JP6663096B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
プロピレンに由来する単量体単位を有し、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が50重量%を超える(但し、成分(C)の全量を100重量%とする)プロピレン重合体(成分(C))と、
リン酸塩化合物(成分(D))と、
リン酸エステル(成分(E))と、
金属酸化物(成分(F))とを含有し、
成分(A)、成分(B)、および成分(C)の合計量100重量部に対して、
成分(D)の含有量が、35重量部以上200重量部以下であり、
成分(E)の含有量が、0.1重量部以上40重量部以下であり、
成分(F)の含有量が、0重量部以上20重量部以下であり、
成分(C)に対する成分(A)と成分(B)の合計の重量比((成分(A)の重量+成分(B)の重量)/成分(C)の重量)が、0.7以上10以下であり、
成分(E)に対する成分(D)と成分(F)の合計の重量比((成分(D)の重量+成分(F)の重量)/成分(E)の重量)が、5以上70以下である熱可塑性エラストマー組成物にかかるものである。
エチレン共重合体(以下、成分(A)と称する。)は、エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位とを有する共重合体である。
炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンとして、好ましくは、炭素原子数4以上8以下のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位として、より好ましくは、プロピレンに由来する単量体単位、1−ブテンに由来する単量体単位、または1-オクテンに由来する単量体単位である。
エチレン共重合体(成分(A1)):エチレンに由来する単量体単位の含有量が50重量%以上65重量%以下であり、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位の含有量が35重量%以上50重量%以下であるエチレン共重合体(但し、成分(A1)のエチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位の合計量を100重量%とする。)
エチレン共重合体(成分(A2)):エチレンに由来する単量体単位の含有量が65重量%を超え95重量%以下であり、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位の含有量が5重量%以上35重量%未満である(但し、成分(A2)のエチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位の合計量を100重量%とする。)
M:ムーニー粘度
L:ラージローターを使用
121℃:測定温度
1+4:試料を1分加熱した後、ローターを4分間2rpmで回転させた時の測定値
成分(A)の分子量分布とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)である。
芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位と、共役ジエン化合物に由来する単量体単位を有する共重合体(以下、成分(B)と称する。)としては、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物重合体、これらの水素添加物等が挙げられる。
なお、芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位の含有量は、1H−NMR測定により求めることができる。
芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位と、共役ジエン化合物に由来する単量体単位を有する共重合体としては、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物重合体の水素添加物が好ましい。
プロピレン重合体(以下、成分(C)と称する。)としては、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレン重合材料等が挙げられる。成分(C)におけるプロピレンに由来する単量体単位の含有量は、50重量%を超え、100重量%以下である(但し、成分(C)の全量を100重量%とする)。成分(C)は、単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
(1)プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90重量%以上99.5重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が0.5重量%以上10重量%以下であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位の合計量を100重量%とする。);
(2)プロピレンに由来する単量体単位の含有量が81重量%以上99重量%以下であり、エチレンに由来する単量体単位の含有量が0.5重量%以上9.5重量%以下であり、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が0.5重量%以上9.5重量%以下であるプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する単量体単位とエチレンに由来する単量体単位と炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する単量体単位との合計量を100重量%とする。);または
(3)プロピレンに由来する単量体単位の含有量が90重量%以上99.5重量%以下であり、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量が0.5重量%以上10重量%以下であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する単量体単位と、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する単量体単位との合計量を100重量%とする。)が挙げられる。
上記(1)、および(2)における炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖状α−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン等の分岐状α−オレフィンが挙げられる。炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
ここで、CXS部とCXIS部は、次の方法によって得られる。プロピレン重合材料を沸騰キシレンに完全に溶解した後、キシレン溶液を室温まで徐冷し、20℃で4時間以上放置し、析出物と溶液とをろ別する。析出物がCXIS部であり、溶液から溶媒を除去して得られた物がCXS部である。
また、上記の重合触媒の存在下で、予備重合触媒を用いてもよい。予備重合触媒としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平5−194685号公報、特開平7−216017号公報、特開平9−316147号公報、特開平10−212319号公報、特開2004−182981号公報に記載の触媒が挙げられる。
ここで、アイソタクチック・ペンタッド分率とは、成分(C)の分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率であり、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖(以下、mmmmと表す。)の中にあるプロピレンモノマー単位の分率である。アイソタクチック・ペンタッド分率の測定方法は、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRによって測定される方法である。
降温操作:成分(C)を220℃で融解させ、次いで、220℃から−90℃まで5℃/分の降温速度で降温する。
昇温操作:220℃から−90℃まで降温した後、直ちに−90℃から200℃まで5℃/分で昇温する。
リン酸塩化合物(以下、成分(D)と称する。)としては、リン酸塩、ポリリン酸塩、該リン酸塩および/または該ポリリン酸塩を主成分とする化合物等が挙げられる。
リン酸塩としては、オルトリン酸メラミン塩、オルトリン酸ピペラジン塩、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ピペラジン塩、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等が挙げられる。
ポリリン酸塩としては、ポリリン酸アンモニウム塩、ポリリン酸ピペラジン塩、ポリリン酸メラミン塩等が挙げられる。
成分(D)は、単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。成分(D)は、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ピペラジン塩、またはポリリン酸アンモニウム塩が好ましく、ピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩を併用することがより好ましい。ピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩を併用する場合、ピロリン酸ピペラジン塩に対するピロリン酸メラミン塩の重量比(ピロリン酸メラミン塩の重量/ピロリン酸ピペラジン塩の重量)は、0.25以上1.0以下であることが好ましい。
市販の成分(D)としては、例えば、株式会社ADEKA製「アデカスタブ FP-2100J」、クラリアントジャパン株式会社製「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP462」等が挙げられる。
リン酸エステル(以下、成分(E)と称する。)としては、芳香族リン酸エステル、脂肪族リン酸エステル、該芳香族リン酸エステルと該脂肪族リン酸エステルから得られるオリゴマーまたはポリマー等が挙げられる。
脂肪族リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリブトキシエチル、リン酸モノイソデシル、およびリン酸2-アクリロイルオキシエチル酸が挙げられる。
芳香族リン酸エステルの例としては、リン酸トリキシレニル、リン酸トリス(フェニルフェニル)、リン酸トリナフチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸キシレニルジフェニル、リン酸ジフェニル−2−メタクリロリルオキシエチル、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジクレジルホスフェート)、ヒドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)1,3−フェニレンビスホスフェート等が挙げられる。
成分(E)は、単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。市販の成分(E)としては、例えば、株式会社ADEKA製「アデカスタブ FP‐600」、「アデカスタブ FP‐800」等、大八化学製「CR−733S」、「CR−741」、「PX−200」等が挙げられる。
金属酸化物(以下、成分(F)と称する)としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マンガン(MnO、MnO2)、酸化鉄(FeO、Fe2O3、Fe3O4)、酸化銅、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化アルミニウム、アルミン酸カルシウム等が挙げられる。成分(F)としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、または酸化カルシウムが好ましく、酸化亜鉛がより好ましい。
成分(F)に対する成分(D)の重量比(成分(D)の重量/成分(F)の重量)は、熱可塑性エラストマー組成物の成形時に金型を汚れにくくし、成形体の難燃性と外観を良好にするために、好ましくは4以上100以下あり、より好ましくは6以上50以下であり、更に好ましくは10以上35以下である。
多価水酸基含有化合物(以下、成分(G)と称する。)とは、水酸基を2つ以上有する化合物である。成分(G)としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール(縮合度≧4) 、トリスヒドロキシエチルイソシアネート 、ポリエチレングリコール、グリセリン、デンプン、ブドウ糖、セルロース、ソルビトール等が挙げられる。成分(G)としては、低水溶性、および低吸湿性であるため、多価アルコール化合物が好ましく、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、またはポリペンタエリスリトールがより好ましく、ペンタエリスリトールが更に好ましい。
成分(A)および成分(C)の合計量100重量部に対して、
成分(D)の含有量が、35重量部以上200重量部以下であり、
成分(E)の含有量が、0.1重量部以上40重量部以下であり、
成分(F)の含有量が、0重量部以上20重量部以下であり、
成分(C)に対する成分(A)の重量比(成分(A)の重量/成分(C)の重量)が、0.7以上10以下であり、
成分(E)に対する成分(D)と成分(F)の合計の重量比((成分(D)の重量+成分(F)の重量)/成分(E)の重量)が、5以上70以下である。
熱可塑性エラストマー組成物中の成分(C)に対する成分(A)の重量比(成分(A)の重量/成分(C)の重量)は、0.7以上10以下であり、熱可塑性エラストマー組成物の成形時に金型を汚れにくくし、成形体の引張特性と外観を良好にするために、好ましくは1以上5以下であり、より好ましくは1以上4以下である。
その他の添加剤としては、鉱物油、難燃剤(成分(D)を除く)、難燃助剤(成分(E)、および成分(F)を除く)、架橋剤、無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、造核剤、顔料、吸着剤、金属塩化物、滑剤、シリコーン化合物等が挙げられる。
カルボン酸エステルに由来する単量体単位を有するエチレン重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル重合体としては、塩化ビニル重合体、塩化ビニリデン重合体、フッ化ビニリデン重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等が挙げられる。
アミド樹脂としては、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミドが挙げられる。
アクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル重合体、アクリル酸メチル重合体等が挙げられる。
スチレン樹脂としては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂等が挙げられる。
成分(F)、成分(G)、その他の添加剤、およびその他の樹脂は、溶融混練前に成分(A)〜(E)に予め配合しておいてもよく、成分(A)〜(E)を溶融混練した後、あるいは溶融混練する途中で添加してもよい。
具体的な有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物は、単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
JIS K6300に従って測定を行った。
JIS K7210に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定を行った。
成分(A)を厚み約0.1mmのフィルムに成形し、赤外分光光度計を用いて、該フィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、文献(赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション 高山、宇佐美 等著 または Die Makromolekulare Chemie,177,461(1976)Mc Rae,M.A.,MadamS,W.F.等著)に記載の方法に従って、エチレンに由来する単量体単位の含有量を算出した。
東芝機械社製射出成形機IS100ENにて、サイドゲート平板金型を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃の条件で、実施例、および比較例の熱可塑性エラストマー組成物を射出成形し、射出成形体(縦90mm、横150mm、厚み2mm)を得た。
ユニオンプラスチック社製USV25mmΦ押出機にて、シリンダー温度200℃、フルフライトタイプスクリュー、スクリュー回転数40rpmの条件で、実施例、および比較例の熱可塑性エラストマー組成物を押出成形し、押出成形体(幅90mm、厚み1mm)を得た。また、燃焼性試験時には、同様の条件で、幅90mm、厚み1.5mmの押出成形体を製造し、その押出成形体から長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.5mmの試験片を切り出して使用した。
JIS K6253に従い、上記(4)で製造した射出成形体、もしくは上記(5)で製造した押出成形体の測定開始から15秒後のデューロメータA硬度を測定した。
JIS K 6760−1981に規定された方法により、成分(A)の密度をアニール無しで測定した。JIS K7112に規定された方法により、上記(4)で製造した射出成形体、もしくは上記(5)で製造した押出成形体の密度をアニール無しで測定した。
JIS K6251に従い、上記(4)で製造した射出成形体、もしくは上記(5)で製造した押出成形体の引張破断伸びの測定を行った。なお、JIS 3号試験片により、引張速度200mm/分の条件で測定した。
UL−94Vに従い、上記(5)で製造した試験片を用いて測定を行い、難燃性試験を実施した。試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後、バーナーを取り除き、試験片に着火した火が消えるまでの時間を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消えるまでの時間を測定した。また、落下した火種により、試験片の下に置いた綿が着火するか否かについても同時に評価した。1回目と2回目の燃焼時間、および綿着火の有無等から、UL−94V規格にしたがって燃焼ランクをつけた。燃焼ランクがV−0相当のものを難燃性評価「○」とし、V−0からV−2のランクの何れにも該当しないものを難燃性評価「×」とした。
東芝機械社製射出成形機IS100ENにて、サイドゲート平板金型を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃の条件で、熱可塑性エラストマー組成物を射出成形した。
射出成形を10サイクル行った後も、金型が汚れていないものを評価「5」とし、射出成形を10サイクル行った後、金型の一部が汚れていたものを評価「4」とし、射出成形を10サイクル行った後、金型の全面が汚れていたものを評価「3」とし、射出成形を1サイクル行った後、金型の一部が汚れていたものを評価「2」とし、射出成形を1サイクル行った後、金型の全面が汚れていたものを評価「1」とした。
田辺プラスチックス機械社製単軸押出機VS30−28型ベントのダイノズルを介して押し出されたストランドの表面状態(肌)を目視にて5段階で評価した。
ストランドの肌に全く肌荒れが見られず、ストランドの断面が発泡していないものを評価「5」とし、ストランドの肌の一部に肌荒れが見られるが、ストランドの断面は発泡していないものを評価「4」とし、ストランドの肌の全体に肌荒れが見られるが、ストランドの断面は発泡していないものを評価「3」とし、ストランドの肌の全体に肌荒れが見られるが、ストランドの断面が一部発泡しているものを評価「2」とし、ストランドの肌の全体に肌荒れが見られ、ストランドの断面が発泡しているものを評価「1」とした。
5段階評価の数字が大きいものほど、成形体の外観が優れる。
ユニオンプラスチック社製USV25mmΦ押出機にて、シリンダー温度200℃、フルフライトタイプスクリュー、スクリュー回転数40rpmの条件で、Tダイを使用し、熱可塑性エラストマー組成物1kgを押出成形した。
押出機のダイス部と成形体に存在する目ヤニの合計量が10mg/kg未満のものを外観評価「○」とし、10mg/kg以上のものを外観評価「×」とした。
(A1−1)エチレン−1−オクテン共重合体
ダウケミカル社製、Engage 8100
(エチレンに由来する単量体単位の含有量=63重量%、ムーニー粘度(ML1+4121℃)=24、密度=0.870g/cm3)
(A2−1)エチレン−1−ブテン共重合体
ダウケミカル社製Engage 7467
(エチレンに由来する単量体単位の含有量=69重量%、ムーニー粘度(ML1+4121℃)=19、密度=0.862g/cm3)
(A2−2)エチレン−1−ブテン共重合体
ダウケミカル社製Engage 7387
(エチレンに由来する単量体単位の含有量=74重量%、ムーニー粘度(ML1+4121℃)=54、密度=0.870g/cm3)
(B−1):クレイトンポリマージャパン株式会社製、商品名「クレイトンG1651HS」
(C−1)プロピレン単独重合体 住友化学社製「ノーブレン D101」
(C−2)プロピレン重合材料 住友化学社製「ノーブレン AZ864」
(C−3)プロピレン重合材料 住友化学社製「ノーブレン AZ564」
(D−1)株式会社ADEKA製 商品名「アデカスタブ FP‐2100J」
((D−2)+(F−1))株式会社ADEKA製 商品名「アデカスタブ FP‐2500S」(リン酸塩と酸化亜鉛)
((D−3)+(F−1))株式会社ADEKA製 商品名「アデカスタブ FP‐2200S」(リン酸塩と酸化亜鉛)
(E−1)株式会社ADEKA製 商品名「アデカスタブ FP‐600」(フェノール、4,4‘−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール、およびトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物)
(G−1)広栄化学工業株式会社製 商品名「ペンタリット」(ペンタエリスリトール)
酸化防止剤:BASFジャパン株式会社製 商品名「イルガノックス1010」
ジアゾ系耐候安定剤:住友化学株式会社製 商品名「スミソーブ300」
HALS系耐候安定剤:BASFジャパン株式会社製 商品名「チヌビン622SF」
黒顔料:住化カラー株式会社製 商品名「PEM8020」
エチレンに由来する単量体単位が95重量%以上の低密度ポリエチレン:住友化学株式会社製 商品名「G201」
アルキル置換基を有するノボラック型のフェノール樹脂:日立化成工業株式会社製、商品名「ヒタノール1501」
(熱可塑性エラストマー組成物の製造)
エチレン−α−オレフィン共重合体(A1−1)30.3重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体(A2−1)42.4重量%と、プロピレン重合体(C−3)27.3重量%と、前記成分(A1−1)、前記成分(A2−1)、および前記成分(C−3)の合計量100重量部に対して、リン酸塩化合物(D−2)および金属酸化物(F−1)の混合物((D−2)+(F−1))53.1重量部と、リン酸エステル(E−1)3.1重量部と、多価水酸基含有化合物(G−1)1.5重量部と、酸化防止剤(イルガノックス1010)0.2重量部と、ジアゾ系耐候安定剤(スミソーブ300)0.2重量部と、HALS系耐候安定剤(チヌビン622SF)0.3重量部と、黒顔料(PEM8020)2.4重量部と、アルキル置換基を有するノボラック型のフェノール樹脂(ヒタノール1501)1.6重量部を、インテンシブルミキサー(日本ロール社製5L−D型インテンシブミキサー)を用いて10分間溶融混練し、更に単軸押出機(VS30−28型ベント)にて造粒を行い、ペレット状の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を上記(4)の方法で射出成形して成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
(熱可塑性エラストマー組成物の製造)
表1に示す成分、および含有量で、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物を上記(4)の方法で射出成形して成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
(熱可塑性エラストマー組成物の製造)
表2に示す成分、および含有量で、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物を上記(5)の方法で押出成形して成形体を得た。成形体の物性測定結果を表2に示す。また、射出成形時の金型の汚れの評価は、上記(4)の方法で射出成形して行った。
(熱可塑性エラストマー組成物の製造)
表3に示す成分、および含有量で、実施例1と同様に熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物を上記(4)の方法で射出成形して成形体を得た。また、目ヤニ量の評価は得られた熱可塑性エラストマー組成物を上記(5)の方法で押出成形して行った。成形体の物性測定結果を表3に示す。
Claims (6)
- エチレンに由来する単量体単位50重量%以上95重量%以下と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位5重量%以上50重量%以下を有する(但し、エチレンに由来する単量体単位と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位の合計量を100重量%とする。)エチレン共重合体(成分(A))、および芳香族ビニル化合物に由来する単量体単位と、共役ジエン化合物に由来する単量体単位を有する共重合体(成分(B))の少なくともいずれか一方と、
プロピレンに由来する単量体単位を有し、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が50重量%を超える(但し、成分(C)の全量を100重量%とする)プロピレン重合体(成分(C))と、
リン酸塩化合物(成分(D))と、
リン酸エステル(成分(E))と、
金属酸化物(成分(F))とを含有し、
成分(A)、成分(B)、および成分(C)の合計量100重量部に対して、
成分(D)の含有量が、35重量部以上200重量部以下であり、
成分(E)の含有量が、0.1重量部以上40重量部以下であり、
成分(F)の含有量が、0重量部以上20重量部以下であり、
成分(C)に対する成分(A)と成分(B)の合計の重量比((成分(A)の重量+成分(B)の重量)/成分(C)の重量)が、0.7以上10以下であり、
成分(E)に対する成分(D)と成分(F)の合計の重量比((成分(D)の重量+成分(F)の重量)/成分(E)の重量)が、5以上70以下である熱可塑性エラストマー組成物。 - 前記熱可塑性エラストマー組成物が、前記成分(A)と、前記成分(C)と、前記成分(D)と、前記成分(E)と、前記成分(F)とを含有し、
成分(A)および成分(C)の合計量100重量部に対して、
成分(D)の含有量が、35重量部以上200重量部以下であり、
成分(E)の含有量が、0.1重量部以上40重量部以下であり、
成分(F)の含有量が、0重量部以上20重量部以下であり、
成分(C)に対する成分(A)の重量比(成分(A)の重量/成分(C)の重量)が、0.7以上10以下であり、
成分(E)に対する成分(D)と成分(F)の合計の重量比((成分(D)の重量+成分(F)の重量)/成分(E)の重量)が、5以上70以下である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - さらに、多価水酸基含有化合物(成分(G))を含有し、成分(E)に対する成分(G)の重量比(成分(G)の重量/成分(E)の重量)が、0.1以上100以下である請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 前記成分(C)が、プロピレン単独重合体、及び、プロピレン重合材料からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
プロピレン重合材料が、プロピレン単独重合体成分(I)と、プロピレンおよび炭素原子数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する単量体単位と、エチレンに由来する単量体単位とを有するエチレン共重合体成分(II)とからなる重合材料である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。 - 前記プロピレン重合材料が、該プロピレン重合材料の全量を100重量%として、70重量%以上90重量%以下のプロピレン単独重合体成分(I)と、10重量%以上30重量%以下のエチレン共重合体成分(II)とからなる重合材料である請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体。
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