JP2019144363A - 配光制御デバイス - Google Patents

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有宇 和家佐
西森 泰輔
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泰輔 西森
裕 岩堀
Yutaka Iwabori
裕 岩堀
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Abstract

【課題】窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光する。【解決手段】配光制御デバイス10は、透光性を有する第1基材20と、第1基材20の主面上に設けられた配光制御フィルム30とを備え、配光制御フィルム30は、透光性を有する第2基材110と、第2基材110に対向して配置された、透光性を有する第3基材120と、第2基材110と第3基材120との間に配置され、入射した光を配光する配光層130とを備え、配光層130は、第1方向に並んで配置された複数の凸部133を有する凹凸構造層131と、複数の凸部133間を充填するように配置され、複数の凸部133と屈折率が異なる屈折層132とを含み、主面22は、第1方向に直交する第2方向に沿って湾曲する曲面部22aを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、配光制御デバイスに関する。
従来、屋外から入射する太陽光などの外光の透過状態を変化させることができる配光制御デバイスが知られている。
例えば、特許文献1には、一対の透明基板と、一対の透明基板の各々に形成された一対の透明電極と、一対の透明電極に挟まれたプリズム層及び液晶層とを有する液晶光学素子が開示されている。当該液晶光学素子は、一対の透明電極に印加される電圧によって液晶層の屈折率を変化させて、プリズムの斜面と液晶層との界面を通過する光の屈折角を変化させる。
特開2012−173534号公報
しかしながら、上記従来の液晶光学素子は、窓に利用された場合に、太陽の日周運動などによる太陽の位置の変化に基づく入射角の変化に対応できず、屋内に効率良く採光することができないという問題がある。
そこで、本発明は、窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる配光制御デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る配光制御デバイスは、透光性を有する第1基材と、前記第1基材の主面上に設けられた配光制御フィルムとを備え、前記配光制御フィルムは、透光性を有する第2基材と、前記第2基材に対向して配置された、透光性を有する第3基材と、前記第2基材と前記第3基材との間に配置され、入射した光を配光する配光層とを備え、前記配光層は、第1方向に並んで配置された複数の凸部を有する凹凸構造層と、前記複数の凸部間を充填するように配置され、前記複数の凸部と屈折率が異なる屈折層とを含み、前記主面は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って湾曲する曲面部を含む。
本発明に係る配光制御デバイスによれば、窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる。
実施の形態に係る配光制御デバイスの斜視図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスの水平断面図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスの別の一例の斜視図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスの垂直断面図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスの一部を拡大して示す垂直断面図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスの無印加モード(透明状態)を説明するための垂直断面図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスの電圧印加モード(配光状態)を説明するための垂直断面図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスの左右方向(水平方向)の斜めから入射した光の進行方向の一例を示す図である。 実施の形態に係る配光制御デバイスを窓に適用した場合に配光された光の照射領域を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る配光制御デバイスについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は垂直などの要素間の関係性を示す用語、及び、矩形又は三角形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、z軸方向を鉛直方向とし、z軸に垂直な方向(xy平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、z軸の正方向を鉛直上方としている。また、本明細書において、「厚み方向」とは、光学デバイスの厚み方向を意味し、第2基材及び第3基材の主面に垂直な方向のことであり、「平面視」とは、第2基材又は第3基材の主面に対して垂直な方向から見たときのことをいう。
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る配光制御デバイスの概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る配光制御デバイス10の斜視図である。
配光制御デバイス10は、配光制御デバイス10に入射する光を制御する光学デバイスである。具体的には、配光制御デバイス10は、配光制御デバイス10に入射する光の進行方向を変更して(つまり、配光して)出射させることができる配光素子である。
図1に示されるように、配光制御デバイス10は、第1基材20と、配光制御フィルム30とを備える。第1基材20と配光制御フィルム30との間には、配光制御フィルム30を密着させるための密着層が設けられていてもよい。密着層は、例えば、透光性の接着シートなどが用いられる。
本実施の形態に係る配光制御デバイス10は、例えば、建物の窓に設置することで、配光機能付きの窓として実現することができる。例えば、配光制御デバイス10は、既存の窓の内側に天井から吊るすようにして配置されていてもよい。あるいは、配光制御デバイス10は、粘着層を介して既存の窓ガラスなどの透明基材に貼り付けて使用されてもよい。あるいは、配光制御デバイス10は、建物の窓そのものとして利用されてもよい。
配光制御デバイス10は、例えば、第1基材20が屋外側で、配光制御フィルム30が屋内側になるように配置されている。また、配光制御デバイス10は、第1基材20の湾曲する方向が水平方向(左右方向)に一致し、湾曲しない方向が鉛直方向(上下方向)に一致するように配置される。
配光制御デバイス10では、第1基材20の湾曲面が、配光制御デバイス10に入射する光の左右方向に対する進行方向を変化させる。また、配光制御フィルム30が、配光制御デバイス10に入射する光の上下方向に対する進行方向を変化させる。これにより、配光制御デバイス10は、窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる。
[第1基材]
まず、第1基材20について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る配光制御デバイス10の水平断面図である。図2は、図1のII−II線における断面図であり、水平面に平行なxy断面を示している。
第1基材20は、透光性を有する基材である。第1基材20は、例えば、透明な樹脂基材又はガラス基材を用いることができる。
ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス又は高屈折率ガラスなどが挙げられる。樹脂基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)又はエポキシなどの樹脂材料が挙げられる。ガラス基板は、光透過率が高く、かつ、水分の透過性が低いという利点がある。一方、樹脂基板は、破壊時の飛散が少ないという利点がある。
図2に示されるように、第1基材20は、互いに背向する主面21及び主面22を有する。
主面21は、配光制御デバイス10が窓に利用された場合に、屋外側、すなわち、光の入射側になる主面である。主面21は、例えば平坦な面である。
主面22は、配光制御デバイス10が窓に利用された場合に、屋内側、すなわち、光の出射側になる主面である。主面22上に配光制御フィルム30が設けられている。
図2に示されるように、主面22は、所定の方向に沿って湾曲する曲面部22a〜22cを有する。本実施の形態では、主面22の湾曲方向は、x軸方向であり、水平方向(左右方向)に相当する。主面22は、湾曲方向に沿って、山と谷とが繰り返すように湾曲している。具体的には、主面22は、xy断面で見た場合に、波線で表される。
具体的には、主面22が有する3つの曲面部22a〜22cはそれぞれ、断面視において、円弧で表される。図2に示される断面において、曲面部22aは、主面22の1つの山に相当し、主面21側に位置する仮想的な点Pを中心とし、中心角が約60°の円弧で表される。曲面部22bは、主面22の1つの谷に相当し、主面22側に位置する仮想的な点Qを中心とし、中心角が約60°の円弧で表される。曲面部22cは、主面22の1つの山に相当し、主面21側に位置する仮想的な点Rを中心とし、中心角が約60°の円弧で表される。曲面部22a〜22cの各々が描く円弧は、第1基材20の横幅(x軸方向における長さ)の1/3を半径とする円弧である。
曲面部22bは、曲面部22aと曲面部22cと滑らかに接続されている。これにより、主面22の断面視形状が滑らかな波線で表される。
主面22は、湾曲方向に直交する方向(すなわち、z軸方向)に沿って、湾曲していない。すなわち、主面22は、yz断面で見た場合に、直線で表される。このため、曲面部22aは、z軸方向における任意の位置において断面形状が同じである。同様に、曲面部22b及び曲面部22cもそれぞれ、z軸方向における任意の位置において断面形状が同じである。つまり、曲面部22a〜22cは、点P〜Rをそれぞれ通る軸を中心軸とする円柱の側面の一部に相当する。
第1基材20の平面視形状は、例えば、正方形又は長方形などの矩形状であるが、これに限るものではなく、円形又は四角形以外の多角形であってもよい。
第1基材20は、例えば、横幅(x軸方向の長さ)が1.2mであり、縦幅(z軸方向の長さ)が1mであり、厚さが最も薄い部分で2cmであるが、これらの数値は一例に過ぎない。設置される窓の大きさなどに合わせて適宜変更される。
また、主面22は、断面視において、一部が直線で表されてもよい。すなわち、主面22は、平面部を有してもよい。この場合、平面部と曲面部とは、段差又は角が形成されないように滑らかに接続されている。平面部は、主面21に平行な平面であってもよく、主面21に対して斜めに傾斜した平面であってもよい。
また、主面22が3つの曲面部22a〜22cを有する例を示したが、曲面部の個数は、4個以上であってもよい。また、曲面部の各々の断面形状が互いに異なっていてもよい。例えば、曲面部を構成する円弧の半径及び中心角が互いに異なっていてもよい。
また、主面22の断面視形状である波線は、正弦波などでもよい。あるいは、波線は、周期的な線でなくてもよく、周期及び振幅の少なくとも一方が異なるランダムな波線であってもよい。
また、主面22は、1つのみの曲面部を有してもよい。つまり、主面22の断面視形状は、波線でなく、1つの円弧で表されてもよい。
図3は、本実施の形態の別の一例に係る配光制御デバイス11の斜視図である。配光制御デバイス11は、凸面状の主面27を有する第1基材25を備える。なお、第1基材25は、主面27の形状が異なる点を除いて、その他の構成及び材料などは第1基材20と同じである。
主面27は、例えば、主面22の曲面部22aと同じである。具体的には、主面27は、断面視において、仮想的な点を中心とする中心角が60°の円弧で表される。なお、主面27は、凸面状であるが、凹面状でもよい。断面視における円弧の中心角及び半径は、特に限定されない。
[配光制御フィルム]
次に、配光制御フィルム30の構成について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る配光制御デバイス10の垂直断面図である。図4は、図1のIV−IV線における断面図であり、鉛直面に平行なyz断面を示している。図5は、本実施の形態に係る配光制御デバイス10の一部を拡大して示す垂直断面図であり、図4の一点鎖線で囲まれた領域Vを拡大して示している。なお、図3に示す配光制御デバイス11のIV−IV線における垂直断面図も、図4で示す垂直断面図と同じになる。
配光制御フィルム30は、図4及び図5に示されるように、第2基材110と、第3基材120と、配光層130と、第1電極層140と、第2電極層150とを備える。
なお、第1電極層140の配光層130側の面には、第1電極層140と配光層130の凹凸構造層131とを密着させるための密着層が設けられていてもよい。密着層は、例えば、透光性の接着シート、又は、一般的にプライマーと称される樹脂材料などである。
配光制御フィルム30は、対をなす第2基材110及び第3基材120の間に、第1電極層140、配光層130及び第2電極層150がこの順で厚み方向に沿って配置された構成である。なお、第2基材110と第3基材120との間の距離を保つために、粒子状の複数のスペーサが面内に分散されていてもよく、柱状の構造が形成されてもよい。
配光制御フィルム30は、例えば、第2基材110が屋外側で、第3基材120が屋内側になり、かつ、図5に示される凸部133の第1側面135が下側(床側)で、第2側面136が上側(天井側)になるように配置されている。つまり、第2基材110が第1基材20の主面22上に設けられている。
配光制御フィルム30では、第1電極層140及び第2電極層150間に印加される電圧によって、配光層130の屈折層132の屈折率が変化する。これにより、凹凸構造層131と屈折層132との界面に屈折率の差が生じ、当該界面による光の屈折及び反射(全反射)を利用して光が配光される。例えば、斜め下方に向けて入射する光の少なくとも一部は、凸部133によって斜め上方に向けて出射される。
配光制御フィルム30は、第1電極層140及び第2電極層150間に印加される電圧の大きさに応じて、透明状態及び配光状態が切り替わる。また、配光制御フィルム30は、第1電極層140及び第2電極層150間に印加される電圧の大きさに応じて、配光状態における光の配光方向(進行方向)が変化する。
以下、配光制御フィルム30の各構成部材について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。
[第2基材及び第3基材]
第2基材110及び第3基材120は、透光性を有する基材である。第2基材110及び第3基材120としては、例えばガラス基板又は樹脂基板を用いることができる。
ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス又は高屈折率ガラスなどが挙げられる。樹脂基板の材料としては、PET、PEN、PC、PMMA又はエポキシなどの樹脂材料が挙げられる。
第2基材110と第3基材120とは、同じ材料で構成されていてもよく、あるいは、異なる材料で構成されていてもよい。本実施の形態では、第2基材110及び第3基材120は、可撓性を有するフレキシブル基板である。本実施の形態において、第2基材110及び第3基材120は、PET樹脂からなる透明樹脂基板である。
第3基材120は、第2基材110に対向する対向基板であり、第2基材110に対向する位置に配置される。第2基材110と第3基材120とは、例えば、1μm〜1000μmなどの所定距離を空けて平行に配置されている。第2基材110と第3基材120とは、互いの端部外周に額縁状に形成された接着剤などのシール樹脂によって接着されている。
なお、第2基材110及び第3基材120の平面視形状は、例えば、正方形又は長方形などの矩形状であるが、これに限るものではなく、円形又は四角形以外の多角形であってもよく、任意の形状が採用され得る。
第2基材110は、図4に示されるように、第1基材20の主面22上に設けられている。例えば、第1基材20と第2基材110とは、直接貼り付けられていてもよく、あるいは、密着層を介して貼り付けられていてもよい。
第2基材110及び第3基材120は、主面22の湾曲に合わせて湾曲している。なお、第2基材110と第3基材120との隙間は均等に保たれている。このため、凹凸構造層131の凸部133の形状が崩れることなく、配光制御フィルム30は、図1及び図2に示されるように、主面22に沿って湾曲して設けられている。
[配光層]
図1及び図2に示されるように、配光層130は、第1電極層140と第2電極層150との間に配置される。配光層130は、透光性を有しており、入射した光を透過させる。また、配光層130は、入射した光を配光する。つまり、配光層130は、配光層130を光が通過する際に、その光の進行方向を変更する。
配光層130は、凹凸構造層131と、屈折層132とを有する。本実施の形態では、凹凸構造層131と屈折層132との界面で光が反射されることにより、配光制御フィルム30(配光制御デバイス10)を透過する光の、鉛直方向に対する進行方向が曲げられる。
[凹凸構造層]
凹凸構造層131は、屈折層132の表面(界面)を凹凸にするために設けられた微細形状層である。凹凸構造層131は、図4及び図5に示されるように、複数の凸部133と、複数の凹部134とを有する。
具体的には、凹凸構造層131は、マイクロオーダーサイズの複数の凸部133によって構成された凹凸構造体である。複数の凸部133の間が、複数の凹部134である。すなわち、隣り合う2つの凸部133の間が、1つの凹部134である。図4及び図5に示される例では、複数の凸部133が個々に分離された例を示しているが、これに限らない。複数の凸部133は根元(第1電極層140側)で個々に接続されていてもよい。また、例えば、複数の凸部133と第1電極層140との間に凸部133の基台となる層(膜)状の基台部が設けられていてもよい。
複数の凸部133は、第2基材110の主面(第1電極層140が設けられた面)に平行なz軸方向に並んで配置された複数の凸部である。すなわち、本実施の形態では、z軸方向は、複数の凸部133の並び方向である。
本実施の形態では、複数の凸部133は、その並び方向に直交する方向に延在する長尺の凸条である。具体的には、複数の凸部133は、x軸方向に延びたストライプ状に形成されている。複数の凸部133の各々は、x軸方向に沿って直線状に延びている。例えば、複数の凸部133の各々は、第1電極層140に対して横倒しに配置された三角柱である。なお、複数の凸部133は、x軸方向に沿って蛇行しながら延びていてもよい。例えば、複数の凸部133は、波線のストライプ状に形成されていてもよい。
本実施の形態では、複数の凸部133の延びる方向は、第1基材20の湾曲方向である。複数の凸部133の並び方向は、第1基材20が湾曲していない方向である。つまり、複数の凸部133が延びる方向(x軸方向)と、第1基材20の曲面部22a〜22cが延びる方向(すなわち、円柱側面の軸方向、z軸方向)とは直交するように設けられている。
図4及び図5に示されるように、複数の凸部133の各々は、根元から先端にかけて先細る形状を有する。具体的には、複数の凸部133の各々の断面形状は、第2基材110から第3基材120に向かう方向に沿って先細りのテーパ形状である。本実施の形態では、凸部133のyz断面における断面形状は、配光制御フィルム30の厚み方向に沿って先細る略三角形であるが、これに限らない。凸部133の断面形状は、略台形でもよく、その他の多角形、又は、カーブを含む多角形などでもよい。複数の凸部133の形状は、互いに同じであるが、異なっていてもよい。
なお、略三角形又は略台形には、頂点が丸みを帯びた三角形又は台形も含まれる。また、略三角形又は略台形には、各辺が完全に直線ではない場合、例えば、各辺の長さの数%程度の変位で僅かに屈曲している場合、又は、微小な凹凸が含まれる場合も含まれる。
本実施の形態では、図4及び図5に示されるように、複数の凸部133の各々は、第1側面135及び第2側面136を有する。第1側面135及び第2側面136は、z軸方向に交差する面である。第1側面135及び第2側面136の各々は、y軸方向に対して所定の傾斜角で傾斜する傾斜面である。第1側面135及び第2側面136の間隔、すなわち、凸部133の幅は、第2基材110から第3基材120に向かって漸次小さくなっている。
第1側面135は、例えば、z軸が鉛直方向に一致するように配光制御フィルム30を配置した場合に、凸部133を構成する複数の側面のうち、鉛直下方側の側面である。第1側面135は、入射光を屈折させる屈折面である。
第2側面136は、例えば、z軸が鉛直方向に一致するように配光制御フィルム30を配置した場合に、凸部133を構成する複数の側面のうち、鉛直上方側の側面である。第2側面136は、入射光を反射させる反射面である。ここでの反射は、全反射であり、第2側面136は、全反射面として機能する。
第1側面135の傾斜角及び第2側面136の傾斜角はそれぞれ、例えば0°以上25°以下の範囲である。言い換えると、凸部133の断面形状である略三角形又は略台形の2つの底角はそれぞれ、65°以上90°以下である。あるいは、2つの底角の少なくとも一方は、65°より小さくてもよい。本実施の形態では、第1側面135の傾斜角と第2側面136の傾斜角とは、互いに異なっていてもよく、互いに等しくてもよい。
複数の凸部133の幅(z軸方向の長さ)は、例えば1μm〜20μmであり、好ましくは10μm以下であるが、これに限らない。また、隣り合う2つの凸部133の間隔は、例えば、0μm〜100μmであるが、これに限らない。隣り合う2つの凸部133は、互いに接触していてもよく、所定の間隔を空けて配置されていてもよい。
凹凸構造層131の材料としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂などの光透過性を有する樹脂材料を用いることができる。凹凸構造層131は、例えば、紫外線硬化樹脂材料から形成され、モールド成形又はナノインプリントなどによって形成することができる。凹凸構造層131は、例えば、緑色光に対する屈折率が1.5のアクリル樹脂を用いて断面が三角形の凹凸構造を、モールド型押しにより形成することができる。
[屈折層]
屈折層132は、複数の凸部133の間(すなわち、凹部134)を充填するように配置されている。具体的には、屈折層132は、第1電極層140と第2電極層150との間に形成される隙間を埋めるように配置されている。なお、図4及び図5に示されるように、凸部133の先端部と第2電極層150とが離れている場合、屈折層132は、凹部134だけでなく、凸部133の先端部と第2電極層150との間の隙間を埋めるように配置される。
屈折層132は、第1電極層140及び第2電極層150間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層である。具体的には、屈折層132は、電界が与えられることによって可視光帯域での屈折率が調整可能な屈折率調整層として機能する。電界は、第1電極層140及び第2電極層150間に印加される電圧に応じて変化する。例えば、図示しない制御部などによって、第1電極層140と第2電極層150との間には直流電圧が印加される。
屈折層132は、複数の凸部133と屈折率が異なる。本実施の形態では、所定の電圧が印加された場合に、屈折層132と複数の凸部133との屈折率が異なる。つまり、屈折層132の屈折率が変化する場合、屈折層132と凸部133との屈折率は常に異なっていなくてもよく、同じになる場合があってもよい。
図4及び図5に示されるように、屈折層132は、絶縁性液体137と、絶縁性液体137に含まれるナノ粒子138とを有する。屈折層132は、無数のナノ粒子138が絶縁性液体137に分散されたナノ粒子分散層である。
絶縁性液体137は、絶縁性を有する透明な液体であり、分散質としてナノ粒子138が分散される分散媒となる溶媒である。絶縁性液体137としては、例えば、屈折率(溶媒屈折率)が約1.3〜約1.6の材料を用いることができる。本実施の形態では、屈折率が約1.4の絶縁性液体137を用いている。
なお、絶縁性液体137の動粘度は、100mm/s程度であるとよい。また、絶縁性液体137は、低誘電率(例えば、凹凸構造層131の誘電率以下)で、非引火性(例えば、引火点が250℃以上の高引火点)及び低揮発性を有してもよい。具体的には、絶縁性液体137は、脂肪族炭化水素、ナフサ、及びその他の石油系溶剤などの炭化水素、低分子量ハロゲン含有ポリマー、又は、これらの混合物などである。一例として、絶縁性液体137は、フッ化炭化水素などのハロゲン化炭化水素である。なお、絶縁性液体137としては、シリコーンオイルなどを用いることもできる。
ナノ粒子138は、絶縁性液体137に複数分散されている。ナノ粒子138は、粒径がナノオーダサイズの微粒子である。具体的には、入射光の波長をλとすると、ナノ粒子138の粒径は、λ/4以下であるとよい。ナノ粒子138の粒径をλ/4以下にすることで、ナノ粒子138による光散乱を少なくして、ナノ粒子138と絶縁性液体137との平均的な屈折率を得ることができる。ナノ粒子138の粒径は、小さい程よく、好ましくは100nm以下、より好ましくは、数nm〜数十nmである。
ナノ粒子138は、例えば、高屈折率材料によって構成されている。具体的には、ナノ粒子138の屈折率は、絶縁性液体137の屈折率よりも高い。本実施の形態において、ナノ粒子138の屈折率は、凹凸構造層131の屈折率よりも高い。
ナノ粒子138としては、例えば、金属酸化物微粒子を用いることができる。また、ナノ粒子138は、透過率が高い材料で構成されていてもよい。本実施の形態では、ナノ粒子138として、酸化ジルコニウム(ZrO)によって構成された屈折率が2.1の透明なジルコニア粒子を用いている。なお、ナノ粒子138は、酸化ジルコニウムに限らず、酸化チタン(TiO:屈折率2.5)などによって構成されていてもよい。
また、ナノ粒子138は、帯電している荷電粒子である。例えば、ナノ粒子138の表面を修飾することで、ナノ粒子138を正(プラス)又は負(マイナス)に帯電させることができる。本実施の形態において、ナノ粒子138は、正(プラス)に帯電している。
このように構成された屈折層132では、帯電したナノ粒子138が絶縁性液体137の全体に分散されている。本実施の形態では、一例として、ナノ粒子138として屈折率が2.1のジルコニア粒子を用いて、溶媒屈折率が約1.4の絶縁性液体137に分散させたものを屈折層132としている。
また、屈折層132の全体の屈折率(平均屈折率)は、ナノ粒子138が絶縁性液体137内に均一に分散された状態において、凹凸構造層131の屈折率と略同一に設定されており、本実施の形態では、約1.5である。なお、屈折層132の全体の屈折率は、絶縁性液体137に分散するナノ粒子138の濃度(量)を調整することによって変えることができる。詳細は後述するが、ナノ粒子138の量は、例えば、凹凸構造層131の凹部134に埋まる程度である。この場合、絶縁性液体137に対するナノ粒子138の濃度は、約10%〜約30%である。
絶縁性液体137中に分散するナノ粒子138は帯電しているので、屈折層132に電界が与えられると、ナノ粒子138は、電界分布に従って絶縁性液体137中を泳動し、絶縁性液体137内で偏在する。これにより、屈折層132内のナノ粒子138の粒子分布が変化して屈折層132内にナノ粒子138の濃度分布を持たせることができるので、屈折層132内の屈折率分布が変化する。つまり、屈折層132の屈折率が部分的に変化する。このように、屈折層132は、主に可視光帯域の光に対する屈折率を調整することができる屈折率調整層として機能する。
屈折層132は、例えば、第1電極層140及び凹凸構造層131が形成された第2基材110と、第2電極層150が形成された第3基材120との各々の端部外周をシール樹脂で封止した状態で、屈折率可変材料を真空注入法で注入することで形成される。あるいは、屈折層132は、第2基材110の第1電極層140及び凹凸構造層131上に屈折率可変材料を滴下した後に、第2電極層150が形成された第3基材120を貼り合わせることで形成されてもよい。本実施の形態では、屈折率可変材料は、ナノ粒子138が分散された絶縁性液体137である。ナノ粒子138が分散された絶縁性液体137が第2基材110と第3基材120との間に封止されている。屈折層132の厚さは、例えば1μm〜1000μmであるが、これに限らない。
[第1電極層及び第2電極層]
図4及び図5に示されるように、第1電極層140及び第2電極層150は、電気的に対となっており、配光層130に電界を与えることができるように構成されている。第1電極層140と第2電極層150とは、電気的だけではなく配置的にも対になっており、第2基材110と第3基材120との間に、互いに対向するように配置されている。具体的には、第1電極層140及び第2電極層150は、配光層130を挟むように配置されている。
第1電極層140及び第2電極層150は、透光性を有し、入射した光を透過する。第1電極層140及び第2電極層150は、例えば透明導電層である。透明導電層の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)若しくはIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明金属酸化物、銀ナノワイヤ若しくは導電性粒子などの導電体を含有する樹脂からなる導電体含有樹脂、又は、銀薄膜などの金属薄膜などを用いることができる。なお、第1電極層140及び第2電極層150は、これらの単層構造でよく、これらの積層構造(例えば透明金属酸化物と金属薄膜との積層構造)でもよい。本実施の形態では、第1電極層140及び第2電極層150はそれぞれ、厚さ100nmのITOである。
第1電極層140は、第2基材110と凹凸構造層131との間に配置されている。具体的には、第1電極層140は、第2基材110の配光層130側の面に形成されている。
一方、第2電極層150は、屈折層132と第3基材120との間に配置されている。具体的には、第2電極層150は、第3基材120の配光層130側の面に形成されている。
なお、第1電極層140及び第2電極層150は、例えば、外部電源との電気接続が可能となるように構成されている。例えば、外部電源に接続するための電極パッドなどが、第1電極層140及び第2電極層150の各々から引き出されて第2基材110及び第3基材120に形成されていてもよい。
第1電極層140及び第2電極層150はそれぞれ、例えば、蒸着、スパッタリングなどにより、ITOなどの導電膜を成膜することで形成される。
[配光制御デバイスの動作及び光学状態]
続いて、配光制御デバイス10の動作及び光学状態について説明する。なお、詳細な説明を省略するが、図3に示される配光制御デバイス11の動作及び光学状態も同様である。
[上下方向(鉛直方向)に対する配光]
まず、配光制御デバイス10の上下方向(鉛直方向)に対する配光について説明する。
<透明状態(無印加モード)>
図6Aは、本実施の形態に係る配光制御デバイス10の無印加モード(透明状態)を説明するための垂直断面図である。また、図6Aには、配光制御デバイス10に対して斜めに入射する光Lの経路を太線の矢印で示している。
図6Aにおいて、第1電極層140及び第2電極層150間には電圧が印加されていない。具体的には、第1電極層140と第2電極層150とは、互いに等電位となっている。この場合、屈折層132には電界が与えられないので、ナノ粒子138は、絶縁性液体137の全体に亘って分散された状態となる。
本実施の形態では、ナノ粒子138が絶縁性液体137の全体に分散された状態の屈折層132の屈折率は、上述したように、約1.5である。また、凹凸構造層131の凸部133の屈折率は、約1.5である。つまり、複数の凸部133と、屈折層132とは、屈折率が同等になる。したがって、配光層130の全体で、屈折率が均一になる。
このため、図6Aに示されるように、斜め上方から斜め下方に向けて光Lが入射した場合、屈折層132と凹凸構造層131との界面には屈折率差がないので、光が真っ直ぐに進行する。つまり、垂直断面において、光Lの入射角と出射角とは、実質的に同じになる。
このように、配光制御デバイス10は、入射した光を実質的にそのまま(進行方向を変えることなく)透過させる透明状態になる。
なお、光Lは、実際には、第2基材110に入射するとき、第3基材120から出射するとき、第2基材110と第1電極層140との界面を通過するとき、及び、第2電極層150と第3基材120との界面を通過するとき、などの通過する媒体が変化するときに屈折するが、図6Aには図示していない。図6Aでは、配光層130内での光Lの進行方向を詳細に図示している。後述する図6Bにおいても同様である。
<配光状態(電圧印加モード)>
図6Bは、本実施の形態に係る配光制御デバイス10の電圧印加モード(配光状態)を説明するための垂直断面図である。また、図6Bには、配光制御デバイス10に対して斜めに入射する光Lの経路を太線の矢印で示している。
図6Bにおいて、第1電極層140及び第2電極層150間に所定の電圧が印加されている。例えば、第1電極層140と第2電極層150とには、数十V程度の電位差の電圧が印加されている。これにより、屈折層132には所定の電界が与えられるので、屈折層132では、帯電したナノ粒子138がその電界分布に従って絶縁性液体137内を泳動する。つまり、ナノ粒子138は、絶縁性液体137内を電気泳動する。
図6Bに示す例では、第2電極層150は、第1電極層140よりも高電位になっている。このため、プラスに帯電したナノ粒子138は、第1電極層140に向かって泳動し、凹凸構造層131の凹部134に入り込んで集積していく。
このように、ナノ粒子138が屈折層132内の凹凸構造層131側に偏在することで、ナノ粒子138の粒子分布が変化し、屈折層132内の屈折率分布が一様ではなくなる。具体的には、図6Bに示すように、屈折層132内でナノ粒子138の濃度分布が形成される。
例えば、凹凸構造層131側の第1領域132aでは、ナノ粒子138の濃度が高くなり、第2電極層150側の第2領域132bでは、ナノ粒子138の濃度が低くなる。したがって、第1領域132aと第2領域132bとには、屈折率差が生じる。
本実施の形態では、ナノ粒子138の屈折率が絶縁性液体137の屈折率よりも高い。このため、ナノ粒子138の濃度が高い第1領域132aの屈折率は、ナノ粒子138の濃度が低い、すなわち、絶縁性液体137の割合が多い第2領域132bの屈折率よりも高くなる。例えば、第1領域132aの屈折率は、ナノ粒子138の濃度に応じて約1.5より大きい値〜約1.8になる。第2領域132bの屈折率は、ナノ粒子138の濃度に応じて約1.4〜約1.5より小さい値になる。
複数の凸部133の屈折率が約1.5であるので、第1電極層140と第2電極層150との間に電圧が印加されている場合、凸部133と第1領域132aとの間には、屈折率差が生じる。このため、図6Bに示すように、斜め方向から光Lが入射した場合、入射した光Lは、凸部133の第1側面135で屈折した後、第2側面136で全反射される。
これにより、図6Bに示されるように、垂直断面において、光Lの入射角と出射角とが異なる。例えば、斜め上方から斜め下方に向けて入射した光Lは、斜め上方に向けて配光制御デバイス10から出射される。
このように、第1電極層140と第2電極層150との間に所定の電位差が生じた場合に、複数の凸部133の各々と屈折層132との界面に屈折率差が発生し、配光層130に入射する光の進行方向が曲げられる。つまり、配光制御デバイス10は、入射した光を、その進行方向を曲げて透過させる配光状態になる。
また、印加する電圧の大きさによってナノ粒子138の凝集の程度を変化させることができる。ナノ粒子138の凝集の程度によって屈折層132の屈折率が変化する。このため、凸部133の第1側面135及び第2側面136(界面)における屈折率の差を変化させることで、配光方向を変化させることも可能である。
以上のように、本実施の形態に係る配光制御デバイス10は、凹凸構造層131の凸部133と屈折層132との屈折率差によって、入射する光の上下方向(鉛直方向)に対する進行方向を変化させる。
[左右方向に対する配光]
次に、配光制御デバイス10の左右方向に対する配光について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態に係る配光制御デバイス10の左右方向(水平方向)の斜めから入射した光の進行方向の一例を示す図である。なお、図7では、光Lの経路を実線の矢印で示しており、当該経路を分かりやすくするため、第1基材20及び配光制御フィルム30の断面を表す網掛けを付していない。
図7に示されるように、光Lは、配光制御デバイス10の入射側の主面21に対して、x軸の正側からy軸の正側に向かうように斜めに入射する。光Lは、主面21に入射する際に屈折した後、主面22から出射される際にも屈折する。
このとき、主面22は、図2で示したように、断面視において中心角が60°の円弧で表されているので、微視的には、xz面に対して−30°〜30°の範囲で傾斜した微小面の集合とみなすことができる。光Lは、各微小面に対する入射角が異なるので、各微小面から出射されるときの出射角も異なる。このため、光Lは、主面22の出射位置に応じて異なる方向に出射される。具体的には、光Lは、主面22から左右方向に広げられて出射される。なお、光Lは、配光制御フィルム30を通過する際に、図6A及び図6Bで示したように、配光制御フィルム30が配光状態にある場合に、上下方向への光の進行方向が曲げられる。
図7では、主面21に対して斜めに入射する光Lを示したが、主面21に対して垂直に入射する光も同様に、主面22から左右方向に広げられて出射される。つまり、主面21に対してどの方向から光Lが入射したとしても、光Lは、主面22から左右方向に広げられて出射される。
このため、光Lの入射角が異なる場合に、出射される範囲の重複が大きくなる。したがって、例えば、太陽の日周運動などによって光Lの入射角が変化したとしても、光Lによって照射される範囲は大きく変化しない。つまり、配光制御デバイス10は、光Lの入射角の変化によらず、安定した範囲に光Lを出射させることができる。
図8は、本実施の形態に係る配光制御デバイス10を窓91に適用した場合に配光された光の照射領域を示す図である。図8に示す例では、配光制御デバイス10は、建物90の窓91の上半分に設けられている。図8は、建物90の屋内側から窓91を正面に見た場合を模式的に示しており、天井92、床93、左側の壁94及び右側の壁95が図示されている。
図8の(a)〜(c)はそれぞれ、配光制御デバイス10の光出射側から見たときに太陽Sが左側、正面、右側に位置する場合に、屋内において配光制御デバイス10を通過した光Lによって照射される範囲を模式的に示している。
本実施の形態に係る配光制御デバイス10は、左右方向の斜めから入射する光を、左右方向に対して広げて出射する。このため、図8の(a)〜(c)に示されるように、太陽Sの位置によらず、屋内の天井92の広い範囲を光Lが照射していることが分かる。なお、ここでは、配光制御フィルム30が配光状態である場合を示している。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る配光制御デバイス10は、透光性を有する第1基材20と、第1基材20の主面22上に設けられた配光制御フィルム30とを備える。配光制御フィルム30は、透光性を有する第2基材110と、第2基材110に対向して配置された、透光性を有する第3基材120と、第2基材110と第3基材120との間に配置され、入射した光を配光する配光層130とを備える。配光層130は、z軸方向(第1方向)に並んで配置された複数の凸部133を有する凹凸構造層131と、複数の凸部133間を充填するように配置され、複数の凸部133と屈折率が異なる屈折層132とを含んでいる。主面22は、z軸方向(第1方向)に直交するx軸方向(第2方向)に沿って湾曲する曲面部22aを含む。
これにより、配光制御フィルム30の複数の凸部133によって、鉛直方向(上下方向)に対して光を曲げることができる。このため、配光制御デバイス10は、斜め上方から入射する太陽光などを、例えば屋内の天井92に向けて、すなわち、斜め上方に向けて出射させることができる。
また、第1基材20の主面22が曲面部22a〜22cを含んでいるので、入射する光を曲面部22a〜22cが湾曲する方向にも広げることができる。例えば、湾曲する方向を水平方向(左右方向)にすることで、光を水平方向にも広げることができる。したがって、水平方向における光の入射角が異なる場合であっても、採り入れた光によって照射される範囲を安定させることができる。例えば、配光制御デバイス10は、天井92の広い範囲に向けて光を安定して出射することができる。
このように、配光制御デバイス10は、窓91に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる。
また、例えば、複数の凸部133は、x軸方向に沿って延びている。主面22は、z軸方向に沿って湾曲していない。
これにより、第1基材20によっては上下方向への光の拡散が行われないので、配光制御フィルム30による配光機能が損なわれることを抑制することができる。
また、例えば、主面22は、z軸方向に直交する断面(xy断面)で見た場合、波線又は円弧で表される。
これにより、例えば、主面22の断面視形状が波線である場合、湾曲の凸面と凹面とが周期的に繰り返されるので、主面22の全体において光を拡散させることができる。つまり、面内での光の出射方向の偏りを抑制することができる。
また、例えば、主面22の断面視形状が円弧である場合、微視的には、円弧に含まれる角度の範囲内においてあらゆる角度の微小面が均等に含まれる。したがって、光の出射方向の偏りを抑制することができる。
また、例えば、配光制御フィルム30は、さらに、第2基材110と第3基材120との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層140及び第2電極層150を備える。配光層130は、第1電極層140及び第2電極層150間に位置する。屈折層132は、第1電極層140及び第2電極層150間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する。
これにより、配光層130の屈折層132の屈折率を可変にすることができるので、例えば、凸部133と屈折層132との屈折率を同じにすることで、配光制御フィルム30を透明状態にすることができる。また、凸部133と屈折層132との屈折率を異ならせることで、光の進行方向を曲げる配光状態にすることができる。
このように、配光制御デバイス10は、第1電極層140と第2電極層150とを備えることで、配光状態と透明状態とを切り替えることができる。また、第1電極層140と第2電極層150との間に印加する電圧の大きさを調整することで、配光される光の進行方向を調整することができる。
また、例えば、屈折層132は、絶縁性液体137と、絶縁性液体137とは屈折率が異なる、絶縁性液体137に分散された帯電する複数のナノ粒子138とを備える。
これにより、絶縁性液体137に分散された帯電するナノ粒子138の凝集の程度に応じて、配光状態において配光される光の方向が変化する。ナノ粒子138の凝集の程度は、第1電極層140及び第2電極層150間に印加される電圧に応じて容易に変更することができる。したがって、透明状態及び配光状態を容易に変更することができる。また、配光状態においては、P偏光及びS偏光のいずれの光にも屈折率差の影響を与えることができるので、配光性及び透明性を高めることができる。
(その他)
以上、本発明に係る配光制御デバイスについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、配光制御フィルム30が配光状態と透明状態とを動的に切り替えることができる例を説明したが、これに限らない。例えば、配光制御フィルム30は、常に配光状態であってもよい。具体的には、配光制御フィルム30は、第1電極層140及び第2電極層150を備えていなくてもよく、屈折層132は、凹凸構造層131の凸部133とは異なる屈折率であってもよい。例えば、屈折層132は、凸部133とは異なる屈折率の透光性の樹脂材料を用いて形成されていてもよい。
また、例えば、第1基材20の主面22は、x軸方向だけでなく、z軸方向にも湾曲していてもよい。つまり、第1基材20の主面22は、二次元的に湾曲していてもよい。
また、例えば、複数の凸部133は、x軸方向において複数に分割されていてもよい。例えば、複数の凸部133は、マトリクス状などに点在するように配置されていてもよい。つまり、複数の凸部133を、ドット状に点在するように配置してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態において、ナノ粒子138の屈折率が絶縁性液体137の屈折率より低くてもよい。ナノ粒子138の屈折率などに応じて印加する電圧を適宜調整することで、透明状態及び配光状態を実現することができる。
また、例えば、上記の実施の形態において、ナノ粒子138はプラスに帯電させたが、これに限らない。つまり、ナノ粒子138をマイナスに帯電させてもよい。この場合、第1電極層140にはプラス電位を印加し、第2電極層150にはマイナス電位を印加することで、第1電極層140と第2電極層150との間に直流電圧を印加するとよい。
また、複数のナノ粒子138には、光学特性の異なる複数種類のナノ粒子が含まれてもよい。例えば、プラスに帯電させた透明の第1ナノ粒子と、マイナスに帯電させた不透明(黒色など)の第2ナノ粒子とを含んでもよい。例えば、第2ナノ粒子を凝集させて偏在させることで、配光制御デバイスに遮光機能を持たせてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、屈折率可変材料として電気泳動材料を利用する例について示したが、これに限らない。例えば、屈折率可変材料として、液晶材料を利用してもよい。この場合、液晶材料に含まれる液晶分子の複屈折性を利用して、屈折率可変層の屈折率が変化する。屈折率可変層に与えられる電界に応じて液晶分子の配向を変化させることにより、屈折率可変層の屈折率が変化する。これにより、透明状態及び配光状態、並びに、配光状態における配光方向を制御することができる。
また、上記の実施の形態では、配光制御デバイスに入射する光として太陽光を例示したが、これに限らない。例えば、配光制御デバイスに入射する光は、照明装置などの発光装置が発する光であってもよい。
また、例えば、配光制御デバイスは、建物の窓に設置する場合に限るものではなく、例えば車の窓などに設置してもよい。また、配光制御デバイスは、例えば、照明器具の透光カバーなどの配光制御部材などに利用することもできる。あるいは、配光制御デバイスは、凹凸構造の界面での光の散乱を利用した目隠し部材としても利用することができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10、11 配光制御デバイス
20、25 第1基材
22、27 主面
22a、22b、22c 曲面部
30 配光制御フィルム
110 第2基材
120 第3基材
130 配光層
131 凹凸構造層
132 屈折層
133 凸部
137 絶縁性液体
138 ナノ粒子
140 第1電極層
150 第2電極層

Claims (5)

  1. 透光性を有する第1基材と、
    前記第1基材の主面上に設けられた配光制御フィルムとを備え、
    前記配光制御フィルムは、
    透光性を有する第2基材と、
    前記第2基材に対向して配置された、透光性を有する第3基材と、
    前記第2基材と前記第3基材との間に配置され、入射した光を配光する配光層とを備え、
    前記配光層は、
    第1方向に並んで配置された複数の凸部を有する凹凸構造層と、
    前記複数の凸部間を充填するように配置され、前記複数の凸部と屈折率が異なる屈折層とを含み、
    前記主面は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って湾曲する曲面部を含む
    配光制御デバイス。
  2. 前記複数の凸部は、前記第2方向に沿って延びており、
    前記主面は、前記第1方向に沿って湾曲していない
    請求項1に記載の配光制御デバイス。
  3. 前記主面は、前記第1方向に直交する断面で見た場合、波線又は円弧で表される
    請求項1又は2に記載の配光制御デバイス。
  4. 前記配光制御フィルムは、さらに、前記第2基材と前記第3基材との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層及び第2電極層を備え、
    前記配光層は、前記第1電極層及び前記第2電極層間に位置し、
    前記屈折層は、前記第1電極層及び前記第2電極層間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の配光制御デバイス。
  5. 前記屈折層は、
    絶縁性液体と、
    前記絶縁性液体とは屈折率が異なる、前記絶縁性液体に分散された帯電する複数のナノ粒子とを備える
    請求項4に記載の配光制御デバイス。
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