JP2017156687A - 光学デバイス - Google Patents

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Hiroshi Kubota
浩史 久保田
一樹 北村
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一樹 北村
伊藤 宜弘
Nobuhiro Ito
宜弘 伊藤
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Abstract

【課題】透明性を確保しつつ外光を折り曲げるように配光することができ、かつ、室内の照度分布を小さくできる光学デバイスを提供する。【解決手段】第1光学素子10と第2光学素子20とが積層された光学デバイス1であって、第1光学素子10は、透光性を有する第1基板11と、第1基板11に対向し、透光性を有する第2基板12と、第1基板11と第2基板12との間に配置され、複屈折材料を含む媒質からなる媒質層13と、媒質層13と第2基板12との間に配置され、第2基板12の第1基板11側の第1面に沿って配列された複数の凸部14aを有する凹凸層14とを備え、第2光学素子20は、第1光学素子10の第2基板12側に配置され、複数の凸部14aの配列方向に沿って配列された複数の板状構造体23aを備え、複数の板状構造体23aの各々は、一方の面が光反射面S1であり、他方の面が光吸収面S2である。【選択図】図2

Description

本発明は、光学デバイスに関する。
室外から入射する太陽光等の外光の進行方向を変更して当該外光を室内に導入することができる光学デバイスが提案されている。例えば、この種の光学デバイスとして、特許文献1には、窓に配置することで入射する太陽光の進行方向を変更して室内の天井等に導くことができる採光シートが開示されている。特許文献1に開示された採光シートは、透明シート材に形成した凹状溝に充填材を充填して反射面を形成し、この反射面による反射により太陽光の光路を折り曲げて太陽光を室内に導入している。
特開2012−255951号公報
特許文献1に開示された採光シートのように凹凸層(凹凸構造)を有する光学デバイスを窓に貼り付けて用いた場合、凹凸層と樹脂層又は空気層との凹凸界面で外光を全反射させることができる。これにより、太陽光等の外光を室内の広い範囲に取り入れることができるので、室内照度を向上させることができる。この結果、室内の照明器具を消灯させたり照明器具の光出力を抑えたりできるので、省電力化を図ることができる。
しかしながら、従来の光学デバイスでは、凹凸層の周辺媒質が空気である場合、S波(S偏光)及びP波(P偏光)のいずれについても凹凸層で全反射するため、外光の直進光成分が大幅に低減する。このため、室内の中から外の景色を見ることができるという窓本来の基本機能(以下、透明性と記載する)が失われてしまう。
そこで、凹凸層の周辺媒質として液晶を用いた光学デバイスが検討されている。液晶は、複屈折性(2つの屈折率)を有しているので、S波については凹凸層と液晶との界面で全反射し、P波については凹凸層と液晶との界面で全反射することなく直進する。この場合、外の景色からの反射光(景色光)のP波は、光学デバイスを透過して室内にいる人の目に入るため、室内の中から外の景色を見ることができる。このため、窓の透明性を確保することができる。
しかしながら、このような光学デバイスを用いて太陽光を室内に入射させると、太陽光のS波については凹凸層によって天井面に向けて配光させることができるが、太陽光のP波については天井面に向けて配光させることができない。このため、太陽光のP波は床面に向かって直進することになる。この結果、窓付近の床面照度が明るくなり、室内の照度分布が悪化するという新たな課題が発生する。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、透明性を確保しつつ外光を折り曲げるように配光することができ、かつ、室内の照度分布を小さくできる光学デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光学デバイスの一態様は、第1光学素子と第2光学素子とが積層された光学デバイスであって、前記第1光学素子は、透光性を有する第1基板と、前記第1基板に対向し、透光性を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、複屈折材料を含む媒質からなる媒質層と、前記媒質層と前記第2基板との間に配置され、前記第2基板の前記第1基板側の第1面に沿って配列された複数の凸部を有する凹凸層とを備え、前記第2光学素子は、前記第1光学素子の前記第2基板側に配置され、前記複数の凸部の配列方向に沿って配列された複数の板状構造体を備え、前記複数の板状構造体の各々は、一方の面が光反射面であり、他方の面が光吸収面である。
本発明によれば、透明性を確保しつつ外光を折り曲げるように配光することができ、かつ、室内の照度分布を小さくできる。
実施の形態に係る光学デバイスの断面図である。 実施の形態に係る光学デバイスの拡大断面図である。 実施の形態に係る光学デバイスにおける凹凸層の凸部の構成を模式的に示す斜視図である。 実施の形態に係る光学デバイスの拡大断面図である。 実施の形態に係る光学デバイスの使用例を示す図である。 実施例の光学デバイスを窓に設置したときの室内の照度分布を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、Z軸方向のプラス方向を鉛直下方としている。また、本明細書において、「厚み方向」とは、光学デバイスの厚み方向を意味し、第1基板11、第2基板12、第3基板21又は第4基板22の主面に垂直な方向のことである。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る光学デバイス1について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る光学デバイス1の断面図である。図2は、図1の破線で囲まれる領域IIにおける同光学デバイス1の拡大断面図である。
図1及び図2に示すように、光学デバイス1は、光を制御するための光制御デバイスであり、第1光学素子10と第2光学素子20とを有する。具体的には、光学デバイス1は、光学デバイス1に入射する光の進行方向を変更して(つまり配光して)出射させることができる配光素子である。
光学デバイス1は、第1光学素子と第2光学素子とが積層された構造である。本実施の形態において、第2光学素子20は、第1光学素子10の第2基板12側に配置されている。したがって、第2光学素子20には、第1光学素子10から出射する光が入射する。
第1光学素子10と第2光学素子20とは、例えば透明樹脂接着剤等の粘着剤又は接着剤によって貼り合わされる。具体的には、第1光学素子10の第2基板12と第2光学素子20の第3基板21とが接着剤によって貼り合わされる。
第1光学素子10は、光学デバイス1に入射する光を所定の出射角の光に変換して出射させる機能を有する。本実施の形態において、第1光学素子10は、出射角が入射角よりも小さくなるように光学デバイス1に入射する光を制御している。第1光学素子10から出射する光は、第2光学素子20に入射する。
第1光学素子10は、第1基板11と、第2基板12と、媒質層13と、凹凸層14と、第1電極15と、第2電極16と、配向膜17を備える。第1光学素子10では、第1基板11と第2基板12との間に、第1電極15、配向膜17、媒質層13、凹凸層14及び第2電極16がこの順で厚み方向に配置されている。また、第1光学素子10では、例えば、第1基板11側から入射した光が第2基板12から出射する。
また、第2光学素子20は、第1光学素子10から出射する光の一部を反射させて第2光学素子20から出射させるとともに、第1光学素子10から出射する光の他の一部を吸収して第2光学素子20から出射させない機能(ルーバー機能)を有する。
第2光学素子20は、第3基板21と、第4基板22と、ルーバー層23とを備える。第2光学素子20では、例えば、第3基板21から入射した光が第4基板22から出射する。
以下、光学デバイス1の各構成部材について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
[第1基板、第2基板、第3基板、第4基板]
図1及び図2に示すように、第1光学素子10において、第1基板11及び第2基板12は、互いに対向して配置されている。つまり、第2基板12は、第1基板11に対向する対向基板であり、第1基板11に対向する位置に配置される。第1基板11及び第2基板12は、第1電極15、配向膜17、媒質層13及び凹凸層14及び第2電極16の積層構造を間に配置して、この積層構造を支持するとともにこの積層構造を保護する。第1基板11と第2基板12とは、互いの端部外周に接着剤等のシール樹脂を形成することで接着されている。
また、第2光学素子20において、第3基板21及び第4基板22は、互いに対向して配置されている。第3基板21及び第4基板22は、ルーバー層23を間に配置して、ルーバー層23を支持するとともにルーバー層23を保護する。
第1基板11、第2基板12、第3基板21及び第4基板22は、透光性を有する透光性基板であり、例えば透明基板である。第1基板11、第2基板12、第3基板21及び第4基板22としては、例えばガラス基板又は樹脂基板を用いることができる。ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス又は高屈折率ガラス等が挙げられる。樹脂基板の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)又はエポキシ等の樹脂材料が挙げられる。ガラス基板は、光透過率が高く、かつ、水分の透過性が低いという利点がある。一方、樹脂基板は、破壊時の飛散が少ないという利点がある。第1基板11、第2基板12、第3基板21及び第4基板22は、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよいが、同じ材料で構成されている方がよい。また、第1基板11、第2基板12、第3基板21及び第4基板22は、リジッド基板に限るものではなく、可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。本実施の形態において、第1基板11、第2基板12、第3基板21及び第4基板22は、PET樹脂からなる透明樹脂基板である。
なお、第1基板11、第2基板12、第3基板21及び第4基板22の平面視形状は、例えば、正方形や長方形の矩形状であるが、これに限るものではなく、円形又は四角形以外の多角形であってもよく、任意の形状が採用され得る。
[媒質層]
図1及び図2に示すように、媒質層13は、第1基板11と第2基板12との間に配置されている。本実施の形態において、媒質層13は、配向膜17と凹凸層14との間に配置されている。媒質層13の第1基板11側は配向膜17に接している。また、媒質層13の第2基板12側は凹凸層14に接している。
媒質層13は、透光性を有しており、入射した光を透過させる。また、媒質層13は、複屈折材料を含む媒質からなる。したがって、媒質層13に入射する光は、複屈折材料による光学作用を受けて媒質層13を透過する。
媒質層13を構成する複屈折材料は、例えば、複屈折性及び電界応答性を有する液晶分子を含む液晶である。つまり、本実施の形態において、媒質層13は、液晶からなる液晶層である。このような液晶としては、例えば、液晶分子が棒状分子からなるネマティック液晶又はコレステリック液晶等を用いることができる。液晶は、電界の変化に応じて液晶分子の配向状態が変化して屈折率が変化する。これは、液晶が屈折率異方性を有するためである。本実施の形態において、媒質層13の液晶は、例えば、常光屈折率(no)が1.5で、異常光屈折率(ne)が1.7である。
また、媒質層13は、第1電極15と第2電極16との間に配置されており、一対の第1電極15及び第2電極16に電圧を印加することで媒質層13に電界を与えることができる。したがって、第1電極15及び第2電極16に印加する電圧を制御することによって媒質層13に与えられる電界を変化させることができる。
媒質層13は、与えられる電界に応じて屈折率が変化する。つまり、媒質層13は、電界を調整することで屈折率を調整することができる屈折率調整層として機能する。本実施の形態では媒質層13が液晶によって構成されているので、媒質層13は、液晶分子の配向状態が変化することで屈折率が変化する。
なお、第1電極15及び第2電極16に印加する電圧の値を調整して媒質層13に与える電界の強さを変更することで、媒質層13の屈折率を段階的に変化させることができる。これにより、媒質層13と凹凸層14との間の屈折率差を調整できるので、媒質層13と凹凸層14との界面での光の屈折角を調整できる。
本実施の形態では、媒質層13の複屈折材料としてポジ型の液晶を用いているので、図2に示すように、一対の第1電極15及び第2電極16に電圧が印加されていない場合(媒質層13に電界が与えられていない場合)、棒状の液晶分子は、長手方向がX軸方向に向くように配向している。
[凹凸層]
図1及び図2に示すように、凹凸層14は、媒質層13と第2基板12との間に配置されている。本実施の形態において、凹凸層14は、第1基板11側及び第2基板12側のうち第2基板12側に配置されている。具体的に、凹凸層14は、第2基板12に形成された第2電極16の上に形成されている。
凹凸層14は、第2基板12の第1基板11側の面(第1面)に沿って配列された複数の凸部14aを有する。凹凸層14は、各々がマイクロオーダサイズの複数の凸部14aによって構成された凹凸構造体である。各凸部14aの高さは、例えば5μm〜50μmであるが、これに限るものではない。
複数の凸部14aの各々は、厚み方向に対して所定の傾斜角で傾斜する一対の傾斜面を有する。本実施の形態において、凹凸層14は第2基板12側に形成されているので、各凸部14aの断面形状は、第2基板12から第1基板11に向かう方向に沿って先細りのテーパ形状である。つまり、一対の傾斜面の間隔(凸部14aの幅)は、第2基板12から第1基板11に向かって漸次小さくなっている。
図3に示すように、複数の凸部14aの各々は、ストライプ状に形成されている。図3は、凹凸層14の凸部14aの構成を模式的に示す斜視図である。本実施の形態において、複数の凸部14aの各々は同じ形状であり、Z軸方向に沿って等間隔で配列されている。各凸部14aは、例えば長尺状の三角柱形状である。具体的には、図4に示すように、複数の凸部14aの各々の断面形状は、第2基板12側の2つの角を底角とする三角形である。つまり、凸部14aは、三角形の底辺が第2基板12側に位置するように配置されている。
一例として、各凸部14aは、断面形状(三角形)における高さが5μm〜50μmで、アスペクト比(高さ/底辺)が1〜5程度である。また、隣り合う2つの凸部14a同士の頂点の間隔(ピッチ)は、例えば5μm〜50μmである。なお、凸部14aの高さやアスペクト比、ピッチは、これらの範囲に限定されるものではない。
また、図4に示すように、各凸部14aにおいて、三角形の頂角を第2基板12の第1基板11側の面(第1面)の法線で二分したときの鉛直方向上側の一方の角を上角αとし、鉛直方向下側の他方の角を下角βとした場合、上角αは、下角βより小さい(α<β)。上角α及び下角βの各々は5°以上25°以下であり、かつ、上角αと下角βとの合計は30°以下であるとよい。
凹凸層14(凸部14a)の材料としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂等の光透過性を有する樹脂材料を用いることができる。凹凸層14は、例えばモールド成形又はナノインプリント等によって形成することができる。一例として、凹凸層14(凸部14a)は、屈折率が1.5のアクリル樹脂である。
また、凹凸層14(凸部14a)は、一対の第1電極15及び第2電極16によって媒質層13に電界を与えることができさえすれば、絶縁性の樹脂材料のみによって構成されていてもよいが、導電性を有していてもよい。この場合、凹凸層14の材料は、導電性高分子又は導電体含有樹脂等である。導電性高分子としては、PEDOT等が挙げられる。また、導電体含有樹脂としては、銀ナノワイヤ等の導電体とこの導電体を含有するセルロースやアクリル等の樹脂とからなる混合材料(導電体含有樹脂)が挙げられる。銀ナノワイヤと樹脂との混合材料を用いた場合、凹凸層14の屈折率を樹脂の材料で調整することができる。
なお、凹凸層14は、第2電極16と同じ材料を用いて形成してもよい。この場合、凹凸層14と第2電極16とは、一体的に形成されて一体化されていてもよいし、別体で形成されていてもよい。
[第1電極、第2電極]
図1及び図2に示すように、第1電極15及び第2電極16は、第1基板11及び第2基板12の間に設けられている。本実施の形態において、第1電極15は、第1基板11の上に形成されており、第2電極16は、第2基板12の上に形成されている。また、第1電極15及び第2電極16は、媒質層13及び凹凸層14を挟むように設けられている。
第1電極15及び第2電極16は、電気的に対となっており、媒質層13に電界を与えることができるように構成されている。なお、第1電極15及び第2電極16は、電気的だけではなく配置的にも対になっており、互いに対向するように配置されている。
第1電極15及び第2電極16は、光透過性を有し、入射した光を透過する。第1電極15及び第2電極16は、例えば透明導電層である。透明導電層の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明金属酸化物、銀ナノワイヤや導電性粒子等の導電体を含有する樹脂からなる導電体含有樹脂、又は、銀薄膜等の金属薄膜等を用いることができる。なお、第1電極15及び第2電極16は、これらの単層構造であってもよし、これらの積層構造(例えば透明金属酸化物と金属薄膜との積層構造)であってもよい。
第1電極15及び第2電極16は、外部電源との電気接続が可能となるように構成されているとよい。例えば、外部電源に接続するための電極パッド等が、第1電極15及び第2電極16の各々から引き出されて第1基板11及び第2基板12に形成されていてもよい。
[配向膜]
図1及び図2に示すように、配向膜17は、媒質層13に接するように第1電極15の表面に形成されている。配向膜17は、媒質層13の液晶分子を一定の方向に配向させる。配向膜17は、無機材料で構成されていてもよいし、ポリイミド等の有機材料で構成されていてもよい。
[ルーバー層]
図1及び図2に示すように、ルーバー層23は、第3基板21と第4基板22との間に配置されている。本実施の形態において、ルーバー層23は、第3基板21と第4基板22とによって挟持されている。
ルーバー層23は、複数の板状構造体23aと、隣り合う板状構造体23aの間に設けられた透明層23bとを有する。透明層23bは、第3基板21と第4基板22との間における隣り合う2つの板状構造体23aの間に充填されている。
複数の板状構造体23aは、第1光学素子10の第2基板12側に配置されている。また、複数の板状構造体23aは、複数の凸部14aの配列方向に沿って配列されている。例えば、複数の板状構造体23aは、Z軸方向に沿って等間隔で配列されているが、これに限るものではない。
複数の板状構造体23aの各々は、一方の面が光反射面S1であり、他方の面が光吸収面S2である。図2に示すように、本実施の形態において、複数の板状構造体23aの各々は、第1板状部材23a1と、第1板状部材23a1に積層された第2板状部材23a2とを有する。第1板状部材23a1の表面は、板状構造体23aの光反射面S1であり、第2板状部材23a2の表面は、板状構造体23aの光吸収面S2である。つまり、各板状構造体23aは、表面が光反射面S1である第1板状部材23a1と、表面が光吸収面S2である第2板状部材23a2とによって構成されている。
第1板状部材23a1は、例えばアルミニウム等の金属材料によって構成された金属層であるが、表面が光反射性を有していれば、金属材料以外の材料によって構成されていてもよい。
第2板状部材23a2は、例えばカーボン等の黒色材料からなる光吸収材料によって構成された吸収層であるが、表面が光吸収性を有していれば、黒色材料以外の材料によって構成されていてもよい。
透明層23bは、例えばアクリル樹脂等の透明樹脂材料によって構成された透明樹脂層であるが、透光性を有していれば、透明樹脂材料以外の材料によって構成されていてもよい。
複数の板状構造体23aの各々は、第2基板12の第1基板11側の面(第1面)とは反対側の面(第2面)に対して傾斜している。また、複数の板状構造体23aの各々は、第2基板12の第1基板11側の面(第1面)に対しても傾斜している。つまり、各板状構造体23aは、第2基板12の両主面に対して傾斜している。本実施の形態において、複数の板状構造体23aの各々は、第2基板12だけではなく、第1基板11、第3基板21及び第4基板22の各基板の両主面に対しても傾斜している。
具体的には、板状構造体23aは、第4基板22側の端部が第3基板21側の端部よりも鉛直下方に位置するように傾斜している。
各板状構造体23aにおいて、第2基板12の第1基板11側の面(第2面)と光反射面S1とのなす角は、3°以上15°以下である。つまり、図4に示すように、各板状構造体23aにおいて、第3基板21の第4基板22側の面と光反射面S1とのなす角θ(板状構造体23aの傾斜角)は、3°以上15°以下である。
また、図4に示すように、隣り合う2つの板状構造体23aの間隔をdとし、板状構造体23aにおける第2基板12の第1基板11側の面(第2面)の法線方向の高さ(すなわち、板状構造体23aにおける第3基板21の第4基板22側の面の法線方向の高さ)をhとすると、h/dは2以下である。なお、h/dは、板状構造体23aのアスペクト比を表している。
[光学デバイスの光学作用]
次に、実施の形態に係る光学デバイス1の光学作用について、図2を用いて説明する。なお、図2では、第1電極15及び第2電極16に電圧を印加していない時の入射光の光路を示している。
図2に示すように、例えば、光学デバイス1では、第1光学素子10の第1基板11から光が入射し、第1光学素子10及び第2光学素子20を透過して、第2光学素子20の第4基板22から外部に出射する。このとき、光学デバイス1に入射した光は、媒質層13の屈折率に応じて異なる光学作用を受けることになる。
具体的には、第1電極15及び第2電極16に電圧が印加されていない場合(電圧無印加の場合)、媒質層13には電界が与えられないので、媒質層13における液晶分子の配向状態は変化しない。この場合、本実施の形態では媒質層13の複屈折材料がポジ型の液晶であるので、液晶分子は凹凸層14の凹部(溝)に沿って平行に配向する平行配向となるので、媒質層13と凹凸層14との間に屈折率差が生じる。一例として、凹凸層14(凸部14a)の屈折率が1.5であり、媒質層13(液晶)は異常光屈折率が1.7で、常光屈折率が1.5である。
このとき、電圧無印加の場合に、太陽光等のように入射角30度以上で光学デバイス1に対して斜め上方から斜め下方に向かって光が入射すると、このうちのS波は、異常光屈折率(1.7)を感じるため、媒質層13と凹凸層14との間に屈折率差が生じ、媒質層13と凹凸層14(凸部14a)との界面で屈折した後、第2光学素子20のルーバー層23の板状構造体23aの光反射面S1で反射して光学デバイス1の外部に出射する。つまり、電圧無印加の場合、斜め方向から光学デバイス1に入射する光は、跳ね返る方向に(戻る方向)に進行方向が曲げられて、一定の仰角で光学デバイス1から出射して斜め上方に進行する。つまり、斜め方向から光学デバイス1に入射する光は、光学デバイス1によって配光される。なお、配光制御の観点からは、第2光学素子20を通過する光は、板状構造体23aの光反射面S1で1回のみ反射して光学デバイス1から出射するとよい。
一方、太陽光等の斜め方向から光学デバイス1に入射する光のP波については、常光屈折率(1.5)を感じるため、媒質層13と凹凸層14との間に屈折率差がなくなり、媒質層13と凹凸層14(凸部14a)との界面では屈折せずに直進する。このため、P波は、S波よりも下方向へ深い角度で凹凸層14内を進行し、第2光学素子20のルーバー層23の板状構造体23aの光反射面S1で反射した後、板状構造体23aの光吸収面S2で吸収される。これにより、太陽光等の斜め方向から入射する光のP波は、光学デバイス1から出射されない。
なお、図示しないが、光学デバイス1に対して垂直に又は浅い角度で入射する光(例えば景色からの反射光等)についても同様に、S波は媒質層13と凹凸層14との界面で屈折して進行方向が変化するが、P波は媒質層13と凹凸層14との界面では屈折せずに直進する。このため、光学デバイス1に対して垂直に又は浅い角度で入射する光の一部は、ルーバー層23の透明層23b(隣り合う2つの板状構造体23aの隙間)を透過して光学デバイス1から出射する。
また、第1電極15及び第2電極16に電圧が印加されている場合(電圧印加の場合)、媒質層13には電界が与えられるので、媒質層13における液晶分子の配向状態が変化する。この場合、本実施の形態では、媒質層13の複屈折材料がポジ型の液晶であるので、液晶分子は第1基板11及び第2基板12に対して垂直に配向する垂直配向となり、S偏光もP偏光も常光屈折率(1.5)を感じるため、媒質層13と凹凸層14との間に屈折率差がなくなる。このため、電圧印加状態のときに光学デバイス1に入射する光は、S波もP波も媒質層13と凹凸層14(凸部14a)との界面では屈折せずに直進する。
この場合、光学デバイス1に対して斜め上方から斜め下方に向かって入射する光(例えば太陽光等の入射角30度以上で入射する光)は、S波もP波も、第2光学素子20のルーバー層23の板状構造体23aの光反射面S1で反射した後、板状構造体23aの光吸収面S2で吸収されうるが、光学デバイス1に対して浅い入射角で入射する光(例えば景色光)は、S波もP波も直進してルーバー層23の透明層23b(隣り合う2つの板状構造体23aの隙間)を透過する。したがって、高い透明性が発現する。
このように、光学デバイス1は、媒質層13と凹凸層14との屈折率マッチングを電界によって制御することで、光学デバイス1の光学モードを切り替えることができるアクティブ型の光学デバイスである。つまり、第1電極15及び第2電極16に印加する電圧を制御することで、光学デバイス1の光学作用を変化させることができる。
なお、本実施の形態では、媒質層13の複屈折材料をポジ型の液晶としたが、ネガ型の液晶としてもよい。媒質層13の複屈折材料がネガ型の液晶である場合、電圧無印加時においては、媒質層13の液晶分子の配向が第1基板11に対して垂直配向となって媒質層13と凹凸層14との屈折率がほぼ一致して高い透明性が発現する。一方、電圧印加時においては、媒質層13の液晶分子が凹凸層14の凹部(溝)に沿って水平に配向するため媒質層13と凹凸層14との間に屈折率差が生じて入射光を配光する効果が得られる。
[光学デバイスの使用例と作用効果]
次に、実施の形態に係る光学デバイス1の使用例と作用効果について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態に係る光学デバイス1の使用例を示す図であり、図5では、光学デバイス1を窓110に設置した場合を示している。
図5に示すように、光学デバイス1は、建物100の窓110に設置することで、配光機能付き窓として実現することができる。光学デバイス1は、例えば、粘着層を介して窓110に貼り合わされる。この場合、光学デバイス1は、第1基板11の主面が鉛直方向(Z軸方向)と平行となるような姿勢(つまり立設する姿勢)で窓110に設置される。
また、図5では光学デバイス1の詳細な構造が図示されていないが、光学デバイス1は、第1基板11が室外側で第4基板22が室内側となるように配置されている。つまり、図5において、光学デバイス1は、第1基板11が光入射側で、第4基板22が光出射側となるように配置されている。
上述のように、光学デバイス1が電圧無印加状態の場合、太陽光等のように斜め上方から斜め下方に向かって光学デバイス1に外光が入射すると、このうちのS波は、第2光学素子20のルーバー層23の板状構造体23aの光反射面S1で反射するので、光学デバイス1で配光されて天井面に向かって進行する。なお、太陽光のS波の全部が天井面に向かって進行するとは限らない。
一方、太陽光等の外光のP波は、第2光学素子20のルーバー層23の板状構造体23aの光吸収面S2で吸収されるので、光学デバイス1から出射しない。つまり、光学デバイス1に入射する太陽光において、天井への配光に寄与する光はS波である。なお、太陽光のP波の全部が光学デバイス1から出射しないとは限らず、太陽光のP波の一部は、光学デバイス1から出射する場合もある。
このように、光学デバイス1を建物100の窓110に設置した場合、太陽光等の外光を室内の奥側にまで進入させることができる。これにより、太陽光を室内の天井の奥側にまで届かせることができるので、天井面の広い範囲にわたって太陽光を照射させることができる。この結果、室内照度を向上させることができるので、室内の照明器具を消灯させたり照明器具の光出力を抑えたりできるので、省電力化を図ることができる。このとき、太陽高度が30°〜60°(高度幅30°)の範囲の太陽光を室内に取り込むことで、特に省電力化の効果が得られる。しかも、太陽光のP波を板状構造体23aで吸収することで床面に直進する太陽光を遮光することができることから、室内の窓際にいる人が眩しく感じたり窓際の床面照度が極端に明るくなったりすることも抑制できる。
さらに、本実施の形態における光学デバイス1では、電圧無印加状態の場合、景色からの反射光(景色光)の一部については、上述のように、第2光学素子20におけるルーバー層23の透明層23bを透過して光学デバイス1から出射する。
したがって、室内のユーザは透明層23bを介して屋外の景色を見ることができる。つまり、光学デバイス1は透明性を有するので、窓本来の外が見えるという機能を確保することができる。
また、光学デバイス1が電圧印加状態の場合は、S波もP波も媒質層13と凹凸層14との界面で屈折せずに直進するので、景色からの反射光については、S波もP波も第2光学素子20におけるルーバー層23の透明層23bを透過して光学デバイス1から出射する。
したがって、光学デバイス1が電圧無印加状態の場合よりも、光学デバイス1の透明性を向上させることができる。例えば、室内のユーザは、光学デバイス1を意識することなく、屋外の景色を見ることも可能となる。つまり、ユーザは、通常の窓と同様の透明性を感じることが可能となる。
このように構成される光学デバイス1では、第1光学素子10から出射する光(つまり、第2光学素子20に入射する光)が水平面から下方向へ向かって出射するように、第1光学素子10が設計されている。具体的には、凹凸層14の構造、凹凸層14の材料(屈折率)、及び、媒質層13の複屈折材料(複屈折率)等を適宜選択等することで第1光学素子10から出射する光を水平面から下方向へ向かって出射させることができる。言い換えると、第1光学素子10は、第2光学素子20から出射する光が所定の仰角となるように設計されている。
第2光学素子20では、第1光学素子10から出射する光を所定の仰角で出射させるように、ルーバー層23が設計されている。具体的には、板状構造体23aの傾斜角及びアスペクト比等を適宜選択することで第2光学素子20から出射する光を所定の仰角で出射させることができる。
一例として、第1光学素子10に入射する光として太陽高度が30°〜60°の太陽光を想定する場合、第1光学素子10から出射する光の出射角が10°〜20°となるように設計される。この場合、第2光学素子20のルーバー層23を所望に設計することで、第2光学素子20から出射する光の仰角を4.5°〜5.5°にすることができる。
[光学デバイスの実施例]
以下、実際に作製した実施例に係る光学デバイス1について説明する。
本実施例では、第1基板11として透明な樹脂基板を用いて、この樹脂基板上に第1電極15として膜厚が100nmのITO膜を形成した。第1電極15が形成された第1基板11には、アクリル樹脂(屈折率1.5)を用いて、各々の高さが10μmで断面三角形状の複数の凸部14aを隙間0μmの等間隔でストライプ状に配置した凹凸層14をモールド型押しにより形成することで、第1透明基板を作製した。
次に、第2電極16が形成された第2基板12を第2透明基板(対向基板)として用いて、第1透明基板と第2透明基板との間にシール樹脂を形成して第1透明基板と第2透明基板とを封止し、この封止した状態で第1透明基板と第2透明基板との間にポジ型の液晶を真空注入法で注入して媒質層13を形成して第1光学素子10を作製した。
このとき、液晶は、常光屈折率(no)が1.5で、異常光屈折率(ne)が1.7であった。また、凹凸層14の各凸部14aにおいて、上角αは12°で、下角βは14°であった。
次に、アルミニウム膜/カーボン膜/アクリル樹脂(第1板状部材23a1/第2板状部材23a2/透明層23b)を、傾斜角を有するように繰り返し積層したブロックを所定の形状にカットすることでルーバー層23を形成する。そして、第3基板21及び第4基板22として透明な樹脂基板を用いて、ルーバー層23を一対の樹脂基板で挟み込むことで、第2光学素子20を作製した。
このとき、アルミニウム膜及びカーボン膜からなる板状構造体23aの傾斜角は8°であった。また、板状構造体23aのアスペクト比は、4.5であった。
次に、第1光学素子10と第2光学素子20とを透明樹脂接着剤で貼り合わせることで、光学デバイス1を作製した。本実施例では、このように作製した光学デバイス1を、図5に示すように窓に設置した。
このとき、第1電極15及び第2電極16に電圧を印加しない状態(電圧無印加の状態)の場合、光学デバイス1は、入射する外光を折り曲げるように配光することができる。本実施例では、入射角30°で光学デバイス1の斜め上方から入射した光は、仰角5°で光学デバイス1から出射した。この場合、本実施例では、仰角5°の出射光のみが得られた。つまり、入射光のうち配光に寄与しない偏光成分(P波)は、ルーバー層23の第2板状部材23a2(カーボン膜)で吸収されて出射されなかった。
このため、光学デバイス1を設置した窓付近では、床の照度が極端に明るくなることがなく、快適な照度環境を得ることができた。また、ルーバー層23の透明層23b(隣り合う2つの板状構造体23aの隙間)を通して室内から屋外の景色を視認することができるので、光学デバイス1の透明性も確保することができた。
しかも、光学デバイス1を用いることで、室内の照度分布を小さくすることができた。実際に照度分布を測定したところ、奥行き9m、高さ2mの部屋における窓際から400cm〜800cmの範囲内の床の照度分布は、図6に示すように、入射角が30°の太陽光については±5%であり、入射角が60°の太陽光については±3%であった。これにより、照度分布が小さく、作業性に優れた光環境を実現することができた。また、入射角が30°〜60°の広い範囲で均一な照度分布を実現することができた。なお、図6では、床面から1m上の位置における照度分布を示している。
また、第1電極15及び第2電極16に電圧を印加して光学デバイス1に20Vを印加したところ、媒質層13の液晶分子が第1基板11及び第2基板12の主面に対して垂直配向となり、光学デバイス1の配光機能が消滅した。これにより、通常の窓と同様の透明性が得られた。つまり、電圧無印加の場合と比べて、透明性を向上させることができた。
(まとめ)
以上、本実施の形態における光学デバイス1は、第1光学素子10と第2光学素子20との積層構造であり、第1光学素子10は、第1基板11と第2基板12との間に配置され、複屈折材料を含む媒質からなる媒質層13と、媒質層13と第2基板12との間に配置され、第2基板12の第1基板11側の第1面に沿って配列された複数の凸部14aを有する凹凸層14とを備える。また、第2光学素子20は、第1光学素子10の第2基板12側に配置され、複数の凸部14aの配列方向に沿って配列された複数の板状構造体23aを備える。そして、複数の板状構造体23aの各々は、一方の面が光反射面S1であり、他方の面が光吸収面S2である。
これにより、光学デバイス1を窓等に設置した場合に、透明性を確保しつつ太陽光等の外光を折り曲げるように配光することができ、かつ、室内の照度分布を小さくすることができる。
また、本実施の形態において、複数の板状構造体23aの各々は、表面が光反射面S1である第1板状部材23a1と、第1板状部材23a1に積層され、表面が光吸収面S2である第2板状部材23a2とを有する。
これにより、反射機能と吸収機能とを有する板状構造体23aを容易に形成することができる。
また、本実施の形態において、隣り合う板状構造体23aの間には、透明層23bが充填されている。
これにより、光学デバイス1の透明性と板状構造体23aの保持性とを容易に確保することができる。
また、本実施の形態において、複数の板状構造体23aの各々は、第2基板12の第1基板11側の面とは反対側の面(第2面)に対して傾斜している。
これにより、第1光学素子10から第2光学素子20に入射する光を、複数の板状構造体23aによって容易に折れ曲がる方向に進行方向を変えることができる(つまり、配光することができる)。
また、本実施の形態において、板状構造体23aの傾斜角は、3°以上15°以下である。
これにより、第1光学素子10から第2光学素子20に入射する光の一部を板状構造体23aで配光しつつ、他の一部を板状構造体23a同士の隙間から容易に透過させることができる。つまり、光学デバイス1の透明性を容易に確保することができる。
また、本実施の形態において、板状構造体23aのアスペクト比(h/d)は2以下である。
これにより、入射光の配光と透明性の確保と室内の照度分布の均一化との両立を一層容易に図ることができる。
また、本実施の形態において、複数の凸部14aの各々の断面形状は、第2基板12側の2つの角を底角とする三角形であり、複数の凸部14aの各々における上角αが下角βよりも小さい。
これにより、太陽光等の斜め方向から入射する光を、下方向へ向けて第1光学素子10から容易に出射させることができる。したがって、第2光学素子20での配光と透明性との両立を容易に図ることができるとともに、室内の照度分布の均一化を容易に図ることが可能となる。
さらに、本実施の形態において、上角α及び下角βの各々は5°以上25°以下であり、かつ、上角αと下角βとの合計は30°以下である。
これにより、第1光学素子10に第2光学素子20を積層した場合に、透明性の確保と室内の照度分布の均一化との両立をさらに容易に図ることができる。
また、本実施の形態において、媒質層13及び凹凸層14を挟むように設けられた一対の電極として、透光性を有する第1電極15及び第2電極16を備える。
これにより、第1電極15及び第2電極16に印加する電圧を制御することで光学作用を変化させることができるアクティブ型の光学デバイスを実現することができる。
(変形例)
以上、本発明に係る光学デバイスについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、ルーバー層23における板状構造体23a同士の間には透明層23bを形成したが、透明層23bは形成しなくてもよい。この場合、隣り合う板状構造体23aの間は、空気層となる。
また、上記実施の形態において、複数の凸部14aの高さは、一定としたが、これに限るものではなく、ランダムであってもよい。複数の凸部14aの高さをランダムにすることによって、光学デバイス1から出射する光の色付き(虹色に見えてしまうこと)を抑制できる。
また、上記実施の形態において、第1光学素子10の第2基板12と第2光学素子20の第3基板21とを兼用する1つの基板を用いてもよい。この場合、第2基板12と第3基板21とを兼用する1つの基板は、一方の面に第2電極16が形成され、他方の面にルーバー層23が形成される。本変形例では、第2基板12と第3基板21とを貼り合わせるための接着剤が不要となる。また、第2基板12と第3基板21と1つの基板で兼用することで、光学デバイスを薄くすることができるとともに入射光の制御性を向上させることができる。
また、上記実施の形態において、凹凸層14における複数の凸部14aは、ストライプ状に形成したが、これに限るものではない。例えば、複数の凸部14aをマトリクス状等に点在するように配置してもよい。
また、上記実施の形態において、複数の凸部14aの各々の断面形状は、略三角形としたが、これに限るものではない。例えば、複数の凸部14aの各々の断面形状は、台形であってもよい。
また、上記実施の形態において、媒質層13は、ポリマー構造等の高分子を含む液晶材料によって構成されていてもよい。ポリマー構造は、例えば、網目状の構造であり、ポリマー構造(網目)の間に液晶分子が配置されることによって屈折率の調整が可能となる。高分子を含む液晶材料としては、例えば高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)又はポリマーネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)を用いてもよい。
また、上記実施の形態において、媒質層13の液晶材料としてネマティック液晶を用いたが、この場合、ツイストネマティック液晶(TN液晶)を用いてもよい。
また、上記実施の形態において、媒質層13の液晶材料として、強誘電性液晶等のメモリ性を有する液晶を用いてもよい。これにより媒質層13がメモリ性を有することになるので、媒質層13に電界が与えられたときの状態が維持される。
また、上記実施の形態において、光学デバイス1に入射する光として太陽光を例示したが、これに限るものではない。例えば、光学デバイス1に入射する光は、照明装置等の発光装置であってもよい。
また、上記実施の形態において、光学デバイス1は、窓110の室内側の面に貼り付けたが、窓110の屋外側の面に貼り付けてもよい。ただし、光学素子の劣化を抑制するには、光学デバイス1は、窓110の室内側の面に貼り付けた方がよい。また、光学デバイス1を窓に貼り付けたが、光学デバイス1を建物100の窓そのものとして用いてもよい。また、光学デバイス1は、建物100の窓110に設置する場合に限るものではなく、例えば車の窓等に設置してもよい。
また、上記実施の形態における光学デバイス1は、第1電極15及び第2電極16が設けられていたが、第1電極15及び第2電極16は設けられていなくてもよい。つまり、本発明は、パッシブ型の光学デバイスとしても実現できる。
その他、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 光学デバイス
10 第1光学素子
11 第1基板
12 第2基板
13 媒質層
14 凹凸層
14a 凸部
15 第1電極
16 第2電極
20 第2光学素子
23a 板状構造体
23a1 第1板状部材
23a2 第2板状部材
23b 透明層
S1 光反射面
S2 光吸収面

Claims (11)

  1. 第1光学素子と第2光学素子とが積層された光学デバイスであって、
    前記第1光学素子は、
    透光性を有する第1基板と、
    前記第1基板に対向し、透光性を有する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、複屈折材料を含む媒質からなる媒質層と、
    前記媒質層と前記第2基板との間に配置され、前記第2基板の前記第1基板側の第1面に沿って配列された複数の凸部を有する凹凸層とを備え、
    前記第2光学素子は、
    前記第1光学素子の前記第2基板側に配置され、前記複数の凸部の配列方向に沿って配列された複数の板状構造体を備え、
    前記複数の板状構造体の各々は、一方の面が光反射面であり、他方の面が光吸収面である
    光学デバイス。
  2. 前記複数の板状構造体の各々は、
    表面が前記光反射面である第1板状部材と、
    前記第1板状部材に積層され、表面が前記光吸収面である第2板状部材とを有する
    請求項1に記載の光学デバイス。
  3. 隣り合う前記板状構造体の間には、透明層が充填されている
    請求項1又は2に記載の光学デバイス。
  4. 前記複数の板状構造体の各々は、前記第2基板の前記第1面とは反対側の第2面に対して傾斜している
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  5. 前記第2基板の前記第2面と前記光反射面とのなす角は、3°以上15°以下である
    請求項4に記載の光学デバイス。
  6. 隣り合う2つの前記板状構造体の間隔をdとし、前記板状構造体における前記第2基板の前記第2面の法線方向の高さをhとすると、h/dは2以下である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  7. 前記複数の凸部の各々の断面形状は、前記第2基板側の2つの角を底角とする三角形であり、
    前記三角形の頂角を前記第2基板の前記第1面の法線で二分したときの鉛直方向上側の一方の角を上角とし、鉛直方向下側の他方の角を下角とした場合、上角は、下角より小さい
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  8. 前記上角及び前記下角の各々は5°以上25°以下であり、かつ、前記上角と前記下角との合計は30°以下である
    請求項7に記載の光学デバイス。
  9. さらに、前記媒質層及び前記凹凸層を挟むように設けられた、透光性を有する一対の電極を備える
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  10. 前記媒質層は、前記複屈折材料としてポジ型の液晶を含む
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学デバイス。
  11. 前記媒質層は、前記複屈折材料としてネガ型の液晶を含む
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学デバイス。
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