JP6667996B2 - メイクアップ用化粧料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メイクアップ用化粧料及びその製造方法に関する。
メイクアップ用化粧料には様々な剤形があるが、例えば粉末化粧料は、構成成分の多くが粉体成分であるため、粉っぽい仕上がりになり、肌への密着感を向上させ難い化粧料剤形であった。このため、粉末化粧料の肌への密着感を高めるために、種々の検討がなされてきた。具体的には、粘着性の高い油を配合する方法や、金属せっけんを配合する方法、粉体を表面処理することによって付着性の向上を計る方法(例えば、非特許文献1)、特定の界面活性剤を配合する方法(例えば、特許文献1)等が挙げられる。
特開平2−152917号公報
光井武夫、「新化粧品学」、(第二版)南山堂、p403(2001年)
一般に、肌への密着感に優れ、粉っぽさがなく、塗布時の肌への伸び広がりが良好な粉末化粧料が好まれるが、上記の粘着性の高い油を配合する方法では、肌への密着感は高まるものの、べたついてしまい、塗布時の肌への伸び広がりが悪くなってしまう。また、非特許文献1に記載の金属せっけんを配合する方法や、特許文献1に記載の特定の界面活性剤を配合する方法では、塗布時の肌への伸び広がりが悪くなってしまい、近年の粉末化粧料の品質として満足できる水準にすることは困難であった。
また、粉末化粧料よりも油性成分を多く含有する油性化粧料についても同様に、肌への密着感に優れ、粉っぽさがなく、塗付時の肌への伸び広がりが良好な油性化粧料が望まれるが、使用者が十分に満足する程度に使用感に優れた油性化粧料を得ることは難しいのが現状である。
さらに近年の化粧品分野では、使用するアイテム数を減らせる複合型の化粧品が開発されており、例えばベースメイクアップ化粧料においては化粧下地の機能を含有するファンデーションが好まれている。そのため、粉末化粧料や油性化粧料といった剤形のメイクアップ用化粧料に関して、化粧下地を用いなくても均一な仕上がりを得ることができる化粧料の開発が望まれていた。
本発明は、上記の現状を鑑み、肌への密着感に優れ、粉っぽさがなく、塗布時の肌への伸び広がりが良好で、化粧下地を用いなくても均一な仕上がりを得ることができるメイクアップ用化粧料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、油剤及び体質粉体を含有する化粧料中に、後述する式(I)で表される化合物を所定量配合することによって、肌への密着感に優れ、粉っぽさがなく、塗布時の肌への伸び広がりが良好で、化粧下地を用いなくても均一な仕上がりを得ることができる化粧料が得られることを見出した。
すなわち本発明は、(a)下記式(I):
(式中、m及びnは、各々独立して10〜26の整数を示す)
で表される化合物と、
(b)油剤と、
(c)体質粉体と
を含有し、化粧料中の前記(a)式(I)で表される化合物の含有量が0.01〜5.0質量%である、メイクアップ用化粧料に関する。
また本発明は別の側面において、(a)下記式(I):
(式中、m及びnは、各々独立して10〜26の整数を示す)
で表される化合物と、
(b)油剤と、
(c)体質粉体と
を混合する工程を含み、化粧料中の前記(a)式(I)で表される化合物の含有量が0.01〜5.0質量%である、メイクアップ用化粧料の製造方法に関する。
本発明によれば、肌への密着感に優れ、粉っぽさがなく、塗布時の肌への伸び広がりが良好で、化粧下地を用いなくても均一な仕上がりを得ることができるメイクアップ用化粧料及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係るメイクアップ用化粧料は、(a)式(I)で表される化合物と、(b)油剤と、(c)体質粉体とを少なくとも含有し、必要に応じて適宜その他の成分を含有する。
本発明に係るメイクアップ用化粧料に使用される成分(a)は、下記式(I)で表される化合物(ポリエーテル変性シリコーンワックス)である。成分(a)としては、下記式(I)を満たす少なくとも1種の化合物又は2種以上の化合物の混合物を用いることが出来る。
(式中、m及びnは、各々独立して10〜26の整数を示す)
式(I)で表される化合物は、室温(例えば1〜30℃)でペースト状から固形状であり、水との親和性が高く、水分散性に優れるシリコーンワックスとして知られている。そのため、従来は水を配合する化粧料組成物に配合されて使用されてきた。一方で、粉末化粧料又は油性化粧料は一般的に粉体と油剤で構成されることから、このような水分散性のシリコーンワックスが粉末化粧料又は油性化粧料に配合された例はこれまでにない。本発明者らは、このような水分散性のシリコーンワックスの中でも、特に式(I)で表される化合物を、粉体と油剤で構成される粉末化粧料又は油性化粧料に所定量配合し得ることを見出し、更に驚くべきことに、このような式(I)で表される化合物を所定量含有する化粧料が、化粧下地を使用せずとも、使用感及び仕上がりに非常に優れたものとなることを見出した。これは本発明者らによる新たな知見である。
式(I)中、m及びnは、油剤への溶解性又は分散性、及び水への分散性の維持の観点から、各々独立して10〜26の整数であり、12〜24の整数が好ましく、14〜22の整数がより好ましい。
式(I)で表される化合物としては、例えばINCI名「ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン」として市販されているものを用いることができる。具体的には、2501 Cosmetic Wax(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。これは式(I)において、m及びnがそれぞれ平均18である構造を有する化合物である。
メイクアップ用化粧料中の式(I)で表される化合物の含有量は、化粧料の総質量を基準として、0.01〜5.0質量%であり、好ましくは0.1〜3.0質量%である。式(I)で表される化合物の含有量が、0.01質量%未満であると、肌への密着感に劣り、均一な仕上がりの効果が充分に発揮されず、5.0質量%を超えると、含有量の増大に見合う効果が充分に得られず、また使用感の悪さや製剤化が困難になる等の問題を生じる場合がある。
式(I)で表される化合物は、好ましくは、油剤へ溶解又は分散させた後に、体質粉体と混合することにより、化粧料中に配合される。或いは、予め式(I)で表される化合物で、体質粉体及びその他の粉体を含む粉体類を表面処理した後に、油剤と混合することにより、式(I)で表される化合物を化粧料中に含有させてもよい。
本発明に係るメイクアップ用化粧料に使用される成分(b)は、油剤であり、通常、化粧料に用いられる油剤を使用することができる。
本発明の好ましい態様では、油剤に式(I)で表される化合物を予め溶解又は分散させ、次いで体質粉体と混合することにより、式(I)で表される化合物を化粧料中に含有させる。このため、油剤としては、式(I)で表される化合物を均一に溶解又は分散できる油剤を含むことが好ましく、このような好ましい油剤の具体例としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素油類、液状ラノリン、オリーブ油、アボカド油、ダイズ油、メドウホーム油、ヒマシ油、ミンク油等の天然動植物油脂類、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ジペンタエリスリット脂肪酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸エステル類、トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のトリグリセライド類、多価アルコール脂肪酸エステル類、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル等の合成エステル類、イソステアリン酸等の脂肪酸類、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンゲル、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、液状のパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン等の紫外線吸収剤などが挙げられる。上記以外にも、例えば30〜100℃の温度条件下で液状となる油剤であれば、式(I)で表される化合物を均一に溶解又は分散できるため、好ましく使用することができる。これらの油剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に、式(I)で表される化合物を均一にかつ容易に溶解又は分散させる観点から、油剤としては高極性の油剤を少なくとも含むものを使用することが好ましい。ここで、高極性の油剤とは、式(I)で表される化合物を均一にかつ容易に溶解又は分散できる性質の油剤であれば特に制限はないが、例えば、IOB値が0.2以上の油剤を好ましく使用できる。この際のIOB値の上限は1.0以下が好ましい。すなわち、高極性の油剤におけるIOB値の範囲は、好ましくは0.2〜1.0、より好ましくは0.2〜0.6、更に好ましくは0.25〜0.45である。なお、ここでのIOB値とは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」の値をいい、当業者に公知の有機化合物の極性の指標である。「無機性値(IV)」、「有機性値(OV)」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、甲田善生著、「有機概念図−基礎と応用−」p11〜17、三共出版、1984年発行参照)。
より具体的には、高極性の油剤としては、例えば、IOB値が0.2以上の、合成エステル類、脂肪酸類、高級アルコール、シリコーン油類、紫外線吸収剤等が好ましく使用できる。このような高極性の油剤の好ましい具体例としては、例えば、合成エステル類として、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル等、脂肪酸類として、イソステアリン酸等、高級アルコールとして、オレイルアルコール等、シリコーン油類として、メチルフェニルポリシロキサン等、紫外線吸収剤として、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、オクトクリレン等が挙げられる。これらの高極性の油剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の好ましい態様では、高極性の油剤は式(I)で表される化合物を溶解又は分散させる目的で使用されるため、式(I)で表される化合物の使用量に対して、一定以上の量が使用されることが好ましい。そのため、式(I)で表される化合物と高極性の油剤との使用量比(化粧料中の式(I)で表される化合物と高極性の油剤との含有量比)は、質量比で、式(I)で表される化合物:高極性の油剤=1:0.5〜1:50が好ましく、1:1〜1:10がより好ましい。なお、上記の好ましい態様では、油剤として高極性の油剤のみを使用してもよいが、化粧料の使用感を向上させる観点からは、後述する低極性の油剤と併用することがより好ましい。
一方で、式(I)で表される化合物で、体質粉体及びその他の粉体を含む粉体類を表面処理することにより、式(I)で表される化合物を化粧料中に含有させる態様においては、油剤中に式(I)で表される化合物を溶解又は分散させる必要はないため、油剤として、高極性の油剤を含まず、低極性の油剤のみを含むものを使用しても構わない。なお、低極性の油剤としては、例えばIOB値が0.2未満、好ましくは0.1以下の油剤、又は非極性油剤を使用することができる。より具体的には、低極性の油剤としては、IOB値が0.2未満であるか又は非極性である、エステル類、パラフィン系油剤類、スクワラン系油剤類、炭化水素類、シリコーン類等が使用できる。このような低極性の油剤の好ましい具体例としては、例えば、エステル類として、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル等、パラフィン系油剤類として、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン等、スクワラン系油剤類として、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン等、炭化水素類として、α―オレフィンオリゴマー等、シリコーン類として、直鎖ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。これらの低極性の油剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のいずれの態様においても、化粧料の使用感を向上させる観点からは、高極性の油剤と低極性の油剤との両者を組み合わせて使用することがより好ましい。なお、油剤としては、上記に例示した油剤以外にも、化粧料に通常配合される、オゾケライト、パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナバロウ等の固形状の油剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で更に含んでいてもよい。
メイクアップ用化粧料中の油剤の含有量は、特に限定されず、化粧料の剤形等により適宜変更され得るが、化粧料の総質量を基準として、好ましくは0.1〜95質量%である。油剤の含有量が好ましい範囲内であると、式(I)で表される化合物を均一にかつ容易に溶解又は分散させることができ、また、塗布時の肌への伸び広がりがより良好となる。また、化粧料が固形粉末化粧料の場合にはケーキング現象を生じにくいという利点もある。
また、化粧料中の油剤と体質粉体との配合割合は、化粧料の剤形や種類により大きく変わり得る。そのため以下に、化粧料の剤形及び種類ごとの、油剤と体質粉体との合計質量(成分(b)+成分(c))に対する、油剤(成分(b))の質量割合((b)/(b)+(c))を例示する。
剤形が粉末化粧料である場合、油剤と体質粉体との合計質量に対する油剤の割合は、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは5〜15質量%である。なお、粉末化粧料は、粉末状(例えばルース状)の剤形と、圧縮成型等により成型した固形状(例えばケーキ状)の剤形(固形粉末化粧料)とに更に分類され得るが、油剤と体質粉体との合計質量に対する好ましい油剤の割合は、粉末状の粉末化粧料の場合は0.1〜15質量%、固形粉末化粧料の場合は5〜30質量%である。更に、粉末化粧料の種類ごとに、油剤と体質粉体との合計質量に対する油剤の割合の範囲を例示すると、粉末状のファンデーション、白粉、頬紅では0.1〜10質量%、粉末状のアイシャドウ、アイブロウ、コンシーラーでは0.1〜15質量%、固形状(固形粉末)のファンデーションでは5〜20質量%、固形状(固形粉末)の白粉では1〜15質量%、固形状(固形粉末)の頬紅では5〜15質量%、固形状(固形粉末)のアイシャドウ、アイブロウ、コンシーラーでは5〜30質量%である。
剤形が油性化粧料である場合、油剤と体質粉体との合計質量に対する油剤の割合は、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは40〜90質量%である。なお、油性化粧料は、固形状(例えば皿状、スティック状等)の剤形(固形油性化粧料)であることが好ましい。更に、油性化粧料の種類ごとに、油剤と体質粉体との合計質量に対する油剤の割合を例示すると、固形状(油性)のファンデーション、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラーでは30〜90質量%、固形状(油性)の白粉では20〜90質量%、固形状(油性)の頬紅、口紅では30〜95質量%である。
本発明に係るメイクアップ用化粧料に使用される成分(c)の体質粉体としては、通常、化粧料において、賦形材や感触調整剤として用いられるものを使用することができる。具体的には、例えば、タルク、カオリン、セリサイト、雲母、合成雲母、合成フッ素金雲母、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、無水ケイ酸、アルミナ、硫酸バリウム、ベントナイト、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、炭酸カルシウム、スメクタイト、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー複合粉体等が挙げられる。これらの体質粉体は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの体質粉体は、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造などにより特に限定されず、いずれの形状、粒子径、粒子構造のものを使用してもよい。
また、体質粉体としては、肌に塗付した後の化粧崩れを防止する等の観点から、フッ素化合物、シリコーン化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等により表面処理(疎水化処理)が施された体質粉体を使用しても良い。例えば、メチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシカプリリルシラン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物で表面処理された体質粉体を好ましく使用することができる。
メイクアップ用化粧料中の体質粉体の含有量としては、特に制限はなく、例えば、式(I)で表される化合物と油剤とを上記好ましい範囲内の含有量で含有させた化粧料における残部を、体質粉体の含有量とすることができる。よって、メイクアップ用化粧料中の体質粉体の含有量は特に限定されるものではないが、化粧料の総質量を基準として、好ましくは0.1〜99質量%である。体質粉体の含有量が好ましい範囲内であると、塗布時の肌への伸び広がりがより優れた粉末化粧料を得ることができる。
なお、上記した通り、化粧料中の油剤と体質粉体との配合割合は、化粧料の剤形等によって適宜変更され得、例えば、剤形が粉末化粧料である場合、油剤と体質粉体との合計質量に対する体質粉体の割合((c)/(b)+(c))は、好ましくは70〜99.9質量%、より好ましくは85〜99質量%、更に好ましくは85〜95質量%である。剤形が油性化粧料である場合、油剤と体質粉体との合計質量に対する体質粉体の割合は、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは10〜60質量%である。
更に、本発明に係るメイクアップ用化粧料は、上記成分(a)〜成分(c)の他にも、通常、化粧料に使用されるその他の任意成分を含有し得る。例えば、成分(c)以外の粉体、界面活性剤、多価アルコール、低級アルコール、油ゲル化剤、水溶性高分子又は増粘剤、皮膜形成剤、中和剤、pH調製剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤及び抗菌剤、保湿剤、ビタミン類、美容成分及び/又は薬効成分、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的とする製品に応じて適宜配合し得る。
成分(c)以外の粉体としては、通常化粧料に用いられる着色粉体等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。また、これらの粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンやポリグリセリン変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。好ましくは、非イオン性界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤であり、これらを1種以上用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びこれらの誘導体;モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、PEG−3ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−10メチルエーテルジメチコン、PEG−12ジメチコン、PEG−32メチルエーテルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG/PPG−19/19ジメチコン、ポリシリコーン−13、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン等が挙げられる。
ポリグリセリン変性シリコーンとしては、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等を挙げることができる。
多価アルコールとしては、化粧料組成物に一般に使用されているものを使用することができる。例えば1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、メチルグルコシド、ソルビトール、ジグリセリン等が挙げられる。
低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
油ゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物などが挙げられる。
水溶性高分子又は増粘剤としては、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、デキストリン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ベントナイト等が挙げられる。
皮膜形成剤としては、ポリアクリル酸アルキル、エイコセン・ビニルピロリドン重合体、エステルガム等が挙げられる。
中和剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩等が挙げられる。
防腐剤及び抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
保湿剤としては、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、乳酸ナトリウム、シクロデキストリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、天然及び合成のセラミド類等が挙げられる。
ビタミン類、美容成分及び/又は薬効成分としては、例えば、コエンザイムQ10、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB類、ピリドキシン塩酸塩等のB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。アルブチン、エラグ酸、トラネキサム酸、プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ブナノキエキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン、アライトイン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類等を挙げることができる。さらに、セイヨウトチノキ種子エキス、カミツレ花エキス、ソウハクヒエキス、ボタンエキス、パセリエキス、ブナノキエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、ケイヒエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、セイヨウサンザシエキス、ツボクサエキス、クズ根粒エキス、アーティチョーク葉エキス、エイジツエキス、エーデルワイスエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
香料としては、公知の合成香料、動物性香料、天然精油、合成製油等が挙げられる。
なお、本発明に係るメイクアップ用化粧料は、好ましくは実質的に水を含まないものである。ここでの「実質的に水を含まない」とは、水を化粧料の一成分として意図的に化粧料に配合することがないことを意味する。ただし、化粧料中に配合され得る植物エキス等が水分を含有する場合があり、そのため、本発明に係るメイクアップ用化粧料も、0.001〜3.0質量%程度の水を含有する場合があり得る。化粧料中の水の含有量は、化粧料の総質量を基準として、好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、更に好ましくは水を全く含まないものである。
本発明に係るメイクアップ用化粧料は、上記の成分(a)〜成分(c)と、必要に応じてその他の成分とを混合することにより製造することができる。よって本発明に係るメイクアップ用化粧料の製造方法は、(a)式(I)で表される化合物と、(b)油剤と、(c)体質粉体とを混合する工程を少なくとも含む。
好ましい態様では、まず、式(I)で表される化合物と油剤とを混合し、次いで、得られた式(I)で表される化合物と油剤との混合物を、体質粉体と混合することにより、本発明に係るメイクアップ用化粧料を製造することができる。式(I)で表される化合物と油剤との混合は、例えば30〜100℃、好ましくは50〜100℃の加熱条件下で、手動撹拌又は公知の混合機等を使用し、例えば100〜5,000rpmで撹拌することにより行うことができる。その後の体質粉体との混合も、公知の混合機等を使用し、常法により行うことができる。予め油剤に式(I)で表される化合物を溶解又は分散させ、次いで体質粉体と混合させることで、水性成分である式(I)で表される化合物を油剤に均一に混合でき、体質粉体への油の濡れ性と化粧料の肌への親和性を向上させて、粉っぽさが低減した、肌への密着感の高い化粧料を得ることができる。また、この製造方法は容易で、効率的に所望の化粧料を得ることができる点でも有利である。上記の好ましい態様では、式(I)で表される化合物を油剤に均一に溶解又は分散させる観点から、油剤としては高極性の油剤を少なくとも使用することが好ましい。
また、別の態様としては、予め、式(I)で表される化合物で体質粉体を表面処理した後に、得られた式(I)で表される化合物で表面処理された体質粉体を油剤と混合させることにより、本発明に係るメイクアップ用化粧料を製造することもできる。具体的には、式(I)で表される化合物を水、アルコール等の極性の高い揮発性液体で溶解して、体質粉体と混合し、得られた混合物を乾燥させて粉砕することにより、式(I)で表される化合物で表面処理された体質粉体を得る。次いで、得られた式(I)で表される化合物で表面処理された体質粉体を、油剤と混合することにより、本発明に係るメイクアップ用化粧料を製造することができる。この態様の場合には、式(I)で表される化合物は予め体質粉体に均一にコーティングされていることから、油剤としては極性の低い油剤を使用しても構わない。
いずれの態様においても、成分(a)〜成分(c)以外のその他の成分は、常法に応じて適切な段階で成分(a)〜成分(c)と混合させることにより、メイクアップ用化粧料中に配合することができる。
本発明に係るメイクアップ用化粧料は、製造時に使用する油剤及び粉体類の種類や使用量を適宜選択すること等により、所望の剤形として製造することができる。本発明に係るメイクアップ用化粧料の剤形は、好ましくは粉末化粧料又は油性化粧料であり、より好ましくは粉末化粧料である。ここで、粉末化粧料とは、構成する成分の主成分が粉体原料で構成されている化粧料をいい、油性化粧料とは、構成する成分の主成分が油剤原料で構成され、油性成分を連続相として、油中に粉体が分散している状態の化粧料をいう。
粉末化粧料については、上記の製造過程で得られる成分(a)〜成分(c)を少なくとも含む混合物は粉末状であり、この粉末状の混合物を容器に充填する及び/又は圧縮成型する等の常法により、所望の形状の粉末化粧料とすることができる。なお、得られた粉末化粧料における各粉末の粒子径は、特に制限はないが、好ましくは0.01μm〜1000.0μmであり、より好ましくは1.0μm〜100.0μmである。ここでの粒子径は、走査型電子顕微鏡による観察によって測定した一次粒子径の数平均粒子径、及びレーザー回折法によって測定した粒度分布における積算値50%に対応する粒子径として求めることが出来る。なお、粉末化粧料は、最終的な製品の形態が粉末状のものには限定されず、粉末状の混合物を圧縮成型等の常法により固形状に成型したものであってもよい。よって粉末化粧料の形状は、例えば、ケーキ状、スティック状等の固形状、粉末状(ルース状、パウダー状)などであり得、中でも固形状が好ましい。また、油性化粧料については、上記の製造過程で得られる成分(a)〜成分(c)を少なくとも含む混合物は、例えば30〜100℃の加熱条件下で液状又はペースト状であり、この液状又はペースト状の混合物を金皿や樹脂皿に充填して冷却する及び/又はスティック状等に成型する等の常法により、所望の形状の油性化粧料とすることができる。油性化粧料の形状は、例えば、皿状、スティック状等の固形状が好ましい。
本発明に係るメイクアップ用化粧料は、例えばファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等に好適に利用可能である。本発明に係るメイクアップ用化粧料は化粧下地を使用せずとも使用感及び仕上がりに優れるという効果を奏することから、中でも粉末化粧料、特にケーキ状パウダーファンデーション等の固形状の粉末化粧料(固形粉末化粧料)に好適である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜6、比較例1〜5:ケーキ状パウダーファンデーションの調製]
下記表1及び表2に示す組成のケーキ状パウダーファンデーションを次の方法で調製した。
成分(11)〜(19)を60℃で加熱し、混合した。また、成分(1)〜(10)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合し、均一に分散させた。上記で得られた成分(1)〜(10)の混合物に、上記で得られた成分(11)〜(19)の混合物を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合した。得られた混合物を60メッシュの篩に通し、次いで、金皿に充填し、圧縮成型して、ケーキ状パウダーファンデーションを得た。
実施例1〜6及び比較例1〜5のケーキ状パウダーファンデーションについて、化粧下地を使用しない状態での使用感と仕上がり(塗布時の伸び広がりの良さ、粉っぽさのなさ、肌への密着感)を、以下に示す方法により評価した。
女性被験者(30〜50歳)5名に、実施例及び比較例のケーキ状パウダーファンデーションを使用した。洗顔後、化粧下地を使用せずに、化粧用スポンジを用いて直接顔に塗布し、使用感と仕上がりを「塗布時の伸び広がりの良さ」、「粉っぽさのなさ」、「肌への密着感」の3項目について、以下に示す評価基準に基づき自己評価により評価した。以下に示す判断基準により各実施例及び比較例のケーキ状パウダーファンデーションを評価した。結果を表1及び表2に示す。
[評価基準]
評価結果 : 評点
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
ふつう : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
[判断基準]
評点の平均点 : 判定結果
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
(組成の各数値は質量%を示す)
*1:SA−セリサイトFSE(三好化成社製)
*2:SA−タルクJA46R(三好化成社製)
*3:KSP−100(信越化学工業社製)
*4:2501 Cosmetic Wax(東レ・ダウコーニング社製))
*5:KF−96A−20CS(信越化学工業社製)
(組成の各数値は質量%を示す)
*1:SA−セリサイトFSE(三好化成社製)
*2:SA−タルクJA46R(三好化成社製)
*3:KSP−100(信越化学工業社製)
*4:2501 Cosmetic Wax(東レ・ダウコーニング社製))
*5:KF−96A−20CS(信越化学工業社製)
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例1〜6のケーキ状パウダーファンデーションは、化粧下地を使用しなくとも、「塗布時の伸び広がりの良さ」、「粉っぽさのなさ」、「肌への密着感」の全ての項目に優れた粉末化粧料であった。一方、成分(a)であるビスPEG−18メチルエーテルジメチルシランを含有しない比較例1では、塗布時の伸び広がり、粉っぽさのなさ、肌への密着感の何れも、良好ではなかった。また、成分(a)であるビスPEG−18メチルエーテルジメチルシランの含有量が5質量%を超えている比較例2では、伸び広がりが悪くなり粉っぽさを感じるようになった。更に、成分(a)であるビスPEG−18メチルエーテルジメチルシランの代わりに、白色ワセリンや金属せっけん(ステアリン酸マグネシウム)、界面活性剤(セスキオレイン酸ソルビタン)を用いた比較例3〜5でも、伸び広がりと肌への密着感が良好ではなかった。
[実施例7:ルース状ファンデーション]
(組成) (質量%)
(1) シリコーン処理タルク(*2) 残余
(2) シリコーン処理セリサイト(*1) 20.0
(3) セルロース 10.0
(4) 窒化ホウ素 8.0
(5) シリコーンパウダー(*3) 5.0
(6) シリコーン処理酸化チタン 5.0
(7) 赤色干渉雲母チタン 4.0
(8) 無水ケイ酸 2.0
(9) 黄色干渉雲母チタン 1.0
(10)N−ラウロイル−L−リジン 1.0
(11)ポリメタクリル酸メチル 1.0
(12)シリコーン処理赤色酸化鉄 0.4
(13)シリコーン処理黄色酸化鉄 1.8
(14)シリコーン処理黒色酸化鉄 0.2
(15)メトキシケイヒ酸エチルへキシル 3.0
(16)イソノナン酸イソノニル 2.0
(17)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン(*4) 1.0
(18)オリーブ油 0.5
(19)フェノキシエタノール 0.3
(20)メチルパラベン 0.1
(製法)
成分(15)〜(20)を60℃で加熱し、混合した。また、成分(1)〜(14)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合し、均一に分散させた。上記で得られた成分(1)〜(14)の混合物に、上記で得られた成分(15)〜(20)の混合物を添加して、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合した。得られた混合物を60メッシュの篩に通し、容器に充填し、ルース状ファンデーションを得た。
(評価)
得られたルース状ファンデーションについて、実施例1〜6及び比較例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての項目で優れた化粧料であった。
参考例8:ケーキ状頬紅]
(組成) (質量%)
(1) タルク 残余
(2) セリサイト 20.0
(3) ナイロンパウダー 10.0
(4) マイカ 5.0
(5) 微粒子酸化亜鉛 3.0
(6) ステアリン酸マグネシウム 3.0
(7) 赤色酸化鉄 2.0
(8) 黄色酸化鉄 2.0
(9) 黒色酸化鉄 1.0
(10)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5.0
(11)イソノナン酸イソトリデシル 3.0
(12)ワセリン 1.0
(13)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン(*4) 0.5
(14)フェノキシエタノール 0.3
(製法)
成分(10)〜(14)を60℃で加熱し、混合した。また、成分(1)〜(9)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製FM−10)で混合し、均一に分散させた。上記で得られた成分(1)〜(9)の混合物に、上記で得られた成分(10)〜(14)の混合物を添加して、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製FM−10)で混合した。得られた混合物を60メッシュの篩に通し、次いで、金皿に充填し、圧縮成型してケーキ状頬紅を得た。
(評価)
得られたケーキ状頬紅について、実施例1〜6及び比較例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての項目で優れた化粧料であった。
[実施例9:パウダー状アイシャドウ]
(組成) (質量%)
(1) タルク 残余
(2) セリサイト 20.0
(3) 雲母チタン(*6) 15.0
(4) マイカ 10.0
(5) 窒化ホウ素 5.0
(6) ステアリン酸亜鉛 1.0
(7) 赤色酸化鉄 4.0
(8) 黄色酸化鉄 3.0
(9) 黒色酸化鉄 1.0
(10)オクチルドデカノール 3.0
(11)スクワラン 1.0
(12)メチルポリシロキサン(*5) 1.0
(13)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン(*4) 0.3
(14)フェノキシエタノール 0.2
*6:フラメンコ パール(BASF社製)
(製法)
成分(10)〜(14)を60℃で加熱し、混合した。また、成分(1)〜(9)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合し、均一に分散させた。上記で得られた成分(1)〜(9)の混合物に、上記で得られた成分(10)〜(14)の混合物を添加して、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合した。得られた混合物を60メッシュの篩に通し、容器に充填し、パウダー状アイシャドウを得た。
(評価)
得られたパウダー状アイシャドウについて、実施例1〜6及び比較例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての項目で優れた化粧料であった。
[実施例10:ケーキ状アイブロウ]
(組成) (質量%)
(1) セリサイト 残余
(2) タルク 20.0
(3) 酸化チタン 10.0
(4) ポリメタクリル酸メチル 3.0
(5) 黒色酸化鉄 15.0
(6) 赤色酸化鉄 3.0
(7) 黄色酸化鉄 1.0
(8) リンゴ酸ジイソステアリル 5.0
(9) スクワラン 5.0
(10)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン(*4) 2.0
(11)メチルポリシロキサン(*5) 1.0
(12)フェノキシエタノール 0.2
(製法)
成分(8)〜(12)を60℃で加熱し、混合した。また、成分(1)〜(7)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合し、均一に分散させた。上記で得られた成分(1)〜(7)の混合物に、上記で得られた成分(8)〜(12)の混合物を添加して、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10)で混合した。得られた混合物を60メッシュの篩に通し、次いで、金皿に充填し、圧縮成型してケーキ状アイブロウを得た。
(評価)
得られたケーキ状アイブロウについて、実施例1〜6及び比較例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての項目で優れた化粧料であった。
本発明に係るメイクアップ用化粧料は、化粧下地を使用しなくとも使用感及び仕上がりに優れるため、例えば、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ等のメイクアップ用化粧料に好適に利用可能である。
本願の出願当初の特許請求の範囲に記載されていた各請求項は、以下の通りであった。
請求項1:
(a)下記式(I):

(式中、m及びnは、各々独立して10〜26の整数を示す)
で表される化合物と、
(b)油剤と、
(c)体質粉体と
を含有し、化粧料中の前記(a)式(I)で表される化合物の含有量が0.01〜5.0質量%である、メイクアップ用化粧料。
請求項2:
前記(b)油剤が高極性の油剤を少なくとも含む、請求項1に記載のメイクアップ用化粧料。
請求項3:
前記メイクアップ用化粧料の剤形が粉末化粧料又は油性化粧料である、請求項1又は2に記載のメイクアップ用化粧料。
請求項4:
(a)下記式(I):

(式中、m及びnは、各々独立して10〜26の整数を示す)
で表される化合物と、
(b)油剤と、
(c)体質粉体と
を混合する工程を含み、化粧料中の前記(a)式(I)で表される化合物の含有量が0.01〜5.0質量%である、メイクアップ用化粧料の製造方法。
請求項5:
前記混合する工程が、前記(a)式(I)で表される化合物と前記(b)油剤とを混合し、次いで、得られた前記(a)式(I)で表される化合物と前記(b)油剤との混合物を、前記(c)体質粉体と混合することにより行われる、請求項4に記載のメイクアップ用化粧料の製造方法。
請求項6:
前記(b)油剤が高極性の油剤を少なくとも含む、請求項4又は5に記載のメイクアップ用化粧料の製造方法。

Claims (3)

  1. (a)下記式(I):


    (式中、m及びnは、各々独立して10〜26の整数を示す)
    で表される化合物と、
    (b)リンゴ酸ジイソステアリル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル及びオクチルドデカノールから選ばれる少なくとも一の油剤と、
    (c)体質粉体と
    を含有し、化粧料中の前記(a)式(I)で表される化合物の含有量が0.01〜5.0質量%であり、水を意図的に配合せず、水の含有量が0.1質量%以下である、メイクアップ用固形粉末化粧料。
  2. (a)下記式(I):

    (式中、m及びnは、各々独立して10〜26の整数を示す)
    で表される化合物と、
    (b)リンゴ酸ジイソステアリル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル及びオクチルドデカノールから選ばれる少なくとも一の油剤と、
    (c)体質粉体と
    を混合する工程を含み、化粧料中の前記(a)式(I)で表される化合物の含有量が0.01〜5.0質量%であり、水を意図的に配合せず、水の含有量が0.1質量%以下である、メイクアップ用固形粉末化粧料の製造方法。
  3. 前記混合する工程が、前記(a)式(I)で表される化合物と前記(b)油剤とを混合し、次いで、得られた前記(a)式(I)で表される化合物と前記(b)油剤との混合物を、前記(c)体質粉体と混合することにより行われる、請求項2に記載のメイクアップ用固形粉末化粧料の製造方法。
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