JP7247545B2 - 成形体および建築部材用ガスケット - Google Patents
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Description
本発明の目的は、高温下において、強固に形状を維持できる成形体および該成形体を含む建築部材用ガスケットを提供することにある。
[1] 下記成分(A)および下記成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、下記成分(C)とを含有し、曲げ弾性率が50MPa以上1000MPa以下であり、下記式(1)で求められるXが2.0以上であり、下記式(2)で求められるYが2.0以下であり、X/Yが1.5以上である成形体。
成分(A):エチレン系共重合体
成分(B):芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体
成分(C):プロピレン系重合体
X=dx/4.0 (1)
Y=dy/4.0 (2)
dxおよびdyは、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片を、電気炉中、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の厚み(mm)である。dxおよびdyは、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。
dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
[2] さらに下記成分(D)を含有し、
成分(C)の重量に対する、成分(A)及び成分(B)の合計重量の比が0.7以上9.0以下である[1]に記載の成形体。
成分(D):膨張黒鉛
[3] さらに下記成分(E)を含有する[1]または[2]に記載の成形体。
成分(E):難燃剤
[4] 成分(E)がリン酸塩化合物である[3]に記載の成形体。
[5] [1]~[4]のいずれか一項に記載の成形体を含む建築部材用ガスケット。
本発明に係る成形体は、成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)とを含有し、曲げ弾性率が50MPa以上1000MPa以下であり、式(1)で求められるXが2.0以上であり、式(2)で求められるYが2.0以下であり、X/Yが1.5以上である。
成分(C)の含有量に対する、成分(A)と成分(B)の合計含有量の重量比((成分(A)+成分(B))/成分(C))を0.7以上9.0以下とすることにより、成形体の曲げ弾性率を50MPa以上1000MPa以下とすることができる。成形体が成分(D)および/または成分(E)を含有する場合は、成分(D)および/または成分(E)の量が多いほど、曲げ弾性率が大きくなる。
X=dx/4.0 (1)
Y=dy/4.0 (2)
dxおよびdyは、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片を、電気炉中、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の厚み(mm)である。dxおよびdyは、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。
dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
成形体中の成分(D)の含有量を5.0重量%以上とすることにより、Xを2.0以上とし、Yを2.0以下とすることができる。
例えば、成形体中の成分(D)の含有量を5.0重量%以上60重量%以下とする、または成分(E)の含有量を5重量%以上50重量%以下とすることにより、酸素指数を25%以上80%以下とすることができる。
成分(A)は、エチレン系共重合体である。
本願明細書において、エチレン系共重合体とは、該重合体の全重量100重量%に対して、エチレンに由来する構造単位50重量%以上95重量%以下と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位5重量%以上50重量%以下とを有する共重合体である。
炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンとしては、1-ブテン、2-メチルプロピレン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンが挙げられる。炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンは、好ましくは、炭素原子数4以上8以下のα-オレフィンである。成分(A)は、炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンに由来する構造単位を、1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位は、好ましくは、プロピレンに由来する構造単位、1-ブテンに由来する構造単位、または1-オクテンに由来する構造単位である。
成分(A)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量とプロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量の合計は、成分(A)の全重量100重量%に対して、好ましくは90重量%以上であり、より好ましくは95重量%以上である。
M:ムーニー粘度
L:ラージローターを使用
121℃:測定温度
1+4:試料を1分加熱した後、ローターを4分間2rpmで回転させた時の測定値
分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)である。
成分(B)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体である。
成分(B)としては、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体、芳香族ビニル-共役ジエン-芳香族ビニル共重合体、及びこれらの水素添加物が挙げられる。成形体は、成分(B)を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
なお、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量は、1H-NMR測定により求めることができる。
成分(B)は、芳香族ビニル-共役ジエン-芳香族ビニル重合体の水素添加物が好ましい。
成分(C)は、プロピレン系重合体である。
本願明細書において、プロピレン系重合体とは、該重合体の全重量100重量%に対して、プロピレンに由来する構造単位を50重量%より多く100重量%以下含有する重合体である。
成分(C)としては、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレン重合材料が挙げられる。成形体は、成分(C)を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
(1)プロピレンに由来する構造単位の含有量が90重量%以上99.5重量%以下であり、エチレンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上10重量%以下であるプロピレン-エチレンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する構造単位とエチレンに由来する構造単位の合計量を100重量%とする。);
(2)プロピレンに由来する構造単位の含有量が81重量%以上99重量%以下であり、エチレンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上9.5重量%以下であり、炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上9.5重量%以下であるプロピレン-エチレン-α-オレフィンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する構造単位とエチレンに由来する構造単位と炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンに由来する構造単位との合計量を100重量%とする);または
(3)プロピレンに由来する構造単位の含有量が90重量%以上99.5重量%以下であり、炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上10重量%以下であるプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する構造単位と、炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンに由来する構造単位との合計量を100重量%とする)が挙げられる。
上記(1)、および(2)における炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等の直鎖状α-オレフィン;3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン等の分岐状α-オレフィンが挙げられる。プロピレンランダム共重合体は、炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンに由来する構造単位を、1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
ここで、CXS部とCXIS部は、次の方法によって得られる。プロピレン重合材料を沸騰キシレンに完全に溶解した後、キシレン溶液を室温まで徐冷し、20℃で4時間以上放置し、析出物と溶液とをろ別する。析出物がCXIS部であり、溶液から溶媒を除去して得られた物がCXS部である。
プロピレン重合材料の製造に使用する重合触媒としては、チーグラー触媒、チーグラー・ナッタ触媒、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物、および有機アルミニウム化合物からなる触媒が挙げられる。
また、上記の重合触媒の存在下、プロピレンを含むモノマーを予備重合して得られる予備重合触媒を用いてもよい。予備重合触媒としては、例えば、特開昭61-218606号公報、特開昭61-287904号公報、特開平5-194685号公報、特開平7-216017号公報、特開平9-316147号公報、特開平10-212319号公報、特開2004-182981号公報に記載の触媒が挙げられる。
ここで、アイソタクチック・ペンタッド分率とは、成分(C)の分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率であり、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖(以下、mmmmと表す。)の中にあるプロピレンモノマー単位の分率である。アイソタクチック・ペンタッド分率の測定方法は、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C-NMRによって測定される方法である。
降温操作:成分(C)を220℃で融解させ、次いで、220℃から-90℃まで5℃/分の降温速度で降温する。
昇温操作:220℃から-90℃まで降温した後、直ちに-90℃から200℃まで5℃/分で昇温する。
成形体は、好ましくは成分(D)を含有する。成分(D)は膨張黒鉛である。膨張黒鉛は、加熱時に膨張する特性を有する黒鉛であって、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。成分(D)は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、酸処理して得られた膨張黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。
成形体は、成分(E)を含有してもよい。成分(E)は難燃剤である。
成分(E)としては、リン系難燃剤、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、メラミンシアヌレートが挙げられる。成形体は、成分(E)を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
リン酸塩としては、オルトリン酸メラミン塩、オルトリン酸ピペラジン塩、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ピペラジン塩、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムが挙げられる。
ポリリン酸塩としては、ポリリン酸アンモニウム塩、ポリリン酸ピペラジン塩、ポリリン酸メラミン塩が挙げられる。
成形体は、リン酸塩化合物を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。リン酸塩化合物は、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ピペラジン塩、またはポリリン酸アンモニウム塩が好ましく、成形体は、好ましくはピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩の両方を含む。成形体が、ピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩とを含有する場合、ピロリン酸ピペラジン塩含有量に対するピロリン酸メラミン塩含有量の重量比(ピロリン酸メラミン塩/ピロリン酸ピペラジン塩)は、好ましくは0.25以上1.0以下である。
市販のリン酸塩化合物としては、株式会社ADEKA製「アデカスタブ FP-2100J」、クラリアントジャパン株式会社製「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP462」が挙げられる。
成分(E)は好ましくは、リン系難燃剤であり、より好ましくはリン酸塩化合物である。
成形体は更に難燃助剤を含有してもよい。難燃助剤としては、リン酸エステル、金属酸化物、多価水酸基含有化合物が挙げられる。
脂肪族リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(2-エチルヘキシル)、リン酸トリブトキシエチル、リン酸モノイソデシル、およびリン酸2-アクリロイルオキシエチル酸が挙げられる。
芳香族リン酸エステルとしては、リン酸トリキシレニル、リン酸トリス(フェニルフェニル)、リン酸トリナフチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸キシレニルジフェニル、リン酸ジフェニル-2-メタクリロリルオキシエチル、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジクレジルホスフェート)、ヒドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、テトラキス(2,6-ジメチルフェニル)1,3-フェニレンビスホスフェートが挙げられる。
成形体は、リン酸エステルを1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。市販のリン酸エステルとしては、株式会社ADEKA製「アデカスタブ FP‐600」、「アデカスタブ FP‐800」が挙げられる。
その他の添加剤としては、鉱物油、架橋剤、フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、有機フィラー、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、造核剤、顔料、吸着剤、金属塩化物、滑剤、シリコーン化合物が挙げられる。
成分(A)と鉱物油を機械的に混練する方法;
成分(A)の溶液に所定量の鉱物油を添加して混合液を得た後、該混合液から脱溶媒する方法;
ラテックス状態のゴムにオイルを直接添加して撹拌した後、該ゴムを凝固させる方法が挙げられる。
混練装置としては、ロール、バンバリーミキサーが挙げられる。
混合液から脱溶媒する方法としては、スプレードライ法、スチームストリッピング法、二酸化炭素を用いる超臨界乾燥法が挙げられる。
有機過酸化物としては、より具体的には、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、2,2,4-トリメチルペンチル-2-ハイドロパ-オキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、tert-ブチルパーオキサイド、1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ-tert-ブチルパーオキシシクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。成形体は、有機過酸化物を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
有機フィラーとしては、繊維、木粉、セルロースパウダーが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミン系酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリジアミン系紫外線吸収剤、アニリド系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤が挙げられる。
金属塩化物としては、塩化鉄、塩化カルシウムが挙げられる。
滑剤としては、脂肪酸、高級アルコール、脂肪族アミド、脂肪族エステルが挙げられる。
エチレン-カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸ブチル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-メタクリル酸メチル共重合体が挙げられる。
ハロゲン化ビニル重合体としては、塩化ビニル重合体、塩化ビニリデン重合体、フッ化ビニリデン重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン系共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-シクロヘキシルマレイミド共重合体が挙げられる。
アミド樹脂としては、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミドが挙げられる。
アクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル重合体、アクリル酸メチル重合体が挙げられる。
スチレン樹脂としては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂が挙げられる。
成形体は、成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)とを含有する組成物を成形することにより得られる。
成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)とを含有する組成物の製造方法としては、成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)と、必要に応じて、成分(D)、成分(E)、難燃助剤、その他の添加剤、およびその他の樹脂を溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練装置としては、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサーが挙げられ、非開放型の装置が好ましい。また、混練する全成分を一括して溶融混練してもよく、一部の成分を混練した後に残りの成分を加えて溶融混練してもよく、1回または2回以上溶融混練してもよい。溶融混練時の温度は、120℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上200℃以下がより好ましく、時間は、20秒間以上30分間以下が好ましく、40秒間以上15分間以下がより好ましい。混練する成分は、任意の順序で添加してよく、同時に添加してもよい。
成分(D)、成分(E)、難燃助剤、その他の添加剤、およびその他の樹脂は、溶融混練前に成分(A)または成分(B)と成分(C)とに予め配合しておいてもよく、成分(A)または成分(B)と成分(C)を溶融混練した後、あるいは溶融混練する途中で添加してもよい。
上記マスターバッチに含有される熱可塑性樹脂は特に限定されないが、上記成分(C)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン、ポリ-3-メチルペンテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
上記マスターバッチに含有される成分(D)の含有量は、マスターバッチの全重量100重量部に対して、通常10重量部以上95重量部以下であり、好ましくは30重量部以上90重量部以下であり、より好ましくは40重量部以上85重量部以下である。
成形体を含む建築部材としては、建築部材用ガスケットが挙げられる。より具体的には、防火扉のガスケット、防火シャッターのガスケットが挙げられる。
電線被覆材が被覆する電線としては、絶縁電線、ツイストペアケーブル、フラットケーブル、同軸ケーブルが挙げられる。成形体は、これらの電線の被覆材として用いることができる。
成形体を含む電子部品してとしては、電子部品カバーおよび電子部品用ガスケットが挙げられる。電子部品としては、コネクター、コンデンサー、インクカートリッジ、家電ハウジング、ECUケース、スイッチ、インバータ部品、電子基板が挙げられる。
ASTM D-1646に従って測定を行った。
赤外分光法により測定を行った。
具体的には、成分(A)を厚み約0.5mmのフィルムに成形し、ついで赤外分光光度計を用いて、該フィルムの5-エチリデン-2-ノルボルネン由来のピーク(1688cm-1の吸収ピーク)強度を測定して、共重合体中の5-エチリデン-2-ノルボルネンに由来する構造単位の含有量を算出した。
次いで、新たに成分(A)を厚み約0.1mmのフィルムに成形し、赤外分光光度計を用いて、該フィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、文献(赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション 高山、宇佐美 等著)に記載の方法に従って、エチレンに由来する構造単位の含有量を算出した。
組成物のMFRは、JIS K7210に従って、温度230℃、荷重98.07Nの条件で測定を行った。
成形体から、長さ90mm、幅25mm、厚み2.0mmの試験片を切り出した。JIS K7203に従い、曲げ速度1mm/分で、前記試験片の曲げ弾性率を測定した。なお、曲げ弾性率が40MPa以下となった場合、成形体は曲げ弾性率測定時に自重で下方にたわんでおり、得られた測定値は正確な値とはいえないため、「測定不可」と記載した。
(X):成形体から、長さ40mm、幅6.5mm、厚み4.0mmの試験片を切り出した。試験片を電気炉に供給し、400℃で30分間加熱した後、試験片の厚みdxを測定し、式(1)によりXを算出した。
X=dx/4.0 (1)
dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dxは、400℃、30分間加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。厚みは定規で測定した。
(Y):成形体から、長さ40mm、幅6.5mm、厚み4.0mmの試験片を切り出した。試験片を電気炉に供給し、200℃で30分間加熱した後、試験片の厚みdyを測定し、式(2)によりYを算出した。
Y=dy/4.0 (2)
dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dyは、200℃、30分間加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。厚みは定規で測定した。
成形体から、長さ40mm、幅6.5mm、厚み4.0mmの試験片を切り出し、重量を測定した。試験片を電気炉に供給し、400℃で30分間加熱した後、試験片の重量を測定し、下式(3)によりWxを算出した。Wxが大きい成形体は、高温下でも強固に形状を維持できる成形体である。
Wx(%)=100W2/W1 (3)
W1は、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片の重量(g)であり、W2は、前記試験片を電気炉中、400℃、30分間加熱後の試験片の重量(g)である。
上記(6)で得られた加熱後の試験片を島津製卓上形精密万能試験機AGS-500Dを用いて耐荷重を測定した。速度10mm/分で試験片に500gfの荷重をかけ、10mm沈み込んだ際の耐荷重(gf)を測定した。
成形体から、長さ150mm、幅10.0mm、厚み4.0mmの試験片を切り出し、前記試験片を90度折り曲げ、試験片の状態を評価した。試験片に亀裂が入らなかったものを評価「○」、試験片に亀裂が入ったが割れなかったものを評価「△」、試験片が割れたものを評価「×」とした。
成形体から、長さ150mm、幅10.0mm、厚み4.0mmの試験片を切り出した。JIS K7201‐2に従い、前記試験片の酸素指数を測定した。
(A-1)ダウケミカル製 商品名「Engage(登録商標) 7467」
(エチレン-1-ブテン共重合体、エチレンに由来する構造単位の含有量=69重量%、ムーニー粘度(ML1+4,121℃)=19)
油展エチレン系共重合体(成分(A)と鉱物油の混合物)
(A-2+鉱物油)(A-2)エチレン-プロピレン-5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体100重量部にパラフィン系鉱物油(出光興産株式会社製 商品名「PW-380」)100重量部を添加したもの、エチレンに由来する構造単位の含有量=66重量%、プロピレンに由来する構造単位の含有量=30重量%、5-エチリデン-2-ノルボルネン単位の含有量=4重量%、ムーニー粘度(ML1+4,121℃)=38)
(B-1)クレイトンポリマージャパン株式会社製 商品名「クレイトン(登録商標) G1651HU」
(C-1)プロピレン単独重合体 住友化学株式会社製 商品名「ノーブレン(登録商標) H501N」
(D-1)エア・ウォーター株式会社製 商品名「MZ-260」(膨張開始温度260~285℃、PH6.0~8.0)
(E-1)株式会社ADEKA製 商品名「アデカスタブ(登録商標) FP‐2100J」
多価水酸基含有化合物:広栄化学株式会社製 商品名「ペンタリット(登録商標)」(ペンタエリスリトール)
架橋剤:化薬アクゾ株式会社製 商品名「APO-10DL」(2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサンをパラフィン系鉱物油で10%に希釈したもの)
架橋助剤:精工化学株式会社製 商品名「ハイクロスM―P」(トリメチロールプロパントリメタクリレート)
酸化防止剤:BASFジャパン株式会社製 商品名「イルガノックス1010(登録商標)」
発泡剤:松本油脂製薬株式会社 商品名「MBF-260EVA50」(膨張性マイクロカプセルをエチレン-酢酸ビニル共重合体で50%に希釈したもの)
成分(A-1)46.0重量%と、成分(C-1)20.6重量%と、成分(D-1)33.3重量%と、酸化防止剤0.1重量%とを、インテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製5L-D型)を用いて10分間溶融混練し、更に単軸押出機(VS30-28型ベント)にて造粒を行い、ペレット状の組成物を得た。
得られた組成物を180℃で5分間プレス成形し、長さ150mm、幅150mm、厚み2.0mmの成形体および、長さ150mm、幅150mm、厚み4.0mmの成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
表1に示す成分、および含有量で、実施例1と同様に組成物を得た。得られた組成物を実施例1と同様の方法でプレス成形して、成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
油展エチレン系共重合体(A-2/鉱物油)52.4重量%、成分(C-1)13.2重量%、酸化防止剤0.1重量%、架橋助剤0.1重量%、及び架橋剤0.9重量%をインテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製5L-D型)を用いて10分間溶融混練し、更に単軸押出機(VS30-28型ベント)にて造粒を行い、ペレット状の組成物前駆体を得た。次に、組成物前駆体66.7重量%と、成分(D-1)33.3重量部とをインテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製5L-D型)を用いて10分間溶融混練し、更に単軸押出機(VS30-28型ベント)にて造粒を行い、ペレット状の組成物を得た。
得られた組成物を実施例1と同様の方法でプレス成形をして、成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
表2または表3に示す成分、および含有量で、実施例1と同様に組成物を得た。得られた組成物を実施例1と同様の方法でプレス成形をして、成形体を得た。成形体の物性測定結果を表2及び表3に示す。
Claims (5)
- 下記成分(A)と、下記成分(C)と下記成分(D)とを含有し、
成形体の全重量100重量%に対して、成分(A)の含有量が5重量%以上80重量%以下であり、成分(C)の含有量が5重量%以上60重量%以下であり、成分(D)の含有量が、5.0重量%以上60重量%以下であり、
曲げ弾性率が50MPa以上1000MPa以下であり、
下記式(1)で求められるXが2.0以上であり、下記式(2)で求められるYが2.0以下であり、X/Yが1.5以上である成形体。
成分(A):密度が0.850g/cm3以上0.910g/cm3以下であるエチレン系共重合体であって、該重合体の全重量100重量%に対して、エチレンに由来する構造単位50重量%以上95重量%以下と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位5重量%以上50重量%以下とを有する共重合体
成分(C):プロピレン系重合体であって、該重合体の全重量100重量%に対して、プロピレンに由来する構造単位を50重量%より多く100重量%以下含有する重合体
成分(D):膨張黒鉛
X=dx/4.0 (1)
Y=dy/4.0 (2)
dxおよびdyは、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片を、電気炉中、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の厚み(mm)である。dxおよびdyは、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。
dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm) - 成分(C)の重量に対する、成分(A)の重量の比が0.7以上9.0以下である請求項1に記載の成形体。
- さらに下記成分(E)を含有する請求項1または2に記載の成形体。
成分(E):難燃剤 - 成分(E)がリン酸塩化合物である請求項3に記載の成形体。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の成形体を含む建築部材用ガスケット。
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