JP2019191407A - 配光制御デバイス - Google Patents

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伊藤 宜弘
Nobuhiro Ito
宜弘 伊藤
太田 益幸
Masuyuki Ota
益幸 太田
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Abstract

【課題】窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光する。【解決手段】配光制御デバイス1は、透光性を有する第1基板10と、第1基板10に対向して配置された、透光性を有する第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層40及び第2電極層50と、第1電極層40と第2電極層50との間に配置され、入射した光を配光する配光層30とを備え、配光層30は、並んで配置された複数の凸部33を有する凹凸構造層31と、複数の凸部33間を充填するように配置され、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層32とを含み、屈折率可変層32は、絶縁性液体38と、絶縁性液体38とは屈折率が異なる、絶縁性液体38に分散された帯電する複数のナノ粒子39とを備え、凹凸構造層31は、屈折率可変層32より高い導電性を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、配光制御デバイスに関する。
従来、屋外から入射する太陽光などの外光の透過状態を変化させることができる配光制御デバイスが知られている。
例えば、特許文献1には、一対の透明基板と、一対の透明基板の各々に形成された一対の透明電極と、一対の透明電極に挟まれたプリズム層及び液晶層とを有する液晶光学素子が開示されている。当該液晶光学素子は、一対の透明電極に印加される電圧によって液晶層の屈折率を変化させて、プリズムの斜面と液晶層との界面を通過する光の屈折角を変化させる。
特開2012−173534号公報
しかしながら、上記従来の液晶光学素子では、窓に利用された場合に屋内に採り入れられる光が不十分である。
そこで、本発明は、窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる配光制御デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る配光制御デバイスは、透光性を有する第1基板と、前記第1基板に対向して配置された、透光性を有する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層及び第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に配置され、入射した光を配光する配光層とを備え、前記配光層は、並んで配置された複数の凸部を有する凹凸構造層と、前記複数の凸部間を充填するように配置され、前記第1電極層及び前記第2電極層間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層とを含み、前記屈折率可変層は、絶縁性液体と、前記絶縁性液体とは屈折率が異なる、前記絶縁性液体に分散された帯電する複数のナノ粒子とを備え、前記凹凸構造層は、前記屈折率可変層より高い導電性を有する。
本発明に係る配光制御デバイスによれば、窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる。
図1は、実施の形態に係る配光制御デバイスの断面図である。 図2は、実施の形態に係る配光制御デバイスの一部を拡大して示す拡大断面図である。 図3Aは、実施の形態に係る配光制御デバイスの無印加モード(透明状態)を説明するための断面図である。 図3Bは、実施の形態に係る配光制御デバイスの電圧印加モード(配光状態)を説明するための断面図である。 図4は、比較例に係る配光制御デバイスが配光状態である場合において、斜め下方に約30°の角度で光が入射したときの出射角毎の光の強度を示す図である。 図5は、実施例に係る配光制御デバイスが配光状態である場合において、斜め下方に約30°の角度で光が入射したときの出射角毎の光の強度を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る配光制御デバイスについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は垂直などの要素間の関係性を示す用語、及び、三角形又は台形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、z軸方向を鉛直方向とし、z軸に垂直な方向(xy平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、z軸の正方向を鉛直上方としている。また、本明細書において、「厚み方向」とは、光学デバイスの厚み方向を意味し、第1基板及び第2基板の主面に垂直な方向のことであり、「平面視」とは、第1基板又は第2基板の主面に対して垂直な方向から見たときのことをいう。
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る配光制御デバイスの概要について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る配光制御デバイス1の断面図である。図2は、本実施の形態に係る配光制御デバイス1の一部を拡大して示す拡大断面図であり、図1の一点鎖線で囲まれる領域IIを拡大して示している。
配光制御デバイス1は、配光制御デバイス1に入射する光を制御する光学デバイスである。具体的には、配光制御デバイス1は、配光制御デバイス1に入射する光の進行方向を変更して(つまり、配光して)出射させることができる配光素子である。
図1及び図2に示されるように、配光制御デバイス1は、入射する光を透過するように構成されており、第1基板10と、第2基板20と、配光層30と、第1電極層40と、第2電極層50とを備える。
配光制御デバイス1は、対をなす第1基板10及び第2基板20の間に、第1電極層40、配光層30及び第2電極層50がこの順で厚み方向に沿って配置された構成である。なお、第1基板10と第2基板20との間の距離を保つために、粒子状の複数のスペーサが面内に分散されていてもよく、柱状の構造が形成されてもよい。
配光制御デバイス1は、例えば、建物の窓に設置することで、配光機能付き窓として実現することができる。配光制御デバイス1は、例えば、粘着層を介して既存の窓ガラスなどの透明基材に貼り付けられて使用される。あるいは、配光制御デバイス1は、建物の窓そのものとして利用されてもよい。配光制御デバイス1は、例えば、第1基板10が屋外側で、第2基板20が屋内側になり、かつ、図2に示される凸部33の第1側面33aが下側(床側)に面し、第2側面33bが上側(天井側)に面するように配置されている。
配光制御デバイス1では、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧によって、配光層30の屈折率可変層32の屈折率が変化する。これにより、凹凸構造層31と屈折率可変層32との界面に屈折率の差が生じ、当該界面による光の屈折及び反射(全反射)を利用して光が配光される。例えば、斜め下方に向けて入射する光の少なくとも一部は、凸部33によって斜め上方に向けて出射される。
第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧の大きさに応じて、配光制御デバイス1は、透明状態及び配光状態が切り替わる。また、配光制御デバイス1は、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧の大きさに応じて、配光状態における光の配光方向(進行方向)が変化する。
以下、配光制御デバイス1の各構成部材について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
[第1基板及び第2基板]
第1基板10及び第2基板20は、透光性を有する基材である。第1基板10及び第2基板20としては、例えばガラス基板又は樹脂基板を用いることができる。
ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス又は高屈折率ガラスなどが挙げられる。樹脂基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)又はエポキシなどの樹脂材料が挙げられる。ガラス基板は、光透過率が高く、かつ、水分の透過性が低いという利点がある。一方、樹脂基板は、破壊時の飛散が少ないという利点がある。
第1基板10と第2基板20とは、同じ材料で構成されていてもよく、あるいは、異なる材料で構成されていてもよい。また、第1基板10及び第2基板20は、リジッド基板に限るものではなく、可撓性を有するフレキシブル基板でもよい。本実施の形態において、第1基板10及び第2基板20は、PET樹脂からなる透明樹脂基板である。
第2基板20は、第1基板10に対向する対向基板であり、第1基板10に対向する位置に配置される。第1基板10と第2基板20とは、例えば、1μm〜1000μmなどの所定距離を空けて平行に配置されている。第1基板10と第2基板20とは、互いの端部外周に額縁状に形成された接着剤などのシール樹脂によって接着されている。
なお、第1基板10及び第2基板20の平面視形状は、例えば、正方形又は長方形などの矩形状であるが、これに限るものではなく、円形又は四角形以外の多角形であってもよく、任意の形状が採用され得る。
[配光層]
図1及び図2に示されるように、配光層30は、第1電極層40と第2電極層50との間に配置される。配光層30は、透光性を有しており、入射した光を透過させる。また、配光層30は、入射した光を配光する。つまり、配光層30は、配光層30を光が通過する際に、その光の進行方向を変更する。
配光層30は、凹凸構造層31と、屈折率可変層32とを有する。本実施の形態では、凹凸構造層31と屈折率可変層32との界面で光が反射されることにより、配光制御デバイス1を透過する光の、鉛直方向に対する進行方向が曲げられる。凹凸構造層31は、屈折率可変層32より高い導電性を有する。
[凹凸構造層]
凹凸構造層31は、屈折率可変層32の表面(界面)を凹凸にするために設けられた微細形状層である。凹凸構造層31は、図2に示されるように、複数の凸部33と、複数の凹部34と、基台層35とを有する。
具体的には、凹凸構造層31は、マイクロオーダーサイズの複数の凸部33によって構成された凹凸構造体である。複数の凸部33の間が、複数の凹部34である。すなわち、隣り合う2つの凸部33の間が、1つの凹部34である。図2に示される例では、複数の凸部33が個々に分離されて、根元で基台層35によって支持された例を示しているが、これに限らない。複数の凸部33は根元(第1電極層40側)で個々に接続されていてもよく、凹部34の底に平坦面が設けられていなくてもよい。
複数の凸部33は、第1基板10の主面(第1電極層40が設けられた面)に平行なz軸方向に並んで配置された複数の凸部である。すなわち、本実施の形態では、z軸方向は、複数の凸部33の並び方向である。
本実施の形態では、複数の凸部33は、その並び方向に直交する方向に延在する長尺の凸状である。具体的には、複数の凸部33は、x軸方向に延びたストライプ状に形成されている。複数の凸部33の各々は、x軸方向に沿って直線状に延びている。例えば、複数の凸部33の各々は、第1電極層40に対して横倒しに配置された四角柱である。なお、複数の凸部33は、x軸方向に沿って蛇行しながら延びていてもよい。例えば、複数の凸部33は、平面視において、波線のストライプ状に形成されていてもよい。
図2に示されるように、複数の凸部33の各々は、根元から先端にかけて先細る形状を有する。具体的には、複数の凸部33の各々の断面形状は、第1基板10から第2基板20に向かう方向に沿って先細りのテーパ形状である。本実施の形態では、凸部33のyz断面における断面形状は、配光制御デバイス1の厚み方向に沿って先細る台形であるが、これに限らない。凸部33の断面形状は、三角形でもよく、その他の多角形、又は、カーブを含む多角形などでもよい。本実施の形態では、複数の凸部33は、高さ(y軸方向における長さ)が互いに異なる複数の凸部を含んでいる。例えば、複数の凸部33の並び方向において、隣り合う2つの凸部33の高さが異なっている。複数の凸部33の各々の高さは、例えば複数の設定値の中からランダムに選択された値である。複数の凸部33の形状は、互いに同じであってもよい。複数の凸部33の高さは、例えば2μm〜100μmであるが、これに限らない。
なお、台形又は三角形には、頂点が丸みを帯びた台形又は三角形も含まれる。また、台形又は三角形には、各辺が完全に直線ではない場合、例えば、各辺の長さの数%程度の変位で僅かに屈曲している場合、又は、微小な凹凸が含まれる場合も含まれる。
本実施の形態では、図2に示されるように、複数の凸部33の各々は、第1側面33a及び第2側面33bを有する。第1側面33a及び第2側面33bは、z軸方向に交差する面である。第1側面33a及び第2側面33bの各々は、y軸方向に対して所定の傾斜角で傾斜する傾斜面である。第1側面33a及び第2側面33bの間隔、すなわち、凸部33の幅は、第1基板10から第2基板20に向かって漸次小さくなっている。
第1側面33aは、例えば、z軸が鉛直方向に一致するように配光制御デバイス1を配置した場合に、凸部33を構成する複数の側面のうち、鉛直下方側の側面である。第1側面33aは、入射光を屈折させる屈折面である。
第2側面33bは、例えば、z軸が鉛直方向に一致するように配光制御デバイス1を配置した場合に、凸部33を構成する複数の側面のうち、鉛直上方側の側面である。第2側面33bは、入射光を反射させる反射面である。ここでの反射は、全反射であり、第2側面33bは、全反射面として機能する。
第1側面33aの傾斜角及び第2側面33bの傾斜角は、例えば0°以上25°以下の範囲である。言い換えると、凸部33の断面形状である台形又は三角形の2つの底角はそれぞれ、65°以上90°以下である。あるいは、2つの底角の少なくとも一方は、65°より小さくてもよい。第1側面33aの傾斜角と第2側面33bの傾斜角とは、互いに異なっていてもよく、等しくてもよい。複数の凸部33の各々の第1側面33aの傾斜角は互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。複数の凸部33の各々の第2側面33bの傾斜角は互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。
複数の凸部33の幅(z軸方向の長さ)は、例えば1μm〜20μmであり、好ましくは10μm以下であるが、これに限らない。また、隣り合う2つの凸部33の間隔は、例えば、0μm〜100μmであるが、これに限らない。
基台層35は、第1電極層40と複数の凸部33との間に設けられ、複数の凸部33を支持する層である。図2に示されるように、基台層35は、残膜層36と、接着層37とを有する。
残膜層36は、複数の凸部33と同じ材料を用いて複数の凸部33と一体的に形成されている。複数の凸部33及び残膜層36の材料としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂などの光透過性を有する樹脂材料を用いることができる。本実施の形態では、樹脂材料には、例えばカーボンなどの導電性のフィラーが混合されている。あるいは、複数の凸部33及び残膜層36の材料は、導電性ポリマーであってもよい。これにより、複数の凸部33及び残膜層36は、屈折率可変層32よりも高い導電性を有する。
複数の凸部33及び残膜層36は、例えば、紫外線硬化樹脂材料から形成され、モールド成型又はナノインプリントなどによって形成することができる。複数の凸部33は、例えば、緑色光に対する屈折率が1.5のアクリル樹脂を用いて断面が台形の凹凸構造を、モールド型押しにより形成することができる。複数の凸部33の成型の際に残膜として残った部分が残膜層36に相当する。残膜層36の厚さt1は、例えば均一である。
なお、複数の凸部33及び絶縁性液体38の一方は、高極性材料を用いて形成されており、複数の凸部33及び絶縁性液体38の他方は、低極性材料を用いて形成されていてもよい。言い換えると、複数の凸部33の極性は高極性及び低極性の一方であり、絶縁性液体38の極性は高極性及び低極性の他方であってもよい。
例えば、絶縁性液体38の極性が低い場合、複数の凸部33は、高極性材料を用いて形成される。つまり、複数の凸部33の極性は、絶縁性液体38の極性より高い。高極性材料は、例えば、ヒドロキシル基又はアミノ基などの極性基を多く含むアクリル樹脂又はエポキシ樹脂などの樹脂材料である。
また、例えば、絶縁性液体38の極性が高い場合、複数の凸部33は、低極性材料を用いて形成される。つまり、複数の凸部33の極性は、絶縁性液体38の極性より低い。低極性材料は、例えば、ヒドロキシル基又はアミノ基などの極性基が少ないアクリル樹脂又はエポキシ樹脂などの樹脂材料である。
このように、複数の凸部33の極性と絶縁性液体38の極性とを異ならせてもよい。これにより、複数の凸部33の形状の変化、及び、屈折率の変化を抑制することができる。したがって、配光制御デバイス1の光学特性の変化を抑制することができる。
接着層37は、第1電極層40に接する接着層である。接着層37は、第1電極層40と残膜層36とを接着している。接着層37は、例えば、透光性の接着シート、又は、一般的にプライマーと称される樹脂層などである。接着層37は、例えば導電性のフィラーが混合された接着性の樹脂材料などを用いて形成される。接着層37の厚さt2は、例えば均一である。
本実施の形態では、接着層37の厚さt2は、残膜層36の厚さt1より大きい。また、接着層37の体積抵抗率は、残膜層36の体積抵抗率より低い。つまり、接着層37は、残膜層36よりも導電性が高い。導電性が高い接着層37を厚くすることで、第1電極層40と残膜層36との密着性を保持しつつ、配光制御デバイス1の性能を向上させることができる。本実施の形態では、基台層35の体積抵抗率は、複数の凸部33の体積抵抗率よりも低い。
なお、凸部33及び残膜層36を構成する樹脂材料に、多量の導電性のフィラーを混合することで、凸部33及び残膜層36の体積抵抗率を低くすることができる。しかしながら、フィラーの量が多すぎる場合、凸部33の成型性が損なわれ、凸部33の形状が崩れる恐れがある。
一方で、接着層37の形状は平板状である。このため、導電性のフィラーを多量に混合することができる。したがって、接着層37の厚さt2を大きくすることで、基台層35のうち導電性の高い接着層37が占める体積の割合を大きくすることができ、基台層35の体積抵抗率を低くすることができる。これにより、凹凸構造層31は、屈折率可変層32よりも導電性をさらに高めることができる。
[屈折率可変層]
屈折率可変層32は、複数の凸部33の間(すなわち、凹部34)を充填するように設けられている。具体的には、屈折率可変層32は、第1電極層40と第2電極層50との間に形成される隙間を埋めるように配置されている。なお、図2に示されるように、凸部33の先端部と第2電極層50とが離れている場合、屈折率可変層32は、凹部34だけでなく、凸部33の先端部と第2電極層50との間の隙間を埋めるように配置される。
屈折率可変層32は、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する。具体的には、屈折率可変層32は、電極層間に電圧が与えられることによって可視光帯域での屈折率が調整可能な屈折率調整層として機能する。例えば、制御装置(図示せず)などによって、第1電極層40と第2電極層50との間には直流電圧が印加される。
図2に示されるように、屈折率可変層32は、絶縁性液体38と、絶縁性液体38に含まれるナノ粒子39とを有する。屈折率可変層32は、無数のナノ粒子39が絶縁性液体38に分散されたナノ粒子分散層である。
絶縁性液体38は、絶縁性を有する透明な液体であり、分散質としてナノ粒子39が分散される分散媒となる溶媒である。絶縁性液体38としては、例えば、屈折率(溶媒屈折率)が約1.3〜約1.6の材料を用いることができる。本実施の形態では、屈折率が約1.4の絶縁性液体38を用いている。
なお、絶縁性液体38の動粘度は、100mm/s程度であるとよい。また、絶縁性液体38は、低誘電率(例えば、凹凸構造層31の誘電率以下)で、非引火性(例えば、引火点が250℃以上の高引火点)及び低揮発性を有してもよい。具体的には、絶縁性液体38は、脂肪族炭化水素、ナフサ、及びその他の石油系溶剤などの炭化水素、低分子量ハロゲン含有ポリマー、又は、これらの混合物などである。一例として、絶縁性液体38は、フッ化炭化水素などのハロゲン化炭化水素である。なお、絶縁性液体38としては、シリコーンオイルなどを用いることもできる。
ナノ粒子39は、絶縁性液体38に複数分散されている。ナノ粒子39は、粒径がナノオーダサイズの微粒子である。具体的には、入射光の波長をλとすると、ナノ粒子39の粒径は、λ/4以下であるとよい。ナノ粒子39の粒径をλ/4以下にすることで、ナノ粒子39による光散乱を少なくして、ナノ粒子39と絶縁性液体38との平均的な屈折率を得ることができる。ナノ粒子39の粒径は、小さい程よく、好ましくは100nm以下、より好ましくは、数nm〜数十nmである。
ナノ粒子39は、例えば、高屈折率材料によって構成されている。具体的には、ナノ粒子39の屈折率は、絶縁性液体38の屈折率よりも高い。本実施の形態において、ナノ粒子39の屈折率は、凹凸構造層31の屈折率よりも高い。
ナノ粒子39としては、例えば、金属酸化物微粒子を用いることができる。また、ナノ粒子39は、透過率が高い材料で構成されていてもよい。本実施の形態では、ナノ粒子39として、酸化ジルコニウム(ZrO)によって構成された屈折率が2.1の透明なジルコニア粒子を用いている。なお、ナノ粒子39は、酸化ジルコニウムに限らず、酸化チタン(TiO:屈折率2.5)などによって構成されていてもよい。
また、ナノ粒子39は、帯電している荷電粒子である。例えば、ナノ粒子39の表面を修飾することで、ナノ粒子39を正(プラス)又は負(マイナス)に帯電させることができる。本実施の形態において、ナノ粒子39は、正(プラス)に帯電している。
このように構成された屈折率可変層32では、帯電したナノ粒子39が絶縁性液体38の全体に分散されている。本実施の形態では、一例として、ナノ粒子39として屈折率が2.1のジルコニア粒子を用いて、溶媒屈折率が約1.4の絶縁性液体38に分散させたものを屈折率可変層32としている。
また、屈折率可変層32の全体の屈折率(平均屈折率)は、ナノ粒子39が絶縁性液体38内に均一に分散された状態において、凹凸構造層31の屈折率と略同一に設定されており、本実施の形態では、約1.5である。なお、屈折率可変層32の全体の屈折率は、絶縁性液体38に分散するナノ粒子39の濃度(量)を調整することによって変えることができる。詳細は後述するが、ナノ粒子39の量は、例えば、凹凸構造層31の凹部34に埋まる程度である。この場合、絶縁性液体38に対するナノ粒子39の濃度は、約10%〜約30%である。
絶縁性液体38中に分散するナノ粒子39は帯電しているので、第1電極層40及び第2電極層50間に電圧が印加された場合、ナノ粒子39は、ナノ粒子39が帯びた極性とは異なる極性の電極層に引き寄せられるように絶縁性液体38中を泳動し、絶縁性液体38内で偏在する。本実施の形態では、ナノ粒子39は、プラスに帯電しているので、第1電極層40及び第2電極層50のうち負極側の電極層に引き寄せられる。
これにより、屈折率可変層32内のナノ粒子39の粒子分布が変化して屈折率可変層32内にナノ粒子39の濃度分布を持たせることができるので、屈折率可変層32内の屈折率分布が変化する。つまり、屈折率可変層32の屈折率が部分的に変化する。このように、屈折率可変層32は、主に可視光帯域の光に対する屈折率を調整することができる屈折率調整層として機能する。
屈折率可変層32は、例えば、第1電極層40及び凹凸構造層31が形成された第1基板10と、第2電極層50が形成された第2基板20との各々の端部外周をシール樹脂で封止した状態で、屈折率可変材料を真空注入法で注入することで形成される。あるいは、屈折率可変層32は、第1基板10の第1電極層40及び凹凸構造層31上に屈折率可変材料を滴下した後に、第2電極層50が形成された第2基板20を貼り合わせることで形成されてもよい。本実施の形態では、屈折率可変材料は、ナノ粒子39が分散された絶縁性液体38である。ナノ粒子39が分散された絶縁性液体38が第1基板10と第2基板20との間に封止されている。屈折率可変層32の厚さは、例えば1μm〜1000μmであるが、これに限らない。
[第1電極層及び第2電極層]
図1及び図2に示されるように、第1電極層40及び第2電極層50は、電気的に対となっている。第1電極層40と第2電極層50とは、電気的だけではなく配置的にも対になっており、第1基板10と第2基板20との間に、互いに対向するように配置されている。具体的には、第1電極層40及び第2電極層50は、配光層30を挟むように配置されている。
第1電極層40及び第2電極層50は、透光性を有し、入射した光を透過する。第1電極層40及び第2電極層50は、例えば透明導電層である。透明導電層の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)若しくはIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明金属酸化物、銀ナノワイヤ若しくは導電性粒子などの導電体を含有する樹脂からなる導電体含有樹脂、又は、銀薄膜などの金属薄膜などを用いることができる。なお、第1電極層40及び第2電極層50は、これらの単層構造でよく、これらの積層構造(例えば透明金属酸化物と金属薄膜との積層構造)でもよい。本実施の形態では、第1電極層40及び第2電極層50はそれぞれ、厚さ100nmのITOである。
第1電極層40は、第1基板10と凹凸構造層31との間に配置されている。具体的には、第1電極層40は、第1基板10の配光層30側の面に形成されている。
一方、第2電極層50は、屈折率可変層32と第2基板20との間に配置されている。具体的には、第2電極層50は、第2基板20の配光層30側の面に形成されている。
なお、第1電極層40及び第2電極層50は、例えば、外部電源との電気接続が可能となるように構成されている。例えば、外部電源に接続するための電極パッドなどが、第1電極層40及び第2電極層50の各々から引き出されて第1基板10及び第2基板20に形成されていてもよい。
第1電極層40及び第2電極層50はそれぞれ、例えば、蒸着、スパッタリングなどにより、ITOなどの導電膜を成膜することで形成される。
[配光制御デバイスの動作及び光学状態]
続いて、配光制御デバイス1の動作及び光学状態について説明する。
<透明状態(無印加モード)>
図3Aは、本実施の形態に係る配光制御デバイス1の無印加モード(透明状態)を説明するための拡大断面図である。また、図3Aには、配光制御デバイス1に対して斜めに入射する光Lの経路を矢印で示している。
図3Aにおいて、第1電極層40及び第2電極層50間には電圧が印加されていない。具体的には、第1電極層40と第2電極層50とは、互いに等電位となっている。この場合、ナノ粒子39は、いずれの電極層にも引き寄せられないので、絶縁性液体38の全体に亘って分散された状態となる。
本実施の形態では、ナノ粒子39が絶縁性液体38の全体に分散された状態の屈折率可変層32の屈折率は、上述したように、約1.5である。また、凹凸構造層31の凸部33の屈折率は、約1.5である。つまり、複数の凸部33と、屈折率可変層32とは、屈折率が同等になる。したがって、配光層30の全体で、屈折率が均一になる。
このため、図3Aに示されるように、斜め上方から斜め下方に向けて光Lが入射した場合、屈折率可変層32と凹凸構造層31との界面には屈折率差がないので、光が真っ直ぐに進行する。つまり、yz断面において、光Lの入射角と出射角とは、実質的に同じになる。
このように、配光制御デバイス1は、入射した光を実質的にそのまま(進行方向を変えることなく)透過させる透明状態になる。
なお、光Lは、実際には、第1基板10に入射するとき、第2基板20から出射するとき、第1基板10と第1電極層40との界面を通過するとき、及び、第2電極層50と第2基板20との界面を通過するとき、などの通過する媒体が変化するときに屈折するが、図3Aには図示していない。後述する図3Bにおいても同様である。
<配光状態(電圧印加モード)>
図3Bは、本実施の形態に係る配光制御デバイス1の電圧印加モード(配光状態)を説明するための拡大断面図である。また、図3Bには、配光制御デバイス1に対して斜めに入射する光Lの経路を太線の矢印で示している。
図3Bにおいて、第1電極層40及び第2電極層50間に所定の電圧が印加されている。例えば、第1電極層40と第2電極層50とには、数十V程度の電位差の電圧が印加されている。これにより、屈折率可変層32では、帯電したナノ粒子39が、ナノ粒子39が帯びた極性とは異なる極性の電極層に引き寄せられるように絶縁性液体38内を泳動する。つまり、ナノ粒子39は、絶縁性液体38内を電気泳動する。
図3Bに示す例では、第2電極層50は、第1電極層40よりも高電位になっている。このため、プラスに帯電したナノ粒子39は、第1電極層40に向かって泳動し、凹凸構造層31の凹部34に入り込んで集積していく。本実施の形態では、凹凸構造層31が導電性を有するので、第1電極層40及び第2電極層50間に配光層30を介して電流が流れやすい。このため、ナノ粒子39の電気泳動が促進され、凹部34内への集積がスムーズに行われる。
このように、ナノ粒子39が屈折率可変層32内の凹凸構造層31側に偏在することで、ナノ粒子39の粒子分布が変化し、屈折率可変層32内の屈折率分布が一様ではなくなる。具体的には、図3Bに示すように、屈折率可変層32内でナノ粒子39の濃度分布が形成される。
例えば、凹凸構造層31側の第1領域32aでは、ナノ粒子39の濃度が高くなり、第2電極層50側の第2領域32bでは、ナノ粒子39の濃度が低くなる。したがって、第1領域32aと第2領域32bとには、屈折率差が生じる。
本実施の形態では、ナノ粒子39の屈折率が絶縁性液体38の屈折率よりも高い。このため、ナノ粒子39の濃度が高い第1領域32aの屈折率は、ナノ粒子39の濃度が低い、すなわち、絶縁性液体38の割合が多い第2領域32bの屈折率よりも高くなる。例えば、第1領域32aの屈折率は、ナノ粒子39の濃度に応じて約1.5より大きい値〜約1.8になる。第2領域32bの屈折率は、ナノ粒子39の濃度に応じて約1.4〜約1.5より小さい値になる。
複数の凸部33の屈折率が約1.5であるので、第1電極層40と第2電極層50との間に電圧が印加されている場合、凸部33と第1領域32aとの間には、屈折率差が生じる。このため、図3Bに示すように、斜め方向から光Lが入射した場合、入射した光Lは、凸部33の第1側面33aで屈折した後、第2側面33bで全反射される。
これにより、図3Bに示されるように、垂直断面において、光Lの入射角と出射角とが異なる。例えば、斜め上方から斜め下方に向けて入射した光Lは、斜め上方に向けて配光制御デバイス1から出射される。
このように、第1電極層40と第2電極層50との間に所定の電圧が印加された場合に、複数の凸部33の各々と屈折率可変層32との界面に屈折率差が発生し、配光層30に入射する光の進行方向が曲げられる。つまり、配光制御デバイス1は、入射した光を、その進行方向を曲げて透過させる配光状態になる。
また、印加する電圧の大きさによってナノ粒子39の凝集の程度を変化させることができる。ナノ粒子39の凝集の程度によって屈折率可変層32の屈折率が変化する。このため、凸部33の第1側面33a及び第2側面33b(界面)における屈折率の差を変化させることで、配光方向を変化させることも可能である。
[効果など]
ここで、凹凸構造層31が屈折率可変層32よりも高い導電性を有することの有利な効果について説明する。
本願発明者らは、実施例として、配光制御デバイス1のサンプルを試作し、第1電極層40と第2電極層50との間に所定の電圧を印加することで、光が全反射されるか否かを確認した。また、比較例として、導電性を有しない凹凸構造層を備えるサンプルを試作し、第1電極層40と第2電極層50との間に所定の電圧を印加することで、光が全反射されることか否かを確認した。比較例に係るサンプルでは、凹凸構造層が導電性を有しない点を除いて、他の構成は実施例に係るサンプルと同じである。
図4及び図5はそれぞれ、比較例及び実施例に係る配光制御デバイスが配光状態である場合において、斜め下方に約30°の角度で光が入射したときの出射角毎の光の強度を示す図である。図4及び図5の各々において、縦軸は光の強度を表している。横軸は光の出射角θを表している。出射角θは、水平面に対して上方に出射された場合に正の値(+)で表され、水平面に対して下方に出射された場合に負の値(−)で表される。図4及び図5の各々に示されるように、出射角が−30°に大きなピークが見られる。このピークは、各サンプルに斜め下方に約30°で入射した光がそのまま通過した光に起因する。
図4及び図5の各々において、実線のグラフは、第1電極層40及び第2電極層50間に所定の電圧(具体的には40V)を印加した場合を示している。破線のグラフは、第1電極層40及び第2電極層50間に電圧を印加していない場合を示している。
比較例に係るサンプルでは、実線のグラフと破線のグラフとがほぼ一致しており、電圧の印加の有無によってサンプルの光学特性が変化していないことが分かる。図4に拡大して示されるように、出射角θが正の値になる範囲では、ピークが確認されなかった。つまり、比較例に係るサンプルでは、電圧を印加したとしてもサンプルが配光状態になっていない。このとき、一対の電極層間に流れる電流値は0.02mAであり、ほとんど電流が流れていない。つまり、比較例に係るサンプルでは、電圧を印加した場合であっても屈折率可変層32内でナノ粒子39の泳動が起きていないと推定される。
一方で、図5に拡大して示されるように、実施例に係るサンプルでは、電圧が印加された場合に、出射角θが正の値になる範囲では約20°にピークが確認された。つまり、斜め下方に約30°で入射した光の一部が斜め上方の約20°で出射されている。実施例に係るサンプルでは、電圧を印加することにより、配光状態が実現されている。このとき、一対の電極層間に流れる電流値は0.37mAであり、比較例に係るサンプルに比べて十分に大きな電流が流れている。したがって、実施例に係るサンプルでは、電圧を印加することで、屈折率可変層32内でナノ粒子39の泳動が起きていると推定される。
以上のように、本実施の形態に係る配光制御デバイス1は、透光性を有する第1基板10と、第1基板10に対向して配置された、透光性を有する第2基板20と、第1基板10と第2基板20との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層40及び第2電極層50と、第1電極層40と第2電極層50との間に配置され、入射した光を配光する配光層30とを備える。配光層30は、並んで配置された複数の凸部33を有する凹凸構造層31と、複数の凸部33間を充填するように配置され、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層32とを含む。屈折率可変層32は、絶縁性液体38と、絶縁性液体38とは屈折率が異なる、絶縁性液体38に分散された帯電する複数のナノ粒子39とを備える。凹凸構造層31は、屈折率可変層32より高い導電性を有する。
これにより、凹凸構造層31が屈折率可変層32より高い導電性を有するので、屈折率可変層32で電気泳動が発生する。具体的には、絶縁性液体38とは屈折率が異なるナノ粒子39が絶縁性液体38内を移動することにより、屈折率可変層32内で屈折率が異なる領域が形成される。したがって、凹凸構造層31の凸部33と屈折率可変層32との屈折率が異なる場合に、凸部33と屈折率可変層32との界面で光を全反射させることにより、光を曲げて出射させることができる。例えば、斜め上方から下方に向けて入射する太陽光を斜め上方に跳ね上げることができるので、太陽光によって屋内の天井を照らすことができる。このように、配光制御デバイス1は、窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる。
また、例えば、凹凸構造層31は、さらに、第1電極層40と複数の凸部33との間に設けられている。複数の凸部33を支持する基台層35を有する。基台層35の体積抵抗率は、複数の凸部33の体積抵抗率より低い。
これにより、複数の凸部33が基台層35によって支持されているので、凸部33が壊れにくくなり、凸部33の信頼性が高まる。また、基台層35の体積抵抗率を低くすることで、凸部33の体積抵抗率が高い場合であっても凹凸構造層31の全体としての体積抵抗率を低くすることができる。したがって、凹凸構造層31の導電性を確保することができ、屈折率可変層32内で電気泳動を起こさせることができる。このように、配光制御デバイス1は、窓に利用された場合に、屋内に効率良く採光することができる。
また、例えば、基台層35は、第1電極層40に接する接着層37と、複数の凸部33と同じ材料を用いて複数の凸部33と一体的に形成された残膜層36とを有する。
これにより、基台層35が接着層37を有するので、複数の凸部33及び残膜層36と第1電極層40との密着性を高めることができる。
また、例えば、接着層37の厚さt2は、残膜層36の厚さt1より大きい。接着層37の体積抵抗率は、残膜層36の体積抵抗率より低い。
これにより、成型が容易な残膜層36の膜厚を大きくし、かつ、体積抵抗率を低くすることで、凹凸構造層31の全体としての体積抵抗率をより低くすることができる。したがって、凹凸構造層31の導電性を確保することができ、屈折率可変層32内で電気泳動を起こさせることができる。
また、例えば、凹凸構造層31は、導電性の樹脂材料を用いて形成されている。
これにより、樹脂材料を用いることで、ナノインプリント法などの成型精度の高い方法で凹凸構造層31を形成することができる。したがって、凹凸構造層31の信頼性が高まり、所望の配光性能を得ることができる。
(その他)
以上、本発明に係る配光制御デバイスについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、凹凸構造層31は、透光性及び導電性を有するガラス材料など、樹脂材料以外の材料を用いて形成されてもよい。
また、例えば、接着層37の厚さt2は、残膜層36の厚さt1より小さくてもよい。例えば、t2は、t1の10%以下でもよい。具体的には、残膜層36の厚さt1が1μm以上である場合に、接着層37の厚さt2は、数nm以上、数十nm以下であってもよい。このとき、接着層37は、絶縁性を有してもよい。接着層37が十分に薄膜化されているので、接着層37の抵抗を実質的に無視することができ、基台層35の導電性に与える影響を十分に抑制することができる。
なお、凹凸構造層31の基台層35は、接着層37を有しなくてもよい。つまり、基台層35は、残膜層36のみを有してもよい。また、凹凸構造層31は、基台層35を備えなくてもよい。
また、例えば、凹凸構造層31は、第2基板20側に設けられていてもよい。この場合、基台層35は、第2電極層50と複数の凸部33との間に設けられる。
また、例えば、複数の凸部33は、x軸方向において複数に分割されていてもよい。例えば、複数の凸部33は、マトリクス状などに点在するように配置されていてもよい。つまり、複数の凸部33を、ドット状に点在するように配置してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態において、ナノ粒子39の屈折率が絶縁性液体38の屈折率より低くてもよい。ナノ粒子39の屈折率などに応じて印加する電圧を適宜調整することで、透明状態及び配光状態を実現することができる。例えば、第1電極層40及び第2電極層50間に電圧が印加されていない場合に配光状態が実現され、電圧が印加された場合に透明状態が実現されてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態において、ナノ粒子39はプラスに帯電させたが、これに限らない。つまり、ナノ粒子39をマイナスに帯電させてもよい。この場合、第1電極層40にはプラス電位を印加し、第2電極層50にはマイナス電位を印加することで、第1電極層40と第2電極層50との間に直流電圧を印加するとよい。
また、複数のナノ粒子39には、光学特性の異なる複数種類のナノ粒子が含まれてもよい。例えば、プラスに帯電させた透明の第1ナノ粒子と、マイナスに帯電させた不透明(黒色など)の第2ナノ粒子とを含んでもよい。例えば、第2ナノ粒子を凝集させて偏在させることで、配光制御デバイスに遮光機能を持たせてもよい。
また、上記の実施の形態では、配光制御デバイスに入射する光として太陽光を例示したが、これに限らない。例えば、配光制御デバイスに入射する光は、照明装置などの発光装置が発する光であってもよい。
また、例えば、配光制御デバイスは、建物の窓に設置する場合に限るものではなく、例えば車の窓などに設置してもよい。また、配光制御デバイスは、例えば、照明器具の透光カバーなどの配光制御部材などに利用することもできる。あるいは、配光制御デバイスは、凹凸構造の界面での光の散乱を利用した目隠し部材としても利用することができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 配光制御デバイス
10 第1基板
20 第2基板
30 配光層
31 凹凸構造層
32 屈折率可変層
33 凸部
35 基台層
36 残膜層
37 接着層
38 絶縁性液体
39 ナノ粒子
40 第1電極層
50 第2電極層

Claims (6)

  1. 透光性を有する第1基板と、
    前記第1基板に対向して配置された、透光性を有する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層及び第2電極層と、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に配置され、入射した光を配光する配光層とを備え、
    前記配光層は、
    並んで配置された複数の凸部を有する凹凸構造層と、
    前記複数の凸部間を充填するように配置され、前記第1電極層及び前記第2電極層間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層とを含み、
    前記屈折率可変層は、
    絶縁性液体と、
    前記絶縁性液体とは屈折率が異なる、前記絶縁性液体に分散された帯電する複数のナノ粒子とを備え、
    前記凹凸構造層は、前記屈折率可変層より高い導電性を有する
    配光制御デバイス。
  2. 前記凹凸構造層は、さらに、前記第1電極層及び前記第2電極層の一方と前記複数の凸部との間に設けられ、前記複数の凸部を支持する基台層を有し、
    前記基台層の体積抵抗率は、前記複数の凸部の体積抵抗率より低い
    請求項1に記載の配光制御デバイス。
  3. 前記基台層は、
    前記第1電極層及び前記第2電極層の一方に接する接着層と、
    前記複数の凸部と同じ材料を用いて前記複数の凸部と一体的に形成された残膜層とを有する
    請求項2に記載の配光制御デバイス。
  4. 前記接着層の厚さは、前記残膜層の厚さより大きく、
    前記接着層の体積抵抗率は、前記残膜層の体積抵抗率より低い
    請求項3に記載の配光制御デバイス。
  5. 前記凹凸構造層は、導電性の樹脂材料を用いて形成されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の配光制御デバイス。
  6. 前記複数の凸部及び前記絶縁性液体の一方は、高極性材料を用いて形成され、
    前記複数の凸部及び前記絶縁性液体の他方は、低極性材料を用いて形成されている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の配光制御デバイス。
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