JP2013091626A - 油性固形化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感のある薄い化粧膜を得ることができる油性固形化粧料の提供。
【解決手段】特定の高級アルコール変性シロキサン化合物とワックスを含有することを特徴とする油性固形化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は油性固形化粧料に関し、伸び広がりの良い滑らかな使用感、ツヤ感が良好であり、十分な硬度を有する油性固形化粧料に関するものである。
口紅やチークに代表される油性固形化粧料は、色彩を付与し、華やかな印象に仕上げ、また、その化粧効果を長時間維持できるものである。近年、油性固形化粧料には、色彩を付与する以外にも、感触や使用性などの様々な効果が求められ、その構成成分である、ワックス、油剤、及び粉体に関して検討がなされている。一般的に低分子量や低粘度の油剤を用いることで、使用時の感触を向上させる技術がある。例えば、ワックスと低粘度のエステル油を配合し、滑らかな使用感や外観のつやを向上させる技術(特許文献1)、ワックスと低粘度シリコーンを組み合わせ、なめらかですべり感のある、さっばりとした感触を得る技術(特許文献2)等がある。しかしながら、滑らかな使用感を得るために、このような油剤を配合すると、ワックスを固化する力が弱く、十分な硬度を得ることが困難となる。また、伸び広がりの良い、滑らかな使用感を求めてシリコーン油を用いると、ワックスオイルゲルが形成しにくく、化粧料に十分な硬さが得られず、破損を生じたり、肌上で崩れ、使用感が重くなり化粧膜が厚くなる傾向があった。
特開2004−035479号公報 特開平01−079106号公報
したがって、本発明は十分な硬度を有しながらも、使用時の伸び広がりの良い滑らかな使用感を持ち、ツヤ感のある化粧膜を得ることができる油性固形化粧料を提供することを課題とするものである。
かかる実情において、本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の高級アルコール変性シロキサン化合物はシリコーンの軽い使用感とべたつきのない滑らかさと、高級アルコールの高極性に由来する肌なじみの良さ、ワックスオイルゲルを形成しやすいという特徴を有しており、分子量が同等の他の油剤と比べ、ワックスと組み合わせた際に、硬度が高い組成物を得られ、十分な硬度を有しながらも、使用時に伸び広がりの良い滑らかな使用感を持ち、ツヤ感のある化粧膜を得ることができる油性固形化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
次の成分(A)及び(B)
(A)下記一般式(1)の高級アルコール変性シロキサン化合物
(B)ワックス
を含有する油性固形化粧料に関するものである。
本発明は、十分な硬度を有しながらも、使用時の伸び広がりの良い、滑らかな使用感を持ち、薄付きでありながらもツヤ感のある化粧膜を得ることができる油性固形化粧料に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の油性固形化粧料に使用される成分(A)高級アルコール変性シロキサン化合物は下記一般式(1)で表されるもので、トリシロキサン鎖を有し、かつ、珪素原子に二価炭化水素基を介して結合した炭素原子数10〜30の高級アルコールを有するものである。この高級アルコール部は珪素原子に結合した末端と異なる末端に1価の高級アルコール性水酸基を有するものであって、多価アルコールや糖のような複数の水酸基を有するものではない。すなわち−(CHn−OH(式中、nは10〜30)で表される構造体であり、好ましくはnが10〜18、特に好ましくは10〜15である。nが10より小さいとワックスを固める効果が、30より大きいと伸び広がりの感触が十分ではない。また、下記一般式(1)中のRがメチル基であると、感触の点において好ましい。成分(A)の性状は好ましくは常温(25℃)において液状である。
特に限定されるものではないが、本願に係る高級アルコール変性シロキサン化合物は、ヒドロシリル化反応触媒の存在下において、下記一般式(2)で表される不飽和高級アルコールと、下記一般式(3)で表されるオルガノハイドロジェントリシロキサンを、オルガノハイドロジェントリシロキサン中の珪素結合水素原子に対して、1モル当量以上となる物質量で付加反応させることにより得ることができる。
ヒドロシリル化反応は、触媒の存在下で行うことが好ましく、触媒としては、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムなどの化合物を挙げることができ、その触媒活性が高いことから白金化合物が特に有効である。白金化合物の例としては、塩化白金酸、金属白金、白金−ビニルシロキサン錯体・白金−ホスフィン錯体・白金−ホスファイト錯体・白金−アルコラート触媒などの白金錯体などを挙げることができる。用いる触媒の使用量は、白金触媒を使用する場合、金属白金として0.5〜1000ppm程度である。
更に、本発明に係る高級アルコール変性シロキサン化合物は、反応後の不飽和化合物の残存による臭気改善を目的として、水素添加処理を行っても良い。水素添加による無臭化工程としては、水素ガスを加圧する方法と金属水素化物などの水素添加剤による方法があり、更に該水素化反応には均一反応と不均一反応がある。これらの処理は単独で行っても、組み合わせて行っても良い。ただ、使用した触媒が製品に残存しないという利点を考慮すると、固体触媒を用いた不均一接触水素添加反応がもっとも好ましい。
また、当該無臭化処理の前工程または後工程として、減圧下にて窒素ガスを接触させて軽質物を留去するストリッピング工程を行うことが好ましい。
成分(A)は、本発明の化粧料中に3〜95質量%(以下、単に「%」とする)、更には10〜85%以上含有されることが好ましい。この範囲であれば、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感の点で満足のいくものが得られる。
本発明の油性固形化粧料に使用される成分(B)のワックスは、通常化粧料に使用されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、ポリエチレンワックス、エチレン/プロピレンコポリマー、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、水添マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリイソブチレン、セレシンワックス、オゾケライトワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス、ライスワックス等が挙げられる。また特に制限されないが、融点が70〜120℃のものが好ましい。この範囲であれば、成分(A)と組み合わせて用いた際に、十分な高度を得ることができる。
また、高温における安定性(高温においても折れにくい強度を有する点)の観点からは、ポリエチレン鎖を有するモノポリマー及び/またはコポリマー、フィッシャートロプシュワックスが特に好ましく、少ないワックス量で効果的に強度を具備できるため、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感の点で特に満足のいくものを得ることができる。これらの市販品としてはPERFORMALENE 500、655(ニューフェーズテクノロジー社製)、EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)、CIREBELLE 108、109L(CIREBELLE社製)等が挙げられる。
成分(B)のワックスは、本発明化粧料中の含有量が5〜20%であることが好ましい。この範囲であれば、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感のある薄い化粧膜が得られ、硬度の高い油性固形化粧料が得られる。
本発明の油性固形化粧料において使用される成分(A)の高級アルコール変性シロキサン化合物と成分(B)のワックスの含有質量比は、好ましくは(A)/(B)=0.1〜7.5、特に好ましくは(A)/(B)=0.3〜6である。この範囲であれば、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感のある薄い化粧膜が得られ、スティック形状の場合にも十分な硬さの油性固形化粧料が得られる。
本発明の油性固形化粧料は、上記の成分(A)、(B)の他に、通常化粧料に使用される成分、炭化水素油、エステル油、植物油、抱水性油剤、シリコーン油、シリコーン誘導体等の油性成分、油溶性樹脂、無機顔料、有機顔料及び色素等の粉体及びそれらのシリコーン処理物やフッ素化合物処理物、界面活性剤、繊維、多価アルコール、水溶性高分子、水溶性皮膜形成性樹脂、保湿剤等の水性成分、糖類、紫外線吸収剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
油性成分としては、成分(A)、(B)以外の成分であり、化粧料に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源の半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
その他の油性成分としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン、等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、トリグリセライド、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性オルガノポリシロキサン、ベヘニル変性オルガノポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
粉体成分としては、化粧料に一般に使用される粉体として用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等や、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、セルロース等の維等が挙げられる。これらはフッ素化合物、シリコ−ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等で表面処理されていてもよい。これらの粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ水等の植物抽出液が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2−ペンタジオール等が挙げられる。
本発明の油性固形化粧料は、ワックスや半固形状の油剤や、油溶性化合物である油性成分を連続相として固めたものであり、油性、油中水型があるが、油性成分を連続相とした、水の含有量が1%以下である実質的に水を含まない油性であることが好ましい。また、その剤型としては口紅、リップトリートメント、チーク、ファンデーション、コンシーラー、アイシャドウ等が挙げられるが、特にツヤを与える点で口紅、リップトリートメントに好適である。また、本発明の油性固形化粧料は十分な硬さを持ち、保型性を有するため、棒状に固めたスティック形状に好適に使用される。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
合成例1及び2、比較合成例
[合成例1:高級アルコール変性シロキサン化合物(C11)]
攪拌装置、温度計、還流管、滴下漏斗を取り付けた反応器にウンデセニルアルコール89.0gを仕込み、窒素流通下で攪拌しながら70℃まで加熱した。白金触媒27mgを加えた後、下記一般式(4)のオルガノハイドロジェントリシロキサン127.8gを滴下漏斗から徐々に加え、反応を開始した。滴下終了後、1時間エージングを行い、ガスクロマトグラフィーにより反応が完結したことを確認した。減圧下、70℃で未反応のシロキサンを除いた後、150℃まで加温して内部転移した、もしくは過剰量のウンデセニルアルコールを除くことにより、高級アルコール変性シロキサン化合物(C11)を得た。この化合物は常温(25℃)において液状であった。
[合成例2:高級アルコール変性シロキサン化合物(C15)]
攪拌装置、温度計、還流管、滴下漏斗を取り付けた反応器にペンタデセニルアルコール93.2gを仕込み、窒素流通下で攪拌しながら70℃まで加熱した。白金触媒27mgを加えた後、上記一般式(4)のオルガノハイドロジェントリシロキサン127.8gを滴下漏斗から徐々に加え、反応を開始した。滴下終了後、1時間エージングを行い、ガスクロマトグラフィーにより反応が完結したことを確認した。減圧下、70℃で未反応のシロキサンを除いた後、150℃まで加温して内部転移した、もしくは過剰量のペンタデセニルアルコールを除くことにより、高級アルコール変性シロキサン化合物(C15)を得た。この化合物は常温(25℃)において液状であった。
[比較合成例:高級アルコール変性シロキサン化合物(C11)]

攪拌装置、温度計、還流管、滴下漏斗を取り付けた反応器に下記一般式(5)のメチルハイドロジェンポリシロキサン50.0gを仕込み、窒素流通下で攪拌しながら70℃まで加熱した。ウンデセニルアルコール28.4gと白金触媒19.6mgを滴下漏斗から徐々に加え、反応を開始した。滴下終了後、100℃にてエージングを行い、IRスペクトルによりSi−Hの消失を確認することで反応が完結したことを確認した。減圧下、150℃まで加温して、内部転移したもしくは過剰量のウンデセニルアルコールを除くことにより、ジメチルポリシロキサン変性高級アルコール(C11)を得た。この化合物は常温(25℃)において液状であった。
実施例1〜4、比較例1〜4:スティック状リップクリーム
※1: 合成例 1の高級アルコール変性シロキサン化合物(C11)
※2 :EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※3 :PERFORMALENE 655(ニューフェーズテクノロジー社製)
※4 :CIREBELLE109L(CIREBELLE社製)
※5 : 合成セレシンJNP−81(日本ナチュラルプロダクツ社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を110℃にて加熱溶解する。
B:Aを脱泡後、100℃に加熱し、スティック状口紅容器に直接流し込み、冷却し、スティック状リップクリームを得る。
※6:リソノール20SP(高級アルコール工業社製)
※7:サラコス913(日清オイリオグループ社製)
※8:サラコス816T(日清オイリオグループ社製)
※9:ニッコールPDD(日本サーファクタント工業社製)

(製造方法)
A:成分(1)〜(7)を110℃にて加熱溶解する。
B:Aを脱泡後、100℃に加熱し、スティック状口紅容器に直接流し込み、冷却し、スティック状リップクリームを得る。
表1及び2に示す処方と上記製造方法にてスティック状リップクリームを製造し、下記評価方法により、(a)伸び広がりの良い、滑らかな使用感、(b)ツヤ感、(c)硬さ、について評価を行った。この結果も併せて表中に示した。
(評価方法)
<評価項目>
(a)伸び広がりの良さ
(b)ツヤ感
各試料の、専門パネル20名により(a)〜(b)について使用テストを行った。各試料を口唇に1度塗布し、パネル各人が下記の6段階絶対評価により評価し、評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
尚、評価項目(a)は塗布時の感触について、評価項目(b)は化粧膜のツヤ感が得られているかについて評価した。
<6段階絶対評価>
(評点):(評価)
5:非常に良い
4:良い
3:やや良い
2:普通
1:やや悪い
0:悪い
<4段階判定基準>
◎:4点以上 :非常に良好
○:3点以上で4点未満 :良好
△:1.5点以上で3点未満 :やや不良
×:1.5点未満 :不良
<評価項目>
(c)硬さ
評価項目(c)は各試料の針入荷重値を測定し、下記4段階判定基準にて判定した。
<針入荷重値の測定>
金皿に充填した各試料を35℃と、45℃に一昼夜置き、不動工業(株)社製レオメータ(条件;針状(3mmΦ)プランジャー、針入深度1.5mm、テーブル上昇速度2cm/min)にセットし、その針入荷重値(g)を測定し、下記4段階判定基準により判定した。
<4段階判定基準>
◎:200以上 :非常に良好
○:150以上で200未満 :良好
△:100以上で150未満 :やや不良
×:100未満 :不良
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜4は、いずれも伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さ、のすべての点で満足のいくものであった。
また、ポリエチレン鎖を有するモノポリマー及び/またはコポリマー、フィッシャートロプシュワックスを使用した実施例1〜3が伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感の点で特に満足のいくものを得ることができ、針入荷重値が45℃の高温においても良好であった。
一方、表2から明らかなように、成分(A)の高級アルコール変性シロキサン化合物を他の油剤に変えた比較例のうち、比較例1では、伸び広がりの良さやツヤ感では、良好な品質が得られるものの、硬さの面で十分な品質が得られなかった。また、比較例2、3では、リップクリームが柔らかくなり、十分な硬さが得られず、塗布の際に崩れすぎてしまい、伸び広がりの良さやツヤ感の面で十分な品質が得られず、満足のいくものが得られなかった。比較例4は全ての項目で満足に欠けるものであった。
実施例5〜9、比較例5:スティック状口紅
※10:比較合成例のジメチルポリシロキサン変性高級アルコール(C11)
※11:パールリーム18(日油社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(9)を110℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分(10)〜(14)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、100℃に加熱し、スティック状口紅容器に直接流し込み、冷却し、スティック状口紅を得る。
表3に示す処方を、上記製造方法にて、スティック状口紅を製造し、(a)伸び広がりの良い、滑らかな使用感、(b)ツヤ感、(c)硬さ、について実施例1〜5と同じ評価方法で評価した。この結果も併せて表3に示す。
表3に示す通り、本発明の実施例5〜9は、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さのすべての点で満足のいくものであった。成分(A)の代わりにジメチルポリシロキサンで変性したC11高級アルコールを使用した比較例5は、伸び広がりに重さを感じ、口紅の硬さの点において十分ではなかった。
実施例10:スティック状口紅
(成分) (%)
1.エチレン/プロピレン共重合体※2 5.5
2.ポリエチレンワックス※3 2
3.キャンデリラワックス※12 2.5
4.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 20
5.水添ポリイソポリブテン※11 20
6.炭酸ジアルキル(C14、C15)※13 15
7.高級アルコール変性シロキサン化合物※14 5
8.メチルフェニルポリシロキサン 5
9.酢酸液状ラノリン 10
10.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
11.リンゴ酸ジイソステアリル 5
12.シリル化処理無水ケイ酸※15 1
13.赤色202号 0.45
14.黄色4号アルミニウムレーキ 0.15
15.酸化チタン 1
16.雲母チタン※16 1
17.ホウケイ酸(Ca/Al)※17 1
18.香料 0.1

※12:NC−1630キャンデリラワックス(融点70〜75℃、セラリカ野田社製)
※13:LIALCARB SR−1000/R(三井化学ファイン社製)
※14:合成例2の高級アルコール変性シロキサン化合物(C15)
※15:AEROSILR972(日本アエロジル社製)
※16:FLAMENCO SPARKLE GOLD220J(BASF社製)
※17:メタシャイン1080RC−Y(日本板硝子社製)

(製造方法)
A:成分(1)〜(11)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(12)〜(18)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、100℃に加熱した後スティック状の口紅容器に直接流し込み、冷却後、口紅を得た。
本発明の実施例10のスティック状口紅は、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さのすべての点で満足のいくものであった。
実施例11:スティック状リップクリーム
(成分) (%)
1.コメヌカロウ※18 5
2.フィッシャートロプシュワックス※4 2
3.キャンデリラワックス※19 2
4.デカイソステアリン酸ポリグリセリル 1
5.ラウロイルグルタミン酸
ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)※20 5
6.ワセリン 6
7.α−オレフィンオリゴマー※21 5
8.高級アルコール変性シロキサン化合物※1 10
9.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.酸化亜鉛 1
12.酸化チタン 0.1
13.黄色4号 0.1
14.ヒアルロン酸 0.1
※18:TOWAX−3P3(融点70〜83℃、東亜化成社製)
※19:高融点キャンデリラワックスFR100(融点83℃、日本ナチュラルプロダクツ社製)
※20:エルデュウPS−203(味の素社製)
※21:SILKFLO364NF(LIPO CHEMICALS INC社製)

(製造方法)
A:成分(1)〜(10)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(11)〜(14)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、100℃に加熱した後スティック状口紅容器に流し込み、冷却後、リップクリームを得た。
本発明の実施例11のスティック状リップクリームは、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さのすべての点で満足のいくものであった。
実施例12:スティック状コンシーラー
(成分) (%)
1.パラフィンワックス※22 5
2.ポリエチレンワックス※3 5
3.キャンデリラワックス※12 2
4.高級アルコール変性シロキサン化合物※14 7.5
5.トリイソステアリン酸グリセリル 残量
6.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 20
7.メチルフェニルポリシロキサン 5
8.酢酸液状ラノリン 10
9.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
10.酸化チタン 20
11.黄酸化鉄 2
12.ベンガラ 0.5
13.黒酸化鉄 0.2
14.マイカ 7
15.防腐剤 適量
※22:PARACERA256(PARAMELT社製)
(製造方法)
A:成分1〜9を100℃にて混合溶解する。
B:Aに成分10〜15を90℃にて均一に混合する。
C:Bを3本ローラーにて処理する。
D:Cを脱泡し、85℃にてカプセルに溶解充填後、4℃にて冷却。スティック状コンシーラーを得た。
本発明の実施例12のスティック状コンシーラーは、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さのすべての点で満足のいくものであった。
実施例13:ケーキ状チーク
(成分) (%)
1.カルナウバワックス※23 10
2.エチレン/プロピレン共重合体※2 10
3.ロジン酸ペンタエリスリット 7
4.高級アルコール変性シロキサン化合物※1 10
5.ジイソステアリン酸ポリグリセリル 10
6.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 10
7.流動パラフィン 残量
8.球状ポリスチレン粉末 4
9.合成金雲母(平均粒子径30μm) 0.5
10.タルク 10
11.セリサイト 15
12.有機変性粘土鉱物 0.5
13.赤色226号 1
14.黄色4号アルミニウムレーキ 2
15.黒色酸化鉄 0.2
16.テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.05
17.香料 適量
18.防腐剤 適量
※23:精製カルナウバワックスNo1(融点80〜86℃、セラリカ野田社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分8〜18を加え均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、金皿に流し込み、冷却固化してケーキ状チークを得た。
実施例13のケーキ状チークは、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さのすべての点で満足のいくものであった。
実施例14:油性ファンデーション
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス※3 3
2.パラフィンワックス※22 2
3.イヌリンステアリン酸エステル※24 5
4.高級アルコール変性シロキサン化合物※1 8
5.トリイソステアリン酸グリセリル 10
6.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
7.架橋型メチルポリシロキサン※25 10
8.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
9.メタクリル変性メチルポリシロキサン溶液※26 1
10.ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン※27 2
11.酸化チタン 12
12.ベンガラ 0.5
13.黄酸化鉄 2
14.黒酸化鉄 0.2
15.球状ポリスチレン(粒径10μm) 5
16.セスキオレイン酸ソルビタン 0.2
17.ジプロピレングリコール 0.5
18.防腐剤 適量
※24:レオパールISK(千葉製粉社製)
※25:KSG−16(信越化学工業社製)
※26:KP−545(信越化学工業社製)
※27:KF−6038(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1〜10を90℃にて加熱溶解後、成分11〜16を加え均一分散する。
B:Aに成分17〜18を加え均一に混合後、脱泡して金皿に充填し、油性ファンデーションを得た。
実施例14の油性ファンデーションは、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さのすべての点で満足のいくものであった。
実施例15:油性アイシャドウ
(成分) (%)
1.シリコーン処理(3%)タルク 5
2.シリコーン処理(2%)マイカ 15
3.球状シリカ(粒径12μm) 2
4.チッ化ホウ素※28 5
5.シリコーン処理(3%)酸化チタン処理合成金雲母※29 10
6.結晶セルロース 3
7.球状シリコーン粉末※30 2
8.赤色226号 0.5
9.群青 0.5
10.オゾケライトワックス※31 10
11.イヌリンステアリン酸エステル※24 3.5
12.トリイソステアリン酸ジグリセリル 5
13.トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
14.デカメチルシクロペンタシロキサン 10
15.ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 5
16.高級アルコール変性シロキサン化合物※14 10
17.12−ヒドロキシステアリン酸 0.5
18.流動パラフィン 5
19.防腐剤 適量
※28:SHP−6(水島合金鉄社製)
※29:プロミネンスSF(日本光研社製)
※30:KSP−100(信越化学工業社製)
※31:OZOKERITE WAX SP−273P(融点87〜95℃、STARAHL & PITSCH社製)
(製造方法)
A:成分1〜9を均一に混合する。
B:成分10〜19を90℃にて均一に溶解後、Aを加えて均一に混合分散する。
C:Bを容器に溶融充填して、皿流し込みの油性アイシャドウを得た。
実施例15の油性アイシャドウは、伸び広がりの良い、滑らかな使用感、ツヤ感、硬さのすべての点で満足のいくものであった。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)下記一般式(1)で表される高級アルコール変性シロキサン化合物;
    (B)ワックス;
    を含有する油性固形化粧料。
  2. 上記一般式(1)におけるRの炭素原子数が10〜18であることを特徴とする請求項1に記載の油性固形化粧料。
  3. 上記成分(A)と成分(B)の含有質量比が(A)/(B)=0.1〜7.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性固形化粧料。
  4. スティック形状であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の油性固形化粧料。
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JP2021017401A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 花王株式会社 油性固形化粧料

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