層16は、導電性を有することが好ましい。それにより、第1電極13と第2電極14との間の電気の流れを良好にすることができる。凹凸層16は、第1電極13に用いられる材料によって形成されてもよい。第1電極13と凹凸層16とは、材料が同じで一体化していてもよい。ただし、第1電極13と凹凸層16とは別体となった方が、凹凸面の形成が容易である。凹凸層16は、凹凸を形成しやすい材料で形成されることが好ましい。凹凸層16は、たとえば、樹脂を含む材料で形成され得る。凹凸層16の樹脂材料として、導電性高分子、導電体含有樹脂が例示される。導電性高分子としては、PEDOTが例示される。導電体としては、Agナノワイヤが例示される。Agナノワイヤはセルロース、アクリルなどの樹脂と混合されていてもよい。Agナノワイヤと樹脂の混合材料を使用した場合には、凹凸層16の屈折率を樹脂により調整可能なため、第1基板11及び第2基板12や屈折率調整層15と屈折率を近づけることが容易となる。そのため、透明性が向上する。なお、電圧の印加が可能であれば、凹凸層16は絶縁材料で形成されていてもよい。その場合、凹凸層16は、樹脂や無機層で形成され得る。凹凸層16が絶縁層であっても、第1電極13と第2電極14との間の電圧差を大きくすることで、第1電極13と第2電極14との間に電圧を印加することは可能である。
屈折率調整層15は、凹凸面を有する。屈折率調整層15の凹凸面は、凹凸層16の凹凸面により形成される。屈折率調整層15は凹凸層16に接している。屈折率調整層15は、凹凸層16に向かう表面が凹凸である。屈折率調整層15の凹凸面は、凹凸層16の凹凸が型となって形成され得る。屈折率調整層15は、複数の凸部、及び、複数の凹部の少なくとも一方を備える。屈折率調整層15の凸部は、凹凸層16の凹部に対応する。屈折率調整層15の凹部は、凹凸層16の凸部に対応する。屈折率調整層15と凹凸層16との界面は、凹凸界面となっている。
凹凸界面は、配光が行われやすい構造を有していてもよい。たとえば、凹凸界面は、マイクロレンズ構造、フレネルレンズ構造、突起構造などで構成され得る。フレネルレンズ構造では、レンズ形状が複数に分割された形状を有し得る。そのため、レンズのように、特定の方向への光を強くすることが容易である。凹凸界面は、のこぎり状の断面形状となるものであってよい。凹凸界面の構造は1/4球レンズ構造であってもよい。またこれらの構造の組み合わせであってもよい。また、凹凸層16で説明したのと同様に、特定の方向に配光するように凹凸界面が形成されてもよい。
屈折率調整層15は、電力により屈折率が変化する材料により形成され得る。屈折率が調整される材料としては、たとえば、液晶が挙げられる。液晶としては、たとえば、ネマティック液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶が挙げられる。液晶では、電界の変化によって分子配向が変わり得る。そのため、屈折率の変化が可能になる。
屈折率調整層15は、可視光領域での屈折率が、膜状の凹凸層16の屈折率に近い屈折率と、膜状の凹凸層16の屈折率との屈折率差が大きい屈折率とに調整可能であることが好ましい。
屈折率調整層15は、凹凸層16に屈折率が近い状態と、凹凸層16との屈折率差が大きい状態との2つの状態の変化が可能である。屈折率調整層15の屈折率が凹凸層16に近い状態では、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差は、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が大きい状態では、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差は、0.1を超えることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。
屈折率調整層15の一の態様では、電圧が印加されることにより、屈折率が凹凸層16に近づき、電圧が印加されないと、凹凸層16との屈折率差が大きくなる。屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が小さいと非配光状態(透明状態)となり、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が大きいと配光状態となり得る。屈折率調整層15の他の態様では、電圧が印加されることにより、凹凸層16との屈折率差が大きくなり配光状態となり、電圧が印加されないと、屈折率が凹凸層16に近づき、非配光状態(透明状態)となる。屈折率調整層15の材料として屈折率異方性を有する液晶材料が好ましい。屈折率異方性を有する液晶材料を屈折率調整層15に使用する場合には、電界を印加し液晶分子を垂直配向させた場合に、外光の偏光による異方性が生じにくくなる。そのため、透明状態のときの透明性が向上する。透明性を向上させるためには、垂直配向したときの液晶の屈折率と凹凸層16の屈折率を近づけることが好ましい。
屈折率調整層15は、凹凸層16との屈折率差が大きくなる状態では、凹凸層16よりも屈折率が小さくなることが好ましい一態様である。それにより、光の進行方向を変化させやすくすることができる。屈折率調整層15は、凹凸層16との屈折率差が大きくなる状態では、凹凸層16よりも屈折率が大きくなることが好ましい一態様である。それにより、光の進行方向を変化させやすくすることができる。屈折率調整層15の屈折率の変化の態様は、目的とする配光に合わせて設定され得る。
屈折率調整層15は、交流電源により電力が供給されてもよいし、直流電源により電力が供給されてもよい。屈折率調整層15は、交流電源により電力が供給されることが好ましい。電界により屈折率が変化する材料では、電圧印加の開始から時間がたつと、電圧印加時の状態が維持できなくなるものが多く存在する。交流電源では、電圧を双方向に交互に印加することができ、電圧の方向を変えることで実質的に継続して電圧を印加することが可能である。交流の波形は矩形波であることが好ましい。それにより、印加する電圧量が一定になりやすくなるため、屈折率が変化した状態を安定化させることがより可能になる。交流はパルスであってよい。
屈折率調整層15は、電圧を印加したときの状態が維持されるものであることが好ましい一態様である。それにより、屈折率を変化させたいときに電圧を印加し、そうでないときには電圧を印加させなくてもよいので、電力効率が高まる。屈折率が維持される性質はヒステリシスと呼ばれる。この性質は記憶性(メモリ性)といってもよい。所定電圧以上の電圧を付加することにより、ヒステリシスは発揮され得る。屈折率の維持される時間は、長いほどよいが、たとえば、10分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、1時間以上がさらに好ましく、12時間以上がよりさらに好ましく、24時間以上がよりもっと好ましい。
図2は、光学デバイス1の一例である。図1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
図2の光学デバイス1は、凹凸層16と第1電極13との配置が、図1のものとは異なっている。図2の例では、第1基板11から第2基板12にむかって、凹凸層16、第1電極13、屈折率調整層15、第2電極14の順に、これらの層が配置されている。それ以外は、図1の形態と同じであってよい。
図2の例では、凹凸層16と屈折率調整層15との間に、第1電極13が配置されている。凹凸層16は、第1基板11と第1電極13との間に配置されている。第1電極13は、凹凸面を有する。第1電極13は、凹凸層16に追随した形状であり、屈折率調整層15に向かう面が凹凸面となっている。図2の光学デバイス1においても、凹凸層16は、膜状であり、屈折率調整層15の表面を凹凸にしている。ただし、第1電極13を介して屈折率調整層15に凹凸を付与している。
凹凸層16の形状は、図1で説明したものと同様にすることができ、上記の説明が適用され得る。たとえば、凹凸層16は、複数の凸部、及び、複数の凹部のいずれか一方を少なくとも有し得る。この場合、凸部は第1電極13側に突出し、凹部は第1基板11側に凹むことになる。屈折率調整層15と第1電極13との界面は、凹凸界面となっている。凹凸界面は、上記で説明した構造と同様の構造を有し得る。図2に示される凹凸層16は、図1の例で説明した凹凸層16から、適宜、層の配置に合わせて層の名称を置換することで、好ましい態様が説明される。
図2の例では、凹凸層16は、導電性を有してもよいし、有さなくてもよい。第1電極13と屈折率調整層15とが接するため、凹凸層16に導電性がなくても、電力の供給が可能である。凹凸層16が導電性を有する場合、第1電極13の導電性を補助することができる。凹凸層16は、凹凸を形成しやすい材料で形成されることが好ましい。凹凸層16は、たとえば、樹脂を含む材料で形成され得る。
第1電極13と凹凸層16との間には、凹凸界面が配置される。第1電極13は両面が凹凸である。第1電極13の屈折率調整層15に向かう面は凹凸面となっている。第1電極13は、凹凸層16の表面に積層形成され得る。第1電極13が、凹凸層16の上に形成されることにより、第1電極13の凹凸面が形成される。
屈折率調整層15は、凹凸面を有する。屈折率調整層15の凹凸面は、第1電極13の凹凸面により形成されている。屈折率調整層15と第1電極13とは接する。屈折率調整層15の具体的な態様は、図1で説明したものと同じであってよい。
図1のように凹凸層16が屈折率調整層15に接する構造は、直接凹凸形成構造と定義される。図2のように凹凸層16と屈折率調整層15との間に第1電極13が存在する構造は、間接凹凸形成構造と定義される。このように、屈折率調整層15に接して凹凸界面が形成されることで、配光の制御が可能となる。直接凹凸形成構造は、凹凸面の形成が、間接凹凸形成構造よりも容易になりやすいという利点がある。ただし、直接凹凸形成構造では、凹凸層16は、第1電極13と第2電極14との間で電気が流れるように構成されることが求められる。一方、間接凹凸形成構造は、直接凹凸形成構造よりも、第1電極13と第2電極14との間の電気の流れを確保しやすいという利点がある。また、間接凹凸形成構造は、第1電極13を第1基板11から離すため、これらの層の屈折率差の影響を受けにくい。ただし、間接凹凸形成構造では、第1電極13を凹凸層16に追随した形状で形成することが求められる。以下では、図1に代表される直接凹凸形成構造を有する光学デバイス1を主に説明するが、以下の説明は、適宜、間接凹凸形成構造にも適用され得る。
図3により、光学デバイス1の作用について説明する。図3は、図3A〜図3Cから構成される。図3Aは透明状態を示し、図3Bは配光状態を示している。光学デバイス1では、少なくとも図3Aに示される透明状態と、図3Bに示される配光状態とが切り替わる。
図3Aは、光学デバイス1が透明状態となったときの光の進行を示している。光は矢印で示されている。光は、光学デバイス1の表面に垂直な方向(厚み方向と同じ方向)から傾斜した方向で進行し得る。特に、光学デバイス1が窓である場合、斜めから光が当たる可能性が高い。透明状態の光学デバイス1を通過する光は、そのまま直進する。たとえば、光学デバイス1に屋外からの光(外光)が当たる場合、外光は屋内にそのままの方向で侵入する。
図3Bは、光学デバイス1が配光状態となったときの光の進行を示している。光は矢印で示されている。配光状態では、光学デバイス1に入った光は、光学デバイス1内において進行方向が変化する。光の進行方向の変化は、凹凸層16と屈折率調整層15との界面で生じ得る。光学デバイス1により、光の進行方向は変化されて目的とする方向になり得る。そのため、光学デバイス1での配光が可能となる。図3Bでは、光学デバイス1に向かって進む光は、戻る方向(跳ね返る方向)に進行方向が変更されている。図3Bにおいては、右から左に進んでいた光が、光学デバイス1を通過して、左から右になっている。戻る方向に光が折れ曲がると、光学特性がさらに優れた光学デバイス1を得ることができる。
光学デバイス1の透明状態は、屈折率調整層15と、この屈折率調整層15に凹凸界面において接する層との屈折率のマッチングによって発生する。屈折率調整層15に凹凸界面において接する層は、凹凸界面隣接層と定義される。図3Aに示すように、凹凸界面隣接層は、直接凹凸形成構造では、凹凸層16となる。図2から、間接凹凸形成構造では、凹凸界面隣接層は、第1電極13であることが分かる。凹凸界面隣接層と屈折率調整層15との屈折率差が小さくなると、屈折率差による光の進行方向の変化が小さくなっていく。凹凸界面隣接層と屈折率調整層15との屈折率差がなくなるか、無視できる程度になると、屈折率差による光の進行の変化はほとんど起こらなくなり、また、凹凸界面での光の進行方向の変化もほとんど起こらなくなる。このため、光は進行方向を維持して凹凸界面を通過する。
光学デバイス1の配光状態は、屈折率調整層15と、凹凸界面隣接層(図3Bでは凹凸層16)との屈折率のミスマッチングによって発生する。凹凸界面隣接層と屈折率調整層15との屈折率差が大きくなると、屈折率差により光の進行方向の変化が生じやすくなり、さらに凹凸界面での光の進行方向の変化も追加されて、光が曲げられる方向に進行方向が変化し得る。そして、凹凸界面隣接層と屈折率調整層15との屈折率差が制御されることで、目的とする方向に光を進行させることができる。図3Bでは、光の進行方向は、一方向に曲げられる様子が模式的に描画されているが、光は、分散して進行してもよい。配光は、光の成分のうち、目的とする方向への光量が増加するものであってよい。特定の方向への光量が増加すると、光学特性が向上する。
光学デバイス1は、電圧の印加により、透明状態となることが好ましい一態様である。電圧の印加により、屈折率調整層15内の物質の配向が整えられて、凹凸界面隣接層と屈折率調整層15との屈折率差が少なくなることで、透明性が発揮され得る。光学デバイス1は、電圧がかからないときに、配光状態となることが好ましい一態様である。また、電圧を変化させたときの光学的状態が維持されてもよい。光学的状態が維持される性質はヒステリシスと呼ばれる。この性質は記憶性(メモリ性)といってもよい。
図3Cは、光学デバイス1が光散乱性を発揮する状態となった様子を示している。光学デバイス1では、屈折率調整層15は、光散乱性が変化可能であることが好ましい一態様である。光散乱性が変化することにより、上記とは異なる光学的状態を作り出すことができるため、光学特性に優れた光学デバイス1を得ることができる。図3Cでは、光学デバイス1により光が散乱されている。光学デバイス1は、散乱状態である。
屈折率調整層15の光散乱性は、電圧の変化により付与することが可能である。たとえば、屈折率調整層15に与える電圧の値を変化させることで、透明状態と、配光状態と、光散乱状態とを切り替えることができる。屈折率が変化すると、凹凸界面において光の散乱が発生し得る。光散乱性は、配光の一つともいうこともできるが、ここでは、配光は、直進方向以外の特定方向に光の進行方向を変化させることを意味し、散乱は、光を分散させて光の方向性を弱めることを意味する。図3Bでは、矢印に示されるように、右に曲がる光の成分が大きいことを模式的に示している。図3Cでは、矢印に示されるように、全体としては右に曲がりながら、光の成分が分散されることを模式的に示している。
光学デバイス1が散乱状態を発揮すると、光は散乱されながら進行するため、強い光の進行を抑制することができる。強い光がそのまま進行すると、眩しくなる可能性があるが、光の分散により眩しさを低減できる。散乱状態では、光学デバイス1はすりガラス状になり得る。また、光の散乱により、半透明又は不透明となり得るため、光学デバイス1の向こう側を見えないようにしたい場合には、散乱性の付与は有利である。散乱性が高くなることにより、光学デバイス1の向こう側に配置された物体の視認性が低くなり得る。視認性が低くなると、プライバシー保護を図ることができる。散乱状態では、光は、散乱されながら、光学デバイス1を通過する。
屈折率調整層15は、入射光を配光させた状態で光散乱性を発現可能であることが好ましい。入射光に配光性と光散乱性とが付与されることで、光学デバイス1は、進行させたい方向に光を出しながら、光を分散させることができる。光の散乱によって、光が出される方向での眩しさが低減され得る。この場合、入射光の光軸と、出射光の光軸とは平行でなくなり得る。光散乱性が強くなりすぎて全方向に同じように光が出ると、配光効果が得られなくなるおそれがあるため、光散乱性は配光性が発揮される程度に弱められ得る。光散乱性の指標であるヘイズは10%から60%の間が好ましい。図3Cでは、左斜め下方向に光学デバイス1に入射した光は、光学デバイス1によって配光され、全体として右斜め下方向に進行しつつ、さらに散乱している。図3Cは、光の配光性と散乱性とが両立した状態を示している。
ところで、光散乱性は電界以外の方法によっても形成可能である。電界以外の方法で光散乱性の付与が可能になると、配光と散乱とを独立して制御することが容易になり、光学的なバリエーションを増やすことが可能になり得る。たとえば、屈折率調整層15に気泡を入れることで、屈折率調整層15は光散乱性が付与され得る。気泡の表面は光散乱を生じさせる界面となる。気泡は、ガスの注入により生じ得る。ガスとしては、空気、窒素、ヘリウム、アルゴンが例示される。ガスとして不活性ガスの方が好ましい。光散乱性状態の有無を切り替えるために、気泡は消失が可能であることが好ましい。たとえば、屈折率調整層15を流動性のある層とし、この層に継続して気泡を注入することで、気泡を含有する屈折率調整層15が得られる。気泡は屈折率調整層15内で移動した後、消失し得るが、新たに気泡が与えられるため、全体としては、屈折率調整層15内は、気泡が存在する。気泡は、たとえばポンプで発生させることができる。そして、気泡の形成を停止することで、屈折率調整層15内の気泡が消失し、散乱状態がなくなる。気泡の形成は屈折率に影響を及ぼし得るが、気泡を考慮に入れた電界が設定されることで、屈折率の調整が行われ得る。ただし、気泡の形成による光散乱性の付与は、装置構成が複雑化するおそれがある。そのため、電界により光散乱性が変化することが好ましい。
光学デバイス1においては、図3Bのような特定方向に特化した配光を有さずに、図3Aの透明状態と、図3Cの散乱状態とが切り替わるように構成されてもよい。上述したように、図3Cの散乱状態も配光の一種と呼べるため、この場合も、光学デバイス1は、透明状態と配光状態とが変化可能となっているといえる。ただし、特定の方向の光を強くする配光性を有する方が好ましい。
図3Cの散乱状態は、屈折率調整層15と、凹凸界面隣接層(図3Bでは凹凸層16)との屈折率のミスマッチングによって発生する。凹凸界面隣接層と屈折率調整層15との屈折率差が大きくなると、屈折率差により光の進行方向の変化が生じやすくなり、さらに凹凸界面での光の進行方向の変化も追加されて、光が散乱する方向に変化し得る。そして、凹凸界面隣接層と屈折率調整層15との屈折率差が制御されることで、光の散乱が目的とする程度に制御される。
光学デバイス1では、配光性や透明性が徐々に変化することが好ましい。それにより、種々の光学的状態のバリエーションを作り出すことができるため、光学デバイス1の特性を向上させることができる。たとえば、配光性は、電圧の値の強弱を徐々に変化させることにより徐々に変化し得る。配光性の変化は、連続的に徐々に変化してもよいし、段階的に徐々に変化してもよい。弱い配光と強い配光とを変化可能であると、光学特性が向上する。同様に、光学デバイス1は、散乱性が徐々に変化することが好ましい。
ところで、特開平4−328722号には、電界により透過モードと散乱モードとを切り替える散乱型液晶デバイスが開示されている。このデバイスは、電圧の印加によりグレーティング(回折格子)と液晶層との屈折率をマッチングさせて、散乱モードから透過モードに移行している。このデバイスは、投影像の高コントラスト化及び高輝度化を目的としている。しかしながら、グレーティングがストライプ状又は格子状に形成されており、膜状にはなっていない。そのため、このデバイスでは、配光性が高くなりにくい。一方、本開示による光学デバイス1は、膜状の凹凸層16を設けており、光が膜を通過する。そのため、配光性の高い構造を得やすい。また、本開示の光学デバイス1は、大面積化(たとえば100×100mm以上のサイズ、さらには500×500mm以上のサイズ)が容易である。また、インプリントなどの工法で凹凸が作製可能であるため、作製が容易である。さらに、本開示の光学デバイス1は、窓への展開が可能である。
図4により、光学デバイス1における屈折率調整層15の好ましい態様について説明する。図4は、光学デバイス1の一例である。図1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図4では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。図4では、屈折率調整層15の厚みの形成の好ましい態様が模式的に示されている。
屈折率調整層15は、スペーサ151を含むことが好ましい。スペーサ151は、凹凸層16の凹凸のピッチよりも大きい。スペーサ151は、屈折率調整層15の厚みを形成する。光学デバイス1では、配光が良好に行われるように、屈折率調整層15の厚みが確保されることが求められるのであり、スペーサ151は、屈折率調整層15の厚みを確保することができる。スペーサ151の数は少なくとも1つであるが、複数であることがより好ましい。図4では、屈折率調整層15は、複数のスペーサ151を含んでいる。複数のスペーサ151は、屈折率調整層15の厚みをより確実に形成できる。凹凸層16の凹凸のピッチよりも大きいスペーサ151は、凹凸の間に入り込みにくいため、屈折率調整層15の厚みの確保が容易になる。スペーサ151は、凹凸ピッチよりもサイズが大きい。複数のスペーサ151は、屈折率調整層15の厚みをより均一にすることができる。
スペーサ151は、粒子であることが好ましい。屈折率調整層15の材料に含有される複数の粒子は、複数のスペーサ151となり得る。粒子は、たとえば、無機粒子、有機粒子を含み得る。無機粒子は、たとえば、シリカ粒子が挙げられる。粒子は、球状であることが好ましい。球状は、完全な球だけでなく、球形と認識できる形状も含む。複数の粒子の粒径は、揃っていることが好ましい。複数の粒子の粒径が揃うことで、屈折率調整層15の厚みが安定化される。たとえば、複数の粒子の粒子径は、平均粒径の±10%の範囲内に95%以上の粒子の粒子径が入っていれば、粒径が揃うとみなされ得る。
図4では、スペーサ151は、凹凸層16と第2電極14とに接している。光学デバイス1の形成では、凹凸層16と第2電極14とが近づく方向にこれらが相対的に動かされて、屈折率調整層15が設けられる。そのときに、スペーサ151は、スペーサ151の大きさよりも凹凸層16と第2電極14とが近づかないようにすることができる。スペーサ151は凹凸の間に入り込みにくいサイズであるため、屈折率調整層15の厚みが確保される。なお、図2に基づいた変形例では、スペーサ151は第1電極13と第2電極14とに接していてよい。
スペーサ151は、上記及び下記のいずれの形態にも適用可能である。たとえば、屈折率調整層15は、高分子とスペーサ151とを含んでもよい。
図5により、光学デバイス1における凹凸層16の好ましい態様について説明する。図5は、光学デバイス1の一例である。図1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図5では、屈折率調整層15の厚みの形成の好ましい態様が模式的に示されている。
図5では、凹凸層16は、複数の柱部161を備えている。複数の柱部161は、屈折率調整層15を貫通して第2電極14に接する。複数の柱部161は、屈折率調整層15の厚みを形成する。光学デバイス1では、配光が良好に行われるように、屈折率調整層15の厚みが確保されることが求められるのであり、複数の柱部161は、屈折率調整層15の厚みを確保することができる。図5では、複数の柱部161は、凹凸層16の突出した部分がさらに延長して突出した部分で形成されている。複数の柱部161は、円柱状、角柱状などであってよい。
複数の柱部161は、凹凸層16の形成の際に、一部が突出するように成形されることで、形成され得る。柱部161は、光学デバイス1の厚み方向に沿って直線状に伸びることが好ましい。
図5では、複数の柱部161の先端は、第2電極14に接している。凹凸層16は、第2電極14に接している。光学デバイス1の形成では、凹凸層16と第2電極14とが近づく方向にこれらが相対的に動かされて、屈折率調整層15が設けられる。そのときに、複数の柱部161は、複数の柱部161の長さよりも凹凸層16と第2電極14とが近づかないようにすることができる。複数の柱部161は、第2電極14を受け止め得る。複数の柱部161の周囲は屈折率調整層15が配置され得る。複数の柱部161は、屈折率調整層15の内部に配置される。複数の柱部161は、スペーサとして機能する。複数の柱部161の先端は、厚み方向で揃っていることが好ましい。柱部161の数が複数となることで、複数の柱部161の強度が高まり、屈折率調整層15の厚みが形成されやすくなる。複数の柱部161がある場合、屈折率調整層15内に上述のようなスペーサが含まれなくても、屈折率調整層15の厚みが形成されやすくなる。そのため、光学デバイス1の作製が容易となり得る。
複数の柱部161は、上記及び下記のいずれの形態にも適用可能である。たとえば、複数の柱部161は、高分子を含む屈折率調整層15を貫通していてもよい。複数の柱部161は、凹凸層16と屈折率調整層15とが接する場合に有効である。
図6により、光学デバイス1における凹凸層16の好ましい具体的に態様について説明する。図6は、凹凸層16の例である。図6は、図6A〜図6Dからなる。図6は、光学デバイス1から凹凸層16を抜き出して描画している。図6に示される凹凸層16は、上記及び下記のいずれの形態にも適用され得る。
凹凸層16は、不規則な凹凸を有することが好ましい。図6は、不規則(ランダム)な凹凸を示している。凹凸層16の凹凸は規則的でない。不規則な凹凸は、干渉や回折を低減し、光が特定の方向や波長で強くなりすぎることを抑制できるため、光学デバイス1の光学特性を高め得る。
図6では、凹凸層16内の複数の凸部16a及び複数の凹部16bが模式的に示されている。図6に、凹凸の高さH1が示されている。凹凸の高さH1は、凹凸層16の平坦な面から突出する部分(凸部16a)の先端までの厚み方向での長さと定義される。図6に、凹凸ピッチP1が示されている。凹凸ピッチP1は、隣り合う凸部16aの間の厚み方向に平行な方向の距離と定義される。隣り合う凸部16aの間の距離は、凸部16aの頂点を基準に求められる。図6Cに、凹凸の角度θが示されている。凹凸の角度θは、凸部16aの根元から頂点に向かう仮想直線と、凹凸層16の平坦な面とのなす角度と定義される。図6Dに、凹凸の凹み深さD1が示されている。凹み深さD1は、凸部16aの先端から凹部16bの底部までの厚み方向での長さと定義される。
凹凸層16の不規則な凹凸は、凹凸の高さH1、凹凸ピッチP1、凹凸の角度θ、凹凸の凹み深さD1のいずれか1つ以上が不規則になることで形成される。
図6Aは、凹凸の高さH1がランダムな例を示す。複数の凸部16aの高さは揃っていない。複数の凸部16aは、複数の高さH1を有している。複数の凸部16aの先端の位置は、厚み方向で不統一である。
図6Bは凹凸ピッチP1がランダムな例を示す。複数の凸部16aの間の距離は揃っていない。複数の凸部16aは、複数のピッチP1で配置されている。複数の凸部16aのうちの隣り合う凸部16aの間の距離は、不統一である。
図6Cは凹凸の角度θがランダムな例を示す。複数の凸部16aの突出する角度θは揃っていない。複数の凸部16aは、複数の角度θを有している。複数の凸部16aは、緩やかに突出する凸部16aと、鋭く突出する凸部16aとを含んでいる。
図6Dは凹凸の凹み深さD1がランダムな例を示す。複数の凹部16bの凹み深さD1は揃っていない。複数の凹部16bは、複数の深さD1を有している。複数の凹部16bの凹み位置は、不統一である。
図6A〜図6Dでは、高さ、ピッチ、角度、深さから選ばれる1つ以上に不規則性がみられる。ただし、不規則性は、特定の凸部16a及び凹部16bに偏って発現しないように規制されることが好ましい。高さ、ピッチ、角度、深さは、それぞれ、平均値が求められ得る。高さ、ピッチ、角度、深さはランダム指標と定義される。不規則な凹凸を有する凹凸層16は、全体として見たときに、平均値を基準に、凸部16a及び凹部16bのランダム指標の発現頻度が、一様分布、正規分布、指数分布のいずれかであることが好ましい。それにより、凹凸層16は、光学デバイス1に偏りすぎた光学特性を与えることが抑制される。
図6では、凹凸層16は、屈折率調整層15に向かって突出する複数の凸部16aを備えている。凸部16aは先端16pを有する。複数の凸部16aの先端16pは、突出位置が揃っていることが好ましい。この場合、複数の凸部16aの先端16pは、厚み方向で位置が揃う。複数の凸部16aの先端16pの突出位置が揃うと、屈折率調整層15の厚みがより均一になりやすい。たとえば、上述のスペーサ151が屈折率調整層15の厚みを形成する場合(図4参照)、スペーサ151の厚み方向での位置が揃いやすくなり、屈折率調整層15の厚みが安定化する。図6B及び図6Dは、複数の凸部16aの先端16Pの突出位置が厚み方向で揃っている例である。
図6Dでは、複数の凹部16bは、深さ以外の形状が同じである。この場合、複数の凸部16a及び複数の凹部16bをインプリントで形成する方法において、複数の凸部16a又は凹部16bに対して同じ型を使用して型の調整によって、凹凸を作製可能である。このため、凹凸層16の形成が容易である。
図7は、光学デバイス1の一例である。図1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図7では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。
屈折率調整層15は、高分子を含むことが好ましい。屈折率調整層15が高分子を含むことにより、もし光学デバイス1が壊れることがあっても、屈折率調整層15の材料や、基板の材料が飛散することが抑制される。そのため、安全性が高まる。高分子は、屈折率調整層15の屈折率変化を安定化させる。そのため、配光性が安定化する。
図7では、屈折率調整層15は、高分子により形成されたポリマー構造17を有している。ポリマー構造17は、高分子鎖の架橋構造で形成されてもよい。ポリマー構造17は、高分子の絡み合いで形成されてもよい。ポリマー構造17は、網目状の構造を有し得る。ポリマー構造17の間に液晶が配置されることで、屈折率の調整が可能になる。高分子は、屈折率調整層15に光散乱性を付与し得る。
高分子を含む屈折率調整層15の材料としては、高分子分散型液晶を用いることが好ましい。高分子分散型液晶では、液晶が高分子によって保持されているため、安定な屈折率調整層15を形成することができる。高分子分散型液晶は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)と呼ばれる。また、高分子を含む屈折率調整層15の材料として、ポリマーネットワーク型液晶を用いることも好ましい。ポリマーネットワーク型液晶は、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)とよばれる。
高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部と液晶部とから構成されるものであってよい。樹脂部は高分子により形成される。樹脂部は光透過性を有することが好ましい。それにより、屈折率調整層15の屈折率を変化するように形成することができる。樹脂部は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などにより形成され得る。液晶部は、電界によって液晶構造が変化する部分である。液晶部は、ネマチック液晶などが用いられる。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部の中に液晶部が点状に存在する構造であることが好ましい一態様である。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶においては、樹脂部が海、液晶部が島を構成する海島構造となっていてよい。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部の中において液晶部が網目状に不規則につながる形状であることが好ましい一態様である。もちろん、高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、液晶部の中に樹脂部が点状に存在したり、液晶部の中で樹脂部が網目状に不規則につながったりした構造であってもよい。
屈折率調整層15が高分子を含む場合、屈折率調整層15の保持性が高まる。屈折率調整層15は、内部で材料が流動しにくくなる。屈折率調整層15は、屈折率が調整された状態が高く維持され得る。
高分子は、上述のように、屈折率調整層15内でポリマー構造17を形成し得る。図7で示すように、ポリマー構造17は、屈折率調整層15の凹凸層16側の表面に到達する複数の到達点17aを有する。この場合、複数の到達点17aの間の平均距離は、凹凸層16の平均凹凸ピッチよりも大きいことが好ましい。複数の到達点17aは、図7の例では、凹凸層16との接触点となる。凹凸層16は、複数の凸部及び複数の凹部を含み得るが、凹部に高分子が入り込むと、凹部に高分子以外の物質(たとえば液晶)が入りにくくなり、屈折率調整層15の屈折率調整効果が弱くなるおそれがある。しかしながら、複数の到達点17aの間の平均距離が凹凸層16の平均凹凸ピッチよりも大きいと、高分子が凹部に入りにくくなるため、屈折率調整層15の屈折率調整効果が発揮されやすくなる。特に、液晶は屈折率を制御しやすく、液晶が凹凸層16の近傍に存在することが、配光性に有利である。そのため、複数の到達点17aの間の平均距離が凹凸層16の平均凹凸ピッチよりも大きくなると、光学デバイス1の配光効果が向上する。
複数の到達点17aの間の平均距離、及び、凹凸層16の平均凹凸ピッチは、光学デバイス1の断面の分析により測定され得る。光学デバイス1では、厚み方向に切断されて、切断面が観測され得る。このとき、たとえば、液晶と高分子とを含む屈折率調整層15から液晶が洗い流されて除かれると、高分子により形成された網目状のポリマー構造17が観測され得る。このとき、到達点17aも観測される。そして、複数の到達点17aのうち、隣り合う2つの到達点17a間の距離を測定し、この距離の測定を複数の到達点17a全体で行って、測定された距離の平均を求める。こうして求められた距離の平均は、複数の到達点17aの間の平均距離となる。また、上記の切断面から、複数の凸部を含む凹凸層16の凹凸の形状が観測され得る。そして、複数の凸部のうちの隣り合う2つの凸部の先端の位置の距離を測定し、この距離の測定を複数の凸部全体で行って、測定された距離の平均を求める。こうして求められた距離の平均は、複数の凸部間の平均距離、すなわち、凹凸層16の平均凹凸ピッチとなる。なお、凹凸層16の平均凹凸ピッチは、複数の凹部から求められてもよい。
屈折率調整層15は、凹凸層16から離れる方向に、高分子の含有量が大きくなることも好ましい。この場合、凹凸層16の近くで高分子の量が少なくなり、凹凸層16の凹部に高分子が入りにくくなる。高分子が凹部に入りにくくなると、屈折率調整層15の屈折率調整効果が発揮されやすくなる。高分子は、第1電極13から第2電極14に向かう方向に屈折率調整層15内の含有量が徐々に大きくなることが好ましい。高分子の含有量は、連続的に大きくなってもよいし、段階的に大きくなってもよい。連続的に高分子の含有量が変化する場合、屈折率調整層15内の高分子の濃度は、グラデーション状に変化し得る。高分子は、ポリマー構造17が第2電極14の近くでは密になり、凹凸層16の近くでは疎になり得る。高分子の含有量が徐々に大きくなることは、高分子含有量グラデーションと定義される。高分子含有量グラデーションの屈折率調整層15を有する光学デバイス1は、図7において、凹凸層16の近くから第2電極14の近くになるにつれて、ポリマー構造17を徐々に密に描画したものが、模式図となり得る。
高分子含有量グラデーションは、紫外線硬化性樹脂(光重合性樹脂ともいう)を硬化させるときの紫外線照射(光照射)の調整によって形成され得る。この場合、屈折率調整層15は、紫外線硬化性樹脂を含む。紫外線の硬化の進行が速い部分は、高分子の含有量が高くなり得る。高分子含有量グラデーションを形成する紫外線照射の1つ目の方法として、紫外線を斜めに入射し、光路長を長くして、一部に紫外線を届きにくくすることが挙げられる。2つ目の方法として、低エネルギーの紫外線をまず照射して凹凸層16付近に液晶を凝集させた後に、高エネルギーの紫外線を照射して樹脂を硬化させることが挙げられる。3つ目の方法として、第1電極13側からと第2電極14側からとの両方向から、紫外線を照射して樹脂を硬化させることが挙げられる。4つ目の方法として、低エネルギーの紫外線をまず照射して凹凸層16付近に液晶を凝集させた後に、第1電極13側からと第2電極14側からとの両方向から、高エネルギーの紫外線を照射して樹脂を硬化させることが挙げられる。5つ目の方法として、屈折率調整層15の横から屈折率調整層15が広がる方向(面方向;第1基板11の表面と平行な方向)に紫外線を照射し、エバネッセント波を発生させて、屈折率調整層15の一部を強く紫外線照射することが挙げられる。6つ目の方法として、凹凸層16の凹凸構造を紫外線が反射又は屈折しやすい構造にしておき、凹凸層16を通るようにして紫外線を照射し、紫外線の反射光又は屈折光によって、屈折率調整層15の一部を硬化させることが挙げられる。7つ目の方法として、高分子と液晶とが相分離する温度に加熱し、紫外線を照射することが挙げられる。なお、上記の方法は、高分子含有量グラデーションだけでなく、次に述べる高分子含有部15Aと高分子非含有部15Bとを有する屈折率調整層15の形成にも有効である。屈折率調整層15にはスペーサが含まれていてもよい。第1電極13と第2電極14の剥離を防止するために、屈折率調整層15の外周に接着部が設置されていてもよい。
図8は、光学デバイス1の一例である。図1の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図8では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。
図8では、図7と同様に、屈折率調整層15は、高分子を含んでいる。屈折率調整層15が高分子を含むことにより、安全性と配向性とが高まる。屈折率調整層15は、高分子により形成されたポリマー構造17を有している。
図8では、屈折率調整層15は、高分子を含まない高分子非含有部15Bと、高分子を含む高分子含有部15Aとを備えている。高分子非含有部15Bは、高分子含有部15Aよりも凹凸層16に近い。高分子非含有部15Bには高分子が存在しない。高分子含有部15Aには高分子が存在する。高分子は、屈折率調整層15内で第2電極14側に偏在している。高分子は、凹凸層16と接していない。凹凸層16の近傍には、高分子がない。高分子非含有部15Bは、高分子を凹凸層16に接しないようにすることができる。このため、高分子は、凹凸層16の凹部に入りにくくなる。高分子が凹部に入りにくくなると、屈折率調整層15の屈折率調整効果が発揮されやすくなる。屈折率調整層15は、高分子と液晶とを含み得る。高分子含有部15Aは、高分子と液晶とを含む部分であってよい。高分子非含有部15Bは、高分子を含まず、液晶を含む部分であってよい。高分子非含有部15Bの存在により、凹凸層16の凹部には、液晶が充填されやすくなる。
図8の屈折率調整層15は、凹凸層16から離れる方向に、高分子の含有量が大きくなる態様の一例である。図3では、高分子の含有量の変化が、少なくとも2段階となる。
図8では、高分子含有部15Aと高分子非含有部15Bとの境界は、破線で示されている。屈折率調整層15内において、高分子非含有部15Bは凹凸層16に近い側に配置され、高分子含有部15Aは凹凸層16から遠い側に配置される。高分子非含有部15Bと凹凸層16とは接する。高分子含有部15Aと凹凸層16とは接しない。高分子非含有部15Bは凹凸面を有する。高分子含有部15Aは層であり得る。高分子非含有部15Bは層であり得る。高分子含有部15Aと高分子非含有部15Bとの境界は明瞭であってもよいし、曖昧であってもよい。
高分子含有部15Aの高分子以外の物質は、高分子非含有部15Bに含まれる物質であり得る。高分子含有部15Aは、高分子非含有部15Bの材料に高分子が加わって形成されていることが好ましい。高分子含有部15Aと高分子非含有部15Bとが高分子以外において同じ材料となると、屈折率調整層15の形成が容易になる。高分子含有部15Aと高分子非含有部15Bとは、物質が行き来してもよい。たとえば、高分子含有部15Aの液晶と、高分子非含有部15Bの液晶とが、混じってもよい。
高分子は、散乱性を付与し得る。図8の光学デバイス1では、高分子含有部15Aにより光散乱性が付与され得る。電気の量によって、散乱性の程度は変化し得る。高分子含有部15Aは、光散乱層として機能することができる。
高分子非含有部15Bは、高分子含有部15Aが凹凸層16に接しないような厚みで形成され得る。高分子非含有部15Bの厚みは、たとえば、400nm以上であってよい。高分子非含有部15Bの厚みが可視光の波長以上になると、屈折率調整効果が向上する。なお、高分子非含有部15Bの厚みは、凹凸層16の凸部の先端から高分子含有部15Aと高分子非含有部15Bとの界面までの距離と定義される。
図8のような屈折率調整層15は、高分子非含有部15Bの材料と、高分子含有部15Aの材料とが順次積層されて形成されてもよいし、高分子を含む屈折率調整層15の材料が凹凸層16又は第2電極14の上に積層され、高分子が第2電極14側に偏在させられることで形成されてもよい。この場合、高分子の偏在化によって、高分子含有部15Aと高分子非含有部15Bとが分けられ形成される。
図9は、光学デバイス1の一例である。図9は図9A及び図9Bから構成される。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図9では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。
屈折率調整層15は、可視光領域において不透明性を有する状態に変化可能であることが好ましい一態様である。不透明とは、光を通さない、または通しにくい状態を意味する。不透明性を有する状態は、不透明状態と定義される。図9A及び図9Bは、不透明状態を形成する屈折率調整層15の一例が示されている。図9では、不透明な状態は反射状態によって形成される。図9Aは、反射性を有さない状態を示しており、図9Bは、反射性を有する状態を示している。
図9Aでは、屈折率調整層15は、反射膜形成成分18を含んでいる。図9Aでは、反射膜形成成分18を模式的に描画している。反射膜形成成分18としては、金属イオンが例示される。金属イオンとしては、たとえば、Agイオン、Alイオン、Auイオン、Cuイオン、Crイオンが挙げられる。イオンは、対となるカウンターイオンとともに配合され得る。たとえば、Agは硝酸銀として屈折率調整層15内に配合され得る。反射膜形成成分18は、金属粒子であってもよい。反射膜形成成分18は、屈折率調整層15内で溶解又は分散されている。屈折率調整層15は、ポリマー構造17を有している。反射膜形成成分18は、ポリマー構造17の隙間に存在している。反射膜形成成分18は、単独では反射する状態を形成しなくてよい。そのため、図9Aでは、光学デバイス1は透明である。
図9Bでは、光学デバイス1は反射膜18Mを有している。反射膜18Mは、第1電極13と屈折率調整層15との間に配置されている。反射膜18Mは、凹凸界面に沿って形成されている。反射膜18Mは、凹凸が形成されている。反射膜18Mは、図9Aに示す反射膜形成成分18が電極の表面で析出することで形成され得る。たとえば、第1電極13と第2電極14との間で電圧が印加されると、電着と同様の原理により、金属イオンが電極表面に析出し得る。こうして形成された反射膜18Mは、光を透過させずに、反射させる。そのため、光学デバイス1は不透明性を有する状態に変化する。また、図9Bの状態において、反射膜18Mを形成するときとは逆の電圧を印加すると、反射膜18Mは屈折率調整層15内に溶解又は分散する。そのため、図9Aの反射性を有さない状態に戻る。このように、図9では、可逆的に透明性を有する状態と不透明性を有する状態とが変化し得る。反射膜18Mが形成されると、光は透過しなくなる。そのため、遮熱性を発揮することができる。
反射膜18Mは、光を反射する機能を有する。反射膜18Mの形成によって、光学的特性を向上させることができる。反射膜18Mは、金属の析出で容易に形成され得る。ここで、反射膜18Mが凹凸を有して形成されると、光が一方向に強く反射しすぎることを抑制することができる。そのため、凹凸界面に沿って反射膜18Mが形成されることが好ましい。それにより、乱反射を発生させて、光害を抑制できる。ただし、鏡面構造を形成したい場合には、屈折率調整層15の平坦な面に反射膜18Mを形成してもよい。なお、反射膜18Mの代わりに、反射性を有さない不透明膜が形成されてもよい。その場合、反射膜形成成分18は、不透明膜形成成分に置換され得る。
光学デバイス1では、図9Aの状態で屈折率を調整して、透明状態と配光状態と散乱状態とを変化させることも可能である。また、図9Bの状態で屈折率を調整して、屈折率調整層15の光学的状態を変化させることも可能である。透明性と反射性の変化は、配光性や散乱性とは独立して制御され得る。たとえば、交流により配光性や散乱性が変化する屈折率調整層15を用いる。交流では、周期的に電圧が交互に付与される。一方、反射膜形成成分18から反射膜18Mへの変化及びその逆の変化は、直流電流により、一般的に交流の周期よりも長い時間、電気を付与することで行われる。ここで、反射膜形成成分18と反射膜18Mとの変化は、交流の電圧の周期的な変化に追随することができず、交流電圧によっては、ほとんど行らなくなる。そのため、図9Aの状態から直流を付与して図9Bの状態にした後、交流を付与するようにすると、図9Bの状態で屈折率を調整して、屈折率調整層15の光学的状態を変化させることができる。また、図9Bの状態から直流を付与して図9Aの状態にした後、交流を付与するようにすると、図9Aの状態で屈折率を調整して、透明状態と配光状態と散乱状態とを変化させることができる。
図10は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図10では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。
図10では、光学デバイス1は、透明性を有する状態と、不透明性を有する状態とが変化可能な透明性可変部20を備えている。透明性可変部20と屈折率調整層15との間に、第1電極13が配置されている。透明性可変部20を備えることにより、透明な状態と不透明な状態とを容易に変化させることができ、光学特性を向上させることができる。透明性可変部20は透明性の変化が可能な層で形成されている。透明性可変部20は、一対の基板の間に配置されている。第1基板11の外側には、第3基板21が配置されている。透明性可変部20は、第1基板11と第3基板21との間に配置されている。第3基板21は、第1基板11と同じ材料で形成され得る。第3基板21は、第1基板11に対向している。透明性可変部20は、第1基板11及び第3基板21に支持されている。第1基板11と透明性可変部20と第3基板21との積層体は、透明性可変体と定義される。この例では、透明性可変体と光学調整体10とは基板(第1基板11)を共有している。透明性可変体と光学調整体10とは、基板を共有しない構造であってもよい。
図10では、図9のように屈折率調整層15内の成分で不透明を形成しているのではなく、光学調整体10とは別に不透明になることが可能な部分を設けている。そのため、光学デバイス1の設計が容易になるという利点がある。
透明性可変部20は、好ましくは電界により透明性が変化する。透明性の変化は、透明な状態と不透明な状態との2段階の変化でもよいが、透明から不透明な状態に徐々に変化することがより好ましい。それにより、光学特性を高めることができる。透明から不透明な状態への徐々の変化は、段階的であってもよいし、連続的であってもよい。電界の強弱により、透明性を変化させることが可能である。
透明性可変部20は、たとえば、一対の電極の間に透明性が変化する層を配置した構造を含む。それにより、透明性が容易に変化可能である。透明性が変化する層は、透明性可変層と定義される。透明性可変部20の電極は、上述した第1電極13及び第2電極14と同様の材料で形成することができる。透明性可変部20の電極は、独立駆動のためには、第1電極13及び第2電極14と電気的に絶縁されていてよい。
透明性可変部20の不透明への変化は、光反射性が高くなることにより行われてもよいし、光吸収性が高くなることにより行われてもよい。透明性可変部20が不透明になると、遮熱性が向上する。遮熱性を高める観点からは、光反射性が高くなる方が好ましい。透明性可変部20は、電界または電流変調である場合、メモリ性を有することが好ましい。それにより、電力効率を高めることができる。
光反射性が変化可能な材料としては、たとえば、ネマチック液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶、エレクトロクロミックなどが挙げられる。コレステリック液晶は、螺旋構造を持つネマチック液晶であってよい。コレステリック液晶は、キラルネマチック液晶であってよい。コレステリック液晶では、分子軸の配向方向が空間で連続的に変化し、巨視的な螺旋構造が生まれる。このため、螺旋の周期に対応した光の反射が可能となる。エレクトロクロミックでは、電圧印加による電気化学的可逆反応(電解酸化還元反応)による物質の色変化現象を利用することができ、光反射性と光透過性との間を制御することが可能である。光吸収性が変化可能な材料としては、たとえば、酸化タングステンや二色性色素を含有した液晶などが挙げられる。
図10では、透明性可変部20は、第1基板11の上に設けられている。透明性可変部20は、第2基板12の上に設けられてもよい。ただし、外光の侵入を効率よく抑制するためには、透明性可変部20は、第1基板11の外側に設けられることが好ましい。
図11は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図11では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。
図11では、光学デバイス1は、発光体30をさらに備えている。発光体30は、電力の供給により発光する。発光体30により、光学デバイス1は光を発することができる。そのため、光学特性を向上させることができる。光学デバイス1の発光は、照明、バックライト、サイネージなどに応用可能である。
図11の例では、発光体30は、層状になっている。透明性を有する面状発光体が発光体30として用いられ得る。発光体30は、発光ダイオード(LED)、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)などを用いて形成され得る。有機エレクトロルミネッセンス素子では、面状の発光が容易である。無機の発光ダイオードでは、通常、導光板を使用することで、面状の発光が容易に得られる。発光体30は、一対の電極と、電極からの電気の供給により発光する発光層とを有していてよい。発光体30は光透過性を有する。発光体30は、一対の基板の間に配置されている。第2基板12の外側には、追加基板31が配置されている。追加基板31は、追加された基板である。発光体30は、第2基板12と追加基板31との間に配置されている。追加基板31は、第2基板12と同じ材料で形成され得る。追加基板31は、第2基板12に対向している。発光体30は、第2基板12及び追加基板31に支持されている。第2基板12と発光体30と追加基板31との積層体は、発光素子と定義される。この例では、発光素子と光学調整体10とは基板(第2基板12)を共有している。発光素子と光学調整体10とは、基板を共有しない構造であってもよい。
発光体30は、光学調整体10とは独立してオンオフが可能である。そのため、種々の光学的状態を作り出すことが可能になり、光学特性が向上する。
図11では、光学デバイス1は、透明性可変部20を備えている。発光体30を有する光学デバイス1では、透明性可変部20は、反射状態と透明状態とが変化可能であることが好ましい。透明性可変部20が反射状態となると、発光体30からの光を反射させることができ、光をより多く出射することができる。光は追加基板31から出る。
図11では、発光体30は、第2基板12の上に設けられている。発光体30は、第3基板21の上に設けられてもよい。発光体30は、透明性可変部20と光学調整体10との間に配置されてもよい。ただし、第2基板12側の外部に発光を得るためには、発光体30は、第2基板12の外側に配置されることが好ましい。
図11では、図10のような透明性可変部20を有する光学デバイス1に発光体30を追加したものを示したが、光学デバイス1は、透明性可変部20を有さなくてもよい。
図12は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図12では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。
図12では、光学デバイス1は、発光体30を備えている。そして、発光体30からの光は、屈折率調整層15を導光する。発光体30は、電力の供給により発光する。このように、屈折率調整層15を導光するようにすると、効率よく発光を得ることができる。発光体30により、光学デバイス1は光を発することができる。そのため、光学特性を向上させることができる。光学デバイス1の発光は、照明、バックライト、サイネージなどに応用可能である。図12では、発光体30の光を矢印で示している。
発光体30は、発光ダイオード(LED)などで構成することができる。発光体30は、複数設けられていてもよい。発光体30は、点状の発光であってもよい。発光体30は、線状の発光であってもよい。発光体30からの光は、屈折率調整層15に側方から入る。発光体30は、屈折率調整層15の側方に配置されていてよい。屈折率調整層15は、いわゆる導光板と同様の機能を有する。発光体30からの光は、屈折率調整層15内に面状に広がる。面状になった光は、主に第2基板12を通して、光学デバイス1から出射する。発光体30は、独立してオンオフが可能であってよい。屈折率調整層15は、高分子を有すると光が散乱され、導光しやすくなったり、眩しさ(グレア)が抑制されたりする可能性がある。発光体30をLEDで構成すると、簡単に発光を得ることができる。
屈折率調整層15は、発光体30が光を出すときに、散乱状態となってもよい。散乱状態となることで、導光性が向上する。また、散乱された光を出射することができるため、均一な発光を得ることができる。透明性可変部20は設けられてなくてもよいが、設けられている方が好ましい。それにより、遮熱性を高めることができる。さらに、透明性可変部20は反射状態に変化可能であることが好ましい。透明性可変部20が反射状態となると、発光体30からの光を反射させて光学デバイス1から出すことができ、発光効率を向上させることができる。
図13は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図13では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。図13は、図7の例をベースとした変形例を示しているが、以下の説明は、その他の例をベースとした変形例にも適用可能である。たとえば、以下の説明は、屈折率調整層15が高分子を含んでいない態様にも適用可能である。
光学デバイス1では、第1電極13及び第2電極14の少なくとも一方が、複数に分割されていることが好ましい一態様である。電極を分割することにより、電界を部分的に付与することができ、光学的状態を面内において異ならせることが可能になる。たとえば、透明性の高い部分と配光性の高い部分との2つの部分を設けたり、透明な部分と不透明な部分との2つの部分を設けたりすることができる。それにより、光学特性が向上する。電極を分離することにより、光学デバイス1には、光学的状態の異なる複数のエリアが形成され得る。
図13では、第1電極13が複数に分割された例を示している。電極の分割は、面内において、適宜のパターンで分割されてもよい。たとえば、電極は2分割することができる。図13では、第1電極13は、第1部13Aと第2部13Bとに分割されている。光学デバイス1が窓として用いられる場合、上部と下部とで2分割するようにすると、上部は光を通し、下部は光を通さない状態にすることができる。このとき、たとえば、室内を明るくしつつも、人のいる位置を暗めにすることができる。電極は、3以上に分割されてもよい。分割数が多いほど、光学的状態の異なるエリアの数が増加し得る。ただし、製造を容易にするためには、分割数は少ない方が好ましく、たとえば、8個以下であってよい。光学的状態の異なるエリアは、平面視したときに、確認され得る。
電極が複数に分割された部分は、電極分割部分25と定義される。第1電極13及び第2電極14の少なくとも一方は、複数の電極分割部分25を有し得る。複数の電極分割部分25は、電極の分割で形成される。複数の電極分割部分25は、異なる電力が供給されることが可能であることが好ましい。図13では、第1電極13の第1部13A及び第2部13Bが、電極分割部分25である。このとき、第1部13Aと第2部13Bとが、異なる電力が供給され得る。すると、屈折率や散乱性が面内で変わり、光学特性に面内分布が発生する。そのため、屈折率や散乱性の制御幅が拡大し、入射する光の角度の制御幅も拡大することができる。このように、面内において異なる電力が与えられることで、光学特性の優れた光学デバイス1が得られる。
図13は、第1電極13が分割された例であるが、第2電極14が複数に分割されてもよい。第2電極14のみが分割されてもよいし、第1電極13と第2電極14との両方が分割されてもよい。分割された第1電極13と、分割された第2電極14とは、同じパターンで分割されてもよい。それにより、電力効率が高まる。
図14は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図14では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。図14は、図13の例をベースとした変形例を示しているが、以下の説明は、その他の例をベースとした変形例にも適用可能である。
図14では、光学デバイス1は、第1ガラスパネル41と、第2ガラスパネル42とをさらに備えている。第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42との間に、密閉空間43が設けられている。第1電極13と屈折率調整層15と第2電極14とを備えた光学調整体10は、密閉空間43に配置されている。第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42と密閉空間43とは、ガラスパネルユニット40を構成する。ガラスパネルユニット40は、いわゆる複層ガラスとして機能する。光学調整体10は、ガラスパネルユニット40(複層ガラス)内に存在する。光学デバイス1は、ガラスパネルユニット40を含む。光学デバイス1は、光学調整体10が組み込まれたガラスパネルユニット40で構成される。このように、ガラスパネルユニット40で光学デバイス1を構成すると、断熱性を高めることができる。そのため、建材(窓を含む)として有効な光学デバイス1を得ることができる。また、ガラスパネルユニット40は、光学デバイス1を保護することができ、機械強度を向上させることができる。そのため、破壊が起こりにくい光学デバイス1を得ることができる。
密閉空間43は、真空であってもよいし、気体が充填されていてもよい。光学調整体10が劣化されにくくなるためには、密閉空間43は、真空か、不活性ガスで充填されていることが好ましい。また、断熱性を高める観点からは、密閉空間43は、真空か、断熱性の高いガスで充填されていることが好ましい。ガスとしては、Arガス、窒素ガス、ドライエアが例示されるが、これに限定されるものではない。密閉空間43は、封止されて外部から遮断されていることが好ましい。
図14では、第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42との間にシール壁44が配置されている。シール壁44は、ガラスパネルユニット40の一部である。シール壁44は、第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42との縁部に配置されている。シール壁44は、第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42とを接着する。シール壁44は、密閉空間43を囲むものであってよい。シール壁44は、第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42とをシールして、密閉空間43を形成する。シール壁44は、ガラス、アルミニウム等の金属、樹脂などにより形成され得る。シール壁44は、第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42との間の距離を規定する。シール壁44の厚み(高さ)は、光学調整体10の厚みよりも大きく形成される。それにより、密閉空間43に光学調整体10が収まる。
シール壁44は、スペーサを含むことが好ましい。スペーサにより、第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42との間の距離が容易に確保されやすくなる。スペーサは、たとえば無機材料である。スペーサは、粒子であってもよいし、線材であってもよい。スペーサは、密閉性を向上させる。
図14では、光学デバイス1を駆動させるための電力を供給する配線50が描画されている。配線50は、第1電極13に電気的に接続された第1配線51と、第2電極14に電気的に接続された第2配線52と、に区分される。配線50を通して電力を供給することで、光学デバイス1の光学的状態が変化し得る。上述したように、透明性可変部20、発光体30といった、電力駆動の部分をさらに備える場合は、それに対応する配線が追加されてもよい。なお、図14以外の形態でも、配線50が設けられてよいことは理解できる。
図15は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図15では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。図15は、図14の例をベースとした変形例を示しているが、以下の説明は、他の図の例をベースとした変形例にも適用可能である。
図15では、図14と同様、光学デバイス1は、第1ガラスパネル41と、第2ガラスパネル42とをさらに備えている。第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42との間に、密閉空間43が設けられている。第1電極13と屈折率調整層15と第2電極14とを備えた光学調整体10は、密閉空間43に配置されている。第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42と密閉空間43とは、ガラスパネルユニット40を構成する。ガラスパネルユニット40は、いわゆる複層ガラスとして機能する。
図15の光学デバイス1は、透明性を有する状態と、不透明性を有する状態とが変化可能な透明性可変部20を備えている。透明性可変部20は反射性が可変であってもよいし、吸収性が可変であってもよい。光学調整体10は、第2ガラスパネル42に支持されている。透明性可変部20は、密閉空間43に配置されている。透明性可変部20は、第1ガラスパネル41に支持されている。透明性可変部20は、上述したものと同様である。透明性可変部20を備えることにより、透明な状態と不透明な状態とを容易に変化させることができ、光学特性を向上させることができる。図15の光学デバイス1は、製造が容易であるという利点がある。
透明性可変部20は、第3基板21と第4基板22との間に配置される。第4基板22の材料は、第3基板21と同じであってよい。第3基板21及び第4基板22は、第1基板11と同じ材料で形成され得る。第3基板21と第1ガラスパネル41とは接する。第3基板21が第1ガラスパネル41に接着することにより、第1ガラスパネル41は第3基板21を通して透明性可変部20を支持する。透明性可変部20は、少なくとも2つの配線50(第3配線53及び第4配線54)に接続される。第3配線53及び第4配線54を通して電力が与えられることで、透明性可変部20は透明性が変化し得る。第3基板21及び第4基板22は、透明性可変部20の基板である。
光学調整体10は、第2ガラスパネル42に支持される。第2ガラスパネル42と第2基板12とが接する。第2基板12が第2ガラスパネル42に接着している。図15の光学デバイス1は、窓に適用可能で、光学特性に優れる。
図16は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図16では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。図16は、図15の例をベースとした変形例を示しているが、以下の説明は、他の図の例をベースとした変形例にも適用可能である。
図16の光学デバイス1では、第1ガラスパネル41は、透明性可変部20の基板である。第1ガラスパネル41が第3基板21として機能する。図16の光学デバイス1は、図15に比べて部品数が減り、製造性が高まり得る。図16の光学デバイス1は、窓に適用可能で、光学特性に優れる。
図17は、光学デバイス1の一例である。上記の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図17では、直接凹凸形成構造の例が示されるが、以下の説明は、間接凹凸形成構造(図2参照)にも適用可能である。図17は、図15の例をベースとした変形例を示しているが、以下の説明は、他の図の例をベースとした変形例にも適用可能である。
図17の光学デバイス1では、第2ガラスパネル42は、第2基板12である。第2ガラスパネル42が第2基板12として機能する。図17の光学デバイス1は、図15に比べて部品数が減り、製造性が高まり得る。図17の光学デバイス1は、窓に適用可能で、光学特性に優れる。
図16及び図17の変形例として、第1ガラスパネル41が第3基板21となり、第2ガラスパネル42が第2基板12となった光学デバイス1が挙げられる。この場合、さらに部品点数が減少し、製造上有利になり得る。
図14〜図17に示すような、ガラスパネルユニット40に光学調整体10が組み込まれる態様では、安定な電力の供給を可能にするための構造が形成され得る。たとえば、電極接続部19に導電性の良好な材料が供給され、導電性の良好な材料を通して、配線50から電力が供給される構造が好ましい。この場合、光学的性質の面内均一性が向上し、また、電圧ロスが抑制される。また、シール壁44がスペーサを含む場合、スペーサとガラスパネルとの間に配線50が通ることが好ましい。この場合、配線構造の部材数を低減することができる。あるいは、シール壁44がスペーサを含む場合、スペーサに貫通孔が設けられ、その貫通孔を配線50が通ることが好ましい。この場合、密封性が向上する。
図18により、光学デバイス1の製造方法を説明する。図18は、図18A〜図18Fからなる。図18は、図1の光学デバイス1を代表例として挙げている。ただし、屈折率調整層15が高分子を含む光学デバイス1(たとえば図5参照)が主に説明される。他の光学デバイス1は、図18で説明する方法に準じて、同様に、製造される。
光学デバイス1の製造方法は、第1電極13及び樹脂層160を形成すること、樹脂層160から凹凸層16を形成すること、第2電極14を形成すること、屈折率調整層15の材料を塗布すること、第1基板11と第2基板12とを接着すること、を含む。第1電極13及び樹脂層160の形成では、第1基板11の上に第1電極13及び樹脂層160が形成される。凹凸層16の形成では、樹脂層160の形成後、インプリントにより樹脂層の表面に凹凸が与えられ、樹脂層160から凹凸層16が形成される。第2電極14の形成では、第2基板12の上に第2電極14が形成される。屈折率調整層15の材料の塗布では、屈折率調整層15の材料が、凹凸層16及び第1電極13のうちの一方の上、又は、第2電極14の上に塗布される。第1基板11と第2基板12との接着では、第1電極13と第2電極14とを対向させて、第1基板11と第2基板12とが接着される。この光学デバイス1の製造方法では、光学デバイス1が効率よく製造される。
図18に示す光学デバイス1の製造では、まず、図18Aに示すように、第1基板11を準備する。次に、図18Bに示すように、第1基板11の上に、第1電極13を形成する。第1電極接続部19aは、第1電極13と同時に形成され得る。次いで、図18Cに示すように、第1電極13の上に、樹脂層160を形成する。樹脂層160は、たとえば、塗布で形成される。樹脂層160は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれか又は両方を含み得る。樹脂層160は、導電性を有する材料で形成されることが好ましい。そして、図18Dに示すように、樹脂層160に凹凸を付与する。凹凸の付与は、インプリントにより行われ得る。インプリントは微細な凹凸を精度よく形成できる。ナノインプリントがより好ましい。ナノサイズの凹凸の転写で、凹凸が形成され得る。樹脂層160は、凹凸が与えられて、凹凸層16に変化する。たとえば、凹凸の型で未硬化の樹脂層160を押した状態で樹脂層160が硬化すると、凹凸が転写される。次に、図18Eに示すように、凹凸層16の上に、屈折率調整層15の材料を塗布する。屈折率調整層15の材料は、高分子又は高分子を形成する低分子(たとえばモノマー)を含み得る。屈折率調整層15は、紫外線硬化性樹脂及び液晶を含み得る。そして、図18Fに示すように、第1基板11と第2基板12とを接着する。第2基板12はあらかじめ準備される。図18Bと同様に、第2基板12の上には、第2電極14が形成される。第2電極接続部19bは、第2電極14と同時に形成され得る。なお、第1基板11と第2基板12とは、接着剤によって接着され得る。このとき、第1電極13と第2電極14とは対向する配置となる。第1電極13と第2電極14との間に屈折率調整層15が配置される。屈折率調整層15は、スペーサ(図4参照)を含んでいてもよい。最後に、屈折率調整層15が紫外線硬化性樹脂を含む場合、紫外線を照射し、屈折率調整層15内の紫外線硬化性樹脂を硬化させ、高分子のポリマー構造17(図7参照)を形成する。紫外線の照射は、第1基板11と第2基板12とが接着する前に行われてもよい。以上により、光学デバイス1が製造される。
図18の光学デバイス1の製造方法は次のように変形され得る。図18では、第1基板11の上に、第1電極13及び樹脂層160がこの順で形成されている。しかし、第1基板11の上に樹脂層160が形成され、樹脂層160に凹凸が付与され、樹脂層160が凹凸層16になった後に、凹凸層16の上に第1電極13が形成されてもよい。この場合、図2のような間接凹凸形成構造の光学デバイス1が形成され得る。また、間接凹凸形成構造の場合、第1基板11の上に樹脂層160と第1電極13を形成した後に、インプリントにより樹脂層160と第1電極13の両方に一括で凹凸構造を形成してもよい。屈折率調整層15の材料は、第1電極13の上に塗布され得る。図18では、屈折率調整層15の材料は、凹凸層16の上に塗布されたが、屈折率調整層15の材料は、第2電極14の上に塗布されてもよい。なお、光学デバイス1の屈折率調整層15の材料は、第1電極13と第2電極14との間に隙間を設けて第1基板11と第2基板12とを接着し、この隙間に屈折率調整層15の材料を注入する方法でも、配置され得る。
図18で作製される光学デバイス1は、光学調整体10そのものである。このようにして得られた光学調整体10を用いることにより、他の光学的な部(透明性可変部20、発光体30)を備える光学デバイス1が形成され得る。他の光学的な部は、光学調整体10と厚み方向で重ねられ得る。また、光学調整体10をガラスパネルユニット40の内部に組み込むことにより、ガラスパネルユニット40で構成される光学デバイス1が形成され得る(たとえば図15参照)。このとき、光学調整体10が第1ガラスパネル41と第2ガラスパネル42との間に配置されて、これら2つのガラスパネルが接着され得る。
図19は、以上で説明した光学デバイス1の適用例を示している。図19は、図19A〜図19Cから構成される。図19では、光学デバイス1を模式的に簡略化して示している。図19は、建物の壁2に光学デバイス1を取り付けた例を示している。建物は、天井3を有しており、天井3には照明器具4が設けられている。建物の内部は、室内5と定義される。光学デバイス1は窓として機能する。
図19Aに示すように、光学デバイス1が透明性を有する状態では、外光が光学デバイス1を通して室内5に入射する。外光は、通常、太陽の光である。光学デバイス1は、いわばガラス窓と同じような光学的状態である。このとき、室内5は、光が入ることにより明るくなるが、室内5の奥行が広い場合などには、室内5全体が明るくはなりにくい。そのため、ガラス窓を有する建物では、昼においても、照明器具4が点灯されて、室内5が明るくされることがよく行われている。
図19Bでは、光学デバイス1は配光性を有する状態となっている。この場合、光学デバイス1が光の進行方向を変化させ、配光することにより、室内5の奥に届きやすい方向の光を発生あるいは増加させることができる。図19Bでは、光は天井3に向かう方向に変化されている。斜め下方に進む光が、光学デバイス1を通過して、斜め上方に進む光になっている。ただし、光の配光は完全ではなく部分的に生じ得るものなので、天井3に向かう方向に曲げられた光と、直進する光とが存在してよい。このとき、光の主成分は配光されて曲げられた光であることが好ましい。そして、図19Bのように光が配光されると、室内5の内部の方に光が届くため、室内5が奥(光学デバイス1から遠い所)まで明るくなる。そのため、照明器具4をオフにしたり、照明器具4での電気量を低下させたりすることができ、省エネルギー化を図ることができる。
図19Cでは、光学デバイス1は遮蔽性を有する状態となっている。この場合、光は光学デバイス1によって反射されて、室内5に届きにくくなる。光を遮断すると、断熱性を付与することができる。断熱性が高まると、冷暖房効率が高まるため、省エネルギー化を図ることができる。ここで、図19Cのように、光の一部を反射し、光の一部を透過させるような反射性を発揮するようにすると、室内5に届く光の量を調整することが可能である。屋外の光が眩しいときには、室内5に入る光の量を調整することは有効である。また、反射性を高めて、光学デバイス1が光を通さないようにすると、光学デバイス1を通して向こう側の物体が視認されにくくなり、光学デバイス1はカーテンの機能を有し得る。光学デバイス1は、光散乱性の発揮によりすりガラス状になることも可能である。その場合、光学デバイス1の向こう側に配置された物体を、明瞭に見える透明状態と、うっすら見える散乱状態と、全く見えない不透明状態とに切り替えることも可能である。
なお、図13や図14のように、電極が分割され、光学的状態が異なる複数のエリアを有することが可能なように光学デバイス1が形成されると、室内5への光の入り方を制御することができる。たとえば、窓(光学デバイス1)の上部で光をよく通し、窓の下側で光をあまり通さないといった制御が可能である。そのため、光学特性の高い光学デバイス1が得られる。また、光学デバイス1が、発光体30を有すると、照明装置として機能し得る。窓と照明とを兼ねた光学デバイス1の提供が可能である。また、光学デバイス1の散乱性を利用し、コントラストを高めて、光学デバイス1をスクリーンとして使用することも可能である。プロジェクタ、映写機などの画像を出射する装置と組み合わせて、画像を光学デバイス1に写し出すことができる。
1 光学デバイス
10 光学調整体
11 第1基板
12 第2基板
13 第1電極
14 第2電極
15 屈折率調整層
15A 高分子含有部
15B 高分子非含有部
151 スペーサ
16 凹凸層
16a 凸部
160 樹脂層
161 柱部
17 ポリマー構造
17a 到達点
19 電極接続部
20 透明性可変部
25 電極分割部分
30 発光体
41 第1ガラスパネル
42 第2ガラスパネル
43 密閉空間

Claims (23)

  1. 光透過性を有する第1電極と、
    前記第1電極と電気的に対となり、光透過性を有する第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、可視光領域での屈折率が調整可能な屈折率調整層と、
    前記屈折率調整層の表面を凹凸にする膜状の凹凸層と、を備え、
    前記屈折率調整層は、透明状態と、入射光を配光する状態とが変化可能である、
    光学デバイス。
  2. 前記屈折率調整層は、前記可視光領域での屈折率が、前記膜状の凹凸層の屈折率に近い屈折率と、前記膜状の凹凸層の屈折率との屈折率差が大きい屈折率とに調整可能である、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  3. 前記屈折率調整層は、光散乱性が変化可能である、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  4. 前記屈折率調整層は、前記入射光を配光させた状態で前記光散乱性を発現可能である、
    請求項3に記載の光学デバイス。
  5. 前記屈折率調整層は、高分子を含む、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  6. 前記高分子は、前記屈折率調整層内でポリマー構造を形成し、
    前記ポリマー構造は、前記屈折率調整層の前記凹凸層側の表面に到達する複数の到達点を有し、
    前記複数の到達点の間の平均距離は、前記凹凸層の平均凹凸ピッチよりも大きい、
    請求項5に記載の光学デバイス。
  7. 前記屈折率調整層は、前記凹凸層から離れる方向に、前記高分子の含有量が大きくなる、
    請求項5に記載の光学デバイス。
  8. 前記屈折率調整層は、不透明性を有する状態に変化可能である、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  9. 透明性を有する状態と、不透明性を有する状態とが変化可能な透明性可変部を備え、
    前記透明性可変部と前記屈折率調整層との間に、前記第1電極が配置されている、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  10. 発光体をさらに備える、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  11. 前記発光体からの光は、前記屈折率調整層を導光する、
    請求項10に記載の光学デバイス。
  12. 前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方は、複数に分割されている、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  13. 第1ガラスパネルと、
    第2ガラスパネルと、をさらに備え、
    前記第1ガラスパネルと第2ガラスパネルとの間に、密閉空間が設けられ、
    前記第1電極と前記屈折率調整層と前記第2電極とを備えた光学調整体は、前記密閉空間に配置されている、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  14. 透明性を有する状態と、不透明性を有する状態とが変化可能な透明性可変部を備え、
    前記光学調整体は、前記第2ガラスパネルに支持され、
    前記透明性可変部は、前記密閉空間に配置され、前記第1ガラスパネルに支持されている、
    請求項13に記載の光学デバイス。
  15. 前記第1ガラスパネルは、前記透明性可変部の基板である、
    請求項14に記載の光学デバイス。
  16. 前記凹凸層は、前記第1電極と前記屈折率調整層との間に配置される、
    請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  17. 前記屈折率調整層は、スペーサを含み、
    前記スペーサは、前記凹凸層の凹凸のピッチよりも大きく、前記屈折率調整層の厚みを形成する、
    請求項16に記載の光学デバイス。
  18. 前記凹凸層は、複数の柱部を備え、
    前記複数の柱部は、前記屈折率調整層を貫通して前記第2電極に接し、前記屈折率調整層の厚みを形成する、
    請求項16に記載の光学デバイス。
  19. 前記凹凸層と前記屈折率調整層との間に、前記第1電極が配置され、
    前記第1電極は、凹凸面を有する、
    請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  20. 前記凹凸層は、不規則な凹凸を有する、
    請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  21. 前記凹凸層は、前記屈折率調整層に向かって突出する複数の凸部を備え、
    前記複数の凸部の先端は、突出位置が揃っている、
    請求項20に記載の光学デバイス。
  22. 前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方は、平面視において前記凹凸層からはみ出した電極接続部を備えている、
    請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  23. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光学デバイスの製造方法であって、
    第1基板の上に前記第1電極及び樹脂層を形成することと、
    前記樹脂層の形成後に、インプリントにより前記樹脂層の表面に凹凸を与えて、前記樹脂層から前記凹凸層を形成することと、
    第2基板の上に前記第2電極を形成することと、
    前記屈折率調整層の材料を、前記凹凸層及び前記第1電極のうちの一方の上、又は、前記第2電極の上に塗布することと、
    前記第1電極と前記第2電極とを対向させて、前記第1基板と前記第2基板とを接着することと、
    を含む、
    光学デバイスの製造方法。
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