JP6666654B2 - 梁の耐火構造 - Google Patents

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Description

本発明は、梁の耐火構造、特には貫通孔が設けられた梁の耐火構造に関する。
鉄骨構造の建築物内の使用できる空間を確保するために、やむを得ず、鉄骨梁に、空調用ダクト(スリーブ)や換気用ダクト(スリーブ)等の空調用や衛生用の配管や、および/または電気ケーブル等の配線を貫通することがある。このような場合、前もって前記鉄骨梁に貫通孔を設け、この貫通孔に上記ダクト等を挿通させる必要がある。
この場合、前記鉄骨梁を火災等の際に生じる高温から保護し、耐火性能を担保するために、前記鉄骨梁にロックウール等の耐火被覆材を規定の厚さに被覆することが望ましい。
一方、鉄骨梁にケーブル等を貫通させる場合、鉄骨梁に耐火被覆をした後にケーブル等を貫通させたのでは前記耐火被覆やケーブル等の損傷を招くため、耐火被覆施工前に鉄骨梁の貫通孔に金属製のスリーブ管を先行的に取付けるとともに、ケーブル等を前記スリーブ管に貫通状態で設置し、耐火被覆材の吹付け施工を行うようにしている。
そのようなスリーブとして例えば特許文献1に記載された鉄骨耐火被覆用貫通スリーブが挙げられるが、このような従来のスリーブは施工にコストと手間がかかった。また、貫通孔とスリーブの隙間から延焼する恐れがあった。
特開2006-200165
本発明の目的は、簡単な構成で耐火性能を向上させた梁の耐火構造を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、特には熱膨張の耐火シートからなる貫通処理材を、梁における貫通孔を区画形成する面と、スリーブを構成する不燃性材料とに跨るように配置することで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]貫通孔が設けられた梁の耐火構造であって、
梁における貫通孔を区画形成する面に不燃性材料が配置され、
前記梁と、前記不燃性材料との上に貫通処理材が配置されていることを特徴とする梁の耐火構造。
[2]配管または配線が貫通孔に挿通され、
前記貫通処理材がさらに前記配管または配線と、前記不燃性材料との上に配置されていることを特徴とする項1に記載の梁の耐火構造。
[3]前記不燃性材料が金属製のスリーブまたは熱膨張性耐火シートからなることを特徴とする項1または2に記載の梁の耐火構造。
[4]前記貫通処理材が熱膨張性耐火シートからなることを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の梁の耐火構造。
本発明によれば、梁と、梁の貫通孔に設けられた不燃性材料との上に連続して貫通処理材が配置されるため、耐火性能を確保するとともに、容易且つ確実に隙間を塞ぎ、火災による延焼を防ぐことができる。
床に設けられた鉄骨梁を例示する部分略斜視図である。 鉄骨梁に設けられた貫通孔に熱膨張性耐火シートを設ける工程を説明するための部分略断面図である。 貫通孔の内面に熱膨張性耐火シートを設ける方法を例示するための部分略斜視図である。 貫通孔から鉄骨梁の両方の外側へ熱膨張性耐火シートを延長して設ける方法を例示するための部分略断面図である。 貫通孔にダクトを挿入した状態を例示した部分略断面図である。 鉄骨梁に耐火被覆材を設けた状態を例示した部分略断面図である。 (a)(b)鉄骨梁の耐火構造の別例を示す部分略断面図である。 (a)〜(c)鉄骨梁の耐火構造の別例を示す部分略断面図である。
以下、本発明の鉄骨梁の耐火構造の第1実施形態について図1〜6を参照しながら説明する。
図1において、コンクリートを打設して形成されたコンクリートスラブ等からなる床3の下面には、H形鋼等の鉄骨梁1が設けられている。鉄骨梁1には断面略円形の貫通孔2が設けられており、床3の内周面8が貫通孔2を区画形成している。この貫通孔2には空調用ダクトや換気用ダクト等の配管、および/または配線、配管用スリーブを初めとするスリーブ等を挿通させることができる。
なお、貫通孔2の形状は断面略円形のものに限定されず、貫通孔2に挿通する配管および/または配線の断面形状等に合わせて適宜選択することができる。例えば、配管および/または配線等の断面形状が円形であれば、貫通孔2の形状は円形とすることができ、配管および/または配線等の断面形状が矩形等であれば、前記貫通孔2の形状は矩形等とすることができる。
図2に示すように、貫通孔2を区画形成する内周面8には、不燃性材料としての熱膨張性耐火シート4が設けられている。
図3に例示される様に、熱膨張性耐火シート4は、貫通孔2の内面8の全面に設けることもできるし、貫通孔2の内面8の一部の面に設けることもできる(非図示)が、火災の際の耐火性の観点、および後述する耐火被覆材の設置の面から、前記熱膨張性耐火シート4を前記貫通孔2の内面8の全面に設けることが好ましい。 熱膨張性耐火シート4は丸めて貫通孔2の内面に挿入される。熱膨張性耐火シート4は、その一つの表面が粘着性を付与し、その粘着性を利用して貫通孔2の内面8に貼着されてもよいし、接着剤等を用いて貫通孔2の内面8に貼着されてもよい。
熱膨張性耐火シート4は、図4に示される様に、貫通孔2から前記鉄骨梁1の両方の外側へ延長して設けられることが好ましい。熱膨張性耐火シート4の外側への延長幅は、図4の鉄骨梁1に示される一点破線a−aおよび一点破線b−b間の距離を基準に、10〜100mmの範囲が好ましく、15〜65mmの範囲であればより好ましく、20〜30mmの範囲であればさらに好ましい。貫通孔2の反対の面における前記熱膨張性耐火シート4の外側への延長幅についても同様である。
延長幅が10mm未満の場合では、前記貫通孔2付近に耐火被覆材を設置することが困難となり、延長幅が100mmを超えると、前記耐火被覆材の重みによるたわみ等により施工性が低下することがある。
熱膨張性耐火シート4としては、火災等の熱により膨張する熱膨張性耐火材からなるものであれば特に限定はないが、例えば、特開2007-198029に記載したような熱膨張性耐火シートが使用可能であり、具体的には熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分、熱膨張性層状無機物、無機充填材等を含む樹脂組成物(I)からなるもの、無機繊維、熱膨張性層状無機物、焼結性無機質材等に対し前記樹脂成分をバインダーとして含むバインダー樹脂組成物(II)からなるもの等を挙げることができる。
樹脂組成物(I)または前記バインダー樹脂組成物(II)の各成分のうち、まず前記樹脂成分について説明する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂類、
天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1.2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂類及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
合成樹脂類及び/又はゴム物質には、更に、本発明における発泡断熱材の耐火性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されてもよい。
次に前記樹脂組成物(I)または前記バインダー樹脂組成物(II)の各成分のうち、熱膨張性層状無機物について説明する。
熱膨張性層状無機物は加熱時に膨張するものであるが、かかる熱膨張性層状無機物に特に限定はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等を挙げることができる。
熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したものを使用するのが好ましい。
中和された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCARCARBON社製の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「GREP−EG」等が挙げられる。
次に先の樹脂組成物(I)の各成分のうち、無機充填材について説明する。
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。これらは、一種もしくは二種以上を使用することができる。無機充填材は骨材的役割を果たして、加熱後に生成する膨張断熱層強度の向上や熱容量の増大に寄与する。
このため、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機物が好ましく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び周期律表IIbの金属炭酸塩又はこれらと前記含水無機物との混合物が好ましい。
無機充填材の中でも、特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機物が好ましい。
含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μmの「商品名:ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「商品名:ハイジライトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。
炭酸カルシウムの市販品としては、例えば、粒径1.8μmの「商品名:ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、粒径8μmの「商品名:BF300」(備北粉化社製)等が挙げられる。
また、樹脂組成物(I)には、難燃性を向上させる為にリン化合物が用いられてもよい。
リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;化学式1で表される化合物等が挙げられる。これらのリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらのうち、耐火性の観点から、赤リン、下記の化学式で表される化合物、及び、ポリリン酸アンモニウム類が好ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
化学式中、Rl及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を表す。
R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
リン化合物の市販品としては、例えば、クラリアント社の「商品名:EXOLITAP422」及び「商品名:EXOLITAP462」等が挙げられる。
リン化合物は、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩と反応して、金属炭酸塩の膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
次に先のバインダー樹脂組成物(II)の各成分のうち、無機繊維としては、例えば、具体的にはシリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等のセラミック繊維等が挙げられる。
セラミック繊維を使用する場合には、焼結性無機質材をさらに併用することが好ましい。かかる焼結性無機質材としては、例えば、電気絶縁性ガラス等を例示することができる。電気絶縁性ガラスとしては、例えば、具体的には二酸化ケイ素が50〜60重量%、酸化アルミニウムが10〜20重量%、酸化カルシウムが10〜20重量%、酸化マグネシウムが1〜10重量%、酸化ホウ素が8〜13重量%等の範囲で含まれるEガラスと呼ばれるもの等を挙げることができる。
次に、樹脂組成物(I)及びバインダー樹脂組成物(II)における上記各成分の含有量について説明する。
樹脂組成物(I)は、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分100重量部に対し、熱膨張性層状無機物を20〜350重量部及び無機充填材を50〜400重量部の範囲で含むものが好ましい。また、熱膨張性層状無機物および無機充填材の合計は、200〜600重量部の範囲であれば好ましい。この配合によれば、発泡断熱材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することができ、樹脂組成物は安定した防火性能を達成することができる。
バインダー樹脂組成物(II)は、無機繊維55〜85重量%、熱膨張性層状無機物5〜30重量%、焼結性無機質材5〜25重量%、および樹脂成分5〜15重量%の範囲で含むものが好ましい。この配合によれば、耐火性と形状保持性の両方が保持される。
さらに本発明に使用する前記樹脂組成物(I)または前記バインダー樹脂組成物(II)は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、耐電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
樹脂組成物(I)およびバインダー樹脂組成物(II)の各成分を押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー等公知の混練装置に供給して溶融混練したり、樹脂組成物の各成分を有機溶剤に懸濁さたり、加温して溶融させたりして塗料状にしたりして、必要に応じて加熱硬化することにより、樹脂組成物(I)またはバインダー樹脂組成物(II)を得ることができる。
前記熱膨張性耐火シート4は市販品として入手可能であり、例えば、住友スリーエム社のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火シート、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火シート、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業社製フィブロック(エポキシ樹脂、ブチルゴム、塩化ビニルを樹脂成分として含む熱膨張性耐火シート)等の熱膨張性耐火シート等も挙げられる。また従来公知の耐火塗料を塗布あるいは成形により得られたシートを用いてもよい。
熱膨張性耐火シート4は、火災時などの高温にさらされた際にその膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があるものであれば特に限定されないが、50kW/m2の加熱条件下で30分間加熱した後の体積膨張率が3〜50倍のものであれば好ましい。また、熱膨張性耐火シート4を絶縁性にすれば、耐火性のみならず絶縁性も付与される。
次に、貫通処理材6について説明する。図2および図5を参照すると、ダクト5は貫通孔2の内周面8に設置された熱膨張性耐シート4を介して前記鉄骨梁1に挿通されている。貫通処理材6は、ダクト5と熱膨張性耐火シート4に跨って、および熱膨張性耐火シート4と鉄骨梁1に跨って配置されている。つまり、ダクト5と熱膨張性耐火シート4、および熱膨張性耐火シート4と鉄骨梁1のそれぞれ2つの部材の上に、貫通処理材6が連続的に配置されている。具体的には、貫通処理材6は、ダクト5の上にダクト5と略平行に配置された第1水平部分6aと、第1水平部分6aから連続的に略垂直に延び、熱膨張性耐火シート4の側面4a上に配置された第1垂直部分6bと、第1垂直部分6bから連続的に略垂直に延び、熱膨張性耐火シート4の外周面4b上に配置された第2水平部分6cと、第2水平部分6cから連続的に垂直に延び、鉄骨梁1上に配置された第2垂直部分6dとを備えている。上下の第2垂直部分6d,6dは、鉄骨梁1の平行な上下2つの部分の対向する面(ダクト5側の面)1a,1bまでそれぞれ延びている。このため、熱膨張性耐火シート4は、ダクト5と熱膨張性耐火シート4の間を介した、および熱膨張性耐火シート4と鉄骨梁1の間を介した、鉄骨梁1の貫通孔2に対する一方(例えば図5の左側)から他方(例えば図5の右側)への火災の延焼を防ぐことができる。
貫通処理材6は、任意の耐火性材料から形成されてもよく、熱膨張性耐シート4の材料と同じであっても異なっていてもよい。例えば、貫通処理材6は熱膨張性耐シート4の材料と同一または同様な特開2007-198029に記載したような熱膨張性耐火シートであり、具体的には熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分、熱膨張性層状無機物、無機充填材等を含む樹脂組成物(I)からなるもの、無機繊維、熱膨張性層状無機物、焼結性無機質材等に対し前記樹脂成分をバインダーとして含むバインダー樹脂組成物(II)からなるもの等であり、樹脂組成物(I)およびバインダー樹脂組成物(II)は熱膨張性耐シート4の構成成分に関して上述した通りである。
図6に示されるように、図5の耐火構造から、さらに鉄骨梁1に耐火被覆材7が設けられる。耐火被覆材7は鉄骨梁1にロックウール等の耐火被覆材を吹き付ける等の方法により設けることができる。
前記耐火被覆材の厚みは、前記鉄骨梁に求められる耐火時間により適宜定められるが、通常は20〜65mmの範囲であり、先に説明した前記熱膨張性耐火シートの外側への延長幅と略等しいことがさらに好ましい。
上記の第1実施形態は以下の効果を有する。
第1実施形態によれば、鉄骨梁1と、鉄骨梁1の貫通孔2に設けられた熱膨張性耐火シート4との上に連続して貫通処理材6が配置されるため、耐火性能を確保するとともに、容易且つ確実に隙間を塞ぎ、火災による延焼を防ぐことができる。
さらに、ダクト5と熱膨張性耐火シート4との上にも連続して貫通処理材6が配置されているため、鉄骨梁1の貫通孔2に対する一方から他方への火災の延焼を防ぐことができる。
貫通処理材6として、熱膨張性耐火シート4と同じ材料を用いれば安価かつ施工が容易となる。
本発明は、第1実施形態に限られず、以下のような種々の変形が可能である。
・上記の第1実施形態では、不燃性材料として熱膨張性耐火シート4を用いたが、金属製スリーブ、特には鋼製スリーブなどの、他の不燃性材料が用いられてもよい。
・図7(a)に示すように、熱膨張性耐火シート4の長さが貫通孔2の軸方向の長さと同一かそれよりも小さく、貫通処理材6は、ダクト5の上にダクト5と略平行に配置された第1水平部分6aと、第1水平部分6aから連続的に略垂直に延び、熱膨張性耐火シート4の側面4a及び鉄骨梁1上に配置された第1垂直部分6eとを備えていてもよい。この場合、第1垂直部分6eは、鉄骨梁1の平行な上下2つの部分の対向する面1a,1bまで延びず、鉄骨梁1の垂直な部分の途中で終端していてもよい。この実施形態でも、鉄骨梁1と、鉄骨梁1の貫通孔2に設けられた熱膨張性耐火シート4との上、ならびにダクト5と熱膨張性耐火シート4との上には連続して貫通処理材6が配置されるため、耐火性能を確保するとともに、容易且つ確実に隙間を塞ぎ、火災による延焼を防ぐことができる。
図7(b)に示すように、熱膨張性耐火シート4が、熱膨張性耐火シート4の外周面4bからさらに鉄骨梁1の上に延びる部分4cを備えていてもよい。貫通処理材6は、ダクト5の上にダクト5と略平行に配置された第1水平部分6aと、第1水平部分6aから連続的に略垂直に延び、熱膨張性耐火シート4の側面4a上に配置された第1垂直部分6bと、第1垂直部分6bから連続的に略垂直に延び、熱膨張性耐火シート4の外周面4b上に配置された第2水平部分6cと、第2水平部分6cから連続的に垂直に延び、熱膨張性耐火シート4の上に配置された第2垂直部分6dとを備えている。この実施形態でも、鉄骨梁1と、鉄骨梁1の貫通孔2に設けられた熱膨張性耐火シート4との上、ならびにダクト5と熱膨張性耐火シート4との上には連続して貫通処理材6が配置されるため、耐火性能を確保するとともに、容易且つ確実に隙間を塞ぎ、火災による延焼を防ぐことができる。
・図8(a)に示すように、図4の状態からダクト5は設けずに、貫通処理材6が、熱膨張性耐火シート4の側面4a上に配置された第1垂直部分6bと、熱膨張性耐火シート4の外周面4b上に配置された第2水平部分6cと、第2水平部分6cから連続的に垂直に延び、熱膨張性耐火シート4の上に配置された第2垂直部分6dとを備えているようにしてもよい。この実施形態では、貫通孔2が塞がれる。この実施形態でも、鉄骨梁1と、鉄骨梁1の貫通孔2に設けられた熱膨張性耐火シート4との上に連続して貫通処理材6が配置されるため、耐火性能を確保するとともに、容易且つ確実に隙間を塞ぎ、火災による延焼を防ぐことができる。
・図8(b)に示すように、図8(a)に対して熱膨張性耐火シート4の長さを貫通孔2の軸方向の長さと同一かそれよりも小さくしてもよい。この実施形態でも、鉄骨梁1と、鉄骨梁1の貫通孔2に設けられた熱膨張性耐火シート4との上に連続して貫通処理材6が配置されるため、耐火性能を確保するとともに、容易且つ確実に隙間を塞ぎ、火災による延焼を防ぐことができる。
・図8(c)に示すように、熱熱膨張性耐火シート4が熱膨張性耐火シート4の外周面4bからさらに鉄骨梁1の垂直な部分の上に延びる部分4cと、部分4cから連続的に略垂直に梁1の上に延びる部分4dとを備え、貫通処理材6は部分4dに接して終端する構成でもよい。この実施形態でも、鉄骨梁1と、鉄骨梁1の貫通孔2に設けられた熱膨張性耐火シート4との上に連続して貫通処理材6が配置されるため、耐火性能を確保するとともに、容易且つ確実に隙間を塞ぎ、火災による延焼を防ぐことができる。
・上記第1実施形態及び上記の別例では、熱熱膨張性耐火シート4や貫通処理材6が連続的に配置される例を示したが、例えば熱熱膨張性耐火シート4や貫通処理材6は、複数の部分に切断したものを互いに重ねて、接して、または少し離間させて配置してもよい。
1・・・鉄骨梁、2…貫通孔、4…不燃性材料としての熱膨張性耐火シート、5…配管としてのダクト、6…貫通処理材、8…貫通孔を区画形成する面としての内周面。

Claims (2)

  1. 貫通孔が設けられた梁の耐火構造であって、
    前記貫通孔には、配管または配線が挿通され、
    梁における貫通孔を区画形成する面に不燃性材料が配置され、
    前記不燃性材料が金属製のスリーブからなり、
    前記梁と、前記不燃性材料と、前記配管または配線とに跨り、前記不燃性材料と前記配管または配線との間の隙間を閉塞するように、貫通処理材が配置されていることを特徴とする梁の耐火構造。
  2. 前記貫通処理材が熱膨張性耐火シートからなることを特徴とする請求項に記載の梁の耐火構造。
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