JP6402959B2 - 光学デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、光学デバイスに関する。
室外から入射する太陽光の進行方向を変更して室内に導入する光制御デバイスが提案されている。例えば、特許文献1には、窓に配置することで入射する太陽光の進行方向を変更して室内の天井等に導くことができる採光シートが開示されている。特許文献1に開示された採光シートは、透明シート材に形成した凹状溝に充填材を充填して反射面を形成し、この反射面による反射により太陽光の光路を折り曲げて太陽光を室内に導入している。
特開2012−255951号公報
特許文献1に記載された採光シートのように凹凸層(凹凸構造)を有する光学デバイスでは、凹凸層と樹脂層又は空気層との凹凸界面で光を全反射(以下同じ)させることで太陽光等の外光を室内の広い範囲に取り入れることができるので、室内照度を向上させることができる。これにより、室内の照明器具を消灯させたり照明器具の光出力を抑えたりできるので、省電力化を図ることができる。
しかしながら、凹凸層における凹凸界面での全反射を用いて光を曲げる方法では、季節や時間帯によって太陽高度が異なるために、光が天井方向に曲がらない季節や時間帯が存在する。特に、光学デバイスがパッシブ型である場合には凹凸層による光学作用が変化しないので、季節や時間帯による太陽高度の変化に応じて光の出射角を変更することができない。
このため、季節や時間帯によって、室内の奥にまで太陽光を導くことができないので、室内の広い範囲に太陽光を取り入れることができない場合があったり、天井に照射される光の照度にムラが生じるために天井で反射して床面に照射される光の照度にムラが生じる場合があったりする。この場合、照明器具の十分な省電力化を図ることが難しい。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、季節や時間によって太陽高度が異なる場合でも室内の広い範囲にムラなく外光を取り入れることができる光学デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光学デバイスの一態様は、第1光学素子と第2光学素子とを有する光学デバイスであって、前記第1光学素子及び前記第2光学素子の各々は、透光性を有する一対の基材と、前記一対の基材の間に設けられた透光性を有する一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられた屈折率調整層と、前記一対の電極の一方の上に形成された、複数の凸部を有する凹凸層とを備え、前記第1光学素子と前記第2光学素子とは、互いの前記凹凸層の前記凸部の底面が向かい合うように積層されている。
本発明によれば、季節や時間によって太陽高度が異なる場合でも室内の広い範囲にムラなく外光を取り入れることができる。
図1は、実施の形態に係る光学デバイスの断面図である。 図2Aは、実施の形態に係る光学デバイス(電圧無印加時)の拡大断面図である。 図2Bは、実施の形態に係る光学デバイス(電圧印加時)の拡大断面図である。 図3は、実施の形態に係る光学デバイスの使用例を示す図である。 図4は、比較例の光学デバイスの断面図である。 図5は、変形例1に係る光学デバイスの拡大断面図である。 図6は、変形例2に係る光学デバイスの凹凸層の構成を示す断面図である。 図7は、変形例2に係る光学デバイスの凹凸層の他の構成を示す断面図である。 図8は、変形例3に係る光学デバイスの拡大断面図である。 図9Aは、実施の形態に係る光学デバイスにおける凹凸層の凸部の模式図である。 図9Bは、変形例4に係る光学デバイスにおける凹凸層の凸部の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る光学デバイス1について、図1、図2A及び図2Bを用いて説明する。図1は、実施の形態に係る光学デバイス1の断面図である。図2A及び図2Bは、図1Aの破線で囲まれる領域Xにおける同光学デバイス1の拡大断面図である。なお、図2Aは、電圧無印加時の入射光の光路を示しており、図2Bは、電圧印加時の入射光の光路を示している。
図1、図2A及び図2Bに示すように、光学デバイス1は、光を制御する光制御デバイスであり、第1光学素子10と第2光学素子20とを有する。
第1光学素子10は、入射する光を透過するように構成されており、透光性を有する一対の基材11a及び11bと、透光性を有する一対の電極12a及び12bと、透光性を有する屈折率調整層13と、透光性を有する凹凸層14とを備える。第1光学素子10は、さらに、透光性を有する配向膜15を備える。なお、本実施の形態では、基材11aから光が入射し、入射した光は基材11bから出射する。
第2光学素子20は、第1光学素子10と同様に、入射する光を透過するように構成されており、透光性を有する一対の基材21a及び21bと、透光性を有する一対の電極22a及び22bと、透光性を有する屈折率調整層23と、透光性を有する凹凸層24とを備える。第2光学素子20は、さらに、透光性を有する配向膜25を備える。なお、本実施の形態では、基材21bから光が入射し、入射した光は基材21aから出射する。
第1光学素子10では、基材11aと基材11bとの間に、電極12a、配向膜15、屈折率調整層13、電極12bがこの順で厚み方向に配置されている。第2光学素子20では、基材21bと基材21aとの間に、電極22b、屈折率調整層23、配向膜25、電極22aがこの順で厚み方向に配置されている。なお、本明細書において、「厚み方向」とは、光学デバイス1の厚み方向を意味し、基材11a(基材11b)及び基材21a(基材21b)の主面に垂直な方向である。
第1光学素子10において、一対の基材11a及び11bは、互いに対向して配置されており、電極12a、配向膜15、屈折率調整層13及び凹凸層14、電極12bの積層構造を間に配置して、この積層構造を支持するとともにこの積層構造を保護する。基材11aと基材11bとは、互いの端部外周に接着剤等のシール樹脂を形成することで接着されている。
第2光学素子20においても同様に、一対の基材21a及び21bは、互いに対向して配置されており、電極22a、配向膜25、屈折率調整層23及び凹凸層24、電極22bの積層構造を間に配置して、この積層構造を支持するとともにこの積層構造を保護する。基材21aと基材21bとは、互いの端部外周に接着剤等のシール樹脂を形成することで接着されている。
また、第1光学素子10において、一対の電極12a及び12bは、一対の基材11a及び11bの間に設けられている。つまり、一対の電極12a及び12bは、基材11aと基材11bとの間に位置している。本実施の形態において、電極12aは、基材11aに形成されており、電極12bは、基材11bに形成されている。一対の電極12a及び12bは、屈折率調整層13に電界を与えることができるように構成されている。
第2光学素子20においても同様に、一対の電極22a及び22bは、一対の基材21a及び21bの間に設けられている。具体的には、電極22aは、基材21aに形成されており、電極22bは、基材21bに形成されている。一対の電極22a及び22bは、屈折率調整層23に電界を与えることができるように構成されている。
また、第1光学素子10において、屈折率調整層13は、一対の電極12a及び12bの間に設けられている。つまり、屈折率調整層13は、電極12aと電極12bとの間に位置している。具体的には、屈折率調整層13は、凹凸層14に接するように設けられている。
第2光学素子20においても同様に、屈折率調整層23は、一対の電極22a及び22bの間に設けられている。つまり、屈折率調整層23は、電極22aと電極22bとの間に位置している。具体的には、屈折率調整層23は、凹凸層24に接するように設けられている。
屈折率調整層13及び23は、可視光領域での屈折率が調整可能となっている。本実施の形態において、屈折率調整層13及び23は、電界が与えられることによって光線方向の屈折率が変化する材料によって構成されている。
また、第1光学素子10において、凹凸層14は、複数の凸部14aを有する。凹凸層14は、電極12bの上に形成されている。なお、凹凸層14は、電極12aの上に形成されていてもよい。つまり、凹凸層14は、一対の電極12a及び12bの一方の上に形成されていればよい。
第2光学素子20においても同様に、凹凸層24は、複数の凸部24aを有する。凹凸層24は、電極22bの上に形成されている。なお、凹凸層24は、電極22aの上に形成されていてもよい。つまり、凹凸層24は、一対の電極22a及び22bの一方の上に形成されていればよい。
また、第1光学素子10において、配向膜15は、屈折率調整層13に接するように電極12aの表面に形成されている。第2光学素子20においても同様に、配向膜25は、屈折率調整層23に接するように電極22aの表面に形成されている。
このように構成される光学デバイス1は、第1光学素子10と第2光学素子20との2層構造となっており、第1光学素子10と第2光学素子20とは、互いの凹凸層14及び24の凸部14a及び24aの底面が向かい合うように積層されている。つまり、第1光学素子10と第2光学素子20とは、凹凸層14と凹凸層24とが背合わせで配置される。具体的には、凹凸層14の凸部14aの底面と凹凸層24の凸部24aの底面とが背向するように第1光学素子10と第2光学素子20とが積層されている。
本実施の形態において、第1光学素子10と第2光学素子20とは、接着層30によって貼り合わされている。具体的には、第1光学素子10の基材11bと第2光学素子20の基材21bとが接着層30によって貼り合わされている。接着層30は、例えば透明樹脂接着剤である。
また、一例として、光学デバイス1では、第1光学素子10が光入射側に位置し、第2光学素子20が光出射側に位置している。この場合、第1光学素子10の基材11aから光が入射して、入射した光は、光学デバイス1の内部を通って第2光学素子20の基材21aから出射する。
以下、第1光学素子10と第2光学素子20の各構成部材について、さらに詳細に説明する。
[基材]
基材11a、11b、21a及び21bは、透光性を有する基板であり、例えば透明基板である。基材11a、11b、21a及び21bとしては、例えばガラス基板又は樹脂基板を用いることができる。ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス又は高屈折率ガラス等が挙げられる。樹脂基板の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート、アクリル又はエポキシ等が挙げられる。ガラス基板は、光透過率(透明性)が高く、かつ、水分の透過性が低いという利点がある。一方、樹脂基板は、破壊時の飛散が少ないという利点がある。基材11a、11b、21a及び21bは、は、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよいが、同じ材料で構成されている方がよい。
なお、基材11a、11b、21a及び21bは、リジッド基板に限るものではなく、可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。また、基材11a、11b、21a及び21bの平面視形状は、例えば、正方形や長方形の矩形状であるが、これに限るものではなく、円形又は四角形以外の多角形であってもよく、任意の形状が採用され得る。
[電極]
電極12a、12b、22a及び22bは、例えば透明導電層である。透明導電層の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明金属酸化物、銀ナノワイヤや導電性粒子等の導電体を含有する樹脂からなる導電体含有樹脂、又は、銀薄膜等の金属薄膜等を用いることができる。
電極12a、12b、22a及び22bは、これらの単層構造であってもよし、これらの積層構造(例えば透明金属酸化物層と金属薄膜との積層構造)であってもよい。
電極12a、12b、22a及び22bは、外部電源との電気接続が可能となるように構成されているとよい。例えば、外部電源に接続するための電極パッド等が、電極12a及び12b(22a及び22b)の各々から引き出されて基材11a及び11b(21a及び21b)に形成されていてもよい。
[屈折率調整層]
屈折率調整層13及び23は、屈折率変化層であり、上述のとおり、電界が与えられることによって屈折率が変化する材料によって構成されている。屈折率調整層13は、一対の電極12a及び12bに電圧が印加されることによって電界が与えられる。これにより、液晶分子の配向状態が変化して屈折率調整層13の光線方向の屈折率が変化する。同様に、屈折率調整層23は、一対の電極22a及び22bに電圧が印加されることによって電界が与えられる。これにより、液晶分子の配向状態が変化して屈折率調整層23の屈折率が変化する。なお、屈折率調整層13と屈折率調整層23とは独立して屈折率が調整可能となっている。
屈折率調整層13の屈折率は、凹凸層14の屈折率に近い値の屈折率と、凹凸層14の屈折率との屈折率差が大きい屈折率(例えば電極12a又は配向膜15の屈折率)との間で変化する。同様に、屈折率調整層23の屈折率は、凹凸層24の屈折率に近い値の屈折率と、凹凸層24の屈折率との屈折率差が大きい屈折率(例えば電極22a又は配向膜25の屈折率)との間で変化する。
一例として、凹凸層14及び24の屈折率が1.5である場合、電界が与えられていないとき(電極12a、12b、22a、22bに電圧が印加されていない場合)の屈折率調整層13及び23の屈折率は1.5であり、最大の電界が与えられているときの屈折率調整層13及び23の屈折率は1.7である。なお、一対の電極12a及び12bと一対の電極22a及び22bとの印加する電圧の値を調整して電界の強さを変更することで、屈折率調整層13及び23の屈折率は、電界の強さ(電圧の値)に応じて、1.5と1.7との間で変化させることができる。
本実施の形態において、屈折率調整層13及び23は、複屈折性及び電界応答性を有する媒質を含む。このような媒質として、例えば、液晶分子を有する液晶材料を用いることができる。液晶材料としては、例えば、液晶分子が棒状分子からなるネマティック液晶又はコレステリック液晶等が挙げられる。液晶材料は、電界の変化に応じて液晶分子の配向状態が変化して屈折率が変化する。これは、液晶が屈折率異方性を有するためである。本実施の形態では、棒状の液晶分子として、誘電率が長軸方向には小さくて長軸に垂直な方向には大きいネガ型のネマティック液晶を用いている。
本実施の形態ではネガ型の液晶を用いているので、図2Aに示すように、一対の電極12a及び12b(又は一対の電極22a及び22b)に電圧が印加されておらず屈折率調整層13(又は23)に電界が与えられていない場合、棒状の液晶分子は、光学デバイス1の厚み方向と平行な方向に配向している。つまり、電圧無印加時において、液晶分子は、基材11a及び11bの主面に対して垂直配向となっている。なお、液晶分子は、凹凸層14(又は24)の凹凸構造の形状に沿って配向することが知られているが、本実施の形態では、後述するように、凹凸層14の凸部14a(又は凹凸層24の凸部24a)のアスペクト比が1〜5程度と大きいため、液晶分子は、凹凸層14側(又は凹凸層24側)においては基材11a側(又は基材21a側)と同様に垂直配向となる。
また、図2Bに示すように、一対の電極12a及び12b(又は一対の電極22a及び22b)に電圧が印加されて屈折率調整層13(又は23)に電界が与えられている場合には、棒状の液晶分子は、複数の凸部14a(又は24a)の並び方向、すなわち、光学デバイス1の厚み方向と直交する方向と平行な方向に配向している。つまり、電圧印加時において、液晶分子は、基材11a及び11bの主面に対して平行配向となっている。
なお、屈折率調整層13及び23の材料としてポジ型の液晶を用いた場合、棒状の液晶分子は、屈折率調整層13(又は23)に電界が与えられていない場合には厚み方向と直交する方向と平行な方向に配向され、屈折率調整層13(又は23)に電界が与えられている場合には光学デバイス1の厚み方向と平行な方向に配向される。
[凹凸層]
第1光学素子10における凹凸層14は、凹凸面を有する凹凸構造を有する層であり、屈折率調整層13側に突出する複数の凸部14aが配列された構成となっている。なお、凹凸層14の電極12b側の面は平坦な面となっている。
同様に、第2光学素子20における凹凸層24は、凹凸面を有する層であり、屈折率調整層23側に突出する複数の凸部24aが配列された構成となっている。なお、凹凸層24の電極22b側の面は平坦な面となっている。
凹凸層14及び24における複数の凸部14a及び24aの各々は、ストライプ状に形成されている。本実施の形態において、複数の凸部14a及び24aの各々は同じ形状であり、等間隔に配列されている。各凸部14a及び24aは、例えば長尺状の略三角柱形状である。つまり、各凸部14a及び24aの断面形状は、略三角形である。
このように構成される各凸部14a及び24aの断面形状は、先細りのテーパ形状である。したがって、各凸部14a及び24bの一対の側面(表面)の各々は、厚み方向に対して所定の傾斜角で傾斜する傾斜面であり、一対の側面の間隔は、各凸部14a及び24aの底部(底辺)から頂部に向かって漸次小さくなっている。なお、各凸部14a及び24aの頂部は、配向膜15及び25に接していないが、配向膜15及び25に接していてもよい。
一例として、各凸部14a及び24aは、断面形状(三角形)における高さが100nm〜100μmで、アスペクト比(高さ/底辺)が1〜5程度である。また、隣り合う凸部14a(24a)同士の頂点の間隔(ピッチ)は、例えば100nm〜100μmである。なお、凸部14a及び24aの高さやアスペクト比、ピッチは、これらの範囲に限定されるものではない。
本実施の形態において、第2光学素子20の凹凸層24における凸部24aのアスペクト比は、第1光学素子10の凹凸層14における凸部14aのアスペクト比よりも大きくなっている。また、凸部24aの高さは、凸部14aの高さよりも高くなっている。なお、複数の凸部14aの高さは一定である。同様に、複数の凸部24aの高さも一定である。
また、第2光学素子20の凹凸層24における複数の凸部24aの各々の2つの底角の角度を一の方向(本実施の形態では、厚み方向に直交する方向)からα、βとし、第1光学素子10における複数の凸部14aの各々の2つの底角の角度を上記一の方向(本実施の形態では、厚み方向に直交する方向)からγ、ηとすると、α>β>γ>ηの関係を満たしている。
第1光学素子10と第2光学素子20とは、凸部14aの角度γの底角と凸部24aの角度ηの底角とが凸部14a及び凸部24aの各頂点に対して同じ方向となるように、かつ、凸部14aの角度ηの底角と凸部24aの角度βの底角とが凸部14a及び凸部24aの各頂点に対して同じ方向となるように、配置されている。
具体的には、第1光学素子10における凹凸層14の各凸部14aは、角度ηの底角が鉛直方向の上方側に位置し、角度γの底角が鉛直方向の下方側に位置するように構成され、かつ、γ>ηとなっている。同様に、第2光学素子20における凹凸層24の各凸部24aは、角度βの底角が鉛直方向の上方側に位置し、角度αの底角が鉛直方向の下方側に位置するように構成され、α>βとなっている。これにより、凸部14a及び24aは、いずれも頂点が鉛直下方に偏った形状となっている。
角度α、β、γ、ηの範囲は、一例として、85°≦α≦90°、70°≦β≦80°、60°≦γ≦70°、50°≦η≦60°であるが、これに限るものではない。
凹凸層14及び24の材料としては、凹凸を形成しやすい材料を用いるとよく、例えばアクリル等の樹脂材料を用いることができる。凹凸層14及び24の凹凸は、例えば、インプリント法によって形成することができる。凹凸層14及び24の屈折率は、例えば1.5である。
また、凹凸層14(又は24)は、一対の電極12a及び12b(又は一対の電極22a及び22b)によって屈折率調整層13(又は23)に電界を与えることができさえすれば、絶縁性の樹脂材料のみによって構成されていてもよいが、導電性を有していてもよい。この場合、凹凸層14及び24の材料は、導電性高分子又は導電体含有樹脂等である。導電性高分子としては、PEDOT等が挙げられる。導電体含有樹脂としては、銀ナノワイヤ等の導電体とこの導電体を含有するセルロースやアクリル等の樹脂とからなる混合材料(導電体含有樹脂)が挙げられる。銀ナノワイヤと樹脂との混合材料を用いた場合、凹凸層14及び24の屈折率を樹脂の材料で調整することができる。
なお、凹凸層14(又は24)は、電極12b(又は22b)と同じ材料を用いて形成してもよい。この場合、凹凸層14(又は24)と電極12b(22b)とは、一体的に形成されて一体化されていてもよいし、別体で形成されていてもよい。
[配向膜]
配向膜15は、屈折率調整層13の液晶分子を一定の方向に配向させる。同様に、配向膜25は、屈折率調整層23の液晶分子を一定の方向に配向させる。配向膜15及び25は、無機材料で構成されていてもよいし、ポリイミド等の有機材料で構成されていてもよい。
[光学デバイスの光学作用]
次に、実施の形態に係る光学デバイス1の光学作用について、図2A及び図2Bを用いて説明する。
図2A及び図2Bに示すように、光学デバイス1では、例えば、第1光学素子10の基材11aから入射した光を透過して、入射した光を第2光学素子20の基材21aから出射させることができる。この場合、屈折率調整層13及び23の屈折率を変化させることによって光学デバイス1から出射する光の出射角を制御することができる。
具体的には、図2Aに示すように、一対の電極12a及び12bと一対の電極22a及び22bとに電圧が印加されていない場合(電圧無印加の場合)は、屈折率調整層13及び23には電界が与えられないので、屈折率調整層13及び23における液晶分子の配向状態は変化しない。
この場合、屈折率調整層13と凹凸層14との屈折率差及び屈折率調整層23と凹凸層24との屈折率差は、いずれもゼロであるか、あっても小さいので、光学デバイス1に入射した光は曲げられることなくそのまま直進する。つまり、光学デバイス1に入射した光は、進行方向が変化することなく光学デバイス1を透過する。したがって、光学デバイス1は透明状態となる。
一方、図2Bに示すように、一対の電極12a及び12bと一対の電極22a及び22bとに電圧が印加されている場合(電圧印加の場合)は、屈折率調整層13及び23には電界が与えられるので、屈折率調整層13及び23における液晶分子の配向状態が変化する。具体的には、液晶分子は並び方を変えることになる。
この場合、屈折率調整層13と凹凸層14との屈折率差及び屈折率調整層23と凹凸層24との屈折率差が大きくなるので、図2Bの矢印で示されるように、光学デバイス1に入射した光は曲げられる。具体的には、光学デバイス1に入射した光は、屈折率差が生じている部分で進行方向が変化して光学デバイス1を透過する。
このとき、光の進行方向の変化は、例えば、屈折率調整層13と凹凸層14との凹凸界面、及び、屈折率調整層23と凹凸層24との凹凸界面で生じる。具体的には、屈折率調整層13から凹凸層14に入射する光は、屈折率調整層13と凹凸層14との凹凸界面で屈折する。また、屈折率調整層23から凹凸層24の凸部24aに入射する光は、凸部24aの下側の表面で全反射する。
これにより、斜め下方に向かって光学デバイス1に入射する太陽光等の外光は、一定の仰角で光学デバイス1から出射して斜め上方に進行する。
[光学デバイスの使用例]
次に、実施の形態に係る光学デバイス1の使用例について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る光学デバイス1の使用例を示す図であり、図3では、光学デバイス1を建物の窓として用いた場合を示している。なお、詳細は図示されていないが、図3において、光学デバイス1は、例えば第1光学素子10が室外側で第2光学素子20が室内側となるように配置されている。
図3に示すように、光学デバイス1を建物100の外壁110に取り付けた場合、太陽光等の外光を室内の奥側にまで進入させることができる。例えば、光学デバイス1に対して斜め上方から斜め下方に向かって太陽光が入射する場合、太陽光は、光学デバイス1の凹凸面で全反射して跳ね返る方向に(戻る方向)に曲げられる。これにより、室内に取り込んで太陽光を室内の天井の奥側にまで届かせることができるので、天井面の広い範囲にわたって太陽光を照射させることができる。
なお、光学デバイス1は、建物100の外壁110以外に取り付けられてもよく、例えば、建物100の内壁やパーティションに取り付けられてもよい。また、光学デバイス1の用途は、建物用の窓に限るものではなく、例えば車載用の窓等として用いてもよい。
[効果等]
次に、実施の形態に係る光学デバイス1の効果等について、比較例の光学デバイス100と対比して説明する。図4は、比較例の光学デバイス100の断面図である。
図4に示すように、比較例の光学デバイス100は、図1に示す光学デバイス1の第1光学素子10のみによって構成されており、一対の電極12a及び12bと、屈折率調整層13と、凹凸層14とを備えている。ただし、比較例の光学デバイス100では、基材11bが光入射側に位置し、基材11aが光出射側に位置している。
比較例の光学デバイス100では、一対の電極12a及び12bに電圧を印加して屈折率調整層13の屈折率を変化させることで、光学デバイス100に入射する光を凹凸層14の凹凸面で全反射させて進行方向を変えることができる。
このとき、比較例の光学デバイス100において、屈折率調整層13の材料として液晶を用いた場合、液晶の複屈折率の大きさは、一般に0.2、最大でも0.3程度であるため、凹凸層14と屈折率調整層13との屈折率差は0.2〜0.3程度となる。
ここで、太陽の南中高度は、東京の場合、冬至で30°、春分、秋分で55°、夏至で80°程度であり、太陽高度の範囲(高度幅)は50°である。南中高度が高くなると、そもそも窓の鉛直面に入射する太陽光の光量が減るので、太陽光を室内に取り込むことによる照明器具の省電力化の効果は小さい。一方、太陽高度が30°〜60°のときの太陽光を室内に効果的に取り込むことができれば、照明器具の省電力化の効果は大きい。つまり、少なくとも30°の高度幅で太陽光を室内に取り込むことができれば、照明器具の十分な省電力化を図ることができる。
一般的なオフィスでは、窓際からの奥行き長さが約10mである。このとき、部屋の奥の天井にまで外光を届かせるには、窓に差し込む太陽光を仰角2°〜10°で天井方向へ配光させる必要がある。
しかしながら、図3に示す光学デバイス100を窓として用いても、太陽光が凹凸層14の凹凸面で全反射できる太陽高度の範囲(高度幅)は10°〜15°程度であるので、太陽光を凹凸層14の凹凸面で全反射させるのに本来必要な30°という高度幅を実現することができない。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、凹凸層を有する2つの光学素子を積層することで、太陽光を凹凸層の凹凸面で全反射させることができる太陽高度の範囲(高度幅)を30°に拡大できることを見出した。
具体的には、図2A及び図2Bに示すように、凹凸層14と凹凸層24とが背合わせとなるように第1光学素子10と第2光学素子20とを積層した光学デバイス1を窓として用いることで、光学デバイス1に差し込む太陽光を光学デバイス2の出射時点で仰角2°〜10°とし、天井方向へ配光させることが可能となる。
この場合、太陽側に配置された第1光学素子10によって、太陽高度が30°〜60°のときに入射する太陽光を、0°〜10°程度の出射角で出射させればよい。具体的には、太陽高度が30°〜60°のときに入射する太陽光を屈折率調整層13と凹凸層14との界面で屈折させて、光学デバイス1の出射時点で出射角が30°〜40°程度(基材から空気への出射角に相当)の光にまず変換させておけばよい。これにより、第2光学素子20に入射する光の入射角を30°〜40°程度(空気から基材への入射角に相当)にすることができる。そして、30°〜40°程度の入射角で第2光学素子20に入射する光を凹凸層24で全反射させることで、2°〜10°の仰角で天井方向へ向けて出射させることができる。したがって、太陽高度が30°〜60°のときの太陽光を、オフィス等の室内の奥まで配光することができる。
このように、本実施の形態における光学デバイス1によれば、太陽高度が30°〜60°のときに光学デバイス1に入射する太陽光を、第1光学素子10では入射角よりも出射角が小さくなるように屈折させて進行させて第2光学素子20に入射させている。そして、第2光学素子20では入射した光を凹凸層24で全反射させている。これにより、所定の仰角で天井方向に向かって進行させることができる。
なお、屈折率調整層13及び23に印加する電圧を調整して屈折率調整層13及び23の屈折率を適宜制御することによって、第2光学素子20から出射する光の仰角を容易に2°〜10°にすることができる。
例えば、屈折率調整層13及び23の材料として液晶を用いた場合、屈折率調整層13及び23に電圧を印加すると液晶の屈折率が変化する。このため、屈折率調整層13及び23に印加する電圧を調整することによって、屈折率調整層13と凹凸層14との界面における屈折角、及び、屈折率調整層23と凹凸層24との界面における全反射角を変化させることができる。これにより、屈折率調整層13及び23に電圧を印加することで、2°〜10°の仰角となるように屈折率調整層13及び23(液晶)の屈折率を適宜調整することができる。なお、第1光学素子10と第2光学素子とを独立して駆動して屈折率調整層13及び23への電圧印加を個別に行ってもよい。これにより、光学デバイス1から出射する光の仰角をより細かく調整することが可能となる。
以上のとおり、本実施の形態に係る光学デバイス1は、屈折率調整層13及び23を有するアクティブ型の光学デバイスであって、第1光学素子10と第2光学素子とが互いの凹凸層14及び24の凸部14a及び24aの底面が向かい合うように積層された構成となっている。
これにより、季節や時間によって太陽高度が異なる場合でも室内の広い範囲にムラなく外光を取り入れることができる。
また、本実施の形態において、複数の凸部14a及び24aの各々の断面形状は、略三角形である。
これにより、複数の凸部14a及び24の各々において光を容易に曲げることができる。例えば、複数の凸部14a及び24の各々の界面において光を屈折させたり全反射させたりすることができる。
また、本実施の形態において、第1光学素子10における複数の凸部14aの各々の2つの底角の角度を一の方向からα、βとし、第2光学素子20における複数の凸部24aの各々の2つの底角の角度を上記一の方向からγ、ηとすると、α>β>γ>ηの関係を満たしている。この場合、60°≦α≦70°、50°≦β≦60°、85°≦γ≦90°、70°≦η≦80°であるとよい。
これにより、30°〜60°の入射角で入射した光を2°〜10°の仰角で容易に出射させることができる。
また、本実施の形態において、屈折率調整層13及び23は、複屈折性を有する電界応答性の媒質を含んでいる。
具体的には、凹凸層14及び24に接するように、屈折率調整層13及び23として電界応答性を有する複屈折材料を設けている。これにより、凹凸層14と屈折率調整層13との屈折率マッチング及び凹凸層24と屈折率調整層23との屈折率マッチングを電界で制御することによって、入射する光を曲げることなく透過させたり、入射する光を曲げて透過させたりできるアクティブ型の光学デバイスを容易に実現することができる。
例えば、凹凸層14及び24の屈折率が1.5で、屈折率調整層(液晶)13及び23が1.5と1.7の複屈折率を有する場合、凹凸層14と屈折率調整層13との凹凸界面及び凹凸層24と屈折率調整層23の凹凸界面で光の方向を曲げるには、屈折率が1.5の凹凸層14及び24に対して、電界制御によって屈折率調整層13及び23の屈折率を1.7とすればよい。この場合、凹凸層14(又は24)と屈折率調整層13(又は23)との屈折率差(0.2)によって入射光を凹凸界面で全反射させて天井方向へ出射させることができる。
なお、パッシブ型の光学デバイスを用いて凹凸層の凹凸界面で光を曲げると、凹凸界面で光の散乱が発生するために透明性を確保することが難しくなる。つまり、パッシブ型の光学デバイスを窓として用いた場合、光学デバイスに入射する光を曲げて室内の天井に導かせることはできるものの、光学デバイスが透明状態にならないので、窓本来の透明性を確保することができない。これに対して、本実施の形態のようにアクティブ型の光学デバイスにすることで、電圧無印加時に透明状態にすることができるので窓本来の透明性を確保することもできる。
また、本実施の形態において、屈折率調整層13及び23の媒質は、液晶材料を含んでおり、液晶材料に含まれる液晶分子は、光学デバイス1の厚み方向と平行な方向に配向していてもよい。つまり、屈折率調整層13及び23の媒質としては、ネガ型の液晶材料を用いている。
これにより、ネガ型の液晶材料を用いた屈折率調整層13及び23を有するアクティブ型の光学デバイスを実現できる。
あるいは、屈折率調整層13及び23の媒質としてポジ型の液晶材料を用いてもよい。つまり、屈折率調整層13及び23の媒質は、液晶材料を含んでいて、液晶材料に含まれる液晶分子が、複数の凸部14a及び24aの並び方向と平行な方向に配向していてもよい。
これにより、ポジ型の液晶材料を用いた屈折率調整層13及び23を有するアクティブ型の光学デバイスを実現できる。
また、本実施の形態において、複数の凸部14a及び24aは、ストライプ形状である。
これにより、モールド成形又はナノプリント等によって複数の凸部14a及び24aを容易に形成することができる。
なお、ストライプ形状の配列(ピッチ)や高さをランダムにすれば、凹凸界面での微小な回折光や散乱光が波長で平均化され出射光の色付きが抑制される効果がある。ランダム化の手法としては、例えば誤差分布や指数分布を用いることができる。
(実施例)
以下、実際に作製した実施例に係る光学デバイス1について説明する。
本実施例では、基材11aとして透明な樹脂基板を用いて、この樹脂基板上に電極12aとして膜厚が100nmを形成した。同様に、基材11bとして透明な樹脂基板を用いて、この樹脂基板上に電極12bとして膜厚を100nmで形成した。
電極12aが形成された基材11aには、アクリル樹脂(屈折率1.5)を用いて、各々が高さ10μmの断面三角形状の複数の凸部14aが隙間0μmの等間隔で配置された凹凸層14をモールド型押しにより形成することで、第1透明基板を作製した。
次に、電極12bが形成された基材11bを第2透明基板(対向基板)として用いて、第1透明基板と第2透明基板との間にシール樹脂を形成して第1透明基板と第2透明基板とを封止し、この封止した状態で第1透明基板と第2透明基板との間にネガ型の液晶を真空注入法で注入して屈折率調整層13を形成して第1光学素子10を作製した。
また、第1光学素子10と同様の方法で第2光学素子20を作製した。そして、第1光学素子10と第2光学素子20とを透明樹脂接着剤で貼り合わせることで、光学デバイス1を作製した。このとき、第1光学素子10と第2光学素子20のストライプ状の凸部が互いに略平行状態となるようにした。なお、本実施例において、屈折率調整層13及び23の液晶は共に、常光屈折率(no)が1.5であり、異常光屈折率(ne)が1.7であった。また、凹凸層14及び24の配置は共にストライプ状とした。
このように作製された光学デバイス1では、第1光学素子10及び第2光学素子20が共に電圧無印加である場合、入射角30°で光学デバイス1に入射した光は、第1光学素子10及び第2光学素子20で曲げられることなくそのまま直進する。つまり、配光効果は得られなかった。
次に、第1光学素子10が電圧無印加であり、かつ、第2光学素子20に20Vの電圧を印加した場合、入射角30°で光学デバイス1に入射した光は、そのうちの40%程度が第2光学素子20で全反射して曲げられて仰角7°で天井方向へ向けて出射した。つまり、配光効果が得られた。一方、入射角30°で光学デバイス1に入射した光のうちの残りの40%程度の光は、曲げられることなくそのまま直進する直進光となった。
このように、本実施例では、光を曲げて配光しつつ入射した光の一部を直進透過させることで、光学デバイス1を窓として用いた場合に、太陽光を室内の天井の奥側にまで届かせることができるだけではなく、光学デバイス1を介して室内から室外を視認することができる効果も得られた。
次に、光学デバイス1に入射させる光の入射角を60°とした。このとき、第1光学素子10及び第2光学素子20に共に20Vの電圧を印加したところ、入射角60°で光学デバイス1に入射した光は、そのうちの35%程度が第2光学素子20で全反射して曲げられて仰角7°で天井方向へ向けて出射した。つまり、配光効果が得られた。一方、射角60°で光学デバイス1に入射した光のうちの残りの40%程度の光は、曲げられることなくそのまま直進する直進光となった。
入射角が30°の場合も60°の場合も直進光が必ず得られるのは、液晶は複屈折を有するからである。つまり、液晶に対して光を曲げること(配光)に寄与するのは太陽光の主にS波であって太陽光のP波は大部分が配光されずに直進光となるからである。
(変形例)
以上、本発明に係る光学デバイスについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、複数の凸部14a及び24aの高さは、一定としたが、これに限るものではなく、図5に示すように、ランダムであってもよい。複数の凸部14a及び24aの高さをランダムにすることによって、上述のように、光学デバイス1から出射する光の色付き(色がずれて虹色に見えてしまうこと)を抑制できる。つまり、複数の凸部14a及び24aの高さをランダムに異ならせることで、凹凸界面での微小な回折光や散乱光が波長で平均化されて出射光の色付きが抑制される。なお、複数の凸部14a及び24aの高さをランダムにする場合であっても、α>β>γ>ηの関係を満たしている。
また、複数の凸部14a及び24aの高さを一定とした場合であっても、図6に示すように、凹凸層24の各凸部24aについて、一方の側面(傾斜面)が平面で、他方の側面(斜辺)が外方に凸状をなす湾曲面を有するように構成することで、光学デバイスを透過する光の色がずれて虹色に見えてしまうことを抑制できる。つまり、凸部24aの他方の側面を外側に向けて凸面をなすように膨らむように形成することで、色ずれを抑制することができる。
また、本変形例では、図6に示すように、各凸部24aの上側の側面を平面とし、下側の側面を湾曲面とし、さらに、凸部24aの湾曲面が、当該凸部24aの底部から頂部にかけて曲率が増加する形状となっている。この構成により、光学デバイス1に入射して下方向(床方向)へ向かう光は、曲率が大きい凸部24aの頂部(先端)付近において様々な方向へと進行することになる。この結果、光の波長分散が平均化されるので、上記の色ずれを効果的に低減できる。
なお、本願発明者らの実験によれば、凸部24aの一方の面を平面としつつ、他方の側面を凸面ではなく内側に向けて凹ませた凹面にすると、色ずれが低減するどころか、色ずれが悪化することが分かった。このため、凸部24aの他方の側面は、外側に向けて凸面をなすように形成するとよい。
また、図7に示すように、図6における凸部24aの湾曲面を有する他方の側面(下側の側面)の根元部分を基板垂直方向に切断して切り落として凹部24bを形成して、当該凸部24aの他方の側面が根元部分に平面(平坦)を有するように構成してもよい。この場合、隣り合う2つの凸部24aは、根元部分では所定の間隔をあけて形成される。したがって、凹部24bには、屈折率調整層23の媒質(液晶材料)が存在する。つまり、隣り合う2つの凸部24aの底付近にまで屈折率調整層23の媒質(液晶材料)を存在させることができる。
なお、図6及び図7では、各凸部24aの上側の側面を平面とし、下側の側面を湾曲面としているが、上側の側面を湾曲面とし、下側の側面を平面にしてもよい。また、図6及び図7では、第2光学素子20の凹凸層24の凸部24aのみを図示しているが、第1光学素子10の凹凸層14の凸部14aについても同様の構成としてもよい。つまり、凸部24a及び14aの少なくとも一方について、一方の側面が平面で、他方の側面が湾曲面を有するように構成されていればよい。また、図6及び図7では、凸部24aの頂部が平坦になっているが、図2Aに示すように、凸部24aの頂部は鋭角であってもよい。
また、上記実施の形態において、第1光学素子10の一対の基材の一方と第2光学素子20の一対の基材の一方とを兼用する1つの基材を用いてもよい。具体的には、図1における光学デバイス1において第1光学素子10の基材11bと第2光学素子20の基材21bをと共通化して、図8に示すように、1つの基材31として構成してもよい。この場合、基材31の一方の面に電極12bが形成され、基材31の他方の面に電極22bが形成される。また、接着層30は不要となる。このように、対面する2つの基材11bと基材21bとを1つの基材31で兼用することで、光学デバイス1を薄くすることができるとともに入射する光を容易に制御することができる。
また、上記実施の形態において、凹凸層14及び24における複数の凸部14a及び24aは、図9Aに示すように、いずれもストライプ状に形成したが、これに限るものではない。例えば、図9Bに示すように、複数の凸部14a及び24aをいずれもマトリクス状等に点在するように配置してもよい。また、複数の凸部14a及び複数の凸部24aの一方をストライプ状(図9A)に形成し、複数の凸部14a及び複数の凸部24aの他方を点状に形成してもよい。
また、上記実施の形態において、複数の凸部14a及び24aの各々の断面形状は、略三角形としたが、これに限るものではない。例えば、複数の凸部14a及び24aの各々の断面形状は、台形であってもよい。この場合も、第2光学素子20における複数の凸部24aの各々の2つの底角の角度α、βと、第1光学素子10における複数の凸部14aの各々の2つの底角の角度γ、ηとは、α>β>γ>ηの関係を満たすとよい。
また、上記実施の形態において、屈折率調整層13及び23は、ポリマー構造等の高分子を含む液晶材料によって構成されていてもよい。ポリマー構造は、例えば、網目状の構造であり、ポリマー構造(網目)の間に液晶分子が配置されることによって屈折率の調整が可能となる。高分子を含む液晶材料としては、例えば高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)又はポリマーネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)を用いてもよい。
また、上記実施の形態において、屈折率調整層13及び23の液晶材料としてネマティック液晶を用いたが、この場合、ツイストネマティック液晶(TN液晶)を用いてもよい。
また、上記実施の形態において、屈折率調整層13及び23の液晶材料として、強誘電性液晶等のメモリ性を有する液晶を用いてもよい。これにより、屈折率調整層13及び23がメモリ性を有することになるので、屈折率調整層13及び23に電界が与えられたときの状態が維持される。
また、上記実施の形態において、光学デバイス1に入射する光として太陽光を例示したが、これに限るものではない。例えば、光学デバイス1に入射する光は、照明装置等の発光装置であってもよい。
また、上記実施の形態では、屈折率調整層を有する2つの光学デバイスを用いて太陽光の方位を変えたが、これに限るものでは無い。屈折率調整層を有しないパッシブ型の光学デバイスにおいて、複数の光学デバイスが積層された場合でも、太陽光側の光学デバイスにおいて主に屈折の効果により太陽光の方位を床方向への浅い角度に変えて出射し、室内側の光学デバイスにおいて主に全反射の効果で天井方向へ配光すれば、床面への直射光を減らし、天井面を明るくする一定の効果が得られる。
なお、その他、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 光学デバイス
10 第1光学素子
11a、11b、21a、21b 基材
12a、12b、22a、22b 電極
13、23 屈折率調整層
14、24 凹凸層
14a、24a 凸部
20 第2光学素子
24b 凹部

Claims (11)

  1. 第1光学素子と第2光学素子とを有する光学デバイスであって、
    前記第1光学素子及び前記第2光学素子の各々は、
    透光性を有する一対の基材と、
    前記一対の基材の間に設けられた透光性を有する一対の電極と、
    前記一対の電極の間に設けられた屈折率調整層と、
    前記一対の電極の一方の上に形成された、複数の凸部を有する凹凸層とを備え、
    前記第1光学素子と前記第2光学素子とは、互いの前記凹凸層の前記凸部の底面が向かい合うように積層されている、
    光学デバイス。
  2. 前記複数の凸部の各々の断面形状は、略三角形又は台形である、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  3. 前記第2光学素子における前記複数の凸部の各々の2つの底角の角度を一の方向からα、βとすると、
    前記第1光学素子における前記複数の凸部の各々の2つの底角の角度を前記一の方向からγ、ηとし、
    α>β>γ>ηの関係を満たす、
    請求項2に記載の光学デバイス。
  4. 85°≦α≦90°、70°≦β≦80°、60°≦γ≦70°、50°≦η≦60°、である、
    請求項3に記載の光学デバイス。
  5. 前記複数の凸部の各々は、一方の側面が平面であり、他方の側面が外方に凸状をなす湾曲面を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  6. 前記湾曲面は、前記凸部の底部から頂部にかけて曲率が増加する形状である、
    請求項5に記載の光学デバイス。
  7. 前記他方の側面は、前記凸部の根元部分に平面を有し、
    隣り合う2つの前記凸部は、所定の間隔をあけて形成されている、
    請求項5又は6に記載の光学デバイス。
  8. 前記屈折率調整層は、複屈折性及び電界応答性を有する媒質を含む、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  9. 前記媒質は、液晶材料を含み、
    前記液晶材料に含まれる液晶分子は、前記複数の凸部の並び方向と平行な方向に配向している、
    請求項8に記載の光学デバイス。
  10. 前記媒質は、液晶材料を含み、
    前記液晶材料に含まれる液晶分子は、前記光学デバイスの厚み方向と平行な方向に配向している、
    請求項8に記載の光学デバイス。
  11. 前記複数の凸部は、ストライプ形状である、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学デバイス。
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